【解決手段】ポリエチレン系樹脂を含み、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが200〜550%であるラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、を有する伸縮性プラスチックラベル。前記ポリエチレン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
ポリエチレン系樹脂を含み、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが200〜550%であるラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、を有する伸縮性プラスチックラベルを準備する第1の工程と、
前記伸縮性プラスチックラベルを前記主熱収縮方向が容器の周方向となるように容器の周囲に外嵌する第2の工程と、
前記伸縮性プラスチックラベルを加熱して収縮させることにより、前記伸縮性プラスチックラベルを前記容器に装着する第3の工程と、を有する、ラベル付き容器の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の伸縮性プラスチックラベルは、ポリエチレン系樹脂を含むラベル基材と、上記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、を少なくとも有する。さらに、上記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層を有していてもよい。本発明の伸縮性プラスチックラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記ラベル基材、上記印刷層、及び上記粘着剤層以外の層(他の層)を含んでいてもよい。
【0021】
[ラベル基材]
本発明の伸縮性プラスチックラベルにおけるラベル基材は、本発明の印刷層の支持体となり、プラスチックラベルの伸縮性、強度、剛性や熱収縮特性に主たる影響を及ぼす。
【0022】
上記ラベル基材は、ポリエチレン系樹脂を少なくとも含み、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみ[JIS K 7161準拠]が200〜550%である。上記ラベル基材の主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみは、好ましくは200〜400%であり、より好ましくは200〜300%である。上記主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが550%以下であることにより、本発明の伸縮性プラスチックラベルは、伸縮性を有しながら、ポリエチレン系樹脂の融点付近であって比較的低温(例えば100〜150℃)で熱収縮してスクイズ容器にも収縮仕上がりがよく装着することができる。このため、例えば、本発明の伸縮性プラスチックラベルは、マヨネーズのように内容物の耐熱性が低く、容器にラベルを装着する際に高温下での加熱による熱収縮を避ける必要があるスクイズ容器や、容器自体の耐熱性が低いポリエチレン系樹脂製容器にも仕上がりよく装着できる。また、例えば容器の上部の口部に比較し、底部が太い径を持ち、底部から上部に向かってなだらかな肩部を有するマヨネーズ容器のように、部位ごとに異なる形態を有する容器に装着する場合でも、各部に皺や剥離の発生を伴うことなく、良好な追従性をもって装着することができる。なお、本明細書において、「主熱収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向である。
【0023】
なお、本明細書において、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみは、JIS K 7127に準拠して試験片を作製し、市販の引張試験機を用いて、チャック間距離:20mm、引張速度200mm/分の条件にて、JIS K 7161に定める引張破壊時呼びひずみ(%)の値を測定することができる。上記引張試験機は、特に限定されないが、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」等が挙げられる。
【0024】
上記ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂を主成分として含む。上記ポリエチレン系樹脂中のポリエチレン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、50重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。上記ポリエチレン系樹脂は、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
【0025】
上記ポリエチレン系樹脂は、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体であり、即ち、分子中(1分子中)にエチレンに由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと1種以上の単量体成分(エチレン以外の単量体成分)を必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン共重合体)等が挙げられる。
