特開2018-176397(P2018-176397A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000003
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000004
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000005
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000006
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000007
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000008
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000009
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000010
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000011
  • 特開2018176397-ロボットシステム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-176397(P2018-176397A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20181019BHJP
【FI】
   B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-84358(P2017-84358)
(22)【出願日】2017年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】樋口 敏之
(72)【発明者】
【氏名】谷 喜東
(72)【発明者】
【氏名】赤木 哲也
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707KT01
3C707KT06
3C707LU05
3C707LV13
3C707MS06
3C707MS27
3C707MS28
3C707MT02
(57)【要約】
【課題】安全性を高めつつ生産性を維持した、作業効率の高いロボットシステムを提供する。
【解決手段】ロボットシステム(1)は、アーム(12)の動作を制御するアーム動作制御部(22)と、前記アームの動作方向領域での移動体の有無を検知する移動体検知部(21)と、を備えており、前記アーム動作制御部は、前記移動体検知部が前記移動体を検知した場合の前記アームの動作速度を、前記移動体を検知しなかった場合の前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームの動作を制御するアーム動作制御部と、
前記アームの動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する移動体検知部と、を備えており、
前記アーム動作制御部は、前記移動体検知部が前記移動体を検知した場合の前記アームの動作速度を、前記移動体を検知しなかった場合の前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる
ことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記動作方向領域は、前記アームの動作を規定するプログラムに記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を含むように設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記動作方向領域は、前記アームの動作を規定するプログラムに記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を、前記アームの動作を実行しているプログラムの現在のステップから先読みして設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
警告を外部に発信する警告発信部をさらに備えており、
前記移動体検知部が前記移動体を検出した場合、前記警告発信部は前記警告を発信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記移動体検知部が前記移動体を検出した場合、前記アーム動作制御部は、前記アームの動作を停止、または低速動作させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記アーム動作制御部は、前記アームの動作を停止、または低速動作させた後に前記移動体検知部が当該アームの動作方向に前記移動体を検知しなくなった場合、前記動作方向へ前記アームの動作を再開、または通常速度で動作させる
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記アームの動作範囲を検出するアーム動作範囲検出部をさらに備えており、
前記移動体検知部が、前記動作方向領域でかつ前記アームの動作範囲での前記移動体の有無を検知する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記アームの動作範囲の外側に設定された移動体位置範囲における前記移動体の有無を監視する移動体位置範囲監視部をさらに備えており、
