特開2018-165712(P2018-165712A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-165712(P2018-165712A)
(43)【公開日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】ワークの検査結果判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20180928BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20180928BHJP
【FI】
   G01N21/88 J
   H05K13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-81547(P2017-81547)
(22)【出願日】2017年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-63160(P2017-63160)
(32)【優先日】2017年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】菊 地 大 樹
(72)【発明者】
【氏名】横 山 嘉 彦
【テーマコード(参考)】
2G051
5E353
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AB03
2G051AB08
2G051CA04
2G051CA07
2G051DA08
2G051EB01
2G051EC01
2G051EC03
5E353EE24
5E353EE28
5E353HH42
5E353HH44
5E353KK02
5E353KK12
5E353PP03
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】ワークの良品/不良品の判定を最適に行う。
【解決手段】ワークの検査結果判定方法は複数のワークに対して複数の検査項目について検査を実施する工程と、各ワークについて、全検査項目の検査結果に基づいて、検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数を用いてその評価値を求める工程と、各ワークの評価値を所望空間に配置する工程とを備える。前記所望空間に配置された評価値の分布状態に基づいて、当該所望空間中に、この所望空間を複数の等級を示す領域に区画する境界を設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークに対して複数の検査項目について検査を実施し、全検査項目の検査結果に基づいてワークの等級を判定するワークの検査結果判定方法において、
前記複数のワークに対して複数の検査項目について検査を実施する工程と、
各ワークについて、全検査項目の検査結果に基づいて、検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数を用いてその評価値を求める工程と、
各ワークの評価値を所望空間に配置する工程と、
前記所望空間に配置された評価値の分布状態に基づいて、当該所望空間中に、この所望空間を複数の等級を示す領域に区画する境界を設定する工程と、を備えたことを特徴とするワークの検査結果判定方法。
【請求項2】
前記検査は画像検査であることを特徴とする請求項1記載のワークの検査結果判定方法。
【請求項3】
前記評価値を求める工程において、検査結果項目に定まる関数は、当該検査項目の重要度配分により定まる係数を含むことを特徴とする請求項1または2記載のワークの検査結果判定方法。
【請求項4】
前記境界を設定する工程において、複数の等級を示す領域は良品領域および不良品領域を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のワークの検査結果判定方法。
【請求項5】
前記評価値を求める工程において、前記ワーク毎に求める評価値はOKスコアとNGスコアを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のワークの検査結果判定方法。
【請求項6】
前記境界を設定する工程の後、各ワークについて良品又は不良品の判定を行うことを特徴とする請求項4または5記載のワークの検査結果判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等のワークを搬送しながら、その各面をワーク撮像手段により撮像して外観検査を行うワークの外観検査装置に用いられ、検査結果に基づいてその判定を行うワークの検査結果判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転する円盤状の透明なガラステーブルの上面に6面体形状の電子部品等のワークを載置し、ワークをガラステーブルの上面に吸着させて搬送し、ワークの各面をワーク撮像手段により撮像して外観検査を行うワークの外観検査装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなワークの外観検査装置において、ワークに対して複数の検査項目について検査が実施される。そして各検査項目についてOK/NGの閾値が設定され、すべての検査項目についてOKと判定されたワークが良品として判定される。
