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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-170494(P2018-170494A)
(43)【公開日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】コイル部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20181005BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20181005BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
   H01F17/04 A
   H01F17/04 F
   H01F15/10 C
   H01F41/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-223962(P2017-223962)
(22)【出願日】2017年11月21日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0040688
(32)【優先日】2017年3月30日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー、ユン スク
(72)【発明者】
【氏名】アン、ジン モ
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062FF10
5E070AA01
5E070BA12
5E070CA13
5E070CA20
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型のコイル部品を製造する際にもコイルを安定して実装することができ、大量生産が容易なコイル部品、及びそれを製造する方法を提供する。
【解決手段】コイル部品は、内部に巻線コイル20及び複数個のガイド部材50が配置された本体を含む。複数個のガイド部材は、巻線コイルの外周縁に沿って互いに離隔して配置され、複数個のガイド部材のそれぞれは、本体の外部に露出する露出面を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に巻線コイル及び複数個のガイド部材が配置された本体を含み、
前記複数個のガイド部材は、前記巻線コイルの外周縁に沿って互いに離隔して配置され、
前記複数個のガイド部材のそれぞれは、前記本体の外部に露出する露出面を有する、コイル部品。
【請求項2】
前記露出面は切断面からなる、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記複数個のガイド部材の少なくとも一部は前記巻線コイルと接触しない、請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記ガイド部材の個数が4個〜16個である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記ガイド部材の幅が0.03mm〜0.3mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記ガイド部材の厚さが0.03mm〜0.3mmである、請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記ガイド部材は、金属材料、PCB材料、またはセラミック材料からなる、請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記本体は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含む磁性体樹脂複合体がシート状に成形された後、前記巻線コイルの上部及び下部に圧着及び硬化されることで形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記本体の外部に配置され、前記巻線コイルの一対の引出部とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項10】
巻線コイルの両端が載置される支持部材、及び前記巻線コイルの動きを抑える複数個のガイド部材を含むフレームを準備する段階と、
前記支持部材上に前記巻線コイルの両端を載置させる段階と、
前記巻線コイル及び前記複数個のガイド部材のそれぞれの少なくとも一部が埋め込まれるように本体を形成する段階と、を含む、コイル部品の製造方法。
【請求項11】
前記支持部材と前記ガイド部材は一体に形成される、請求項10に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項12】
前記複数個のガイド部材は、前記巻線コイルの外周縁に沿って互いに離隔して配置される、請求項10または11に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項13】
前記本体を形成する段階は、前記巻線コイルの上部及び下部に磁性体シートを圧着及び硬化することで形成することを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項14】
前記巻線コイルの両端を載置した後、前記磁性体シートを圧着する前に、
前記巻線コイルの両端を粘着フィルムによって前記支持部材に固定させる段階をさらに含む、請求項13に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項15】
前記本体を前記支持部材から切断する段階をさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項16】
前記支持部材から切断された本体の外部に、前記巻線コイルの引出部とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項17】
本体と、
前記本体の内部に配置される巻線コイルと、
前記本体の内部に配置され、それぞれが前記本体のそれぞれの側面まで延長される複数個のガイド部材と、を含み、
前記複数個のガイド部材は、少なくとも一つのガイド部材が前記本体の端面を基準に前記本体のそれぞれの側面と前記巻線コイルの間に配置される形態で構成される、コイル部品。
