特開2018-165046(P2018-165046A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018165046-ラベルロールのレーザー加工装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-165046(P2018-165046A)
(43)【公開日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】ラベルロールのレーザー加工装置
(51)【国際特許分類】
   B31D 1/02 20060101AFI20180928BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20180928BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20180928BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20180928BHJP
   B23K 26/359 20140101ALI20180928BHJP
【FI】
   B31D1/02 A
   G09F3/00 E
   G09F3/00 N
   G09F3/00 P
   B23K26/38 Z
   B23K26/03
   B23K26/359
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-79269(P2017-79269)
(22)【出願日】2017年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】312014856
【氏名又は名称】株式会社 シノハラ・ジャパン
(72)【発明者】
【氏名】田代 靖正
(72)【発明者】
【氏名】南條 清貴
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 茂寿
【テーマコード(参考)】
3E075
4E168
【Fターム(参考)】
3E075AA10
3E075BA83
3E075CA02
3E075DA14
3E075DA33
3E075FA13
3E075GA02
4E168AD01
4E168AD07
4E168CA13
4E168CB03
4E168DA23
4E168DA24
4E168JA18
4E168KA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ラベル原反をその裏面から加工した際の切り抜き加工精度の低下を防ぎ、寸法精度の良好な製品を得る。
【解決手段】ロール状のラベル原反3の剥離材側4をレーザー加工手段5の対向面として給送し、レーザー光によって切り抜くラベル作成装置において、見当マークを有する印刷面側8であって、レーザー光の照射領域外に、見当検出用のセンサー10を配設したラベルロールのレーザー加工装置である。切り抜き加工精度を高めると共に、剥離材にスリットを付加して剥がし易くすることが出来る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状のラベル原反(3)の剥離材側(4)をレーザー加工手段(5)の対向面として給送し、レーザー光によって切り抜くラベル作成装置において、見当マーク(6)を有する印刷面側(8)であって、レーザー光の照射領域外に、見当検出用のセンサー(10)を配設したことを特徴とするラベルロールのレーザー加工装置。
【請求項2】
請求項1において、浮遊塵を除去するためのエアークリーニング手段(13)をセンサー(10)に設けたことを特徴とするラベルロールのレーザー加工装置。
【請求項3】
請求項1において、剥離材側(4)にスリット加工を施すことを特徴とするラベルロールのレーザー加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー光を利用したラベル作成装置に関し、特に、ラベルロールをその裏面の剥離材側から切り抜くレーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品流通において個装の需要が益々高まるにつれ、商品の各種情報を記載したラベルを包装容器に貼付する必要性が増している。そのようなラベルの生産工程にあっては、情報を印刷したラベル本体が台紙である剥離材と一体に貼着されて、ロール状のラベル原反として用意される。そして、実用に供される個々のラベルをラベル原反から取り出すために、切り抜き作業が行われる。
【0003】
個々のラベルを切り抜くために、旧来は刃型が用いられてきたが、その用意や設定に手間がかかるので、近時はレーザー光を利用したラベル作成装置が用いられるようになってきた。
【0004】
特開2016−64541号公報にあっては、先にレーザー光による形状加工を行い、次に情報を印刷して製品ラベルを得る技術が開示されている。
【0005】
また、特開2016−40108号公報にあっては、ラベル原反について、一旦ラベルシートと剥離材とを分離して、ラベルシートの非印刷面側からレーザー光を照射して、製品となった際のラベルの見栄えが良くなるようにし、その後再び剥離材と合体させる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−64541号公報
【特許文献2】特開2016−40108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、レーザー光を利用したラベル作成装置も多様であるが、本発明は、印刷されたラベルシートが、台紙である剥離材と一体に貼着されて、ロール状のラベル原反として用意されたものを加工の対象とし、また、一体化されたラベル原反をその裏面である剥離材側から切り抜くレーザー加工装置である。
【0008】
