特開2018-174938(P2018-174938A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-174938(P2018-174938A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】吸口端汚損を低減した喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20181019BHJP
【FI】
   A24D3/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-147396(P2018-147396)
(22)【出願日】2018年8月6日
(62)【分割の表示】特願2015-533729(P2015-533729)の分割
【原出願日】2013年9月18日
(31)【優先権主張番号】61/706,933
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12186683.4
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】トリッツ ドロシー
(72)【発明者】
【氏名】クエルシュタイナー シャルル
(72)【発明者】
【氏名】ナッピ レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】カディリク アレン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA08
4B045BB05
4B045BC22
(57)【要約】
【課題】吸口端フィルタ部分における汚損が少なくなる傾向にある喫煙物品を提供する。
【解決手段】喫煙物品は、外表面を有する中心フィルタプラグ(10)を含む、吸口端部分(100)を有する。吸口端部分は、中心フィルタプラグの外表面まわりに配置された周辺領域(20)をさらに含む。周辺領域は、煙が通って流れることのできる1つまたは2つ以上の流路(24)を含んでもよい。喫煙物品は、吸口端フィルタ部分の周辺領域のまわりに配置された、外部包材を含む。周辺領域を通過する煙の透過率は、中心フィルタプラグを通過する煙の透過率よりも、5陪以上大きい。中心フィルタプラグのまわりの煙の透過率を増大させることによって、より少ない量の煙が、吸口端部分における中心フィルタプラグを通過して移動し、中心フィルタプラグの吸口端の汚損が少なくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を有する中心フィルタプラグと、該中心フィルタプラグの外表面のまわりに配置された周辺領域とを含む、吸口端フィルタ部分;および
前記吸口端フィルタ部分の前記周辺領域のまわりに配置された外部包材
を備える、喫煙物品であって、
前記周辺領域を通過する煙の透過率が、前記中心フィルタプラグを通過する煙の透過率より、5倍以上大きいとともに、
前記周辺領域は、煙が通過して流れるように構成された、1つまたは複数の流路を含む、喫煙物品。
【請求項2】
前記1つまたは複数の流路が、前記中心フィルタプラグのまわりに配置された1つまたは複数のストリップの間に間隔を設けることにより形成されている、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記1つまたは複数の流路が、前記中心フィルタプラグの前記外表面から、前記外部包材の内表面まで延びている、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記周辺領域を通過する煙の透過率が、前記中心フィルタ部分を通過する煙の前記透過率の10倍以上である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記外部包材の少なくとも一部分と外接する、チッピングペーパをさらに備える、請求項1から4までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記1つまたは複数の流路が、前記流路の長さに沿って約1.0mm2以上の横断面積を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記1つまたは複数の流路が、前記流路の長さに沿って約1.0mm以上の幅と、前記流路の長さに沿って約0.1mm以上の高さを有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記中心フィルタ部分が、セルロースアセテートトウを含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記中心フィルタ部分が、少なくとも10重量%の可塑剤をさらに含む、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記吸口端部分に隣接するとともに、その上流にある上流フィルタ部分をさらに備える、請求項1から9までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記上流フィルタ部分が、前記中心フィルタプラグの前記透過率と異なる透過率を有する、請求項10に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記上流フィルタ部分が、前記吸口端部分の前記直径と実質的に同一の直径を有する、請求項10または11に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記外部が、前記吸口端セグメントの上流の1つまたは複数の通気穴を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記吸口端フィルタ部分が、前記喫煙物品の吸口端まで延びている、請求項1から13までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項15】
