特開2018-172922(P2018-172922A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-172922(P2018-172922A)
(43)【公開日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】軒樋支持具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20181012BHJP
【FI】
   E04D13/072 501B
   E04D13/072 501E
   E04D13/072 501D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-71806(P2017-71806)
(22)【出願日】2017年3月31日
(11)【特許番号】特許第6326603号(P6326603)
(45)【特許公報発行日】2018年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】593178409
【氏名又は名称】株式会社オーティス
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】北村 昌司
(57)【要約】
【課題】軒樋の取り付け及び取り外しの作業性を向上させる軒樋支持具を提供する。
【解決手段】軒樋5の前後に形成された前耳5b及び後耳5aを、それぞれ前耳収容凹所4及び後耳収容凹所3に収容させて軒樋5を支持する軒樋支持具1であって、取付対象部材23に固定される第1支持部材10と、第1支持部材10に組み付けられた状態で後耳収容凹所3を形成する第2支持部材15と、これら第1支持部材10及び第2支持部材15に組み付けられた状態で前耳収容凹所4を形成する第3支持部材20と、を備えており、これら第1支持部材10及び第2支持部材15の各前端部と第3支持部材20の上端部とにそれぞれ直立して設けられた各固定片部12,17,21を止具6によって連結することで第1支持部材10、第2支持部材15及び第3支持部材20が互いに固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒樋の前後に形成された前耳及び後耳を、それぞれ前耳収容凹所及び後耳収容凹所に収容させて軒樋を支持する軒樋支持具であって、
取付対象部材に固定される第1支持部材と、該第1支持部材に組み付けられた状態で前記後耳収容凹所を形成する第2支持部材と、これら第1支持部材及び第2支持部材に組み付けられた状態で前記前耳収容凹所を形成する第3支持部材と、を備えており、
これら前記第1支持部材及び前記第2支持部材の各前端部と前記第3支持部材の上端部とにそれぞれ直立して設けられた各固定片部を止具によって連結することで各支持部材が互いに固定されることを特徴とする軒樋支持具。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1支持部材、前記第2支持部材及び前記第3支持部材は、組み付け前において互いに分離しており、前記止具による前記固定片部の連結によって互いに固定されることを特徴とする軒樋支持具。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、互いに略鉛直方向に沿う軸廻りに回転可能に連結されており、
前記第1支持部材の後耳側部位と前記第2支持部材の後耳側部位とを前記軸方向に見て重合させるように、前記軸廻りに回転させることで、前記後耳収容凹所が形成されることを特徴とする軒樋支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軒樋支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軒先に配される軒樋を支持する軒樋支持具が知られている。このような軒樋支持具としては、軒樋の前後に設けられた耳部をそれぞれ係止し、軒樋を吊持する構成とされたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、支持本体部の一端に設けられた係合爪部に、軒樋のフック状の一方の耳部を差し込んで引っ掛け、支持本体部の他端に設けられた弾性板を押しのけて他方の耳部をこの耳部が係合される領域に挿入して軒樋を支持する軒樋支持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−48680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような軒樋支持具では、軒樋を取り付ける際に、長尺状の軒樋の長さ方向に複数設けられた軒樋支持具の係合爪部に、一度に一方の耳部を引っ掛け、また、複数の弾性板を一度に押しのけて他方の耳部を係止する必要があり、取り付け難いようなことが考えられる。