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特開2018-170347ウェハー搬送装置及びウェハー搬送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-170347(P2018-170347A)
(43)【公開日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】ウェハー搬送装置及びウェハー搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20181005BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/07 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-65280(P2017-65280)
(22)【出願日】2017年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】500343773
【氏名又は名称】株式会社ダン・タクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】仁科 剛
(72)【発明者】
【氏名】今川 由仁
(72)【発明者】
【氏名】上村 正
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BB04
5F131CA32
5F131DA05
5F131DA23
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB62
5F131DC04
5F131DC06
5F131GA14
5F131GA19
5F131GA92
5F131GB03
5F131GB14
5F131GB22
5F131HA13
5F131HA15
5F131HA29
5F131JA04
5F131JA07
5F131JA09
5F131JA12
5F131JA34
5F131JA35
(57)【要約】
【課題】ウェハーの搬送効率及び品質の向上、さらに処理時間の短縮で生産性を向上させることができるウェハー搬送装置及びウェハー搬送方法を提供する。
【解決手段】自動ポッド搬送システム40からのポッド2の搬入と、自動ポッド搬送システム40へのポッド2の搬出とが可能なポートチャンバー11と、ポートチャンバー11内が真空になるまで減圧可能な減圧機構と、内部が真空に維持された真空チャンバー13と、真空チャンバー13に設置され、ウェハー1を搬送するウェハー搬送ロボット14と、ポッド2を開閉するドア開閉機構17と、を備え、真空チャンバー13は、ドア開閉機構17によって開閉可能な第一連通部19を介してポートチャンバー11と空間的に接続可能に構成されるとともに、第二連通部20を介して搬送先設備と空間的に接続可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間で前記ウェハー格納ポッドに格納されたウェハーの搬送を行うウェハー搬送装置であって、
前記ウェハー格納ポッドが搬入及び搬出されるポートチャンバーと、
前記ポートチャンバー内が真空になるまで減圧可能な減圧機構と、
内部が真空に維持された真空チャンバーと、
前記真空チャンバーに設置され、前記ウェハーを搬送するウェハー搬送ロボットと、
前記ウェハー格納ポッドを開閉するポッド開閉機構と、を備え、
前記真空チャンバーは、第一開閉機構によって開閉可能な第一連通部を介して前記ポートチャンバーと空間的に接続可能に構成されるとともに、第二連通部を介して前記搬送先設備と空間的に接続可能に構成されているウェハー搬送装置。
【請求項2】
前記搬送先設備は、前記ウェハーに所定の処理を施す半導体製造設備である請求項1に記載のウェハー搬送装置。
【請求項3】
前記搬送先設備は、前記ウェハーを真空環境下において保管しておく半導体保管設備である請求項1に記載のウェハー搬送装置。
【請求項4】
前記ウェハー搬送ロボットは、前記ウェハーを保持するアーム部と、前記アーム部を駆動させる本体部とを備え、
少なくとも前記アーム部が前記真空チャンバー内に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のウェハー搬送装置。
【請求項5】
前記真空チャンバーは、複数の前記ポートチャンバーとそれぞれ第一開閉機構によって開閉可能な第一連通部を介して空間的に接続可能に構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載のウェハー搬送装置。
【請求項6】
前記ポートチャンバー内が真空から大気圧になるまで、該ポートチャンバー内に所定のガスを供給するガス供給機構が備えられている請求項1から5のいずれか一項に記載のウェハー搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法であって、
ウェハー格納ポッドをポートチャンバー内に搬入する搬入工程と、
前記ウェハー格納ポッドを開くポッド開き工程と、
前記ポートチャンバー内が真空になるまで減圧する減圧工程と、
前記ポートチャンバーと、内部が真空に維持された真空チャンバーとを空間的に接続する開放工程と、