周辺流路を含むとともに、内側内腔を画定する筒体をさらに備え、
前記内側内腔が、前記吸口端フィルタ部分の前記中心フィルタプラグと実質的に軸方向に整列されているとともに
前記筒体の前記周辺流路が、前記吸口端フィルタ部分の前記周辺領域と連通するように構成されている、請求項1から14までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙物品の吸口端の汚損を防止または低減する、新規で進歩的な吸口端部分を有する喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコのような燃焼式喫煙物品は、通常、タバコロッド(tobacco rod)を形成する紙包装材によって包囲された、刻みタバコを有する。紙巻きタバコは、紙巻きタバコの一端に着火し、細断されたタバコロッドを燃焼させることによって、喫煙者によって用いられる。次いで喫煙者は、通常はフィルタを包含する紙巻きタバコの反対端または吸口端を吸うことによって、主流煙をその口中に受け入れる。刻みタバコは、紙巻きタバコのブランドに応じて、1種類のタバコまたは2種以上のタバコのブレンドとすることができる。
たばこのようなエアロゾル生成基材が燃焼されるのではなく加熱される、いくつかの喫煙物品が、当該技術においてすでに提案されている。加熱型喫煙物品において、エアロゾルは、エアロゾル発生基材を加熱することによって生成される。知られている加熱型喫煙物品としては、例えば、エアロゾルが、電気的に加熱することにより、または可燃燃料要素もしくは熱源からエアロゾル発生基材への熱伝達によって生成される、喫煙物品が挙げられる。喫煙中に、熱源からの熱伝達によって、エアロゾル発生基材から揮発性化合物が放出されて、喫煙物品を通り吸い込まれる空気に連行される。放出化合物が冷えるにつれて、それらは凝縮して、消費者によって吸入されるエアロゾルを形成する。同様に知られているものとして、ニコチン含有エアロゾルが、タバコ材料、タバコ抽出物、またはその他のニコチン源から燃焼なしに、また場合によっては加熱なしに、例えば化学反応によって生成される、喫煙物品がある。
喫煙物品内のフィルタは、使用中に汚損する傾向がある。そのような汚損は、通常、物品の吸口端において目に見える。一部の喫煙者は、喫煙後に汚損が顕著でないか、または目に見えない喫煙物品を好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在入手可能な喫煙物品よりも、吸口端フィルタ部分における汚損が少なくなる傾向にある喫煙物品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様において、喫煙物品は、外表面を有する中心フィルタプラグを含む、吸口端フィルタ部分を有する。吸口端フィルタ部分は、中心フィルタプラグの外表面のまわりに配置された、周辺領域をさらに含む。この喫煙物品は、吸口端フィルタ部分の周辺領域のまわりに配置された、外部包材(exterior wrap)を含む。周辺領域を通過する煙の透過率は、中心フィルタプラグを通過する煙の透過率よりも5倍以上、大きい。中心フィルタプラグのまわりの煙の透過率を増大させることによって、より少ない量の煙が、吸口端部分における中心フィルタプラグを通過して移動する。結果として、吸口端セグメント内により透過性の大きい周辺領域を有さない喫煙物品と比べて、吸口端中心フィルタプラグの汚損の発生が少なくなる。喫煙物品を喫煙した後に、吸口端中心フィルタプラグの目に見える汚損がないことが好ましい。
中心フィルタプラグと比べて周辺領域の透過率を増大させることは、吸口端部分の長さを延ばすとともに、吸口端に開口する、周辺領域内の流路によって実現してもよい。任意の好適な流路形成または構築を用いてもよい。例えば、流路は、中心フィルタプラグのまわりに螺旋状に券回して配置するか、または喫煙物品の縦方向軸に沿って延ばしもよい。巻きつけられると、流路は、煙が通過して容易に流れることのできる、導管を形成する。流路を包含する周辺領域の吸引抵抗は、中心フィルタプラグを通過しての吸引抵抗よりも実質的に小さい。したがって、周辺領域を通過する煙の透過率は、吸口端部分の中心プラグを通過する煙の透過率よりも実質的に大きい。
一般的に、喫煙物品の吸口端フィルタ部分は、現在入手可能な喫煙物品と類似の外部寸法を有する。例えば、吸口端部分は、約4mmから約9mmの直径を有してもよい。勿論のこと、吸口端フィルタ部分は、任意好適な外径を有してもよい。
【0005】
吸口端フィルタ部分は、任意好適な長さのものとしてもよい。実施形態によっては、吸口端フィルタ部分は、約5mm以上、例えば、約6mm以上、約7mm以上、または約8mm以上などの長さを有する。代替的または追加的に、吸口端部分の長さは、約40mm以下または約30mm以下としてもよい。場合によっては、吸口端フィルタ部分は、好ましくは、約5mmから約40mmの間、より好ましくは約5mmから約30mmの間である。
