【解決手段】眼科撮影装置は、第1光源からの光を被検眼に照射する照明光学系と、照明光学系により第1光源からの光が照射されている被検眼の眼底からの光をライトフィールドカメラに導く撮影光学系と、ライトフィールドカメラにより得られた画像データに基づいて撮影光学系の光軸方向の所望の像面位置に対応する眼底像を生成する画像生成部と、を含む。
前記照明光学系は、前記第1光源からの光と、前記第1光源からの光の第1波長範囲と少なくとも一部が異なる第2波長範囲の光を発する第2光源からの光とを切り替えて前記被検眼に照射し、
前記ライトフィールドカメラは、前記第1波長範囲の少なくとも一部及び前記第2波長範囲の少なくとも一部の光の受光結果に基づいて前記画像データを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
前記制御部は、前記ずれ量に基づいて前記光学ユニットと前記被検眼とを相対的に移動させた後、前記照明光学系の光路及び前記撮影光学系の光路に前記光路合成部材が配置された状態において前記被検眼を前記撮影光学系により撮影することにより得られた前記画像データに基づいて前記画像生成部に眼底像を生成させる
ことを特徴とする請求項7に記載の眼科撮影装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼に照明光を照射する照明光学系と、光軸方向の任意の像面位置での画像の取得が可能で照明光学系からの光が照射されている被検眼を撮影又は観察するための撮影光学系とを含む。
【0012】
以下、実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼の眼底を撮影するための眼底撮影装置(眼底カメラ)であるものとするが、被検眼の前眼部など、被検眼の任意の部位を撮影するものに適用可能である。また、以下の実施形態に係る構成に、例えば、OCT装置、SLO装置、スリットランプ、眼科手術用顕微鏡、光凝固装置などを組み合わせることも可能である。
【0013】
この明細書において引用された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として援用することが可能である。
【0014】
<第1実施形態>
[構成]
図1に、第1実施形態に係る眼科撮影装置1の光学系の構成例を示す。
【0015】
眼科撮影装置1は、光学ユニット2を含む。光学ユニット2は、眼底カメラの機能を実現するための光学系を含む。また、眼科撮影装置1には、演算制御ユニットと、ユーザインターフェイス部とが設けられている。演算制御ユニットは、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備する。ユーザインターフェイス部は、光学ユニット2を用いて取得された観察画像や撮影画像を表示したり、眼科撮影装置1に対する指示を入力したりするために用いられる。
【0016】
〔光学ユニット〕
光学ユニット2には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)を取得するための光学系が設けられている。眼底像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、例えば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、例えば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像、又は近赤外光若しくは可視光を照明光として用いたモノクロの静止画像であってもよい。光学ユニット2は、これら以外の画像、例えばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能に構成されていてもよい。
【0017】
眼科撮影装置1には、被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが設けられている。光学ユニット2には、照明光学系10と撮影光学系20とが設けられている。照明光学系10は、顎受けや額当てに顔が固定された被検者の眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系20は、この照明光の眼底反射光を撮像装置であるライトフィールドカメラ21に導く。
【0018】
照明光学系10は、観察光源11と、撮影光源12と、ダイクロイックミラー13と、虹彩絞り14Aと、水晶体絞り14Bと、リレーレンズ16と、黒点14Cと、ミラー18と、リレーレンズ19と、角膜絞り14Dと、穴鏡30と、対物レンズ31とを含む。虹彩絞り14Aは、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。水晶体絞り14Bは、被検眼Eの水晶体の後面と光学的に略共役な位置に配置される。黒点14Cは、対物レンズ31の各面を反射面とした場合に、穴鏡30に形成されている後述の穴部と光学的に略共役な位置に配置される。角膜絞り14Dは、被検眼Eの角膜と光学的に略共役な位置に配置される。
【0019】
撮影光学系20は、ライトフィールドカメラ21と、リレーレンズ22と、リレーレンズ24と、穴鏡30と、対物レンズ31とを含む。ライトフィールドカメラ21は、撮影光学系20の外部に設けられていてもよい。
【0020】
穴鏡30は、照明光学系10の光路と撮影光学系20の光路とを合成する光路合成部材である。穴鏡30の中心領域には撮影光学系20の光軸が通過する穴部が形成されている。穴鏡30に形成されている穴部は、被検眼Eの瞳孔と光学的に略共役な位置に配置される。穴鏡30に形成されている穴部の周辺部(穴部の周囲の領域)は、照明光学系10からの光を対物レンズ31に向けて反射する。対物レンズ31は、穴鏡30により合成された照明光学系10の光路と撮影光学系20の光路との合成光路に配置されている。穴鏡30及び対物レンズ31は、照明光学系10と撮影光学系20とで共用される光学素子である。
【0021】
観察光源11は、例えば、ハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)を含む。観察光源11は、観察照明光として近赤外光を発する。観察光源11から出力された観察照明光は、ダイクロイックミラー13により被検眼Eに向けて反射され、虹彩絞り14A、水晶体絞り14B、リレーレンズ16及び黒点14Cを経由し、ミラー18により反射される。ミラー18により反射された観察照明光は、リレーレンズ19及び角膜絞り14Dを経由し、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部(穴部の周囲の領域)にて反射され、対物レンズ31により屈折されて眼底Efを照明する。
【0022】
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ31により屈折され、穴鏡30の中心領域に形成された穴部を通過し、リレーレンズ24及び22を経由し、ライトフィールドカメラ21に導かれる。被検眼Eが正視(0D)の場合、被検眼Eの眼底Efとライトフィールドカメラ21における後述のマイクロレンズアレイ面が光学的に略共役になるように配置されることが望ましい。ライトフィールドカメラ21は、例えば所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。ユーザインターフェイス部には、ライトフィールドカメラ21により検出された眼底反射光に基づく任意の像面位置における画像(観察画像)が表示される。なお、ユーザインターフェイス部における表示の設定が前眼部Eaに設定されている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。
【0023】
撮影光源12は、例えば、キセノンランプ又はLEDを含む。撮影光源12は、撮影照明光として可視光を発する。撮影光源12から出力された撮影照明光は、ダイクロイックミラー13を透過し、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。
