(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-169844(P2018-169844A)
(43)【公開日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】静電容量式タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20181005BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G06F3/044 124
G06F3/041 520
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-67214(P2017-67214)
(22)【出願日】2017年3月30日
(11)【特許番号】特許第6369589号(P6369589)
(45)【特許公報発行日】2018年8月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】中瀬 崇行
(72)【発明者】
【氏名】今井 悠
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造工程において、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に有するダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減でき、製造上の歩留まりが高い静電容量式タッチパネルを提供する。
【解決手段】絶縁基材の同一面上に、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、互いに隣接する第1の電極と第2の電極との間の絶縁領域40に配設された電極と一つの構成材料または一つの屈折率を有する材料からなるダミーパターン50と、を備える。ダミーパターン50は、絶縁領域の長手方向に細分化されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基材の同一面上に、
複数の第1の電極と、
複数の第2の電極と、
互いに隣接する前記第1の電極と前記第2の電極との間の絶縁領域に配設された前記電極と一つの構成材料または一つの屈折率を有する材料からなるダミーパターンと、を備え、
前記ダミーパターンは、絶縁領域の長手方向に細分化されていることを特徴とする静電容量式タッチパネル。
【請求項2】
各前記第1の電極および各前記第2の電極が、センサパターン部を連鎖状に有し、各前記第1の電極の前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられているとともに、各前記第2の電極が、それぞれの前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられており、
前記ダミーパターンは、第1の電極のセンサパターン部および第2の電極のセンサパターン部のいずれか一方のみと短絡していて、前記センサパターン部と短絡しているダミーパターンの個数をnとしたとき(nは0を含まない自然数)、n個の前記ダミーパターンの面積の和が、前記第1,第2の電極のセンサパターン部の面積の0.47%以下となるように、一つ当たりの前記ダミーパターンの大きさが決められている請求項1に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項3】
前記ダミーパターンは、略均等の面積となるように細分化されている請求項2に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項4】
各前記第1の電極および各前記第2の電極が、センサパターン部を連鎖状に有し、各前記第1の電極の前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられているとともに、各前記第2の電極が、それぞれの前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられており、
前記ダミーパターンは、第1の電極のセンサパターン部および第2の電極のセンサパターン部のいずれか一方のみと短絡していて、所定の範囲内において、前記第1の電極の前記センサパターン部と前記第2の電極の前記センサパターン部との間の静電容量値について、当該センサパターン部が前記ダミーパターンと短絡しているときの静電容量値が、当該センサパターン部が前記ダミーパターンと短絡していないときの静電容量値に比して、1.19%以下で増加している請求項1に記載の静電容量式タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指などの接触位置あるいは接近位置を静電容量の変化として検出可能な静電容量式タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器の表示装置、例えば携帯電話の表示画面には液晶表示画面と、その表面に積層された透明な静電容量式タッチパネルとを有し、液晶表示画面に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指などを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものが主流となっている。
