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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-168715(P2018-168715A)
(43)【公開日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】スクロール圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/02 20060101AFI20181005BHJP
【FI】
   F04C18/02 311X
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-64890(P2017-64890)
(22)【出願日】2017年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
【住所又は居所】東京都港区海岸一丁目16番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 彰士
【住所又は居所】東京都港区海岸1丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】武田 啓
【住所又は居所】東京都港区海岸1丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】太田原 優
【住所又は居所】東京都港区海岸1丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋平
【住所又は居所】東京都港区海岸1丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
【テーマコード(参考)】
3H039
【Fターム(参考)】
3H039AA06
3H039AA12
3H039BB04
3H039CC03
3H039CC30
(57)【要約】
【課題】リリース弁室内壁面の摩耗を防止し、圧縮室のガスをリリース弁装置を介して、スムーズに吐出空間に流出させる。
【解決手段】スクロール圧縮機は、固定スクロール及び旋回スクロールと、圧縮室と、作動流体が吐出される吐出圧空間と、固定スクロールの台板部に形成されたリリース穴及びリリース弁室と、リリース弁室に設けられたリリース弁装置を備える。リリース弁装置は、リリース穴の開閉を行うリリース弁と、リリース弁を付勢する弾性体と、弾性体を保持する弾性体保持部材を備え、弾性体保持部材は、固定スクロールに固定される押え部と、リリース弁をガイドする弁ガイド部を有し、弾性体保持部材の外周面及び弁ガイド部の外周面と、リリース弁室の内壁面との間には吐出圧空間に連通するリリース弁室内壁面流路が形成され、弁ガイド部には、リリース穴とリリース弁室内壁面流路を連通する切欠き部が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台板部に渦巻き状のラップが形成されている固定スクロール及び旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールのラップが互いに噛み合わされて形成される圧縮室と、該圧縮室で圧縮された作動流体が吐出される吐出圧空間と、前記固定スクロールの台板部に形成され前記圧縮室と連通するリリース穴と、前記リリース穴と連通し、該リリース穴よりも大径のリリース弁室と、前記リリース弁室に設けられ前記圧縮室の圧力が前記吐出圧空間の圧力よりも高い場合に、前記圧縮室の作動流体を前記吐出圧空間に流出可能に構成しているリリース弁装置を備えるスクロール圧縮機において、
前記リリース弁装置は、前記リリース穴の開閉を行うリリース弁と、該リリース弁に前記リリース穴を閉じる方向に押付力を付勢する弾性体と、該弾性体を保持する弾性体保持部材を備え、
前記弾性体保持部材は、前記固定スクロールに固定される押え部と、前記リリース弁の外周部を覆うように設けられて該リリース弁の動作をガイドする弁ガイド部を有し、
前記弾性体保持部材の外周面及び前記弁ガイド部の外周面と、前記リリース弁室の内壁面との間には前記吐出圧空間に連通するリリース弁室内壁面流路が形成され、
前記弁ガイド部には、前記リリース弁の開弁時に前記リリース穴と前記リリース弁室内壁面流路を連通する切欠き部が形成されている
ことを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
前記弾性体保持部材には、前記リリース弁室と前記吐出圧空間を連通する逃し通路が形成され、前記リリース弁の開弁時に前記切欠き部及び前記逃し通路を介して、前記リリース穴から流出した作動流体が前記吐出圧空間に流出するように構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載のスクロール圧縮機において、
前記逃し通路は、前記弾性体保持部材の中心に形成された中央逃し通路であることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