前記ウェハー格納ポッドに格納されているウェハーを前記真空チャンバーに取り出す取出工程と、
前記ウェハーを前記搬送先設備に受け渡す受渡工程と、が備えられているウェハー搬送方法。
【請求項8】
前記ウェハーを前記搬送先設備から前記真空チャンバーに受け取る受取工程と、
前記ウェハーを前記真空チャンバーから前記ウェハー格納ポッドに格納する格納工程と、
前記ポートチャンバーと前記真空チャンバーとの空間的な接続を終了する閉鎖工程と、
前記ポートチャンバー内が真空状態から大気圧になるまで、該ポートチャンバー内に所定のガスを供給するガス供給工程と、
前記ウェハー格納ポッドを閉じるポッド閉じ工程と、
前記ウェハー格納ポッドを前記ポートチャンバーから搬出する搬出工程と、が備えられている請求項7に記載のウェハー搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間で前記ウェハー格納ポッドに格納されたウェハーの搬送を行うウェハー搬送装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造において、歩留まりや品質の向上のため、ウェハーの処理はクリーンルーム内で行われている。
【0003】
クリーンルーム内の全体を高度に清浄化させることは設備費やランニングコストの高騰を招くことから、近年、特許文献1に示すように、ウェハーまわりの局所空間のみ高度に清浄度を向上させることによって、設備コストやランニングコストの低減を図る、局所清浄化技術が採用されている。
【0004】
この局所清浄化技術においては、ウェハーを高い清浄度の環境下で搬送・保管するために、SMIF(Standard Mechanical Interface)、300mmFOUP(Front-Opening Unified Pod)、450mmFOUP等のウェハー格納ポッドが用いられる。ウェハー格納ポッド内は、窒素ガスによって充満され、低酸素濃度・低湿度環境を実現可能となっている。
【0005】
このウェハー格納ポッドと半導体製造設備との間で、ウェハーの搬送を行うために、EFEM(Equipment Front End Module)と呼ばれるウェハー搬送装置が用いられる。
【0006】
ウェハー搬送装置は、ウェハー格納ポッドが設置可能なロードポートと、ロードポートに設置されたウェハー格納ポッドからウェハーを取り出して半導体製造設備に受け渡したり、半導体製造設備からウェハーを受け取ってウェハー格納ポッドに格納したりするウェハー搬送ロボット等から構成されている。
【0007】
ロードポートは、ウェハー搬送装置のインターフェース部であり、AMHS(Automated Material Handling Systems)と呼ばれる、ウェハー格納ポッドを把持したまま天井近傍に配置された走行レールに沿って走行可能な搬送台車を有するシステムや、AGV(Automatic Guided Vehicle)と呼ばれる、ウェハー格納ポッドを載置したまま床上を無軌道走行可能な無人搬送車等の自動ポッド搬送システムから構成される搬送元設備から、ウェハー格納ポッドを搬入したり、ウェハー格納ポッドを搬送元設備に搬出したりする役割を果たす。
【0008】
ロードポートに載置されたウェハー格納ポッドは、ロードポートに備えられた扉部をウェハー格納ポッドに設けられた前面ドアに密着させた状態でこれら扉部及び前面ドアが同時に開けられる。
【0009】
ウェハー搬送ロボットは、ロボットチャンバー内に配置されている。このロボットチャンバーには、FFU(Fan Filter Unit)と呼ばれる送風ファンと、フィルタ(たとえばHEPAフィルタ)とを組み合わせた清浄空気供給機構、又は窒素ガス等を供給するガス供給機構が備えられている。ロボットチャンバー内は、清浄空気供給機構から絶えず供給される清浄空気、又はガス供給機構から供給される窒素ガス等によって大気圧、異物の混入防止の観点から好ましくはロボットチャンバー外の環境より若干陽圧、に維持されている。
【0010】
半導体製造設備は、ロボットチャンバーに接続されたロードロックチャンバーと、ロードロックチャンバーを介して受け入れたウェハーに対して種々の処理や加工を行う複数のプロセスユニット等を備えており、内部が真空に維持されて運用されることが多い。
【0011】
ロードロックチャンバーは、半導体製造設備内を真空に保持し大気に開放しないことを目的に、半導体製造設備への処理前、処理後のウェハーの出し入れを行うために設置されるチャンバーである。
【0012】
ロードロックチャンバーは、ロボットチャンバーや半導体製造設備と、それぞれ開閉ゲートにより仕切られ、ロードロックチャンバー内が大気圧になった状態で、ロボットチャンバーとの間でウェハーの搬送が可能に構成されるとともに、ロードロックチャンバー内が真空になった状態で、半導体製造設備との間でウェハーの搬送が可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−093227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、従来のウェハー搬送装置は、処理前/処理後のウェハーがロードロックチャンバーを通過するたびに、ロードロックチャンバー内を大気圧と真空との間で切り替える必要がある点においてウェハーの搬送効率が悪かった。従来のウェハー搬送装置においては、ロードロックチャンバーはウェハーごとに大気圧の空気に曝され、ロードロックチャンバーに空気中の水分等が吸着され、大気圧から真空引きするのに時間を要し、さらに真空から大気圧に戻す際もパーティクルの舞い上がりを防ぐためゆっくり清浄空気や、窒素ガス等のガスを導入しなければならないので時間を要した。また、従来のウェハー搬送装置におけるウェハー搬送中に、ウェハーは空気に曝されるため、ウエハー(膜)の酸化や、場合により分子汚染物質等による品質の低下が懸念される。また、ロボットチャンバーへのFFUの設置コスト、ランニングコストがかかる。