前記アーム動作制御部は、前記移動体位置範囲監視部が、前記移動体を検知しないとき、前記アームの動作速度を、前記移動体位置範囲監視部が前記移動体を検知しているときの前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記移動体検知部は、カメラが撮像した撮像画像に基づいて前記アームの動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムによって動作するロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業を行うように動作可能なアームを備えたロボットシステムが従来技術として知られている。このようなロボットシステムに対して、作業中にアームが他の作業者と衝突しないようにするための技術についても知られている。例えば、特許文献1には、ロボットの動作速度に応じて当該ロボットの周囲に設定された所定の範囲の領域に対して、当該領域内に移動体が存在することを検知すると異常判定を行い、当該異常判定に応じた処理(ロボットの動作停止、警報の発信、および作業用アームの動作速度の低減)を行うロボットシステムが開示されている。特許文献2には、通常は第1の閾値以下のスピードで動作し、ロボットの周囲の設定された検出域内に定義された危険域に人の胴体または頭部を検出すると、第2の閾値以下のスピードで動作するロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−176932号公報(2014年9月25日公開)
【特許文献2】特表2015−526309号公報(2015年9月10日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術は、いずれもロボットの周囲に設定した領域内に移動体を検出したとき、アームの動作を通常と異ならせることによって当該移動体とアームとの衝突を抑制している。しかしながら、これらの従来技術は、実際には衝突が発生しない領域まで判定の対象とするおそれがあるため、作業効率の低下を招くという問題があった。
【0005】
本発明の一態様は、安全性を高めつつ生産性を維持した、作業効率の高いロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るロボットシステムは、アームの動作を制御するアーム動作制御部と、前記アームの動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する移動体検知部と、を備えており、前記アーム動作制御部は、前記移動体検知部が前記移動体を検知した場合の前記アームの動作速度を、前記移動体を検知しなかった場合の前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる構成である。
【0007】
本発明の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記動作方向領域は、前記アームの動作を規定するプログラムに記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を含むように設定されている構成としてもよい。
【0008】
本発明の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記動作方向領域は、前記アームの動作を規定するプログラムに記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を、前記アームの動作を実行しているプログラムの現在のステップから先読みして設定されている構成としてもよい。
【0009】
本発明の一態様に係るロボットシステムは、警告を外部に発信する警告発信部をさらに備えており、前記移動体検知部が前記移動体を検出した場合、前記警告発信部は前記警告を発信する構成としてもよい。
【0010】
本発明の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記移動体検知部が前記移動体を検出した場合、前記アーム動作制御部は、前記アームの動作を停止する構成としてもよい。
【0011】
本発明の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記アーム動作制御部は、前記アームの動作を停止した後に前記移動体検知部が当該アームの動作方向に前記移動体を検知しなくなった場合、前記動作方向へ前記アームの動作を再開する構成としてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係るロボットシステムは、前記アームの動作範囲を検出するアーム動作範囲検出部をさらに備えており、前記移動体検知部が、前記動作方向領域でかつ前記アームの動作範囲での前記移動体の有無を検知する構成としてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係るロボットシステムは、前記アームの動作範囲の外側に設定された移動体位置範囲における前記移動体の有無を監視する移動体位置範囲監視部をさらに備えており、前記アーム動作制御部は、前記移動体位置範囲監視部が、前記移動体を検知しないとき、前記アームの動作速度を、前記移動体位置範囲監視部が前記移動体を検知しているときの前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる構成としてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記移動体検知部は、カメラが撮像した撮像画像に基づいて前記アームの動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、安全性を高めつつ生産性を維持した、作業効率の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態1に係るロボットシステムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係るロボットシステムの概要を示す模式図である。