また、軒樋を取り外す際には、他方の耳部を係止する弾性板を変形させる必要があり、取り外し難いようなことが考えられる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、軒樋の取り付け及び取り外しの作業性を向上させる軒樋支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の軒樋支持具は、軒樋の前後に形成された前耳及び後耳を、それぞれ前耳収容凹所及び後耳収容凹所に収容させて軒樋を支持する軒樋支持具であって、取付対象部材に固定される第1支持部材と、該第1支持部材に組み付けられた状態で前記後耳収容凹所を形成する第2支持部材と、これら第1支持部材及び第2支持部材に組み付けられた状態で前記前耳収容凹所を形成する第3支持部材と、を備えており、これら前記第1支持部材及び前記第2支持部材の各前端部と前記第3支持部材の上端部とにそれぞれ直立して設けられた各固定片部を止具によって連結することで各支持部材が互いに固定されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の軒樋支持具は、前記第1支持部材、前記第2支持部材及び前記第3支持部材が組み付け前において互いに分離しており、前記止具による前記固定片部の連結によって互いに固定される構成とされている。
【0008】
請求項3に記載の軒樋支持具は、前記第1支持部材及び前記第2支持部材が、互いに略鉛直方向に沿う軸廻りに回転可能に連結されており、前記第1支持部材の後耳側部位と前記第2支持部材の後耳側部位とを前記軸方向に見て重合させるように、前記軸廻りに回転させることで、前記後耳収容凹所が形成される構成とされている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の軒樋支持具によれば、上述した構成となっているため、第1支持部材及び第2支持部材を組み付けた状態で軒樋を仮保持し、第1支持部材、第2支持部材及び第3支持部材の各固定片部を連結することで、各支持部材を互いに固定し、軒樋を強固に支持することができる。
【0010】
また、共通の止具によって各支持部材を互いに固定することができ、軒樋の取り付け、または取り外しの際の作業性を向上させることができる。
また、軒樋の前耳及び後耳を、互いに別部材とされた各支持部材によって形成される耳収容凹所に収容させて軒樋を支持する構成としているので、例えば、軒樋の長さ方向に複数設けられた軒樋支持具に対して、一度に軒樋の耳をばね材に押し込んで耳収容部に収容させたり、フックに引っ掛けて支持させるようなものと比べて、容易に軒樋を取り付け、また、取り外しすることができる。
【0011】
請求項2に記載の軒樋支持具によれば、上述した構成となっているため、互いに分離された各支持部材を、1箇所の連結によって固定することができ、各支持部材によって軒樋を強固に支持することを可能としながらも、容易に軒樋を取り付け、また、取り外しすることができる。
【0012】
請求項3に記載の軒樋支持具によれば、上述した構成となっているため、回転可能に連結された第1支持部材及び第2支持部材を回転させることで、後耳収容凹所を形成することができ、軒樋の取り付け、または取り外しの際の作業性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る軒樋支持具の側面図であり、(b)は、同軒樋支持具の分解側面図である。
図2】同軒樋支持具の軒樋の取り付け手順を示した側面図である。
図3】同軒樋支持具の分解斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る軒樋支持具の側面図である。
図5】同軒樋支持具の軒樋の取り付け手順を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態に係る軒樋支持具について、添付図面をもとに説明する。
【0015】
本軒樋支持具1は、軒樋5の前後に形成された前耳5b及び後耳5aを、それぞれ前耳収容凹所4及び後耳収容凹所3に収容させて軒樋5を支持するようにしたものである。
