【解決手段】利用者が配車を依頼するための操作端末であって、利用者が定めたショートカット操作と目的地とを関連付けて登録するショートカット登録手段11と、目的地をショートカット操作で選択可能なショートカット選択手段12と、ショートカット選択手段12で選択された目的地を含む配車要求情報を配車サーバに送信する配車要求送信手段16と、を備える。操作端末10は、利用者が所持する専用端末、家電製品のリモコン、電話機、スマートフォン若しくはタブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能が備わった杖若しくは歩行器、又は施設に設置された専用機器のいずれかであってよい。
前記操作端末は、前記利用者が所持する専用端末、家電製品のリモコン、電話機、スマートフォン若しくはタブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能を備えた杖若しくは歩行器、又は施設に設置された専用機器のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の操作端末。
前記ショートカット選択手段で選択され、送信された前記配車要求情報は、配車希望場所として、前記利用者の居所、現在地又は出発地の情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の操作端末。
前記操作端末から送信されたショートカット情報から取得した前記目的地及び前記配車希望場所の情報を、配車要求確認情報として前記操作端末に送信する配車要求確認送信手段を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の配車サーバ。
前記操作端末の位置情報と複数の目的地とを表示した地図情報を前記操作端末に送信する地図情報送信手段を備えることを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の配車サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高齢者は、電話などにより、タクシー会社に連絡することが煩わしくなることが多い。また、高齢者がよく移動する目的地は、例えば、自宅、駅、バス停、友人宅、病院、福祉センター、スーパーなどであり、よく利用する目的地の数は限定的である。
【0005】
したがって、本発明は、上記のような課題に鑑み、利用者がよく利用する目的地への配車依頼をワンタッチで行うことが可能な配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
(1)利用者が配車を依頼するための操作端末であって、前記利用者が定めたショートカット操作と目的地とを関連付けて登録するショートカット登録手段と、前記目的地を前記ショートカット操作で選択可能なショートカット選択手段と、前記ショートカット選択手段で選択された目的地を含む配車要求情報を配車サーバに送信する配車要求送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
(2)上記(1)の構成において、前記操作端末は、前記利用者が所持する専用端末、家電製品のリモコン、電話機、スマートフォン若しくはタブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能を備えた杖若しくは歩行器、又は施設に設置された専用機器のいずれかであることを特徴とする。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記ショートカット選択手段で選択され、送信された前記配車要求情報は、配車希望場所として、前記利用者の居所、現在地又は出発地の情報のいずれかを含むことを特徴とする。
【0010】
(4)上記(3)の構成において、前記ショートカット選択手段は、前記操作端末で第1の所定の操作をすることによって、前記目的地と前記配車希望場所の情報を音声、文字、画像のいずれか又はそれらを組合せて確認するための確認信号を出力する確認信号出力手段と、前記確認信号が出力された後に、前記操作端末で第2の所定の操作をすることによって、配車要求信号の送信指示を出力する配車要求送信指示手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0011】
(5)利用者の要求に応じて配車を行う配車サーバであって、前記利用者が定めたショートカット情報と目的地とを関連付けて前記利用者ごとに登録するショートカット登録DBと、前記利用者の操作端末において選択された前記ショートカット情報を受信するショートカット受信手段と、前記ショートカット登録DBに基づいて、前記操作端末のショートカット選択手段によって選択された目的地への配車希望場所へ配車を行う配車手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
