【課題】警備モードの切替操作を行うユーザの携帯端末の位置に応じて警備モードの切替操作の可否を決定することで適切な警備状態を維持する警備システム、携帯端末、警備装置、警備方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】警備システムは、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置と、当該警備装置との通信により警備モードを切替操作可能な携帯端末と、を有する。警備装置は、位置取得手段、切替要求手段、及び切替判定手段を有する。位置取得手段は、携帯端末の位置を取得する。切替要求手段は、切替操作による警備モードの切替要求を入力する。切替判定手段は、取得された携帯端末の位置に基づいて、切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置と、当該警備装置との通信により遠隔から前記警備モードを切替操作可能な携帯端末と、を具備する警備システムであって、
前記携帯端末の位置を取得する位置取得手段と、
前記切替操作による警備モードの切替要求を入力する切替要求手段と、
前記取得された前記携帯端末の位置に基づいて、前記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する切替判定手段と、
を具備する警備システム。
複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置との通信により前記警備モードを切替操作可能な携帯端末において実行されるプログラムであって、前記携帯端末に、
前記携帯端末の位置を取得する処理と、
前記切替操作に応じて前記警備装置へ前記警備モードの切替要求を送信する処理と、
前記取得した当該携帯端末の位置に基づいて、前記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替要求の可否を判定する処理と、
を実行させるプログラム。
複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置と、当該警備装置との通信により前記警備モードを切替操作可能な携帯端末と、を有する警備システムによる警備方法であって、
前記携帯端末の位置を取得し、
前記切替操作による警備モードの切替要求を入力し、
前記取得された前記携帯端末の位置に基づいて、前記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する、
警備方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、操作を行うユーザの携帯端末が警備対象に対してどの位置に存在しているかは考慮されていないことから、警備対象の遠隔からのモード切替操作を許容することが適切でない場合でも、モード切替操作が実行されてしまう。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、警備モードの切替操作を行うユーザの携帯端末の位置に応じて警備モードの切替操作の可否を決定することで適切な警備状態を維持することが可能な警備システム、携帯端末、警備装置、警備方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る警備システムは、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置と、当該警備装置との通信により遠隔から上記警備モードを切替操作可能な携帯端末と、を有し、位置取得手段、切替要求手段、及び切替判定手段を有する。上記位置取得手段は、上記携帯端末の位置を取得する上記切替要求手段は、上記切替操作による警備モードの切替要求を入力する。上記切替判定手段は、上記取得された上記携帯端末の位置に基づいて、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
【0007】
この構成により警備システムは、警備モードの切替操作を行うユーザの携帯端末の位置に応じて警備モードの切替操作の可否を決定することで、適切な警備状態を維持することができる。ここで、監視区域は典型的には住宅であり、家屋または家屋の敷地も含まれ得る。また、携帯端末の位置とは、例えば監視区域内、監視区域外によって区別され、監視区域外はさらに監視区域近傍、学校やオフィス等の所定の区域、その他の区域等によって区別され得る。上記各手段は、上記警備装置と上記携帯端末のいずれによって実行されても構わない。
【0008】
上記警備システムは、上記携帯端末の位置と、当該位置における切替先の警備モードへの切替の可否との関係を示すモード切替可否情報を記憶する記憶手段をさらに有してもよい。この場合、上記切替判定手段は、上記モード切替可否情報に基づいて、上記切替操作時の上記携帯端末の位置における、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
【0009】
上記記憶手段は、上記モード切替可否情報として、上記携帯端末の位置と、当該位置において切替可能な切替元の警備モード及び切替先の警備モードの組み合わせとを対応付けて記憶してもよい。この場合上記切替判定手段は、上記モード切替可否情報に基づいて、上記切替操作時の上記携帯端末の位置における、現在設定されている警備モードから上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
【0010】
これにより警備システムは、切替要求対象の切替先の警備モードのみならず、切替元(現在)の警備モードも考慮してモード切替の可否を決定することができる。したがって、携帯端末の位置及び切替先の警備モードが同一の場合であっても、現在の警備モードが異なればモード切替の可否の判定結果も異なる場合がある。
