特開2018-176992(P2018-176992A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000003
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000004
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000005
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000006
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000007
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000008
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000009
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000010
  • 特開2018176992-画像表示ユニット 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-176992(P2018-176992A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】画像表示ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20181019BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20181019BHJP
   G02B 27/22 20060101ALI20181019BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20181019BHJP
   B60R 11/02 20060101ALN20181019BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   H04N7/18 J
   G02B27/22
   G02B27/01
   B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-79240(P2017-79240)
(22)【出願日】2017年4月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】田上 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】倉田 剛大
(72)【発明者】
【氏名】北村 智和
(72)【発明者】
【氏名】荒井 剛
(72)【発明者】
【氏名】森 裕都
【テーマコード(参考)】
2H199
3D020
5C054
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BA49
2H199BB02
2H199BB06
2H199BB08
2H199BB27
2H199DA02
2H199DA12
2H199DA18
3D020BA04
3D020BA20
3D020BC01
3D020BC02
3D020BC04
3D020BC05
3D020BC06
3D020BC07
3D020BC13
3D020BE03
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA05
5C054FD01
5C054HA30
(57)【要約】
【課題】表示画像の位置の設計自由度に優れた画像表示ユニットを実現する。
【解決手段】画像表示ユニット(1A)は、観察対象空間を撮像する撮像部(10)と、撮像部(10)により撮像された画像をリアルタイムで表示領域に表示する画像表示装置(11)と、画像表示装置(11)により表示された画像を投影して、スクリーンのない空間に結像させる結像部と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象空間を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像をリアルタイムで表示領域に表示する画像表示部と、
前記画像表示部により表示された画像を投影して、スクリーンのない空間に結像させる結像部と、を備えたことを特徴とする画像表示ユニット。
【請求項2】
前記撮像部は、観察者の観察方向において遮蔽物で隠された死角対象空間の少なくとも一部を撮像し、
前記結像部は、前記遮蔽物における、前記死角対象空間への前記観察方向の視線が通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示ユニット。
【請求項3】
前記結像部は、当該結像部における観察者と反対側の空間に前記画像を結像させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示ユニット。
【請求項4】
車両用であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像表示ユニット。