(6)上記(5)の構成において、前記ショートカット情報は、前記配車希望場所として、前記利用者の居所、現在地又は出発地の情報のいずれかを含むことを特徴とする。
【0013】
(7)上記(5)又は(6)の構成において、前記操作端末から送信されたショートカット情報から取得した前記目的地及び前記配車希望場所の情報を、配車要求確認情報として前記操作端末に送信する配車要求確認送信手段を更に備えることを特徴する。
【0014】
(8)上記(5)から(7)までのいずれか1つの構成において、前記操作端末の位置情報と複数の目的地とを表示した地図情報を前記操作端末に送信する地図情報送信手段を備えることを特徴とする。
【0015】
(9)利用者が配車を依頼するための情報を入力する入力方法であって、前記利用者が定めたショートカット操作と目的地とを関連付けて登録するステップと、前記目的地をショートカット操作で選択可能とするステップと、前記ショートカット操作で選択された目的地を含む配車要求情報を配車サーバに送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
(10)上記(9)に記載の入力方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者がよく利用する目的地への配車依頼をワンタッチで行うことが可能な配車システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0020】
図1から
図10を参照して、本発明の実施形態に係る配車システムの説明をする。
【0021】
図1に示すように、本配車システムにおける配車サーバ100(以下、単にサーバと呼ぶことがある)は、利用者が操作する操作端末10(以下、単に端末と呼ぶことがある)と、車両110(以下、単に車両と呼ぶことがある)に搭載された車両端末113とに無線ネットワークを介して接続されている。以下、各装置について説明する。
【0022】
(車両)
図1に示すように、車両110は、例えば、一般乗用旅客自動車運送事業の車両(タクシー、ハイヤー、その他の交通サービスに使用される車両)であり、主として、配車サーバ100との通信を制御する配車サーバ通信部111と、車両110の現在位置を取得するGPS等の車両位置情報取得部112と、車両端末113とを備える。車両端末113は、表示装置113aと入出力装置113bとを備える。
【0023】
図2に示すように、車両端末113の表示装置113aは、配車サーバ100からの信号に応じて、地
図1112と、利用者の現在地又は利用者が指定した場所である出発地1114から目的地1116の情報を表示する。また、車両端末113の入出力装置113bは、端末装置の物理ボタン、画面上に表示されたボタン、スピーカーを含む音声出力装置、及びマイクロフォンを含む音声入力装置を備えていてもよい。車両端末113は、表示装置、音声出力装置、音声入力装置を兼ね備えるタッチパネルを用いてもよく、カーナビゲーションシステムに組み込まれていてもよい。
【0024】
(配車サーバ)
図1に示すように、配車サーバ100は、ショートカット登録DB101と、ショートカット受信手段102と、配車手段103と、地図情報送信手段104と、配車要求確認送信手段105とを備える。
【0025】
ショートカット登録DB101は、後述の「ショートカット情報」を利用者ごとに登録するデータベースである。ショートカット登録DB101について詳しくは後述する。
【0026】
ショートカット受信手段102は、配車要求に含まれる利用者の操作端末10において選択された「ショートカット情報」を受信して、配車手段103が配車を手配するために必要な情報を生成し、配車手段103に引き渡す。
【0027】
配車手段103は、操作端末10からの配車要求に基づいて、地域を走行する全ての車両の位置情報を取得し、配車要求にマッチする車両を探索し、探索の結果、利用者の要求に適した車両に対して、配車希望場所に向かうように指示する。本システムでは、配車手段103自体は公知の技術を用いるので、ここでは説明を省略する。
【0028】
地図情報送信手段104は、操作端末10の現在地周辺及び利用者がショートカットで指定した目的地周辺の地図情報を操作端末10に送信する。
【0029】
配車要求確認送信手段105、端末から送信されたショートカット情報に基づいて生成された配車要求を端末側に送信して、利用者に確認してもらうための機能を有する。
【0030】
(操作端末)