【0024】
撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光の眼底反射光と同様の経路を通ってリレーレンズ22まで導かれ、リレーレンズ22を経由し、ライトフィールドカメラ21に導かれる。ユーザインターフェイス部には、ライトフィールドカメラ21により検出された眼底反射光に基づく任意の像面位置における画像(撮影画像)が表示される。なお、観察画像を表示するユーザインターフェイス部と撮影画像を表示するユーザインターフェイス部とは、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、被検眼Eを赤外光で照明して同様の撮影を行う場合には、赤外の撮影画像が表示される。
【0025】
実施形態に係るライトフィールドカメラ21は、受光した信号から撮影光学系20の光軸方向の任意の像面位置における画像を演算により取得可能な撮影装置である。それにより、撮影後にピントが合った所望の像面位置の画像を取得することができる。このようなライトフィールドカメラ21は、例えば、マイクロレンズアレイ方式の構成を有している。この場合、ライトフィールドカメラ21は、マイクロレンズアレイと、撮像素子とを含んで構成される。マイクロレンズアレイは、被検眼Eとイメージセンサとの間に配置される。マイクロレンズアレイは、焦平面にマトリクス状に配列された複数のマイクロレンズを含む。複数のマイクロレンズは、光軸方向が撮影光学系20の光軸方向に略一致するように配置されている。イメージセンサは、複数のマイクロレンズに対応してマトリクス状に配列された複数の画素を含み、マイクロレンズアレイを基準に所定の距離だけ離れた位置に配置される。各マイクロレンズにより屈折された光は、当該マイクロレンズに対応する複数の画素に入射する。それにより、複数の画素は、焦平面に入射する光線の通過位置とその向きとに対応した検出結果(画像データ)を出力する。なお、必要に応じて、リレーレンズ22とマイクロレンズアレイとの間にレンズが配置されていてもよい。
【0026】
上記のように、観察光源11からの観察照明光の波長範囲は、撮影光源12からの撮影照明光の波長範囲と異なる。このため、被検眼Eや光学系の色分散の影響により、通常の光学系では双方の合焦位置は一致しない。しかしながら、ライトフィールドカメラ21は、撮影光源12からの撮影照明光の眼底反射光と、観察光源11による観察照明光の眼底反射光とを受光して、画像データを取得する。言い換えると、実施形態に係るライトフィールドカメラ21は、合焦手段を変更することなく、近赤外光を照明光として用いた画像と、可視光を照明光として用いた画像の双方でピントが合った画像を取得可能である。すなわち、ライトフィールドカメラ21は、撮影光源12からの撮影照明光の波長範囲の少なくとも一部と観察光源11からの観察照明光の波長範囲の少なくとも一部の受光結果に基づいて画像データを取得することが可能である。
【0027】
演算制御ユニットは、ライトフィールドカメラ21の複数の画素から出力された検出結果(画像データ)に対して公知のデコンボリューション処理(画像復元処理)を施すことによりピントが合った像面位置での画像を生成することが可能である。
【0028】
このような眼科撮影装置1には、被検眼Eに固視光束を投射する固視光学系が設けられていてもよい。例えば、固視光学系の光路は、撮影光学系20において穴鏡30とライトフィールドカメラ21との間で撮影光学系20の光路と合成される。すなわち、固視光束は、撮影光学系20の光路を経由して、被検眼Eに導かれる。固視光学系により投射された固視光束は、穴鏡30の穴部を通過し、対物レンズ31により屈折され、被検眼Eの瞳孔を通じて眼底Efに投影される。眼底Efにおける固視光束の投影位置を変更することにより被検眼Eの固視位置を変更することが可能である。固視光学系は、例えば眼底撮影時などに使用される。
【0029】
また、眼科撮影装置1には、光学ユニット2と被検眼Eとの位置合わせ(アライメント)を行うためのアライメント指標光を被検眼Eに投射するアライメント光学系が設けられていてもよい。例えば、アライメント光学系の光路は、撮影光学系20において穴鏡30とライトフィールドカメラ21との間で撮影光学系20の光路と合成される。すなわち、アライメント光学系からのアライメント指標光は、撮影光学系20の光路を経由して、穴鏡30の穴部を通過し、対物レンズ31により屈折され、被検眼Eの角膜に照射される。アライメント指標光の角膜反射光は、対物レンズ31及び穴鏡30の穴部を経由し、ライトフィールドカメラ21にて撮像される。ライトフィールドカメラ21により得られる任意の像面位置での像(アライメント指標像)は、観察画像とともにユーザインターフェイス部に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施することが可能である(マニュアルアライメント機能)。また、図示しない演算制御ユニットがアライメント指標像の位置を解析して光学ユニット2を移動させることによりアライメントを行ってもよい(オートアライメント機能)。なお、アライメントは撮影光軸外から前眼部Eaを観察する前眼部カメラを用いて実施してもよい。
【0030】
〔演算制御ユニット〕
演算制御ユニットの構成について説明する。演算制御ユニットは、光学ユニット2、ユーザインターフェイス部400の各部を制御する。例えば演算制御ユニットは、被検眼Eの眼底像をユーザインターフェイス部400に表示させる。演算制御ユニットは、例えば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼科撮影装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニットは、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
【0031】
〔制御系〕
眼科撮影装置1の制御系の構成について
図2を参照しつつ説明する。なお、
図2においては、眼科撮影装置1のいくつかの構成要素が省略されており、この実施形態を説明するために特に必要な構成要素が選択的に示されている。
【0032】
(制御部)
眼科撮影装置1の制御系は、制御部100を中心に構成される。制御部100は、例えば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。制御部100には、主制御部110と記憶部120とが設けられている。
【0033】
(主制御部)
主制御部110は前述の各種制御を行う。例えば、主制御部110は、観察光源11や撮影光源12の点灯制御や消灯制御、ライトフィールドカメラ21の撮影制御などを行う。また、主制御部110は、光学系駆動部2A、データ処理部300、ユーザインターフェイス部400などを制御する。
【0034】
光学系駆動部2Aは、
図1に示す光学ユニット2(装置光学系)を3次元的に移動する移動機構を駆動する。この移動機構には、光学ユニット2を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部110は、光学系駆動部2Aを制御して、眼科撮影装置1に設けられた光学系を3次元的に移動させることができる。この制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングは、被検眼Eを動画撮影して得られる画像に基づき被検眼Eの位置や向きに合わせて装置光学系をリアルタイムで移動させることにより、アライメントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
【0035】
(記憶部)
