【課題】自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、画像メモリに記憶された記憶データの一部を更新する場合であっても、リフレッシュレートを減少させることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置では、ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データが一定期間更新されていないことを検出した場合に、制御データ処理回路が、制御データの更新が停止されたことを表す制御データ停止信号を出力する。制御データ停止信号が、制御データの更新が停止されたことを表す場合に、間引き指示信号生成回路が、画像メモリから読み出された記憶データを間引きすることを指示する間引き指示信号を生成する。間引き指示信号が間引きすることを指示する場合、フレーム間引きコントローラが、自己リフレッシュによる画像の表示期間中に画像メモリから読み出された記憶データを間引いて出力する。
自己リフレッシュによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを記憶データとして画像メモリに記憶しておき、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記記憶データの一部を部分データに更新し、かつ、前記画像メモリから読み出された1フレーム分の記憶データを用いて画像の表示を自己リフレッシュする画像処理装置であって、
前記1フレーム分の画像データを前記画像メモリに順次書き込み、前記記憶データの一部を前記部分データに書き換え、かつ、前記画像メモリから前記1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行うメモリコントローラと、
ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データを、前記制御データが前記ソース側デバイスから前記シンク側デバイスへ定期的に送信されてくる毎に更新して保持する制御データ保持回路と、
前記制御データ保持回路に保持された制御データが一定期間更新されていないことを検出した場合に、前記制御データの更新が停止されたことを表す制御データ停止信号を出力する制御データ処理回路と、
前記制御データ停止信号が、前記制御データの更新が停止されたことを表す場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引きすることを指示する間引き指示信号を生成する間引き指示信号生成回路と、
前記間引き指示信号が前記間引きすることを指示する場合、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引いて間引き画像データとして出力するフレーム間引きコントローラとを備える画像処理装置。
さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に、前記間引きの終了を指示する切り換え開始信号を出力するセレクタコントローラを備え、
前記間引き指示信号生成回路は、前記切り換え開始信号が前記間引きの終了を指示する場合に、前記間引きをしないことを指示する前記間引き指示信号を生成し、
前記フレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きをしないことを指示する場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データを間引かずに出力する請求項1に記載の画像処理装置。
前記信号抽出回路は、さらに、前記画像データの中から前記部分データを判別する部分データ判別信号、および、前記記憶データを前記部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、前記受信データの中から抽出し、
前記メモリコントローラは、さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記部分データ判別信号に基づいて、前記画像データの中から前記部分データを判別し、前記画像メモリに記憶された記憶データのうち、前記部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを前記部分データに書き換える制御を行う請求項3に記載の画像処理装置。
自己リフレッシュによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを記憶データとして画像メモリに記憶しておき、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記記憶データの一部を部分データに更新し、かつ、前記画像メモリから読み出された1フレーム分の記憶データを用いて画像の表示を自己リフレッシュする画像処理装置であって、
前記1フレーム分の画像データを前記画像メモリに順次書き込み、前記記憶データの一部を前記部分データに書き換え、かつ、前記画像メモリから前記1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行うメモリおよびフレーム間引きコントローラと、
ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データを、前記制御データが前記ソース側デバイスから前記シンク側デバイスへ定期的に送信されてくる毎に更新して保持する制御データ保持回路と、
前記制御データ保持回路に保持された制御データが一定期間更新されていないことを検出した場合に、前記制御データの更新が停止されたことを表す制御データ停止信号を出力する制御データ処理回路と、
前記制御データ停止信号が、前記制御データの更新が停止されたことを表す場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引きすることを指示する間引き指示信号を生成する間引き指示信号生成回路とを備え、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きすることを指示する場合、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に前記間引きされた後のフレームの記憶データだけを前記画像メモリから読み出して間引き画像データとして出力する画像処理装置。
さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に、前記間引きの終了を指示する切り換え開始信号を出力するセレクタコントローラを備え、
前記間引き指示信号生成回路は、前記切り換え開始信号が前記間引きの終了を指示する場合に、前記間引きをしないことを指示する前記間引き指示信号を生成し、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きをしないことを指示する場合に、前記記憶データを間引かずに前記画像メモリから読み出す請求項5に記載の画像処理装置。