前記弾性体保持部材における前記リリース弁室に収容される部分は円柱状に構成され、前記弁ガイド部は前記円柱状の部分の外周部が下方に延長されて筒状に形成された部分で構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項5】
請求項4に記載のスクロール圧縮機において、
前記リリース弁室の内径を、前記弾性体保持部材の円柱状部分外周部の径よりも大きく形成して、前記リリース弁室内壁面流路が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項6】
請求項4に記載のスクロール圧縮機において、
前記リリース弁室の底部の前記リリース穴の周囲には前記リリース弁が当接する弁シート部が設けられ、前記弁ガイド部は、前記弾性体保持部材の前記円柱状の部分の外周部が前記弁シート部の外周側まで延長されて構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項7】
請求項4に記載のスクロール圧縮機において、
前記弁ガイド部の内壁面上部に、前記リリース弁の開弁時に該リリース弁を受ける外側リリース弁受部がリング状に形成されており、この外側リリース弁受部の内径は前記弁ガイド部の内径よりも小さく形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項8】
請求項1または7に記載のスクロール圧縮機において、
前記弾性体保持部材の中央には前記圧縮室側に凸となる凸部が形成され、この凸部に前記弾性体が固定されると共に、前記凸部の前記圧縮室側端部に、前記リリース弁の開弁時に該リリース弁を受ける内側リリース弁受部が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項9】
請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
前記弾性体保持部材に設けられている前記押え部に、前記リリース弁室内壁面流路を流れる作動流体を前記吐出圧空間に吐出させるための押え部流路を形成していることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項10】
請求項1または9に記載のスクロール圧縮機において、
前記弾性体保持部材に設けられている前記押え部の幅を前記リリース弁室の幅よりも小さく形成して、前記リリース弁室の一部が前記吐出圧空間に開口する開口部に形成され、この開口部は前記リリース弁室内壁面流路に連通していることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のスクロール圧縮機において、
前記作動流体は、R32を70重量%以上含むことを特徴とするスクロール圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクロール圧縮機に関し、特に、作動ガスが吐出される吐出圧空間よりも圧縮室内の圧力が高くなる過圧縮が発生すると、前記圧縮室のガスを早期に前記吐出圧空間にリリースさせるリリース弁装置を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
過圧縮が発生すると圧縮室のガスを早期に吐出圧空間にリリースさせるリリース弁装置を備えたスクロール圧縮機としては、国際公開番号WO2015/097844号公報(特許文献1)に記載のものなどがある。この特許文献1のものには、「台板に渦巻状のラップが設けられる固定スクロール及び旋回スクロールと、前記固定スクロール及び旋回スクロールのラップが互いに噛み合わされて形成される圧縮室と、該圧縮室で圧縮された作動流体が吐出される吐出空間と、を備えたスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの台板に設けられ前記吐出空間と前記圧縮室とを連通するリリース流路と、該リリース流路に配置され前記吐出空間よりも前記圧縮室内の圧力が所定値以上高くなると前記リリース流路を開くリリース弁装置と、を備え、前記リリース弁装置は、前記リリース流路を閉じる弁体となるリリース弁と、該リリース弁に前記リリース流路を閉じる押付力を付勢する弾性体と、該弾性体を保持する弾性体保持部材と、を備え、前記弾性体保持部材は、前記固定スクロールに固定される固定部を有することを特徴とする」と記載されている。
【0003】