【0003】
透明な絶縁基材(例えばガラス基板)上に、透明な電極を形成して構成された静電容量式タッチパネルにおいて、肉眼における形状認識の限界値との関係から、電極間の絶縁領域の幅を例えば30μm以下とすれば、電極と絶縁領域との間で光学的な屈折率や反射率に差があっても電極の輪郭が目立つということはない。
【0004】
しかし、静電容量式タッチパネルの製造は、絶縁基材の一方の面に全面的に透明導電膜(例えばITO膜)を形成した後、レーザーエッチング法、あるいはフォトリソグラフィーにより透明導電膜をエッチングして絶縁領域を形成し、位置検出用信号が印加される第1の電極と、指など近接させた位置の第1の電極との間で生じる静電容量を外部に出力するための第2の電極とを形成することにより行われる。なお、絶縁基材と透明導電膜との間に屈折率の差異を緩和するための光学層を設けてもよい。
【0005】
このとき、電極間の絶縁領域の全長について、幅30μm以下となるように透明導電膜をエッチングすれば、製造上のエラーとして、隣り合う電極同士が短絡する確率が高くなり、電極同士が短絡したものは不良品として廃棄される。また、電極間の絶縁領域の全長について、幅30μm以下となるように透明導電膜をエッチングすると、互いに隣接する第1の電極と第2の電極との距離が小さくなるため、第1の電極から、静電容量式タッチパネルの操作面上の空間を介して第2の電極へ向かう電気力線が減少し、これに伴って指などが接触あるいは接近した際の電気力線の変化が少なくなるので、検出感度が低下するという不具合が生じる。
【0006】
そこで、電極の交差部を除き、電極間の絶縁領域の幅を30μmよりも大きくするとともに、電極間の絶縁領域の幅の広い部分に対し、電極と短絡しない浮島状態にダミー電極を設けて、検出感度を高く保ちつつ、電極の輪郭が目立たないようにする技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4720857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された静電容量型入力装置(静電容量式タッチパネル)にあっては、第1の透光性電極パターンおよび第2の透光性電極パターンのいずれかとダミーパターンとの間に短絡が生じた場合、該短絡したダミーパターンの面積が大きいため、面積の増加分に比例して検出される静電容量値が大きく影響されることに起因して、第1,第2の透光性電極パターン間の静電容量値の検出に基づく位置検出精度が大きく低下することになるが、このことについては明示が無く、さらに、短絡した製品について、製品検査時に良品と不良品のいずれとして取り扱うべきかについて明示も示唆も無い。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、製造工程において、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に有するダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減でき、製造上の歩留まりが高い静電容量式タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、上記目的を達成するため、絶縁基材の同一面上に、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、互いに隣接する前記第1の電極と前記第2の電極との間の絶縁領域に配設された前記電極と一つの構成材料または一つの屈折率を有する材料からなるダミーパターンと、を備え、前記ダミーパターンは、絶縁領域の長手方向に細分化されている構成である。
【0011】
特許文献1の従来技術では、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、一つのダミーパターンが設けられているので、ダミーパターンが電極と短絡すると、その短絡が一箇所だけ発生した場合であっても、電極の面積に対して、短絡によって増加するダミーパターンの面積が極めて大きくなり、短絡していない場合における静電容量値に対する静電容量の変化が大きくなって、操作体の位置検出を正確に行うことができなくなるから、僅か一箇所の短絡が発生した製品を不良品とせざるを得ず、不良品の発生率が高く、製造上の歩留まりが低いものとなる。これに対し、本発明によれば、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、細分化された複数のダミーパターンを有する構成であるから、製造工程において、細分化されたダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、短絡の発生箇所が少数であれば、電極の面積に対して、電極に短絡したダミーパターンの面積の増加を小さく抑えられるため、短絡が発生している状態であっても、操作体の位置検出を正確に行うことができ、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減できる。本発明によれば、細分化された複数のダミーパターンを均等な面積となるように形成した場合と、ランダムな大きさに形成した場合の両方を含む。