操作端末10は、利用者が所持し、利用者が選択した目的地を含む情報を、配車サーバ100に送信するための端末である。操作端末10は、後述するように、専用端末であってもよいし、既存の機器の制御プログラムを変更したものであってもよい。サーバに送信する情報で、出発地を省略した場合は、あらかじめ定められたデフォルト値(現在地、自宅、指定場所など)が選択される。操作端末10は、主として、ショートカット登録手段11と、ショートカット選択手段12と、端末位置情報取得手段13と、配車要求送信手段16とを備える。
【0031】
ショートカット登録手段11は、利用者が端末上で行う所定の操作(例えば、短縮ボタンを押す、特定のキーワードを発するなど)を、少なくとも目的地を含む情報に関連付けて登録することを言う。ショートカットを登録することで、例えば、端末の「1」のボタンを押すと「自宅に帰る」、「2」のボタンを押すと「スーパーに行く」、「3」のボタンを押すと「病院に行く」というように、ワンタッチで目的の場所に行くための配車を配車サーバ100に依頼することができる。
【0032】
ショートカット選択手段12は、ショートカット登録手段11で登録した所定の操作を選択可能にし、サーバ側で配車が手配できる情報を生成して、配車サーバ100に送信する。ただし、配車が手配できる情報のすべてを端末側で生成する必要はない。具体的には、ショートカット選択手段12は、出発地(配車希望場所)と目的地を含む情報(これ以外にも乗車人数、配車希望時刻などの情報が最終的には必要となる)を、端末の所定の操作(例えば、上述したような端末の所定のボタンを押す、又は特定のキーワードを発音するなど)に関連付けた「ショートカット情報」を利用者に選択させる手段のことである。なお、ショートカットの選択は、物理ボタン、タッチパネルに表示されたボタン画像、音声入力のマイクなど、いずれの入力手段からでも行える。
【0033】
また、前述したようにサーバ側でも、利用者ごとにショートカット情報を登録したショートカット登録DB101を備えているので、端末側からは、利用者IDと選択したショートカットのID(番号)を指定するだけでもよい。サーバは、この情報だけでもショートカット登録DB101から配車に必要な情報を生成することができる。もちろん、サーバのショートカット登録DB101にかかわらず、配車が手配できる情報を端末側で生成してもよい。
【0034】
図3(a)は、サーバ側のショートカット登録DB101に格納されるデータの例である。図示するように、このDBには、利用者IDごとに、利用者の居所、及び複数のショートカット情報が登録される。例えば、利用者ID1010の利用者は、ショートカット1には、「現在地→自宅(帰宅)」、ショートカット2には、「自宅→〇〇スーパ(買物)」、ショートカット3には、「自宅→△△病院(通院)」、ショートカット4には、「自宅→〇□さん宅(友人宅訪問)」というように、自宅を中心にした目的地を登録している。
【0035】
一方、利用者ID1011の利用者は、ショートカット1には、「現在地→自宅(帰宅)」は同じであるが、ショートカット2には、「現在地→〇●公民館」、ショートカット3には、「現在地→△▲病院」というように、現在地を中心とした目的地を登録している。また、利用者ID1012の利用者は、現在地、自宅、●●駅をそれぞれ出発地とする複数の目的地を登録している。
【0036】
このように、ショートカット登録DB101には、利用者がよく利用するルートごとにショートカットを登録できる。登録できるショートカットの数に特に制限はない。また、同じ目的地であっても出発地が異なれば別々のショートカットとして登録してもよい。例えば、利用者ID1011のショートカット3とショートカット5では、目的地は「△▲病院」で同じであるが、出発地は「現在地」、「〇■さん宅」と異なっている。また、利用者が複数の操作端末10を所持している場合は、操作端末10ごとに別々のショートカットを登録してもよい。例えば、端末を使い分けて、仕事用のショートカットと遊び用のショートカットとを別にすることもできる。
【0037】
図3(b)は、端末側のショートカット登録手段11に格納されるデータの例を示す図である。端末側のショートカット情報は、端末内の不揮発性メモリに記憶される。端末側のショートカット登録手段11は、利用者が端末の所有者である自分自身に限定されるだけで、基本的には、サーバ側のショートカット登録DB101と同じである。端末側かサーバ側か、どちらのショートカット登録手段を使うかは、利用者が、場面や状況によって指定できるようにしてもよい。もちろん、端末側とサーバ側でショートカット情報の内容が異なっている場合は、両者を同期させるようにしてもよい。
【0038】
また、