前記信号抽出回路は、さらに、前記画像データの中から前記部分データを判別する部分データ判別信号、および、前記記憶データを前記部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、前記受信データの中から抽出し、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記部分データ判別信号に基づいて、前記画像データの中から前記部分データを判別し、前記画像メモリに記憶された記憶データのうち、前記部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを前記部分データに書き換える制御を行う請求項7に記載の画像処理装置。
前記間引き指示信号生成回路は、前記間引き指示信号として、1フレーム分の前記記憶データを出力した後、前記記憶データを出力しないフレーム数を指示する信号を生成する請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【背景技術】
【0002】
eDP(embedded DisplayPort:エンベデッドディスプレイポート)等の画像インタフェイス規格を採用する画像表示装置において用いられる画像処理装置では、静止画を表示する場合に、ソース側デバイスとの間で通信を行うことなく、静止画の1フレーム(1画面)分の画像データを、シンク側デバイスの画像メモリに記憶しておき、画像メモリに記憶された画像データを用いて画面の表示を自己リフレッシュするPSRという機能が実用化されている。
【0003】
PSRによる画像の表示期間中は、ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の通信を減らすことができるため、低消費電力化の効果がある。
【0004】
また、eDPの規格には、PSRによる画像の表示期間中に、ソース側デバイスが画像全体のうちの更新する矩形領域のみの画像データを送信し直して選択アップデートを行う、PSR2(Panel Self Refresh 2:パネルセルフリフレッシュ2)という機能がある。
【0005】
PSR2を利用すると、PSRによる画像の表示期間中に、画像メモリに記憶された画像データの一部が選択的に更新されるため、部分的に動画を表示することができる。
【0006】
また、他の低消費電力化の機能として、画像処理装置には、静止画の表示の時に液晶パネルにおける画像のリフレッシュレートを動画の表示の時よりも減少させる機能がある。リフレッシュレートを減少させるのを静止画の表示の時に限定するのは、リフレッシュレートを動画の表示の時に減少させると、動画の表示がカクカクしてスムーズではなくなるからである。
【0007】
以下、PSRおよびPSR2による画像の表示を行う際の従来の画像処理装置の動作を説明する。
【0008】
図6は、PSRによる静止画の表示を行う際の従来の画像処理装置の動作を表す一例のタイミングチャートである。
図6のタイミングチャートに示すように、動画を表示する通常動作期間中、ソース側デバイスからシンク側デバイスへ1フレーム毎に送信されてくる画像データに対応する動画が表示パネルに表示される。
【0009】
続いて、PSRによる静止画の表示を開始(PSR Activeの開始)する際に、1フレーム分の画像データがキャプチャされて画像メモリに記憶される。PSRによる静止画の表示を開始するフレームでは、ソース側デバイスからシンク側デバイスへ送信されてくる画像データに対応する画像が表示パネルに表示される。PSRによる静止画の表示期間中(PSR Activeの期間中)における次のフレームからは、画像メモリから読み出された画像データに対応する静止画が表示パネルに表示される。
【0010】
PSRによる画像の表示が終了(PSR Activeの終了)すると、再び動画を表示する通常動作期間となり、ソース側デバイスからシンク側デバイスへ1フレーム毎に送信されてくる画像データに対応する動画が表示パネルに表示される。
【0011】
続いて、
図7は、PSR2による動画の表示を行う際の従来の画像処理装置の動作を表す一例のタイミングチャートである。
図7のタイミングチャートに示すように、PSRによる静止画の表示期間中(PSR Activeの期間中)に、PSR2による動画の表示を行う場合、PSR2による画像の表示用の画像データである部分データがソース側デバイスからシンク側デバイスへ送信され、画像メモリに記憶された画像データの一部が部分データに更新される。これにより、更新された画像データに対応する動画が表示パネルに表示される。
【0012】
従来の静止画表示のみを行うPSRでは、PSR状態が活性化された段階で静止画と判断し、液晶パネルのリフレッシュレートを減少させることができた。一方で部分的な画像データの更新により、動画表示が可能なPSR2においては、PSR状態が活性化された段階では静止画を表示しているのか動画を表示しているのかを判断することが出来ない。このため別の方法で静止画なのか動画なのかを判断する必要がある。
【0013】
例えば、特許文献1に記載された技術を利用し、現在フレームおよび過去フレームの画像データの内容を比較して動きを検出することによって静止画なのか動画なのかを判断することは可能である。
【0014】
図8は、従来の画像処理装置の構成を表す一例のブロック図である。
図8に示す画像処理装置60は、シンク側デバイス62と、複数フレーム分の画像データを記憶する画像メモリ64とを備えている。
【0015】
また、シンク側デバイス62は、入力IF回路68と、シリアルパラレル変換回路70と、画像データ抽出回路72と、PSR信号抽出回路74と、メモリコントローラ76と、入出力IF回路78と、静止画検出回路84と、フレーム間引きコントローラ86と、セレクタコントローラ88と、出力画像セレクタ90とを備えている。
【0016】
画像メモリ64は、PSRによる画像の表示を開始する際に、メモリコントローラ76の制御により、受信した画像データを現在フレームおよび過去フレームの記憶データとして記憶し、差分から静止画か動画を判断する。
【0017】
シンク側デバイス62において、入力IF回路68は、ソース側デバイス66から送信されてくるシリアルデータの送信データを受信し、シリアルデータの受信データとして出力する。
【0018】
続いて、シリアルパラレル変換回路70は、シリアルデータの受信データをパラレルデータに変換してパラレルデータの受信データを出力する。
【0019】
続いて、画像データ抽出回路72は、パラレルデータの受信データの中から画像データを抽出する。
【0020】
続いて、PSR信号抽出回路74は、PSRによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号、画像データの中から部分データを判別する部分データ判別信号、および、画像メモリ64に記憶された記憶データを部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、パラレルデータの受信データの中から抽出する。
【0021】