【請求項5】
前記撮像部は、車両内の天井部により隠された死角対象空間を撮像し、
前記結像部は、前記天井部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項6】
前記撮像部は、車両内のピラー部により隠された死角対象空間を撮像し、
前記結像部は、前記ピラー部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項7】
前記撮像部は、車両内のダッシュボード部により隠された死角対象空間を撮像し、
前記結像部は、前記ダッシュボード部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項8】
前記撮像部は、車両内のドア部により隠された死角対象空間を撮像し、
前記結像部は、前記ドア部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項9】
前記撮像部は、前記車両の側方の空間を撮像し、
前記結像部は、前記車両のドア部における窓に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項10】
前記撮像部は、前記車両の後方の空間を撮像し、
前記結像部は、前記車両の運転席よりも後方であり、かつ運転席と助手席との間の位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項11】
前記撮像部は、前記車両の後方の空間を撮像し、
前記結像部は、前記車両の運転席よりも前方であり、かつ運転席と助手席との間の位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示ユニット。
【請求項12】
前記結像部は、
前記画像表示部からの画像光を入射する入射面を有し、該入射面から入射した前記画像光を反射または屈折させ出射面へ出射させる複数の出射構造部が設けられ、前記入射面の長手方向に直交する方向において平行光化された前記画像光を入射する導光板を備え、
前記複数の出射構造部のそれぞれは、前記表示領域における、前記入射面の長手方向と直交する方向において互いに異なる位置から発した光を所定の視点へ向けて前記導光板の一方の面である光出射面から出射させることを特徴とする請求項1から11いずれか1項に記載の画像表示ユニット。
【請求項13】
前記結像部は、
前記画像表示部と前記導光板の入射面との間に配置され、前記画像光を、前記入射面の長手方向と直交する方向において平行光化するコリメートレンズを備えていることを特徴とする請求項12に記載の画像表示ユニット。
【請求項14】
前記画像表示部は、前記画像光が前記入射面の長手方向に出射するように配置されており、
前記結像部は、
平行光化された前記画像光を前記入射面の長手方向に伝搬させるとともに、該伝搬光を反射または屈折させることにより前記導光板の前記入射面へ向けて出射させる複数の光路変換部が設けられた導光部材を備えたことを特徴とする請求項12または13に記載の画像表示ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両等を含む空間外部の環境をリアルタイムで観察する画像表示ユニットが提案されている。例えば特許文献1には、車内のピラー部によって運転者の死角となる車両外側領域を撮像部により撮像したリアルタイム画像を表示手段により車内の表示面(表示スクリーン)に表示する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2に記載の表示装置は、撮像部で撮像された画像をプロジェクタ部によりホログラフィック光学素子に投影し、ホログラフィック光学素子によりプロジェクタ部により投影された画像を観察者へ向けて回折する構成となっている。
【0004】
また、特許文献3には、車両の後方又は側方の少なくともいずれか一方を撮像する撮像手段により撮像された画像を、立体ディスプレイを用いて表示する画像表示装置が開示されている。特許文献3に記載の技術は、後方のリアルタイム画像を表示する表示装置を車内のルームミラーの位置に取り付けた技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015− 71335号公報(2015年 4月16日公開)
【特許文献2】特開2011−213184号公報(2011年10月27日公開)
【特許文献2】特開2003−339060号公報(2003年11月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された技術では、固定された表示スクリーン上に画像を表示する技術であるため、観察者と表示画像との距離は固定されている。このため、観察者と表示スクリーンとの位置関係によっては、表示画像を観察者が観察しにくくなる。
【0007】
本発明の一態様は、表示画像の位置の設計自由度に優れた画像表示ユニットを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、観察対象空間を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像をリアルタイムで表示領域に表示する画像表示部と、前記画像表示部により表示された画像を投影して、スクリーンのない空間に結像させる結像部と、を備えたことを特徴している。