【0026】
上記エチレン以外の単量体成分としては、例えば、α−オレフィン;塩化ビニル等のビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等の不飽和無水カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミド又はイミド;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸塩;酢酸ビニル等が挙げられる。上記エチレン以外の単量体成分は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0027】
上記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等の炭素数4〜20のα−オレフィン(好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィン)等が挙げられる。上記α−オレフィンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0028】
上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレンと1種以上のα−オレフィンを必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体);エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸系共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸系共重合体(EMAA)等のエチレン−カルボン酸系共重合体;エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等のエチレン−カルボン酸エステル系共重合体等が挙げられる。
【0029】
上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられ、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂及びこれを含むラベル基材の主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみを200〜550%としやすい観点から、LLDPEが特に好ましい。なお、上記LDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、高圧法により製造される0.850〜0.945g/cm
3程度の低密度のポリエチレンをいう。上記LLDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、中・低圧法により製造され、短鎖分岐を持った0.850〜0.945g/cm
3程度の低密度のポリエチレンをいう。
【0030】
上記ポリエチレン系樹脂(100重量%)中のエチレンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記ポリエチレン系樹脂を構成する全単量体成分(100重量%)中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、80重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であり、その上限は、100重量%、99重量%、98重量%、又は95重量%であってもよい。
【0031】
上記ポリエチレン系樹脂は、中でもエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン、α−オレフィン以外の単量体成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体(100重量%)中のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する全単量体成分(100重量%)中のα−オレフィンの含有量は、特に限定されないが、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。上記エチレン−α−オレフィン共重合体(100重量%)中のエチレンに由来する構成単位の含有量とα−オレフィンに由来する構成単位の含有量の合計、即ち、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する全単量体成分(100重量%)中のエチレンの含有量とα−オレフィンの含有量の合計は、特に限定されないが、90重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは97重量%以上、特に好ましくは98重量%以上である。
【0032】
上記ポリエチレン系樹脂の密度は、特に限定されないが、0.800g/cm
3以上が好ましく、より好ましくは0.850g/cm
3以上、さらに好ましくは0.870g/cm
3以上、特に好ましくは0.890g/cm
3以上である。上記密度の上限は、特に限定されないが、0.950g/cm
3が好ましく、より好ましくは0.935g/cm