この軒樋支持具1は、軒先2に固定された取付対象部材23に固定される。
本実施形態では、図1に示すように、軒先2としての壁面に固定された取付杆としての取付対象部材23に、軒樋支持具1(第1支持部材10)が連結固定される構成としている。
この軒樋支持具1は、軒樋5の長手方向に沿って複数設けられて軒樋5を支持するものとしてもよい。
【0016】
取付対象部材23は、前端に軒樋支持具1と連結される連結部24を有し、後端に軒先2等に固定される取付部25を有している。取付部25は板状体の後端部に形成された垂下部26に取付板体27を取りつけてなり、軒先2等に固定具28で固定される。また、連結部24にはボルト挿通孔24aが形成されている。
【0017】
軒樋5は、長尺状の角樋とされ、長さ方向に見て上方に開口する略コ字状とされている。
この軒樋5の前後の開口縁には、全長に亘って前後の耳(前耳5b及び後耳5a)が、外側に膨出するように形成されている。これら前耳5b及び後耳5aは、長さ方向に見て矩形状とされている。また、図例では、前耳5bを、後耳5aよりも上方に位置させた例を示している。
【0018】
軒樋支持具1の前耳収容凹所4及び後耳収容凹所3は、前耳5b及び後耳5aに応じた形状とされている。つまり、本実施形態では、これら前耳収容凹所4及び後耳収容凹所3は、軒樋5の長さ方向に見て前耳5b及び後耳5aに応じた略矩形状とされている。
【0019】
この軒樋支持具1は、取付対象部材23に固定される第1支持部材10と、この第1支持部材10に組み付けられた状態で後耳収容凹所3を形成する第2支持部材15と、これら第1支持部材10及び第2支持部材15に組み付けられた状態で前耳収容凹所4を形成する第3支持部材20と、を備えている。
【0020】
また、軒樋支持具1は、これら第1支持部材10及び第2支持部材15の前端部と第3支持部材20の上端部とにそれぞれ直立して設けられた各固定片部12,17,21を止具6によって連結することで第1支持部材10、第2支持部材15及び第3支持部材20が互いに固定される。
【0021】
本実施形態では、軒樋支持具1を、第1支持部材10、第2支持部材15及び第3支持部材20が組み付け前において互いに分離しており、止具6による固定片部12,17,21の連結によって互いに固定される構成としている。
また、本実施形態では、各固定片部12,17,21を止具6としてのねじが挿通され、ナット7で螺合することで互いに固定される構成としている。
【0022】
第1支持部材10は、図3に示すように、取付対象部材23に固定される水平片部11と、この水平片部11の前端部に設けられた固定片部12と、水平片部11の後端部に設けられ、後耳収容凹所3を構成する凹部13と、を備えている。
また、この凹部13から垂れ下がるように形成された垂下片部14と、この垂下片部14の下端から前方に向けて突出する突片部14aを備えている。
本実施形態では、これら水平片部11、固定片部12、凹部13、垂下片部14及び突片部14aを帯板状としている。また、この第1支持部材10は、長尺な帯板状部材を折り曲げて形成されたものとしてもよい。
【0023】
水平片部11は、上下方向に開口し、ボルト29が挿通されるボルト挿通孔11aが形成されている。この水平片部11と取付対象部材23の連結部24とが重ねられ、重合した各ボルト挿通孔11a,24aにボルト29を挿通し、蝶ナット29aで螺合することで第1支持部材10が取り付けられるようになっている。本実施形態では、水平片部11のボルト挿通孔11aを前後方向に沿って形成された長孔状とし、取付対象部材23に対する第1支持部材10の取付位置をボルト挿通孔11aで調整することで、軒樋5の軒先2等からの出具合を調節できるようにしている。
【0024】
固定片部12は、水平片部11の前端部から立ち上がるように設けられており、前後方向に開口し、止具6が挿通される止具挿通孔12aが形成されている。
凹部13は、水平片部11の後端部において下方に形成され、前方に開口する側面視略コ字状とされている。
この凹部13は、水平片部11の後端部と、この後端部に連なり下方に垂れ下がる側壁部13aと、この側壁部13aの下端から前方に突出する底壁部13bと、によって区画されている。
【0025】
垂下片部14は、凹部13の底壁部13bの前端から下方に垂れ下がるように設けられている。この垂下片部14は、軒樋5が支持された状態で、軒樋5の後側の側面に沿うように形成されている。
