【解決手段】移動機構40が、第1、第2のガイドレール51,52と、第1、第2のシャフト61,62と、を有する。そのため、移動機構40が車両左右方向から見たときに1本のガイドレールと1本のシャフトのみを有する場合(従来)と異なり、アームレスト30のベース20に対する自由な回転動を規制しつつアームレスト30をベース20に対して移動させることができる。よって、アームレスト30をベース20に対して移動させるときに、アームレスト30を安定して移動させることができる。
前記第2のガイドレールの上端部には、前記第1のガイドレールの上端に位置する第1のシャフトを中心とする円弧状に延びる上側円弧部が設けられている、請求項1記載のリヤアームレスト装置。
前記第1のガイドレールの下端部には、前記第2のガイドレールの下端に位置する第2のシャフトを中心とする円弧状に延びる下側円弧部が設けられている、請求項1または請求項2に記載のリヤアームレスト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アームレストを移動させるときにアームレストを安定して移動させることができる、リヤアームレスト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) (a)車両のリヤシートのシートバックに固定されるベースと、
(b)アームレストと、
(c)前記ベースに設けられるガイドレールと、前記アームレストに設けられており前記ガイドレールに沿って移動するシャフトと、を備え、前記アームレストを、前記ベースに対して、前記シートバックに収納される収納状態と、該収納状態から該収納状態における下端部が車両前方側端部となるように前記リヤシートのシートクッション上に移動した展開状態とに移動可能にする、移動機構と、
を有し、
前記ガイドレールは、上下方向に延びて設けられる第1のガイドレールと、該第1のガイドレールの車両後方で上下方向に延びて設けられる第2のガイドレールと、を有しており、
前記シャフトは、前記第1のガイドレールに挿入され該第1のガイドレールに沿って移動する第1のシャフトと、前記第2のガイドレールに挿入され該第2のガイドレールに沿って移動する第2のシャフトと、を有しており、
前記第1のガイドレールと前記第2のガイドレールとは、車両左右方向から見たときの傾斜角度が互いに異なっている、リヤアームレスト装置。
(2) 前記第2のガイドレールの上端部には、前記第1のガイドレールの上端に位置する第1のシャフトを中心とする円弧状に延びる上側円弧部が設けられている、(1)記載のリヤアームレスト装置。
(3) 前記第1のガイドレールの下端部には、前記第2のガイドレールの下端に位置する第2のシャフトを中心とする円弧状に延びる下側円弧部が設けられている、(1)または(2)に記載のリヤアームレスト装置。
(4) 前記アームレストは、カップホルダおよび/または収容部を有する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載のリヤアームレスト装置。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)のリヤアームレスト装置によれば、移動機構が、第1、第2のガイドレールと、第1、第2のシャフトと、を有するため、移動機構が車両左右方向から見たときに1本のガイドレールと1本のシャフトのみを有する場合と異なり、アームレストのベースに対する自由な回転動を規制しつつアームレストをベースに対して移動させることができる。よって、アームレストをベースに対して移動させるときに、アームレストを安定して移動させることができる。
【0008】
また、第1のガイドレールと第2のガイドレールとの傾斜角度が互いに異なっているため、アームレストのベースに対する自由な回転動が規制されている場合であっても、アームレストをベースに対して動かすときに、アームレストのベースに対する車両左右方向から見たときの角度を変えることができる。よって、移動機構が第1、第2のガイドレールと第1、第2のシャフトを有する場合であっても、アームレストを収納状態と展開状態とに移動させることができる。
【0009】
上記(2)のリヤアームレスト装置によれば、第2のガイドレールの上端部に、第1のガイドレールの上端に位置する第1のシャフトを中心とする上側円弧部が設けられているため、第1のシャフトが第1のガイドレールの上端に位置しているときに、第2のシャフトのみを上側円弧部に沿って移動させることができる。そのため、第1のシャフトが第1のガイドレールの上端に位置しており第2のシャフトが第2のガイドレールの上側円弧部に位置しているときにアームレストが自重で鉛直下方に移動しようとしても、第2のシャフトが上側円弧部の下部分(縁)に当たり、アームレストが自重で下方に移動することを防止できる。よって、収納状態にあるアームレストが使用者の意思に反して展開状態側に移動してしまうこと(自然展開)を防止できる(ロックできる)。この構造では、アームレストを収納状態にロックするためだけのロック装置が不要であるため、ロック装置を要する場合に比べてコスト上有利である。