3である。また、上記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)は、特に限定されないが、溶融押出適性、生産性の観点から、1〜30g/10分が好ましく、より好ましくは1〜10g/10分である。
【0033】
上記ポリエチレン系樹脂は、特に限定されないが、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリエチレン系樹脂(メタロセン触媒系ポリエチレン系樹脂)が好ましい。上記メタロセン触媒としては、公知乃至慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。上記ポリエチレン系樹脂の重合方法(共重合方法)としては、特に限定されず、スラリー法、溶液重合法、気相法等の公知乃至慣用の重合方法が挙げられる。
【0034】
上記ポリエチレン系樹脂は、熱収縮性、復元性、加工性等を考慮して、適宜選択されるが、特に、ポリエチレン系樹脂として、LLDPE及びエチレン−酢酸ビニル系共重合体を含むことが好ましい。LLDPEを使用することにより、伸縮性に優れたポリエチレン系樹脂とすることができる。またエチレン−酢酸ビニル系共重合体は、LLDPEに柔軟性を付与する可塑剤として機能する。ポリエチレン系樹脂の構成が、上記樹脂を含む結果、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみは、200〜550%の範囲になりやすい。
【0035】
従って、ポリエチレン系樹脂がLLDPEを主成分とする場合、ポリエチレン系樹脂の総重量(100重量%)に対して、90〜98重量%含有することが好ましく、より好ましくは92〜97重量%である。
【0036】
上記ポリエチレン系樹脂中のエチレン−酢酸ビニル系共重合体の含有量は、ラベル基材及びプラスチックラベルが伸縮性を有しかつ主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみを200〜550%としやすい観点から、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂の総重量(100重量%)に対して、2〜10重量%が好ましく、より好ましくは3〜8重量%であり、更に好ましくは4〜8重量%である。
【0037】
上記ラベル基材は単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記ラベル基材は、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途等に応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。
【0038】
上記ラベル基材は、熱収縮性を有する。熱収縮温度(例えば、100〜150℃)において、一方向に熱収縮し得るものが用いられる。ラベル基材における主熱収縮方向(例えば、MD方向)の、110℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(110℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、30〜80%が好ましく、より好ましくは40〜80%である。また、上記ラベル基材は、比較的低温で熱収縮性を有することが好ましく、例えば、100℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(100℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、40〜60%であることが好ましい。上記ポリエチレン系樹脂を含むラベル基材の、上記主熱収縮方向と直交する方向の熱収縮率(100℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記主熱収縮方向は、MD方向(Machine Direction)であることが好ましい。
【0039】
上記ラベル基材の表面には、他の層を有していてもよい。上記他の層としては、例えば、アンカーコート層、プライマーコート層、保護層、帯電防止層、滑り層、断熱層、金属や金属酸化物の蒸着層等が挙げられる。また、上記ラベル基材の表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理、帯電防止コーティング処理等の公知乃至慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0040】
上記ラベル基材は、透明又は不透明の何れでもよい。透明性に優れたラベル基材の場合、上記ラベル基材のヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、7%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。ヘイズ値が7%を超える場合には、ラベル基材の内側(プラスチックラベルを容器に装着した時に容器側になる面側)に印刷を施し、ラベル基材を通して印刷を見せるプラスチックラベル(裏印刷プラスチックラベル)の場合、製品とした際に、印刷が曇り、加飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が7%を超える場合であっても、上記裏印刷プラスチックラベル用途以外の用途(表印刷プラスチックラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。上記透明性に優れたラベル基材は、無色であることが好ましいが、透明性を損なわない範囲で着色されていてもよい。