【0009】
上記の構成によれば、前記撮像部により撮像された観察対象空間のリアルタイム画像を前記画像表示部により表示させ、表示された画像を前記結像部によりスクリーンのない空間に結像させている。すなわち、上記の構成によれば、リアルタイム画像を、位置固定された表示スクリーン上に画像を表示させるのではなく、前記結像部により空間に結像させて、観察者に確認させている。そして、結像部により空間に結像されるリアルタイム画像と、観察者との位置関係は、前記結像部の構成部材の設計により設定可能である。それゆえ、上記の構成によれば、観察者に対する表示画像の位置の設計自由度に優れた画像表示ユニットを実現できるという効果を奏する。
【0010】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、観察者の観察方向において遮蔽物で隠された死角対象空間の少なくとも一部を撮像し、前記結像部は、前記遮蔽物における、前記死角対象空間への前記観察方向の視線が通過する位置に設けられている構成であってもよい。
【0011】
上記構成によれば、前記結像部は、前記遮蔽物における、前記死角対象空間への観察方向の視線が通過する位置に設けられている。これにより、観察者が遮蔽物に隠された死角対象空間へ視線を向けた場合、視線の先に死角対象空間を観察することになる。このため、観察者は、違和感なく死角対象空間を確認することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットでは、前記結像部は、当該結像部における前記観察者と反対側の空間に前記画像を結像させることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、結像部は、観察者と反対側の空間にリアルタイム画像を結像することになる。このため、観察者は、結像部により結像されたリアルタイム画像を、該観察者に近い画像ではなく、遠くの画像として認識することになる。このため、上記の構成によれば、前記画像表示部により表示されたリアルタイム画像と実際の死角対象空間との焦点ずれが小さくなり、観察者は、リアルタイム画像に対する違和感を緩和することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、車両用であることが好ましい。
【0015】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、車両内の天井部により隠された死角対象空間を撮像し、前記結像部は、前記天井部における、前記死角対象空間への前記観察方向の視線が通過する位置に設けられている構成であってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、車体から透けて見えるように、前記天井部に隠された死角対象空間内の対象物を、前記結像部を介して、車体と対象物との実距離に合せた平面内に投影することができる。それゆえ、観察者は、焦点を合わせることなく対象物を観察することができる。また、車両の移動に追従して前記天井部に隠された対象物を観察することができる。
【0017】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、車両内のピラー部により隠された死角対象空間を撮像し、前記結像部は、前記ピラー部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられている構成であってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、車両の運転者は、違和感なくピラー部に隠された死角対象空間を確認することができる。
【0019】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、車両内のダッシュボード部により隠された死角対象空間を撮像し、前記結像部は、前記ダッシュボード部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられている構成であってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、車両の運転者は、違和感なくダッシュボード部に隠された死角対象空間を確認することができる。
【0021】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、車両内のドア部により隠された死角対象空間を撮像し、前記結像部は、前記ドア部における、前記死角対象空間への観察者の観察方向の視線が通過する位置に設けられている構成であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、車両の運転者は、違和感なくドア部に隠された死角対象空間を確認することができる。
【0023】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、前記車両の側方の空間を撮像し、前記結像部は、前記車両のドア部における窓に設けられている構成であってもよい。
【0024】
上記の構成によれば、車両の運転者は、違和感なく車両の側方(特に側後方)の空間を視認することができる。