【0012】
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、各前記第1の電極および各前記第2の電極が、センサパターン部を連鎖状に有し、各前記第1の電極の前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられているとともに、各前記第2の電極が、それぞれの前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられており、前記ダミーパターンは、第1の電極のセンサパターン部および第2の電極のセンサパターン部のいずれか一方のみと短絡していて、前記センサパターン部と短絡しているダミーパターンの個数をnとしたとき(nは0を含まない自然数)、n個の前記ダミーパターンの面積の和が、前記第1,第2の電極のセンサパターン部の面積の0.47%以下となるように、一つ当たりの前記ダミーパターンの大きさが決められている構成とするのがよい。
【0013】
また、本発明に係る静電容量式タッチパネルは、前記ダミーパターンが、略均等の面積となるように細分化されている構成とするのがよい。
【0014】
本発明によれば、短絡の発生箇所がn個までは、第1,第2の電極のセンサパターン部の面積の0.47%以下の面積の増加であり、シミュレーションの結果に基づき、この範囲であれば、短絡が生じていても操作体の位置検出を正確に行うことができる良品であると判断することができるため、製造上の歩留まりを改善することができる。なお、数nとダミーパターンの面積は、製造上の短絡が発生する可能性に応じて、任意に定められてよい。
【0015】
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、各前記第1の電極が、それぞれの前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられているとともに、各前記第2の電極が、それぞれの前記センサパターン部が前記操作体の位置検出に必要な所要の面積を有し、前記センサパターン部が線状に繋がっている形状に設けられており、前記ダミーパターンは、第1の電極のセンサパターン部および第2の電極のセンサパターン部のいずれか一方のみと短絡していて、所定の範囲内において、前記第1の電極の前記センサパターン部と前記第2の電極の前記センサパターン部との間の静電容量値について、当該センサパターン部が前記ダミーパターンと短絡しているときの静電容量値が、当該センサパターン部が前記ダミーパターンと短絡していないときの静電容量値に比して、1.19%以下で増加している構成とするのがよい。
【0016】
本発明によれば、細分化された複数のダミーパターンを均等な面積となるように形成した場合と、ランダムな大きさに形成した場合のいずれも含み、実験の結果に基づき、ダミーパターンを細分化したことによって、センサパターン部とダミーパターンとの間に短絡が生じた箇所があった場合であっても、短絡の発生箇所が少なく、静電容量値の増加割合が所定の割合よりも小さければ、短絡が生じていても操作体の位置検出を正確に行うことができる良品であると判断することができるため、製造上の歩留まりを改善することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造工程において、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に有するダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減でき、製造上の歩留まりが高い静電容量式タッチパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る模擬の静電容量式タッチパネルの正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る模擬の静電容量式タッチパネルの模擬の部分拡大図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る模擬の静電容量式タッチパネルを示し、1個分のセンサパターン部の拡大図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る現物の静電容量式タッチパネルの正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る現物の静電容量式タッチパネルに適用した10種類の短絡の形状を示す一覧表である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る現物の静電容量式タッチパネルの四隅の短絡の位置座標と短絡の形状を示す一覧表である。
【
図7】本発明の実施の形態の、ダミーパターンの短絡が異なる10種類の現物の静電容量式タッチパネルに係り、短絡しているサンプルと、短絡していないサンプルについて、平均値、分散に関して差分が無いか検定を行い、感度、精度への影響度の確認結果を示す一覧表である。
【
図8】本発明の実施の形態の、静電容量式タッチパネルとしてのショートパターンセンサに係り、タッチオフ時の静電容量とタッチオン時の静電容量等の測定結果を表するシミュレーション測定とした結果を示す一覧表である。