【請求項18】
前記少なくとも一つのガイド部材は前記本体の内部において前記巻線コイルと接している、請求項17に記載のコイル部品。
【請求項19】
それぞれのガイド部材は0.3mmより小さい幅及び厚さを有する、請求項17または18に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記コイル部品は内部に少なくとも4個のガイド部材を含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項21】
それぞれのガイド部材は前記巻線コイルから電気的に絶縁されている、請求項17から20のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクターは、抵抗、キャパシターとともに電子回路を成し、ノイズを除去する代表的な受動素子である。例えば、パワーインダクターは、大電流が流れる電源回路またはコンバーター回路などに用いられることができる。
【0003】
一方、コイル部品としては、製造方法が比較的に簡単な巻線型のものが多く適用されている。しかしながら、かかる巻線型コイル部品を製作する際にコイルの偏りが発生する場合、コイルが外部に露出するなどによって、外観不良や特性不良が引き起こされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の様々な目的のうちの1つは、小型のコイル部品を製造する際にもコイルを安定して実装することができ、大量生産が容易なコイル部品、及びそれを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により提案される様々な解決手段のうちの1つは、巻線コイルの外周縁に沿って複数個のガイド部材を互いに離隔して配置することである。
【0006】
例えば、本発明の一実施形態によるコイル部品は、内部に巻線コイル及び複数個のガイド部材が配置された本体を含み、上記複数個のガイド部材は、上記巻線コイルの外周縁に沿って互いに離隔して配置され、上記複数個のガイド部材のそれぞれは、上記本体の外部に露出する露出面を有することができる。
【0007】
また、本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法は、巻線コイルの両端が載置される支持部材、及び巻線コイルの動きを抑える複数個のガイド部材を含むフレームを準備する段階と、上記支持部材上に上記巻線コイルの両端を載置させる段階と、上記巻線コイル及び上記複数個のガイド部材のそれぞれの少なくとも一部が埋め込まれるように本体を形成する段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうちの1つは、コイル部品を小型化する際にも巻線コイルを安定して実装することができ、これにより、生産性に優れるという利点があることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品の斜視図である。
図2図1のコイル部品の巻線コイルが見えるように示した斜視図である。
図3】ガイド部材の様々な変形例を示した図である。
図4図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。
図5図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。
図6図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。
図7図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。
図8図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0011】
以下では、本発明の一実施形態によるコイル部品を説明するにあたり、便宜上、パワーインダクター(Power Inductor)を一例として説明するが、必ずしもこれに制限されるものではなく、本発明の内容が他の様々な用途のコイル部品にも適用され得ることは言うまでもない。他の様々な用途のコイル部品の例としては、高周波インダクター(High Frequency Inductor)、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)などが挙げられる。
【0012】
図1は本発明の一実施形態によるコイル部品の斜視図である。
【0013】
図1を基準として、下記の説明において、「長さ」方向は図1の「L」方向、「幅」方向は「W」方向、「厚さ」方向は「T」方向と定義されることができる。
【0014】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品100は、本体10と、本体10の内部に配置された巻線コイル(不図示)と、本体10の外部に配置された外部電極30と、を含んで構成されることができる。
【0015】
本体10はコイル部品100の外観を成す。本体10は、長さ方向に対向する両端面、幅方向に対向する両側面、及び厚さ方向に対向する上面及び下面で構成される、ほぼ六面体形状であることができるが、これに限定されるものではない。
【0016】
本体10は磁性物質を含むことができる。磁性物質としては、磁性の性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、またはFe−Cr−Al系合金粉末などのFe合金類、Fe系非晶質、Co系非晶質などの非晶質合金類、Mg−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mg−Mn−Sr系フェライト、Ni−Zn系フェライトなどのスピネル型フェライト類、Ba−Zn系フェライト、Ba−Mg系フェライト、Ba−Ni系フェライト、Ba−Co系フェライト、Ba−Ni−Co系フェライトなどの六方晶型フェライト類、Y系フェライトなどのガーネット型フェライト類が挙げられる。
【0017】