【0011】
上記警備装置は、上記警備モードとして、少なくとも、無人監視モード、有人監視モード、及び解除モードを有してもよい。この場合上記切替判定手段は、上記切替操作時の上記携帯端末の位置が上記監視区域外である場合、当該携帯端末による上記有人監視モードへの切替を拒否する。
【0012】
これにより警備システムは、携帯端末のユーザが監視区域内に存在する場合にしか設定しない有人監視モードへの切替は、携帯端末が監視区域外である場合には拒否することで、監視区域外からユーザが誤って有人監視モードへ切り替えてしまい、監視区域内に存在するユーザの家族等の他のユーザによって誤報が発生したり、本来は無人監視モードによって監視されるべき場合に警備が不十分になってしまったりするのを防ぐことができる。
【0013】
上記警備装置は、上記警備モードとして、少なくとも、無人監視モード及び解除モードを有してもよい。この場合上記切替判定手段は、上記切替操作時の上記携帯端末の位置が、上記監視区域外であって当該監視区域から所定範囲内にある場合に、当該携帯端末による上記解除モードへの切替を許容し、当該位置が上記監視区域から所定範囲外にある場合に、当該携帯端末による解除モードへの切替を拒否する。
【0014】
これにより警備システムは、携帯端末のユーザが監視区域内または監視区域の近隣のいずれにも存在しない場合には解除モードへの切替を拒否することで、例えば帰宅時であっても監視区域から離れた場所にいる段階では解除モードへの切替ができないため、遠隔から解除モードに切り替えた場合に生じる無監視状態の継続時間を抑制することができる。
【0015】
本発明の他の形態に係る携帯端末は、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置との通信により遠隔から上記警備モードを切替操作可能な携帯端末であって、位置取得手段、通信手段及び切替判定手段を有する。上記位置取得手段は、当該携帯端末の位置を取得する。上記通信手段は、上記切替操作に応じて上記警備装置へ上記警備モードの切替要求を送信する。上記切替判定手段は、上記取得した当該携帯端末の位置に基づいて、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替要求の可否を判定する。
【0016】
ここで、「切替要求の可否」とは、切替操作の入力自体が可能または不可能である場合のみならず、切替操作の入力自体は可能であるが、その操作が有効または無効とされる場合も含む概念である。
【0017】
本発明の他の形態に係る警備装置は、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視し、携帯端末による遠隔からの切替操作に応じて上記警備モードを切替可能あって、位置取得手段、通信手段及び切替判定手段を有する。上記位置取得手段は、上記携帯端末の位置を取得する。上記通信手段は、上記携帯端末から、上記切替操作による上記警備モードの切替要求を受信する。上記切替判定手段は、上記携帯端末からの上記切替要求に対し、上記取得した上記携帯端末の位置に基づいて、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
【0018】
本発明の他の形態に係るプログラムは、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置との通信により上記警備モードを切替操作可能な携帯端末において実行されるプログラムであって、
上記携帯端末の位置を取得する処理と、
上記切替操作に応じて上記警備装置へ上記警備モードの切替要求を送信する処理と、
上記取得した当該携帯端末の位置に基づいて、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替要求の可否を判定する処理と、を上記携帯端末に実行させる。
【0019】
本発明の他の形態に係る警備方法は、複数の警備モードにより監視区域への侵入を監視する警備装置と、当該警備装置との通信により上記警備モードを切替操作可能な携帯端末と、を有する警備システムによる警備方法であって、
上記携帯端末の位置を取得し、
上記切替操作による警備モードの切替要求を入力し、
上記取得された上記携帯端末の位置に基づいて、上記切替要求対象の切替先の警備モードへの切替の可否を判定する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、警備モードの切替操作を行うユーザの携帯端末の位置に応じて警備モードの切替操作の可否を決定することで適切な警備状態を維持することができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0024】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
【0025】
同図に示すように、この警備システムは、警備装置100と、ユーザ端末200と、警備センタのセンタサーバ300とを有する。
【0026】
警備装置100は、例えば家屋や事業所等の監視エリア(警備対象)に設置され、監視エリアの異常を監視し、検知した異常を警備センタへ通報する。詳細は後述するが、警備装置100は、複数の警備モード(例えば、外出警戒モード、在宅警戒モード、部分セットモード、在宅モード等)によって監視エリアを警備している。
【0027】