図3】本発明の実施形態1に係るロボットシステムを上から見た俯瞰図である。
図4】本発明の実施形態1に係るロボットシステムを上から見た俯瞰図である。
図5】本発明の実施形態1に係るロボットシステムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態2に係るロボットシステムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態3に係るロボットシステムを上から見た俯瞰図であり、(a)は作業者が作業用アームの動作方向かつロボット動作範囲内に存在する場合を示し、(b)は作業者が作業用アームの動作方向かつロボット動作範囲外に存在する場合を示す。
図8】本発明の実施形態3に係るロボットシステムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態4に係るロボットシステムを上から見た俯瞰図であり、(a)は作業者が作業用アームの動作方向かつロボット動作範囲内に存在する場合を示し、(b)は作業者が作業用アームの動作方向かつロボット動作範囲外に存在する場合を示す。
図10】本発明の実施形態4に係るロボットシステムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜5を用いて詳細に説明する。
【0018】
(ロボットシステムの構成)
本実施形態に係るロボットシステム1の概要および構成について、図1および2を用いて説明する。図1は、ロボットシステム1の要部構成の一例を示すブロック図である。図2は、ロボットシステム1の概要を示す模式図である。
【0019】
まず、ロボットシステム1の概要を、図2を用いて説明する。図示の例によれば、ロボットシステムは、台座から伸びた支持柱に固定されたカメラ11を用いて作業者を含む移動体を撮像することができる。また、ロボットシステム1は、台座に支持されたアーム12を動作させることによって作業を行うことができる。前記の処理は、ロボットシステム1が有する制御部20によって制御される。
【0020】
次に、ロボットシステム1の構成を、図1を用いて説明する。図示の例によれば、ロボットシステム1は、カメラ11、アーム12、制御部20、および記憶部30を備えており、制御部20は、移動体検知部21、およびアーム動作制御部22を備えている。また、記憶部30は、動作プログラム31を備えている。なお、図1には前記の構成の他に、警告発信部23、アーム動作範囲検出部24、および移動体位置範囲監視部25が示されているが、本実施形態ではこれらの部材は必須ではない。これらの部材の詳細については、後述する実施形態2〜4においてそれぞれ説明する。
【0021】
ロボットシステム1は、動作プログラム31にしたがって各部を動作させることができる。より具体的には、ロボットシステム1は、動作プログラム31にしたがって、カメラ11およびアーム12を動作させることができる。
【0022】
なお、図示はしないが、制御部20は例えばコントローラなどの上位機器と通信接続されており、該コントローラからの指示に応じて動作プログラム31における動作内容を変更する構成であってもよい。また、アーム12の実際の動作状況やカメラ11による撮像データなどをコントローラに送信してもよい。
【0023】
ロボットシステム1は、アーム12が動作する際、アーム12の動作方向に応じて動作方向領域を設定し、当該動作方向領域について、カメラ11を用いて撮像することができる。ここで、動作方向領域は、アーム12が動作する方向に対して設定された領域であり、動作方向領域の中に移動体が存在すると、当該移動体がアーム12と衝突する可能性があるとみなされる所定の領域である。換言すれば、動作方向領域は、アーム12に対して、今からアーム12が動作する方向(動作側)に設定された領域である。つまり動作方向領域は、アーム12が動作するときに、制御部20が設定するアーム12の現在位置から目標位置まで動作する範囲を含む。逆に、今からアーム12が動作する方向の反対側の領域は含まれない。さらに、制御部20は、少なくとも1つ以上の目標位置を連続して設定してもよい。このとき、動作方向領域は、動作プログラム31に記載された少なくとも1つ以上のアーム12の目標位置を含むように設定されてもよい。このとき、制御部20は、動作プログラム31に記載された少なくとも1つ以上のアーム12の目標位置を、当該アーム12の動作を実行している動作プログラム31の現在のステップから先読みして設定することが好適である。ロボットシステム1は、カメラ11が撮像した撮像画像から、動作方向領域に作業者を含む移動体が存在するか否かを判定する。移動体が存在すると判定したとき、ロボットシステム1は、アーム12の動作速度を、動作方向領域に移動体が存在しないと判定したときの動作速度と互いに異ならせて動作させることができる。
【0024】
カメラ11は、動作プログラム31にしたがって動作することができる。カメラ11は、動作プログラム31を読み出した制御部20からの指示にしたがってアーム12の動作方向領域を撮像し、撮像画像を移動体検知部21へ送信することができる。図示の例において、カメラ11はロボットシステム1に含まれる構成としているが、アーム12の動作方向領域を撮像した撮像画像を移動体検知部21へ送信することができるのであれば、どのような構成であってもよい。例えば、ロボットシステム1は、外部のカメラが撮像した撮像画像を、通信によって取得する構成であってもよい。
【0025】
アーム12は、ロボットシステム1が作業に用いる部位である。アーム12は、例えば、複数の関節部を備えるフレキシブルアームであってもよい。アーム12は、アーム動作制御部22の制御にしたがって動作することができる。
【0026】
記憶部30は、ロボットシステム1にて扱う各種データを保持することができる。図示の例において、記憶部30は、動作プログラム31を少なくとも備えている。
【0027】