磁性物質は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含むものであることができる。金属磁性体粉末は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、またはシリコン(Si)を主成分として含み、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、鉄(Fe)−クロム(Cr)−シリコン(Si)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。金属磁性体粉末は、2つ以上の平均粒径(D、D)を有する金属磁性体粉末が充填されたものであってもよい。この場合、互いに異なるサイズを有する二峰性(bimodal)の金属磁性体粉末を用いて圧着することで、磁性体樹脂複合体を完全に充填することができ、充填率を高めることができる。
【0018】
本体10は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含む磁性体樹脂複合体がシート状に成形された後、巻線コイル20の上部及び下部に圧着及び硬化されることで形成されたものであることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。この際、磁性体シートの積層方向は、コイル部品の実装面に対して垂直である。ここで、垂直であるとは、完全に90°である場合だけでなく、略90°である場合、すなわち、60〜120°程度である場合を含む概念である。
【0019】
外部電極30は、コイル部品100が回路基板などに実装される際に、コイル部品100を回路基板などと電気的に連結させる役割などを果たすものである。外部電極30は、巻線コイル20の一対の引出部20a、20bとそれぞれ接続される第1及び第2外部電極31、32を含むことができる。
【0020】
外部電極30は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成され、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、スズ(Sn)の単独またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0021】
図2図1のコイル部品の巻線コイルが見えるように示した斜視図である。
【0022】
図2を参照すると、本体10の内部には、巻線コイル20と、複数個のガイド部材50と、が配置されている。
【0023】
巻線コイル20は、コイルから発現される特性により電子機器内で様々な機能を担うものであって、例えば、コイル部品100がパワーインダクターである場合、巻線コイル20は、電気を磁場形態で貯蔵して出力電圧を維持し、電源を安定させる役割などを果たすことができる。
【0024】
巻線コイル20は、銅(Cu)または銀(Ag)などの金属線で形成され、本体10の外部に露出する一対の引出部20a、20bを含むことができる。一方、図2には、一対の引出部20a、20bが本体10の両端面にそれぞれ露出することを示したが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0025】
巻線コイル20は、単線に限定されず、撚り線や2本以上の線からなってもよい。また、巻線コイル20は、その断面形状が円形に限定されず、四角形など公知の様々な断面形状を有してもよい。
【0026】
巻線コイル20は絶縁層(不図示)によって被覆されていることができる。これにより、巻線コイル20とその他の構成要素との間の絶縁性を確保することができる。
【0027】
ガイド部材50は、コイル部品100を製作する際に、巻線コイル20の動きを抑える役割を果たす。ガイド部材50は複数個備えられ、この複数個のガイド部材50は、巻線コイル20の外周縁に沿って互いに離隔して配置される。本発明では、このように複数個のガイド部材50が巻線コイル20の外周縁に沿って互いに離隔して配置されることで、コイル部品を製作する際に巻線コイルが偏ることを最小化することができる。これにより、巻線コイルが外部に露出するなどの問題を効果的に防止することができる。さらに、コイル部品の小型化によるダイシングマージンの限界を克服することが可能となる。
【0028】
後述のように、本発明のコイル部品100はフレームを用いて製作されるが、この際、複数個のガイド部材50のそれぞれは、本体10の外部に露出する露出面を有するようになる。このような露出面は切断面からなることができる。ガイド部材50の体積が増加するほど、磁性体領域の損失に起因する容量低下が引き起こされるが、本発明では、フレームを用いてコイル部品を製作することで、ガイド部材50の体積を最小化することができる。これにより、容量低下を最小化することができる利点がある。
【0029】
複数個のガイド部材50のそれぞれは、巻線コイル20の外周面と公差なしに直接接触するように設計されることができ、この場合、巻線コイルの動きを完璧に抑えることができるという利点がある。但し、この場合、製作の容易性がやや低下する。
【0030】
そこで、設計時に、複数個のガイド部材50が巻線コイル20の外周縁と一定の公差を有するように、すなわち、巻線コイルの動きが発生しても、複数個のガイド部材50の少なくとも一部は巻線コイル20と接触しないように設計されることができる。この場合、コイル部品を容易に製作することができるという利点を有する。
【0031】
ガイド部材50の個数は特に限定されないが、例えば、4個〜16個であることができる。ガイド部材50の個数が4個未満である場合、コイル部品の製作過程で巻線コイル20が本体10の一側面に露出する恐れがある反面、16個を超える場合、磁性体領域の損失に起因する容量低下が発生し得る。
【0032】
ガイド部材50の幅wは特に限定されないが、例えば、0.03mm〜0.3mmであることができる。ガイド部材50の幅wが0.03mm未満である場合、巻線コイル20に適切な剛性を付与することが困難である反面、0.3mmを超える場合、磁性体領域の損失に起因する容量低下が発生し得る。
【0033】
ガイド部材50の厚さtは特に限定されないが、例えば、0.03mm〜0.3mmであることができる。ガイド部材50の厚さtが0.03mm未満である場合、巻線コイル20に適切な剛性を付与することが困難である反面、0.3mmを超える場合、磁性体領域の損失に起因する容量低下が発生し得る。
【0034】