図3(b)で示すように、端末側のショートカット登録手段11には、端末の特性(ハードウェア)に合わせたショートカット操作を登録できるようにしてもよい。例えば、ショートカット1,2,3には、端末の操作ボタンを使うが、ショートカット4,5には、所定のキーワードの音声1、音声2(例えば、「病院」、「スーパー」などの音声)を音声ショートカットとして登録すれば、仮に端末の操作ボタン(短縮ボタン)が3つしかなくても、それ以上のショートカット情報を登録できる。なお、音声ショートカットで登録される音声は「病院」や「自宅」であったとしても、「病院」には「○○市中央病院△△科」、「自宅」には緯度経度の位置情報や住所などが対応付けられており、端末別(ユーザ別)に「病院」や「自宅」が異なることは言うまでもない。
【0039】
図1に戻り、端末位置情報取得手段13は、GPS(Global Positioning Service)等の位置計測手段を用い、操作端末10自らの位置情報を取得する。また、配車要求送信手段16は、実際に配車を依頼することが確定したときに、配車要求を配車サーバ100に送信する。
【0040】
確認信号出力手段14は、ショートカット選択手段12から呼び出され、操作端末10の入力手段17で所定の操作(第1の所定の操作)をすることによって、目的地と配車希望場所の情報を、音声、文字、画像のいずれかで、又はそれらを組合せて、確認するための確認信号を操作端末10の出力手段18に出力する。
【0041】
利用者は、この確認信号がショートカット選択手段12で選択した配車要求に合致していることを出力手段18の表示装置などで確認後、操作端末10の入力手段17で別の所定の操作(第2の所定の操作)をすると、配車要求送信指示手段15が、配車要求信号の送信指示を配車要求送信手段16に送り、配車要求送信手段16は、配車要求情報を配車サーバ100のショートカット受信手段102に出力する。
【0042】
また、操作端末10から送信されたショートカット情報から取得した目的地及び配車希望場所の情報を、配車要求確認情報として操作端末に送信する配車要求確認送信手段105をサーバ側に備えてもよい。
【0043】
このようにすることで、ショートカットの内容の配車依頼をサーバに出す前に利用者が確認できる。また、端末内に、文字や画像の表示手段又は音声出力手段を備えていない場合は、そのような出力手段を備えた端末周辺の外部の機器(例えばテレビ)に、確認信号を出力することで、外部の機器の出力手段から、文字、画像、音声を出力することができる。
【0044】
なお、図示は省略するが、操作端末10のメモリには、操作端末10の固有情報(例えば識別コード)、デフォルトの出発地(現在地、自宅、又は指定場所など)、利用者がよく行く目的地が登録されていてもよい。したがって、出発地を毎回入力する必要はなく、また、よく行く目的地ほど、若いショートカット番号(例えば「1」、「2」)を自動的に割り当てるようにすることもできる。
【0045】
(操作端末の実施形態)
操作端末10には、様々な実施形態がある。操作端末10は、無線又は有線の通信機能を有し、例えば、専用端末、家電製品の操作機能を有するリモコン、固定電話機若しくは携帯電話機、専用アプリケーションを導入したスマートフォン若しくはタブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能を有する杖若しくは歩行器、又は公共施設などに設置される専用機器など、様々な機器で実現可能である。以下、操作端末10の様々な実施形態について順に説明する。
【0046】
(専用端末)
図4は、操作端末10の実施形態1として、無線の専用端末10aを示している。専用端末10aは、縦長の矩形状の筐体20(ICレコーダ程度の大きさが望ましい)と、筐体20にモニター70と、ショートカット選択手段12として、「1」、「2」、「3」と記載されたショートカットボタンと、マイク80と、十字キー81と、スピーカー82とを備えている。また、図示は省略するが、外部の機器との接続のための、画像入出力端子及び音声入出力端子などを備えていてもよい。ショートカットボタン「1」、「2」、「3」のボタンを所定の操作(例えば長押し)をすると、モニター70に各ボタンに登録されたショートカット情報が表示される。また、マイク80とスピーカー82は、音声入出力のために使用される。また、十字キー81は、モニター70の表示画面をスクロールさせたり、モニター70に表示された項目を選択したり、決定したりするときに使用される。
【0047】
図5に示すように、専用端末10aのモニター70は、ショートカット登録手段11から読み出した目的地が、目的地表示欄74に「1」、「2」、「3」と共に表示され、また、3つの目的地及び利用者の所在地を含む周辺地
図72が表示されるようにしてもよい。
【0048】