【0010】
上記(3)のリヤアームレスト装置によれば、第1のガイドレールの下端部に、第2のガイドレールの下端に位置する第2のシャフトを中心とする下側円弧部が設けられているため、第2のシャフトが第2のガイドレールの下端に位置しているときに、第1のシャフトのみを下側円弧部に沿って移動させることができる。そのため、第2のシャフトが第2のガイドレールの下端に位置しており第1のシャフトが第1のガイドレールの下側円弧部に位置しているときにアームレストが走行振動等で鉛直上方に移動しようとしても、第1のシャフトが下側円弧部の上部分(縁)に当たり、アームレストが上方に移動することを防止できる。よって、展開状態にあるアームレストが使用者の意思に反して収納状態側に移動してしまうこと(自然収納)を防止できる(ロックできる)。この構造では、アームレストを展開状態にロックするためだけのロック装置が不要であるため、ロック装置を要する場合に比べてコスト上有利である。
【0011】
上記(4)のリヤアームレスト装置によれば、アームレストが、カップホルダおよび/または収容部を有するため、アームレストを、アームレスト(腕休め)として利用できるだけでなく、飲料カップ類を保持するカップホルダおよび/または小物類を収容する収容部としても利用することができる。よって、リヤアームレスト装置を多機能に利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、
図1〜
図7を参照して、本発明実施例のリヤアームレスト装置(以下、単に装置ともいう)を説明する。なお、図中、UPは上方を示し、FRは車両前方を示す。
【0014】
本発明実施例の装置10は、自動車のリヤシートの車両左右方向中央部に配設される。装置10は、
図3に示すように(a)車両のリヤシート1のシートバック1bに固定されるベース20と、(b)アームレスト30と、(c)移動機構40と、を有する。
【0015】
リヤシート1は、
図4に示すように、乗員が着座するシートクッション1aと、シートクッション1aの車両後方側端部に配置され乗員の背もたれとして利用されるシートバック1bと、シートバック1bより上方に設けられ乗員の頭部を車両後方側から支持するヘッドレスト1cと、を有する。
【0016】
ベース20は、金属製である。ベース20は、シートバック1bの図示略のシートバックフレームに締結固定されている。ベース20は、
図3に示すように、板状部21と、板状部21の車両左右方向両端部から車両前方に突出する一対の突出部22と、を有する。ベース20は、板状部21にてシートバック1bに固定される。車両左右方向から見たとき、ベース20は、シートバック1b内にあり、シートバック1bから車室内に突出していない。突出部22は、板状部21に固定されている。突出部22は、上下方向に延びて設けられている。
【0017】
アームレスト30は、
図4に示すように、移動機構40により、ベース20に対して、シートバック1bに収納される収納状態30a(
図4(a))と、収納状態30aから収納状態30aにおける下端部が車両前方側端部となるようにシートクッション1a上に移動した展開状態30b(
図4(e))とに、移動可能とされている。アームレスト30の収納状態30aにおける車両前方側面は、意匠面30cとなっており、アームレスト30の展開状態30bにおける意匠面(上面)となる。
【0018】
収納状態30aにあるアームレスト30を車両左右方向から見たとき、アームレスト30の全体またはほぼ全体がシートバック1b内にあり、アームレスト30がシートバック1bから車室内に突出することが抑制されている。アームレスト30は、展開状態30bにあるときに前端部またはその近傍から下方に突出してシートクッション1aの上面に当接するシートクッション当接部31を有する。シートクッション当接部31を有するため、展開状態30bにあるアームレスト30をシートクッション1aで支持でき、アームレスト30の破損を抑制できる。また、シートクッション当接部31を有するため、展開状態30bにあるときのアームレスト30の下面とシートクッション1aの上面との間に隙間Sを形成でき、隙間Sを照光する図示略の照明をアームレスト30に設けることで、車室内に間接照明を付与できる。
【0019】
アームレスト30は、
図7に示すように、カップホルダ33と、収容部34と、を有する。ただし、カップホルダ33と収容部34は、必須の構成要件ではない。
【0020】
カップホルダ33は、カップ類を1個のみ保持できる1個置きタイプであってもよく、カップ類を同時に2個保持できる2個置きタイプであってもよい。カップホルダ33は、展開状態30bにおけるアームレスト30の前端部に車両左右方向に延びる回転軸まわりに回転可能に設けられるトレイ33aと、アームレスト30の前端部に車両前後方向にスライドして出し入れ可能でありカップ類の側面を保持するサポート33bと、を有する。カップホルダ33を使用するときには、トレイ33aを回転させて展開させるとともに、サポート33bを車両前方に突出させる。これにより、トレイ33aでカップ類の底面を支持でき、サポート33bでカップ類の側面を支持できる。