ユーザ端末200は、上記監視エリアの住宅の居住者が所持する端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)等の携帯型のコンピュータであり、例えばLTE(Long Term Evolution)、3G、Wi−Fi等のモバイルネットワークと接続可能である。警備対象の建物に複数人のユーザが居住または入居している場合、ユーザ端末200は警備対象毎に複数存在し得る。
【0028】
当該ユーザ端末200は、上記警備装置100との通信により、上記警備モードを切替操作可能である。ユーザ端末200は、同図に示すように、監視エリア内である家屋内に存在する場合もあれば、例えばユーザが勤務しているオフィス内等の監視エリア外に存在する場合もある。
【0029】
ユーザ端末200は、監視エリア内に存在する場合には、上記モバイルネットワークの他、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi−Fi等の近距離無線通信によっても警備装置100と通信可能である。当該警備モードの切替操作は、ユーザ端末200にインストールされた、警備モード情報その他の警備情報を提供するアプリケーション(以下、「警備アプリケーション」と称する)上で入力される。
【0030】
また、上記警備装置100は、上記監視エリアであるの家屋内の壁面等に設置された操作部(操作パネル等)も有し、ユーザは、家屋内に存在する場合には、当該操作部によっても上記警備モードを切替操作可能である。当該操作部による操作対象によっては、例えばユーザ毎に付与された認証カードを操作部へ挿入する認証処理が必要になる場合もある。本実施形態では、当該操作部を、遠隔操作が可能なユーザ端末200に対して、「本体操作部」と称することもある。
【0031】
センタサーバ300は、警備会社が運営する警備センタに設置されるサーバであり、インターネットを介して警備装置100及びユーザ端末200と通信可能である。警備センタには、管制員が常駐しており、警備装置100から異常通報を受信すると、警備装置100の警備対象への警備員の派遣等の必要な措置が取られる。
【0032】
またセンタサーバ300は、監視エリアである建物の所在地等の情報や、当該建物に居住または入居している警備契約先のユーザに関する情報等を記憶している。例えばセンタサーバ300は、監視エリアである建物に居住または入居する各ユーザのユーザ端末200と警備装置100とをペアリングし、それらを監視エリア毎にグループ化した情報を、認証用に記憶している。またセンタサーバ300は、上記認証カードについても、上記ユーザ端末200と同様にペアリングしグループ化した情報を記憶している。
【0033】
上記警備モードの切替えは、同図の(1)〜(8)のような流れで実行される。すなわち、(1)ユーザ端末200が、モバイルネットワークを介してセンタサーバ300へ警備モード切替を要求すると、(2)センタサーバ300が、ユーザ端末200(が属するグループ)を認証し、認証に通った場合、当該警備モード切替要求を警備装置100へ転送することで、(3)警備装置100へ警備モード切替を要求する。すると、(4)警備装置100は、当該警備モード切替要求を受けて警備モードを切替え、(5)当該警備モードの切替完了をセンタサーバ300へ通知する。
【0034】
そして、(6)センタサーバ300が、当該通知を受けて、インターネット上のプッシュ通知用のAPI(例えば、Apple Push Notification Service(APNS)やFirebase Cloud Messaging (FCM))へ、モード切替完了をプッシュ通知するように要求する。(7)当該要求を受け、APIがユーザ端末200へ上記モード切替完了をプッシュ通知し、(8)ユーザ端末200が当該プッシュ通知を受信してモード切替完了を表示部に表示する。
【0035】
当該説明のとおり、警備モードの切替処理において、センタサーバ300は、警備装置100とユーザ端末200との通信を仲介(及び認証)しているのみであるため、本実施形態では、実際にはセンタサーバ300によって仲介される通信も、あえて当該仲介処理については省略し、警備装置100とユーザ端末200との通信として説明する場合もある。
【0036】
本実施形態では、上記ユーザ端末200が、上記警備アプリケーションによって、警備モードの遠隔による切替操作を受付可能であり、かつ、当該切替操作の可否を、ユーザ端末200の位置情報(監視エリア内と監視エリア外のいずれに存在するか)に応じて判定可能である。
【0037】
[警備装置の構成]
図2は、上記警備装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、警備装置100は、主装置101と、各種のセンサ10及び12等によって構成される。
【0038】
侵入監視センサ10は、扉や窓等の開閉を検知するセンサ、熱源としての人体が発する熱を検知するセンサ、人体により赤外線が遮られたことを検知するセンサ等の、侵入者を検出するためのセンサである。この侵入監視センサは、監視エリアである建物の外周エリアに設置されたものと、その他のエリアに設置されたものとに大別される。さらに、建物の外周エリアに設置された侵入監視センサは、出入り口エリアに設置されたものと、それ以外のものとに区別される。火災センサ12は、火災発生に伴う熱や煙を検知するセンサである。
【0039】
主装置101は、制御部110、通報部130、報知部140、表示部150、操作部160、並びに通信インタフェース(I/F)170で構成される。
【0040】
通報部130は、異常が発生した場合に、上記警備センタへ通信回線を介して通報する。報知部140は、各種報知音を発生させる。表示部150は、LED(Light Emitting Diode)、液晶表示器等で構成され、それぞれ、主装置上、主装置外での各種表示を行う。
【0041】