利用者は、希望する目的地の番号に対応するショートカットボタン(ショートカット選択手段12)を押すことにより、対応する目的地の情報が、配車サーバ100に送信される。
【0049】
また、専用端末10aには、交通系ICカードの機能を備えていてもよい。すなわち、車両110に乗降する際に、専用端末10aを車内のカードリーダにタッチすれば、乗車料金の支払ができる。同時に、
図1の利用者識別手段19にもなる。したがって、車両に乗るときは、この専用端末10aが1台あれば、カードなどを別途持ち歩く必要がなくなる。
【0050】
(家電製品のリモコン)
図6は、操作端末10の実施形態2として、家電製品のリモコン10bを示す。リモコン10bは、例えば、縦長のリモコンのような外観を有する筐体20と、筐体20に設けられた、ショートカット操作のための複数のファンクションボタン30(ショートカット選択手段12)とを備える。
【0051】
リモコン10bは、例えば、テレビのリモコン用のチャネルボタン40(数字ボタン)を設け、テレビのリモコンの機能を有していてもよい。したがって、リモコン10bの外観は、ファンクションキー30(ショートカット選択手段12)の部分を除き、一般的なテレビのリモコンの外観と同じである。また、リモコン10bは、
図8に示すように、メモリ50と、通信部60とを備え、モニター70を備えていてもよい。このようにすることで、家庭内にある多数のリモコンの数を減少させることができる。
【0052】
(電話機)
図7は、操作端末10の実施形態3として、電話機10cを示している。電話機10cは、固定電話又は携帯電話であり、例えば、筐体210と、プッシュボタン220と、モニター230と、受話器240とを含む。通信部260が電話機10cと電話回線250で接続していると、モニター230に複数の目的地が表示され、プッシュボタン220を短縮番号ボタンのように使うか、受話器240に音声を入力することにより、電話機10cのメモリに登録されている目的地を選択することができ、いずれも、ショートカット選択手段12として機能する。電話機10cが固定電話であり、短縮番号の登録機能を有しない場合には、よく使う短縮番号(ショートカット番号)を控えたメモ用紙を電話機10cの側に掲示しておくことが好ましい。
【0053】
電話機10cが携帯電話の場合、通信部260は、携帯電話の通信部であり、一般電話回線に設けられた基地局アンテナと無線接続する。また、携帯電話には、一般的にGPSが搭載されているので、利用者が短縮ダイヤルボタン(ショートカット選択手段12)を操作した際に、電話機10cは、現在位置を配車サーバ100に送信することが好ましい。これにより、利用者が自宅以外の場所にいても、現在地に配車をすることができる。
【0054】
(タブレット端末又はスマートフォン)
図8は、操作端末10の実施形態4として、タブレット端末10dを示している。スマートフォンでも同様である。どちらも専用のアプリケーションがインストールされているものとする。タブレット端末10dは、板状の筐体20にタッチパネル形式のモニター70を備えている。モニター70には、ショートカット選択手段12として、ボタン画像が表示され、利用者がボタン画像をタップすることで配車依頼をすることができる。なお、図示は省略するが、ショートカットの登録が専用アプリケーションから簡単に行えるようになっている。
【0055】
なお、電話機の短縮ダイヤルに本システムのショートカット情報を登録するための受付窓口の電話番号を登録しておき、ショートカット情報の登録を、自動音声応答で行うようにしてもよい。
【0056】
(パーソナルコンピュータ)
図9は、操作端末10の実施形態5として、パーソナルコンピュータ10eを示している。パーソナルコンピュータ10eは、キーボード340、マウス、マイクがショートカット選択手段12として利用できる。また、パーソナルコンピュータ10eは、モニター310のような表示装置を備える。モニター310には、あらかじめ設定された目的地が表示された表示欄320や、選択された目的地の情報を送信する送信ボタン330が表示されている。マウスでクリックしたり、モニター310がタッチパネルであればモニター310をタップしたりすることにより、選択された場所にある表示欄320に記載された目的地が選択され、送信ボタン330をクリックすることにより、目的地の情報として、送受信アンテナ350を介して配車サーバ100に送信される。
【0057】
表示欄320に表示されている目的地を別の目的地に変更したい場合には、該当する表示欄320に新しい目的地を入力し、送信ボタン330をクリックすることにより、更新される。
【0058】
(その他の専用機器)