ガイド部材50の材料は、コイル部品100の製作過程で巻線コイル20に適切な剛性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、ガイド部材50は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、スズ(Sn)の単独またはこれらの合金などの金属材料、フェノール系樹脂などのPCB(Printed Circuit Board)材料、またはセラミック材料からなることができる。
【0035】
図3(a)から(e)は、ガイド部材の様々な変形例を示した図である。図3(a)から(e)から分かるように、本発明では、ガイド部材50の具体的な形状、位置が特に限定されない。
【0036】
図4から図7は、図1のコイル部品を製造する工程を順に示した図である。以下、上述の内容と重複される説明は省略し、コイル部品の概略的な製造工程のそれぞれの段階について説明する。
【0037】
図4を参照すると、巻線コイルの両端が載置される支持部材52と、巻線コイルの動きを抑える複数個のガイド部材50と、を含むフレーム54を準備する。
【0038】
フレーム54を構成する支持部材52とガイド部材50は一体に形成されていることができ、この場合、コイル部品100の製作過程で巻線コイル20の動きによりガイド部材50が加圧されても、ガイド部材50の変位が起こらないという利点がある。但し、必ずしもこれに制限されるものではなく、それらが接着剤などによって単純結合されていてもよい。
【0039】
フレーム54の材料は、コイル部品100の製造過程で巻線コイル20に適切な剛性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、フレーム54は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、スズ(Sn)の単独またはこれらの合金などの金属材料、フェノール系樹脂などのPCB(Printed Circuit Board)材料、またはセラミック材料からなることができる。
【0040】
図5を参照すると、支持部材52上に巻線コイル20の両端を載置させる。この際、複数個のガイド部材50が巻線コイル20の外周縁に沿って互いに離隔して配置される。
【0041】
図5に示されたように、本発明では、複数のフレーム54に複数の巻線コイル20をそれぞれ載せることができ、大量生産が容易であるという利点を有する。
【0042】
図面には示していないが、載置工程の後には、巻線コイル20の両端を粘着フィルムによって支持部材52に固定させる工程を行うことができる。この場合、後述の本体形成段階で巻線コイル20の動きが発生することを最小化することができる。
【0043】
次に、巻線コイル20及び複数個のガイド部材50のそれぞれの少なくとも一部が埋め込まれるように本体を形成する。
【0044】
図6を参照すると、第1磁性体シート10−1を巻線コイル20の一面に圧着することができる。第1磁性体シート10−1は、磁性体樹脂複合体をシート状に成形したものであり、半硬化状態で圧着することができる。磁性体樹脂複合体は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物が混合されたものであることができる。この際、金属磁性体粉末は、Fe、CrまたはSiを主成分として含み、樹脂混合物は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer;LCP)などの単独または組合せであることができるが、これに限定されるものではない。第1磁性体シート10−1の圧着により、巻線コイル20のコア部など、コイル周辺の空間が磁性体樹脂複合体などのような磁性物質で充填されることができる。後続工程で硬化を経ると、所定の位置に配置された巻線コイル20の位置ズレを防止し、シートの動きによるバー(Bar)変形を制御することができる。
【0045】
図7を参照すると、第2磁性体シート10−2を巻線コイル20の他面に圧着する。第2磁性体シート10−2も、磁性体樹脂複合体をシート状に成形したものであり、半硬化状態で圧着することができる。後続工程で硬化を経ると、所定の位置に配置された巻線コイル20の位置ズレを防止し、シートの動きによるバー(Bar)変形を制御することができる。第1磁性体シート10−1及び第2磁性体シート10−2の硬化工程は同時に行ってもよく、個別に行ってもよい。
【0046】
図8を参照すると、本体10を支持部材52から切断(Dicing)する。切断は予め設計されたサイズに応じて行うことができ、その結果、個別コイル部品100が提供される。切断は、切断設備を用いて個別コイル部品に切断してもよく、その他にも、ブレード(blade)やレーザー(laser)などのその他の切断方法を適用してもよい。切断(Dicing)により、最終コイル部品100には支持部材52が残存しなくなり、ガイド部材50の少なくとも一部のみが本体10の内部に配置されて残存するようになる。
【0047】
図面には示していないが、切断工程の後には、個別コイル部品100の角を研磨するために研磨工程を行うことができる。研磨工程によりコイル部品100の本体10を丸い形状にすることができ、めっき防止のために、本体10の表面に絶縁物質の印刷をさらに行うことができる。形成される絶縁層は、Siを含むガラス(glass)系物質、絶縁樹脂、及びプラズマ(plasma)のうち1つ以上を含むことができる。
【0048】
さらに、めっき滲みを防止するために、切断された本体10の表面の凹凸を最小化することで、めっき電流の印加時における電流集中を防ぐことができる。すなわち、本体10は、金属磁性体粉末の切断により露出した面が、平坦化された半球状または球の一部分が切り出された形状を成し、表面が平らな構造に実現されることで、めっき電流の印加時における電流集中を防止することができる。
【0049】
次に、支持部材から切断された本体10の外部に、巻線コイルの引出部20a、20bとそれぞれ接続される第1及び第2外部電極31、32を形成する工程を行うことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0051】
10 本体
10−1 第1磁性体シート
10−2 第2磁性体シート
20 巻線コイル
20a、20b 一対の引出部
30 外部電極
31、32 第1及び第2外部電極
50 ガイド部材
52 支持部材
54 フレーム
100 コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8