通信I/F170は、各種センサやと有線又は無線で通信するためのインタフェースである。また通信I/F170は、警備モードの切替に関する遠隔操作部としてのユーザ端末200と無線通信を行うインタフェースとしても機能する。
【0042】
操作部160は、例えば操作ボタンやタッチパネル等で構成され、上記警備モードの切替操作等のユーザ操作を受け付ける。操作部160がタッチパネルである場合、操作部160は、上記表示部150と一体となり得る。
【0043】
また操作部160は、ユーザが侵入者に襲われたときや身体の異常を感じたときに操作する非常通報ボタンや、ユーザが間違えて異常を発生させてしまった場合にその異常をキャンセルするためのキャンセル操作ボタン等、警備モードの切替操作以外に用いるボタンも有する。
【0044】
制御部110は、プロセッサ、メモリ等により構成され、警備装置の稼動を制御する部分であり、機能的には、モード記憶手段112、監視制御情報記憶手段114、侵入監視センサ検知時処理手段116、モード設定手段118等を実現する。モード記憶手段112は、各警備モードを、それらの識別情報と共に記憶し、それらのうち現在設定されている警備モードに関する情報を例えばフラグ等により記憶する。監視制御情報記憶手段114は、各種センサの設置エリア、アドレスコード等を記憶し、警備モードと監視状態とする各種センサとの対応を記憶する。侵入監視センサ検知時処理手段116は、ある侵入監視センサが検知したときに、モード記憶手段112に記憶された現在の警備モードと監視制御情報記憶手段114に記憶された内容とに基づいて、異常判定を行って異常信号を出力する処理や報知音を決定して出力する処理等を実行する。モード設定手段118は、操作部160及びユーザ端末200によるユーザからのモード切替操作に基づいて、上記警備モードの設定(切替)処理を実行する。モード設定手段118は、警備モードを変更したとき、切替先の警備モードを現在の警備モードとしてモード記憶手段112に記憶させる。
【0045】
また図示しないが、主装置101は、警備装置100とペアリングされグループ設定された複数のユーザ端末200及び上記認証カード、並びにそれらの各ユーザの識別情報(ユーザ名、ユーザID等)に関するグループ設定情報も記憶している。
【0046】
[警備モードの種別]
ここで、上記警備装置100が有する警備モードの種別について説明する。本実施形態では、警備装置100は、警備モードとして、外出警戒モード(無人監視モード)、在宅警戒モード(有人監視モード)、部分セットモード、警戒解除(在宅)モードを有する。
【0047】
上記火災センサ12による監視及び非常通報は、警備モードによらず行われる。これらによる異常発生は、別の警報音にて報知される。一方、上記侵入監視センサ10による監視は、警備モードに応じて異なる。
【0048】
外出警戒モードは、警備対象の建物のユーザ全員が警備対象から離れる(外出する)場合に設定されるモードである。このモードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、警備対象に設置された全ての侵入監視センサ10によって行われる。
【0049】
在宅警戒モードは、警備対象内にユーザがいる場合において、外部からの侵入を監視したい場合に利用されるモードであり、特に、就寝時に利用される。当該モードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、全ての侵入監視センサ10のうち、窓、玄関扉、庭などの建物の外周エリアに設置された侵入監視センサ10のみによって行われる。
【0050】
部分セットモードは、例えば監視エリアである建物の1階にしかユーザがおらず、2階を監視したい場合など、警備対象を部分的に警戒する場合に利用されるモードである。このモードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、警備対象の部分に存在する侵入監視センサ10のみによって行われる。なお、当該部分セットモードは、上記在宅警戒モードの一形態として存在し得る。
【0051】
警戒解除モードは、ユーザが在宅時に窓などを開放して過ごす場合に利用されるモードである。このモードでは、侵入監視センサ10による監視は行われない。
【0052】
[携帯端末の構成]
図3は、上記ユーザ端末200の構成を示した図である。同図に示すように、ユーザ端末200は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入出力インタフェース25、及び、これらを互いに接続するバス24を備える。
【0053】
CPU21は、必要に応じてRAM23等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらユーザ端末200の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM22は、CPU21に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0054】
入出力インタフェース25には、表示部26、操作受付部27、記憶部28、通信部29等が接続される。
【0055】
表示部26は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0056】
操作受付部27は、例えば、タッチパネル、ボタン、キー、その他の入力装置である。操作受付部27がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部26と一体となり得る。
【0057】