【0025】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、前記車両の後方の空間を撮像し、前記結像部は、前記車両の運転席よりも後方であり、かつ運転席と助手席との間の位置に設けられている構成であってもよい。
【0026】
運転者が後方を振り向いたとき、違和感なく、車両の後方の空間を視認することができる。また、遮蔽物により、車体後方の空間を観察することができない場合であっても、運転者は、前記結像部を介して車体後方の空間を観察することができる。
【0027】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記撮像部は、前記車両の後方の空間を撮像し、前記結像部は、前記車両の運転席よりも前方であり、かつ運転席と助手席との間の位置に設けられている構成であってもよい。
【0028】
上記の構成では、画像表示ユニットをルームミラーとして利用している。上記の構成によれば、後方のリアルタイム画像を表示する表示装置を車内のルームミラーの位置に取り付けた技術(例えば特許文献3に記載の技術)と比較して、運転者から遠くに離れた空間位置にリアルタイム画像が結像される。このため、運転者は、適切な距離で結像画像を見ることができる。
【0029】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、 前記結像部は、
前記画像表示部からの画像光を入射する入射面を有し、該入射面から入射した前記画像光を反射または屈折させ出射面へ出射させる複数の出射構造部が設けられ、前記入射面の長手方向に直交する方向において平行光化された前記画像光を入射する導光板を備え、前記複数の出射構造部のそれぞれは、前記表示領域における、前記入射面の長手方向と直交する方向において互いに異なる位置から発した光を所定の視点へ向けて前記導光板の一方の面である光出射面から出射させる構成であることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、所定の視点において、光出射面から出射された画像光が結像した画像を視認することができる。すなわち、画像表示ユニットは、画像表示部に表示された画像を、当該画像表示ユニットの外部のスクリーンのない空間で鮮明に表示することができる。
【0031】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットは、前記結像部は、前記画像表示部と前記導光板の入射面との間に配置され、前記画像光を、前記入射面の長手方向と直交する方向において平行光化するコリメートレンズを備えている構成であってもよい。
【0032】
これにより、画像表示ユニットは、画像表示部に表示された画像を、当該画像表示ユニットの外部のスクリーンのない空間で鮮明に表示することができる。
【0033】
本発明の一態様に係る画像表示ユニットでは、前記画像表示部は、前記画像光が前記入射面の長手方向に出射するように配置されており、前記結像部は、平行光化された前記画像光を前記入射面の長手方向に伝搬させるとともに、該伝搬光を反射または屈折させることにより前記導光板の前記入射面へ向けて出射させる複数の光路変換部が設けられた導光部材を備えた構成であることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、前記画像表示部は、前記画像光が前記入射面の長手方向に出射するように配置されている構成であるので、結像部の小型化を実現できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一態様によれば、表示画像の位置の設計自由度に優れた画像表示ユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係る画像表示ユニットの概要を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像表示ユニットの概要を示す側面図である。
図3図1及び図2に示す画像表示ユニットの変形例の概略構成を示す図である。
図4図1及び図2に示す画像表示ユニットのさらに他の変形例の概略構成を示す図である。
図5】車内の運転者が車内の遮蔽物で隠された死角対象空間を観察するための本発明の実施形態に係る画像表示ユニットの適用例を示す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係る画像表示ユニットが、車内前方のピラー部、ダッシュボード部、及び天井部に配置された状態を模式的に示す図である。
図7】撮像部が車両の側方の空間を撮像する構成の一例を示し、(a)は結像部の位置を示す図であり、(b)は、(a)における導光板近傍の概略構成を示す図である。
図8】撮像部が車両の後方の空間を撮像する構成の一例を示し、(a)は結像部が導光板を介してリアルタイム画像を結像していない状態を示す図であり、(b)は、結像部が導光板を介してリアルタイム画像を結像した状態を示す図である。
図9図8の(a)及び(b)に示す構成に備えられた画像表示ユニットの要部構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(画像表示ユニットの構成)