この特許文献1のものによれば、弾性体保持部材と、この弾性体保持部材の移動範囲を制限するリテーナ(押え板)との衝突をなくすことができるので、スクロール圧縮機の信頼性を高めることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/097844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のものでは、リリース弁装置における弾性体保持部材と、前記リテーナとの衝突をなくすことによりスクロール圧縮機の信頼性を高めることについては記載されている。しかし、リリース弁(弁体)の外周部と、リリース弁装置を収容するリリース弁室の内壁面との間には大きな隙間が形成されているため、前記リリース弁が前記弾性体保持部材に向かう上下動以外の方向である、左右方向や斜め方向等への前記リリース弁の挙動を誘発することについては配慮されていない。前記リリース弁の上下方向以外の方向への移動(挙動)により、前記リリース弁は前記リリース弁室の内壁面と接触し、その接触時の衝撃力により、前記リリース弁室内壁面などに過度の摩耗が発生し、これによりリリース弁の動作が不安定になり、弁開閉の信頼性が低下する。このように従来のスクロール圧縮機では、リリース弁室の内壁面に摩耗が発生し、リリース弁の動作を不安定にして信頼性を低下させるという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、リリース弁室の内壁面の摩耗を防止してリリース弁の動作を安定化させ、且つ圧縮室のガスを、リリース弁装置を介してスムーズに吐出圧空間に流出させることのできるスクロール圧縮機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、台板部に渦巻き状のラップが形成されている固定スクロール及び旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールのラップが互いに噛み合わされて形成される圧縮室と、該圧縮室で圧縮された作動流体が吐出される吐出圧空間と、前記固定スクロールの台板部に形成され前記圧縮室と連通するリリース穴と、前記リリース穴と連通し、該リリース穴よりも大径のリリース弁室と、前記リリース弁室に設けられ前記圧縮室の圧力が前記吐出圧空間の圧力よりも高い場合に、前記圧縮室の作動流体を前記吐出圧空間に流出可能に構成しているリリース弁装置を備えるスクロール圧縮機において、前記リリース弁装置は、前記リリース穴の開閉を行うリリース弁と、該リリース弁に前記リリース穴を閉じる方向に押付力を付勢する弾性体と、該弾性体を保持する弾性体保持部材を備え、前記弾性体保持部材は、前記固定スクロールに固定される押え部と、前記リリース弁の外周部を覆うように設けられて該リリース弁の動作をガイドする弁ガイド部を有し、前記弾性体保持部材の外周面及び前記弁ガイド部の外周面と、前記リリース弁室の内壁面との間には前記吐出圧空間に連通するリリース弁室内壁面流路が形成され、前記弁ガイド部には、前記リリース弁の開弁時に前記リリース穴と前記リリース弁室内壁面流路を連通する切欠き部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リリース弁室の内壁面の摩耗を防止してリリース弁の動作を安定化させ、且つ圧縮室のガスを、リリース弁装置を介してスムーズに吐出圧空間に流出させることのできるスクロール圧縮機を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図。
図2図1に示すリリース弁装置付近の要部拡大断面図。
図3図2に示すリリース弁装置の部分を上方から見た平面図。
図4図2に示す弾性体保持部材のみを下方から見た底面図。
図5】従来のスクロール圧縮機におけるリリース弁装置の構造を説明する図で図2に相当する図。
図6図5に示す弾性体保持部材とボルトを上方から見た平面図。
図7図5に示す弾性体保持部材のみを下方から見た底面図。
図8図5に示すリリース弁装置における開弁時の作動流体の流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のスクロール圧縮機の具体的実施例を図面に基づき説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
【実施例1】
【0011】
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を、従来のスクロール圧縮機におけるリリース弁装置を示す図5図8を参照しつつ、図1図4を用いて説明する。
まず、図1により、本実施例1のスクロール圧縮機の全体構成を説明する。図1は本実施例1のスクロール圧縮機を示す縦断面図である。なお、本実施例1におけるスクロール圧縮機は、空気調和機などの冷凍サイクル装置に使用され、作動流体としてR32を70重量%以上含んだ冷媒ガス等を圧縮する冷媒圧縮機である。
【0012】
スクロール圧縮機1は、圧縮機構部2と、該圧縮機構部2を駆動するための電動機10を備える駆動部3と、前記圧縮機構部2及び前記駆動部3などを収納する密閉容器4などにより構成されている。また、本実施例では、前記密閉容器4内の上部に前記圧縮機構部2を、中部には前記駆動部3を、下部には油溜り16を設けた縦型のスクロール圧縮機に構成されている。
【0013】
前記密閉容器4は、円筒状チャンバ4aと、この円筒状チャンバ4aの上側に溶接された蓋キャップ4bと、下側に溶接された底キャップ4cにより構成されている。前記蓋キャップ4bには冷凍サイクルからの冷媒ガス(作動流体)を吸入する吸入パイプ4dが取り付けられ、前記円筒状チャンバ4aの側面には圧縮した冷媒ガスを冷凍サイクルに送り出す吐出パイプ4eが取り付けられている。前記密閉容器4内には前記圧縮機構部2と前記駆動部3が収納されており、この密閉容器4内は吐出圧力となる吐出圧空間18に形成されている。
