【課題】デジタルダッシュボードの表示情報に別途表示したい付属情報を必要なタイミングで必要な分だけデータを取得し、付属情報の表示レイアウトを設定することができる情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】記憶部106には、データ取得対象と抽出条件項目とを設定する付属情報取得定義マスタ106aと、取得タイミングと受け渡し項目とを設定する付属情報抽出条件定義マスタ106bと、表示対象項目とレイアウトとを設定する付属情報レイアウト定義マスタ106cとを含み、制御部102は、取得タイミングが到来すると、データ取得対象を参照して、抽出条件項目と受け渡し項目とに基づいて付属情報を取得するデータ取得部102aと、取得したデータの表示対象項目についてレイアウト設定に基づいて付属情報を画面上に表示するデータ表示部102bとを備える。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明にかかる情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
従来のデジタルダッシュボードは、表示したいデータをあらかじめ取得して保持しておき、その保持データに対して表示形式や集計方法を定義して表示するのが一般的であった。このように、表示する可能性のあるデータは、付属情報も含めて全て保持しておく必要があるため、データ容量が肥大化すると共に、リアルタイムにデータの変化を捉えることができないという問題があった。
【0017】
そこで、本実施形態では、デジタルダッシュボードの表示データに対して、画面表示後に別途必要な付属情報をデータベースから取得して表示する仕組みを備えている。具体的には、付属情報の取得タイミングと、付属情報を取得する対象と、付属情報を表示する表示形式とを予め設定しておくことで、デジタルダッシュボードのデータ表示後であっても、必要なタイミングで必要な分だけデータを取得して、所望のレイアウトで表示することができる。その結果、データ容量の肥大化を防いで、リアルタイムのデータ参照を実現することができる。
【0018】
[2.構成]
本発明に包含される本実施形態にかかる情報表示システムの一構成例について、
図1、および、
図3〜
図5を参照して説明する。
図1は、情報表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3は、付属情報取得定義マスタのデータ取得対象である商品マスタデータの一例を示す図である。
図4は、付属情報抽出条件定義マスタの取得タイミングの画面例を示す図である。
図5は、付属情報レイアウト定義マスタの表示対象項目の画面例を示す図である。
【0019】
情報表示システムは、情報表示装置100とサーバ200とネットワーク300とで構成されている。情報表示装置100は、業務データ(企業内に蓄積された膨大なデータ)を分析用にグラフ等で可視化して経営数値等を分析し易く表示するデジタルダッシュボード用の表示装置である。ここでは、常時更新される業務データをサーバ200側で管理し、情報表示装置100は、デジタルダッシュボードの表示情報を表示した後、別途必要な付属情報を表示する際に、サーバ200に対して必要なタイミングで必要な分の最新データを取得し、表示することができる。
【0020】
情報表示装置100は、業務データを管理する業務アプリケーション(例えば、Webアプリケーションなど)がインストールされた市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、情報表示装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
情報表示装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。情報表示装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、情報表示装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報表示装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、付属情報取得定義マスタ106a、付属情報抽出条件定義マスタ106b、付属情報レイアウト定義マスタ106c等を備えている。
【0024】
付属情報取得定義マスタ106aは、付属情報を表示するデータをどこから取得するかという「データ取得対象」と、どの項目を条件としてデータ取得するかという「抽出条件項目」とを設定する定義マスタである。例えば、
図3に示すように、「データ取得対象」を業務データの管理を行うデータベースとしての商品マスタデータ206bとし、「抽出条件項目」を破線枠206b−1で囲った“商品コード”と“改定日”として定義した一例を示している。
【0025】
付属情報抽出条件定義マスタ106bは、付属情報を表示するデータをどのタイミングで取得するかを決める「取得タイミング」と、どの項目を抽出条件として受け渡すのかを決める「受け渡し項目」とを設定する定義マスタである。例えば、
図4に示すように、「受け渡し項目」を“画面上の商品コード”と“抽出条件の基準日”とし、「取得タイミング」を「データが一意になった時」と設定したとする。そして、
図4の照会画面MA1以前に基準日の指定があり、
図4の画面上で商品コードCD1の“S001”が指定されるとデータが一意になるため、「受け渡し項目」の“画面上の商品コード”と“抽出条件の基準日”とを抽出条件としてサーバ200側に受け渡すことで、その抽出条件に合った付属情報を取得することができる。
【0026】
付属情報レイアウト定義マスタ106cは、取得した付属情報を表示するデータのどの項目を表示対象とするかを決める「表示対象項目」と、その表示対象項目をどのように画面に表示するかを決める「レイアウト」とを設定する定義マスタである。例えば、