【0041】
上記ラベル基材の密度は、特に限定されないが、0.890〜0.950g/cm
3が好ましく、より好ましくは0.900〜0.945g/cm
3、さらに好ましくは、0.905〜0.930g/cm
3である。上記密度が0.890g/cm
3以上であると、ラベル基材が適度に硬くなり、本発明の伸縮性プラスチックラベルの破れ抑止性や製造適性が向上し、好ましい。一方、上記密度が0.950g/cm
3以下であると、本発明の伸縮性プラスチックラベルの伸縮性が向上し、好ましい。また、このような場合には、ラベルを装着した容器の使用後、比重差を利用することにより該容器本体(又はその粉砕物)と簡単に分離でき、ラベル及び容器本体のリサイクルが容易となる。このとき、熱アルカリ水を用いると、ラベルの剥離と分離が同時にでき、環境的にも好ましい。
【0042】
上記ラベル基材の厚みは、伸縮性、熱収縮性、剛性、機械適性、外観等を損なわない範囲で適宜選択され、特に限定されないが、15〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜90μmである。上記厚みが15μm以上であると、装着する容器の剛性を向上させる効果が得られるとともに、伸縮性プラスチックラベルの耐久性も向上させることができるため好ましい。
【0043】
[印刷層]
上記印刷層としては、特に限定されず、例えば、プラスチックラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。上記印刷層としては、溶剤乾燥型の印刷インキによって形成される溶媒乾燥型の印刷層、活性エネルギー線硬化型の印刷インキによって形成される活性エネルギー線硬化型の印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層としては、例えば、商品名、イラスト、取扱注意事項等の図やデザイン等の意匠印刷層(カラー印刷層等)、白等の単一色で形成された背景印刷層、ラベル基材や印刷層を保護するために設けられる保護印刷層、ラベル基材と印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー印刷層等が挙げられる。上記印刷層は、特に限定されないが、ラベル基材の片面側のみに設けられていてもよいし、ラベル基材の両面側に設けられていてもよい。また、上記印刷層は、ラベル基材の表面(印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
【0044】
上記印刷層は、特に限定されないが、バインダー樹脂を必須成分として含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、青、赤、黄、黒、白等の着色顔料や滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。上記バインダー樹脂等は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0045】
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいてバインダー樹脂として用いられる樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂(ニトロセルロース系樹脂を含む)、ウレタンアクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂等が挙げられる。上記顔料としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいて用いられる顔料を用いることができる。上記顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
【0046】
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜15μmが好ましく、より好ましくは0.2〜10μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが15μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなり剥離しやすくなったりする場合がある。
【0047】
[粘着剤層]
本発明の伸縮性プラスチックラベルは、粘着剤層を有していてもよい。粘着剤層を有する場合、容器への装着時には容器の変形により追従しやすい。上記粘着剤層としては、特に限定されず、例えば、プラスチックラベルの貼付に用いられる公知乃至慣用の粘着剤又は接着剤を用いて形成できる。上記接着剤としては、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤等が挙げられる。また、上記接着剤としては、紫外線や可視光等で硬化する活性エネルギー線硬化型、溶剤乾燥型、2液反応型、感熱性接着剤、感圧性接着剤等が挙げられる。
【0048】