【
図9】本発明の実施の形態の、静電容量式タッチパネルとしてのショートパターンセンサの構成を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態の、静電容量式タッチパネルとしてのショートパターンセンサについて、シミュレーション測定を行う方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態に係る静電容量式タッチパネルについて図面を参照して説明する。
【0020】
本実施の形態に係る静電容量式タッチパネルは、透明ガラスや透明プラスチックなどの絶縁基板と、絶縁基板の上面に形成される複数列の第1の電極と、複数列の第2の電極と、絶縁基板の上面に積層される絶縁体フィルムと、を有し、指等の操作体が接触または近接するとその付近の電極の静電容量の変化を縦横二つの電極列から知ることで位置を精密に判別でき、多点検出が可能である。以下では、絶縁基板の上面に形成される複数列の第1の電極と、複数列の第2の電極について説明する。なお、積層される絶縁体フィルムの有無は任意でよい。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係る静電容量式タッチパネル1は、絶縁基材10の同一面(入力面)上に、矢印Xで示す第1の方向に複数の菱形のセンサパターン部21を一列連鎖状に延在し、かつ矢印Y方向に複数列の第1の電極20と、矢印Yで示す第2の方向に複数の菱形のセンサパターン部31を一列連鎖状に延在し、かつ矢印X方向に複数列の第2の電極30とが配設されている。複数列の第1の電極20と複数列の第2の電極30は、導出線の端部である符号60で示す端子が、図示しない制御ICと接続される。
【0022】
例えば、複数列の第1の電極20に順次、位置検出用信号を印加し、その際に、いずれかの箇所に導電体である指等の操作体が接触するか、近接すると、第1の電極20および第2の電極30と操作体との間に静電容量を持ち、その結果として静電容量が変化するので、位置検出用信号に応じて複数の第2の電極30で検出される信号の変化に基づいて、いずれの箇所に操作体が触れたか、操作体の近接または接触位置(X方向の位置およびY方向の位置)を検出するようになっている。
【0023】
静電容量式タッチパネル1は、例えば、絶縁基材10の一方の面に全面的に透明導電膜を形成した後、レーザーエッチング法、あるいはフォトリソグラフィーによって、透明導電膜をエッチングすることで、第1の電極20と第2の電極30との間に位置する透明導電膜が除去されて、第1の電極20と第2の電極30とが形成される。透明導電膜が除去された部分が絶縁領域40として露出されている。
【0024】
各第1の電極20は、連鎖状に連なる二つのセンサパターン部21同士の細幅の接続部22がセンサパターン部21と一体に延在するように形成されているのに対し、各第2の電極30は、連鎖状に連なる二つのセンサパターン部31同士の細幅の接続部32が、第1の電極20の接続部22の上に絶縁被膜が積層された後に、接続部22を跨いでかつ両端を隣り合う二つのセンサパターン部31と連結するように細幅の接続部32が後付けで形成されている。
【0025】
絶縁基材10は、例えば透明ガラスが用いられ、第1の電極20と第2の電極30は、ITO(インジウムスズ酸化物薄膜),IZO(インジウム亜鉛酸化物薄膜)などの透明導電膜で形成されている。センサパターン部21,31は、指等の操作体の近接または接触位置検出に必要な所要の面積を有し、具体的には、例えば対角の長さが約5mmの菱形状に形成されている。
【0026】
図2,
図3に示すように、絶縁領域40は、各センサパターン部21,31の菱形の四辺を囲むように形成され、第1の電極20の接続部22と第2の電極30の接続部32との立体交差部の近傍では、30μm以下の細幅に形成され、それ以外のところでは、各センサパターン部21,31の菱形の四辺に沿って細分化された一列ないし複数列のダミーパターン50を囲むように30μm以下の細幅で形成されている。
【0027】
ダミーパターン50は、絶縁基材10の一方の面に形成した透明導電膜をレーザーエッチング法などにより第1の電極20と第2の電極30を形成する際に同時に形成されている。なお、ダミーパターン50は、絶縁領域40の接続部22と接続部32との立体交差部の近傍以外を広幅に設けて、後付けで、第1,第2の電極20,30と一つの屈折率を有する材料から細分化した形状に形成されていてもよい。すなわち、ダミーパターン50は、第1,第2の電極20,30と一つの構成材料または一つの屈折率を有する材料からなる。絶縁領域40の細分化されたダミーパターン50を囲む部分は、格子状、梯子状あるいは亀甲状に形成されている。
【0028】
この実施の形態では、ダミーパターン50は、各センサパターン部21,31の菱形の四辺に沿って細分化されかつ2列に形成されている。なお、ダミーパターン50は、1列または3列以上に形成されてもよい。細分化されたダミーパターン50を囲む絶縁領域40は、隣り合うセンサパターン部21,31を、例えば500μmの幅で隔てさせている。ダミーパターン50を細分化している絶縁領域40の幅は30μm以下とされる。
【0029】