【0015】
また、ロボットチャンバー内は、清浄空気供給機構から絶えず供給される清浄空気、又はガス供給機構から供給される窒素ガス等によって清浄に維持されているが、ウェハーの汚染の虞をより少なくできるウェハー搬送装置やウェハー搬送方法が求められていた。
【0016】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ウェハーの搬送効率及び品質の向上、さらに処理時間の短縮で生産性を向上させることができるウェハー搬送装置及びウェハー搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の目的を達成するための、本発明に係るウェハー搬送装置の特徴構成は、ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間で前記ウェハー格納ポッドに格納されたウェハーの搬送を行うウェハー搬送装置であって、前記ウェハー格納ポッドが搬入及び搬出されるポートチャンバーと、前記ポートチャンバー内が真空になるまで減圧可能な減圧機構と、内部が真空に維持された真空チャンバーと、前記真空チャンバーに設置され、前記ウェハーを搬送するウェハー搬送ロボットと、前記ウェハー格納ポッドを開閉するポッド開閉機構と、を備え、前記真空チャンバーは、第一開閉機構によって開閉可能な第一連通部を介して前記ポートチャンバーと空間的に接続可能に構成されるとともに、第二連通部を介して前記搬送先設備と空間的に接続可能に構成されている点にある。
【0018】
上述の構成によると、ウェハー搬送装置の外部からウェハー格納ポッドが搬入されたポートチャンバー内を減圧して真空にして、第一開閉機構によって第一連通部を開くと、ポートチャンバーと真空チャンバーとは真空状態のまま空間的に接続される。この真空環境下においてウェハー搬送ロボットはウェハー格納ポッドに連続的にアクセスすることができる。ウェハーは、ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間における搬送中、空気に曝されることがない。
【0019】
従来は、ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間で、一枚のウェハーの搬送を行うたびに、たとえば搬送先設備が半導体製造設備である場合にはロードロックチャンバー内を大気圧から真空へ、真空から大気圧へと切り替える必要があった。これに対して、上述の構成によると、ウェハーの搬送効率及び品質の向上、さらに処理時間の短縮で生産性を向上させることができる。また、大気圧と真空との切り替えのたびに排出されるガスも減少できる。なお、真空チャンバー内の圧力は、搬送先設備の圧力と同じ程度であってもよいし、多少高くてもよい。
【0020】
従来は、真空チャンバーに、ファンフィルターユニットを用いて、清浄空気を供給し続ける必要があったが、これも不要となる。したがって、設備コストやランニングコストの低減を図ることが期待できる。
【0021】
本発明においては、前記搬送先設備は、前記ウェハーに所定の処理を施す半導体製造設備であると好適である。
【0022】
上述の構成によると、半導体製造設備の、特に真空チャンバーと第二連通部を介して空間的に接続される中継チャンバー内を常に真空にしておくことができるため、ウェハーが中継チャンバーを通過するたびに、中継チャンバー内を大気圧から真空へ、真空から大気圧へと切り替える必要がなくなるため、搬送効率の大幅な向上が可能となる。
【0023】
本発明においては、前記搬送先設備は、前記ウェハーを真空環境下において保管しておく半導体保管設備であると好適である。
【0024】
上述の構成によると、真空環境下において半導体保管設備に対してウェハーを出し入れすることができる。
【0025】
本発明においては、前記ウェハー搬送ロボットは、前記ウェハーを保持するアーム部と、前記アーム部を駆動させる本体部とを備え、少なくとも前記アーム部が前記真空チャンバー内に配置されていると好適である。
【0026】
上述の構成によると、ウェハー搬送ロボットは、アーム部のみを真空チャンバー内に配置し、本体部は真空チャンバー外に配置することができるため、本体部のメンテナンス作業性が向上する。ウェハー搬送ロボットは、アーム部のみが真空中において作動可能であればよく、本体部を真空中において作動可能に構成する必要がなくなる。
【0027】
本発明においては、前記真空チャンバーは、複数の前記ポートチャンバーとそれぞれ第一開閉機構によって開閉可能な第一連通部を介して空間的に接続可能に構成されていると好適である。