ところで、レーザー光をラベル原反の剥離材側から照射しようとする場合、剥離材には加工位置の基準とすべき見当マークが印刷されていないので、そのままでは加工精度の低下が避けられないことになる。
【0009】
本発明は上記した問題に鑑みてなされ、進歩したラベルロールのレーザー加工装置を提供するもので、ラベル原反をその裏面から加工した際の切り抜き加工精度の低下を防ぎ、寸法精度の良好な製品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、このために本発明に係るラベルロールのレーザー加工装置は、ロール状のラベル原反の剥離材側をレーザー加工手段の対向面として給送し、レーザー光によって切り抜くラベル作成装置において、見当マークを有する印刷面側であって、レーザー光の照射領域外に、見当検出用のセンサーを配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、切り抜き加工精度を高めると共に、剥離材にスリットを付加して剥がし易くすることが出来、更に白縁対策を可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明に係るラベルロールのレーザー加工装置の概略側面図である。
図2】 レーザー光による加工順序の説明図である。
図3】 センサーの配置説明図である。
図4】 センサーの拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例につき詳細に説明する。図1及び図2において、図面左側が送り出しロール(1)、また、図面右側が巻き取りロール(2)であり、ラベル原反(3)はその裏面の剥離材側(4)が上方のレーザー加工手段(5)に対向するように、裏返し状態で給送される。
【0014】
図1中央上部に示すレーザー加工手段(5)は、図2に2点鎖線で示す見当マーク(6)に対応付けられたカット予定ライン(7)に向けてレーザー光を照射する。なお、図2の見当マーク(6)としては、ラベル原反(3)の印刷面側(8)に印刷されたカラーパッチ等を利用することが出来る。また、レーザー加工手段(5)としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等、特に種別を問うことなく適用出来る。更に、テレセントリックレンズを用いることで、本体は定置されたままでもよく、あるいはX‐Y方向に駆動されるものでも構わない。
【0015】
レーザー加工手段(5)による加工の順序としては、まず図2に示すようにスリット(9)が入れられる。これは、製品ラベルとなった際に不要な剥離材側(4)を剥がし易くするためであり、次に、図2右側に示すように、製品ラベルとしてフルカットされる。
【0016】
図3及び図4に示すように、見当マーク(6)はラベル原反(3)の印刷面側(8)に印刷されていて、その印刷面側(8)は下方に位置しているから、センサー(10)も下方に配置されて見当マーク(6)を逐次検出している。
【0017】
レーザー加工手段(5)から照射されるレーザー光によってセンサー(10)が破損されてはならないので、それを防止するベく、センサー(10)はレーザー光の照射領域外に配置される。ここに照射領域外というのは、ラベル原反(3)の進行方向及びそれに直交する幅方向の両方に関して外側という意味である。
【0018】
センサー(10)がラベル原反(3)の下方に配置された状態でレーザー加工がなされるので、例えば焼け焦げ等による浮遊塵への対策が欠かせない。そこでセンサー(10)の要部(図示のものは導光式のファイバーセンサーである。)を適宜のケーシング(11)で蔽い、そこにエアー源(12)から常時清潔なエアーを導き、エアークリーニング手段(13)とする。
【0019】
従来は、センサー(10)を加工室(レーザー加工手段(5)やラベル原反(3)の送り領域を含む加工領域として区切られたコンパートメント)に入れることが出来なかった。その理由は、レーザー光によるラベル原反(3)の焼き切り作業の際、発煙を伴い、また、焼け焦げ等のごみが出来て、浮遊塵を含む好ましくない雰囲気環境になってしまうからである。
【0020】
本発明の場合、レーザー光の照射領域を避けておきさえすれば、センサー(10)には強力なエアークリーニング手段(13)を付設しているので、浮遊塵等の雰囲気環境対策は万全である。従って、センサー(10)は加工室内であることは勿論、見当マーク(6)を有するラベル原反(3)に近接して配置出来る。それ故エアークリーニング手段(13)は、雰囲気環境対策に留まらず、センサー(10)による位置検出精度の向上を導き出しているのである。
【0021】
このようにして、センサー(10)による見当マーク(6)の位置検出精度、言い換えると、加工対象であるラベル原反(3)の位置検出精度も格段に改善され、結果として、レーザー加工手段(5)による加工精度も飛躍的に向上する。
【0022】
なお、見当マーク(6)の具体的な利用に際しては、フルカットについては切り抜き精度に直接的に関係するので、製品ラベルと一対一の見当マーク(6)を利用するが、スリット(9)の加工については補助的なものであるので、必ずしもこれにこだわることはない。
【0023】
以上述べたように、ラベル原反(3)の裏面側からレーザー加工することにより、剥離材側(4)にスリット(9)を入れておくことが出来て、製品ラベルから不要な剥離材側(4)を剥がし易く出来る。
【0024】
また、樹脂材料から成るラベル原反(3)のカット部位に白い縁が出来易いという、レーザー加工に共通の問題点(これを白縁と通称している。)をほとんど解決することが出来るという副次的な効果もある。何故なら、レーザー光が最終的には不要となる剥離材側(4)から入射するので、製品ラベルとしてはほとんど影響を受けないからである。
【符号の説明】
【0025】
1 送り出しロール
2 巻き取りロール
3 ラベル原反
4 剥離材側
5 レーザー加工手段
6 見当マーク
7 カット予定ライン
8 印刷面側
9 スリット
10 センサー
11 ケーシング
12 エアー源
13 エアークリーニング手段
図1
図2
図3
図4