この実施の形態における各部の面積について詳述する。細分化された個々のダミーパターン50の面積について、立体交差部付近に位置する2つの台形状のダミーパターンは、小さい方のものは0.057mm
2、大きい方のものは0.070mm
2であり、その他の矩形のダミーパターンは0.077mm
2である。すなわち、ダミーパターン50は、略均等の面積となるように細分化されている。また、各センサパターン部21,31の面積について、センサパターン部21は13.2mm
2、センサパターン部31は13.3mm
2である。静電容量式タッチパネルの場合は、一対のセンサパターン部21とセンサパターン部31との間に生じる静電容量に基づいて検出を行うので、センサパターン部の面積の基準値として、これらの面積の和である26.5mm
2を用いる。
【0030】
細分化された各ダミーパターン50は、センサパターン部21,31のいずれとも短絡していない場合と、短絡していても、センサパターン部21,31のいずれか一方のみと短絡している場合のいずれかであることが、良品の必要条件とされる。隣り合うセンサパターン部21,31の一つでも、細分化されたダミーパターン50を介して短絡している場合には、短絡箇所ではタッチ位置の検出が正確にできないから、そのような静電容量式タッチパネル1は、不良品とされる。
【0031】
特に、本実施の形態に係る静電容量式タッチパネル1は、各センサパターン部21,31と、細分化ダミーパターン50との短絡が一つも無い場合が理想的な良品であり、このような状態を当然に対象に含み、ほかに以下の条件Aと条件Bのうちのいずれか一つの条件を満たすようにダミーパターン50が細分化され、一定数以下の短絡が発生している場合についても良品であり、対象に含むものである。
【0032】
条件Aは、細分化されたダミーパターン50の面積と、短絡したダミーパターン50の数が一定の関係性を有することを要求している。具体的には、短絡している場合には、各センサパターン部21,31について、短絡しているダミーパターン50の最大の個数をnとしたとき(nは0を含まない自然数)、n個のダミーパターン50の面積の和が、第1,第2の電極20,30のセンサパターン部21,31の面積の0.47%以下となるように、一つ当たりのダミーパターン50の大きさが決められていること。条件Aに追加できる、好ましい条件は、ダミーパターン50が略均等の面積となるように細分化されていることである。
【0033】
条件Aを満足すれば、n個のダミーパターン50の面積の和が、第1,第2の電極20,30のセンサパターン部21,31の面積の0.47%以下であることにより、短絡の発生箇所がn個までは、第1,第2の電極のセンサパターン部の面積の0.47%以下の面積の増加であり、シミュレーションの結果に基づき、この範囲であれば、短絡が生じていても操作体の位置検出を正確に行うことができる良品であると判断することができるため、製造上の歩留まりを改善することができる、ということにある。なお、数nと細分化されたダミーパターン50の面積は、製造上の短絡が発生する可能性に応じて、任意に定められてよい。
【0034】
条件Bは、静電容量の変化の大きさの制限に関係している。具体的には、操作体の一検出位置に対応している、第1の電極20のセンサパターン部21と、第2の電極30のセンサパターン部31との間の静電容量値について、当該二つのセンサパターン部21,31のいずれかが細分化されたダミーパターン50と短絡しているときの静電容量値が、当該二つのセンサパターン部21,31のいずれもダミーパターン50と短絡していないときの静電容量値に比して、1.19%以下で増加していること。
【0035】
条件Bを満足すれば、細分化された複数のダミーパターンを均等な面積となるように形成した場合と、ランダムな大きさに形成した場合のいずれも含み、ダミーパターンを細分化したことによって、センサパターン部とダミーパターンとの間に短絡が生じた箇所があった場合であっても、短絡の発生箇所が少なく、静電容量値の増加割合が所定の割合よりも小さければ、短絡が生じていても操作体の位置検出を正確に行うことができる良品であると判断することができるため、製造上の歩留まりを改善することができる、ということにある。
【0036】
条件Aが要求される根拠と、条件Bが要求される根拠については、以下の、現物での電気的特性への影響評価と、シミュレーションでの電気的特性への影響評価の結果から導いたものである。
【0037】
[現物での電気的特性への影響評価]
まず、
図4に示す静電容量式タッチパネル1を10種類作製した。10種類の静電容量式タッチパネル1は、いずれも
図2,
図3に示すように細分化されたダミーパターンを有するように第1の電極20と第2の電極30を有する。
【0038】
10種類の静電容量式タッチパネル1は、
図4において丸で囲んだ四隅位置のダミーパターンについて、一つのタッチパネルでは四つが同一に短絡され、異なるタッチパネル間では短絡の数が異なるように形成されている。ダミーパターンの四隅の短絡位置の座標は、
図4において、左上の短絡位置が(T×1,R×1)、左下の短絡位置が(T×1,R×14)、右上の短絡位置が(T×26,R×1)、右下の短絡位置が(T×26,R×14)である。
