【解決手段】本実施の形態における機械情報管理装置は、機械を管理するための仕様及び点検に関する項目及び入力形式を含む設定情報を格納する管理項目記憶手段と、機械の仕様情報及び点検情報を格納する管理情報記憶手段と、ユーザ操作に応じて設定される設定情報を前記管理項目記憶手段に登録する第1の登録手段と、前記管理項目記憶手段に格納された設定情報に従った画面を表示手段に表示し、当該画面上でユーザ操作に応じて設定される機械の仕様情報及び点検情報を前記管理情報記憶手段に登録する第2の登録手段と、前記管理情報記憶手段に登録された機械の仕様情報及び点検情報を照会するための照会画面を前記表示手段に表示する照会手段と、を備えている。
前記管理情報記憶手段は、前記機械の点検情報を機械のシリアル番号単位で複数登録することが可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の機械情報管理装置。
前記管理情報記憶手段は、前記機械のシリアル番号単位で前記機械の点検情報を複数登録する場合は、改訂日と関連づけて登録することを特徴とする請求項4に記載の機械情報管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
図1及び
図2は、本実施の形態の概要を説明するための説明図である。
図1及び
図2を参照して、本実施の形態の概要を説明する。
【0017】
例えば、大型機械(エレベータ等)では、機械毎に異なる仕様情報、各種点検(月次点検・法定点検など)履歴といった情報管理が必要である。従来の販売管理システムでは、予め決められた管理項目しか持つことができず、また、管理項目の改訂履歴の情報管理ができなかった。例えば、エレベータの点検項目のように、年度毎に変更が発生したり、法令の変更によって点検項目が変化する場合、従来の仕組みではシステム対応が必要となり、ユーザが自由に点検項目を変更することができなかった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、機械の仕様情報及び点検情報をユーザが自由に設定を行い、各情報の履歴の改訂情報を管理することを可能とした。また、本実施の形態では、点検項目毎に閾値を設定可能とし、前回点検値との差が閾値を超えている場合には、ユーザに通知することで事故を未然に防止することを可能とした。
【0019】
図1(A)は従来の販売管理システムを説明するための図であり、
図1(B)は本実施の形態のシステムを説明するための説明図である。
【0020】
図1(A)に示すように、例えば、エレベータA,Bの仕様項目として、製造番号、メーカー、用途、積載量(Kg)、及び停止階等がある。このうち、製造番号及びメーカーは標準的な(変更されない)仕様項目である。他方、用途、積載量(Kg)及び停止階は、使用環境によって変更する必要のあるエレベータ固有の仕様項目である。このように、機械毎に管理したい仕様項目があるが、従来の販売管理システムでは、固有の仕様項目を持つ場合はその都度カスタマイズする必要がある。
【0021】
本実施の形態では、
図1(B)に示すように、マスタを使用してユーザが機械毎に管理したい仕様項目を変更可能とする。例えば、固有の仕様項目である用途、積載量(Kg)、及び停止階を、マスタ(
図3の機歴管理項目明細マスタ106b)で項目名、入力形式等の設定情報を設定することでユーザが簡単に変更できるようにしている。このように、機械毎に管理したい項目をユーザがマスタの設定で自由に変更可能とすることで個別のカスタマイズ対応が不要となる。
【0022】
図2は、本実施の形態の機械の点検結果の警告の概略を説明するための図である。
図2を参照して、本実施の形態の機械の点検結果の警告を説明する。本実施の形態では、点検結果について警告・エラーを通知するための条件をマスタ(
図3の履歴管理項目明細マスタ106b)に登録する。例えば、
図2(B)に示すように、警告・エラーを設定するためのマスタに、項目名「ブレーキパッド」、チェック区分「前回値(上)」、警告値「1.5」、エラー値「2.0」を登録する。
【0023】
図2(A)は、マスタのチェック区分の警告・エラーの計算方法を説明するための図である。警告条件のみを満たす場合は警告、警告条件及びエラー条件の両方を満たす場合はエラーとする。
【0024】
チェック区分の「前回値(上)」は、警告値<(前回値−今回値)の場合に警告とし、エラー値<(前回値−今回値)の場合にエラーとする。チェック区分の「前回値(下)」は、警告値>(前回値−今回値)の場合に警告とし、エラー値>(前回値−今回値)の場合にエラーとする。チェック区分の「今回値(上)」は、警告値<今回値の場合に警告とし、エラー値<今回値の場合にエラーとする。チェック区分の「今回値(下)」は、警告値>今回値の場合に警告とし、エラー値>今回値の場合にエラーとする。
【0025】
図2(C)を参照して、
図2(B)のマスタの設定を使用して、エレベータAのブレーキパッドの点検結果に対して警告・エラーを行う場合の一例を説明する。2015/04/01の点検では、ブレーキパッドの点検結果は「6.0mm」である。2016/04/01の点検では、ブレーキパッドの点検結果は「4.4mm」である。マスタの設定は、チェック区分「前回値(上)」であり、警告値「1.5」<1.6(=前回値6.0−今回値4.4)、エラー値「2.0」>1.6(=前回値6.0−今回値4.4)となり、警告条件を満たすため警告とする。また、2017/04/01の点検では、ブレーキパッドの点検結果は「2.0mm」である。警告値「1.5」<2.4(=前回値4.4−今回値2.0)、エラー値「2.0」<2.4(=前回値4.4−今回値2.0)となり、警告条件及びエラー条件を満たすため、エラーとする。