【0014】
前記圧縮機構部2は、固定スクロール5、旋回スクロール6及びフレーム7などを基本要素として構成されている。前記固定スクロール5は前記フレーム7にボルト等により固定されており、前記旋回スクロール6は前記固定スクロール5と前記フレーム7との間に配置されて前記フレーム7に支持されている。前記フレーム7は、その外周側が前記密閉容器4の円筒状チャンバ4a内壁面に溶接などの手段で固定されている。
【0015】
前記固定スクロール5は、円板状の台板部5b、この台板部5bの上部端面である天板面5e、前記台板部5bの下部(内周下部)に立設された渦巻状のラップ(固定ラップ)5a、前記台板部5bの外周側に形成され前記吸入パイプ4dが接続される吸入口5c、前記台板部5bの略中央に形成された吐出口5dなどにより構成されている。
【0016】
前記旋回スクロール6は、円板状の台板部6b、この台板部6bに立設され前記固定ラップ5aと噛み合う渦巻状のラップ(旋回ラップ)6a、前記台板部6bの反ラップ側(背面側)の略中央に形成されたボス部6c、このボス部6cに設けられた旋回軸受6dなどにより構成されている。前記ボス部6cの旋回軸受6dには、後述するクランク軸9の偏心ピン部9bが挿入されて前記クランク軸9と連結されている。
【0017】
前記固定スクロール5と前記旋回スクロール6は、それらのラップ5a,6aが互いに噛み合うことで圧縮室17が形成され、前記旋回スクロール6が前記固定スクロール5に対して旋回運動することにより、前記圧縮室17はその容積を次第に減少させながら中央側に移動し、冷媒ガスの圧縮動作が行われる。前記圧縮室17が、前記固定スクロール5に形成された吐出口5dに開口すると、圧縮された冷媒ガスは前記吐出口5dから前記吐出圧空間18の吐出室18aに吐出される。吐出室18aに吐出された冷媒ガスは、前記固定スクロール5及び前記フレーム7の外周面と前記密閉容器4内面との間に形成されている軸方向の通路(図示せず)を介して、前記電動機10が配置されている中部空間18b側に流れ、その後前記吐出パイプ4eから冷凍サイクルに送り出される。
【0018】
前記フレーム7には、その中心に、前述したクランク軸9を回転自在に支持する主軸受8が設けられている。また、このフレーム7と、前記旋回スクロール6の背面側との間には、オルダムリング11が配設されている。このオルダムリング11は、前記フレーム7に形成されたキー溝7aと、前記旋回スクロール6の背面側に形成されたキー溝6eに係合し、前記旋回スクロール6が自転することなく、前記クランク軸9の偏心ピン部9bの偏心回転を受けて公転運動するように構成されている。
【0019】
前記電動機10は、ロータ10aとステータ10bを備え、前記ステータ10bは前記密閉容器4に圧入や焼き嵌めなどの手段で固定されている。前記ロータ10aは前記ステータ10bの内側に回転可能に配置されており、このロータ10aの中心には前記クランク軸9が挿入されて固定され、前記クランク軸9は前記ロータ10aと一体で回転する。このロータ10aが回転することにより、前記クランク軸9を介して前記旋回スクロール6を旋回運動させる。
【0020】
前記クランク軸9は、主軸部9aと、この主軸部9aの上端に偏心して設けられ前記旋回スクロール6と連結される偏心ピン部9bなどから構成され、このクランク軸9は、フレーム7に設けられた前記主軸受8と、前記密閉容器4内の下側に固定された下フレーム12にハウジング13を介して取り付けられた副軸受14により支持されている。前記副軸受14は、すべり軸受や転がり軸受或いは球面軸受などで構成され、前記クランク軸9の主軸部9aにおける前記油溜り16側の端部を回転自在に支持している。
【0021】
前記偏心ピン部9bは、クランク軸9の主軸部9aに対して偏心させて一体に形成されており、前記旋回スクロール6の背面に設けられている前記ボス部6cの旋回軸受6dに挿入されている。前記クランク軸9が前記電動機10により回転され、前記偏心ピン部9bが主軸9aに対して偏心回転運動することにより、前記旋回スクロール6は旋回運動される。
【0022】
前記電動機10が駆動され、前記旋回スクロール6が旋回運動されると、前記固定スクロール5と前記旋回スクロール6の両ラップ5a,6aにより前記圧縮室17が形成されて、冷媒ガスを圧縮する。即ち、冷凍サイクルの冷媒ガスが前記吸入パイプ4dを介してスクロール圧縮機1に吸入されると、冷媒ガス(以下、作動流体またはガスともいう)は、固定スクロール5の吸入口5cを経て、固定スクロール5及び旋回スクロール6により形成される圧縮室17に導かれる。この冷媒ガスは、前記圧縮室17が固定スクロール5の中心側に移動するに従い容積が減少することにより、圧縮される。
【0023】
この圧縮された冷媒ガスは、前記固定スクロール5の台板部5bの中央に設けられた前記吐出口5dから前記密閉容器4内の吐出圧空間18の吐出室18aへ吐出され、前記圧縮機構部2の外周側を通って、この圧縮機構部2下方の前記中部空間18bに流れ、前記圧縮機構部2下方の前記円筒状チャンバ4aに設けられている前記吐出パイプ4eから冷凍サイクルに吐出される。