図5に示す一覧表は、A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jの10種類のダミーパターンの短絡の状態および短絡の数の関係を示している。
【0039】
図6に示す一覧表は、ダミーパターンの短絡が異なる10種類の静電容量式タッチパネル1について、現物での電気特性への影響具合の評価の一つの指数として、Reference値の影響度確認結果を示す。なお、Reference値とは、静電容量式タッチパネルの電気的検査の際に、静電容量値を代替して示す指標として用いられる検査用指標値であって、電極の面積や絶縁領域の幅などの諸条件に応じた静電容量値と相関がある値である。
【0040】
図7に示す一覧表は、ダミーパターンの短絡が異なる10種類の静電容量式タッチパネル1について、現物での電気特性への影響具合の評価の一つの指数として、
図5に示す一覧表中に示すA−Iの短絡している9種類のサンプルと、短絡していないJのダミーパターンを有するサンプルについて、平均値、分散に関して差分が無いか検定(F検定、t検定)を行い、感度、精度への影響度の確認結果を示す。計算条件として、有意水準0.1%片側検定→F値:1.393、t値:3.495、自由度:395(ショートパターン部周辺ポイント396−1)を設定した。
【0041】
図6に示す一覧表の結果と、
図7に示す一覧表の結果とを考察すると、次の二つのことが分かった。(1)Reference値に関しては、センサパターン部の一辺の細分化されたダミーパターンの半数をショートさせた場合、すなわち、短絡符号Eの場合において、面内ばらつき6σを超える値となった。このため、少なくとも、それ以下の面積で短絡が生じる場合に、良品として扱うことができる。(2)感度、精度に関しては、上下左右のダミーパターンを短絡させた場合から有意差が発生している。したがって、ダミーパターンを短絡させたときへの影響具合は低いと言える。
【0042】
[シミュレーションでの電気的特性への影響評価]
シミュレーションにおける電気的特性を調べる方法について説明する。
【0043】
まず、
図8中に示す10種類のショートパターンセンサモデルA〜Jを作製した。なお、これらのショートパターンモデルは、
図5,
図6に示した現物での電気的特性への影響評価に用いたA〜Jの10種類のショートパターンに対応している。ショートパターンセンサモデルA〜Jは、
図9に示すように、第1の電極20と、第2の電極30と、細分化されたダミーパターンとを有する1個のセンサパターン部をX方向に3列、Y方向に3列となるように配列されている。
図9において、ダミーパターンは示されていない。第1の電極20は、センサパターン部21同士を細幅の接続部22で接続され、第2の電極30は、センサパターン部31同士を細幅の接続部32で接続されている。この構成は、
図2,
図3を用いて説明した通りである。
【0044】
ショートパターンセンサモデルA〜Jは、細分化されたダミーパターンのうち、
図8中に示す四隅位置の円または楕円で囲まれた位置のダミーパターンについては、
図5に示す一覧表に示す10通りで短絡している。すなわち、短絡は、一つのショートパターンセンサモデルでは四つが同一に短絡され、異なるタッチパネル間では短絡の数が異なるように、
図5に示す一覧表に示す10通りで短絡している。
【0045】
ショートパターンセンサモデルA〜Jのシミュレーション測定は、
図10に示すように、複数の部材a〜hの部材を積層し、真鍮製擬似指である操作体Fをショートパターンセンサモデルの中央に位置するようにして、載せたときはタッチオン、載せないときはタッチオフとして行う。
図8中に示す10種類のショートパターンセンサモデルA〜Jは、部材dのセンサパターン部として交換される。
【0046】
図8に示す一覧表は、ショートパターンセンサモデルA〜Jに関するシミュレーション測定として、縦方向に3列の中の中央の第1の電極20と、横方向に3列の中の中央の第2の電極30との間に生じる、タッチオフ時の静電容量とタッチオン時の静電容量等の測定結果を表したものである。
【0047】
図8に示す一覧表は、タッチオフ時の容量Cm[fF]、タッチオン時の容量Cm'[fF]、CmとCm'とから算出するCm変化率(=(各ショートパターンセンサモデルA〜Iの容量Cm[fF]−ショートパターンセンサモデルJの容量Cm[fF])×100)[%]、実測Reference値、推測Reference値、ΔCm:感度(=(タッチオフ時の静電容量−タッチオン時の静電容量))[fF]、実測Reference値、推測Reference値、ショートパターンセンサモデル全体の面積[mm
2]、および1センサ当りの面積の増加割合を示している。
図8の一覧表中の判定項目において:「不可」は推測Reference値から電気検査を通過しないと予想されるもの、「可」は推測Reference値から電気検査を通過すると予想されるものとして表示した。
【0048】
シミュレーション測定の結果を考察すると、次のことが言える。
(1)静電容量CmとReference値とは、98%以上の相関関係がある。
(2)Reference値の良品判定規格値は、24000<Reference値<27600の範囲内であり、ショートパターンセンサモデルE,F,G,Hについては、推測Reference値から電気検査を通過しない、すなわち、電気検査による良否判定において不良品であることが判定可能である(判定:可)ものと予想される。