記憶部28は、例えばフラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)やその他の固体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリである。当該記憶部28には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0058】
特に本実施形態では、記憶部28は、ユーザ端末200が、上記警備装置100と連動して警備モード切替処理を実行するための上記警備アプリケーションその他のプログラムを記憶している。当該警備アプリケーションは、警備装置100に現在設定されている警備モードに関する情報や、警備モードの切替操作を受け付ける操作画面等の表示に必要なデータ(文字情報や画像情報)、ユーザ端末200の位置に応じて当該切替操作の可否を判断するための設定情報等、及び、ユーザ端末200が監視エリア内外のいずれに存在するかを判断するための住宅の位置情報(例えば住宅の中心位置を示す緯度・経度情報)も記憶している。
【0059】
そしてCPU21は、ユーザ端末200の位置を取得する位置取得手段、上記切替操作に応じて警備装置100へモード切替要求信号を送信する通信手段、及びユーザ端末200の位置に応じて上記切替操作の可否を判定する切替判定手段として機能する。
【0060】
通信部29は、例えば上記LTE、BLE、Wi−Fi等の無線通信用の各種モジュールであり、モバイルネットワーク、近距離無線通信ネットワーク、及びインターネットを介した上記警備装置100及びセンタサーバ300との間の通信処理を担う。
【0061】
また通信部29は、当該ユーザ端末200の位置情報を取得する上記位置取得手段としても機能する。位置情報の取得には、例えばGPS(Global Positioning System)や携帯電話用の基地局等を利用した測位手法が用いられる。これに代えて、例えば監視エリア内(住宅内)の警備装置100との上記近距離無線通信や特定小電力無線通信を用いて、ユーザ端末200が警備装置100と通信圏内に存在している場合にはユーザ端末200は監視エリア内に存在し、通信圏外であれば監視エリア外に存在すると判断されてもよい。また、必要に応じてGPSや近距離無線通信等の複数の測位手段が組み合わされて、より正確なユーザ端末200の位置が検出されてもよい。
【0062】
[モード切替操作可否設定]
図4は、上記ユーザ端末200による、当該ユーザ端末200の位置に応じた複数の警備モードへの切替操作可否設定を概念的に示した表である。なお、以下では、上述した各警備モードのうち、部分セットモードは、在宅警戒モードに含まれるものとして説明する。
【0063】
同図上部の矢印は、前提として警備装置100で許容されている警備モードの遷移(切替可能ルート)を示したものであり、すなわち本体操作部での切替操作の可否を意味する。同図において、矢印が示す方向は、切替元の(現在の)警備モードと切替先の警備モードとの組み合わせに関して、その方向へのモード切替が可能であることを示す。
【0064】
これらの矢印に示すように、警備装置100では、警戒解除モードと在宅警戒モードの間、及び、警戒解除モードと外出警戒モードとの間は、それぞれが切替元(現在の警備モード)であっても切替先であっても相互に切替可能であるが、在宅警戒モードと外出警戒モードとの間は、在宅警戒モードから外出警戒モードへの切替(すなわち、切替元(現在のモード)が在宅警戒モードであり切替先が外出警戒モードである場合)は可能であるが、その逆の外出警戒モードから在宅警戒モードへの切替(すなわち、切替元が外出警戒モードであり切替先が在宅警戒モードである場合)は不可能とされる。
【0065】
さらに、本実施形態では、上述の警備装置100で許容されている切替可能ルートを前提として、切替操作が行われたユーザ端末200の所在に応じて、切替先の警備モードへの切替の可否を異ならせている。
図4において、各列に示された警備モードは、モード切替操作の対象となる切替先の警備モードを示しており、各行は切替操作が行われたユーザ端末200の所在を示しており、「〇」は当該切替先の警備モードへのモード切替操作が可能である(許容される)ことを示し、「×」は当該モード切替操作が不可能である(拒否される)ことを示す。本実施形態では、ユーザ端末200の所在の分類は、当該ユーザ端末200を所持するユーザの家の中(監視エリア内)、または家の外(監視エリア外)とし、家は少なくとも家屋を含み、庭を含む住宅の敷地全体を含んでもよい。
【0066】
そして、同図に示すように、本実施形態では、ユーザ端末200が監視エリア内(家の中)に存在する場合には、いずれの警備モードへの切替操作も許容される。一方、ユーザ端末200が監視エリア外(家の外)に存在する場合には、警戒解除モード及び外出警戒モードへの切替操作は許容されるが、在宅警戒モードへの切替操作は拒否される。これは、在宅警戒モードは、ユーザが在宅中に監視エリア外部からの侵入を制限する(有人監視)モードであり、ユーザが外出中に当該モードへ切り替えるようなケースが想定できないからである。
【0067】
これにより、監視区域外からユーザが誤って在宅警戒モードへ切り替えてしまい、家の中に存在するユーザの家族等の他のユーザによって誤報が発生したり、本来は外出警戒モードによって監視されるべき場合に警備が不十分になってしまったりするのを防ぐことができる。
【0068】
警備アプリケーションは、同図に対応する、切替元/切替先の組合せに係る警備モード間の切替可能ルート設定情報、及び、ユーザ端末200の位置(監視エリア内/外)に応じた警備モードへの切替可否設定情報を例えば上記記憶部28に記憶しており、ユーザからモード切替操作があった場合に、これらの設定情報を参照して当該モード切替操作の可否を判定する。
【0069】
[操作画面]
