【0031】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
口腔内速崩壊錠の評価方法は以下の通りである。
[硬度試験]錠剤硬度計(岡田精工社製)を用いて測定した。試験は10錠で行い、その平均値を示す。
[崩壊試験]崩壊試験機(富山産業社製)を用いて測定した。試験は6錠で行い、その平均値を示す。試験液は水を用い、錠剤が完全に崩壊し溶解するまでの時間を測定した。
なお、以下の実施例及び比較例に用いた商品名で示される化合物は、以下のとおりである(例えば、医薬品添加物事典2016(薬事日報社発行)などを参照)。
1.商品名スターチ1500G(日本カラコン):部分α化デンプン
2.商品名コリドン90F(BASF):ポビドン
3.商品名dl-α-トコフェロール(BASF):トコフェロール
4.商品名オイドラギットE100(エボニック):アミノアルキルメタクリレートコポリマーE
5.商品名ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業):ステアリン酸マグネシウム
6.商品名TC-5E(信越化学工業):ヒドロキシプロピルメチルセルロース
7.商品名エトセル4(ダウケミカル):エチルセルロース
8.商品名HPC-SSL(日本曹達):ヒドロキシプロピルセルロース
9.商品名HPMCP55(信越化学工業):ヒドロキシプロピルメチルフタル酸エステル
10.商品名ペアリトール(ロケットジャパン):D−マンニトール
11.商品名コリドンCL-F(BASF):クロスポビドン
12.商品名カープレックス#67(DSLジャパン):含水二酸化ケイ素
【実施例】
【0032】
本発明の被覆顆粒(主薬顆粒)及び口腔内崩壊錠を表1に、比較例を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
(実施例1−1)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2gを精製水157.6g、エタノール236.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)794gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、TC-5E(信越化学工業)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.3kg(n=10) 、崩壊時間12秒(n=6)を示した。
(実施例1−2)
イミダフェナシン4g、オイドラギットE100(エボニック)20g及びステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)10gを精製水146.4g、エタノール219.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)766gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、TC-5E(信越化学工業)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.15MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.1kg(n=10) 、崩壊時間13秒(n=6)を示した。
(実施例1−3)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2g及びdl-α-トコフェロール(BASF)20gを精製水37.4g、エタノール336.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)774gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、TC-5E(信越化学工業)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.15MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度4.8kg(n=10) 、崩壊時間13秒(n=6)を示した。
(実施例2−1)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2gを精製水157.6g、エタノール236.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)794gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、エトセル4(ダウケミカル)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.7kg(n=10) 、崩壊時間10秒(n=6)を示した。
(実施例2−2)
イミダフェナシン4g、オイドラギットE100(エボニック)20g及びステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)10gを精製水146.4g、エタノール219.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)766gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、エトセル4(ダウケミカル)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.3kg(n=10) 、崩壊時間11秒(n=6)を示した。
(実施例2−3)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2g及びdl-α-トコフェロール(BASF)20gを精製水37.4g、エタノール336.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)774gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、エトセル4(ダウケミカル)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.2kg(n=10) 、崩壊時間11秒(n=6)を示した。
(実施例3−1)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2gを精製水157.6g、エタノール236.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)794gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPC-SSL(日本曹達)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.8kg(n=10) 、崩壊時間12秒(n=6)を示した。
(実施例3−2)
イミダフェナシン4g、オイドラギットE100(エボニック)20g及びステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)10gを精製水146.4g、エタノール219.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)766gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPC-SSL(日本曹達)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.15MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.9kg(n=10) 、崩壊時間12秒(n=6)を示した。
(実施例3−3)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2g及びdl-α-トコフェロール(BASF)20gを精製水37.4g、エタノール336.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)774gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPC-SSL(日本曹達)48g、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)24gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.15MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒78.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.7kg(n=10) 、崩壊時間15秒(n=6)を示した。