【0006】
吸口端フィルタ部分は、上流フィルタ部分(単数または複数)に隣接するか、または当接してもよい。本明細書において使用される場合には、「上流」とは、物品の吸口端を、空気および煙がそこを通ってユーザに吸引される、「下流」端として、喫煙物品の使用中の空気流に対して定義されており、吸口端の反対端が「上流」端である。吸口端領域と上流フィルタ部分の累積長さは、好ましくは、現在入手可能な喫煙物品のフィルタ部分の長さとほぼ同じである。例えば、吸口端領域と上流フィルタ部分の累積長さは、好ましくは約10mmから約40mm、より好ましくは、約12mmから約30mmである。好ましくは、喫煙物品の外径は、上流フィルタ部分(単数または複数)に沿って一様であるように、吸口端フィルタ部分に沿って実質的に一様である。上流フィルタ部分(単数または複数)は、セルロースアセテートトウ(cellulose acetate tow)などの、喫煙物品において通常、使用される任意好適なフィルタ材料で形成してもよい。
【0007】
実施形態によっては、上流フィルタ部分の長さを、フィルタの通常の長さを超えて、吸口端フィルタ部分の長さにほぼ等しい量だけ延ばすのが望ましい場合がある。この理由は、吸口端部分は、この部分の煙のほとんど、または全部が、中心フィルタプラグよりも、流路を通って流れるので、フィルタリングには顕著に寄与することは期待されないことによる。上流フィルタ部分の長さを、吸口端フィルタ部分の長さにほぼ等しい量だけ延ばすことによって、喫煙物品の全体フィルタリング効率を維持してもよい。代替的または追加的に、上流フィルタ部分のフィルタリング効率を向上させることが望ましい場合がある。効率を向上させることによって、吸口端部分と上流フィルタ部分の累積長さを、現在入手可能な喫煙物品のフィルタ部分の長さに維持してもよい。
【0008】
吸口端フィルタ部分の中心フィルタプラグは、任意の好適な材料で形成してもよい。現在入手可能な喫煙物品の外見を与えるために、中心フィルタプラグは、セルロースアセテートまたはセルロースアセテートを含む材料で形成してもよい。実施形態によっては、中心フィルタプラグは、セルロースアセテートトウを含むか、またはそれで構成される。煙に対する透過率を低減するために、中心フィルタプラグのセルロースアセテートトウには、高温蒸気で形成されると、セルロースアセテートトウを硬化させて、吸引抵抗を増大させるか、または透過率を低減する、可塑剤を含めてもよい。実施形態によっては、中心フィルタプラグのセルロースアセテートトウは、約10重量パーセント以上の可塑剤、例えば、約15重量パーセント以上の可塑剤を含めてもよい。中心フィルタプラグまたは、それがある場合には、上流フィルタ部分には、当該技術において一般に知られているような、吸着剤または添加剤を含めてもよい。中心フィルタプラグまたは、それがある場合には、上流フィルタ部分には、当該技術において一般に知られているような、カプセルまたはスレッド(thread)を含めてもよい。
実施形態によっては、吸口端フィルタ部分は、中心フィルタ部分のまわりに配置された1つまたは複数の流路を有する、周辺領域を含む。流路を形成する材料は、中心フィルタプラグを形成する材料と接触してもよい。実施形態によっては、流路を形成する材料と中心フィルタプラグを形成する材料の間に、層を配置してもよい。この層は、好ましくは、流路内の煙の中心フィルタプラグへの拡散を抑制または予防する材料で形成され、このことによって、中心フィルタプラグの汚損の予防が支援される。この中間層は、任意の好適な材料、例えば、紙、セルロースフィルムなどで形成してもよい。
【0009】
煙に対する流路の透過率は、好ましくは、中心フィルタプラグの実質的な汚損を防止するのに足るだけ、中心プラグの透過率よりも大きい。喫煙物品の吸口端セグメントの1つまたは複数の流路と、中心フィルタプラグとの間に層があるかどうかにかかわらず、吸引抵抗は、好ましくは、中心フィルタプラグを通過するよりも、流路を有する周辺領域を通過する方が、実質的に低い。吸引抵抗が低くなると、中心フィルタプラグを通過するよりも、流路を通過して流れる煙が多くなり、このことによって、周辺流路を有さないフィルタプラグの吸口端汚損と比べて、中心フィルタプラグの汚損が減少することになる。流路を包含する周辺領域の吸引抵抗は、好ましくは、ゼロ水位計mm(「mmWG」)に近い。実施形態によっては、流路を包含する周辺領域の吸引抵抗は、約10mmWG以下であり、例えば、約5mmWG以下、または約1mmWG以下である。本明細書において記載される吸口端部分の周辺領域の吸引抵抗は、中心フィルタプラグの吸口端をふさいで、周辺領域の吸引抵抗を測定することによって、直接的に測定することができる。中心フィルタプラグの吸口端は、粘着プラグ、中心フィルタプラグの吸口端の形状に切断されたフィルム、などでふさいでもよい。しかしながら、周辺領域の吸引抵抗は、中心フィルタプラグの吸引抵抗よりも実質的に低い場合には、(中心フィルタ部分の吸口端をふさがない)吸口端フィルタ部分全体の吸引抵抗は、周辺領域の吸引抵抗にほぼ等しくなる。
【0010】