【0024】
20は前記固定スクロール5の台板部5bに設けられたリリース弁装置である。このリリース弁装置20は、前記圧縮室17内の圧力が前記吐出圧空間18(吐出室18a)の圧力よりも高くなる過圧縮発生時に、圧縮室17のガスを吐出圧空間18に逃がし、これにより必要以上に圧縮するのを防止して無駄なエネルギの消費を回避するものである。前記リリース弁装置20は、固定スクロール5と旋回スクロール6で形成される複数の圧縮室17に対応して、固定スクロール5の複数箇所に配設されている。
【0025】
前記固定スクロール5の吸入口5cからは、冷媒ガスだけでなく、ミスト状の潤滑油や、運転条件によっては液冷媒等が作動流体として前記圧縮室17に吸入される。従って液圧縮が発生することがある。また、圧縮機の起動時など、吸入側の圧力が比較的高く、吐出側の圧力が低い運転条件、即ち圧力比の低い運転条件で運転されることもある。このように液圧縮が発生する場合や、圧力比の低い運転条件では、圧縮室17内の圧力が吐出圧空間18よりも高くなる過圧縮が発生することがある。
【0026】
リリース弁装置20は通常運転時は閉路しているが、このような過圧縮時には、前記リリース弁装置20が開路する。これにより圧縮室17と吐出圧空間18とが連通し、前記圧縮室17から前記吐出圧空間18に圧力を逃がすことができる。
【0027】
ここで、本発明の実施例1におけるリリース弁装置20を説明する前に、従来のスクロール圧縮機におけるリリース弁装置の構成を図5図8を用いて説明する。図5は従来のスクロール圧縮機におけるリリース弁装置付近の要部拡大断面図、図6図5に示す弾性体保持部材とボルトを上方から見た平面図、図7図5に示す弾性体保持部材のみを下方から見た底面図、図8図5に示すリリース弁装置における開弁時での作動流体の流れを説明する図である。
【0028】
図5に示すように、従来のスクロール圧縮機におけるリリース弁装置20は、固定スクロール5に設けられ圧縮室17に連通するリリース穴22の開閉を行うリリース弁21と、前記リリース穴22を閉じる方向に前記リリース弁21を押付ける弾性体25と、この弾性体25を保持すると共に、前記リリース弁21の開弁時に該リリース弁21を受けるためのリリース弁受部26aを有する弾性体保持部材26を備えている。また、前記弾性体保持部材26が吐出圧空間18側に移動しないように押える押え部26bが前記弾性体保持部材26に一体に形成され、ボルト19で固定スクロール5の台板部5bに固定されている。
【0029】
上記リリース弁装置20は、圧縮室17と吐出圧空間18とを連通するように、固定スクロール5の台板部5bに形成されたリリース弁室24に配置されている。
前記弾性体保持部材26は、焼結金属や炭素鋼材などで成形され、図6図7に示すように、押え部26bの部分を除いて円柱状の部材で構成されている。前記押え部26bの部分は横長の平板状に構成されている。円筒状部材で構成された前記弾性体保持部材26の中心部には中央逃し通路26cが形成され、前記中央逃し通路26cの周囲には複数(この例では3個)の外周逃し通路26dが等間隔に形成されている。
【0030】
また、図5に示すように、前記弾性体保持部材26の中央下部には、前記圧縮室17側に凸となる凸部26eが形成されており、この凸部26eに前記弾性体25の一端が圧入などで一体に組み込まれ、固定されている。前記弾性体25は、前記リリース弁21を、前記リリース穴22を閉じる方向に押付けるもので、前記リリース弁21の閉弁時には、該リリース弁21が前記リリース穴22を塞ぐように弾性体25は作用し、図5に示すように、前記リリース弁室底部の円環状の弁シート部23に、前記リリース弁21は当接する。
【0031】
前記圧縮室17が過圧縮状態になると、この過圧縮状態のガス(作動流体)は前記リリース弁21を押し上げるように作用し、前記弾性体の押付力に打ち勝つと、前記リリース弁21は、図8に示すように、弁シート部23から離れ、上方に移動して開弁し、前記弾性体保持部材26の凸部26e先端の前記リリース弁受部26aに向かって移動し、受け止められる。前記リリース弁受部26aは、前記リリース弁21を受け止めることによって、前記リリース弁21や該リリース弁受部26aに過度な応力を発生させないように、十分な接触面積を確保するように構成されている。
【0032】
なお、前記リリース弁室24は前記リリース穴22よりも大径の穴で形成されている。即ち、前記圧縮室17に過圧縮が発生したとき、過圧縮されたガスを逃がす機能を損なわないように、前記リリース弁室24の穴径を十分大きくして十分なリリース流路を確保できるようにしている。
【0033】
前記リリース弁21が前記弾性体25を縮めるように作用して、このリリース弁21が開くと、図8の矢印に示すように、圧縮室17のガスはリリース弁室24における前記リリース弁21の下面に流れ込み、前記リリース弁21の外周部と前記リリース弁室24の内壁面との間に形成される隙間27を通過した後、前記弾性体保持部材26の中央逃がし通路26cや外周逃がし通路26dを通って吐出圧空間18へ流出する。このようにリリース流路が形成されることにより、前記圧縮室17は過圧縮状態から解放される。