記憶部120は、各種のデータを記憶する。記憶部120に記憶されるデータとしては、例えば、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、被検者の疾患名(緑内障や白内障など)などを表す情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部120には、眼科撮影装置1を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
【0036】
(データ処理部)
データ処理部300は、ライトフィールドカメラ21により得られた画像データに対して各種のデータ処理(画像処理)や解析処理を施す。例えば、データ処理部300は、画像の輝度補正を実行する。また、データ処理部300は、光学ユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
【0037】
データ処理部300は、デコンボリューション処理部310と、画質評価部320と、最良像抽出部330とを含む。
【0038】
デコンボリューション処理部310は、ライトフィールドカメラ21により得られた画像データに対して公知のデコンボリューション処理を施す。例えば、デコンボリューション処理部310は、次のような処理を行う。まず、デコンボリューション処理部310は、主制御部110又はユーザにより指定された撮影光学系20の光軸方向の像面位置に応じて、画像データに対して光線追跡処理等を施して複数のステレオ画像群を形成する。デコンボリューション処理部310は、形成された画像群から公知のアルゴリズムを用いて視差を求め、求められた視差に応じて画像群を平行移動して重ね合わせ、重ね合わされた画像群に対して平均化処理を施すことで当該像面位置に対応した画像(リフォーカス画像)を生成する。ユーザは、ユーザインターフェイス部400を用いて観察する像面位置を指定することが可能である。デコンボリューション処理部310は、撮影光学系20の光軸方向の任意の像面位置に対応した画像を生成することが可能である。
【0039】
画質評価部320は、デコンボリューション処理部310により生成された任意の像面位置における画像の画質を評価する。画質評価部320は、生成された画像の画質を表す評価値を求め、求められた評価値に基づいて当該画像の画質を評価することが可能である。評価値としては、例えば、コントラストや輝度むらに対応する値などがある。この実施形態では、画質評価部320は、生成された画像のコントラストに基づいて当該画像の画質を評価する。例えば、画質評価部320は、デコンボリューション処理部310により生成された画像全体の輝度分布における輝度差、又は当該画像における特徴領域の輝度分布における輝度差を評価値として求め、求められた評価値に基づいて当該画像の画質を評価する。特徴領域は、被検眼Eの特徴部位(特徴部位の境界)に対応する位置を含む領域であってよい。また、特徴領域は、画像中のあらかじめ決められた領域であってもよい。
【0040】
画質評価部320は、取得された画像の品質を直接的に評価するものに限定されない。画質評価部320は、取得された画像に描出された像を解析することにより当該画像の品質を間接的に評価してもよい。例えば、被検眼Eと光学ユニット2との相対位置が所定の基準相対位置のとき輝点像のサイズが最小となるように被検眼に近赤外光の光束を投射し、当該光束が投射されている被検眼の任意の像面位置の画像を取得する。画質評価部320は、デコンボリューション処理部310により生成された複数の像面位置における画像それぞれに描出された輝点像のサイズや位置関係に基づいて画質を評価することが可能である。
【0041】
最良像抽出部330は、画質評価部320による評価結果に基づいて、デコンボリューション処理部310により生成された画像の中から最も高画質の画像を抽出する。例えば、最良像抽出部330は、デコンボリューション処理部310により生成された撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置に対応した複数の眼底像のうち最も高画質の画像としてコントラストが最も良い眼底像(輝度差が最大の眼底像)を抽出する。
【0042】
以上のように機能するデータ処理部300は、例えば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
【0043】
(ユーザインターフェイス部)
ユーザインターフェイス部400には、操作部410と表示部420とが含まれる。操作部410は、前述した演算制御ユニットの操作デバイスを含んで構成される。操作部410には、眼科撮影装置1の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。表示部420は、前述した演算制御ユニットの表示デバイスを含んで構成される。また、表示部420は、光学ユニット2の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
【0044】
なお、操作部410と表示部420とは、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部410は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部410に対する操作内容は、電気信号として制御部100に入力される。また、表示部420に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部410とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
【0045】
撮影光源12は、実施形態に係る「第1光源」の一例である。観察光源11は、実施形態に係る「第2光源」の一例である。データ処理部300は、実施形態に係る「画像生成部」の一例である。最良像抽出部330は、実施形態に係る「画像抽出部」の一例である。穴鏡30は、実施形態に係る「光路合成部材」の一例である。光学系駆動部2Aは、実施形態に係る「駆動部」の一例である。
【0046】
[動作例]
図3に、第1実施形態に係る眼科撮影装置1の動作例を示す。
図3は、被検眼Eの眼底Efを撮影する場合の動作フローの一例を表す。ここでは、公知の手法で被検眼Eに対する光学ユニット2の位置合わせ(x方向、y方向及びz方向)が完了しているものとする。例えば、主制御部110は、操作部410に対するユーザの操作内容に基づいて図示しないアライメント光学系により被検眼Eにアライメント指標光を投射させ、被検眼Eの観察画像とともにアライメント指標光の角膜反射光に基づくアライメント指標像を表示部420に表示させる。ユーザは、表示部420に表示された画像を見ながら操作部410に対して操作を行うことで被検眼Eに対する光学ユニット2の位置合わせを完了させる。
【0047】
(S1)
主制御部110は、観察光源11を制御して観察光源11を点灯させる。観察光源11からの観察照明光は、上記のように、ダイクロイックミラー13により反射され、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部にて反射され、対物レンズ31により屈折された眼底Efを照明する。
【0048】
(S2)
主制御部110は、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、観察照明光で照明されている被検眼Eの眼底Efの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0049】
(S3)
続いて、主制御部110は、S2においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置における複数の眼底像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。
【0050】
(S4)