中心フィルタ部分の吸引抵抗は、吸口端フィルタ部分の吸口端における周辺領域をふさぐことによって試験してもよい。周辺領域の吸口端は、粘着プラグ、周辺領域の吸口端の形状に切断されたフィルム、などでふさいでもよい。代替的に、中心フィルタ部分の吸引抵抗は、吸口端セグメントにまだ組み込まれていない、またはそこから取り外されている、中心プラグ部分上で試験してもよい。実施形態によっては、中心フィルタプラグの吸引抵抗は、約50mmWG以上であって、例えば、約100mmWG以上または約200mmWG以上である。通常、中心フィルタプラグの吸引抵抗は、約500mmWG未満である。吸引抵抗は、長さを基準として表わしてもよい。例えば、中心フィルタプラグは、約5mmWG/(中心プラグ部分の長さmm)以上の吸引抵抗、例えば、約10mmWG/mm以上、または約20mmWG/mm以上を有する。通常、中心フィルタプラグの吸引抵抗は、約100mmWG/(中心フィルタプラグの長さmm)未満である。
【0011】
実施形態によっては、中心プラグの吸引抵抗は、流路を有する周辺領域を通過しての吸引抵抗よりも、5倍以上大きく、例えば、10以上または50倍以上、大きい。
【0012】
吸引抵抗は、煙の透過率に比例することが理解されるであろう。したがって、吸口端セグメントの周辺領域が、中心フィルタプラグの吸引抵抗よりも約10分の1の吸引抵抗を有する場合には、周辺領域は、中心フィルタプラグの煙に対する透過率よりも、約10倍大きい煙に対する透過率を有することになる。実施形態によっては、吸口端部分の周辺領域を通過する煙の透過率は、吸口端部分の中心フィルタプラグを通過する煙の透過率よりも、約5倍以上大きく、例えば、約10倍大きいか、または約50倍大きい。
したがって、周辺領域を通過して流れる煙の量は、中心フィルタプラグを通過して流れる煙の量よりも実質的に大きくなり、このことから、中心フィルタプラグの汚損は顕著に少なくなる筈である。好ましくは、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の実質的に全部が、周辺領域を通過して流れる。実施形態によっては、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の約80%以上、例えば約90%以上または約95%以上が、周辺領域を通過して流れる。したがって、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の約20%以下、例えば、約10%以下または約5%以下が、中心フィルタプラグを通過して流れる。
中心フィルタ部分と周辺領域とを通過して流れる煙の相対的量に関わらず、中心フィルタプラグの吸口端汚損は、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有さない類似の喫煙物品と比べて、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有する喫煙物品において、好ましくは実質的に低減される。好ましくは、本明細書に記載した1つまたは複数の流路を備える吸口端部分を有する喫煙物品の喫煙の後に、実質的に、中心フィルタプラグの目に見える汚損がほとんど、またはまったく発生しない。実施形態によっては、中心フィルタプラグの吸口端汚損は、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有さない類似の喫煙物品と比べて、約50%以上、例えば、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上、低減される。相対的な汚損低減は、分析機器を使用するか、または視覚近似によって比較してもよい。
【0013】
中間層を備えるか、または備えずに、中心フィルタプラグのまわりに配置された周辺領域における1つまたは複数の流路は、任意の好適な方法で形成してもよい。実施形態によっては、流路は、中心フィルタプラグのまわりに螺旋状に巻きつけられる。例として、発明者名をvan de Campとして、2008年3月13日付けで出願された、「Spirally Wound Tube with Voids and Methods for Manufacturing the Same」という名称の米国公開特許出願第2008/060746号に記載されている方法を修正して、中心フィルタプラグまわりの流路を形成してもよい。米国公開特許出願第2008/060746号の修正方法を使用して、紙プライ(paper plies)を、接着剤浴に浸漬し、次いで、千鳥状に(staggered fashion)連続流中で、中心フィルタプラグに巻き付けてもよい。プライは、巻きつけられたフィルタプラグが切断されて、喫煙物品中に挿入するための吸口端部分を形成するまで、筒体がフィルタプラグのまわりを円形に移動するように、ベルトで駆動してもよい。米国公開特許出願第2008/060746号の方法において、1つまたは複数の螺旋状流路が、フィルタプラグのまわりに形成されるように、間隙を、螺旋状に巻き付けられたプライの間に形成してもよい。流路は、互いに積み重ねて接着してもよい、1つまたは複数の層のプライの間に形成してもよい。流路の高さは、層数および使用された紙の厚さに依存することになる。その幅は、流路を形成する平行なプライ層のオフセットに依存することになる。
【0014】