本実施形態における画像表示ユニット1Aの要部構成の一例について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、画像表示ユニット1Aの概要を示す模式図である。図2は、画像表示ユニット1Aの概要を示す側面図である。
【0038】
画像表示ユニット1Aは、図1及び図2に示すように、観察対象空間を撮像する撮像部10と、画像表示装置11(画像表示部)と、結像レンズ12と、コリメートレンズ13と、導光板14と、マスク15とを備えている。画像表示ユニット1Aにおける、画像表示装置11により表示される画像を空間に結像する結像部は、結像レンズ12と、コリメートレンズ13と、導光板14と、マスク15とを備えている。
【0039】
なお、Y軸方向に沿って、画像表示装置11、結像レンズ12、コリメートレンズ13、および導光板14が順番に配置されている。また、Z軸方向に沿って、導光板14およびマスク15が、この順番で配置されている。なお、ここでは、導光板14の底面14bと平行な面において、入射面14aの長手方向をX方向とし、入射面14aの法線方向をY方向とする。そして、導光板14の底面14bと反対側の表面側に位置する光出射面14cの法線方向をZ方向とする。
【0040】
撮像部10は、観察対象空間を撮像することが可能な部材であれば、特に限定されない。撮像部10は、例えば、CCDカメラが挙げられる。
【0041】
画像表示装置11は、制御装置(不図示)から受信した映像信号に応じて、撮像部10により撮像された2次元画像または3次元画像を表示領域に表示する。画像表示装置11は、表示領域に画像を表示することによって、画像光を出力することができる、例えば一般的な液晶ディスプレイである。なお、図示の例において、画像表示装置11の表示領域、および当該表示領域に対向する、導光板14の入射面14aは、ともにXZ平面と平行となるように配置されている。また、導光板14の、後述するプリズム141が配置されている底面14b、および当該底面14bに対向する、マスク15に対して光を出射する光出射面14cは、ともにXY平面と平行となるように配置されている。さらに、マスク15の、後述するスリット151が設けられている面も、XY平面と平行になるように配置されている。なお、画像表示装置11の表示領域と導光板14の入射面14aとは、対向して配置されてもよいし、画像表示装置11の表示領域が入射面14aに対して傾けて配置されてもよい。
【0042】
結像レンズ12は、画像表示装置11と入射面14aとの間に配置されている。結像レンズ12は、画像表示装置11の表示領域から出力された画像光を、入射面14aの長手方向と平行なXY平面において収束光化した後、コリメートレンズ13へ出射する。結像レンズ12は、画像光を収束光化できるのであれば、どのようなものであってもよい。例えば、結像レンズ12は、バルクレンズ、フレネルレンズ、または回折レンズなどであってもよい。また、結像レンズ12は、Y軸方向に沿って配置された複数のレンズの組み合わせであってもよい。
【0043】
コリメートレンズ13は、画像表示装置11と入射面14aとの間に配置されている。コリメートレンズ13は、結像レンズ12にて収束光化された画像光を、入射面14aの長手方向と直交するYZ平面において平行光化する。コリメートレンズ13は、平行光化した画像光について、導光板14の入射面14aに対して出射する。コリメートレンズ13は、結像レンズ12と同様に、バルクレンズおよびフレネルレンズであってもよい。なお、結像レンズ12とコリメートレンズ13とは、その配置順が逆であってもよい。また、結像レンズ12とコリメートレンズ13の機能について、1つのレンズによって実現してもよいし、多数のレンズの組み合わせによって実現してもよい。すなわち、画像表示装置11が表示領域から出力した画像光を、XY平面においては収束光化し、YZ平面においては平行光化することができるのであれば、結像レンズ12およびコリメートレンズ13の組み合わせは、どのようなものであってもよい。
【0044】
導光板14は、透明な部材によって構成されており、コリメートレンズ13によって平行光化された画像光を入射面14aにて受光し、光出射面14cから出射する。図示の例において、導光板14は平板状に形成された直方体の外形を備えており、コリメートレンズ13に対向する、XZ平面と平行な面を入射面14aとする。また、XY平面と平行かつZ軸の負方向側に存在する面を底面14bとし、XY平面と平行かつ底面14bに対向する面を光出射面14cとする。導光板14は、複数のプリズム(出射構造部)141を備えている。
【0045】
複数のプリズム141は、導光板14の入射面14aから入射した画像光を反射する。プリズム141は、導光板14の底面14bに、底面14bから光出射面14cへ向けて突出して設けられている。複数のプリズム141は、例えば、画像光の伝搬方向がY軸方向であるときに、当該Y軸方向に所定の間隔(例えば、1mm)で配置された、Y軸方向に所定の幅(例えば、10μm)を有する略三角形状の溝である。プリズム141は、プリズム141が有する光学面のうち、画像光の導光方向(+Y軸方向)に対して入射面14aから近い側の面である反射面(光学面)141aを備えている。図示の例において、複数のプリズム141は、底面14b上に、X軸と平行に設けられている。これにより、Y軸方向に伝搬する入射面14aから入射した画像光が、Y軸に直交するX軸と平行に設けられた複数のプリズム141の反射面141aによって反射させられる。複数のプリズム141のそれぞれは、画像表示装置11の表示領域で入射面14aの長手方向と直交するZ軸方向において互いに異なる位置から発した画像光を、所定の視点100へ向けて導光板14の一方の面である光出射面14cから出射させる。反射面141aの詳細については後述する。