図10(a)は、実施形態6として、杖10fを示している。この杖10fは、通信機能とショートカット情報を記憶するメモリを有し、ショートカット選択手段12として、複数のボタンが杖のシャフト部401に備えられている。
【0059】
また、
図10(b)は、実施形態7として、高齢者等の歩行を補助するための機器である歩行器10g(シルバーカーと呼ぶこともある)を示している。歩行器10gも通信機能とショートカット情報を記憶するメモリを有し、ショートカット選択手段12として、複数のボタンが図示するような補助取手部402に備え付けられている。杖も歩行器も通常の歩行に支障がある高齢者にとっては身近なものであるので、普段持ち歩いている杖や歩行器を使って、必要なときに車両を配車してもらうことができる。なお、杖10fや歩行器10gにショートカット情報を登録する手段が別途設けられるのは言うまでもない。また、杖10fや歩行器10gからサーバにアクセスして、サーバのショートカット登録DB101から、その利用者のショートカット情報を受信して、上記の複数のボタンに割り当てるようにしてもよい。なお、杖10f、歩行器10gには、利用者を識別するIDが埋め込まれているものとする。
【0060】
図10(c)は、実施形態8として、公共施設(役所、病院、福祉施設等)やその他施設(劇場、コンサートホール等)の柱又は壁403などに備え付けられた専用機器10hを示している。図示するように、専用機器10hには、利用者識別手段19と、ショートカット選択手段12として、複数のボタン(ショートカットボタン)を備えている。利用者識別手段19は、例えば、顔認証、声紋認証、指紋認証、掌認証等の生体認証手段によって、又は利用者の端末ID若しくは衣類や体に埋め込まれたマイクロチップのIDを読出し、利用者を識別する。したがって、公共の場所の専用機器10hに向かって、「自宅」と発音した場合は、声紋認識や顔認識などと合わせて、ユーザ別の「自宅」を決定できる。
【0061】
また、専用機器10hは、通信機能を備え、利用者識別手段19で識別した利用者IDをサーバに送信し、サーバのショートカット登録DB101から、その利用者のショートカット情報を受信して、ショートカットボタンに割り当てる。したがって、専用機器10hは、公共の施設の設備でありながら、あたかも自分専用の操作端末10として利用できる。
【0062】
(実施形態の効果)
以上説明したように、本システムの操作端末及び配車サーバは、利用者がよく利用する目的地への配車依頼を、ショートカット選択手段からワンタッチで行うことを可能にする。操作端末は、利用者が所持する専用端末、家電製品のリモコン、電話機、スマートフォン若しくはタブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能が備わった杖若しくは歩行器、又は施設に設置された専用機器のいずれかであってよく、端末の形態に合ったショートカット選択手段を設定することができる。また、操作端末から外部に信号を出力できるので外部の機器も利用できる。それ以外にも様々な効果を奏することは既に述べたとおりであるが、更に以下の可能性、応用について付記する。
【0063】
(ビッグデータの活用)
配車サーバ側に蓄積されるショートカット登録DB及び配車手段の配車実績データは、各地域における住民の行動予測にもつながるビッグデータとなり、本システムのようなデマンド型の配車システムのみならず、定まったルートの車両サービスの提供にも寄与する可能性がある。その他にも、今後新たにまちづくりをする際の住宅や店舗の適正配置にもつながる可能性がある。
【0064】
(要救護人の搬送)
また、本システムの操作端末は、徘徊してしまうお年寄を助けるとき、急病人や気を失った人を発見したとき、更には酔っ払いを相手にするとき、などに利用する機器としても有効である。すなわち、ショートカットキーに割り当てられた情報を、徘徊人等を見つけた人が確認し、自宅に帰らせることも可能であるし、具合が悪そうな場合は、行きつけの病院に連れて行くことも可能である。その際の料金は操作端末で決済することも可能なので、徘徊者等を見つけた人の負担も生じない。また、更なる実施態様として、目的地に電話がかかるようになっていてもよい。そのようにすれば、目的地に事情を告げて車に乗せることが可能となる。
【0065】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0066】
なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、配車システムにおける操作端末及び配車サーバについて主に説明したが、本発明は、方法の発明(配車を依頼するための入力方法)又は上記入力方法のそれぞれのステップをコンピュータに実行させるプログラムの発明としても捉えることもできる。