US2008/060746の方法において、重畳する内側プライが、この開示の目的では中心フィルタプラグとすることもできる、マンドレルのまわりに形成されて、内側層を形成する。螺旋流路が2つ以上の中間プライから形成され、外側プライ層が中間層の上に形成されて、流路からの螺旋導管を形成する。内側プライおよび外側プライは、中間プライよりも厚い、本開示の目的では、US2008/060746の内側プライおよび外側プライの一方または両方を省略してもよい。例えば、薄いプライで形成される流路は、内側層なしで中心フィルタプラグ上に直接、配置してもよい。代替的または追加的に、螺旋状に巻回された筒体の外側層を省略して、プラグ包材(plug wrap)、チッピングペーパ(tipping paper)などを、喫煙物品の後続の製造ステップの間に、吸口端セグメントのまわりに配置してもよい。
【0015】
セルロースフィルムなどのような、紙以外の材料を、US2008/060746の修正方法において使用して、喫煙物品の吸口端部分を形成してもよいことが理解されよう。
勿論のこと、任意の好適なその他の方法を使用して、中心フィルタプラグのまわりの流路を形成してもよい。実施形態によっては、流路は、吸口セグメントまたは喫煙物品の縦方向軸に平行に形成され、それらは、一般に、喫煙物品が完全に組み立てられると同じものとなる。例として、紙、セルロースフィルムなどのような材料のプライまたはストリップを、積層、熱間箔押し、その他によって、中心フィルタプラグ、または中心フィルタプラグを包囲する層の上に堆積させてもよい。好ましくは、3つ以上のストリップを使用して、3つ以上の流路を生成する。このストリップは、互いに重ねて層状化して、所望の流路高さを達成する。流路の幅は、隣接するストリップ間の距離に依存することになる。実施形態によっては、流路は、すべてがおよそ等しい幅であるとともに、中心フィルタプラグの周囲のまわりにほぼ等間隔で配置される。螺旋状流路が上述のように形成されるのと同様に、外部包材が、最終的に、直線状流路のまわりに設置されて、煙が通過できる導管を形成する。
【0016】
流路が螺旋状であるか、喫煙物品の縦方向軸に平行であるか、その他であるかに関わらず、流路は、好ましくは、吸口端セグメントが喫煙物品中に組み込まれるときに、低い吸引抵抗を生成するのに十分な大きさである。実施形態によっては、流路は、約1.0mm2以上、例えば、約4.0mm2以上または約8.0mm2以上の横断面積を有する。好ましくは、流路は、約10.0mm2以下、例えば、約6.0mm2以下または約2.0mm2以下の横断面積を有する。横断面積が大きすぎると、吸口端部分における喫煙物品の構造的完全性が損なわれる可能性がある。実施形態によっては、流路の高さは、約0.1から約1.0mm、例えば約1.5mmから約2.0mmである。実施形態によっては、流路の幅は、約1.5mmから約3.0mm、例えば、約4.0mmから約6.0mmである。
【0017】
実施形態によっては、吸口端フィルタ部分は、喫煙物品の吸口端まで延びている。実施形態によっては、喫煙物品は、吸口端フィルタ部分の下流に配置された筒体を含み、この筒体は喫煙物品の吸口端まで延びている。筒体は、中心内腔を画定し、吸口端フィルタ部分の周辺領域と連通するように構成された、周辺流路を含んでもよい。すなわち、筒体の周辺流路は、吸口端フィルタ部分に対して、吸口端フィルタ部分の周辺領域を通過して流れる煙のほとんど、または全部が、筒体の中心内腔を通過するのではなく、筒体の周辺流路を通過して流れるように、設置してもよい。例として、吸口端フィルタ部分の周辺領域における流路は、筒体の周辺流路と整列させてもよい。筒体の流路(単数または複数)は、螺旋状、直線状、またはその他任意の好適な形状としてもよく、また任意好適な大きさとしてもよい。実施形態によっては、筒体の流路は、吸口端フィルタセグメントの周辺領域における流路と同一または類似の形状である。実施形態によっては、筒体の流路は、吸口端フィルタセグメントの周辺領域における流路と、同一または類似の幅、深さまたは横断面積を有する。筒体の中心内腔は、好ましくは、吸口端フィルタ部分の中心フィルタプラグと軸方向に実質的に整列されている。筒体の中心内腔は、吸口端フィルタ部分の中心フィルタプラグの横断面積および横断面形状と同一または類似の横断面積および横断面形状を有してもよい。筒体は、任意の好適な材料、例えばポリマー材料などで形成してもよく、また任意の好適な寸法としてもよい。実施形態によっては、筒体は、長さが約5mmから約10mmの間である。筒体の外部直径寸法は、好ましくは、吸口端フィルタ部分の外部直径寸法と同一または類似している。筒体は、吸口端フィルタ部分の吸口端を超えて吸口方向に延びる、喫煙物品の一部分によって形成するか、または個別の筒状部材によって形成してもよい。
【0018】
喫煙物品は、吸口端フィルタ部分のまわりに配置される、外部包材を含む。この包材は、それが含められる場合には、吸口端筒体のまわりに配置してもよい。流路を有する吸口端部分の周辺領域のまわりに配置される外部包材の剛性は、流路の高さおよび幅に応じて、および流路が螺旋状に巻回されているか、直線状であるか、その他に応じて変動することがある。例えば、より幅が広く、高い流路を備える、より剛性の高い包材が望ましいことがあり、また同じ幅および高さの螺旋状流路と比べて、直線状流路を備える、より剛性の高い包材が望ましいことがある、などである。