主制御部110は、S3において生成された複数の眼底像それぞれについて画質評価部320に画質を評価させる。主制御部110は、画質評価部320による評価結果に基づいて、最も高画質の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、上記のようにS3において生成された複数の像面位置における眼底像のうち最もコントラストが良い像面位置における眼底像を抽出する。
【0051】
画質評価部320により評価された複数の眼底像の像面位置の間隔が粗く、最良像抽出部330により抽出された眼底像の評価値が所定の閾値未満である場合、画質評価部320は、当該抽出された眼底像の最良像面位置の近傍で像面位置の間隔を細かくして画像を取得し、取得された画像の画質を評価し、最良像抽出部330は、その評価結果に基づいてコントラストがより良い像面位置における眼底像を抽出することが可能である。
【0052】
(S5)
主制御部110は、S4において抽出された像面位置における眼底像を表示部420に動画表示させる。ユーザは、表示部420に表示された眼底像を見ながら撮影位置や固視位置等を確認することができる。
【0053】
(S6)
主制御部110は、撮影開始のトリガーを得て、観察光源11を制御して観察光源11を消灯させる。
【0054】
(S7)
続いて、主制御部110は、撮影光源12を制御して撮影光源12を点灯させる。撮影光源12からの撮影照明光は、上記のように、ダイクロイックミラー13を透過し、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部にて反射され、対物レンズ31により屈折された眼底Efを照明する。
【0055】
(S8)
主制御部110は、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、撮影照明光が照射されている被検眼Eの眼底Efの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0056】
(S9)
続いて、主制御部110は、S8においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置における眼底像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、S2と同様に、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。S9における複数の像面位置は、S4における像面位置の付近で設定されてよい。
【0057】
(S10)
主制御部110は、S4と同様に、S9において生成された複数の眼底像それぞれについて画質評価部320に画質を評価させる。主制御部110は、画質評価部320による評価結果に基づいて、最も高画質の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、S9において生成された複数の眼底像のうち最もコントラストが良い眼底像を最も高画質の眼底像として抽出する。
【0058】
S10においても、S4と同様に、画質評価部320により評価された複数の眼底像の像面位置の間隔が粗く、最良像抽出部330により抽出された眼底像の評価値が所定の閾値未満である場合、画質評価部320は、当該抽出された眼底像の最良像面位置の近傍で像面位置の間隔を細かくして画像を取得し、取得された画像の画質を評価し、最良像抽出部330は、その評価結果に基づいてコントラストがより良い像面位置における眼底像を抽出することが可能である。
【0059】
(S11)
主制御部110は、S10において抽出された眼底像を表示部420に表示させる。以上で、眼科撮影装置1の動作は終了である(エンド)。
【0060】
以上説明したように、第1実施形態によれば、撮影光学系20においてライトフィールドカメラ21を設けるようにしたので、取得された画像に対してデコンボリューション処理を施すことでz方向の複数の像面位置における画像を生成することができる。それにより、生成された複数の画像の画質を評価して最もピントの合った画像を抽出することが可能になる。従って、撮影光学系20のフォーカス調整を行うための光学系や制御系を不要にすることができる。また、従来のように撮影光学系20により得られた画像のピントを判定するために設けられていた赤外光のスプリット光投影系を不要にすることができる。
【0061】
また、第1実施形態によれば、単一のライトフィールドカメラにより赤外光による撮影と可視光による撮影とを行うようにしたので、赤外光と可視光との波長差に起因したピント誤差を補正するための光学素子(レンズ)を設ける必要がなくなる。
【0062】
更に、従来では、眼底Efの形状によって眼底Efの全面にピントが合った画像が得ることができない場合があった。このような場合でも、第1実施形態によれば、眼底像の部分ごとにピントのあった画像を抽出して合成することで、眼底Efの全面にピントのあった画像を取得することができるようになる。
【0063】
なお、この実施形態において、スプリット光投影系の光を検出することによる眼底のピント合わせ、及び赤外光の照明による眼底像を取得して測定部位(視神経乳頭など)の観察のために、撮影光学系20に赤外光による撮影系が設けられていてもよい。この場合、リレーレンズ22とリレーレンズ24の間にビームスプリッタを配置し、当該撮影系の光路と撮影光学系20の光路とを合成するように構成することが可能である。
【0064】
<第2実施形態>
第1実施形態では、ライトフィールドカメラ21を用いて撮影光学系20の複数の像面位置における眼底像を取得する場合について説明したが、実施形態に係る眼科撮影装置の構成はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態に係る眼科装置は、撮影光学系の光路に配置可能な視度補正レンズを含んでもよい。
【0065】
以下では、第2実施形態に係る眼科撮影装置について、第1実施形態に係る眼科撮影装置1との相違点を中心に説明する。
【0066】
図4に、第2実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成例を示す。
図4において、
図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
第2実施形態に係る眼科撮影装置1aの光学系の構成が第1実施形態に係る眼科撮影装置1の光学系の構成と異なる点は、光学ユニット2に代えて光学ユニット2aが設けられた点である。光学ユニット2aが光学ユニット2と異なる点は、撮影光学系20に代えて撮影光学系20aが設けられた点である。撮影光学系20aが撮影光学系20と異なる点は、リレーレンズ22とリレーレンズ24との間の光路に対して視度補正レンズ40が挿脱可能に設けられた点である。
【0068】
視度補正レンズ40は、強度の近視を補正するためのマイナス(−)レンズと、強度の遠視を補正するために用いられるプラス(+)レンズとを含む。マイナスレンズとして、例えば、−10D(ディオプター)の凹レンズが用いられる。プラスレンズとして、例えば、+10Dの凸レンズが用いられる。
【0069】
図5に、第2実施形態に係る眼科撮影装置1aの制御系の概略構成のブロック図を示す。
図5において、
図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0070】
光学ユニット2aには、上記のように視度補正レンズ40を挿脱するためのレンズ駆動部40Aが設けられている。
【0071】
例えば、回動軸を中心に回動可能なターレット板に、周方向に沿って視度補正レンズ40(マイナスレンズ及びプラスレンズ)が配設される。また、ターレット板の周方向には、穴部が形成される。レンズ駆動部40Aは、撮影光学系20aの光軸から偏心した位置に設けられた回動軸の回りにターレット板を回動する。レンズ駆動部40Aによりターレット板を回動軸の回りに回動させることにより、撮影光学系20aの光路にマイナスレンズやプラスレンズを配置させたり、当該光路から視度補正レンズ40を退避させたりすることができる。