続いて、メモリコントローラ76は、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間であることを表す場合、PSRによる画像の表示を開始する際に、受信した画像データを画像メモリ64に順次書き込む制御を行う。
また、メモリコントローラ76は、PSRによる画像の表示期間中に、部分データ判別信号に基づいて、画像データの中から部分データを判別し、画像メモリ64に記憶された現在フレームの記憶データのうち、部分データ座標信号に対応する座標の現在フレームの記憶データを部分データに書き換え、かつ、画像メモリ64から現在フレームおよび過去フレームの記憶データを順次読み出す制御を行う。
【0022】
続いて、入出力IF回路78は、ソース側デバイス66およびシンク側デバイス62の動作を制御するための制御データをソース側デバイス66とシンク側デバイス62との間で補助チャネルを介して双方向に送受信する。
【0023】
続いて、静止画検出回路84は、PSRによる画像の表示期間中に、メモリコントローラ76の制御により画像メモリ64から読み出された現在フレームおよび過去フレームの記憶データの内容を比較して動きを検出し、その検出結果となる検出信号を出力する。静止画検出回路84は、動きが検出されない場合に静止画であることを表す検出信号を出力し、動きが検出された場合に動画であることを表す検出信号を出力する。
【0024】
続いて、フレーム間引きコントローラ86は、検出信号が静止画であることを表す場合に、PSRによる画像の表示期間中に画像メモリ64から読み出された現在フレームの記憶データをフレーム単位で間引いて間引き画像データとして出力する。また、フレーム間引きコントローラ86は、検出信号が動画であることを表す場合に、画像メモリ64から読み出された現在フレームの記憶データを間引かずに出力する。
【0025】
続いて、セレクタコントローラ88は、表示期間判別信号に基づいて、画像データまたは間引き画像データを選択する選択信号を出力する。セレクタコントローラ88は、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間ではないことを表す場合に画像データを選択し、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間であることを表す場合に間引き画像データを選択する選択信号を出力する。
【0026】
続いて、出力画像セレクタ90は、選択信号に基づいて、画像データまたは間引き画像データを出力画像データとして出力する。
【0027】
しかし、現在フレームおよび過去フレームの画像データの内容を比較して動きを検出する場合、複数フレーム分の画像メモリが必要になるなど大規模な回路が必要となる。また、画像データの通信の有無によって静止画なのか動画なのかを判断することもできるが、画像データの通信は、動画の表示の時も更新データがない部分およびブランキング期間等において頻繁に切断が行われるため、静止画なのか動画なのかを判断するのには不向きである。
【0028】
本発明に関連性のある先行技術文献として、例えば、特許文献2ないし6がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の目的は、自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、画像メモリに記憶された記憶データの一部を更新する場合であっても、リフレッシュレートを減少させることができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的を達成するために、本発明は、自己リフレッシュによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを記憶データとして画像メモリに記憶しておき、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記記憶データの一部を部分データに更新し、かつ、前記画像メモリから読み出された1フレーム分の記憶データを用いて画像の表示を自己リフレッシュする画像処理装置であって、
前記1フレーム分の画像データを前記画像メモリに順次書き込み、前記記憶データの一部を前記部分データに書き換え、かつ、前記画像メモリから前記1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行うメモリコントローラと、
ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データを、前記制御データが前記ソース側デバイスから前記シンク側デバイスへ定期的に送信されてくる毎に更新して保持する制御データ保持回路と、
前記制御データ保持回路に保持された制御データが一定期間更新されていないことを検出した場合に、前記制御データの更新が停止されたことを表す制御データ停止信号を出力する制御データ処理回路と、
前記制御データ停止信号が、前記制御データの更新が停止されたことを表す場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引きすることを指示する間引き指示信号を生成する間引き指示信号生成回路と、
前記間引き指示信号が前記間引きすることを指示する場合、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引いて間引き画像データとして出力するフレーム間引きコントローラとを備える画像処理装置を提供する。
【0032】
さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に、前記間引きの終了を指示する切り換え開始信号を出力するセレクタコントローラを備え、
前記間引き指示信号生成回路は、前記切り換え開始信号が前記間引きの終了を指示する場合に、前記間引きをしないことを指示する前記間引き指示信号を生成し、
前記フレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きをしないことを指示する場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データを間引かずに出力することが好ましい。
【0033】
さらに、前記ソース側デバイスから送信され、前記シンク側デバイスにおいて受信された受信データの中から前記画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記受信データの中から前記表示期間判別信号を抽出する信号抽出回路とを備え、
前記セレクタコントローラは、さらに、前記表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に前記画像データを選択し、前記表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間であることを表す場合に前記間引き画像データを選択する選択信号を出力し、
さらに、前記選択信号に基づいて、前記画像データまたは前記間引き画像データを出力画像データとして出力する出力画像セレクタを備えることが好ましい。
【0034】