動作プログラム31は、ロボットシステム1の動作に必要な処理が記述されたプログラムである。動作プログラム31は制御部20によって読み出され、制御部20は記述内容にしたがって各部を動作させることができる。
【0028】
制御部20は、ロボットシステム1の各部を統括して制御する。制御部20は、アーム12の動作方向を決定することができる。アーム12の動作方向を決定すると、制御部20は、移動体検知部21に対して、動作方向領域に作業者を含む移動体が存在するか否かを確認させることができる。制御部20は、動作方向に向けてアーム12を動作させるよう、アーム動作制御部22へ指示することができる。なお、図1において、制御部20はロボットシステム1の内部に含まれる構成であるが、カメラ11およびアーム12を動作させることが可能な構成であれば、図2のように筐体の外側に配置される構成であってもよい。
【0029】
移動体検知部21は、制御部20の指示に応じて、動作方向領域での作業者を含む移動体の有無を検知することができる。移動体検知部21は、検知した結果を、アーム動作制御部22へ送信することができる。なお、移動体検知部21は、移動体の有無を検知することが可能であれば、検知の対象はカメラ11による撮像画像に限定される必要はない。例えば、所定の領域に対してレーザー光をスキャニングし、反射光の有無によって移動体の侵入を検知するレーザースキャナを用いて、当該レーザースキャナの検知結果をアーム動作制御部22へ送信してもよい。
【0030】
アーム動作制御部22は、制御部20からの指示に応じてアーム12を動作させることができる。アーム動作制御部22は、移動体検知部21が移動体を検知したか否かに応じて、アーム12の動作速度を異ならせることができる。より具体的には、アーム動作制御部22は、移動体検知部21が移動体を検知した場合のアーム12の動作速度を、移動体を検知しなかった場合のアーム12の動作速度と互いに異ならせて動作させることができる。
【0031】
(ロボットシステムと移動体の位置関係)
本実施形態に係るロボットシステムにおける、ロボットシステム1と移動体との間の位置関係について、図3および4を用いて説明する。図3および4は、ロボットシステムを上から見た俯瞰図である。なお、図示の例において、移動体として作業者を記載しているが、これに限定される必要はない。
【0032】
図3は、アーム12の動作方向に設定された動作方向領域内に作業者が存在する場合を示す。カメラ11が動作方向領域を撮像すると、撮像画像には作業者が含まれることになるため、移動体検知部21は、当該作業者の存在を検知することができる。このとき、アーム12を動作させると、当該アーム12が作業者に衝突するおそれがある。そのため、アーム動作制御部22は、例えばアーム12を通常の動作速度よりも低速で動作させることにより、作業者が移動する時間的余裕を確保し、アーム12が作業者に衝突した場合に被害者に与える衝撃を抑制することができる。
【0033】
図4は、アーム12の動作方向に設定された動作方向領域内に作業者が存在しない場合を示す。したがって、カメラが動作方向領域を撮像したとき、撮像画像には作業者が含まれない。このとき、アーム12を動作させても、当該アーム12が作業者に衝突することはない。そのため、アーム動作制御部22は、例えばアーム12を通常の動作速度で動作させることにより、作業効率を高めることができる。
【0034】
(処理の流れ)
本実施形態に係るロボットシステム1が実行する処理の流れについて、図5を用いて説明する。図5は、ロボットシステム1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、アーム動作制御部22がアーム12の動作を決定し動作を開始すると、制御部20は当該アーム12の動作方向に動作方向領域を設定した後、移動体検知部21を用いてアームの動作方向領域に移動体の有無を確認する(S1)。そして、制御部20は、移動体検知部21がアームの動作方向領域に移動体を検知したか否かを判定する(S2)。移動体を検知したと判定した場合(S2でYES)、アーム動作制御部22は、アーム12を低速で動作させる(S3)。S3の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0036】
一方、S2にて動作方向領域に移動体を検知しなかったと判定した場合(S2でNO)、アーム動作制御部22は、アーム12を通常と同じように、高速で動作させる(S4)。S4の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0037】
前記の処理によって、ロボットシステム1は、アーム12を動かす方向に例えば作業者などの移動体が存在するときは、移動体が存在しないときとは異なる動作速度で当該アームを動作させることができる。これにより、作業者が動作方向領域から移動する時間的余裕を与えると共に、動作方向領域に作業者がいないときは通常の速度でアームを動作させることが可能となる。したがって、安全性を高めつつ生産性を維持した、作業効率の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0038】
なお、前述の説明において、ロボットシステム1は1つのカメラ11が撮像した撮像画像を用いて移動体を検知する構成であった。しかしながら、ロボットシステム1は、例えば複数のカメラのそれぞれが撮像した撮像画像を組み合わせて移動体を検知してもよい。このとき、制御部20は、複数の撮像画像を用いて、動作方向領域に高さを設定してもよい。すなわち、制御部20は、地面に対するアーム12の高さに応じて動作方向領域を設定してもよい。
【0039】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図1および6を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0040】