【0028】
上述の構成によると、一台のウェハー搬送ロボットが、複数のウェハー格納ポッドにアクセスすることができる。たとえば、あるポートチャンバー内を大気圧から真空へ切り替えをしながらも、別のポートチャンバーにおいては内部に設置されたウェハー格納ポッドと半導体製造設備との間でウェハーの搬送作業をするようなことが可能となる。
【0029】
本発明においては、前記ポートチャンバー内が真空状態から大気圧になるまで、該ポートチャンバー内に所定のガスを供給するガス供給機構が備えられていると好適である。
【0030】
真空環境下におけるウェハーの搬送を終了したら、ガス供給機構によって所定のガスをポートチャンバー内に供給し、ポートチャンバー内を真空から大気圧にすることによって、ウェハー格納ポッドをポートチャンバーから大気圧環境である、該ウェハー搬送装置の外部に搬出することができる。なお、所定のガスは、窒素ガスのような不活性ガス、ドライエア等のようなガスでもよいし、ポートチャンバーの周囲の空気であってもよい。
【0031】
上述の目的を達成するための、本発明に係るウェハー搬送方法の特徴構成は、上述したいずれかの特徴構成を備えたウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法であって、前記ウェハー格納ポッドをポートチャンバー内に搬入する搬入工程と、前記ウェハー格納ポッドを開くポッド開き工程と、前記ポートチャンバー内が真空になるまで減圧する減圧工程と、前記ポートチャンバーと真空チャンバーとを空間的に接続する開放工程と、前記ウェハー格納ポッドに格納されているウェハーを前記真空チャンバーに取り出す取出工程と、前記ウェハーを前記搬送先設備に受け渡す受渡工程と、が備えられている点にある。
【0032】
本発明においては、前記ウェハーを前記搬送先設備から前記真空チャンバーに受け取る受取工程と、前記ウェハーを前記真空チャンバーから前記ウェハー格納ポッドに格納する格納工程と、前記ポートチャンバーと前記真空チャンバーとの空間的な接続を終了する閉鎖工程と、前記ポートチャンバー内が真空状態から大気圧になるまで、該ポートチャンバー内に所定のガスを供給するガス供給工程と、前記ウェハー格納ポッドを閉じるポッド閉じ工程と、前記ウェハー格納ポッドを前記ポートチャンバーから搬出する搬出工程と、が備えられていると好適である。
【0033】
上述の構成によると、ウェハーは、ウェハー格納ポッドと搬送先設備との間における搬送中、空気に曝されることがないため、ウェハーの搬送効率及び品質の向上、さらに処理時間の短縮で生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第一実施形態に係るウェハー搬送装置及び半導体製造設備の平面図である。
図2】本発明の第一実施形態に係るウェハー搬送装置の側面図である。
図3】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図4】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図5】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図6】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図7】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図8】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図9】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図10】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図11】ウェハー搬送装置によるウェハー搬送方法の説明図である。
図12】本発明の第二実施形態に係るウェハー搬送装置及び半導体保管設備の平面図である。
図13】本発明の第二実施形態に係るウェハー搬送装置及び半導体保管設備の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明に係るウェハー搬送装置及びウェハー搬送方法を図面に基づいて説明する。各図面において同一の構成には同一符号を付してある。
【0036】
図1及び図2には、本発明に係るウェハー搬送装置10と、これに接続された搬送先設備としての半導体製造設備30とが示されている。本実施形態においては、半導体製造設備30に備えられた二つの中継チャンバー31のそれぞれに個別のウェハー搬送装置10が接続されているが、半導体製造設備30と接続されるウェハー搬送装置10の台数を限定するものではない。なお、両中継チャンバー31に接続されるウェハー搬送装置10は、いずれも同一の構成である。
【0037】