【0004】
しかしながら各検査項目の閾値をどのように設定すれば、良品/不良品の判定を最適に行うことができるかはケースバイケースで定められるため、この閾値を定めることは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−133458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ワークについて良品/不良品の判定を最適に行うことができるワークの検査結果判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のワークに対して複数の検査項目について検査を実施し、全検査項目の検査結果に基づいてワークの等級を判定するワークの検査結果判定方法において、前記複数のワークに対して複数の検査項目について検査を実施する工程と、各ワークについて、全検査項目の検査結果に基づいて、検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数を用いてその評価値を求める工程と、各ワークの評価値を所望空間に配置する工程と、前記所望空間に配置された評価値の分布状態に基づいて、当該所望空間中に、この所望空間を複数の等級を示す領域に区画する境界を設定する工程と、を備えたことを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【0008】
本発明は、前記検査は画像検査であることを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【0009】
本発明は、前記評価値を求める工程において、検査結果項目に定まる関数は、当該検査項目の重要度配分により定まる係数を含むことを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【0010】
本発明は、前記境界を設定する工程において、複数の等級を示す領域は良品領域および不良品領域を含むことを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【0011】
本発明は、前記評価値を求める工程において、前記ワーク毎に求める評価値はOKスコアとNGスコアを含むことを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【0012】
本発明は、前記境界を設定する工程の後、各ワークについて良品又は不良品の判定を行うことを特徴とするワークの検査結果判定方法である。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、検査対象ワークについて、その良品/不良品の判定を適切かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1はワークの外観検査装置を示す平面図。
図2図2(a)(b)は搬送テーブルの上面に載置されたワークが搬送される様子を示す図。
図3図3は本発明によるワークの検査結果判定方法を示すフローチャート。
図4図4は本発明によるワークの検査結果判定方法で用いる2次元空間を示す図。
図5図5は比較例としての検査結果判定方法を示す図。
【発明の実施の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1乃至図5は本発明によるワークの検査結果判定方法の実施の形態を示す図である。
【0017】
まず、ワークの検査結果判定方法が用いられる、画像検査装置としてのワークの外観検査装置の概略を図1により説明する。
【0018】
図1に示すように、ワークの外観検査装置30は、6面体形状の電極を含む電子部品等のワークWを搬送する透明なガラス製の搬送テーブル2と、搬送テーブル2により搬送されるワークWの6面を撮像する側面カメラ部8、内面カメラ部9、上面カメラ部10、下面カメラ部11、前面カメラ部12および後面カメラ部13とを備えている。
【0019】
このうち搬送テーブル2により搬送手段が構成され、また側面カメラ部8と、内面カメラ部9と、上面カメラ部10と、下面カメラ部11と、前面カメラ部12と、後面カメラ部13とによりワーク撮像手段が構成される。
【0020】
図1に示すワークの外観検査装置30において、まずワークWは僅かな傾斜を有して下降する直線状のリニアフィーダ1の振動の作用により一列に整列して矢印Nの方向に搬送される。次にワークWはリニアフィーダ1の下流端において、振動しない無振動部4を経て、リニアフィーダ1の下方に水平に設けられた透明なガラス製の搬送テーブル2の上面に移載される。そして、無振動部4の位置の少し手前かつ搬送テーブル2の直下に設けられたイオナイザ6が、搬送テーブル2の下面に向けてプラスイオンを噴出する。このため、搬送テーブル2の下面はプラスに帯電し、それによって生じる静電誘導または誘電分極の作用により、ワークWは搬送テーブル2の上面に吸着される。
【0021】
吸着されたワークWは搬送テーブル2の回転(中心軸3の周囲の矢印X方向)により搬送され、その後整列ガイド7の作用により搬送テーブル2の上面の外縁部近傍に想定されるワーク搬送円弧5上に整列する。そして、ワークWはその整列状態で搬送されながら側面カメラ部8、内面カメラ部9、上面カメラ部10、下面カメラ部11、前面カメラ部12、後面カメラ部13において、各面をそれぞれに対応する撮像手段により撮像され、外観検査が行われる。