上記粘着剤層を有する場合、上記粘着剤層は、容器に密着する側に設けられている。上記粘着剤層は、ラベル基材の表面(粘着剤が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよいが、伸縮性プラスチックラベルを容器に装着する前に筒状に形成した際や容器に巻き回した際のラベルの一端部と他端部との接合部付近以外の全面に設けられていることが好ましい。さらに、上記粘着剤層は、印刷層を有する側に設けられている場合、印刷層を覆うようにして設けられる。
【0049】
上記粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、10〜40μmが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。上記厚みが10μm以上であると、ラベルの容器への接着強度、容器の変形に対する追従性により優れ、好ましい。上記厚みが40μm以下であると、ラベルの打ち抜き適性に優れ、好ましい。
【0050】
[伸縮性プラスチックラベル]
本発明の伸縮性プラスチックラベルの層構成は、特に限定されないが、例えば、[ラベル基材/印刷層]、[印刷層/ラベル基材]、[ラベル基材/印刷層/粘着剤層]、[印刷層/ラベル基材/粘着剤層]、[印刷層/ラベル基材/印刷層/粘着剤層]、[コーティング層(表面保護層)/印刷層/ラベル基材/粘着剤層]、[コーティング層(表面保護層)/印刷層/ラベル基材/印刷層/粘着剤層]等が挙げられる。本発明の伸縮性プラスチックラベルは、いわゆる表印刷の伸縮性プラスチックラベルでも裏印刷の伸縮性プラスチックラベルでもよい。
【0051】
本発明の伸縮性プラスチックラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、20〜100μmが好ましく、より好ましくは25〜60μmである。本発明の伸縮性プラスチックラベルの厚みが20μm以上の場合は、容器への包装に対する十分な強度を有するため好ましい。また、本発明の伸縮性プラスチックラベルの厚みが100μm以下の場合は、容器とラベルとの一体感を有し、より良好な追従性が得られるため好ましい。
【0052】
本発明の伸縮性プラスチックラベルは、例えば、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせる巻き付け方式の伸縮性プラスチックラベルとして用いることができる。また、上記伸縮性プラスチックラベルを筒状に形成してから容器に外嵌する方式の伸縮性プラスチックラベルとしても用いることができる。また、上記伸縮性プラスチックラベルの裏面に粘着剤層を有する、いわゆるシュリンクタックラベルとしても用いることができる。
【0053】
図1を用いて、本発明の伸縮性プラスチックラベルの好ましい実施形態の一例について説明する。
図1は、巻き付け方式で容器に外嵌した本発明の伸縮性プラスチックラベル1の、接合部付近の要部拡大図であり、具体的には、
図1に記載の本発明の伸縮性プラスチックラベル1は、ラベル基材11と、ラベル基材11の一方の面に形成された意匠印刷層14と、その意匠印刷層14を覆うように形成された背景印刷層13とを有する。矩形状に形成された本発明の伸縮性プラスチックラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて、他端部の内面と一端部の外面とを、ラベル基材の一方の面に形成された溶剤又は接着剤15で接合し固定したものである。
【0054】
(伸縮性プラスチックラベルの製造方法)
本発明の伸縮性プラスチックラベルの製造方法は、ポリエチレン系樹脂を含むラベル基材と、ラベル基材の少なくとも一方の面に印刷層とを有する伸縮性プラスチックラベルを準備する工程(ラベル準備工程)とを少なくとも含む。
【0055】
上記ラベル準備工程において、ラベル基材は、市販品のプラスチックフィルムを用いてもよく、また公知乃至慣用の溶融成膜法によっても製造することもできる。溶融成膜法によって、ポリエチレン系樹脂からラベル基材を製造する場合は、例えばポリエチレン系樹脂を、溶融し共押出することにより、未延伸フィルムを作製する。押出温度は、100〜150℃で、成膜速度は例えば30〜40m/分である。
【0056】
上記ポリエチレン系樹脂を含むラベル基材は、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが200〜550%であるため、本発明の伸縮性プラスチックラベルとした場合に、上記主熱収縮方向への良好な熱収縮性を有するとともに、容器に対する伸張性及び復元性、すなわち伸縮性にも優れる。更に、従来のシュリンクラベルのように自然収縮しないという特徴も有する。上記ラベル基材は実質的に無配向であるが、上記の温度領域における押出し時にラベル基材を形成するポリエチレン系樹脂が伸びることにより配向性が向上するものと推測され、熱収縮特性に影響を与えていると考えられる。
【0057】
上記印刷層は、公知乃至慣用のインキ組成物を、上記ラベル基材の少なくとも一方の表面上に、塗布した後、固化することにより形成することができる。上記溶剤乾燥型の印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂、溶剤、必要に応じて、上記着色顔料及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶剤を揮発させて設けられる。一方、上記活性エネルギー線硬化型の印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂を構成する単量体成分、必要に応じて、上記着色顔料、溶剤、及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、活性エネルギー線照射により上記単量体成分を重合し硬化させて設けられる。