前記信号抽出回路は、さらに、前記画像データの中から前記部分データを判別する部分データ判別信号、および、前記記憶データを前記部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、前記受信データの中から抽出し、
前記メモリコントローラは、さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記部分データ判別信号に基づいて、前記画像データの中から前記部分データを判別し、前記画像メモリに記憶された記憶データのうち、前記部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを前記部分データに書き換える制御を行うことが好ましい。
【0035】
また、本発明は、自己リフレッシュによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを記憶データとして画像メモリに記憶しておき、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記記憶データの一部を部分データに更新し、かつ、前記画像メモリから読み出された1フレーム分の記憶データを用いて画像の表示を自己リフレッシュする画像処理装置であって、
前記1フレーム分の画像データを前記画像メモリに順次書き込み、前記記憶データの一部を前記部分データに書き換え、かつ、前記画像メモリから前記1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行うメモリおよびフレーム間引きコントローラと、
ソース側デバイスとシンク側デバイスとの間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データを、前記制御データが前記ソース側デバイスから前記シンク側デバイスへ定期的に送信されてくる毎に更新して保持する制御データ保持回路と、
前記制御データ保持回路に保持された制御データが一定期間更新されていないことを検出した場合に、前記制御データの更新が停止されたことを表す制御データ停止信号を出力する制御データ処理回路と、
前記制御データ停止信号が、前記制御データの更新が停止されたことを表す場合に、前記画像メモリから読み出された記憶データをフレーム単位で間引きすることを指示する間引き指示信号を生成する間引き指示信号生成回路とを備え、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きすることを指示する場合、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に前記間引きされた後のフレームの記憶データだけを前記画像メモリから読み出して間引き画像データとして出力する画像処理装置を提供する。
【0036】
さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に、前記間引きの終了を指示する切り換え開始信号を出力するセレクタコントローラを備え、
前記間引き指示信号生成回路は、前記切り換え開始信号が前記間引きの終了を指示する場合に、前記間引きをしないことを指示する前記間引き指示信号を生成し、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、前記間引き指示信号が前記間引きをしないことを指示する場合に、前記記憶データを間引かずに前記画像メモリから読み出すことが好ましい。
【0037】
さらに、前記ソース側デバイスから送信され、前記シンク側デバイスにおいて受信された受信データの中から前記画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記受信データの中から前記表示期間判別信号を抽出する信号抽出回路とを備え、
前記セレクタコントローラは、さらに、前記表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間ではないことを表す場合に前記画像データを選択し、前記表示期間判別信号が前記自己リフレッシュによる画像の表示期間であることを表す場合に前記間引き画像データを選択する選択信号を出力し、
さらに、前記選択信号に基づいて、前記画像データまたは前記間引き画像データを出力画像データとして出力する出力画像セレクタを備えることが好ましい。
【0038】
前記信号抽出回路は、さらに、前記画像データの中から前記部分データを判別する部分データ判別信号、および、前記記憶データを前記部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、前記受信データの中から抽出し、
前記メモリおよびフレーム間引きコントローラは、さらに、前記自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、前記部分データ判別信号に基づいて、前記画像データの中から前記部分データを判別し、前記画像メモリに記憶された記憶データのうち、前記部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを前記部分データに書き換える制御を行うことが好ましい。
【0039】
また、前記間引き指示信号生成回路は、前記間引き指示信号として、1フレーム分の前記記憶データを出力した後、前記記憶データを出力しないフレーム数を指示する信号を生成することが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、制御データが一定期間更新されていないことから、自己リフレッシュによる静止画の表示期間中であることを判定し、画像データをフレーム単位で間引くことができる。そのため、自己リフレッシュによる静止画の表示期間中に、動画の表示を行う場合であっても、複数フレームの画像データを記憶する画像メモリ等の大規模な回路を用いることなく、液晶パネルのリフレッシュレートを下げて消費電力を低減することができる。
【0041】
また、本発明によれば、間引きされた後のフレームの記憶データだけを画像メモリから読み出すことができる。そのため、自己リフレッシュによる画像の表示期間中に、画像データをフレーム単位で間引く場合に、その分の消費電力を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の画像処理装置を詳細に説明する。
【0044】
図1は、本発明に係る画像処理装置の構成を表す第1の実施形態のブロック図である。
図1に示す画像処理装置10は、PSRおよびPSR2を利用して、画像データに対応する画像(静止画および動画)を液晶パネル等の画像表示装置に表示するものであり、液晶パネルにおける画像の表示タイミングを制御するタイミングコントローラであるシンク側デバイス12と、画像メモリ14とを備えている。
【0045】
また、シンク側デバイス12は、入力IF回路18と、シリアルパラレル変換回路20と、画像データ抽出回路22と、PSR信号抽出回路24と、メモリコントローラ26と、入出力IF回路28と、制御データ保持回路30と、GTC処理回路32と、間引き指示信号生成回路34と、フレーム間引きコントローラ36と、セレクタコントローラ38と、出力画像セレクタ40とを備えている。