上述したように、本実施形態において、ユーザ端末200の警備アプリケーションは、操作画面を表示して当該操作画面上でユーザから上記警備モードの切替操作を受け付ける。
【0070】
図5は、上記操作画面の例を示した図である。同図に示すように、当該操作画面30は、例えばタッチパネルを用いたユーザインタフェースとして構成されており、操作メニューボタン31、設定メニューボタン32、外出警戒モード設定ボタン33、警戒解除モード設定ボタン34、在宅警戒モード設定ボタン35、部分セットモード設定ボタン36を有する。各ボタンはボタンアイコンとして画面上に表示され、ユーザがそれぞれのボタンアイコン領域をタップすることで各ボタンの選択操作として認識される。
【0071】
操作メニューボタン31は、例えば画面の下部に設けられており、当該操作画面30の表示/非表示を切り替えるためのボタンである。設定メニューボタン32は、ユーザ情報等に関する各種設定を変更する際に用いられるボタンである。
【0072】
外出警戒モード設定ボタン33、警戒解除モード設定ボタン34、在宅警戒モード設定ボタン35、及び部分セットモード設定ボタン36は、それぞれ、警備モードを現在の警備モードから、外出警戒モード、警戒解除モード、在宅警戒モード、及び部分セットモードへ切り替えるための操作を受け付けるボタンである。後述するが、これらのボタンがユーザにより操作されると、ユーザ端末200は、警備装置100へ、それらに対応する警備モードへの切替要求信号を送信する。
【0073】
また操作画面30は、複数の部分セットブロック選択ボタン37も有する。当該各部分セットブロック選択ボタン37は、上記部分セットモード設定ボタン36によって部分セット対象となる警戒ブロックを選択するためのボタンである。警戒ブロックとしては、同図の例では、「玄関勝手口」、「ダイニングキッチン」、「和室」、「2階子供部屋」、「2階主寝室」の5つが挙げられているが、これらに限られず、ユーザは上記設定メニューボタン32の操作によって部分セット対象の警戒ブロックまたはその数を変更可能である。これらのうちいずれかの部分セットブロック選択ボタン37がユーザに選択された上で、上記部分セットモード設定ボタン36が操作されると、当該選択された警戒ブロックを警戒対象とする部分セットモードへの切替要求信号が送信される。
【0074】
また当該操作画面30の上部には、警備モード表示アイコン38が設けられている。当該警備モード表示アイコン38は、現在の警備モードを示しており、上記各モード設定ボタンによって警備モードが切り替えられると、それに応じて当該警備モード表示アイコンの38の表示も切り替わる。同図の例では、現在の警備モードが警戒解除(在宅)モードである場合の例が示されている。
【0075】
なお、警備用アプリケーションを起動する際、又は、操作画面30を表示する際には、ユーザ認証のためのパスコードの入力を促すポップアップが表示され、そこでユーザがパスコードを正しく入力することで各モード設定ボタンの操作が有効となる。ユーザ認証方法は、パスコードに代えて指紋等の生体認証を利用できる。また、ユーザ認証は、操作画面30において各モード設定ボタンが押下された際に行ってもよい。
【0076】
[警備システムの動作]
次に、以上のように構成された警備システムの動作について説明する。当該動作は、ユーザ端末200のCPU21や通信部29等のハードウェアと、記憶部28に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、ユーザ端末200の警備アプリケーションまたはCPU21を動作主体とする。
【0077】
図6は、上記警備システムにおけるユーザ端末200の警備モード切替操作受付処理の流れを示したフローチャートである。
【0078】
同図に示すように、まず、ユーザ端末200のCPU21は、上記警備アプリケーションの操作画面30上で、ユーザからモード切替操作を受け付けたか否かを判断する(ステップ61)。
【0079】
上記モード切替操作を受け付けたと判断した場合(Yes)、CPU21は、GPS等の測位手段により、ユーザ端末200の現在位置情報を取得する(ステップ62)。
【0080】
続いてCPU21は、警備装置100において現在設定されている警備モードの情報を警備アプリケーションから取得するとともに、上記モード切替操作の切替要求対象である切替先の警備モードの情報を、上記操作画面30上でタップされた設定ボタンの種別を基に取得する(ステップ63)。
【0081】
続いてCPU21は、上記モード切替操作の切替先の警備モードが、現在の警備モードから切替可能な警備モードであるか否かを、上記切替元/切替先の組合せに係る警備モード間の切替可能ルート設定情報を基に判断する(ステップ64)。
【0082】
上記切替先の警備モードが現在の警備モードから切替不可能な警備モードである(例えば、現在の警備モードが外出警戒モードであり、切替先の警備モードが在宅警戒モードである場合)と判断した場合(No)、CPU21は、その旨を示すエラー表示画面を表示部26に表示する(ステップ68)。
【0083】
上記切替先の警備モードが現在の警備モードから切替可能な警備モードであると判断した場合(Yes)、CPU21は、上記取得したユーザ端末200の位置情報が監視エリア(家屋)の内/外の何れに位置するか(例えば、上記位置情報が、上記家屋の中心位置から半径15m以内に存在するか、または、近距離無線通信により警備装置100と通信可能か否か)を判断し、当該ユーザ端末の位置(監視エリア内/外)と、切替先の警備モードとを、上記位置に応じた警備モードへの切替可否設定情報と比較する(ステップ65)。
【0084】
続いてCPU21は、上記比較の結果、上記切替先の警備モードへの切替操作が可能か否かを判断する(ステップ66)。