【0058】
上記の印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性、印刷の装飾性等の観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、凸版輪転印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布された印刷インキ層(塗布層)を加熱等により、乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。なお、上記印刷層の固化は、紫外線等の活性エネルギー線による固化でもよい。
【0059】
粘着剤層の形成方法は、特に限定されず、例えば、粘着剤層を形成する粘着剤組成物を、ラベル基材の少なくとも一方の面に、バーコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、ホットメルトコーター、押出しラミネーター、ロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、刷毛塗り、ダイコート等の公知乃至慣用の塗布方法によって塗布し、乾燥することにより形成できる。特にグラビアコーター(グラビア印刷)やフレキソコーター(フレキソ印刷)を用いると、所望の箇所に部分的に粘着剤層を設けることが可能であり好ましい。
【0060】
ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、公知乃至慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成されたローラ状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、印刷層を設けた後や、粘着剤層を形成した後、容器に装着する工程の前等、適宜選択できる。上記のようにして、本発明の伸縮性プラスチックラベルが得られる。
【0061】
本発明の伸縮性プラスチックラベルは、ラベル基材がポリエチレン系樹脂を含み、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが200〜550%という構成をとるため、加熱して収縮(熱収縮)させることにより、部位ごとに異なる形態を有する容器であっても、熱収縮性に優れ、良好に追従密着させることができる。また、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみ(%)の値が上記範囲内であれば、伸縮性も優れる傾向にあるため、内容物の減少に伴い押圧時の容器の変形が一層大きくなった場合でも、容器との一体感を損なうことなく、好な追従性を有する。このため、例えば従来のシュリンクラベルを装着した容器のように、内容物の減少に伴い容器へのラベルの追従性が低下し、容器とラベルとの間にたるみ(隙間)が生じることにより、容器をスクイズし難くなるという問題が生じることがない。
【0062】
[ラベル付き容器]
本発明の伸縮性プラスチックラベルは、特に限定されないが、容器に装着されて、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明の伸縮性プラスチックラベルは、容器以外の被装着物に用いられてもよい。例えば、本発明の伸縮性プラスチックラベルを容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明の伸縮性プラスチックラベルが装着されたラベル付き容器)が得られる。
【0063】
本発明のラベル付き容器は、スクイズ容器と、該スクイズ容器に装着された伸縮性ラベルと、を有するラベル付き容器であり、上記伸縮性ラベルは、ポリエチレン系樹脂を含み、上記ラベル付き容器から引き剥がす前後で、装着時における容器形状を維持している、ラベル付き容器である。
【0064】
すなわち、本発明のラベル付き容器に装着された伸縮性ラベルは、加熱して収縮させた後においても、良好な伸縮性を有し、容器の形状変化に対する追従性に優れる。しかも、容器に装着後の伸縮性ラベルは、ストレッチラベルのようにラベル自身が縮径しないため、上記ラベル付き容器から引き剥がす前後で、自己収縮しないという特性を有する。従って、ラベル付き容器から引き剥がした伸縮性ラベルは、装着時における容器形状を維持している。例えば、上部の口部に比較し、底部が太い径を持ち、底部から上部に向かってなだらかな肩部を有するマヨネーズ容器のように、部位ごとに異なる形態を有する容器の場合、伸縮性ラベルは部位ごとに異なる収縮率で熱収縮し装着されているが、マヨネーズ容器から引き剥がした伸縮性ラベルは、装着時の形状、すなわち口部、なだらかな肩部、口部に対して太径の胴部、及び底部を有するマヨネーズ容器の形状を維持する。
【0065】
本発明のラベル付き容器は、上述のように本発明の伸縮性プラスチックラベルを装着して得ることができる。
【0066】