【0046】
シンク側デバイス12は、メインリンクおよび補助チャネルを介してソース側デバイス16と接続されている。ソース側デバイス16およびシンク側デバイス12は、eDPの規格における画像データの送信側および受信側のデバイスである。
【0047】
メインリンクは、画像データおよびPSRによる画像の表示を制御するための制御信号等をソース側デバイス16からシンク側デバイス12へパケット化されたシリアルデータとして送信するためのチャネルである。補助チャネルは、ソース側デバイス16およびシンク側デバイス12の動作を制御するための制御データを両者の間で双方向にパケット化されたシリアルデータとして送受信するためのチャネルである。
【0048】
画像処理装置10は、液晶パネル等において、自己リフレッシュによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを記憶データとして画像メモリ14に記憶しておき、自己リフレッシュによる画像(静止画)の表示期間中に、画像メモリ14に記憶された記憶データの一部を部分データに更新し、かつ、画像メモリ14から読み出された1フレーム分の記憶データを用いて画像の表示を自己リフレッシュする。
【0049】
画像メモリ14は、メモリコントローラ26と双方向に接続されている。
画像メモリ14は、PSRによる画像の表示を開始する際に、メモリコントローラ26の制御により、1フレーム分の画像データを記憶データとして記憶する。
【0050】
シンク側デバイス12において、入力IF回路18は、メインリンクを介してソース側デバイス16と接続されている。
入力IF回路18は、ソース側デバイス16から送信されてくるシリアルデータの送信データを受信し、シリアルデータの受信データとして出力する。
【0051】
続いて、シリアルパラレル変換回路20には、入力IF回路18からシリアルデータの受信データが入力される。
シリアルパラレル変換回路20は、シリアルデータの受信データをパラレルデータに変換してパラレルデータの受信データを出力する。
【0052】
続いて、画像データ抽出回路22には、シリアルパラレル変換回路20からパラレルデータの受信データが入力される。
画像データ抽出回路22は、パラレルデータの受信データの中から画像データを抽出する。
【0053】
続いて、PSR信号抽出回路(本発明の信号抽出回路)24には、シリアルパラレル変換回路20からパラレルデータの受信データが入力される。
PSR信号抽出回路24は、PSRによる画像の表示期間を判別する表示期間判別信号、画像データの中から部分データを判別する部分データ判別信号、および、画像メモリ14に記憶された記憶データを部分データに更新する座標を指定する部分データ座標信号を、パラレルデータの受信データの中から抽出する。
【0054】
続いて、メモリコントローラ26には、画像データ抽出回路22から画像データが入力され、PSR信号抽出回路24から表示期間判別信号、部分データ判別信号および部分データ座標信号が入力される。また、メモリコントローラ26は、画像メモリ14と双方向に接続されている。
メモリコントローラ26は、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間であることを表す場合、PSRによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを画像メモリ14に順次書き込む制御を行う。
また、メモリコントローラ26は、PSRによる画像の表示期間中に、部分データ判別信号に基づいて、画像データの中から部分データを判別し、画像メモリ14に記憶された1フレームの記憶データのうち、部分データ座標信号に対応する座標の記憶データ、つまり、一部の記憶データを部分データに書き換え、かつ、画像メモリ14から1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行う。
【0055】
続いて、入出力IF回路28は、補助チャネルを介してソース側デバイス16と双方向に接続されている。
入出力IF回路28は、制御データをソース側デバイス16とシンク側デバイス12との間で補助チャネルを介して双方向に送受信する。
入出力IF回路28は、本実施形態の場合、ソース側デバイス16から送信されてくる制御データとして、ソース側デバイスのGTC(Global Time Code:グローバルタイムコード)(Tx GTC)を受信する。
【0056】
ソース側デバイス16およびシンク側デバイス12は、両者の間の動作タイミングを合わせる(同期を取る)ためのタイムコードを生成するタイムコード生成回路を備えている。Tx GTCは、ソース側デバイス16とシンク側デバイス12との間の動作タイミングを合わせるために使用する制御データであり、ソース側デバイスのタイムコード生成回路によって生成されたタイムコードを持つ。Tx GTCは、ソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ画像データが送信される期間において、ソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ定期的に、例えば、1フレーム毎に1回ずつ送信される。
【0057】
続いて、制御データ保持回路30は、入出力IF回路28およびGTC処理回路32と双方向に接続されている。制御データ保持回路30には、入出力IF回路28からTx GTC等の制御データが入力され、GTC処理回路32からシンク側デバイスのGTC(Rx GTC)が入力される。
制御データ保持回路30は、Tx GTCおよびRx GTC等の制御データを保持する。制御データ保持回路30に保持されたTx GTCは、ソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ画像データが送信される期間において、1フレーム毎に1回ずつ、ソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ定期的に送信されてくる毎に更新して保持される。
【0058】
制御データ保持回路30は、eDPの規格において、DPCD (DisplayPort Configuration Data)のレジスタ等としてあらかじめ用意されているものを利用することができる。
【0059】
続いて、GTC処理回路(本発明の制御データ処理回路)32は、制御データ保持回路30と双方向に接続されている。
GTC処理回路32は、制御データ保持回路30に保持されたTx GTCが定期的に更新されていることを検出した場合に、Tx GTCが定期的に更新されていることを表すTx GTC停止信号(本発明の制御データ停止信号)として、ハイレベルのパルスは出力せず、制御データ保持回路30に保持されたTx GTCが一定期間更新されていない、つまり、1フレーム毎に1回ずつ、定期的に送信されてくる毎に更新されるTx GTCが、1フレームの期間を超える一定期間更新されていないことを検出した場合に、Tx GTCの更新が停止されたことを表すTx GTC停止信号として、ハイレベルのパルスを出力する。