実施形態によっては、流路を包囲する外部包材は、透明または半透明であり、例えば、透明または半透明のセルロースフィルムなどであり、使用中に流路を通過する煙の可視化を可能にする。喫煙物品が、包材のまわりに配置されるチッピングペーパも含む場合には、チッピングペーパも、吸口端フィルタセグメントおよび、それがある場合には、吸口端筒体流路における、喫煙が観察できるように、透明または半透明としてもよい。吸口端フィルタ部分または、それがある場合には、吸口端筒部が、螺旋状流路を有する実施形態においては、透明または半透明の包材を通して渦を巻く煙が観察できて、視覚的興味を与える。
【0019】
本開示に記載された喫煙物品は、通気ゾーンを含んでもよい。通気ゾーンは、通気ゾーンに隣接するエリアと比較して、通気ゾーンに沿ったデバイス中への空気流量を大きくすることを可能にする、高い有孔率を有する。通常は、包装材における穿孔の形態である、通気ゾーンは、吸口端部分の上流にあるか、または吸口端部分の領域にある。通気ゾーンの場所に関わらず、通気ゾーンは、好ましくは、主流煙の約30%から約90%間の希釈、より好ましくは、主流煙の約50%から約80%の間の希釈をもたらす。「希釈」とは、通気ゾーンを完全に開放した状態で、喫煙物品の吸口端から消費者へ配送される煙に含まれる空気の体積パーセントを指す。通気ゾーンによって達成される、通気または希釈の程度は、ISO試験方法9512:2002によって求めることができる。
【0020】
本明細書に記載される喫煙物品は、新規で進歩的な吸口端部分を有するが、これらの喫煙物品は、好ましくは、消費者にとって望ましい1つまたは複数の属性、例えば、全長または外見、堅固さまたは感触、全吸引抵抗、フルマウス効果(full mouth effect)などを維持することが好ましい。マウスフルネス(mouth fullness)は、例えば、コーティング(coating)、乾燥度(dryness)または渋味(astringency)などその他の刺激に無関係の、口および喉における煙の豊潤さ(richness)および量感(volume)の知覚である。フルマウス効果またはマウスフルネスは、渦流効果を生成する筈である螺旋状流路、または直線状流路のいずれかから生ずることが期待される。
【0021】
本明細書において記載された吸口端部分は、任意の好適な喫煙物品、例えば、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ(cigarillos)などを含む、燃焼式喫煙物品、または非燃焼式エアロゾル発生喫煙物品に含めてもよい。
吸口端部分を組み込んだ喫煙物品には、上流フィルタ部分およびタバコロッドも含めてもよい。燃焼式喫煙物品のタバコロッドは、通常、刻みタバコ葉から形成される。プラグ包材には、吸口端部分、または吸口端部分およびフィルタ部分を含めてもよい。したがって、プラグ包材は、実施形態によっては、吸口端フィルタ部分の流路を包囲する外部包材に外接するか、または外部包材の少なくとも一部分に外接してもよい。チッピングペーパは、通常、フィルタ部分全体およびタバコロッドの隣接部分を包囲する。
【0022】
エアロゾル発生装置を含む、喫煙物品は、通常、ロッドの形態で、しばしばその他の構成要素とともに組み立てられる、エアロゾル形成基材を備える。しばしば、そのようなロッドは、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱要素を備える、エアロゾル発生装置中に挿入されるような形状および大きさに構成される。本明細書において使用される場合に、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置に使用することのできる、1種の喫煙組成物である。エアロゾル形成基材は、固体形態または液体形態とすることができる。基材は、液体成分および固体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコを含んでもよい。エアロゾル形成基材は、粉末、顆粒、ペレット、細片(shreds)、スパゲッティ状より糸(strands)、ストリップまたはシートの形態をとることのできる担体上に、またはその中に埋め込んで提供してもよい。エアロゾル形成基材は、シート、泡、ゲルまたはスラリの形態の担体の表面に堆積させてもよい。エアロゾル形成基材は、担体の全表面上に堆積するか、代替的に、使用中に不均一な香味放出を行うためにパターン化して堆積させてもよい。非燃焼式エアロゾル発生喫煙物品には、本明細書において記載したような吸口端部分を含めてもよく、または上流フィルタ部分を含めてもよい。
次に図1〜5を参照すると、新規の喫煙物品またはその吸口端部分の様々な態様を図解する、概略図が示されている。これらの図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、例証のために提示されるものであり、限定はされない。これらの図面は、本明細書において記載した様々な態様を図示する。しかしながら、図面において図示されないその他の態様が、本開示の範囲と趣旨に含まれることを理解されるであろう。図に使用される同様の番号は、同様の構成要素、ステップなどを指している。しかしながら、所与の図における構成要素を参照するための番号の使用は、同一の番号でラベル付けされた、別の図における構成要素を限定することを意図していないことが理解されるであろう。加えて、構成要素を参照するのに異なる番号を使用することは、異なる番号をつけられた構成要素が同一または類似であり得ないことを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】喫煙物品の吸口端部分の実施形態の概略斜視図である。