上記容器としては、特に限定されないが、例えば、歯磨きやシャンプー、コンディショナー等に使用される容器、マヨネーズ等に使用されるブロー容器等のチューブ容器;パウチ容器;カップ容器;化粧料や、シャンプーやリンスあるいは液体石鹸、また食品調味料や薬品等を充填するデラミ容器等、スクイズ可能な容器(スクイズ性を有する容器、スクイズ容器)等が好ましい容器として挙げられる。中でも、上記容器はチューブ容器であることが特に好ましい。チューブ容器は、容器の外側から容器に圧力を加えることにより容器の内容物を押し出して使用することができる、スクイズ容器をいう。また、容器自体の耐熱性が低いポリエチレン系樹脂製容器に使用することができる。上記チューブ容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等)、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、PET等のプラスチック等が挙げられる。したがって、本発明のプラスチックラベルは、スクイズ容器用ラベルであることが好ましく、チューブ容器用ラベルであることが特に好ましい。本発明のラベル付き容器は、ラベル付きスクイズ容器であることが好ましく、ラベル付きチューブ容器であることが特に好ましい。
【0067】
図2は、本発明の一実施形態におけるラベル付き容器の側方視断面図である。
図2に記載の本発明のラベル付き容器2は、底部22、胴部23、肩部24及び口部25と、を有するスクイズ容器21であり、本発明の伸縮性プラスチックラベルは、熱収縮させることによってスクイズ容器21に装着され、伸縮性ラベル26を形成している。スクイズ容器21は押圧により胴部23が変形しているが、伸縮性ラベル26は、スクイズ容器21に隙間なく追従密着している。
【0068】
図3は、従来の一実施形態におけるラベル付き容器の側方視断面図である。
図3に記載の本発明のラベル付き容器3は、底部32、胴部33、肩部34及び口部35と、を有するスクイズ容器31であり、従来のシュリンクフィルムは、熱収縮させることによってスクイズ容器31に装着され、シュリンクラベル36を形成している。スクイズ容器31は押圧により胴部33が変形しているが、シュリンクラベル36は、スクイズ容器31への追従性が悪く、シュリンクラベル36とスクイズ容器31との間にたるみ(隙間)が発生している。
【0069】
[ラベル付き容器の製造方法]
本発明のラベル付き容器の製造方法は、ポリエチレン系樹脂を含み、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみが200〜550%であるラベル基材と、上記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、を有する伸縮性プラスチックラベルを準備する第1の工程と、上記伸縮性プラスチックラベルを上記主熱収縮方向が容器の周方向となるように容器の周囲に外嵌する第2の工程と、上記伸縮性プラスチックラベルを加熱して収縮させることにより、上記伸縮性プラスチックラベルを上記容器に装着する第3の工程と、を少なくとも有する。
【0070】
(第1の工程)
伸縮性プラスチックラベルを準備する第1の工程は、上述の本発明の伸縮性プラスチックラベルの製造方法に従って行うことができる。
【0071】
(第2の工程)
第2の工程では、上記伸縮性プラスチックラベルを、上記ラベル基材の主熱収縮方向が容器の周方向となるように、容器の周囲に外嵌する。具体的には、特に限定されないが、(1)上記伸縮性プラスチックラベルを容器に巻き付ける方式と(2)上記伸縮性プラスチックラベルを筒状に形成してから容器に外嵌する方式との2つの方式が挙げられる。(1)の方式では、上記伸縮性プラスチックラベルを上記ラベル基材の主熱収縮方向(特に、ラベル基材のMD方向)が容器の周方向となるように、外周に沿って容器に巻き回した後、他端部を一端部に重なるように、本発明の伸縮性プラスチックラベルの両端部(両端)を重ね合わせて接合して固定することにより外嵌する。上記固定方法は、特に限定されず、ラベラーを用いてもよく、又手動で容器に貼付してもよい。例えば、「Roll−on Shrink−onラベリング方式」等によって容器等に外嵌することができる。具体的には、例えば、平坦なラベルを、主熱収縮方向であるMD方向が周方向となるように、容器やマンドレルに巻き回しラベルの両端を重ね合わせた後、その両端を接合して筒状にして外嵌する。上記接合は、ヒートシール等の熱溶着や、接着剤、溶剤等を用いることにより行うことができる。また(2)の方式では、上記伸縮性プラスチックラベルを上記主熱収縮方向が周方向となるように筒状に形成して、幅方向の一端部と他端部とを重ね合わせるとともに、当該一端部の一方の面と他端部の他方の面とを公知乃至慣用の粘着剤、接着剤又は溶剤等で接合し、固定することにより一旦筒状プラスチックラベルを得、これを容器に外嵌することができる。なお、上記伸縮性プラスチックラベルが裏面に粘着剤層を有するラベル(いわゆる、シュリンクタックラベル)の場合、剥離紙上に貼着したラベルを剥離紙から繰り出し、粘着剤層により容器周囲に貼着して固定してもよい。
【0072】
(第3の工程)
第3の工程において、容器に外嵌された上記伸縮性プラスチックラベルに加熱処理を施して熱収縮させることにより、上記容器に装着する。加熱処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線等の輻射熱で加熱する方法、活性エネルギー線の照射による発熱等が挙げられる。例えば、紫外線により、塗膜を加熱することが好ましい。なお、紫外線の照射は、UV−LED等熱を発生しにくい光源を用いて行うことが、容器に対する熱ダメージを与えにくい点から、耐熱性が低い容器に対して好ましい。