(ロボットシステムの構成)
本実施形態に係るロボットシステム1の構成について、図1を用いて説明する。
【0041】
ロボットシステム1の基本的な構成は前記実施形態1と同一であるが、一部構成が異なる。本実施形態において、ロボットシステム1は、警告発信部23をさらに備えている。
【0042】
ロボットシステム1は、動作方向領域の内側に作業者を含む移動体の存在を検知すると、警告発信部23を用いて警告を発信することができる。また、ロボットシステム1は、移動体検知部21がアーム12の動作方向領域内に作業者を含む移動体を検知すると、当該アーム12の動作を停止することができる。さらに、ロボットシステム1は、アーム12の動作を停止した後に移動体検知部21がアーム12の動作方向領域内に作業者を含む移動体を検知しなくなった場合は、当初設定した動作方向へ、アーム12の動作を再開することができる。
【0043】
警告発信部23は、移動体検知部21が、アーム12の動作方向領域内に作業者を含む移動体を検知すると、警告を外部に発信することができる。なお、警告は移動体が当該警告を検知することが可能なものであれば、どのようなものであってもよい。例えば音による警告であってもよいし、光や文字による警告であってもよい。
【0044】
(処理の流れ)
本実施形態に係るロボットシステム1が実行する処理の流れについて、図6を用いて説明する。図6は、ロボットシステム1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0045】
S1およびS2の処理は、前記実施形態1と同一である。
【0046】
S2にて、移動体を検知したと判定した場合(S2でYES)、アーム動作制御部22はアーム12の動作を停止し、警告発信部23は警告を発信する(S11)。その後、制御部20は、アーム12の動作方向領域に移動体を検知したか否かを判定する(S12)。動作方向領域に移動体を検知しなくなったと判定した場合(S12でNO)、アーム動作制御部22は、アーム12の動作を再開させる。一方、S12にて動作方向領域に移動体を検知したと判定した場合(S12でYES)、動作方向領域に移動体を検知しなくなるまで待機する。
【0047】
一方、S2にて動作方向領域に移動体を検知しなかったと判定した場合(S2でNO)、アーム動作制御部22は、前記実施形態1と同様に、アーム12を高速で動作させる(S4)。S4の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0048】
前記の処理によって、ロボットシステム1は、アーム12を動かす方向に作業者を含む移動体が存在するときは、警告を外部に発信し、アーム12の動作を停止する。これにより、作業者は、警告に基づいてアームの動作方向から移動することができる。さらに、ロボットシステム1は、作業者を含む移動体がアーム12の動作方向から離れたことを検知すると、アーム12の動作を再開する。これにより、安全性を高くし、さらに動作を継続することで作業効率を高めたロボットシステム1を提供することができるという効果を奏する。
【0049】
なお、前記の処理において、アーム動作制御部22は、アーム12の動作方向領域に移動体を検知するとアーム12の動作を停止する構成であった。しかしながら、アーム12と移動体の衝突を抑制できるのであれば、どのような構成であってもよい。例えば、アーム動作制御部22は、移動体検知部21が移動体を検知してアーム12の動作速度を異ならせて動作させた後、移動体検知部21が移動体を検知しなくなると、アーム12の動作速度を異ならせる前の速度に変更する構成であってもよい。また、警告発信部23による警告の発信がなく、アーム12の動作の制御のみを行う構成であってもよい。
【0050】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図1、7、および8を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0051】
(ロボットシステムの構成)
本実施形態に係るロボットシステム1の構成について、図1を用いて説明する。
【0052】
ロボットシステム1の基本的な構成は前記実施形態1と同一であるが、一部構成が異なる。本実施形態において、ロボットシステム1は、アーム動作範囲検出部24をさらに備えている。
【0053】
ロボットシステム1は、移動体検知部21が、移動体が動作方向領域の内側、かつアーム動作範囲検出部24が検出したアーム12の動作範囲の内側に存在することを検知したときは、アーム12の動作速度を通常と異ならせて動作させることができる。
【0054】
アーム動作範囲検出部24は、アーム12が動作する動作範囲を検出することができる。動作範囲は、アーム12が動くことができる最大の範囲であってもよいし、アーム動作制御部22が設定したアーム12の動作に応じた範囲であってもよい。
【0055】
移動体検知部21は、移動体が、動作方向領域の内側、かつアーム動作範囲検出部24が検出したアーム12の動作範囲の内側に存在するか否かを検知することができる。
【0056】
(動作方向領域とアームの動作範囲の位置関係)
本実施形態について、移動体検知部21が移動体の検知に用いる、動作方向領域とアーム12の動作範囲との位置関係について、図7を用いて説明する。図7は、ロボットシステム1を上から見た俯瞰図であり、(a)は作業者がアーム12の動作方向領域内かつアーム12の動作範囲内に存在する場合を示し、(b)は作業者がアーム12の動作方向内かつアーム12の動作範囲外に存在する場合を示す。
【0057】
図7の(a)より、動作方向領域は、アーム12の動作方向に沿った楕円状の領域として示されている。また、アーム12の動作範囲は、ロボットシステム1の土台を原点とする扇形の領域として示されている。図に示すように、アーム12の動作範囲は、動作方向領域と一部が重畳するように設定される。ロボットシステム1は、移動体検知部21が動作方向領域とアーム12の動作範囲とが重畳している領域内に作業者が存在することを検知したとき、アーム12の動作によって当該アーム12が作業者と衝突するおそれがあると判定する。このとき、アーム動作制御部22は、アーム12の動作速度を通常と異ならせることができる。