図2図1に図示された吸口端部分の実施形態の概略端面図である。
図3】喫煙物品の吸口端部分の実施形態の概略斜視図である。
図4】喫煙物品の実施形態の概略縦断面図である。
図5】喫煙物品の実施形態の概略縦断面図である。
図6図5に図示された筒状要素の実施形態の概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に提示される概略図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、単に例証の目的で示されている。
図1を参照すると、喫煙物品の吸口端フィルタ部分100が図示されている。図示されている吸口端フィルタ部分10は、中心フィルタプラグ10、および中心フィルタプラグ10のまわりに配置された周辺領域20を含む。周辺領域は、ストリップ22を含み、このストリップ22間に流路24が形成され、これらは図2に図示された端面図においてよくわかる。図1の吸口端フィルタ部分に図示されている流路24は、互いに平行かつ吸口端部分の縦方向軸に平行に延びている。喫煙物品に組み込まれたときに、流路は、物品の吸口端へと延びてもよい。図示はされていないが、中間層が、中心フィルタプラグ10と、流路24を形成するストリップ22との間に存在してもよいことが理解される。また、流路24を形成するストリップ22のまわりに配置された外層は、吸口端フィルタ部分を喫煙物品に含める前に、吸口端フィルタ部分100内に含めてもよいことが理解されるであろう。
【0025】
図3は、喫煙物品の吸口端フィルタ部分100の代替実施形態を図示しており、この場合に、ストリップ22によって形成される流路24は、中心フィルタプラグ10のまわりに螺旋状に巻回されている。図1に図示されている吸口端フィルタ部分10と同様に、図3に図示されている吸口端フィルタ部分10の流路24は、喫煙物品中に組み込まれたときに、喫煙物品の吸口端まで延びてもよい。
【0026】
図4は、図1図2または図3に図示されている吸口端フィルタ部分のような吸口端フィルタ部分100がその中に組み込まれる、喫煙物品200を図示している。吸口端フィルタ部分100は、流路(図4には図示せず)が物品の吸口端まで延びるように、喫煙物品200中に組み込まれている。図示された喫煙物品200は、吸口端部分100の上流にフィルタ部分30をさらに含む。吸口端フィルタ部分100は、図4においては上流フィルタ部分30に当接するように示されているが、吸口端部分100と上流フィルタ30は、吸口端フィルタ部分100と上流フィルタ300の間に間隔または間隙(図示せず)を有して、互いに隣接して設置してもよいことが理解されるであろう。図示された喫煙物品200は、フィルタ30の上流にタバコロッド60を含む。喫煙物品200には、吸口端部分100の少なくとも一部分に外接しながら、図示されているように、フィルタ30の少なくとも一部分と外接してもよい、プラグ包材40を含めてもよい。プラグ包材40は、吸口端部分100の空洞(図4には図示せず)を覆って剛性を与えることによって、吸口端部分において喫煙物品の堅固さを向上させることができる、剛性プラグ包材としてもよい。チッピングペーパ50またはその他の好適な包装材が、吸口端部分100およびフィルタ部分30と外接するとともに、当該技術において一般に知られているように、タバコロッド12と重なってもよい。
【0027】
図5は、喫煙物品の吸口端内部で筒体300がその中に配置される、喫煙物品200を図示しており、図6は、筒体300の端面図を示している。筒体300は、図1、2、または3に図示された吸口端フィルタ部分100であってもよい、吸口端フィルタ部分100の下流にあるとともに、それに当接している。筒体300は、吸口端フィルタ部分100の中心プラグ(10、例えば図2を参照)と整列する、中心内腔310を画定する。筒体300は、吸口端フィルタ部分100の周辺流路(24、例えば図2を参照)と整列する、周辺流路324を含む。図5に図示された喫煙物品200は、吸口端部分100の上流のフィルタ部分30をさらに含む。吸口端フィルタ部分100は、図5においては上流フィルタ部分30に当接している状態が示されているが、吸口端部分100と上流フィルタ30は、吸口端フィルタ部分100と上流フィルタ300の間に間隔または間隙(図示せず)を有して、互いに隣接して設置してもよいことが理解されるであろう。図示された喫煙物品200は、フィルタ30の上流のタバコロッド60を含む。喫煙物品200には、吸口端部分100の少なくとも一部分と外接しながら、図示されているように、フィルタ30の少なくとも一部分と外接してもよい、プラグ包材40を含めてもよい。プラグ包材40は、吸口端部分100の空洞(図5に図示せず)を覆って剛性を与えることによって、吸口端部分において喫煙物品の堅固さを向上させることのできる、剛性プラグ包材としてもよい。チッピングペーパ50またはその他の好適な包装材は、吸口端部分100およびフィルタ部分30と外接するとともに、当該技術において一般に知られているように、タバコロッド12と重なってもよい。
【0028】