【0021】
収容部34は、カップホルダ33が設けられる場合には、展開状態30bにおけるアームレスト30の、カップホルダ34の車両後方側に設けられる。収容部34は、アームレスト30内に設けられる小物収容スペース34aと、小物収容スペース34aを開閉するリッド34bと、を有する。収容部34aは、リッド34bを開けることでアクセス可能であり、リッド34bを閉めることでアクセス不能である。
【0022】
移動機構40は、アームレスト30をベース20に対して収納状態30aと展開状態30bとに移動可能にする機構である。移動機構40は、
図3に示すように、ベース20に設けられるガイドレール50と、アームレスト30に設けられておりガイドレール50に沿って移動するシャフト60と、を備える。
【0023】
ガイドレール50は、ベース20の一対の突出部22のそれぞれに設けられる。ガイドレール50は、上下方向に延びて設けられる第1のガイドレール51と、第1のガイドレール51の車両後方で上下方向に延びて設けられる第2のガイドレール52と、を有する。
【0024】
第1のガイドレール51は、アームレスト30の自重により下方向へアームレスト30をスライド移動させるためのレールであり、第2のガイドレール52は、アームレスト30の車両左右方向から見たときの角度を変えるためのレールであり、これら第1、第2のガイドレール51,52が車両前後方向に併設されている。
【0025】
第1のガイドレール51は、
図5に示すように、車両左右方向から見たときにシートバック1bの車両前方側面と平行または略平行に直線状に延びる直線部51aを有する。直線部51aは、車両左右方向から見たとき上方かつ車両後方に傾斜している。第1のガイドレール51の下端部には、直線部51aの下端に連なっており、第2のガイドレール52の下端に位置する後述する第2のシャフト62を中心とする円弧状に延びる下側円弧部51bが設けられている。下側円弧部51bは、展開状態30bにあるアームレスト30が車両走行振動等で使用者の意思に反して収納状態30a側に移動してしまう(自然収納してしまう)ことを防止するために設けられる。下側円弧部51bの長さは、直線部51aの長さに比べて著しく小とされている。これは、下側円弧部51bが短くても自然収納防止効果を得られるからである。
【0026】
第2のガイドレール52は、第1のガイドレール51とは、車両左右方向から見たときの傾斜角度が異なっている。第2のガイドレール52は、上方にいくにつれて第1のガイドレール51との車両前後方向間隔が大となっている。第2のガイドレール52は、車両左右方向から見たときに直線状に延びる第2の直線部52aを有する。第2の直線部52aは、車両左右方向から見たとき上方かつ車両後方に、第1のガイドレール51の直線部51aよりも水平に近い角度で傾斜している。第2のガイドレール52の上端部には、第2の直線部52aの上端に連なっており、第1のガイドレール51の上端に位置する後述する第1のシャフト61を中心とする円弧状に延びる上側円弧部52bが設けられている。上側円弧部52bは、収納状態30aにあるアームレスト30が自重で使用者の意思に反して展開状態30b側に移動してしまう(自然展開してしまう)ことを防止するために設けられる。上側円弧部52bの両端間の中心角Aは、5度以上40度以下とされている。中心角Aが5度以上とされているのは、5度未満の場合、上側円弧部52bが直線に近くなり自然展開防止効果を得ることが困難になるからである。また、中心角Aが40度以下とされているのは、40度より大きい場合、自然展開防止効果を得ることはできるが、上側円弧部52bの長さが大になり上側円弧部52bをベース20の突出部22内に設けることが困難になるからである。
【0027】
第2のガイドレール52の全長は、第1のガイドレール51の全長より大とされている。第2のガイドレール52の下端は、第1のガイドレール51の下端より下方にあり、第1のガイドレール51の下端とほぼ同じ車両前後方向位置にある。第2のガイドレール52の上端は、第1のガイドレール51の上端とほぼ同じ高さ位置にあり、第1のガイドレール51の上端より車両後方にある。
【0028】
シャフト60は、第1のガイドレール51に挿入されており第1のガイドレール51に沿って移動する第1のシャフト61と、第2のガイドレール52に挿入されており第2のガイドレール52に沿って移動する第2のシャフト62と、を有する。
【0029】
第1のシャフト61と第2のシャフト62は、それぞれ、一部品構成であってもよく、複数部品構成であってもよい。なお、
図3では、第1のシャフト61が2部品構成であり、第2のシャフト62が1部品構成である場合を示している。
【0030】