【0072】
また、例えば、撮影光学系20aの光路に直交する方向に視度補正レンズ40が配設され、かつ、穴部が形成された平面板を、当該方向にスライドさせることで撮影光学系20aの光路に対して視度補正レンズ40を挿脱させるようにしてもよい。この場合、レンズ駆動部40Aは、当該平面板を当該方向にスライドさせる。それにより、撮影光学系20aの光路に視度補正レンズ40が配置されたり、撮影光学系20aの光路から視度補正レンズ40が退避されたりする。
【0073】
第2実施形態に係る眼科撮影装置1aの制御系の構成が第1実施形態に係る眼科撮影装置1の制御系の構成と異なる点は、制御部100に代えて制御部100aが設けられた点である。制御部100aは、主制御部110aと、記憶部120aとを含む。主制御部110aによる制御内容は、主制御部110による制御内容に対してレンズ駆動部40Aに対する制御が追加されている。主制御部110aは、記憶部120aに記憶されているプログラムに従って、上記の制御を実行する。
【0074】
図6A及び
図6Bに、第2実施形態に係る眼科撮影装置1aの動作例を示す。
図6A及び
図6Bは、必要に応じて視度補正レンズ40を併用しつつ被検眼Eの眼底Efを撮影する場合の動作フローの一例を表す。ここでは、第1実施形態と同様に、公知の手法で被検眼Eに対する光学ユニット2aの位置合わせ(x方向、y方向及びz方向)が完了しているものとする。
【0075】
(S21)
主制御部110aは、観察光源11を制御して観察光源11を点灯させる。観察光源11からの観察照明光は、上記のように、ダイクロイックミラー13により反射され、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部にて反射され、対物レンズ31により屈折された眼底Efを照明する。
【0076】
(S22)
主制御部110aは、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、観察照明光が照射されている被検眼Eの眼底Efの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0077】
(S23)
続いて、主制御部110aは、S22においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20aの光軸方向の複数の像面位置における複数の眼底像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。
【0078】
(S24)
主制御部110aは、S23において生成された複数の眼底像それぞれについて画質評価部320に画質を評価させる。主制御部110は、画質評価部320による評価結果に基づいて、最も高画質の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、上記のようにS23において生成された複数の眼底像のうち最もコントラストが良い眼底像を最も高画質の眼底像として抽出する。S24では、S4と同様に、コントラストが良い眼底像が抽出されてよい。
【0079】
(S25)
主制御部110aは、S24において抽出された眼底像の画質について十分な画質が得られているか否かを判定する。被検眼Eが強度近視又は強度遠視である場合、撮影光学系20の光軸方向の像面位置の変更可能範囲内で十分な画質の眼底像が得られない場合がある。そこで、主制御部110aは、画質評価部320による評価結果に基づいて、S24において抽出された眼底像の画質について十分な画質が得られているか否かを判定する。例えば、画質評価部320は、各眼底像について被検眼Eの特徴部位の境界に相当する部分の輝度差を求める。主制御部110aは、S23において生成された複数の眼底像のうち当該輝度差が最大の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。そして、主制御部110aは、抽出された眼底像における輝度差が所定の閾値以上であるとき、十分な画質の眼底像であると判定し、当該輝度差が所定の閾値未満であるとき十分な画質の眼底像ではないと判定する。
【0080】
S24において抽出された眼底像の画質について十分な画質が得られていると判定されたとき(S25:Y)、眼科撮影装置1aの動作はS26に移行する。S24において抽出された眼底像の画質について十分な画質が得られていないと判定されたとき(S25:N)、眼科撮影装置1aの動作はS27に移行する。
【0081】
(S26)
S25において眼底像の画質について十分な画質が得られていると判定されたとき(S25:Y)、主制御部110aは、S24において抽出された眼底像を表示部420に表示させる。ユーザは、表示部420に表示された眼底像を見ながら撮影位置や固視位置等を確認することができる。
【0082】
(S27)
S25において眼底像の画質について十分な画質が得られていないと判定されたとき(S25:N)、主制御部110aは、視度をプラス側に補正するか否かを判定する。例えば、主制御部110aは、複数の眼底像のうちS24において抽出された眼底像の像面位置に対して、プラス側の像面位置の眼底像の画質(上記部分の輝度差)とマイナス側の像面位置の眼底像の画質(上記部分の輝度差)とを比較する。プラス側の像面位置の眼底像の画質が、マイナス側の像面位置の眼底像の画質より高いと判定されたとき、主制御部110aは、視度をプラス側に補正すると判定する。マイナス側の像面位置の眼底像の画質が、プラス側の像面位置の眼底像の画質より高いと判定されたとき、主制御部110aは、視度をマイナス側に補正すると判定する。
【0083】
視度をプラス側に補正すると判定されたとき(S27:Y)、眼科撮影装置1aの動作はS28に移行する。視度をプラス側に補正しないと判定されたとき(S27:N)、眼科撮影装置1aの動作はS29に移行する。
【0084】
(S28)
S27において視度をプラス側に補正すると判定されたとき(S27:Y)、主制御部110aは、レンズ駆動部40Aを制御することにより撮影光学系20の光路にプラスレンズ(視度補正レンズ40)を配置させる。続いて、眼科撮影装置1aの動作はS22に移行する。
【0085】
(S29)
S27において視度をプラス側に補正しないと判定されたとき(S27:N)、主制御部110aは、レンズ駆動部40Aを制御することにより撮影光学系20の光路にマイナスレンズ(視度補正レンズ40)を配置させる。続いて、眼科撮影装置1aの動作はS22に移行する。
【0086】
(S30)
S26に続いて、主制御部110aは、観察光源11を制御して観察光源11を消灯させる。
【0087】
(S31)
次に、主制御部110aは、撮影光源12を制御して撮影光源12を点灯させる。撮影光源12からの撮影照明光は、上記のように、ダイクロイックミラー13を透過し、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部にて反射され、対物レンズ31により屈折された眼底Efを照明する。
【0088】
(S32)
主制御部110aは、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、撮影照明光が照射されている被検眼Eの眼底Efの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0089】
(S33)
主制御部110aは、S32においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置それぞれにおける複数の眼底像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、S22と同様に、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。
【0090】
(S34)