本明細書において使用される、すべての科学的および技術的な用語は、特に断らない限りは、当該技術において通例として使用されている意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を促進するためのものである。
【0029】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合には、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明確にそうではないことを断らない限り、複数の指示物を有する実施形態を包含する。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合には、「または(or)」という用語は、一般に、内容が明確にそうでないことを断らない限り、「および/または(and/or)」を含む意味で用いられる。
【0030】
本明細書において使用される場合には、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」などは、オープンエンド形式で使用され、一般に「含むが、それに限定されない(including, but not limited to)」ことを意味する。「主として〜からなる(consisting essentially of)」、「〜からなる(consisting of)」などは、「備えている(comprising)」などに包含されることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2018年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を有する中心フィルタプラグと、該中心フィルタプラグの外表面のまわりに配置された周辺領域とを含む、吸口端フィルタ部分;
前記吸口端フィルタ部分の前記周辺領域のまわりに配置された外部包材;および
前記吸口端フィルタ部分の上流にある上流フィルタ部分
から実質的になるフィルタを備える、喫煙物品であって、
前記周辺領域を通過する煙の透過率が、前記中心フィルタプラグを通過する煙の透過率より、5倍以上大きいとともに、
前記周辺領域は、煙が通過して流れるように構成された、1つまたは複数の流路を含み、
前記1つまたは複数の流路が、前記中心フィルタプラグのまわりに配置され、該中心フィルタプラグと接触する、1つまたは複数のストリップの間に間隔を設けることにより形成され、
さらに前記1つまたは複数の流路が、前記中心フィルタプラグの前記外表面から、前記外部包材の内表面まで延び、
前記上流フィルタ部分が、前記吸口端部分の直径と実質的に同一の直径を有し、前記上流フィルタ部分が、前記吸口端部分よりも実質的にフィルタリングに寄与し、前記上流フィルタ部分が、周辺流路を有さず、
前記吸口端フィルタ部分は、前記上流フィルタ部分に隣接し、
前記喫煙物品が喫煙された後に、吸口端中心フィルタプラグの目に見える汚損が認められない、
喫煙物品。
【請求項2】
前記周辺領域を通過する煙の透過率が、前記中心フィルタ部分を通過する煙の前記透過率の10倍以上である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記外部包材の少なくとも一部分と外接する、チッピングペーパをさらに備える、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記1つまたは複数の流路が、前記流路の長さに沿って約1.0mm2以上の横断面積を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記1つまたは複数の流路が、前記流路の長さに沿って約1.0mm以上の幅と、前記流路の長さに沿って約0.1mm以上の高さを有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記中心フィルタ部分が、セルロースアセテートトウを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記中心フィルタ部分が、少なくとも10重量%の可塑剤をさらに含む、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記上流フィルタ部分が、前記吸口端部分に隣接する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記上流フィルタ部分が、前記中心フィルタプラグの前記透過率と異なる透過率を有する、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記外部包材が、前記吸口端部分の上流の1つまたは複数の通気穴を含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記吸口端フィルタ部分が、前記喫煙物品の吸口端まで延びている、請求項1から10までのいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
周辺流路を含むとともに、内側内腔を画定する筒体をさらに備え、
前記内側内腔が、前記吸口端フィルタ部分の前記中心フィルタプラグと実質的に軸方向に整列されているとともに
前記筒体の前記周辺流路が、前記吸口端フィルタ部分の前記周辺領域と連通するように構成されている、請求項1から10までのいずれか1項に記載の喫煙物品。