【0034】
上述したように、前記リリース弁21はリリース穴22を塞ぐようにリリース弁室24内に配置されているが、前記リリース弁21の外周部と前記リリース弁室24の内壁面との間には、作動流体が通過できるように前述した隙間27が形成されている。この隙間27の存在により、前記リリース弁21は、弾性体25に付勢される上下方向以外に、径方向(左右方向)や斜め方向等へ、前記隙間27の分の移動が可能となっている。このため、前記リリース弁21は前記リリース弁室24の内壁面に衝突することがあり、リリース弁21がリリース弁室24に衝突すると、両者のうちの低強度部材に過度な摩耗や破損等が発生する虞がある。
【0035】
前記リリース弁21は、焼結金属や炭素鋼材などで成形されている前記弾性体保持部材26のリリース弁受部26aと接触するため、このリリース弁21にも高強度材を使用し、該リリース弁21の信頼性を確保している。これに対し、前記リリース弁室24の内壁面は、固定スクロール5の鋳物素材で形成されている場合が多い。このため前記リリース弁21に対し、リリース弁室24の内壁面が相対的に低強度となり、過度の摩耗や損傷が発生し易く、信頼性低下を招く課題があることがわかった。
【0036】
次に、上記従来の課題を解決する本実施例1のスクロール圧縮機1におけるリリース弁装置の構成を、図2〜4を用いて説明する。図2図1に示すリリース弁装置付近の要部拡大断面図、図3図2に示すリリース弁装置の部分を上方(吐出圧力空間18側)から見た平面図、図4図2に示す弾性体保持部材のみを下方から見た底面図である。本実施例1におけるリリース弁装置20の説明において、上述した図5図8と同一或いは相当する部分には同一符号を付して説明する。
【0037】
図2に示すように、本実施例におけるリリース弁装置20は、固定スクロール5に設けられ圧縮室17に連通するリリース穴22の開閉を行うリリース弁(弁板)21と、前記リリース穴22を閉じる方向に前記リリース弁21を押付ける弾性体25と、この弾性体25を保持すると共に前記リリース弁21の開弁時に該リリース弁21を受けるためのリリース弁受部(内側リリース弁受部)26aを有する弾性体保持部材26を備えている。
【0038】
また、前記弾性体保持部材26が吐出圧空間18側に移動しないように押える押え部26bが前記弾性体保持部材26に一体に形成され、六角穴付のボルト19で固定スクロール5の台板部5bに固定されている。
【0039】
上記リリース弁装置20は、前記圧縮室17と前記吐出圧空間18とを連通するように、前記固定スクロール5の台板部5bにおける天板面5eとリリース穴22との間に形成されたリリース弁室24に配置されている。
【0040】
前記弾性体保持部材26は、焼結金属や炭素鋼材などで成形され、図3図4に示すように、押え部26bの部分を除いて円柱状に構成されており、この円柱状の部分は前記リリース弁室24に収容されている。前記押え部26bの部分は横長の平板状に構成されている。円柱状部材で構成された前記弾性体保持部材26の中心部には中央逃し通路(逃し通路)26cが形成されている。
【0041】
また、図2に示すように、前記弾性体保持部材26の中央下部には前記圧縮室17側に凸となる凸部26eが形成されており、この凸部26eにコイルばねなどで構成された前記弾性体25の一端が圧入などで一体に組み込まれ、固定されている。前記凸部26eは、圧縮室17側に向かうにつれて径が小さくなるように形成されており、この凸部26eの前記圧縮機17側端部には前記リリース弁受部26aが設けられている。
【0042】
前記弾性体25は、前記リリース弁21を、前記リリース穴22が閉じられる方向(圧縮室17側)に押付ける(付勢する)もので、前記リリース弁21の閉弁時には、該リリース弁21が前記リリース穴22を塞ぐように前記弾性体25は作用し、図2に示すように、前記リリース弁室24底部の前記リリース穴22の周囲に設けられた円環状の弁シート部23に、前記リリース弁21は当接する。
【0043】
また、本実施例では、前記弾性体保持部材26における円柱状部分の外周部が下方(圧縮室17側)に延長されて前記弁シート部23の外周側まで伸びる筒状の弁ガイド部(外周壁)26fが設けられている。この弁ガイド部26fは、その内径が前記リリース弁21の外径よりも僅かに大きく形成され、前記リリース弁21の稼動範囲を覆うように構成されている。この弁ガイド部26fに前記リリース弁21が案内されて、その稼働範囲で上下動する。
【0044】
従って、本実施例によれば、前記リリース弁21が、径方向(左右方向)や斜め方向等へ移動するのを防止できるため、弾性体25に付勢される上下方向にのみスムーズに動作する。また、前記リリース弁21は前記弁ガイド部26fに案内されて上下動するので、前記リリース弁室24の内壁面に衝突することがなく、リリース弁室24の摩耗や破損を確実に防止できる。
【0045】