また、GTC処理回路32は、定期的に、例えば、1フレーム毎に1回ずつ、Rx GTCを制御データ保持回路30に書き込む。つまり、制御データ保持回路30に保持されたRx GTCは、GTC処理回路32によって書き込まれる毎に更新して保持される。制御データ保持回路30に保持されたRx GTCは、ソース側デバイス16によって参照される。
【0060】
続いて、間引き指示信号生成回路34には、GTC処理回路32からTx GTC停止信号が入力され、セレクタコントローラ38から切り換え開始信号が入力される。
間引き指示信号生成回路34は、Tx GTC停止信号が、Tx GTCの更新が停止されたことを表す場合、即ちハイレベルのパルスが出力された場合に、画像メモリ14から読み出された記憶データをフレーム単位で間引きすることを指示する間引き指示信号を生成し、かつ、切り換え開始信号が、間引きの終了を指示する場合、即ちハイレベルのパルスを出力する場合に、間引きをしないことを指示する間引き指示信号を生成する。
【0061】
間引き指示信号生成回路34は、間引き指示信号として、例えば、1フレーム分の記憶データを出力した後、記憶データを出力しないフレーム数を指示する信号を生成する。通常、60Hzのリフレッシュレートの場合、例えば、1フレーム分の記憶データを出力した後、1フレーム分の記憶データを出力しない場合、リフレッシュレートは30Hzとなる。
【0062】
続いて、フレーム間引きコントローラ36には、間引き指示信号生成回路34から間引き指示信号が入力され、メモリコントローラ26から記憶データが入力される。
フレーム間引きコントローラ36は、間引き指示信号が間引きすることを指示する場合、PSRによる画像の表示期間中に画像メモリ14から読み出された記憶データをフレーム単位で間引いて間引き画像データとして出力し、間引き指示信号が間引きをしないことを指示する場合に、画像メモリ14から読み出された記憶データを間引かずに出力する。
【0063】
続いて、セレクタコントローラ38には、PSR信号抽出回路24から表示期間判別信号が入力される。
セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号に基づいて、画像データまたは間引き画像データを選択する選択信号、および、間引きの終了を指示する切り換え開始信号、即ちハイレベルのパルスを出力する。
【0064】
セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間ではないことを表す場合に画像データを選択し、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間であることを表す場合に間引き画像データを選択する選択信号を出力する。また、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間ではないことを表す場合に、間引きの終了を指示する切り換え開始信号、即ちハイレベルのパルスを出力する。
【0065】
続いて、出力画像セレクタ40には、画像データ抽出回路22から画像データが入力され、フレーム間引きコントローラ36から間引き画像データが入力され、セレクタコントローラ38から選択信号が入力される。
出力画像セレクタ40は、選択信号に基づいて、画像データまたは間引き画像データを出力画像データとして出力する。
【0066】
次に、画像処理装置10の動作を説明する。
まず、
図2のタイミングチャートを参照して、PSRによる画像の表示期間中にフレームの間引きを行う場合の画像処理装置10の動作を説明する。
【0067】
図2のタイミングチャートに示すように、動画を表示する通常動作期間中、画像データおよび制御信号等を含む画像フレームがソース側デバイス16からシンク側デバイス12へシリアルデータの送信データとして1フレーム毎に送信される。
【0068】
通常動作期間中の各フレームにおいて、入力IF回路18は、ソース側デバイス16から送信されてくるシリアルデータの送信データを受信し、シリアルデータの受信データとして出力する。
【0069】
続いて、シリアルパラレル変換回路20は、シリアルデータの受信データをパラレルデータに変換してパラレルデータの受信データを出力する。
【0070】
続いて、画像データ抽出回路22は、パラレルデータの受信データの中から画像データを抽出する。また、PSR信号抽出回路24は、パラレルデータの受信データの中から、表示期間判別信号、部分データ判別信号および部分データ座標信号を抽出する。PSR信号抽出回路24は、本実施形態の場合、通常動作期間中において、表示期間判別信号として、ローレベルを出力する。
【0071】
メモリコントローラ26は、表示期間判別信号がローレベルの場合には動作しない。つまり、画像メモリ14への画像データの書き込みも、画像メモリ14から記憶データの読み出しも行わない。
【0072】
また、通常動作期間中において、制御データとして、Tx GTCがソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ1フレーム毎に送信される。
【0073】
入出力IF回路28は、ソース側デバイス16から送信されてくるTx GTCを受信する。Tx GTCは、制御データ保持回路30に保持される。
【0074】
続いて、GTC処理回路32は、Tx GTCが定期的に更新されていることを検出し、Tx GTC停止信号として、ハイレベルのパルスは出力しない。
また、セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がローレベルの場合、選択信号として、ローレベルを出力し、切り換え開始信号として、ハイレベルのパルスは出力しない。
【0075】
続いて、間引き指示信号生成回路34は、Tx GTC停止信号および切り換え開始信号がハイレベルのパルスを出力しない場合、間引き指示信号として、ローレベルを出力する。
【0076】
通常動作期間中は、前述のように、メモリコントローラ26が動作しないため、フレーム間引きコントローラ36も動作しない。
【0077】
続いて、出力画像セレクタ40は、選択信号がローレベルの場合、画像データ抽出回路22から入力された画像データを出力画像データとして出力する。
【0078】
このように、通常動作期間中は、ソース側デバイス16から送信されてくる画像データが出力画像データとして出力される。
【0079】
続いて、PSRによる画像の表示を開始する際に、PSR信号抽出回路24は、表示期間判別信号として、ハイレベルを出力する。
【0080】
メモリコントローラ26は、表示期間判別信号がハイレベルになると、画像データ抽出回路22から入力される1フレーム分の画像データを画像メモリ14に順次書き込む。これにより、1フレーム分の画像データがキャプチャされて画像メモリ14に記憶される。
【0081】
出力画像セレクタ40は、選択信号がローレベルであることから、PSRによる画像の表示を開始するフレームにおいて、画像データ抽出回路22から入力された画像データを出力画像データとして出力する。