(3)制御ICの静電容量の制御範囲は0.6〜3.0[pF]であるため、静電容量は、制御ICで制御可能である。
(4)ショートパターンセンサモデルE〜Hは、Reference値より、タッチパネルの動作に問題が生じるものと思われる。
(5)例えば、ショートパターンセンサモデルHは、ショートパターンセンサモデルJに比し、感度が14%上昇(ΔCmについて、モデルJ;202.3,モデルH;231.1)するが、推測Reference値より、タッチパネルの動作に問題が生じるものと思われる。ショートパターンセンサモデルE〜Gにも同様のことが言える。
(6)ショートパターンセンサモデルIは、Cm変化率が2.79であり、Reference値への影響度を低減できる。ただし、現物での電気的特性の測定結果から、面内ばらつきが6σを超える場合があることが確認できているので、Cm変化率としては、ショートパターンセンサモデルD相当の1.19以下にすることが望ましく、また、1センサ当りの短絡による面積の増加率が0.47以下にすることが望ましい。このことから、上述した条件Aの数値と、条件Bの数値とを規定している。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、第1,第2の電極20,30の境界である絶縁領域40のうち、第1,第2の電極20,30と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、細分化された複数のダミーパターン50を有する構成であるから、製造工程において、少数のダミーパターン50と電極との間が短絡しても、短絡の発生箇所が少数であれば、電極の面積に対して、電極に短絡したダミーパターン50の面積の増加を小さく抑えられ、操作体の位置検出を正確に行うことができ、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減できる。これに対し、特許文献1の従来技術では、ダミーパターンが電極と短絡すると、その短絡が一箇所だけ発生した場合であっても、電極の面積に対して、短絡によって増加するダミーパターンの面積が極めて大きくなり、短絡していない場合における静電容量値に対する静電容量の変化が大きくなって、操作体の位置検出を正確に行うことができなくなるから、僅か一箇所の短絡が発生した製品を不良品とせざるを得ず、不良品の発生率が高く、製造上の歩留まりが低いものとなる。
【0050】
以上説明したように、本発明によれば、製造工程において、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分にダミーパターンを有し、ダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、製品検査において、良品と不良品とに明確に判別することが可能であり、製品の歩留まりが高いという効果を有し、静電容量式タッチパネル全般に有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 静電容量式タッチパネル
10 絶縁基材
20 第1の電極
21 センサパターン部
30 第2の電極
31 センサパターン部
40 絶縁領域
50 ダミーパターン
F 操作体
【手続補正書】
【提出日】2018年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基材の同一面上に、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、両電極の間の絶縁領域に配設された、前記両電極と同一の構成材料または一つの屈折率を有する材料からなるダミーパターンと、を備え、
各前記電極が、それぞれ操作体のタッチ位置検出に必要な面積を有する複数のセンサパターン部が一列の連鎖状に繋がる列形状をなすとともに、複数列の前記第1の電極と複数列の前記第2の電極とが、互いに交差するように配置されており、
前記ダミーパターンは、前記第1の電極の複数のセンサパターン部と前記第2の電極の複数のセンサパターン部とのうち各一対の隣り合うセンサパターン部の間に配置されるとともに、相互間および/または前記隣り合うセンサパターン部との間に一定の個数以下の短絡が発生し得る複数個の細分化ダミーパターン部分に細分化されており、
前記隣り合うセンサパターン部のいずれか一方に短絡した前記一定の個数の細分化ダミーパターン部分の面積の和が前記隣り合うセンサパターン部の面積の和に対し所定比率に設定されることで、前記細分化ダミーパターン部分が前記隣り合うセンサパターン部に短絡していないときの静電容量値に比して、前記隣り合うセンサパターン部の間の静電容量の変化量が、前記いずれか一方のセンサパターン部に短絡し得る前記ダミーパターン部分の前記一定の個数に応じて所定範囲内に制限されるよう構成されていることを特徴とする静電容量式タッチパネル。
【請求項2】
前記隣り合うセンサパターン部の間に、前記細分化ダミーパターン部分が、複数列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項3】
前記ダミーパターンは、前記複数個の細分化ダミーパターン部分が略均等の面積となるように細分化されており、