【0026】
[2.構成]
図3を参照して、本実施形態に係る機械情報管理装置100の構成の一例について説明する。
図3は、機械情報管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
機械情報管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、機械情報管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0028】
機械情報管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。機械情報管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0029】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、機械情報管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、機械情報管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、機歴管理項目マスタ106aと、機歴管理項目明細マスタ106bと、機歴基本情報マスタ106cと、機歴管理情報マスタ106dとを備えている。
図4は、機歴管理項目マスタ106a、機歴管理項目明細マスタ106b、機歴基本情報マスタ106c、及び機歴管理情報マスタ106dのデータ構成例を示す図である。
【0031】
機歴管理項目マスタ106aは、
図4に示すように、管理番号と管理内容(例えば、「機械仕様」、「年次点検」、「月次点検」)とを対応づけて格納するテーブル等である。
【0032】
機歴管理項目明細マスタ106bは、
図4に示すように、管理番号、管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分、備考、桁数、少数桁数、最大値、最小値、チェック区分、警告値、及びエラー値等を対応づけて格納するテーブル等である。これらの管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分、備考、桁数、少数桁数、最大値、最小値、チェック区分、警告値、及びエラー値の少なくとも1つを「設定情報」と称する。
【0033】
機歴基本情報マスタ106cは、
図4に示すように、機械を識別するための商品コード、当該機械固有のシリアル番号であるロット番号、製造日、購入日、及びメーカー名等を対応づけて格納するテーブル等である。
【0034】
機歴管理情報マスタ106dは、
図4に示すように、商品コード、ロット番号、改定日、管理番号、及び機械管理項目1〜400等のデータを対応づけて格納するテーブル等である。機歴管理情報マスタ106dは、機械の仕様情報及び検査情報を、ロット番号毎に複数保持することが可能であり、「改訂日」で管理することができる。
【0035】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示してユーザが入力装置112で入力操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0036】
制御部102は、機械情報管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、機歴管理項目マスタメンテ部102aと、機歴情報マスタメンテ部102bと、機歴情報照会部102cとを備えている。
【0037】
機歴管理項目マスタメンテ部102aは、ユーザ操作に応じて、機械を管理するための仕様及び点検に関する項目及び入力形式を含む設定情報を機歴管理項目明細マスタ106bに登録する。
【0038】
機歴情報マスタメンテ部102bは、機械の基本情報を機歴基本情報マスタ106cに登録する。また、機歴情報マスタメンテ部102bは、機歴管理項目明細マスタ106bに格納された設定情報に従った入力画面をモニタ114に表示し、当該入力画面でのユーザ操作に応じて設定される機械の仕様情報及び点検情報を機歴管理情報マスタ106dに登録する。
【0039】
機歴情報照会部102cは、機歴管理項目明細マスタ106bに格納された設定情報に従った表示をモニタ114に行い、機歴基本情報マスタ106c及び機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の仕様情報や点検情報を照会する。
【0040】
また、上述の設定情報は、点検に関する警告値を含むことにしてもよく、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が当該警告値の条件に合致した場合は、モニタ114に警告を表示することにしてもよい。
【0041】
さらに、上述の設定情報は、点検に関するエラー値を含むことにしてもよく、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が警告値の条件及びエラー値の条件に合致した場合は、モニタ114にエラーを表示することにしてもよい。