図5に示すように、付属情報AD1の「表示対象項目」として“商品コード”、“商品名”、“色”、“最終入荷日”、“値段”のように設定し、「レイアウト」としては文字を表示するか画像を表示するかの“表示形式”、画面上の表示位置に関する“配置”、付属情報全体の表示サイズに関する“サイズ”、文字表示の場合のフォント種類に関する“文字フォント”、文字や画像の色に関する“色”などの項目を設定することができる。ここでは、レイアウト関連で設定可能な項目を例示列挙したが、これに限定されず、文字や画像を組み合わせたり、表示位置を複数箇所としたり、色やフォントの種類なども複数組み合わせたり、これ以外の項目を設定したりしてもよい。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
制御部102は、情報表示装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、データ取得手段としてのデータ取得部102a、データ表示手段としてのデータ表示部102b、データ集計手段としてのデータ集計部102c等を備えている。
【0029】
データ取得部102aは、付属情報抽出条件定義マスタ106bに設定された取得タイミングが到来すると、付属情報取得定義マスタ106aに設定されたデータ取得対象を参照して、データ取得対象から抽出条件項目と付属情報抽出条件定義マスタ106bに設定された受け渡し項目とに基づいて付属情報を表示するデータを取得する。
【0030】
データ表示部102bは、取得した付属情報を表示するデータのうち、付属情報レイアウト定義マスタ106cに設定された表示対象項目をレイアウトの設定に基づいて画面上に付属情報を表示する。
【0031】
データ集計部102cは、取得したデータを集計するものであり、例えば取得した売上データを集計することで売上推移表を作成したり、売上データを商品コードで絞り込んだ結果を再集計することで売上推移表を再作成したりする。
【0032】
サーバ200は、業務アプリケーションの管理下にある業務データ(例えば、売上データ、商品マスタデータなど)を格納している。なお、本実施形態では、Webシステムを採用したため、業務データを管理するサーバ200がネットワーク300を介して情報表示装置100と接続されている例を示したが、業務データを管理するデータベース(売上データ、商品マスタデータなど)を情報表示装置100の記憶部106内に配置する構成としてもよい。その場合もデータベースの更新は、常時行われ、常に最新データが保持されるようにする。
【0033】
サーバ200は、制御部202と、通信インターフェース部204と、記憶部206とを備えている。サーバ200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0034】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、サーバ200をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0035】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206として、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部206は、売上データ206a、商品マスタデータ206b等を備えている。
【0036】
売上データ206aは、デジタルダッシュボードの表示情報を保持しているデータベースである。例えば
図7に示すように、デジタルダッシュボードに表示する元データとしての売上データ206aをデータ集計部102cで集計することにより、売上推移表SC1などを表示することができる。
【0037】
商品マスタデータ206bは、付属情報を表示するデータを保持している付属情報表示データ記憶部としてのデータベースである。付属情報を表示する場合は、付属情報抽出条件定義マスタ106bに設定された「受け渡し項目」と「取得タイミング」とに基づいて、データが一意になったタイミングで付属情報を表示するデータの取得処理を実行する。その際、付属情報取得定義マスタ106aに設定された「データ取得対象」が商品マスタデータ206bである場合は、これを参照し、「抽出条件項目」と「受け渡し項目」の設定に基づいて、例えば
図9に示す商品マスタデータ206bの商品コードCD1が“S001”で、改定日が“2016/06/01”の破線枠内のデータを取得し、これを付属情報として表示する。
【0038】
制御部202は、サーバ200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部202は、機能概念的に、データ管理部202a等を備えている。
【0039】
データ管理部202aは、記憶部206に含まれる売上データ206aおよび商品マスタデータ206b等のデータを管理するものである。データ管理部202aは、情報表示装置100のデータ取得部102aから付属情報抽出条件定義マスタ106bの「取得タイミング」で抽出条件としての「受け渡し項目」を受け取ると、商品マスタデータ206bを参照して該当するデータを抽出し、通信インターフェース部204,104およびネットワーク300を介して情報表示装置100に送る。
【0040】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2、
図6〜
図15を参照して、本実施形態にかかる情報表示装置100の処理の一例について説明する。
図2は、情報表示システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、照会画面で抽出条件項目を入力してデータ表示ボタンを押下する処理手順の一例を示す図である。