主制御部110aは、S24と同様に、S33において生成された複数の眼底像それぞれについて画質評価部320に画質を評価させる。主制御部110は、画質評価部320による評価結果に基づいて、最も高画質の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、S33において生成された複数の眼底像のうち最もコントラストが良い眼底像を最も高画質の眼底像として抽出する。
【0091】
(S35)
主制御部110は、S34において抽出された眼底像を表示部420に表示させる。以上で、眼科撮影装置1aの動作は終了である(エンド)。
【0092】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、視度補正のための視度補正レンズを設けるようにしたので、強度近視や強度遠視等に起因した補正量の大きなフォーカス位置の調整については視度補正レンズの挿脱で実現し、補正量の小さなフォーカス位置の調整についてはライトフィールドカメラ21で実現することができる。
【0093】
<第3実施形態>
第1実施形態又は第2実施形態では、ライトフィールドカメラ21を撮影にだけ用いる場合について説明したが、実施形態に係る眼科撮影装置の構成はこれに限定されるものではない。例えば、ライトフィールドカメラ21を撮影と、光学ユニットと被検眼とのz方向(撮影光学系20の光軸方向)の位置合わせとに用いてもよい。
【0094】
以下では、第3実施形態に係る眼科撮影装置について、第1実施形態に係る眼科撮影装置1との相違点を中心に説明する。
【0095】
図7に、第3実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成例を示す。
図7において、
図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0096】
第3実施形態に係る眼科撮影装置1bの光学系の構成が第1実施形態に係る眼科撮影装置1の光学系の構成と異なる点は、光学ユニット2に代えて光学ユニット2bが設けられた点である。光学ユニット2bの構成が光学ユニット2の構成と異なる点は、前眼部観察光源70が追加された点と、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に対して穴鏡30が挿脱可能である点である。前眼部観察光源70は、被検眼Eの前眼部Eaに光を照射する。
【0097】
ライトフィールドカメラ21は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に穴鏡30が配置されている状態で被検眼Eの眼底Efを撮影することにより眼底Efの画像データを取得することが可能である。また、ライトフィールドカメラ21は、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路から穴鏡30が退避されている状態で被検眼Eの前眼部Eaを撮影することにより前眼部Eaの画像データを取得することが可能である。
【0098】
なお、撮影光学系20において、例えば、穴鏡30とリレーレンズ24との間に前眼部ピントレンズが挿脱可能に設けられていてもよい。この場合、ライトフィールドカメラ21により前眼部Eaを撮影するとき(すなわち、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路から穴鏡30が退避されるとき)、撮影光学系20の光路に前眼部ピントレンズが配置される。ライトフィールドカメラ21により眼底Efを撮影するとき(すなわち、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に穴鏡30が配置されるとき)、撮影光学系20の光路から前眼部ピントレンズが退避される。
【0099】
前眼部観察光源70は、撮影光学系20の光軸外から被検眼Eの前眼部Eaに光を照射する。前眼部観察光源70は、観察光源11と同様に、例えば、ハロゲンランプ又はLEDを含む。前眼部観察光源70は、観察光源11と同様に、観察照明光として近赤外光を発する。
図7では、撮影光学系20の光軸を中心に複数の前眼部観察光源70が設けられている。前眼部観察光源70は被検眼Eの前眼部Eaを照明するための光源であるのに対し、観察光源11は被検眼Eの眼底Efを照明するための光源である。以下では、観察光源11を眼底観察光源と表記する場合がある。
【0100】
図8に、第3実施形態に係る眼科撮影装置1bの制御系の概略構成のブロック図を示す。
図8において、
図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0101】
光学ユニット2bには、上記した前眼部観察光源70の他に、穴鏡30を挿脱するための穴鏡駆動部30Aが設けられている。
【0102】
穴鏡駆動部30Aには、例えば、穴鏡30を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。それにより、制御部100bからの制御を受けた穴鏡駆動部30Aが穴鏡30を移動することにより、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に対して穴鏡30を挿脱することができる。なお、手動又はユーザの操作部410に対する操作により穴鏡駆動部30Aが照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に対して穴鏡30を挿脱するようにしてもよい。
【0103】
第3実施形態に係る眼科撮影装置1bの制御系の構成が第1実施形態に係る眼科撮影装置1の制御系の構成と異なる点は、制御部100に代えた制御部100bが設けられた点と、データ処理部300に代えてデータ処理部300bが設けられた点である。制御部100bは、主制御部110aと、記憶部120aとを含む。主制御部110bによる制御内容は、主制御部110による制御内容に対して、前眼部観察光源70に対する制御と、穴鏡駆動部30Aに対する制御と、前眼部アライメント制御とが追加されている。この実施形態に係る前眼部アライメント制御は、被検眼Eの前眼部Eaにおける特徴部位(例えば、瞳孔領域、瞳孔縁、虹彩模様など)の位置を基準に被検眼Eと光学ユニット2bとの距離を所定の距離に合わせる位置合わせ制御に相当する。主制御部110bは、記憶部120bに記憶されているプログラムに従って、上記の制御を実行する。
【0104】
データ処理部300bは、デコンボリューション処理部310と、画質評価部320と、最良像抽出部330と、位置特定部340と、ずれ量特定部350とを含む。
【0105】
デコンボリューション処理部310は、上記の実施形態のように眼底Efの画像データに対して公知のデコンボリューション処理を施す。また、デコンボリューション処理部310は、ライトフィールドカメラ21により前眼部Eaを撮影することにより得られた前眼部Eaの画像データに対して公知のデコンボリューション処理を施すことが可能である。デコンボリューション処理部310は、ライトフィールドカメラ21により得られた前眼部Eaの画像データに対してデコンボリューション処理を施すことにより、撮影光学系20の光軸方向の任意の像面位置における前眼部像を生成することができる。
【0106】
画質評価部320は、上記の実施形態における眼底像の画質に加えて、デコンボリューション処理部310により生成された前眼部像の画質を評価することができる。
【0107】