【0042】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図5から
図14を参照して説明する。
【0043】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における機械情報管理装置100の全体の処理の流れを説明する。
図5は、本実施形態における機械情報管理装置100の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
【0044】
図5に示すように、機歴管理項目マスタメンテ部102aは、機歴管理項目マスタメンテ処理を実行する(S1)。具体的には、機歴管理項目マスタメンテ部102aは、機械を管理するための仕様及び点検に関する項目及び入力形式を含む設定情報を設定するための画面(
図12参照)をモニタ114に表示する。ここで、「設定」とは、入力・削除・追加・編集等を含むものとする。ユーザは入力装置112を操作して、この画面で機械を管理するための仕様及び点検に関する項目及び入力形式を含む設定情報を設定し、機歴管理項目マスタメンテ部102aは、設定された設定情報を機歴管理項目明細マスタ106bに登録する。また、設定情報は、点検に関する警告値やエラー値を含むことにしてもよい。
【0045】
機歴情報マスタメンテ部102bは、機歴情報マスタメンテ処理を実行する(S2)。具体的には、機歴情報マスタメンテ部102bは、機械の基本情報を機歴基本情報マスタ106cに登録する。また、機歴情報マスタメンテ部102bは、機歴管理項目明細マスタ106bに格納された設定情報に従った画面(
図13参照)をモニタ114に表示する。ユーザは入力装置112を操作して、この画面で機械の仕様情報や点検情報を設定し、機歴情報マスタメンテ部102bは、設定された機械の仕様情報や点検情報を機歴管理情報マスタ106dに登録する。
【0046】
機歴情報照会部102cは、機歴情報照会処理を実行する(S3)。具体的には、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録されている機械の仕様情報や点検情報を照会するための照会画面(
図14参照)をモニタ114に表示する。また、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が警告値の条件に合致した場合は、モニタ114に警告を表示し、また、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が警告値及びエラー値の条件に合致した場合は、モニタ114にエラーを表示する。
【0047】
つぎに、
図6〜
図11を参照して、本実施形態における機械情報管理装置100の処理の具体例を説明する。
図6〜
図11は、本実施形態における機械情報管理装置100の処理の具体例を説明するための図である。
【0048】
(1)機歴基本情報の登録
図6を参照して、機歴基本情報の登録について説明する。
図6は、機歴基本情報マスタ106cの一例を示す図である。
【0049】
ユーザは、機歴情報マスタメンテ部102bがモニタ114に表示する画面(不図示)で機械の基本情報(商品コード、ロット番号、製造日、購入日、メーカー名)を設定し、機歴情報マスタメンテ部102bは、設定された機械の基本情報を機歴基本情報マスタ106cに登録する。
図6に示す例では、商品コード「E100010100」、ロット番号「S1234−0001」、製造日「2016/01/01」、購入日「2016/02/01」、メーカー名「エレベータ製造」が登録される。
【0050】
(2)機歴管理項目明細マスタの設定
図7は、機歴管理項目明細マスタ106bへの設定情報の登録を説明するための図である。なお、
図7に示す例では、設定情報の一部のみを示している。
図7を参照して、機歴管理項目明細マスタ106bへの設定情報の登録について説明する。
【0051】
図7に示す例では、機歴管理項目マスタ106aに、管理番号「1」、「2」、「3」に、管理内容「機械仕様」、「年次点検」、「月次点検」)がそれぞれ登録されている。機歴管理項目マスタメンテ部102aは、設定情報(管理番号、管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分、備考、桁数、少数桁数、最大値、最小値、チェック区分、警告値、及びエラー値等)を設定するための画面(
図12参照)をモニタ114に表示する。ユーザは入力装置112を操作して、この画面でこれらの設定情報を設定し、機歴管理項目マスタメンテ部102aは、設定された設定情報を機歴管理項目明細マスタ106bに登録する。ユーザは、管理項目毎に、管理したい項目を個別に設定することができる。
【0052】
例えば、管理番号「2」の年次点検では、管理行番号「1」には、表示順「1」、表示不要フラグ「表示」、項目名「検査担当」、必須か否か「必須項目」、入力区分「文字」、・・・、が登録されており、また、管理行番号「2」には、表示順「2」と、表示不要フラグ「表示」、項目名「年次検査日」、必須か否か「必須項目」、入力区分「日付」、備考「実施日を入力」、・・・、が登録されており、また、管理行番号「3」には、表示順「3」、表示不要フラグ「表示」、項目名「ブレーキ合否」、必須か否か「必須項目」、入力区分「プルダウン選択」、・・・、が登録されており、管理行番号「4」には、表示順「4」、表示不要フラグ「表示」、項目名「ブレーキパッド(mm)」、必須か否か「必須項目」、入力区分「数字」、・・・、が登録されている。なお、項目名には、例えば、検査報告書番号等も登録される。