突片部14aは、軒樋5が支持された状態で、軒樋5の下面に沿うように、垂下片部14の下端から突出するように形成されている。この突片部14aの突出寸法は、軒樋5の下面を支持する観点等から適宜、設定するようにしてもよい。
【0026】
第2支持部材15は、第1支持部材10の下方に配され、水平片部16と、この水平片部16の前端部に設けられた固定片部17と、水平片部16の後端部に設けられ、後耳収容凹所3を構成する凹部18と、を備えている。
本実施形態では、第1支持部材10と同様、これら水平片部16、固定片部17及び凹部18を帯板状としている。
【0027】
水平片部16は、第1支持部材10の水平片部11の長さ方法に沿って長尺状とされている。
固定片部17は、水平片部16の前端部から立ち上がるように設けられており、前後方向に開口し、止具6が挿通される止具挿通孔17aが形成されている。
この止具挿通孔17aは、第2支持部材15が第1支持部材10に組み付けられた状態で、第1支持部材10の止具挿通孔12aと重合するように形成されている。
【0028】
凹部18は、水平片部16の後端部において後方及び下方に開口する側面視略倒L字状とされている。
この凹部18は、水平片部16の後端部に連なり上方に立ち上がる側壁部18aと、この側壁部18aの上端から後方に突出する天壁部18bと、によって区画されている。
本実施形態では、この凹部18と、第1支持部材10の凹部13と、によって後耳収容凹所3が構成される。つまり、後耳収容凹所3は、第1支持部材10の側壁部13a、底壁部13b、第2支持部材15の側壁部18a及び天壁部18bによって区画されている。
【0029】
この第2支持部材15は、図1(a)及び図2に示すように、第1支持部材10に組み付けられた状態で、固定片部17の後面が固定片部12の前面に当接し、凹部18を構成する天壁部18bの上面が、水平片部11の後端部の下面に当接する構成とされている。
【0030】
第3支持部材20は、第1支持部材10及び第2支持部材15の前方に配され、固定片部21と、この固定片部21の下端部に設けられ、前耳収容凹所4を構成する凹部22と、を備えている。
本実施形態では、第1支持部材10及び第2支持部材15と同様、これら固定片部21及び凹部22を帯板状としている。
【0031】
固定片部21は、前後方向に開口し、止具6が挿通される止具挿通孔21aが形成されている。
この止具挿通孔21aは、第3支持部材20が第1支持部材10及び第2支持部材15に組み付けられた状態で、各止具挿通孔12a,17aと重合するように形成されている。
【0032】
凹部22は、後方に開口する側面視略コ字状とされている。
この凹部22は、固定片部21の下端部に連なり、前方に突出する天壁部22aと、この天壁部22aの前端から下方に垂れ下がる側壁部22bと、この側壁部22bの下端から後方に突出する底壁部22cと、によって区画されている。
【0033】
本実施形態では、この凹部22と、第2支持部材15の固定片部17と、によって前耳収容凹所4が構成される。
つまり、前耳収容凹所4は、天壁部22a、側壁部22b、底壁部22c及び第2支持部材15の固定片部17によって区画されている。
この第3支持部材20は、第1支持部材10及び第2支持部材15に組み付けられた状態で、固定片部21の後面が第2支持部材15の固定片部17の前面に当接する構成とされている。
【0034】
次いで、この軒樋支持具1に対する軒樋5の取付態様について説明する。
まず、図1(b)に示すように、取付対象部材23に固定された第1支持部材10に、第2支持部材15及び軒樋5を組み付ける。
本実施形態では、図2に示すように、第1支持部材10の凹部13に、軒樋5の後耳5a及び第2支持部材15の後端部を構成する天壁部18bを収容させて、第2支持部材15及び軒樋5を仮保持させた例を示している。
この際に、まず、軒樋5を、第1支持部材10の水平片部11と突片部14aとによって、上下から挟持するようにして仮保持させ、次いで、第2支持部材15の天壁部18bを、第1支持部材10の水平片部11と軒樋5の後耳5aとによって挟持させるようにしてもよい。
【0035】
次いで、図1に示すように、第3支持部材20を、第1支持部材10及び第2支持部材15に組み付け、軒樋5の前耳5bが前耳収容凹所4に収容された状態で、各固定片部12,17,21の止具挿通孔12a,17a,21aに止具6を挿通し、ナット7で螺合する。これにより、第1支持部材10、第2支持部材15及び第3支持部材20が互いに連結固定された状態となる。