【0073】
上記加熱処理は、特に限定されないが、熱収縮温度がポリエチレン系樹脂の融点付近である100〜150℃となる温度範囲で実施することが好ましく、より好ましくは、100〜140℃である。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、1〜20秒が好ましい。上記の温度範囲のように比較的低温で、加熱処理を行うことができるため、例えば、内容物の耐熱性が低い場合や、容器自体の耐熱性が低い場合に対しても、加熱処理による内容物の変質や容器の変形を伴うことなく、本発明の伸縮性プラスチックラベルを装着することが可能となる。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1及び2に、実施例及び比較例の評価結果を示した。
【0075】
実施例1
(伸縮性プラスチックラベル)
ラベル基材としてプラスチック系フィルム(主成分LLDPE、引張破壊時呼びひずみ:310%、厚み:30μm)の一方の全面に、白色インキを用いて、グラビア印刷で印刷層(1〜2μm)を形成した。上記のようにして、[ポリエチレン系フィルム/印刷層]の積層構成を有する伸縮性プラスチックラベルを得た。
【0076】
(ラベル付き容器)
上記で得られた伸縮性プラスチックラベルのMD方向が、チューブ容器(マヨネーズ容器、200mL)の周方向となるように巻き付けて、上記伸縮性プラスチックラベルの一端部と他端部とを接合して固定した後、ジェッターで加熱して収縮させることにより、ラベル付き容器を得た。
【0077】
実施例2〜8、比較例1〜8
ラベル基材として、表1に示す引張破壊時呼びひずみ及び厚みを有するポリエチレン系フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして伸縮性プラスチックラベル及びラベル付き容器を得た。
【0078】
(評価1)
実施例及び比較例で使用したラベル基材について、以下の評価を行った。
【0079】
(1)熱収縮率(%)
ラベル基材をMD方向に100mm、TD方向に10mmに切断して試験片を作製した。得られた試験片を、100℃、110℃、120℃、130℃及び140℃のオイルバスに10秒間浸漬し、浸漬後、MD方向(容器の周方向に対応する方向)におけるラベル基材の長さを測定し、下記式に代入して求めた。結果を表1の「熱収縮率」の欄に示す。なお表の数値は、表示%以上の収縮を示したことを示す。
熱収縮率(%)={(浸漬前のラベル基材の長さ−浸漬後のラベル基材の長さ)/浸漬前のラベル基材の長さ}×100
【0080】
(2)引張破壊時呼びひずみ(%)
ラベル基材の主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみ(%)を測定した。JIS K 7127に準拠して試験片を作製し、市販の引張試験機(島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」)を用いて、チャック間距離:20mm、引張速度200mm/分、温度23±2℃、相対湿度50±5%(%RH)の条件にて、JIS K 7161に定める引張破壊時呼びひずみ(%)の値を測定した。結果を表1の「引張破壊時呼びひずみ」の欄に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
(評価2)
実施例及び比較例で得られた伸縮性プラスチックラベル及びラベル付き容器について、以下の評価を行った。
【0083】
(1)熱収縮特性
実施例及び比較例のラベル付き容器の外観を目視で観察し、熱収縮特性を以下の基準で評価した。結果を表2の「熱収縮特性」の欄に示す。
熱収縮特性が良好(◎) :押圧による変形前後において容器にラベルが追従しており、容器とラベルとの間にたるみ(隙間)はない。
熱収縮特性が使用可能なレベル(○) :押圧による変形前後おいて容器へのラベルの追従が不十分、又は容器とラベルとの間の一部にたるみ(隙間)を認める。
熱収縮特性が不良(×) :押圧による変形前後おいて容器にラベルが追従していない。
【0084】
【表2】
【0085】
表1及び2の評価結果が示す通り、主熱収縮方向の引張破壊時呼びひずみ(%)の値が小さいほど、熱収縮特性が良い傾向があることが認められた。また、熱収縮率(100℃、10秒)は、実施例1〜6では、全て50%以上を示したのに対し、比較例1〜8は全く収縮せず0%であった。更に、熱収縮率(110℃、10秒)では、実施例1〜6では全て70%以上、実施例7は60%以上、実施例8は50%以上を示したのに対し、比較例1〜7は20%程度と低値であり、比較例8は全く収縮せず0%であった。このように、本発明の伸縮性プラスチックラベルは、100℃〜110℃という比較的低温においても、良好な熱収縮性を有することが示された。また、実施例のラベル付き容器におけるラベルは、比較例のラベル付き容器におけるラベルと比較して、押圧による変形に対しても容器への追従密着性に優れていた。さらに、部位ごとに異なる形態を有するマヨネーズ容器に対しても、実施例のラベル付き容器は、各部に皺や剥離の発生を伴うことなく、良好な追従性をもってラベルが装着できていた。