ウェハー搬送装置10及び半導体製造設備30は、クリーンルームに設置されている。さらに、該クリーンルームには、半導体製造設備30において処理されるべきウェハー1の搬送元設備としての自動ポッド搬送システム40(図2参照)が備えられている。本実施形態においては、自動ポッド搬送システム40は、複数のウェハー1を格納したウェハー格納ポッド(以下、「ポッド」という。)2を把持したまま天井近傍に配置された走行レール41に沿って走行可能な搬送台車42と、搬送台車42に昇降可能に吊設され、ポッド2を把持可能な把持装置43とを有する。なお、搬送元設備は、ポッド2を載置したまま床上を無軌道走行可能な無人搬送車等の自動ポッド搬送システムから構成されてもよい。該クリーンルームにおいてポッド2、ウェハー搬送装置10及び半導体製造設備30の内部は、高清浄度に維持される。一方、ポッド2、ウェハー搬送装置10及び半導体製造設備30の外部は、内部にくらべて低清浄度となっている。
【0038】
ウェハー搬送装置10は、自動ポッド搬送システム40から、ポートチャンバー11内に設置されたロードポート12に搬入されたポッド2から、真空チャンバー13に設置されたウェハー搬送ロボット14によってウェハー1を取り出して半導体製造設備30に受け渡し、半導体製造設備30において所定の処理がされたウェハー1をウェハー搬送ロボット14によって受け取ってポッド2に格納し、ロードポート12からポッド2を自動ポッド搬送システム40に搬出する装置である。ウェハー搬送装置10は、図示しない制御装置によって所定の動作を行うようにプログラムされている。
【0039】
ウェハー搬送装置10について詳述する前に、ポッド2について説明する。ポッド2は、筐体3内に複数のウェハー1を高さ方向に多段状に格納可能に構成されている。筐体3の前面にはドア部4が備えられ、ウェハー搬送装置10に備えられたドア開閉機構17によって開閉される。ポッド2は、ドア部4が閉じられているときは、密封状態が保たれる。
【0040】
筐体3の天面には、自動ポッド搬送システム40の把持装置43によって把持される把持部5が備えられ、さらに側面には作業員が掴持可能なハンドル(図示せず)が備えられている。したがって、ポッド2は、自動ポッド搬送システム40によらずに、作業員の手によって、ポートチャンバー11内に搬入されたり、ポートチャンバー11から搬出されたりしてもよい。この場合は、クリーンルームに自動ポッド搬送システム40のような搬送元設備が備えられていなくてもよい。
【0041】
筐体3の下面には、ロードポート12に備えられた載置テーブル15に設けられている位置決め凸部16と係合可能な、位置決め凹部6が備えられている。また、筐体3の下面には、位置決め凹部6ではない位置に、ロードポート12に備えられたポート開閉機構(図示せず)によって開かれ、筐体3内とポートチャンバー11内とを連通可能なパージポート(図示せず)が備えられている。なお、前記パージポートは必ずしも備える必要はない。
【0042】
次にウェハー搬送装置10のロードポート12について説明する。ロードポート12は、上述のとおり、自動ポッド搬送システム40との間におけるポッド2の搬入及び搬送のために設けられ、ポッド2を載置可能な載置テーブル15と、ロードポート12に設置されたポッド2のドア部4を開閉するドア開閉機構17と、前記パージポート(図示せず)を開閉するポート開閉機構(図示せず)とを備えている。本実施形態においては、ドア開閉機構17及びポート開閉機構が、本発明に係るポッド開閉機構である。
【0043】
載置テーブル15には、ポッドの載置面よりも上向きに突出させた位置決め凸部16が備えられており、位置決め凸部16と、ポッド2の底面に備えられた位置決め凹部6とを係合させることで、載置テーブル15上におけるポッド2の位置決めが容易に可能となっている。
【0044】
さらに、ロードポート12は、載置テーブル15を移動させるテーブル移動機構(図示せず)を備えており、該テーブル移動機構は、載置テーブル15を、ポッド2の自動ポッド搬送システム40からの搬入、自動ポッド搬送システム40への搬出をするための後退位置と、ウェハー搬送ロボット14によりポッド2からウェハー1を取り出したり、ウェハー搬送ロボット14によりポッド2へウェハー1を格納したりするための中間位置と、ドア開閉機構17によりポッド2のドア部4の開閉をするための進出位置との間において水平方向に移動させるように構成されている。
【0045】
ロードポート12は、ポートチャンバー11の内部に設置されている。ポートチャンバー11は、ポッド2の搬入及び搬出の際に開放可能なポートドア18を有する気密性のあるチャンバーであって、ポートチャンバー11内を大気圧から真空まで減圧可能な減圧機構(図示せず)と、ポートチャンバー11内が真空から大気圧になるまで、該ポートチャンバー11内に所定のガスを供給するガス供給機構(図示せず)とが備えられている。なお、所定のガスは、窒素ガスのような不活性ガス、ドライエア等のようなガスでもよいし、ポートチャンバーの周囲の空気であってもよい。密封状態のポッド2に格納されたウェハー1の清浄度を維持できるガスであることが好ましい。
【0046】
ポートチャンバー11内を大気圧から真空にすると、開かれた前記パージポートを介してポッド2内も大気圧から真空になる。逆に、ポートチャンバー11内を真空から大気圧にすると、開かれた前記パージポートを介してポッド2内も真空から大気圧になる。
【0047】