【0082】
続いて、PSRによる画像の表示期間中、ソース側デバイス16は、画像データおよび制御信号等を含む画像フレームの送信を停止する。
【0083】
PSRによる画像の表示期間中、メモリコントローラ26は、画像メモリ14から1フレーム分の記憶データを順次読み出す。
【0084】
続いて、フレーム間引きコントローラ36は、間引き指示信号がローレベルであることから、メモリコントローラ26の制御により画像メモリ14から読み出された記憶データを間引かずに間引き画像データとして出力する。
【0085】
セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がハイレベルになると、その次のフレームにおいて、選択信号として、ハイレベルを出力する。
【0086】
続いて、出力画像セレクタ40は、選択信号がハイレベルになると、間引き画像データを出力画像データとして出力する。
【0087】
このように、PSRによる画像の表示期間中は、画像メモリ14から読み出された記憶データに対応する静止画が表示パネルに表示される。
【0088】
ソース側デバイス16は、一定期間、画像メモリ14に記憶された記憶データを部分データに更新する必要がなくなった場合、完全な休止状態に入り、Tx GTCの送信を停止する。
【0089】
ソース側デバイス16からシンク側デバイス12へ定期的に送信されてくるTx GTCの送信が停止されている期間、ソース側デバイス16は休止状態にあるため、ソース側デバイス16とシンク側デバイス12との間の動作タイミングを合わせる必要はない。両者の間の動作タイミングは、ソース側デバイス16が休止状態から復帰し、PSRによる画像の表示期間が終了して通常動作に戻った後に合わせられる。
【0090】
Tx GTCの更新が停止されると、GTC処理回路32は、Tx GTCが一定期間更新されていないことを検出し、Tx GTC停止信号として、ハイレベルのパルスを出力する。
【0091】
続いて、間引き指示信号生成回路34は、Tx GTC停止信号としてハイレベルのパルスが出力されると、間引き指示信号として、ハイレベルを出力する。
【0092】
続いて、フレーム間引きコントローラ36は、間引き指示信号がハイレベルになると、本実施形態の場合、メモリコントローラ26の制御により画像メモリ14から読み出された記憶データを2フレーム毎に1フレームずつ間引いて間引き画像データとして出力する。
【0093】
続いて、出力画像セレクタ40は、選択信号がハイレベルであることから、間引き画像データを出力画像データとして出力する。
【0094】
このように、画像処理装置10は、Tx GTCが一定期間更新されていないことから、PSRによる静止画の表示期間中であることを判定し、画像データをフレーム単位で間引くことができる。そのため、PSRによる静止画の表示期間中に、PSR2による動画の表示を行う場合であっても、複数フレームの画像データを記憶する画像メモリ等の大規模な回路を用いることなく、液晶パネルのリフレッシュレートを下げて消費電力を低減することができる。
【0095】
続いて、PSRによる画像の表示を終了する場合、画像データおよび制御信号等の送信が再開される。また、PSR信号抽出回路24は、表示期間判別信号として、ローレベルを出力する。
【0096】
続いて、セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がローレベルになると、切り換え開始信号として、ハイレベルのパルスを、間引き指示信号生成回路34に出力する。
【0097】
続いて、間引き指示信号生成回路34は、切り換え開始信号としてハイレベルのパルスが出力されると、間引き指示信号として、ローレベルを出力する。
【0098】
続いて、フレーム間引きコントローラ36は、間引き指示信号がローレベルになると、メモリコントローラ26の制御により画像メモリ14から読み出された記憶データをフレーム単位で間引かずに間引き画像データとして出力する。
これにより、記憶データの間引きが終了し、液晶パネルのリフレッシュレートの減少は停止され、元のリフレッシュレートに戻る。
【0099】
続いて、出力画像セレクタ40は、選択信号がハイレベルであることから、間引き画像データを出力画像データとして出力する。
【0100】
また、セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がローレベルになると、その次のフレームにおいて、選択信号として、ローレベルを出力する。
【0101】
続いて、出力画像セレクタ40は、選択信号がローレベルになると、画像データ抽出回路22から入力された画像データを出力画像データとして出力する。
【0102】
次に、
図3のタイミングチャートを参照して、PSRによる静止画の表示期間中に、PSR2による動画を表示する場合の画像処理装置10の動作を説明する。
【0103】
図2のタイミングチャートにおいては省略しているが、
図3のタイミングチャートに示すように、PSRによる画像の表示を開始する際には、ソース側デバイスからシンク側デバイスにPSRによる画像の表示の開始を指示する制御信号(PSR開始)が送信される。
【0104】
PSR信号抽出回路24は、PSRによる画像の表示の開始を指示する制御信号(PSR開始)が受信されると、前述のように、表示期間判別信号として、ハイレベルを出力する。これ以後、PSRによる画像の表示期間となるまでの動作は、
図2の場合と同様である。
【0105】
続いて、PSRによる静止画の表示期間中に、PSR2による動画を表示する場合、ソース側デバイスからシンク側デバイスに画像データの選択アップデートの開始を指示する制御信号(PSR2開始)が送信される。
【0106】
続いて、PSR信号抽出回路24は、選択アップデートの開始を指示する制御信号が受信されると、選択アップデートの開始を表す部分データ判別信号として、ハイレベルのパルスを出力する。
【0107】
続いて、ソース側デバイスからシンク側デバイスに部分データおよび部分データ座標信号が送信される。
【0108】
続いて、PSR信号抽出回路24は、パラレルデータの受信データの中から部分データ座標信号を抽出する。
【0109】
続いて、メモリコントローラ26は、選択アップデートの開始を表す、ハイレベルのパルスである、部分データ判別信号に基づいて、画像データの中から部分データを判別し、画像メモリ14に記憶された1フレームの記憶データのうち、部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを部分データに書き換える。
図3のタイミングチャートに示すように、更新された記憶データは、次のフレームにおいて画像メモリ14から出力され、その結果、部分動画が表示される。
【0110】
続いて、PSR2による動画の表示を終了する場合、ソース側デバイスからシンク側デバイスに画像データの選択アップデートの終了を指示する制御信号(PSR2終了)が送信される。
【0111】
続いて、PSR信号抽出回路24は、選択アップデートの終了を指示する制御信号が受信されると、選択アップデートの終了を表す部分データ判別信号として、ハイレベルのパルスを出力する。