【0058】
図7の(b)は、作業者が、動作方向領域の範囲内であるが、アーム12の動作範囲には含まれない位置に存在する場合と示す。このような位置に存在する作業者を移動体検知部21が検知したとき、ロボットシステム1は、アーム12の動作によって当該アーム12が作業者と衝突するおそれはないと判定する。このとき、アーム動作制御部22は、アーム12を通常と同じように、高速で動作させることができる。
【0059】
前記の構成によって、本実施形態に係るロボットシステム1は、アーム12と作業者との衝突の有無について、より正確に判定することができる。
【0060】
(処理の流れ)
本実施形態に係るロボットシステム1が実行する処理の流れについて、図8を用いて説明する。図8は、ロボットシステム1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
S1の処理は、前記各実施形態と同一である。S1の後、制御部20は、移動体検知部21が動作方向領域かつアームの動作範囲内に移動体を検知したか否かを判定する(S21)。移動体を検知したと判定した場合(S21でYES)、アーム動作制御部22は、前記各実施形態と同様にS3の処理を行う。S3の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0062】
一方、S21にて移動体を検知しなかったと判定した場合(S21)、アーム動作制御部22は、前記各実施形態と同様にS4の処理を行う。S4の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0063】
前記の構成によれば、ロボットシステム1は、アーム12の動作方向かつ当該アーム12の動作範囲に作業者を含む移動体が存在しているときは、当該アーム12の動作速度を作業者が存在していないときと異ならせて動作させることができる。作業者がアーム12の動作方向であるが動作範囲の外側に存在するときは、アーム12を動作させても作業者が当該アームと衝突するおそれはないので、アーム12を通常の動作速度で動作させることができる。したがって、アーム12の動作範囲に応じてアーム12の動作速度を異ならせることによって生産効率の低下を抑制した、より作業効率の高いロボットシステム1を提供することができるという効果を奏する。
【0064】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図1、9〜10を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0065】
(ロボットシステムの構成)
本実施形態に係るロボットシステム1の構成について、図1を用いて説明する。
【0066】
ロボットシステム1の基本的な構成は前記実施形態3と同一であるが、一部構成が異なる。本実施形態において、ロボットシステム1は、移動体位置範囲監視部25をさらに備えている。
【0067】
ロボットシステム1は、アーム動作範囲検出部24が検出したアーム12の動作範囲の外側に設定された移動体位置範囲について、移動体位置範囲監視部25を用いて当該移動体位置範囲の内側に、作業者を含む移動体が存在するか否かを判定できる。ロボットシステム1は、判定結果に応じて、アーム12の動作速度を異ならせることができる。
【0068】
移動体位置範囲監視部25は、移動体位置範囲における、作業者を含む移動体の有無を監視することができる。移動体位置範囲は、アーム12の動作範囲の外側であればどのような位置に設定されてもよいが、作業者が定常作業を行う位置を含むように設定することが好適である。移動体位置範囲監視部25は、例えばカメラ11を用いて移動体位置範囲を含む領域を撮像し、撮像画像が作業者を含む移動体を含むか否かを判定してもよい。
【0069】
(移動体位置範囲と作業者の位置関係)
本実施形態について、移動体位置範囲監視部25が移動体の有無を監視する、移動体位置範囲と作業者の位置関係について、図9を用いて説明する。図9は、ロボットシステム1を上から見た俯瞰図であり、(a)は作業者が移動体位置範囲の内側に存在する場合を示し、(b)は作業者が移動体位置範囲の内側から外側へ移動した場合を示す。
【0070】
図9の(a)は、移動体位置範囲がアーム12の動作範囲の外側かつアーム12が動作によって移動する先に設定されており、かつ、移動体である作業者が、移動体位置範囲の内側に存在している場合を示す。ロボットシステム1は、移動体位置範囲監視部25が移動体位置範囲内に作業者が存在していることを検知すると、アーム12の動作によって当該アーム12が作業者と衝突するおそれはないと判定する。このとき、アーム動作制御部22は、アーム12を通常と同じように、高速で動作させることができる。
図9の(b)は、移動体位置範囲がアーム12の動作範囲の外側かつアーム12が動作によって移動する先に設定されており、かつ、移動体である作業者が、移動体位置範囲の内側から外側へ移動した場合を示す。ロボットシステム1は、移動体位置範囲監視部25が移動体位置範囲内に作業者が存在しなくなったことを検知すると、アーム12の動作によって当該アーム12が作業者と衝突するおそれがあると判定する。例えば、移動体位置範囲内に存在した作業者が、移動体位置範囲の外側へ移動し、さらにアーム12の動作範囲内に移動すると、アーム12が作業者と衝突するおそれがある。このとき、アーム動作制御部22は、アーム12の動作速度を通常と異ならせることができる。
【0071】
前記の構成によって、本実施形態に係るロボットシステム1は、作業者が定常作業を行う位置に存在するときはアーム12を高速で動作させ、作業者が非定常的な作業などによって定常作業を行う位置から離れたときはアーム12を低速で動作させることができる。