ポートチャンバー11内を減圧するにあたっては、前記減圧機構を駆動することによりポートチャンバー11内が目標の真空度の圧力に到達するまで減圧が行われる。この真空度は、図示しない圧力計によって計測されてもよいし、予め設定された時間だけ前記減圧機構を起動するような制御によって達成されてもよい。本実施形態においては、ポートチャンバー11内は、大気圧から、たとえば100Pa程度の圧力にまで減圧される。
【0048】
減圧が完了すると、ドア開閉機構17によってポッド2のドア部4が開放されるとともに、ポートチャンバー11と真空チャンバー13とが第一連通部19を介して空間的に接続され、ウェハー搬送ロボット14のアーム部14aが、ロードポート12に設置されたポッド2からウェハー1を取り出せるようになる。
【0049】
ドア開閉機構17は、一方の面において、ポッド2を載置テーブル15に載置した状態においてポッド2の前面に設けたドア部4を把持して開閉可能に構成され、他方の面において、ポートチャンバー11と真空チャンバー13とを空間的に接続する第一連通部19を開閉可能に構成されている。すなわち、本実施形態においては、ドア開閉機構17が本発明に係る第一開閉機構を兼ねる。
【0050】
なお、該第一開閉機構は、ドア開閉機構17とは別に備えられてもよい。したがって、ドア開閉機構17は、真空チャンバー13に備えられてもよい。この場合は、上記のようにポートチャンバー11の減圧が完了すると、該第一開閉機構によってポートチャンバー11と真空チャンバー13とが第一連通部19を介して空間的に接続され、その後ドア開閉機構17によってポッド2のドア部4が開放され、ウェハー搬送ロボット14は、ロードポート12に設置されたポッド2からウェハー1を取り出すことができるようになる。このとき、該第一開閉機構も、真空チャンバー13側から第一連通部19を開閉するように構成されてもよい。
【0051】
真空チャンバー13は、内部にウェハー搬送ロボット14が設置された、気密性のあるチャンバーであって、真空チャンバー13内を減圧して真空に維持する減圧機構(図示せず)が備えられている。真空チャンバー13内の圧力は、たとえば100Pa程度、好ましくは、ポートチャンバー11を減圧した際の圧力と同じ圧力に維持されている。なお、ポートチャンバー11に備えられた減圧機構によって、真空チャンバー13内を真空に維持するように構成されてもよい。
【0052】
真空チャンバー13は、第一連通部19を介してポートチャンバー11と空間的に接続可能に構成されるとともに、第二連通部20を介して半導体製造設備30の中継チャンバー31と空間的に接続されている。
【0053】
ウェハー搬送ロボット14は、ウェハー1を保持するアーム部14aと、アーム部14aを駆動させる本体部14bとを備えている。本実施形態においては、アーム部14aは、真空チャンバー13の内部に配置され、本体部14bは真空チャンバー13の外部に配置されている。なお、ウェハー搬送ロボット14は、ウェハー1を一枚ずつ搬送するものであってもよいし、ウェハー1を複数枚ずつ搬送するものであってもよい。
【0054】
アーム部14aは、真空チャンバー13内を自在に水平移動、上下移動、旋回移動が可能に構成されている。ウェハー搬送ロボット14は、前記制御装置からの制御命令に基づいてアーム部14aを移動させ、ポッド2と半導体製造設備30との間でウェハー1の搬送を行う。
【0055】
本実施形態においては、ウェハー搬送装置10は、ポートチャンバー11とウェハー搬送ロボット14とが一つずつ備えられているが、複数のポートチャンバー11に一台の真空チャンバー13を接続し、一台のウェハー搬送ロボット14によって、各ポートチャンバー11に設置されたポッド2と、半導体製造設備30との間でウェハー1の搬送を行うように構成してもよい。
【0056】
さらに、真空チャンバー13には、アライナー21が備えられている。アライナー21は、ウェハー1の外周に備えられたノッチやオリフラを基準として、ウェハー1の位置合わせや角度合わせを行うために備えられている。ウェハー搬送ロボット14によってポッド2から取り出されたウェハー1が半導体製造設備30に受け渡される前に、又はウェハー搬送ロボット14によって半導体製造設備30から受け取られたウェハー1をポッド2に格納する前に、アライナー21によってウェハー1のアライメントが行われる。アライナー21よって、ウェハー1の中心を割り出し、位置ずれの少ない、精度の良い搬送が実現される。
【0057】
半導体製造設備30は、ポッド2から取り出されたウェハー1に所定の加工又は検査を行う設備である。半導体製造設備30は、ウェハー搬送装置10の第二連通部20と接続された二つの中継チャンバー31と、六つのプロセスユニット32が配置されたユニットチャンバー33とが、これらの間でウェハー1を真空環境下において搬送するプロセス搬送ロボット34が配置された半導体製造チャンバー35を囲むように放射状に配置されている。
【0058】
各プロセスユニット32は、真空中においてウェハー1に所定の処理、たとえばCVD、PVD、ドライエッチング、インプラ、アッシャ等を行う装置である。
【0059】
プロセス搬送ロボット34は、ウェハー搬送ロボット14と同様のロボットである。半導体製造設備30内を減圧して真空に維持する減圧機構(図示せず)が備えられ、ユニットチャンバー33及び半導体製造チャンバー35内は真空に維持されている。本実施形態においては、半導体製造設備30は、二つの中継チャンバー31をそれぞれロード及びアンロードに用いているが、一つの真空チャンバー13に二つの中継チャンバー31を接続する構成である場合には、一方をロードに用い、他方をアンロードに用いることもできる。