【0053】
(3)機械仕様の登録
(3)−1 機械仕様
機歴管理情報マスタ106dへの機械仕様(仕様情報)の登録について説明する。
図8は、機歴管理情報マスタ106dへの機械仕様の登録を説明するための図である。機歴情報マスタメンテ部102bは、機歴基本情報マスタ106cに登録されているデータのうち、UIを介したユーザ操作により指定される商品コード及びロット番号について、機歴管理項目明細マスタ106bの管理番号「1(機械仕様)」についての設定情報(管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分等)に従った画面(
図13参照)を表示し、ユーザは、この画面で機械管理項目1〜について仕様情報(入力値)を設定し、機歴情報マスタメンテ部102bは、設定された仕様情報(入力値)を機歴管理情報マスタ106dに登録する。
【0054】
例えば、機歴管理項目明細マスタ106bの管理番号「1」についての設定情報を
図8(B)とした場合、この設定情報に従った画面(
図13参照)が表示されて、この画面で、例えば、ユーザの入力装置112の操作により仕様情報が設定され、機歴管理情報マスタ106dに
図8(A)に示すような仕様情報が登録される。機械の仕様情報は、ロット番号毎に複数保持することが可能であり、「改訂日」で管理することが可能である。これにより、同じロット番号の機械の仕様情報を変更することができる。
図8(A)に示す例では、改訂日「2010/01/01」と「2016/01/01」で、機械の仕様情報が変更されている。
【0055】
(3)−2 年次点検
機歴管理情報マスタ106dへの年次点検(点検情報)の登録について説明する。
図9は、機歴管理情報マスタ106dへの年次点検の登録を説明するための図である。
図9において、機歴情報マスタメンテ部102bは、機歴基本情報マスタ106cに登録されているデータのうち、ユーザにより指定される商品コード及びロット番号について、機歴管理項目明細マスタ106bの管理番号2(年次点検)についての設定情報(管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分等)に従った画面(
図13参照)を表示し、ユーザは、この画面で機械管理項目について点検情報(入力値)を入力し、機歴情報マスタメンテ部102bは、入力された点検情報を機歴管理情報マスタ106dに登録する。
【0056】
例えば、機歴管理項目明細マスタ106bの管理番号2(年次点検)についての設定情報を
図9(B)とした場合、この設定情報に従った画面(
図13参照)が表示されて、この画面で、例えば、ユーザの入力装置112の操作により点検情報が入力され、機歴管理情報マスタ106dに
図9(A)に示すような点検情報が登録される。機械の点検情報は、ロット番号毎に複数保持することが可能であり、「改訂日」で管理することが可能である。これにより、法令により点検項目が変更された場合等でも簡単に対応することが可能となる。
図9(A)に示す例では、改訂日「2010/01/01」、「2012/01/08」、「2013/01/01」で、機械の点検情報が変更されている。
【0057】
(4)機械仕様・点検結果の出力
図10を参照して、機歴管理情報マスタ106dの機械仕様、年次点検及び月次点検の
点検結果の出力について説明する。
図10は、機歴管理情報マスタ106dの機械仕様及び年次点検の点検結果の出力の一例について説明するための図である。
【0058】
機歴情報マスタメンテ部102bは、UIを介したユーザ操作により、機歴管理情報マスタ106dの機械仕様、年次点検の点検結果、又は月次点検の点検結果の出力が指示された場合には、機歴管理項目明細マスタ106bの対応する管理番号についての設定情報(管理行番号、表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分等)に従って機械管理項目1〜400についての出力値を決定して、モニタ114に表示する。
【0059】
例えば、
図10(A)に示すようなデータが機歴管理情報マスタ106dに登録されており、UIを介したユーザ操作により、機械仕様の出力が指示された場合において、
図10(B)に示すようなデータが機歴管理項目明細マスタ106bに登録されている場合、
図10(C)に示すような必要な項目のみが出力される。付言すると、
図10(B)に示すように、機歴管理項目明細マスタ106bでは、機械管理項目(管理行番号)1,2,4,5については「表示」が設定されているため出力され、機械管理項目3については「非表示」が設定されているため出力されない。また、機歴管理項目明細マスタ106bの表示順に従って、「機種」、「形式」、「運転方式」、「駆動方式」の順に出力される。
【0060】
(5)点検結果の警告
つぎに、
図11を参照して、機歴情報照会部102cにより実行される点検結果の警告の具体例について説明する。
図11は、機歴情報照会部102cにより実行される点検結果の警告の具体例について説明するための図である。以下では、年次点検を例示して説明する。
【0061】
例えば、
図11(A)に示すようなデータが機歴管理項目明細マスタ106bに登録されているものとする。