更に、本実施例では、上記弁ガイド部26fの内壁面上部にもリリース弁受部(外側リリース弁受部)26gがリング状に設けられている。前記リリース弁受部26gの内径は前記弁ガイド部26fの内径よりも小さく形成されており、前記凸部26eに設けられている前記内側リリース弁受部26aと共に前記リリース弁21を受け止めることができるように構成されている。なお、前記内側リリース弁受部26aと前記外側リリース弁受部26gは、それらの両方を設けるようにしても或いはそれらの何れか一方を設けるようにしても良い。
【0046】
また、本実施例においても図5図8に示す従来のものと同様に、前記圧縮室17が過圧縮状態になると、この過圧縮状態の作動流体は前記リリース弁21を押し上げるように作用し、前記弾性体の押付力に打ち勝つと、前記リリース弁21は、弁シート部23から離れ、上方に移動して開弁し、前記弾性体保持部材26の凸部26e先端の前記内側リリース弁受部26a及び前記弁ガイド部26f上部の前記外側リリース弁受部26gに向かって移動し、受け止められる。本実施例では、前記リリース弁受部が26aと26gの二か所設けられているので、リリース弁21やリリース弁受部26a,26gに過度な応力を発生させず、十分な接触面積を確保でき、且つ安定してリリース弁21を受けることができる。
【0047】
なお、本実施例では、前記リリース穴22を、前記固定ラップ5aの幅よりも小さい径となるように形成している。
【0048】
また、前記リリース弁室24は前記リリース穴22よりも十分に大径の穴で形成されている。特に、本実施例では、前記リリース弁室24の内径(穴径)を前記弾性体保持部材26の円柱状部分の外周部の径よりも大きく形成して、前記弾性体保持部材26の前記外周部と前記リリース弁室24の内壁面との間にリリース弁室内壁面流路24aを形成している。
【0049】
このように、前記リリース弁室24の穴径を前記弾性体保持部材26の外周部外径より十分大きく構成することにより、前記リリース弁室内壁面流路24aを十分な大きさのリリース流路として確保できるので、前記圧縮室17に過圧縮が発生したとき、過圧縮された作動流体を逃がす機能を十分に確保することができる。
なお、前記リリース弁21は本実施例では円板状に構成されているが、多角形や楕円形などの異径円状の弁板で構成しても良い。
【0050】
また、本実施例においては、前記リリース弁装置20が、図2及び図4に示すように、弾性体保持部材26に、前記リリース弁21を案内する前述した弁ガイド部(外周壁)26fを設けているが、この弁ガイド部26fは、前記リリース弁21の外周を覆っている。このため、前記リリース弁21の開弁時にリリース弁21が弾性体保持部材26に向かって押上げられても、前記リリース弁21の外周部と前記弁ガイド部26f内周面との隙間が小さいため、リリース穴22からのガスは前記リリース弁21を超えて上方へ流れ難く、前記中央逃し通路26cや前記リリース弁室内壁面流路24aからガスを前記吐出圧空間18に流出し難い構成となる。
【0051】
そこで、本実施例では、図2及び図4に示すように、前記弁ガイド部26fの周方向に等間隔に切欠き部26hを形成している。また、本実施例1では、前記弾性体保持部材26の押え部26bに、前記リリース弁室内壁面流路24aを流れるガスを前記吐出圧空間18に吐出させるための押え部流路26iが形成されている。また、図3に示すように、リリース弁装置20の押え部26bの幅を、前記リリース弁室24の内径(リリース弁室24が円形でない場合はその幅)よりも小さく形成して、リリース弁室24の一部が、直接前記吐出圧空間18に開口する開口部24bとなるように構成されている。この開口部24bは前記リリース弁室内壁面流路24aと連通している。
【0052】
従って、前記リリース弁21が開弁してリリース弁21が押し上げられると、リリース弁21の下面の空間と前記リリース弁室内壁面流路24aとが前記切欠き部26hを介して連通し、リリース穴22からのガスを前記リリース弁室内壁面流路24aから、前記開口部24bや前記押え部流路26iを介して前記吐出圧空間18に流出させることができる。
【0053】
また、前記リリース弁21が押し上げられて前記リリース弁受部26a,26gに押し付けられるまでは、リリース弁21の下面の空間と前記中央逃し通路26cとは前記切欠き部26hを介して連通するので、前記中央逃し通路26cからもリリース穴22からのガスを前記吐出圧空間18に流出させることができる。
【0054】
以上のように、リリース弁21が押し上げられると、圧縮室17のガスはリリース穴22から前記リリース弁21の下面を通って前記切欠き部26hに到達し、このガスは前記切欠き部26hを通過して前記リリース弁室内壁面流路24aや前記中央逃し流路26cに流出する。前記リリース弁室内壁面流路24aに流出したガスは直線状に上昇し、前記押え部流路26iや前記開口部24bを介して前記吐出圧空間18に吐出される。また、前記中央逃し通路26c側に流出したガスは、この中央逃し通路26cから前記吐出圧空間18に吐出される。これにより、前記圧縮室17は過圧縮状態から解放される。
【0055】