【0022】
外観検査を終了したワークWは、外観検査の結果に対応して排出部14によりワーク搬送円弧5上から図示されない収納箱に排出される。
【0023】
ここで搬送テーブル2の上面に載置されたワークWが搬送される様子を斜視図として図2(a)に示す。ワークWは6面体形状であり、その各辺の長さは図2(a)に示すように、矢印Xで示される搬送テーブル2の回転方向に沿った長さ方向の一辺がWL、搬送テーブル2の中心軸3(図1)から外縁部に向かう半径方向に沿った幅方向の一辺がWw、搬送テーブル2の上面から上方に向かう高さ方向の一辺がWHである。ここに、各辺の長さWL、Ww、WHは、いずれも概ね1mm〜10mm程度である。
【0024】
また、図2(a)のワークWを搬送テーブル2の上面(矢印Cの方向)から見た平面図を図2(b)に示す。図2(b)において、ワークWは搬送テーブル2の外側に向いた側面Wsがワーク搬送円弧5の接線となるように、搬送テーブル2の上面に載置されている。側面Wsに対向する内面Wiは搬送テーブル2の中心軸3(図1)に面している。そして、矢印Xで示される搬送テーブル2の回転方向には前面Wfが、また回転方向と逆方向には後面Wrが面している。
【0025】
図2(a)に示すように、長さWLはワークWの長手方向を向く。このように、ワークの外観検査装置30においては、図1におけるリニアフィーダ1および整列ガイド7の作用により、6面体形状のワークWはその長手方向が搬送テーブル2の回転方向に沿うように、かつ側面Wsが搬送テーブル2の外側を向いてワーク搬送円弧5の接線となるように、搬送テーブル2の上面に載置されている。
【0026】
ここに、ワークWの各面とそれらを撮像する各カメラ部との対応関係を以下に記す。まず、図1の側面カメラ部8において、図2(a)の矢印A方向から図2(b)の側面Wsを撮像する。次に、図1の内面カメラ部9において、図2(a)の矢印B方向から図2(b)の内面Wiを撮像する。次に、図1の上面カメラ部10において、図2(a)の矢印C方向から図2(a)の上面Wtを撮像する。次に、図1の下面カメラ部11において、図2(a)の矢印D方向から図2(a)の下面Wbを撮像する。次に、図1の前面カメラ部12において、図2(a)の矢印E方向から図2(b)の前面Wfを撮像する。最後に、図1の後面カメラ部13において、図2(a)の矢印F方向から図2(b)の後面Wrを撮像する。
【0027】
次に側面カメラ部8、内面カメラ部9、上面カメラ部10、下面カメラ部11、前面カメラ部12および後面カメラ部13によって撮像された撮像結果は制御部20へ送られる。
【0028】
制御部20内では、以下の要領で図3に示すフローチャートに沿って、ワークの検査結果判定方法が行われる。
【0029】
具体的にはまず、検査方法がスタートして、側面カメラ部8、内面カメラ部9、上面カメラ部10、下面カメラ部11、前面カメラ部12および後面カメラ部13によって各ワークWの6面が撮像され、撮像されたワークWの6面の撮像結果に基づいて、制御部20において、複数の検査項目について検査を実施する。
【0030】
これらの検査項目としては、具体的には(1)ワークの欠けの大きさ、(2)電極の大きさ、(3)汚れ具合が挙げられる。
【0031】
次に制御部20内では、各ワークWについて上記全検査項目(1)〜(3)の検査結果に基づいて、検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数を用いてその評価値を求める。
【0032】
次に検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数について、以下説明する。
【0033】
ここで結合関数F1としては以下の(1)式を用いることができる。
F1=Afa(OK,NG)+Bfb(OK,NG)+Cfc(OK,NG)+・・・
(1)
【0034】
結合関数F1は、各ワークの評価値を求める際のスコア決定時の各検査項目の重要度配分を示す係数A、B、C・・・と、各検査項目の閾値から生成される関数Afa(OK,NG)、Bfb(OK,NG)、Cfc(OK,NG)の結合((1)式においては1次結合)となる関数として生成される。(1)式において、「OK」はOKスコアを示し、「NG」はNGスコアを示す。
【0035】
なお結合関数F1は、数式による記載が容易な場合に適用される。他方、結合関数F1の数式の記載が困難な場合、学習機能を持つAI(人工知能)にF1相当の関数F2を生成させてもよい。
【0036】
(1)式において、上述のようにF1は結合関数を表し、関数Afa(OK,NG)は検査項目、例えばワークの欠けの閾値から生成される検査項目毎に定まる関数であり、関数Afa(OK,NG)は閾値を基準としたOK(良)又はNG(不良)のパラメータを有する。また関数Afa(OK,NG)は、検査項目の重要度配分を示す係数Aをもち、当該検査項目の重み付けが低い場合、係数Aは小さな値をとり、重み付けが高い場合、係数Aは大きな値をとる。
【0037】
また(1)式において、関数Bfb(OK,NG)は検査項目、例えばワークの電極の大きさの閾値から生成される検査項目毎に定まる関数であり、関数Bfb(OK,NG)は閾値を基準としたOK又はNGのパラメータを有する。また関数Bfb(OK,NG)は、検査項目の重要度配分を示す係数Bをもち、当該検査項目の重み付けが低い場合、係数Bは小さな値をとり、重み付けが高い場合、係数Bは大きな値をとる。