第1のシャフト61の、第1のガイドレール51に挿入される部分は、横断面円形であり、第2のシャフト62の、も第2のガイドレール52に挿入される部分も、横断面円形である。このため、第1のシャフト61は第1のガイドレール51内をスムーズに移動(スライド、または回転を伴うスライド)でき、第2のシャフト62は第2のガイドレール52内をスムーズに移動(スライド、または回転を伴うスライド)できる。第1のシャフト61と第2のシャフト62は、それぞれ、アームレスト30に回転可能に設けられていてもよく、アームレスト30に固定して設けられていてもよい。
【0031】
ここで、本発明実施例の作動を説明する。
(i)アームレスト30が収納状態30aにあるとき
図4(a)に示すように、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の上端にあり、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の上端にある。第2のシャフト62は、第2のガイドレール52の上側円弧部52内にある。
【0032】
(ii)アームレスト30を収納状態30aから展開状態30bに移動させるとき
上記(i)の状態からリヤシート1の着座乗員がアームレスト30の下端部を手で掴み車両前方側に引き出すと、
図4(b)に示すように、まず、アームレスト30が若干量回転し、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の上端に位置したまま、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の上側円弧部52内を第2の直線部52a側に移動する。さらに車両前方側に引き出すと、
図4(c)、(d)に示すように、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の直線部51a内を下方に移動し、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の第2の直線部52a内を下方に移動する。これに伴い、アームレスト30は、意匠面30cが車両前方を向いた状態から上方を向いた状態へと角度を変える。
【0033】
第1のシャフト61が第1のガイドレール51の直線部51aの下端に達し第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端に達するまでアームレスト30を車両前方に引き出したとき、アームレスト30のシートクッション当接部31は、シートクッション1aの上面からわずかに浮き上がった位置にある。その後、アームレスト30を下方に回転させると、
図4(e)に示すように、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端に位置したまま、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の直線部51aから下側円弧部51bに移行し下側円弧部51b内を直線部51aから離れる方向に移動する。
【0034】
(iii)アームレスト30が展開状態30bにあるとき
図4(e)に示すように、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の下側円弧部51b内にあり、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端にある。アームレスト30のシートクッション当接部31は、シートクッション1aの上面に載っている。
【0035】
(iv)アームレスト30を展開状態30bから収納状態30aに移動させるとき
上記(iii)の状態からリヤシート1の着座乗員がアームレスト30の前端部を掴み若干量上方に回転させる。これにより第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端に位置したまま第1のシャフト61が第1のガイドレール51の下側円弧部51b内を直線部51a側に移動する。その後、アームレスト30を車両後方に押すと、
図4(d)、(c)、(b)に示すように、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の直線部51内を上方に移動し、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の第2の直線部52a内を上方に移動する。これに伴い、アームレスト30は、意匠面30cが上方を向いた状態から車両前方を向いた状態へと角度を変える。その後、さらにアームレスト30を車両後方に押すと、
図4(a)に示すように、アームレスト30が若干量回転し、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の上端に位置したまま、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の第2の直線部52aから上側円弧部52に移行し上側円弧部52b内を第2の直線部52aから離れる方向に移動する。そして、アームレスト30が収納状態30aに達したとき上記(i)の状態になる。