位置特定部340は、ライトフィールドカメラ21により得られた被検眼Eの前眼部像における特徴位置を特定する。位置特定部340は、デコンボリューション処理部310によって生成された複数の前眼部像それぞれに対して特徴位置を特定することが可能である。特徴位置としては、被検眼Eの瞳孔中心(重心)、角膜中心(重心)、瞳孔縁、又は所定の虹彩模様が存在する位置などであってよい。例えば、位置特定部340は、被検眼Eの前眼部像の画素値(輝度値など)の分布に基づいて、被検眼Eの瞳孔に相当する画像領域(瞳孔領域)を特定する。一般に瞳孔は他の部位よりも低輝度で描画されるので、低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定することができる。このとき、瞳孔の形状を考慮して瞳孔領域を特定するようにしてもよい。つまり、略円形かつ低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定するように構成することができる。次に、位置特定部340は、特定された瞳孔領域の中心位置を特定する。上記のように瞳孔は略円形であるので、瞳孔領域の輪郭を特定し、この輪郭(の近似円または近似楕円)の中心位置を特定し、これを瞳孔中心とすることができる。また、瞳孔領域の重心を求め、この重心位置を瞳孔中心としてもよい。なお、他の特徴部位に対応する特徴位置を特定する場合であっても、上記と同様に撮影画像の画素値の分布に基づいて当該特徴位置を特定することが可能である。また、位置特定部340は、被検眼Eの角膜に指標光束を投射し、角膜からの反射光束に基づく反射像(プルキンエ像)を検出し、当該反射像の位置を被検眼Eの位置として特定することも可能である。
【0108】
最良像抽出部330は、上記の実施形態のようにコントラストが最も良い像面位置における前眼部像を抽出する。また、最良像抽出部330は、デコンボリューション処理部310により生成された撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置に対応した複数の前眼部像のうち、位置特定部340により特定された特徴位置における画質が最も高い前眼部像(コントラストが最も良い前眼部像)を抽出することができる。
【0109】
ずれ量特定部350は、最良像抽出部330により抽出された前眼部像に対応した像面位置と基準位置との撮影光学系20の光軸方向のずれ量を特定する。基準位置は、撮影光学系20の光軸上におけるマイクロレンズアレイの配置位置であってよい。当該配置位置は、対物レンズ31から既定の距離だけ離れた位置であり、従来の前眼部観察系ではカメラの受光面と光学的に略共役な位置である。ずれ量特定部350は、あらかじめ既知の当該配置位置を基準として、最良像抽出部330により抽出された前眼部像に対応した像面位置との変位を上記のずれ量として特定することが可能である。
【0110】
主制御部110bは、ずれ量特定部350により特定されたずれ量がキャンセルされるように光学系駆動部2Aを制御して光学ユニット2bと被検眼Eとを相対移動させる。
【0111】
図9に、第3実施形態に係る眼科撮影装置1bの動作例を示す。
図9は、あらかじめx方向及びy方向の被検眼Eに対する光学ユニット2の位置合わせが完了し、z方向の被検眼Eに対する光学ユニット2bの位置合わせを行いつつ、被検眼Eの眼底Efを撮影する場合の動作フローの一例を表す。
【0112】
(S41)
まず、主制御部110bは、穴鏡駆動部30Aを制御することにより、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路から穴鏡30を退避させる。
【0113】
(S42)
次に、主制御部110bは、前眼部観察光源70を制御して前眼部観察光源70を点灯させる。
【0114】
上記のように撮影光学系20に前眼部ピントレンズが設けられている場合、主制御部110bは、撮影光学系20の光路に前眼部ピントレンズを配置させる。
【0115】
(S43)
主制御部110bは、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、前眼部観察光源70からの照明光が照射されている被検眼Eの前眼部Eaの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0116】
(S44)
続いて、主制御部110bは、S43においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置それぞれの前眼部像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。
【0117】
(S45)
主制御部110bは、S44において生成された複数の像面位置における前眼部像それぞれについて瞳孔領域を位置特定部340に特定させる。更に、主制御部110bは、複数の前眼部像それぞれについて瞳孔領域の画質を画質評価部320に評価させる。主制御部110bは、画質評価部320による評価結果に基づいて、瞳孔領域について最も高画質の前眼部像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、上記のようにS44において生成された複数の前眼部像のうち瞳孔のエッジや虹彩の紋様等についてコントラストが最も良い前眼部像を最も高画質の前眼部像として抽出する。
【0118】
(S46)
主制御部110bは、S45において抽出された前眼部像に対応した像面位置と上記の基準位置との撮影光学系20の光軸方向のずれ量をずれ量特定部350に特定させる。
【0119】
(S47)
主制御部110bは、S46において特定されたずれ量に基づいて光学系駆動部2Aを制御して光学ユニット2bと被検眼Eとを相対移動させる。
【0120】
(S48)
主制御部110bは、撮影光学系20の光軸方向のアライメントが完了したか否かを判定する。主制御部110bは、被検眼Eと光学ユニット2との間の距離と対物レンズ31の作動距離との差分が所定の閾値以内であるとき当該アライメントが完了したと判定することができる。例えば、主制御部110bは、光学系駆動部2Aに対する制御内容を用いて、被検眼Eと光学ユニット2との間の距離と対物レンズ31の作動距離との差分を求める。撮影光学系20の光軸方向のアライメントが完了したと判定されたとき(S48:Y)、眼科撮影装置1bの動作はS49に移行する。撮影光学系20の光軸方向のアライメントが完了していないと判定されたとき(S48:N)、眼科撮影装置1bの動作はS43に移行する。
【0121】
(S49)
S48において撮影光学系20の光軸方向のアライメントが完了したと判定されたとき(S48:Y)、主制御部110bは、前眼部観察光源70を制御することにより前眼部観察光源70を消灯させる。
【0122】
(S50)
続いて、主制御部110bは、穴鏡駆動部30Aを制御することにより、照明光学系10の光路及び撮影光学系20の光路に穴鏡30を配置させる。
【0123】
上記のように撮影光学系20に前眼部ピントレンズが設けられている場合、主制御部110bは、撮影光学系20の光路から前眼部ピントレンズを退避させる。
【0124】
(S51)
主制御部110bは、撮影光源12を制御して撮影光源12を点灯させる。撮影光源12からの撮影照明光は、上記のように、ダイクロイックミラー13を透過し、穴鏡30の中心領域に形成された穴部の周辺部にて反射され、対物レンズ31により屈折された眼底Efを照明する。
【0125】
(S52)
主制御部110bは、ライトフィールドカメラ21を制御することにより、撮影照明光が照射されている被検眼Eの眼底Efの撮影を開始させることにより、ライトフィールドカメラ21に画像データを取得させる。
【0126】
(S53)
主制御部110は、S52においてライトフィールドカメラ21から得られた画像データを用いて、撮影光学系20の光軸方向の複数の像面位置それぞれの眼底像をデコンボリューション処理部310に生成させる。複数の像面位置は、S44と同様に、あらかじめ決められていてもよいし、操作部410を用いてユーザにより指定されてもよい。
【0127】
(S54)
主制御部110bは、S4と同様に、S53において生成された複数の眼底像それぞれについて画質評価部320に画質を評価させる。主制御部110は、画質評価部320による評価結果に基づいて、最も高画質の眼底像を最良像抽出部330に抽出させる。最良像抽出部330は、S53において生成された複数の眼底像のうちコントラストが最も良い眼底像を最も高画質の眼底像として抽出する。