【0038】
(1)式において、関数Cfc(OK,NG)は検査項目、例えばワークの汚れ具合の閾値から生成される検査項目毎に定まる関数であり、関数Cfc(OK,NG)は閾値を基準としたOK又はNGのパラメータを有する。また関数Cfc(OK,NG)は、検査項目の重要度配分を示す係数Cをもち、当該検査項目の重み付けが低い場合、係数Cは小さな値をとり、重み付けが高い場合、係数Cは大きな値をとる。
【0039】
このようにして(1)式に示す検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数F1を用いて、各ワーク毎の評価値を定める。
【0040】
次に制御部20では、各ワーク毎の評価値を図4に示す所望の2次元空間に配置する。
【0041】
この場合、ワーク毎の評価値は、図4に示すようにOKスコア(良スコア)およびNGスコア(不良スコア)を含む。ここで図4において、縦軸はOKスコアを示し、横軸はNGスコアを示す。
【0042】
図4に示すように、ワーク毎の評価値のうちOKスコアの値が大きければワークの評価は良好となり、NGスコアの値が大きければワークの評価は不良となる。
【0043】
次に2次空間に配置された分布状態に基づいて2次空間中に、2次空間を複数の等級を示す領域α、β、γ、δに区画する境界A,Bを設定する。
【0044】
図4において、2次空間は直線状の境界A,Bにより4つの領域α、β、γ、δに区画されており、このうち領域αは良品領域であり、この領域αに入るワークは良品として判定される。
【0045】
領域δは不良品領域であり、この領域δに入るワークは不良品として判定される。
【0046】
領域β、γはグレー領域であり、この領域β、γに入るワークは、目視検査の対象となる(グレー品)。
【0047】
このようにして、2次空間に各ワークのOKスコアとNGスコアを含む評価値を配置し、この評価値の分布状態に基づいて、2次空間を4つの領域α、β、γ、δに区画する境界A,Bを設定する。次にこの4つの領域α、β、γ、δに入るワークについて、良品、不良品あるいはグレー品として判定することができる。
【0048】
次に図5により本発明の比較例について説明する。図5に示す比較例において、各ワークについて検査項目(1):欠けの大きさが求められ、検査項目(2):電極の大きさが求められ、検査項目(3):汚れ具合が求められる。
【0049】
図5に示す比較例において、各ワークについて検査項目(1)〜(3)毎に閾値1〜3が設定されており、各検査項目(1)〜(3)について閾値1〜3を基準として良(OK)、不良(NG)が判定される。そして各ワークについてすべての検査項目1〜3がすべて良と判定された場合に、当該ワークは良品として判定され、検査項目1〜3のいずれか1つの検査項目が不良の場合に、当該ワークは不良品として判定される。
【0050】
しかしながら、この比較例の場合、各検査項目の閾値をどのように設定すれば、良品と不良品の判定を適切に行うことができるか不明であり、各検査項目の閾値は他の検査項目の閾値と無関係に定まるため、検査項目全体のバランスを考慮して良品と不良品の判定を行うことがむずかしい。
【0051】
これに対して本願発明によれば、各検査項目毎に定まる関数を結合させた結合関数を用いてその評価値を求め、この評価値を2次空間に配置し、評価値の分布状態に基づいて2次空間を4つの領域α、β、γ、δに区画し、この4つの領域α、β、γ、δに入るワークについてその等級(良品、不良品、グレー品)を判定する。このため、検査項目全体のバランスを考慮して良品と不良品の判定を行うことができる。また各検査項目毎の関数は当該検査項目の重要度配分により定まる係数を含むため、重要度の高い検査項目の検査結果を重視して良品、不良品の判定を行うことができるため、実情に沿ってワークの良品、不良品を適切に判定することができる。
【0052】
なお上記実施の形態において、各ワークの評価値がOKスコアとNGスコアをもつ2つの値を含み、このことにより評価値を2次元空間上に配置した例を示したが、これに限らず評価値は3つの値をもち、これにより評価値を3次元空間上に配置してもよい。
【0053】
さらにまた2次元空間に評価値を配置するとともに、評価値の分散状態に基づいて2本の直線状の境界A,Bを用いて2次元空間を区画した例を示したが、境界A,Bは直線状のものに限ることはなく、曲線状の境界であってもよい。
【0054】
さらに2次元空間を2本の直線状の境界A,Bを用いて4つの等級を示す領域α、β、γ、δに区画する例を示したが、これに限らず2次元空間を5つ、6つあるいはそれ以上の等級を示す領域毎に区画してもよい。
【0055】
また、以上の説明においては、本発明を外観検査装置に適用するとしたが、本発明は外観検査装置以外のたとえば、テーピング装置等が有する画像処理装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 リニアフィーダ
2 搬送テーブル
6 イオナイザ
7 整列ガイド
8 側面カメラ部
9 内面カメラ部
10 上面カメラ部
11 下面カメラ部
12 前面カメラ部
13 後面カメラ部
20 制御部
30 ワークの外観検査装置
図1
図2
図3
図4
図5