【0036】
つぎに、本発明実施例の効果を説明する。
移動機構40が、第1、第2のガイドレール51,52と、第1、第2のシャフト61,62と、を有するため、移動機構40が車両左右方向から見たときに1本のガイドレールと1本のシャフトのみを有する場合(従来)と異なり、アームレスト30のベース20に対する自由な回転動を規制しつつアームレスト30をベース20に対して移動させることができる。よって、アームレスト30をベース20に対して移動させるときに、アームレスト30を安定して移動させることができる。
【0037】
第1のガイドレール51と第2のガイドレール52との傾斜角度が互いに異なっているため、アームレスト30のベース20に対する自由な回転動が規制されている場合であっても、アームレスト30をベース20に対して動かすときに、アームレスト30のベース20に対する車両左右方向から見たときの角度を変えることができる。よって、移動機構40が第1、第2のガイドレール51,52と第1、第2のシャフト61,62を有する場合であっても、アームレスト30を収納状態30aと展開状態30bとに移動させることができる。
【0038】
第2のガイドレール62の上端部に、第1のガイドレール51の上端に位置する第1のシャフト61を中心とする上側円弧部52bが設けられているため、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の上端に位置しているときに、第2のシャフト62のみを上側円弧部52bに沿って移動させることができる。そのため、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の上端に位置しており第2のシャフト62が第2のガイドレール52の上側円弧部52bに位置しているときにアームレスト30が自重で鉛直下方に移動しようとしても、第2のシャフト62が上側円弧部52bの下部分(縁)に当たり、アームレスト30が自重で下方に移動することを防止できる。よって、収納状態30aにあるアームレスト30が使用者(乗員)の意思に反して展開状態30b側に移動してしまうこと(自然展開)を防止できる(ロックできる)。この構造では、アームレスト30を収納状態30aにロックするためだけのロック装置が不要であるため、ロック装置を要する場合に比べてコスト上有利である。
【0039】
第1のガイドレール51の下端部に、第2のガイドレール52の下端に位置する第2のシャフト62を中心とする下側円弧部51bが設けられているため、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端に位置しているときに、第1のシャフト61のみを下側円弧部51bに沿って移動させることができる。そのため、第2のシャフト62が第2のガイドレール52の下端に位置しており第1のシャフト61が第1のガイドレール51の下側円弧部51bに位置しているときにアームレスト30が走行振動等で鉛直上方に移動しようとしても、第1のシャフト61が下側円弧部51bの上部分(縁)に当たり、アームレスト30が上方に移動することを防止できる。よって、展開状態30bにあるアームレスト30が使用者(乗員)の意思に反して収納状態30a側に移動してしまうこと(自然収納)を防止できる(ロックできる)。この構造では、アームレスト30を展開状態30bにロックするためだけのロック装置が不要であるため、ロック装置を要する場合に比べてコスト上有利である。
【0040】
アームレスト30が、カップホルダ33および/または収容部34を有するため、アームレスト30を、アームレスト(腕休め)として利用できるだけでなく、飲料カップ類を保持するカップホルダ33および/または小物類を収容する収容部34としても利用することができる。よって、リヤアームレスト装置10を多機能に利用できる。
【0041】
第1のガイドレール51が直線部51aを有し、第2のガイドレール52が第2の直線部52aを有する。そのため、
図6に示すように、展開状態30bにあるアームレスト30を車両後方に押して収納状態30aに移動させるときであって、第1のシャフト61が第1のガイドレール51の直線部51a内を上方に移動し第2のシャフト62が第2のガイドレール52の第2の直線部52a内を上方に移動するとき、アームレスト30を車両後方に押す力Fの、第1のガイドレール51の直線部51a方向の分力を一定(ほぼ一定を含む)にすることができ、第2のガイドレール52の第2の直線部52a方向の分力を一定(ほぼ一定を含む)にすることができる。そのため、アームレスト30を車両後方に押す操作力Fが一定(ほぼ一定を含む)のまま、アームレスト30を収納状態30a側に移動させることができる。よって、良好な収納操作性を得ることができる。