図11(A)において、管理番号「2」の管理行番号「4」には、項目名「ブレーキパッド(mm)」、チェック区分「前回値(上)」、警告値「1.5」、エラー値「2.0」が登録されている。
【0062】
他方、ユーザによりエレベータの年次点検が行われて、
図11(B)に示すようなデータが機歴管理情報マスタ106dに登録されたものとする。
図11(B)において、商品コード「E100010100」及びロット番号「S1234−0001」について、改定日が「2011/01/01」、「2012/01/01」、「2013/01/01」となっており、年単位で合計3回点検が行われている。
【0063】
機歴情報照会部102cは、機歴管理項目明細マスタ106bの対応する設定情報(表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分等)に従って機械管理項目1〜400についての出力値を決定する。
図11(C)に示すように、機歴管理項目明細マスタ106bでは、機械管理項目1,2,3,4は「表示」が設定されているので出力され、表示順もこの順番に設定されているため、この順で出力される。
【0064】
機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dの機械管理項目4の「ブレーキパッド」について、機歴管理項目明細マスタ106bに登録されている、項目名「ブレーキパッド(mm)」のチェック区分「前回値(上)」、警告値「1.5」、エラー値「2.0」の前回値と今回値を比較する。機歴情報照会部102cは、上記
図1のマトリクスを使用して警告・エラーを判断する。「前回値(上)」の場合は、今回値と前回値の差が警告値「1.5」以上の場合を警告とし、さらに、前回値との差がエラー値「2.0」以上の場合は、エラーとする。
【0065】
機歴情報照会部102cは、
図11(D)に示すように、警告・エラーを抽出する。
図11(D)に示す例では、商品コード、ロット番号、改定日、管理番号、ブレーキパッド(今回値)、対象値(前回値)、検査値(=前回値−今回値)、結果の項目が出力されている。改定日「2011/01/01」では、検査値=対象値「6」−今回値「4.4」=1.6となるので、「警告」とする。また、改定日「2011/01/01」では、検査値=対象値「4.4」−今回値「2.0」=2.4となるので、「エラー」とする。
【0067】
図12〜
図14を参照して、機械情報管理装置100の画面の表示例を説明する。
図12〜
図14は、機械情報管理装置100の画面の表示例を示す図である。
【0068】
図12は、機歴管理項目明細マスタ106bに登録する設定情報を設定(入力、追加、削除、及び編集等を含む)するための機歴管理項目明細マスタ用画面の表示例を示す図である。
図12(A)は、メイン画面、
図12(B)は、編集用サブ画面である。ユーザは、機歴管理項目明細マスタ用画面では、管理番号(管理内容)単位で設定情報の設定を行うことができる。機歴管理項目マスタメンテ部102aは、機歴管理項目明細マスタ用画面の初期画面を表示し、ユーザにより指定される管理番号をキーとして、機歴管理項目明細マスタ106bに既に登録されている設定情報がある場合は読み出して表示する(登録されている設定情報がない場合は新規の登録を行う)。
図12に示す例では、管理番号「2」の「法定点検」の設定情報を設定するための画面が表示されている。
【0069】
ユーザは、入力装置112を操作して、
図12(A)に示す画面で機歴管理項目明細マスタ106bに登録する設定情報(表示順、表示不要フラグ、項目名、必須か否か、入力区分、備考、桁数、少数桁数、最大値、最小値、チェック区分、警告値、及びエラー値等)を設定し、登録ボタンを押すことで、機歴管理項目明細マスタ106bに登録(又は更新)することができる。
図12(A)のメイン画面に表示される設定情報は、
図12(B)の編集用サブ画面で編集することができる。
図12に示す例では、管理番号「2」の「法定点検」の設定情報を設定するための画面が表示されている。
【0070】
図13は、機歴管理情報マスタ106dに登録する機械の仕様情報や点検情報を設定(入力、追加、削除、及び編集等を含む)するための画面の表示例を示す図である。ユーザは、この画面では、機械のロッド番号単位で仕様情報や点検情報の設定を行うことができる。機械の仕様情報及び点検情報は、ロット番号毎に複数保持することが可能であり、「改訂日」で管理することが可能である。
【0071】
機歴情報マスタメンテ部102bは、初期画面を表示し、ユーザにより指定される商品コード及びロット番号をキーとして、機歴管理項目明細マスタ106bに既に登録されている仕様情報や点検情報がある場合は読み出して、機歴管理項目明細マスタ106bに登録されている設定情報に従った表示を行う(登録されている仕様情報や点検情報がない場合は新規の登録を行う)。
図13に示す例は、商品コード「E100010100」及びロット番号「S1234−0001」の仕様情報や点検情報を設定するための画面が表示されている。
【0072】
図13において、401は仕様情報や点検情報を改定日で管理を行い、各改訂履歴情報を管理するための欄であり、定義(管理番号)、定義名(管理内容)、日付(改訂日)が表示される。402は、機歴管理項目細目マスタ106bに登録されている対応する設定情報に従って点検項目(仕様情報の場合は仕様項目)を表示し、その点検項目についてその項目値を入力するための欄である。403は、欄402に入力する内容を行単位で編集するための欄であり、前回値と比較する項目の場合は、入力時に警告又はエラーに該当する場合は、その旨を表示してもよい。