【0072】
(処理の流れ)
本実施形態に係るロボットシステム1が実行する処理の流れについて、図10を用いて説明する。図10は、ロボットシステム1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
S1およびS21の処理は、前記実施形態3と同一である。S21にて、制御部20が移動体を検知したと判定した場合(S21でYES)、アーム動作制御部22は、前記各実施形態と同様にS3の処理を行う。S3の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0074】
一方、S21にて移動体を検知しなかったと判定した場合(S21)、移動体位置範囲監視部25は、移動体位置範囲内に移動体を検知したか否かを判定する(S31)。移動体位置範囲内に移動体を検知したと判定した場合(S31でYES)、アーム動作制御部22は、前記各実施形態と同様にS4の処理を行う。S4の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。S31にて、移動体位置範囲内に移動体を検知しなかったと判定した場合(S31でNO)、アーム動作制御部22は、前記各実施形態と同様にS3の処理を行う。S3の後、アーム動作制御部22は、アーム12の次の動作が入力されるまで待機する。
【0075】
前記の構成によれば、ロボットシステム1は、作業者を含む移動体が移動体位置範囲の内側にいないときは、アーム12の動作速度を作業者が移動体位置範囲の内側にいるときと異ならせて動作させることができる。定常時に作業者が作業を行う移動体位置範囲から当該作業者がいなくなったとき、不意に作業者がアームの動作範囲に立ち入ってしまうおそれがある。そのため、作業者が移動体位置範囲にいないときはアーム12を通常と異なる動作速度で動作させることができる。したがって、作業者が移動体位置範囲から出た、非定常の作業時においても作業者との衝突を未然に防ぎ、安全にアームを動作させることができる、より安全性の高いロボットシステム1を提供することができるという効果を奏する。
【0076】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ロボットシステム1の制御ブロック(特に移動体検知部21およびアーム動作制御部22)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0077】
後者の場合、ロボットシステム1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0078】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るロボットシステム(1)は、アーム(12)の動作を制御するアーム動作制御部(22)と、前記アームの動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する移動体検知部(21)と、を備えており、前記アーム動作制御部は、前記移動体検知部が前記移動体を検知した場合の前記アームの動作速度を、前記移動体を検知しなかった場合の前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる構成である。
【0079】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、アームを動かす方向に例えば作業者などの移動体が存在するときは、移動体が存在しないときとは異なる動作速度で当該アームを動作させることができる。これにより、作業者が動作方向領域から移動する時間的余裕を与えると共に、動作方向領域に作業者がいないときは通常の速度でアームを動作させることが可能となる。したがって、安全性を高めつつ生産性を維持した、作業効率の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0080】
本発明の態様2に係るロボットシステム(1)は、前記態様1において、前記動作方向領域は、前記アーム(12)の動作を規定するプログラム(動作プログラム31)に記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を含むように設定されている構成としてもよい。
【0081】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、アームの目標位置を含むように設定された動作方向領域に作業者などの移動体が存在するときは、移動体が存在しないときとは異なる動作速度で当該アームを動作させることができる。さらに、ロボットシステムは、少なくとも1つ以上の目標位置を含むように動作方向領域を設定することにより、動作方向領域をより広範囲に設定することができる。
【0082】
本発明の態様3に係るロボットシステム(1)は、前記態様2において、前記動作方向領域は、前記アーム(12)の動作を規定するプログラム(動作プログラム31)に記載された少なくとも1つ以上のアームの目標位置を、前記アームの動作を実行しているプログラムの現在のステップから先読みして設定されている構成としてもよい。
【0083】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、少なくとも1つ以上の目標位置が設定されたときは、アームが個々の目標位置に向かう動作の開始前に、当該目標位置を含む動作方向領域を設定することができる。これにより、プログラムの先読みをすることにより、現在のアームの位置からの今後の移動を適切に予想できるので、安全性を高めることができる。
【0084】