図7は、売上データに基づいて売上推移表を作成して表示する処理手順の一例を示す図である。
図8は、商品コードを選択し商品マスタデータから付属情報を取得して表示する処理手順の一例を示す図である。
図9は、
図8で付属情報を取得する商品マスタデータの一例を示す図である。
図10は、文字と画像の付属情報を表示した照会画面例を示す図である。
図11は、本実施形態における売上データの一例を示す図である。
図12は、本実施形態における商品マスタデータの一例を示す図である。
図13は、本実施形態における照会画面の情報表示の一例を示す図である。
図14は、比較例における表示用データの一例を示す図である。
図15は、比較例における照会画面の情報表示の一例を示す図である。
【0041】
本実施形態にかかる情報表示装置100は、複数の店舗において商品(ここでは、衣類としてのTシャツ)の販売を行った売上データ等の業務データをデータベースに蓄積し、分析用としてグラフ等で可視化して経営数値等を分析し易く表示するデジタルダッシュボード用の表示装置である。情報表示装置100は、デジタルダッシュボードの主たる表示データを表示後、別途表示したい付属情報がある場合には追加表示を行うことができる。
【0042】
デジタルダッシュボードの主たる表示データを表示する場合、情報表示装置100は、
図1に示すように、出力装置114に照会画面を起動し、入力装置112からデジタルダッシュボードの表示するデータの抽出条件を入力する。例えば、
図6に示すように、照会画面MA1の抽出条件項目EC1に、売上推移表を表示するためのデータ抽出条件として、“基準日”(2016/06/01)、“開始年月”(2016/04)、および“終了年月”(2016/07)を入力し、データ表示ボタンDB1を押下する。
【0043】
データ取得部102aは、入力された抽出条件を通信インターフェース部104、ネットワーク300、およびサーバ200側の通信インターフェース部204を介してデータ管理部202aへ渡す。データ管理部202aは、
図7に示すように、受け取った抽出条件に適合する売上データ206aを抽出して情報表示装置100へ送信する。情報表示装置100は、受け取った売上データ206aをデータ集計部102cで集計することで、
図7の照会画面MA1に示すような売上推移表SC1を表示することができる。なお、
図7の売上データ206aに表示されている“商品コード”は、“S001”のみであるが、実際には“S001”〜“S003”の商品コードの全てのデータを抽出し、店舗別、売上年月毎に集計した結果が
図7に示す売上推移表SC1である。
【0044】
このように、デジタルダッシュボードの主たる表示データである売上推移表SC1を照会画面MA1に表示した後、別途必要な付属情報を表示する場合の処理について説明する。ここでは、
図7に示す照会画面MA1には、表示データを絞り込むためのフィルターFT1が配置されており、このフィルターFT1を使って付属情報を表示すると共に、デジタルダッシュボードの主たる表示データである売上推移表SC1の表示データの絞り込みも行うようにする。
【0045】
まず、
図2に示すように、付属情報を表示するデータを取得する付属情報取得処理(ステップSA−1)を行う。オペレータは、
図8に示すように、照会画面MA1上のフィルターFT1の商品コードCD1の“S001”を選択する。すると、情報表示装置100のデータ取得部102aは、
図1に示すように、付属情報抽出条件定義マスタ106bに事前設定されている「受け渡し項目」の“抽出条件の基準日”が
図6で指定され、“画面上の商品コード”が
図8で指定されたことで、データが一意となり「取得タイミング」が到来したと判断する。これにより、データ取得部102aは、
図9に示すように、サーバ200に対し「データ取得対象」を商品マスタデータ206bとし、付属情報抽出条件定義マスタ106bの「受け渡し項目」を受け渡すと、データ管理部202aが「抽出条件項目」の“商品コード”と“改定日”とが一致したデータ(
図9の商品コードCD1の破線枠内のデータ)を商品マスタデータ206bから抽出し、情報表示装置100へ送信することで、付属情報を表示するデータを取得することができる。
【0046】
情報表示装置100のデータ表示部102bは、取得した
図9に示すデータを付属情報レイアウト定義マスタ106cに事前設定された「表示対象項目」と「レイアウト」に従って画面上に付属情報を表示する、付属情報表示処理(ステップSA−2)を行う。具体的な「表示対象項目」としては、
図8に示すように、“商品コード”(S001)、“商品名”(Tシャツ001)、“色”(赤)、“最終入荷日”(2016/05/01)、“値段”(¥6,500)とし、「レイアウト」設定の“サイズ”(縦20px・横50px)に従って、表形式の中に文字を入れた付属情報AD1を表示することができる。
【0047】
この時、
図7に示す売上推移表SC1では、“商品コード”が“S001”〜“S003”の全ての商品について集計した売上の推移を表示している。これに対し、
図8に示す売上推移表SC1では、付属情報AD1を表示する際に、フィルターFT1により商品コードCD1を“S001”に絞っているため、売上推移表SC1もこれに合わせて集計し直して表示するようにしてもよい。具体的には、
図7に示すように、データ取得部102aが取得した売上データ206aをデータ集計部102cで再集計する際に、フィルターFT1で商品コードCD1を“S001”に絞り込むようにする。これにより、
図8に示す照会画面MA1では、フィルターFT1で商品コードCD1を“S001”に指定したタイミングで、商品マスタデータ206bからデータを取得して付属情報AD1を表示すると同時に、売上データ206aから取得したデータに対しデータ集計部102cが商品コードCD1を“S001”に絞り込んで再集計した結果を売上推移表SC1として再表示する。