【0046】
マスク15は、可視光に対して不透明な材料にて構成され、複数のスリット151を備えている。マスク15は、導光板14の光出射面14cから出射された光のうち、平面102上の結像点101へ向かう光のみを、複数のスリット151を用いて透過させることができる。
【0047】
複数のスリット151は、導光板14の光出射面14cから出射された光のうち、平面102上の結像点101へ向かう光のみを透過させる。図示の例において、複数のスリット151は、X軸と平行となるように設けられている。また、個々のスリット151は、複数のプリズム141のうち、いずれかのプリズム141と対応している。
【0048】
以上の構成を有することにより、画像表示ユニット1Aは、画像表示装置11に表示された画像を、当該画像表示ユニット1Aの外部の仮想の平面102上に結像させ、投影する。具体的には、まず、画像表示装置11の表示領域から出射された画像光は、結像レンズ12およびコリメートレンズ13を通した後、導光板14の端面である、入射面14aへ入射する。次に、導光板14へ入射した画像光は、当該導光板14の内部を伝搬し、導光板14の底面14bに設けられたプリズム141に到達する。プリズム141に到達した画像光は、当該プリズム141の反射面141aによってZ軸の正方向へ反射させられ、XY平面と平行となるように配置された、導光板14の光出射面14cから出射される。そして、光出射面14cから出射した画像光のうち、マスク15のスリット151を通過した画像光は、平面102上の結像点101にて結像する。すなわち、画像表示装置11の表示領域の個々の点から発した画像光について、XY平面においては収束光化し、YZ平面においては平行光化した後、平面102上の結像点101に投影することができる。表示領域の全ての点に対して前記の処理を行うことにより、画像表示ユニット1Aは、画像表示装置11の表示領域に出力された画像を、平面102上に投影することができる。これにより、ユーザは、視点100から仮想の平面102を見たときに、空中に投影された画像を視認することができる。なお、平面102は、投影された画像が結像する仮想的な平面であるが、視認性を向上させるためにスクリーンなどを配置してもよい。
【0049】
なお、Z軸方向について、入射面14aの中心と、コリメートレンズ13の光軸とが一致するようにコリメートレンズ13が配置されている場合は、平面102上に投影された画像について、以下の問題が生じるおそれがある。すなわち、コリメートレンズ13の光軸と直交するXZ平面内で、Z軸方向に対して光軸を挟んだ等距離である2点のそれぞれから発して、入射面14aを介して導光板14内に入射した光は、底面14bに対して同じ角度をなすことになる。そのため、それら2点からの光は、同じプリズム141により反射されて平面102へ向かう。そのため、視点100からは、それら2点が重なって見えるという問題がある。
【0050】
したがって、画像表示装置11は、Z軸方向について、導光板14よりも正方向側、または、負方向側に表示領域全体が位置するように配置されることが好ましい。本実施形態では、画像表示装置11の表示領域全体が、導光板14よりも負方向側に配置される。この場合、画像表示装置11からコリメートレンズ13を経由して導光板14内に入射する光の量を増やすために、図2において点線で示される位置にミラー20を配置してもよい。ミラー20は、Z軸方向について、コリメートレンズ13の光軸を挟んで画像表示装置11とは反対側に配置され、かつ、光出射面14cと平行かつ画像表示装置11へ向けられた反射面を持つことが好ましい。
【0051】
また、図2に示すように、画像表示装置11の表示領域のうち、Z軸の正方向側にある点から発した画像光よりも、負方向側にある点から発した画像光の方が、より画像表示装置11に近い位置にあるプリズム141に入射する。そして、プリズム141にて反射し、当該プリズム141に対応するスリット151を透過することがわかる。
【0052】
図3は、図1及び図2に示す画像表示ユニット1Aの変形例の概略構成を示す図である。なお、図3では、概略構成を示し、撮像部10、画像表示装置11、コリメートレンズ13、導光板14のみの構成を示している。
【0053】
図3に示すように、画像表示ユニット1Bは、プリズム141によって反射された光によって、導光板14の光出射面14cに関して観察者とは反対側にある平面112に虚像を結像する点で、画像表示ユニット1Aと異なる。
【0054】
図3に示すように、画像表示ユニット1Cは、図1及び2に示す結像レンズ12を備えていない構成である。それゆえ、画像表示装置11の表示領域から出力された画像光は、入射面14aの長手方向と平行なXY平面において収束光化することなく、発散されて、導光板14の入射面14aに入射する。このようにXY平面おいて発散された画像光は、導光板14を伝搬し、プリズム141にて反射し、光出射面13cから出射する。このとき、複数のプリズム141それぞれは、画像表示装置11の表示領域で入射面14aの長手方向と直交するZ軸方向において互いに異なる位置から発した画像光を、所定の視点100へ向けて導光板14の一方の面である光出射面14cから出射させる。