【0060】
ユニットチャンバー33と、半導体製造チャンバー35との境界には、開閉ゲート36が配置され、開閉ゲート36が開くことによって空間的に接続され、ウェハー1の通過が可能に構成されている。
【0061】
中継チャンバー31は、真空チャンバー13と、半導体製造チャンバー35とを中継するために設けられる気密性のあるチャンバーであって、真空チャンバー13と中継チャンバー31との境界である第二連通部20には開閉ゲート22が配置され、中継チャンバー31と半導体製造チャンバー35との境界には、開閉ゲート23が配置されている。
【0062】
開閉ゲート22が開くことによって、真空チャンバー13と中継チャンバー31とが空間的に接続され、ウェハー搬送ロボット14は、中継チャンバー31にウェハー1を載置したり、中継チャンバー31からウェハー1を取り出したりすることができるようになる。同様に、開閉ゲート23が開くことによって、中継チャンバー31と半導体製造チャンバー35とが、空間的に接続され、プロセス搬送ロボット34は、中継チャンバー31にウェハー1を載置したり、中継チャンバー31からウェハー1を取り出したりすることができるようになる。
【0063】
このように、開閉ゲート22及び開閉ゲート23が適宜開閉されることによって、ウェハー搬送ロボット14及びプロセス搬送ロボット34は、中継チャンバー31を介してウェハー1の受け渡し及び受け取りをする。
【0064】
ポートチャンバー11と真空チャンバー13との間、真空チャンバー13と中継チャンバー31との間、中継チャンバー31と半導体製造チャンバー35との間にそれぞれ圧力連通弁(図示せず)を設けてもよく、ポートチャンバー11と真空チャンバー13とに圧力差があったり、真空チャンバー13と中継チャンバー31とに圧力差があったり、中継チャンバー31と半導体製造チャンバー35とに圧力差があるときに、ドア開閉機構17や、開閉ゲート22や、開閉ゲート23を開く前に、前記圧力連通弁を開くことによって、それら圧力差を解消することができる。
【0065】
プロセス搬送ロボット34は、上述のように中継チャンバー31を介して、ウェハー搬送ロボット14からウェハー1を受け取ったあと、半導体製造チャンバー35内において、ウェハー1を保持した状態で収縮し、目標となるプロセスユニット32のいずれかのユニットチャンバー33に向かって旋回し、そのユニットチャンバー33と半導体製造チャンバー35との境界の開閉ゲート36に対向した位置で旋回を停止し、開閉ゲート36が開くと伸張してユニットチャンバー33内にウェハー1を搬入する。
【0066】
ウェハー1が搬入されたプロセスユニット32においては、開閉ゲート36が閉められたあと、所定のプログラムに基づいてウェハー1に処理が施される。プロセス搬送ロボット34は、搬入してきたときとは逆の手順でプロセスユニット32からウェハー1を搬出し、次のプロセスユニット32に搬送するように構成されている。このように、ウェハー1は、プロセス搬送ロボット34によって、各プロセスユニット32を順に搬送される。
【0067】
半導体製造設備30における処理が済んだウェハー1は、半導体製造設備30に搬入されたときとは逆の手順で、ウェハー搬送装置10に受け渡されるように構成されている。
【0068】
以下に、図3から図10を参照しながら、上述のように構成されたウェハー搬送装置10により、自動ポッド搬送システム40と半導体製造設備30との間でポッド2に格納されたウェハー1の搬送を行う、本発明に係るウェハー搬送方法について説明する。
【0069】
まず、ポッド2を、自動ポッド搬送システム40からロードポート12に搬入するにあたり、図3に示すように、ポートチャンバー11のポートドア18が開かれる。このとき、載置テーブル15は、ポッド2の自動ポッド搬送システム40からの搬入をするための後退位置に位置付けられる。そして、ポッド2が自動ポッド搬送システム40から載置テーブル15に吊り下ろされる。このとき、ポッド2の位置決め凹部6が、載置テーブル15の位置決め凸部16と係合し、ポッド2は載置テーブル15上において位置決めされる。この処理が本発明に係る搬入工程である。
【0070】
載置テーブル15にポッド2が載置されると、図4に示すように、ポートドア18が閉じられ、ロードポート12に備えられたポート開閉機構(図示せず)によってポッド2のパージポート(図示せず)が開かれる。次に、減圧機構(図示せず)により、ポートチャンバー11内及びポッド2内の減圧が開始される。これら処理が本発明に係るポッド開き工程であり、減圧工程である。
【0071】
次いで、図5に示すように、載置テーブル15は、テーブル移動機構(図示せず)によって後退位置から進出位置まで移動させられ、ドア開閉機構17によりポッド2のドア部4が開かれる。その後、載置テーブル15は中間位置に移動させられる。
【0072】
図6に示すように、ドア開閉機構17が下降することによって第一連通部19が開かれ、ポッド2に収納されたウェハー1がウェハー搬送ロボット14によって取り出すことができるようになる。この処理が本発明に係る開放工程である。