【0112】
続いて、メモリコントローラ26は、選択アップデートの終了を表す、ハイレベルのパルスである、部分データ判別信号に基づいて、部分データへの書き換えを終了する。
【0113】
続いて、PSRによる画像の表示を終了する際には、ソース側デバイスからシンク側デバイスにPSRによる画像の表示の終了を指示する制御信号(PSR終了)が送信される。
【0114】
PSR信号抽出回路24は、PSRによる画像の表示の終了を指示する制御信号が受信されると、前述のように、表示期間判別信号として、ローレベルを出力する。これ以後、通常動作に戻るまでの動作は、
図2の場合と同様である。
【0115】
次に、
図4のタイミングチャートを参照して、PSR2による動画の表示の後にフレームの間引きを行う場合の画像処理装置10の動作を説明する。
【0116】
図4のタイミングチャートにおいて、画像メモリ14に記憶された記憶データが部分データに書き換えられ、次のフレームにおいて画像メモリ14から更新された記憶データが出力される(画像フレーム(1)〜(4))までの動作は、
図3の場合と同様である。
【0117】
続いて、一定期間、記憶データを部分データに更新する必要がない場合、Tx GTCの送信が停止される。
【0118】
Tx GTCの更新が停止されると、GTC処理回路32は、前述のように、Tx GTC停止信号として、ハイレベルのパルスを出力する。これ以後、画像データをフレーム単位で間引いて出力する(画像フレーム(6)〜(9))までの動作は、
図2の場合と同様である。
【0119】
続いて、PSRによる画像の表示を終了する際には、ソース側デバイスからシンク側デバイスにPSRによる画像の表示の終了を指示する制御信号(PSR終了)が送信される。
【0120】
PSR信号抽出回路24は、PSRによる画像の表示の終了を指示する制御信号が受信されると、前述のように、表示期間判別信号として、ローレベルを出力する。
【0121】
続いて、セレクタコントローラ38は、表示期間判別信号がローレベルになると、切り換え開始信号として、ハイレベルのパルスを出力する。
【0122】
続いて、間引き指示信号生成回路34は、切り換え開始信号としてハイレベルのパルスが出力されると、間引き指示信号として、ローレベルを出力する。これ以後、通常動作に戻るまでの動作は、
図3の場合と同様である。
【0123】
なお、各信号の極性、信号がレベルなのかパルスなのか等は実施形態のものに限らず、適宜変更してもよい。
【0124】
次に、
図5は、本発明に係る画像処理装置の構成を表す第2の実施形態のブロック図である。
図5に示す画像処理装置50は、シンク側デバイス52と、画像メモリ14とを備えている。
【0125】
また、シンク側デバイス52は、入力IF回路18と、シリアルパラレル変換回路20と、画像データ抽出回路22と、PSR信号抽出回路24と、入出力IF回路28と、制御データ保持回路30と、GTC処理回路32と、間引き指示信号生成回路34と、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54と、セレクタコントローラ38と、出力画像セレクタ40とを備えている。
【0126】
メモリおよびフレーム間引きコントローラ54以外の構成要素は、
図1に示すものと同じであり、その動作も同様であるから、同一の構成要素に同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0127】
画像メモリ14は、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54と双方向に接続されている。
画像メモリ14は、PSRによる画像の表示を開始する際に、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54の制御により、1フレーム分の画像データを記憶データとして記憶する。
【0128】
シンク側デバイス52において、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54には、画像データ抽出回路22から画像データが入力され、PSR信号抽出回路24から表示期間判別信号、部分データ判別信号および部分データ座標信号が入力され、間引き指示信号生成回路34から間引き指示信号が入力される。また、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、画像メモリ14と双方向に接続されている。
メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、表示期間判別信号がPSRによる画像の表示期間であることを表す場合、PSRによる画像の表示を開始する際に、1フレーム分の画像データを画像メモリ14に順次書き込む制御を行う。
また、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、PSRによる画像の表示期間中に、部分データ判別信号に基づいて、画像データの中から部分データを判別し、画像メモリ14に記憶された1フレームの記憶データのうち、部分データ座標信号に対応する座標の記憶データを部分データに書き換え、かつ、画像メモリ14から1フレーム分の記憶データを順次読み出す制御を行う。
さらに、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、間引き指示信号が間引きすることを指示する場合、PSRによる画像の表示期間中に、間引きされた後のフレームの記憶データだけを画像メモリ14から読み出して間引き画像データとして出力し、間引き指示信号が間引きをしないことを指示する場合に、記憶データを間引かずに画像メモリ14から読み出す。
【0129】
図1に示す画像処理装置10では、フレーム間引きコントローラ36が画像データをフレーム単位で間引く場合であっても、メモリコントローラ26は、PSRによる画像の表示期間中に、画像メモリ14から1フレーム分の記憶データを順次読み出す。言い換えると、メモリコントローラ26は、フレーム間引きコントローラ36によって間引きが行われるフレームの記憶データを画像メモリ14から読み出す。
【0130】
これに対し、
図5に示す画像処理装置50では、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、間引き指示信号に基づいて、間引きされた後のフレームの記憶データだけを画像メモリ14から読み出して間引き画像データとして出力する。言い換えると、メモリおよびフレーム間引きコントローラ54は、間引きされるフレームの記憶データを画像メモリ14から読み出さない。
【0131】
このように、画像処理装置50は、間引きされた後のフレームの記憶データだけを画像メモリ14から読み出すことができる。そのため、PSRによる画像の表示期間中に、画像データをフレーム単位で間引く場合に、その分の消費電力を削減することができる。
【0132】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。