(比較例4−1)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2gを精製水157.6g、エタノール236.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)794gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPMCP55(信越化学工業)60gを精製水91g、エタノール819gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物300gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.15MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒72.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)11.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度3.9kg(n=10) 、崩壊時間30秒(n=6)を示した。
(比較例4−2)
イミダフェナシン4g、オイドラギットE100(エボニック)20g及びステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)10gを精製水146.4g、エタノール219.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)766gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPMCP55(信越化学工業)48gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.17MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒72.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)11.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度4.2kg(n=10) 、崩壊時間32秒(n=6)を示した。
(比較例4−3)
イミダフェナシン4g、コリドン90F(BASF)2g及びdl-α-トコフェロール(BASF)20gを精製水37.4g、エタノール336.6gの混液に分散した。スターチ1500G(日本カラコン)774gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.13MPa、給気温度60℃)、イミダフェナシン造粒物を得た。別に、HPMCP55(信越化学工業)48gを精製水72.8g、エタノール655.2gの混液に溶解した。イミダフェナシン造粒物240gを転動流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.17MPa、給気温度60℃)、コーティング顆粒を得た。
さらに、このコーティング顆粒72.0g、ペアリトール(ロケットジャパン)439.2g、コリドンCL-F(BASF)16.2g及びカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)11.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧8kNにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度4.2kg(n=10) 、崩壊時間25秒(n=6)を示した。
(試験例1)
実施例1−1〜3−3及び比較例4−1〜4−3のコーティング顆粒及び錠剤について光安定性試験を実施した。D65ランプ4000ルクス×約14日間における分解物の生成量の結果を表3及び4に示す。なお、分解物の定量は液体クロマトグラフ法(HPLC法)により評価した。
HPLC法
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(平均粒径5 μm,内径4.6 mm×長さ150mm) (ジーエルサイエンス株式会社 商品名Inertsil ODS-3)
A液:1-オクタンスルホン酸ナトリウム1.08 gを薄めたリン酸(1→1000) 1000 mLに溶かす。
B液:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
送液:A液及びB液の混合比を変えて濃度勾配制御する。
検出器:UV
測定波長:220 nm
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
表3は、コーティング顆粒について、光線照射前と光線照射後の分解物の生成量(個々の最大量、合計分解物量)の値が記載されている。
光線照射前の値を見れば分かる通り、腸溶性のセルロース系コーティング剤で被覆している顆粒(比較例4−1〜4−3)は、製造工程中の分解物の生成量が大きく、個々の最大量は6%を越える。一方、水溶性又は徐放性のセルロース系コーティング剤で被覆している顆粒(実施例1−1〜3−3)は、製造工程中の分解物の生成量が小さく、個々の最大量は0.2%未満である。腸溶性のセルロース系コーティング剤と比較し、水溶性又は徐放性のセルロース系コーティング剤を用いることで、製造工程中に生じる分解物の少ないイミダフェナシン含有顆粒を提供することができる。
【0039】
また、光線照射後の値を見れば分かる通り、セルロース系コーティング剤で被覆したコーティング顆粒は、光分解物の生成量が多い傾向にあり、分解物の合計生成量は14%以上にもなる(実施例1−1、2−1、3−1)。そして、セルロース系コーティング剤で被覆した顆粒については、従来イミダフェナシンの光分解に対し安定化効果があると知られていたアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを添加しても、その光安定化効果は弱い(実施例1−2、2−2、3−2)。一方で、トコフェロールを配合すると、高い光安定化効果を発揮し、光分解物の生成量を約1/4〜1/2にまで抑制することができる(実施例1−3、2−3、3−3)。イミダフェナシンを含有する造粒物を、水溶性又は徐放性のセルロース系コーティング剤で被覆する場合、その造粒物にはトコフェロールを含有することが好ましい。
【0040】
また、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで被覆された顆粒は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース以外で被覆された顆粒と比べて、工程中の分解物及び光分解物の生成量が少なく好ましい(実施例1−1〜1−3)。
【0041】
表4は、コーティング顆粒含有錠剤について、光線照射前と光線照射後の分解物の生成量(個々の最大量、合計分解物量)の値が記載されている。トコフェロールによる光安定化効果、ヒドロキシプロピルメチルセルロースについての光安定化効果については、表2に記載のコーティング顆粒と同様の効果が認められる。また、セルロース系コーティング剤で被覆されたコーティング顆粒の場合、錠剤化した方が光に対し安定であることが分かる(表3と表4の比較)。
【0042】
表4の実施例1−3の処方は、イミダフェナシンを含有する造粒物中にトコフェロールを配合し、当該造粒物をヒドロキシプロピルメチルセルロースで被覆し、得られた被覆顆粒を錠剤化しているが、分解物の合計生成量が2%と、高度に光安定化された錠剤が得られている(実施例1−3)。
また、腸溶性のセルロース系コーティング剤で被覆された顆粒を用いた錠剤(比較例4−1〜4−3)は、錠剤硬度が低く(3.9〜4.2kg)、崩壊時間が長い(25秒〜30秒)傾向がある。それに比べ、水溶性又は徐放性コーティング剤で被覆された顆粒を用いた錠剤(実施例1−1〜3−3)は、錠剤硬度が高く(4.8〜5.9kg)、崩壊時間が短い(11秒〜15秒)。
包装、輸送、保管中に錠剤が壊れにくいという点で、錠剤硬度は4kg以上、より好ましくは4.5kg以上が好ましい。また、口腔内で速やかに崩壊する錠剤が得られるという点で、崩壊時間は30秒以内、より好ましくは20秒以内が挙げられる。