また、軒樋5を取り外す場合には、止具6による固定を解除し、第1支持部材10に対して第2支持部材15、第3支持部材20及び軒樋5を取り外せばよい。
【0036】
以上のように、本実施形態では、後耳5aが後耳収容凹所3に収容された状態で軒樋5を仮保持させることができ、取付作業性を向上させることができる。
また、互いに分離された第1支持部材10、第2支持部材15及び第3支持部材20を1つの止具によって連結固定することができ、また、これらを止具6によって固定しているので、ばね材で軒樋の耳を固定するようなものと比べて、強固に軒樋5を支持することができる。
【0037】
なお、上記した取付態様は一例であり、これに限られない。例えば、第2支持部材15を、軒樋5に組み付け可能な構成とし、これらを組み付けた状態で、第1支持部材10に組み付けるようにしてもよい。
また、第2支持部材15及び軒樋5を仮保持させる態様についても上記態様に限られず、第2支持部材15自体を第1支持部材10に着脱自在に係止可能な構成としてもよい。例えば、第2支持部材15の後端部自体を第1支持部材10の凹部13に収容させて仮保持可能な構成としてもよく、第2支持部材15の固定片部17を、適宜のフック等によって第1支持部材10の固定片部12に係止可能な構成としてもよい。
【0038】
次に、図4及び図5に示した他の実施形態に係る軒樋支持具1Aについて説明する。
なお、以下の実施形態では、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0039】
軒樋支持具1Aは、第1支持部材10Aと第2支持部材15Aとが連結されている点が、上記した実施形態と異なる。
本実施形態では、第1支持部材10A及び第2支持部材15Aが、互いに略鉛直方向に沿う軸廻りに回転可能に連結されており、第1支持部材10Aの後耳側部位と第2支持部材15Aの後耳側部位とを軸方向に見て重合させるように、軸廻りに回転させることで後耳収容凹所3が形成される構成としている。
【0040】
軒樋支持具1Aは、図4に示すように、軒先2Aとしての折板屋根に取り付けられた取付対象部材23Aとしての吊りボルトに固定される。
第1支持部材10Aの水平片部11A及び第2支持部材15Aの水平片部16Aには、互いに組み付けられた状態で軸方向に見て重合し、吊りボルト(取付対象部材23A)が挿通されるボルト挿通孔11Aa及び16Aaが形成されている。
また、本実施形態では、このボルト軸廻りに第1支持部材10A及び第2支持部材15Aが回転可能に連結されている。
【0041】
本実施形態では、図5に示すように、第1支持部材10A及び第2支持部材15Aを、各後耳側部位同士を軸方向に見て重合させた状態から互いにずらすようにして軸廻りに回転させることで、各凹部13,18を開口させ、軒樋5の後耳5aを受入れ可能な状態とすることができる。
これにより、第1支持部材10A及び第2支持部材15Aを連結させた状態で、軒樋5を取り付けまたは取り外しすることができ、作業性を向上させることができる。
【0042】
また、軒樋5を取り付ける際には、第1支持部材10A及び第2支持部材15Aの各後耳側部位同士を軸方向に見て重合させ、後耳収容凹所3に軒樋5の後耳5aを収容させて仮保持した状態で、上記した実施形態同様、止具6により第1支持部材10A、第2支持部材15A及び第3支持部材20の各固定片部12,17,21を連結して固定する。
【0043】
なお、上記各実施形態では、各固定片部12,17,21を、ねじとしての止具6によって固定した例を示しているが、このようなものに限られず、例えば、バンド等の結束具や挟持による固定具等としてもよく、各固定片部12,17,21を固定可能なものであればよい。
また、上記各実施形態では、軒樋5を角樋とした例を示したが、丸樋としてもよい。この場合は、丸樋の外郭形状に応じて第1支持部材10,10Aの形状を適宜、変更してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,1A 軒樋支持具
2,2A 軒先
3 後耳収容凹所
4 前耳収容凹所
5 軒樋
5a 後耳
5b 前耳
10,10A 第1支持部材
11,11A 水平片部
12 固定片部
13 凹部
14 垂下片部
14a 突片部
15,15A 第2支持部材
16,16A 水平片部
17 固定片部
18 凹部
20 第3支持部材
21 固定片部
22 凹部
23,23A 取付対象部材
24 連結部
25 取付部
26 垂下部
27 取付板体
29 ボルト
29a 蝶ナット
図1
図2
図3
図4
図5