【0128】
(S55)
主制御部110bは、S54において抽出された眼底像を表示部420に表示させる。以上で、眼科撮影装置1の動作は終了である(エンド)。
【0129】
以上説明したように、第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、光路に対して穴鏡30を挿脱可能にしたので、光路に対して穴鏡30を配置することにより従来と同様の眼底像を得ることができる一方、光路から穴鏡30を退避させることによりアライメントが合致した位置においても、前眼部の広い範囲をライトフィールドカメラ21で観察することが可能となる。それにより、ライトフィールドカメラ21を撮影用とアライメント用とで兼用しつつ、アライメント精度を向上させることが可能になる。
【0130】
なお、撮影用のライトフィールドカメラ21とは別に、穴鏡30を経由しない光学系内にアライメント用のライトフィールドカメラが設けられていてもよい。この場合、穴鏡30を退避させる必要がなくなる。
【0131】
[効果]
実施形態に係る眼科装置の効果について説明する。
【0132】
実施形態に係る眼科撮影装置(1、1a、1b)は、照明光学系(10)と、撮影光学系(20、20a)と、画像生成部(データ処理部300、300b)とを含む。照明光学系は、第1光源(撮影光源12)からの光(撮影照明光)を被検眼(E)に照射する。撮影光学系は、照明光学系により第1光源からの光が照射されている被検眼の眼底(Ef)からの光(眼底反射光)をライトフィールドカメラ(21)に導く。画像生成部は、ライトフィールドカメラにより得られた画像データに基づいて撮影光学系の光軸方向(z方向)の所望の像面位置に対応する眼底像を生成する。
【0133】
このような構成によれば、眼底からの光を撮影光学系によりライトフィールドカメラに導き、ライトフィールドカメラにより得られた画像データに基づいて撮影光学系の光軸方向の所望の像面位置に対応した眼底像を生成するようにしたので、撮影光学系のフォーカス調整を行うための光学系や制御系を不要にすることができる。また、従来のように、撮影光学系により得られた画像のピントを判定するために設けられていた赤外光のスプリット光投影系を不要にすることができる。
【0134】
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、照明光学系は、第1光源からの光と、第1光源からの光の第1波長範囲(可視光の波長範囲)と少なくとも一部が異なる第2波長範囲(赤外光の波長範囲)の光を発する第2光源(観察光源11)からの光とを切り替えて被検眼に照射し、ライトフィールドカメラは、第1波長範囲の少なくとも一部及び第2波長範囲の少なくとも一部の光の受光結果に基づいて画像データを取得してもよい。
【0135】
このような構成によれば、ライトフィールドカメラにより第1光源と第2光源からの光で照明されている被検眼を撮影するようにしたので、第1光源からの光と第2光源からの光との波長差に起因した分散によるピント誤差を補正するための光学素子(レンズ)を設ける必要がなくなる。
【0136】
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、画像生成部は、画像データに基づいて光軸方向の複数の像面位置に対応する複数の眼底像を生成し、画像生成部により生成された複数の眼底像それぞれの画質に基づいて複数の眼底像のいずれか1つを抽出する画像抽出部(最良像抽出部330)を含んでもよい。
【0137】
このような構成によれば、複数の像面位置に対応した眼底像の中から最も高画質の眼底像を抽出するようにしたので、ライトフィールドカメラで得られた画像データから簡素な画像処理によりピントが合った眼底像を容易に取得することができるようになる。
【0138】
また、実施形態に係る眼科撮影装置は、照明光学系の光路と撮影光学系の光路とを合成する光路合成部材(穴鏡30)と、光路合成部材による合成光路に配置された対物レンズ(31)とを含んでもよい。
【0139】
このような構成によれば、眼科撮影装置の光学系の構成を簡素化することができるようになる。
【0140】
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、光路合成部材は、穴部が被検眼の瞳と光学的に略共役な位置に形成され照明光学系からの光を対物レンズに向けて偏向する穴鏡(30)を含んでもよい。
【0141】
このような構成によれば、照明光学系の光路と撮影光学系の光路とを簡素な構成で合成し、光学系を小型化することができるようになる。
【0142】
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、光路合成部材は、照明光学系の光路及び撮影光学系の光路に対して挿脱可能であり、画像生成部は、照明光学系の光路及び撮影光学系の光路から光路合成部材が退避された状態において被検眼を撮影光学系により撮影することにより得られた画像データに基づいて光軸方向の複数の像面位置に対応する複数の前眼部像を生成し、画像抽出部は、前眼部像における特徴領域の画質に基づいて複数の前眼部像のいずれか1つを抽出し、画像抽出部により抽出された前眼部像に基づいて光軸方向のずれ量を特定するずれ量特定部(350)を含んでもよい。
【0143】
このような構成によれば、光学系の小型化を図りつつ、撮影光学系の光軸方向について被検眼と光学系との相対位置を求めることが可能になる。また、アライメント合致位置近傍においても前眼部を広範囲にライトフィールドカメラで観察することができる。
【0144】
また、実施形態に係る眼科撮影装置は、照明光学系及び撮影光学系を含む光学ユニット(2、2a、2b)と、被検眼とを光軸方向に相対的に移動する駆動部(光学系駆動部2A)と、ずれ量に基づいて駆動部を制御することにより光学ユニットと被検眼とを相対的に移動させる制御部(100、100a、100b)とを含んでもよい。
【0145】
このような構成によれば、光学系の小型化を図りつつ、撮影光学系の光軸方向について被検眼と光学系との位置合わせを行うことができるようになる。
【0146】
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、制御部は、ずれ量に基づいて光学ユニットと被検眼とを相対的に移動させた後、照明光学系の光路及び撮影光学系の光路に光路合成部材が配置された状態において被検眼を撮影光学系により撮影することにより得られた画像データに基づいて画像生成部に眼底像を生成させてもよい。
【0147】
このような構成によれば、ライトフィールドカメラを用いて撮影光学系の光軸方向について被検眼と光学系との位置合わせを行い、かつ、当該ライトフィールドカメラでピントが合った眼底像を取得することが可能な眼科撮影装置を提供することができるようになる。
【0148】
また、実施形態に係る眼科撮影装置は、上記のライトフィールドカメラを含んでもよい。
【0149】
このような構成によれば、ライトフィールドカメラを搭載し、従来のような視度調整機構を設けることなく、被検眼の視度の影響をなくすことができる眼科撮影装置を提供することができるようになる。
【0150】
(変形例)
第1実施形態〜第3実施形態において説明した構成を任意に組み合わせることが可能である。
【0151】
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。適用される構成は、例えば目的に応じて選択される。また、適用される構成に応じ、当業者にとって自明の作用効果や、本明細書において説明された作用効果が得られる。
【0152】
なお、上記の実施形態は、ライトフィールドカメラの構成やデコンボリューション処理の処理内容に限定されるものではない。上記の実施形態は、ライトフィールドカメラの構成に応じたデコンボリューション処理を行うことで、撮影光学系の光軸方向の複数の像面位置のいずれかに撮影後にフォーカス調整が可能な画像を取得できるものを適用することができる。