【0048】
また、本実施形態にかかる情報表示装置100は、付属情報の表示形式を
図10に示すように表示することもできる。つまり、情報表示装置100は、付属情報レイアウト定義マスタ106cの「表示対象項目」に新たに“Tシャツ画像”を加え、「レイアウト」設定として表形式の中に文字を入れた画像の右横に商品画像を追加する。これにより、表示される付属情報AD1は、
図10に示すように、“商品コード”(S001)、“商品名”(Tシャツ001)、“色”(赤)、“最終入荷日”(2016/05/01)、“値段”(¥6,500)に加えて、赤のTシャツ画像AD1a(図面上は赤で表示しない)を表示することができる。
【0049】
なお、
図8に示すデジタルダッシュボードの画面では、売上推移表SC1の値も付属情報AD1と同様に商品コードCD1を“S001”に絞って表示したが、必ずしもこれに限定されない。例えば、
図10に示すように、フィルターFT1では商品コードCD1を“S001”に絞って付属情報AD1を表示しているが、売上推移表SC1は商品コードCD1を“S001”に絞ることなく、“S001”〜“S003”の集計結果をそのまま表示させておくことも可能である。
【0050】
以下では、本実施形態にかかるデジタルダッシュボードと、比較例にかかるデジタルダッシュボードの表示方法の違いを
図11〜
図15を用いて比較し、本実施形態にかかる情報表示装置の効果について説明する。
【0051】
(本実施形態にかかるデジタルダッシュボード)
本実施形態にかかる情報表示装置100は、デジタルダッシュボードの主たる表示データの元データとして、
図11に示す売上データ206aを集計することで、
図13に示すような売上推移表SC1を作成し、表示している。そして、本実施形態の情報表示装置100は、デジタルダッシュボードの主たる表示データ(売上推移表SC1)を表示後、別途必要な付属情報を表示したい場合は、売上データ206aとは別口で付属情報を表示するためのデータを必要なタイミングで、必要な分だけ専用のデータベース(ここでは、
図12の商品マスタデータ206b)から取得するため、事前に付属情報取得定義マスタ106a、付属情報抽出条件定義マスタ106b、および付属情報レイアウト定義マスタ106cなどを設定している。このため、デジタルダッシュボードの主たる表示データの表示タイミングや表示内容に拘束されることがなくなり、リアルタイムで更新されるデータベースから必要なデータを、必要なタイミングで、必要な分だけ取得して、
図13に示すような付属情報AD1を表示することができる。
【0052】
このように、本実施形態にかかる情報表示装置100によれば、事前に表示データを全て準備する必要が無くなり、データ容量の肥大化が抑制できると共に、付属情報を表示するデータをリアルタイムに取得できることからデータの変化にも対応することが可能となる。
【0053】
(比較例にかかるデジタルダッシュボード)
これに対し、比較例の場合は、
図14に示すように、デジタルダッシュボードとして表示するデータを表示用データDD1として事前に全て保持しておく必要があった。つまり、
図15に示すように、照会画面MA2の売上推移表SC2は、
図13に示す付属情報AD1と売上推移表SC1に相当する内容を一緒に表示しているため、表示用データDD1を分けて保持しておくことができず、データ容量が肥大化するという問題があった。また、デジタルダッシュボードの表示内容を更新しようとすると、表示用データDD1を一旦破棄し、再度新たな表示用データDD1を全て準備する必要があるため、非常に手間がかかり、データの更新処理を容易に行うことができなかった。このため、デジタルダッシュボードの本来の目的は、業務データを分析して企業の意思決定に活用するものであり、常に新しいデータに基づいて分析する必要があるにも関わらず、比較例のデジタルダッシュボードではそれが困難であった。
【0054】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0055】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0056】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、情報表示装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0058】
例えば、情報表示装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報表示装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0059】
また、このコンピュータプログラムは、情報表示装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0060】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0061】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0062】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0063】
また、情報表示装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報表示装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0064】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。