なお、前記弾性体保持部材26の前記弁ガイド部26fは、前記リリース弁21の外周の一部若しくは複数個所覆っていれば良いが、前記リリース弁21が前記弾性体保持部材26の弁ガイド部26f内に常に収まるよう構成し、且つリリース弁21の外周縁との接触面積もなるべく大きくなるように構成すると良い。
【0056】
本実施例1では、前記弾性体保持部材26の外周面と前記リリース弁室24の内壁面との間に前記リリース弁室内壁面流路24aを設けているので、図5に示す従来のように、前記弾性体保持部材26の内部に外周逃し通路26dを設けなくて良い。
【0057】
以上説明したように、本実施例では、弾性体保持部材26の外周部下側に、リリース弁体21の外周を覆う弁ガイド部26fを設けているので、前記リリース弁21は前記弁ガイド部26fに案内されて上下動する。従って、リリース弁21がリリース弁室24の内壁面と接触或いは衝突するのを防止できるため、リリース弁室24の摩耗や破損を確実に防止できる。
【0058】
また、本実施例によれば、前記弁ガイド部26fに切欠き部26hを設けたことから、前記リリース弁21の外周部(外周縁)と前記弁ガイド部26fとの隙間を小さくしてもリリース穴22からのガスを、前記切欠き部26hを介してリリース弁室内壁面流路24a等に流出させることができる。従って、リリース弁21外周部の隙間を小さくできるため、前記リリース弁21が、径方向(左右方向)や斜め方向等へ移動するのを防止でき、弾性体25に付勢される上下方向にのみスムーズに動作させることができる。これにより、リリース弁の動作を安定化させ、リリース弁21の上下方向以外への挙動による衝撃力を緩和できる。
【0059】
更に、前記リリース弁21が接触する前記弾性体保持部材26の材料として、炭素鋼やステンレス鋼等を使用できるので、前記リリース弁21と、このリリース弁21が接触する弾性体保持部材26との強度差を低減でき、これらの部材に過度な摩耗が発生することも防止できる。
【0060】
また、本実施例によれば、ガイド部26fの上部にも円筒状の外側リリース弁受部26gを設けているので、凸部26eに設けられている内側リリース弁受部26aと共に前記リリース弁21を受け止めることができる。従って、リリース弁受部の面積を拡大でき、且つリリース弁21を安定して受け止めることができる。
よって、リリース弁21が接触する箇所の信頼性を向上できる。
【0061】
また、弾性体保持部材26に弁ガイド部26fを設けているので、弾性体保持部材の形状変更のみで前記弁ガイド部26fを設けることができるため、部品点数が増加せず、コストアップや作業工数の増加も抑制できる。
【0062】
更に、リリース穴22からのガス(作動流体)を、リリース弁室24の内周壁に沿って直線状に延びる前記リリース弁室内壁面流路24aを介して吐出圧空間18に排出できるので、ガスの流れをスムーズにすることができる。従って、圧縮室17のガスを前記リリース弁装置20を介して吐出圧空間18に流出させる際の流路抵抗をより低減できる効果も得られる。
【0063】
以上のように、本発明によれば、リリース弁室の内壁面の摩耗を防止してリリース弁の動作を安定化させ、且つ圧縮室のガスを、リリース弁装置を介してスムーズに吐出圧空間に流出させることができるため、信頼性が高く且つ高性能のスクロール圧縮機を得ることができる効果がある。
【0064】
特に、前記作動流体として、R32を70重量%以上含んだ冷媒を用いた場合、R32が70%未満の冷媒を用いる場合に比較して、断熱指数が高く、圧縮室内の圧力が上昇し易いため、過圧縮状態になり易いので、上述した本実施例を採用することにより、スクロール圧縮機の信頼性をより向上させ、高性能化を図ることができる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1:スクロール圧縮機、2:圧縮機構部、3:駆動部、
4:密閉容器、4a:円筒状チャンバ、4b:蓋キャップ、4c:底キャップ、
4d:吸入パイプ、4e:吐出パイプ、
5:固定スクロール、5a:固定側ラップ、5b:台板部、5c:吸入口、
5d:吐出口、5e:天板面、
6:旋回スクロール、6a:旋回側ラップ、6b:台板部、6c:ボス部、
6d:旋回軸受、6e:キー溝、
7:フレーム、7a:キー溝、8:主軸受、
9:クランク軸、9a:主軸、9b:偏心ピン部、
10:電動機、10a:ロータ、10b:ステータ、
11:オルダムリング、12:下フレーム、13:ハウジング、14:副軸受、
15:ポンプ部、16:油溜り、17:圧縮室、
18:吐出圧空間、18a:吐出室、18b:中部空間、
19:ボルト、20:リリース弁装置、21:リリース弁(弁板)、22:リリース穴、
23:弁シート部、
24:リリース弁室、24a:リリース弁室内壁面流路、24b:開口部、
25:弾性体、
26:弾性体保持部材、26a:リリース弁受部(内側リリース弁受部)、
26b:押え部、26c:中央逃し通路(逃し通路)、26d:外周逃し通路、
26e:凸部、26f:弁ガイド部、26g:リリース弁受部(外側リリース弁受部)、
26h:切欠き部、26i:押え部流路、27:隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8