【0073】
図14は、機歴基本情報マスタ106cに登録されている機械の基本情報及び機歴管理情報マスタ106dに登録されている機械の仕様情報や点検情報を照会するための照会画面の表示例を示す図である。ユーザは、この照会画面で機歴基本情報マスタ106cに登録されている基本情報及び機歴管理情報マスタ106dに登録されている仕様情報や点検情報を照会することができる。
【0074】
機歴情報照会部102cは、照会用画面の初期画面を表示し、ユーザにより指定される商品コード及びロット番号をキーとして、機歴基本情報マスタ106cに登録されている基本情報及び機歴管理項目明細マスタ106bに登録されている仕様情報や点検情報を読み出して表示する。
図14に示す例は、商品コード「E10010100」、ロット番号「S1234−0001」、管理番号「2」の「法定点検」とした場合を示している。
【0075】
図14において、502は、基本情報、仕様情報、及び点検情報が表示される欄である。項目値が機歴管理項目明細マスタ106bに登録されている「警告値」の条件や「エラー値」の条件に該当するものには、ユーザにその旨を通知するために識別表示する。例えば、「警告値」の条件に該当する場合には、黄色で識別表示し、「エラー値」の条件に該当する場合は、「赤色」で識別表示してもよい。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態の機械情報管理装置100によれば、機械を管理するための仕様及び点検に関する項目及び入力形式を含む設定情報を格納する機歴管理項目明細マスタ106bと、機械の仕様情報及び点検情報を格納する機歴管理情報マスタ106dと、ユーザ操作に応じて設定される設定情報を機歴管理項目明細マスタ106bに登録する機歴管理項目マスタメンテ部102aと、機歴管理項目明細マスタ106bに格納された設定情報に従った画面をモニタ112に表示し、当該画面上でユーザ操作に応じて設定される機械の仕様情報及び点検情報を機歴管理情報マスタ106dに登録する機歴情報マスタメンテ部102bと、機歴管理項目明細マスタ106bに登録された機械の仕様情報及び点検情報を照会するための照会画面をモニタ112に表示する機歴情報照会部102cと、を備えているので、機械毎に管理したい項目をユーザが自由に設定することが可能となる。
【0077】
また、上述の設定情報は、点検に関する警告値を含み、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が当該警告値の条件に合致した場合は、警告を通知することとしたので、ユーザに点検結果について警告することが可能となる。
【0078】
また、上述の設定情報は、点検に関するエラー値を含み、機歴情報照会部102cは、機歴管理情報マスタ106dに登録された機械の点検情報が警告値及びエラー値の条件に合致した場合は、エラーを通知することとしたので、ユーザに点検結果についてエラーを通知することが可能となる。
【0079】
また、機歴管理情報マスタ106dは、機械の点検情報を機械のシリアル番号単位で改訂日に関連づけて複数登録することが可能であるので、点検情報の履歴の改訂情報を管理することが可能となる。
【0080】
なお、本実施の形態では、「機械」としてエレベータを例示したが本発明はこれに限られるものではなく、例えば、自動ドア、特殊車両、及び複写機等の点検が必要な他の機械にも適用可能である。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0081】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0082】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0083】
また、機械情報管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0084】
例えば、機械情報管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて機械情報管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0085】
また、このコンピュータプログラムは、機械情報管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0086】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0087】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0088】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0089】
また、機械情報管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、機械情報管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0090】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。