【0073】
なお、前記第一開閉機構は、ドア開閉機構17とは別に備えられてもよく、したがって、ドア開閉機構17は、真空チャンバー13に備えられてもよいことから、この場合は、上記減圧工程が終了すると、該第一開閉機構によってポートチャンバー11と真空チャンバー13とが第一連通部19を介して空間的に接続され、その後ドア開閉機構17によってドア開閉機構17によってポッド2のドア部4が開放され、ウェハー搬送ロボット14は、ロードポート12に設置されたポッド2からウェハー1を取り出すことができるようになる。
【0074】
ウェハー1は、ウェハー搬送ロボット14によってポッド2から取り出される。この処理が本発明に係る取出工程である。ポッド2から取り出されたウェハー1は、真空チャンバー13内に備えられたアライナー21に搬送され、このアライナー21によってウェハー1のアライメントがされる。
【0075】
次に、図7に示すように、アライナー21によりアライメントされたウェハー1は、ウェハー搬送ロボット14によって再び真空チャンバー13内を搬送され、開閉ゲート22が開かれると、中継チャンバー31へと搬送される。中継チャンバー31へのウェハー1の載置が終了すると開閉ゲート22が閉じられ、今度は開閉ゲート23が開かれる。プロセス搬送ロボット34は、中継チャンバー31内のウェハー1を受け取り、その後、開閉ゲート23が閉じられる。これらの処理が本発明に係る受渡工程である。
【0076】
そして、ウェハー搬送装置10から半導体製造設備30に搬送されたウェハー1は半導体製造設備30のプロセスユニット32において、所定の処理が施される。
【0077】
その後、図8に示すように、処理済のウェハー1は、プロセス搬送ロボット34から、中継チャンバー31を介して、ウェハー搬送装置10のウェハー搬送ロボット14に受け渡され、ウェハー搬送ロボット14によってポッド2に格納される。これら処理が本発明に係る受取工程であり、格納工程である。
【0078】
図9に示すように、すべてのウェハー1について、半導体製造設備30における所定の処理が完了すると、ドア開閉機構17が上昇し第一連通部19が閉じられる。この処理が本発明に係る閉鎖工程である。その後、載置テーブル15が進出位置に移動させられ、ポッド2のドア部4が閉じられる。
【0079】
図10に示すように、載置テーブル15は後退位置に戻され、ポートチャンバー11内及びポッド2内を真空から大気圧に戻すためのベンチレーションが行われる。ガス供給機構(図示せず)により、窒素ガスが供給され、ポートチャンバー11内及びポッド2内が真空から大気圧になるまで窒素ガスにより満たされる。この処理が本発明に係るガス供給工程である。
【0080】
その後、ポッド2のパージポート(図示せず)が閉じられる。この処理が本発明に係るポッド閉じ工程である。図11に示すように、ポートチャンバー11のポートドア18が開かれ、自動ポッド搬送システム40によりポッド2が吊り上げられ、ウェハー搬送装置10から搬出される。この処理が本発明に係る搬出工程である。
【0081】
上述の説明では、ポッド2の前記パージポート及びドア部4を開く処理や、閉じる処理が別の工程でなされていたが、それぞれ同一の工程でなされてもよい。この場合はパージポートはなくてもよいが、ドア部4の開閉は、上述のポッド開き工程やポッド閉じ工程の段階で行われる必要がある。
【0082】
上述の実施形態においては、搬送先設備が半導体製造設備30である場合について説明したが、これに限らない。たとえば、図12、13に示すように複数のウェハー1を真空環境下において保管しておくことができる半導体保管設備50であってもよい。
【0083】
半導体保管設備50は、真空に維持された保管チャンバー51内に、複数の、たとえば三つの保管ラック52が並んで備えられている。各保管ラック52は、上下に複数枚のウェハー1を保管可能に構成されている。
【0084】
本実施形態においては、ウェハー搬送装置10は、二つのポートチャンバー11に一つの真空チャンバー13を接続し、一台のウェハー搬送ロボット14によって、各ポートチャンバー11に設置されたポッド2と、半導体保管設備50との間でウェハー1の搬送を行うように構成されている。
【0085】
さらに、本実施形態においては、ウェハー搬送ロボット14は、本体部14bも真空チャンバー13内に設置されている。なお、ウェハー搬送ロボット14は、真空チャンバー13内に敷設されたレール上を水平方向に移動可能に構成されてもよい。このようなウェハー搬送装置10においても、図3から図10に基づいて説明した本発明に係るウェハー搬送方法を実行することが可能である。
【0086】
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 :ウェハー
2 :ポッド(ウェハー格納ポッド)
10 :ウェハー搬送装置
11 :ポートチャンバー
12 :ロードポート
13 :真空チャンバー
14 :ウェハー搬送ロボット
14a :アーム部
14b :本体部
19 :第一連通部
20 :第二連通部
30 :半導体製造設備(搬送先設備)
40 :自動ポッド搬送システム
50 :半導体保管設備(搬送先設備)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13