前記隣り合うセンサパターン部の面積の和に対する前記一定の個数の細分化ダミーパターン部分の面積の和の前記所定比率が、0.47%以下となるように、前記ダミーパターンおよび前記細分化ダミーパターン部分の大きさが決められていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項4】
前記ダミーパターンが前記隣り合うセンサパターン部のいずれか一方に短絡したときに変化する前記隣り合うセンサパターン部の間の静電容量の変化量が、前記ダミーパターンが前記隣り合うセンサパターン部に短絡していないときの静電容量値に比して、1.19%以下の増加であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の静電容量式タッチパネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、上記目的を達成するため、絶縁基材の同一面上に、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、互いに隣接する前記第1の電極と前記第2の電極との間の絶縁領域に配設された前記電極と一つの構成材料または一つの屈折率を有する材料からなるダミーパターンと、を備え、前記ダミーパターンは、前記ダミーパターンは、
少なくとも絶縁領域の長手方向に細分化されている構成である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
特許文献1の従来技術では、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、一つのダミーパターンが設けられているので、ダミーパターンが電極と短絡すると、その短絡が一箇所だけ発生した場合であっても、電極の面積に対して、短絡によって増加するダミーパターンの面積が極めて大きくなり、短絡していない場合における静電容量値に対する静電容量の変化が大きくなって、操作体の位置検出を正確に行うことができなくなるから、僅か一箇所の短絡が発生した製品を不良品とせざるを得ず、不良品の発生率が高く、製造上の歩留まりが低いものとなる。これに対し、本発明によれば、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、
相互間および/または隣り合うセンサパターン部との間に一定の個数以下の短絡が発生し得ることを予め想定して細分化された複数の
細分化ダミーパターン
部分を有する構成であるから、製造工程において、細分化されたダミーパターンと電極との間が短絡していたとして
も、電極の面積に対して、電極に短絡したダミーパターンの面積の増加を小さく抑えられるため、短絡が発生している状態であっても、
タッチ位置検出を正確に行うことができ、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減できる。本発明によれば、細分化された複数のダミーパターンを均等な面積となるように形成した場合と、ランダムな大きさに形成した場合の両方を含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明によれば、製造工程において、電極と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に
相互間および/または隣り合うセンサパターン部との間に一定の個数以下の短絡が発生し得ることを予め想定して細分化された細分化ダミーターン部分を設けているので、ダミーパターンと電極との間が短絡していたとしても、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減でき、製造上の歩留まりが高い静電容量式タッチパネルを提供することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、第1,第2の電極20,30の境界である絶縁領域40のうち、第1,第2の電極20,30と区別されるように視認される幅が大きい絶縁領域部分に、細分化された複数のダミーパターン50
(細分化ダミーパターン部分)を有する構成であるから、製造工程において、少数のダミーパターン50と電極との間が短絡しても、短絡の発生箇所が少数であれば、電極の面積に対して、電極に短絡したダミーパターン50の面積の増加を小さく抑えられ、操作体の位置検出を正確に行うことができ、短絡の発生に起因する不良品の発生を従来技術に比べて大幅に低減できる。これに対し、特許文献1の従来技術では、ダミーパターンが電極と短絡すると、その短絡が一箇所だけ発生した場合であっても、電極の面積に対して、短絡によって増加するダミーパターンの面積が極めて大きくなり、短絡していない場合における静電容量値に対する静電容量の変化が大きくなって、操作体の位置検出を正確に行うことができなくなるから、僅か一箇所の短絡が発生した製品を不良品とせざるを得ず、不良品の発生率が高く、製造上の歩留まりが低いものとなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
1 静電容量式タッチパネル
10 絶縁基材
20 第1の電極
21 センサパターン部
30 第2の電極
31 センサパターン部
40 絶縁領域
50 ダミーパターン
(細分化ダミーパターン部分)
F 操作体