【0085】
そしてCPU21は、切替操作が可能と判断した場合(Yes)には、モード切替操作を許容し、当該モード切替操作における切替先の警備モードへの切替を要求する切替要求信号を警備装置100へ送信して(ステップ67)、処理を終了する。
【0086】
一方、切替操作が不可能と判断した場合(No)には、その旨を示すエラー表示画面を表示部26に表示して(ステップ68)、処理を終了する。
【0087】
警備装置100は、上記送信された切替要求信号を受信すると、現在の警備モードを、当該切替要求信号に含まれる切替先の警備モードへと切り替える。
【0088】
なお、同図の例では、ユーザが操作画面30上では、いずれの警備モードへのモード切替操作の入力自体は受付可能であり、ユーザ端末200の位置によって、当該切替操作の有効/無効が判定され、無効な場合にはエラー表示される形態とされた。しかし、警備アプリケーションは、ユーザが操作画面30で切替操作を入力する前に、ユーザ端末200の位置を取得してそれに応じて各警備モードへの切替操作の可否を事前に判定しておき、ユーザが操作画面30上で切替操作を入力した場合に即座に判定結果に基づいて警備装置100への切替要求信号の送信またはエラー表示を実行してもよいし、上記事前判定の結果、モード切替操作が不可能な切替先の警備モードについては、上記操作画面30上における対応するモード設定ボタンを、例えば半透明表示等により区別した上で、操作受付不可能な状態に設定してもよい。
【0089】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の第1実施形態と同様の構成を有する箇所については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0090】
図7は、本実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
【0091】
上記第1実施形態では、ユーザ端末200の警備アプリケーションは、ユーザ端末200が監視エリアである家屋の内と外のいずれに存在するかによってユーザのモード切替操作の可否を判定したが、同図に示すように、本実施形態では、それに加えて、ユーザが監視エリアである家屋の近隣(例えば家屋の中心位置から500m圏内)に存在するか否かも、上記モード切替操作の可否の判定基準とする。すなわち、警備アプリケーションは、ユーザ端末200の位置が監視エリア外であっても、監視エリア近隣であるか否かに応じて、モード切替操作の可否を異ならせて判定する。
【0092】
図8は、本実施形態に係るユーザ端末200による、当該ユーザ端末200の位置に応じた複数の警備モードへの切替操作可否設定を概念的に示した表である。
【0093】
上述の第1実施形態(
図4)では、警戒解除モードへの切替操作は、ユーザ端末200が監視エリア内であっても監視エリア外であっても許容された。しかし本実施形態では、当該警戒解除モードへの切替操作は、ユーザ端末200が監視エリア内に存在する場合、及び、監視エリア近隣に存在する場合には許容されるが、監視エリア近隣より遠方の監視エリア外(監視エリアの中心位置から500mを超えた位置)に存在する場合には拒否される。
【0094】
これは、警戒解除モードへの切替操作は、ユーザが帰宅時に行うものであり、ユーザが家の中に存在しない場合でも、家の近隣に存在し、その後短時間のうちに家の中に入ることが想定される場合には、監視エリアの無監視状態の継続時間は極力短く抑えられると考えられるためである。これにより、例えばユーザが帰宅時に庭やガレージ等の住宅の周囲に立ち寄りたい場合等に、一旦家の中に入って警備モードを警戒解除モードに切替えてから再び家の外に出るといった煩雑な作業をする手間が省けるため、ユーザの利便性が向上する。
【0095】
一方、在宅警戒モードへの切替操作は、ユーザ端末200が監視エリア外に存在する場合のみならず、監視エリア近隣に存在する場合にも拒否される。これは、上記第1実施形態において説明したように、在宅警戒モードは、ユーザが在宅中に監視エリア外部からの侵入を制限することが前提の(有人監視)モードであるからである。ただし、詳細は後述するが、ユーザが監視エリア近隣に存在する場合には、在宅警戒モードへの切替操作が許容されてもよい。
【0096】
その他の警備モードへの切替操作の可否、お帯、切替元/切替先の警備モードの組合せに係る切替可能ルートは、上記第1実施形態(
図4)と同様である。
【0097】
図9は、本実施形態に係るユーザ端末200による警備モード切替処理の流れを示したフローチャートである。
【0098】
同図に示すように、CPU21(警備アプリケーション)の処理(ステップ91〜98)のうち、上記第1実施形態と異なる点は、取得したユーザ端末200の位置が、監視エリアの内/外のみならず、監視エリアの近隣であるかも判断し、それを上記切替設定情報と比較して切替操作の可否を判定している点である(ステップ95、96)。
【0099】
すなわち、CPU21は、ユーザ端末200の位置情報を基に、ユーザ端末200が監視エリア内(例えば監視エリア中心位置から15m以内)、監視エリア近隣(例えば監視エリア中心位置から500m以内)、監視エリア外(例えば監視エリア中心位置から500mを超える位置)のいずれに存在するか否かに応じて、上記
図8で説明した切替可否設定情報に基づいて、ユーザのモード切替操作の可否を判定し(ステップ95、96)、当該判定結果がモード切替操作可能である場合には警備装置100へ切替要求信号を送信し(ステップ97)、モード切替操作不可能である場合には操作を拒否してエラー表示する(ステップ98)。
【0100】
[まとめ]