本発明の態様4に係るロボットシステム(1)は、前記態様1から3のいずれかにおいて、警告を外部に発信する警告発信部(23)をさらに備えており、前記移動体検知部(21)が前記移動体を検出した場合、前記警告発信部は前記警告を発信する構成としてもよい。
【0085】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、アームを動かす方向に作業者を含む移動体が存在するときは、警告を外部に発信する。これにより、作業者は、警告に基づいてアームの動作方向から移動することができる。したがって、作業者との衝突を未然に防止する、安全性の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0086】
本発明の態様5に係るロボットシステム(1)は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記移動体検知部(21)が前記移動体を検出した場合、前記アーム動作制御部(22)は、前記アーム(12)の動作を停止、または低速動作させる構成としてもよい。
【0087】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、アームを動かす方向に作業者を含む移動体が存在するときは、当該アームの動作を停止、または低速動作させる。これにより、作業者との衝突を未然に防止する、安全性の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0088】
本発明の態様6に係るロボットシステム(1)は、前記態様5において、前記アーム動作制御部(22)は、前記アーム(12)の動作を停止、または低速動作させた後に前記移動体検知部(21)が当該アームの動作方向に前記移動体を検知しなくなった場合、前記動作方向へ前記アームの動作を再開、または通常速度で動作させる構成としてもよい。
【0089】
前記の構成によれば、ロボットシステムは作業者を含む移動体がアームの動作方向から離れたことを検知すると、アームの動作を再開、または通常速度で動作させる。これにより、安全性を高くし、さらに動作を継続することで作業効率を高めたロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0090】
本発明の態様7に係るロボットシステム(1)は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記アーム(12)の動作範囲を検出するアーム動作範囲検出部(24)をさらに備えており、前記移動体検知部(21)が、前記動作方向領域でかつ前記アームの動作範囲での前記移動体の有無を検知する構成としてもよい。
【0091】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、アームの動作方向かつ当該アームの動作範囲に作業者を含む移動体が存在しているときは、当該アームの動作速度を作業者が存在していないときと異ならせて動作させることができる。作業者がアームの動作方向であるが動作範囲の外側に存在するときは、アームを動作させても作業者が当該アームと衝突するおそれはないので、アームを通常の動作速度で動作させることができる。したがって、アームの動作範囲に応じてアームの動作速度を異ならせることによって生産効率の低下を抑制した、より作業効率の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0092】
本発明の態様8に係るロボットシステム(1)は、前記態様1から7のいずれかにおいて、前記アーム(12)の動作範囲の外側に設定された移動体位置範囲における前記移動体の有無を監視する移動体位置範囲監視部(25)をさらに備えており、前記アーム動作制御部(22)は、前記移動体位置範囲監視部が、前記移動体を検知しないとき、前記アームの動作速度を、前記移動体位置範囲監視部が前記移動体を検知しているときの前記アームの動作速度と互いに異ならせて動作させる構成としてもよい。
【0093】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、作業者を含む移動体が移動体位置範囲の内側にいないときは、当該アームの動作速度を作業者が移動体位置範囲の内側にいるときと異ならせて動作させることができる。定常時に作業者が作業を行う移動体位置範囲から当該作業者がいなくなったとき、不意に作業者がアームの動作範囲に立ち入ってしまうおそれがある。そのため、作業者が移動体位置範囲にいないときはアームを通常と異なる動作速度で動作させることができる。したがって、作業者が移動体位置範囲から出た、非定常の作業時においても作業者との衝突を未然に防ぎ、安全にアームを動作させることができる、より安全性の高いロボットシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0094】
本発明の態様9に係るロボットシステム(1)は、前記態様1から8のいずれかにおいて、前記移動体検知部(21)は、カメラ(11)が撮像した撮像画像に基づいて前記アーム(12)の動作方向に応じて設定される動作方向領域での移動体の有無を検知する構成としてもよい。
【0095】
前記の構成によれば、ロボットシステムは、カメラの撮像画像を用いてアームを動かす方向に対して作業者などの移動体の有無を検知することができる。これにより、アームを動かす方向に移動体が存在するときは、移動体が存在しないときとは異なる動作速度で当該アームを動作させることができる。
【0096】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 ロボットシステム
11 カメラ
12 アーム
20 制御部
21 移動体検知部
22 アーム動作制御部
23 警告発信部
24 アーム動作範囲検出部
25 移動体位置範囲監視部
30 記憶部
31 動作プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10