以上説明したように、上記各実施形態によれば、ユーザ端末200は、警備モードの切替操作を行うユーザの携帯端末200の位置に応じて警備モードの切替操作の可否を決定することで、適切な警備状態を維持することができる。
【0101】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0102】
上述の各実施形態においては、警備モードの切替操作の対象となる切替先の警備モードへの切替(操作)の可否をユーザ端末200の警備アプリケーションが判定していた。しかし、当該切替可否(以下の変形例も含む)を、ユーザ端末200に代わり警備装置100が判定してもよい。この場合、上記操作画面30上では、いずれの警備モードへの切替操作自体は可能であり、警備アプリケーションは、上記切替操作に基づいて、ユーザ端末200の位置情報と共に、切替要求信号を警備装置100へ送信する。そして、警備装置100は、上記
図4または
図8に示したような切替可否設定情報を記憶しておき、当該切替要求信号に含まれる切替先の警備モードとユーザ端末200の位置情報とに基づいて、上記切替可否設定情報との比較によってモード切替の可否を判定し、切替可能であれば警備モードを切替え、切替不可能であればその旨をユーザ端末200へ返信する。
【0103】
上述の第1実施形態においては、ユーザ端末200の位置が監視エリア内であっても監視エリア外であっても、外出警戒モードへの切替は許容された。しかし、例えばユーザ(ユーザ端末200)が監視エリア(住宅)内に存在している状態から外出する場合において、例えばユーザが住宅内に存在している間に外出警戒モードへの切替操作が入力された場合には、警備アプリケーションは、当該切替操作の受付時点から所定のディレー時間(例えば30秒)以内にユーザ端末200が家屋の外に移動した(かつ、住宅の玄関の扉が閉まった)ことを検出したことを条件に、当該外出警戒モードへの切替操作を許容して警備装置100へ切替要求信号を送信し、上記ディレー時間内にユーザ端末200の位置が家屋の外に移動しない場合には上記切替操作を拒否してもよい。
【0104】
上述の第1実施形態では、ユーザ端末200の位置が監視エリア内であっても監視エリア外であっても、警戒解除モードへの切替は許容された。しかし、警備アプリケーションは、ユーザ端末200が監視エリア外に存在する場合には、原則として警戒解除モードへの切替は拒否し、例えばユーザの家族(子供など)から警戒解除モードへの切替を要請される場合があることを考慮して、例えば、ユーザ端末200が、当該家族のユーザ端末との通信により、解除要請メッセージを受信した場合や、当該家族のユーザ端末が監視エリアの近隣(例えば500m圏内等)に存在することを検出した場合には、ユーザ端末200が監視エリア外に存在する場合でも警戒解除モードへの切替を許容してもよい。
【0105】
上述の第2実施形態では、ユーザ端末200が監視エリア外に存在する場合及び監視エリア近隣に存在する場合には、在宅警戒モードへの切替は拒否された。しかし、警備アプリケーションは、ユーザ端末200監視エリア近隣に存在する場合には、在宅警戒モードへの切替を許容してもよい。この監視エリア近隣からの在宅警戒モードへの切替が想定される場面としては、例えば、ユーザが在宅中に警戒解除モードが設定されている場合であって、家の近隣で短時間だけ家を空ける場合(例えば、家の前で知り合い等と立ち話をする場合等)に、当該短時間だけ家の周囲を監視したい場合が考えられる。また、例えば深夜や早朝等、他の家族が就寝中に在宅警戒モードが設定されている場合に、ユーザ一人だけ外出する際、家の中で在宅警戒モードを警戒解除モードに切替えて家を出た上で、家の近隣から再度(家族が起床するまでの間)、在宅警戒モードをセットしたい場合も考えられる。
【0106】
上述の各実施形態において、警備アプリケーションは、ユーザ端末200の位置と、切替元(現在)の警備モード及び切替先の警備モードの組み合わせとに基づいて、モード切替の可否を判定してもよい。例えば、上述の各実施形態では、ユーザ端末200が監視エリア外に存在する場合には、外出警戒モードへの切替は許容された。しかし、警備アプリケーションは、ユーザが監視エリア外に存在する場合に、警戒解除モードから外出警戒モードへの切替は許容する一方、在宅警戒モードから外出警戒モードへの切替は拒否してもよい。これは、ユーザが監視エリア外に存在し、現在の警備モードとして在宅警戒モードが設定されている場合には、監視エリア内にユーザ以外の家族等のユーザが存在する場合があり、その状態で外出警戒モードへの切替を許容すると誤報の原因になる可能性があるからである。
【0107】
上述の各実施形態において、警備装置100との間で近距離無線通信や特定小電力無線により通信可能か否かに基づきユーザ端末200の所在を判定する例について説明したが、ユーザ端末200の警備アプリケーションは、警備装置100から受信した無線信号の強度(信号レベル)に基づいてユーザ端末200の所在を判定してもよい。例えば、第1実施形態においては、信号レベルが所定値以上であれば家屋の中に居ると判断し、信号レベルが所定値未満であれば家屋の外に居ると判断する。また、第2実施形態においては、信号レベルが第1所定値以上であれば家屋の中に居ると判断し、信号レベルが第2所定値(<第1所定値)以上かつ第1所定値未満であれば家屋の近隣に居ると判断し、信号レベルが第2所定値未満であれば家屋の外に居ると判断する。
【0108】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「警備方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「警備方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。