【0055】
このとき、導光板14を伝搬する画像光がXY平面おいて発散された光であるため、複数のプリズム141によって反射させられた光は、視点100に向けて収束するのではなく発散した光となる。このため、複数のプリズム141によって反射させられた光は、導光板14の光出射面14cに関して観察者とは反対側にある平面112の結像点111から出射されたように光出射面14cから出射される。すなわち、複数のプリズム141によって反射された光によって、平面112に虚像が結像される。これにより、観察者は、導光板14に関して観察者とは反対側の空間に立体画像を視認することができる。
【0056】
なお、図3に示す構成は、結像レンズ12を設けることなく、XY平面おいて発散された画像光を導光板14に入射させた構成であった。しかし、画像表示ユニット1Bは、XY平面おいて発散された画像光を導光板14に入射させることが可能な構成であれば、図3に示す構成に限定されない。例えば、画像表示装置11と導光板14との間に、画像光をXY平面おいて発散させて出射する凹レンズが設けられた構成であってもよい。
【0057】
また、図1及び図2に示された画像表示ユニット1Aでは、結像レンズ12の焦点距離に応じて、結像される平面102が調節可能である。それゆえ、結像レンズ12を備えた図1及び図2に示す構成であっても、焦点距離を適宜設定することにより、観察者とは反対側にある平面112に虚像が結像することが可能である。
【0058】
図4は、図1及び図2に示す画像表示ユニット1Aのさらに他の変形例の概略構成を示す図である。この変形例としての画像表示ユニット1Cは、図1及び図2に示す画像表示ユニット1Aにおいて、コリメートレンズ13の代わりに、画像表示装置11からの画像光を導光板14へ向けて導光させる導光部材が用いられている。
【0059】
画像表示ユニット1Cでは、画像表示装置11から発した画像光が、コリメートレンズ131及び導光部材132を介して導光板14の入射面14aへ達し、かつ、その光は、YZ平面では画像表示装置11上の位置に応じた角度を持つ平行光となり、XY平面でも平行光となるように、コリメートレンズ131及び導光部材132が配置される。なお、コリメートレンズ131及び導光部材132は、コリメート部材の他の一例である。また、コリメートレンズ131及び導光部材132は、導光板14とともに結像部を構成する。
【0060】
具体的には、導光部材132は、直方体状に形成された透明な部材であり、短手方向の一方の面が入射面132aとして形成される。また、導光部材132の長手方向に沿った一面が、入射面132aから入射した光を出射させる出射面132cとして形成され、出射面132cと対向する面が拡散面132bとして形成される。そして導光部材132の長手方向の長さは、入射面14aの長手方向の長さと略等しくなり、かつ、YZ平面における導光部材132の厚さは、導光板14のYZ平面における厚さよりも厚くなるように、導光部材132は形成されることが好ましい。これにより、導光部材132は、画像表示装置11の表示面上のZ方向の位置による光の角度を維持しつつ、画像表示装置11からの光を導光板14へ導光できる。
【0061】
また、導光部材132の出射面132cが導光板14の入射面14aと対向するように、導光部材132は配置される。また、画像表示装置11は、コリメートレンズ131を介して導光部材132の入射面132aと対向し、かつ、コリメートレンズ131の前側焦点に位置するように配置される。すなわち、この例では、画像表示装置11の表示面が、導光板14の入射面14aと直交する方向と平行となるように、画像表示装置11は配置される。そのため、この変形例では、画像表示装置を小型化することができるとともに、表示装置全体も小型化される。なお、この変形例においても、導光部材の入射面と出射面とがなす角が直交する角度以外となるように、例えば、テーパ状となるように、入射面が形成されてもよい。また、導光部材132と導光板14とは、一体的に形成されてもよい。
【0062】
画像表示装置11から発した光は、コリメートレンズ131により、方向によらず平行化されて導光部材132の入射面132aから導光部材132へ入射する。すなわち、画像表示装置11から発した光は、画像表示装置11上の表示位置に応じた方向を向く平行光となる。そしてその平行化された光は、導光部材132内を全反射しながら伝搬し、導光部材132の拡散面132bに設けられた複数のプリズム133(光路変換部)により、出射面132cへ向けて反射される。
【0063】
各プリズム133は、X方向、すなわち、導光板14の入射面14aの長手方向に沿って所定のピッチ(例えば、1mm)で格子状に配置されている。各プリズム133は、例えば、Z方向に沿って延伸され、X方向において所定の幅(例えば、10μm)を持つ略三角形状の溝として形成される。そして各プリズム133は、拡散面132bに対して所定の角度βをなし、かつ、入射面132aと対向するように向けられた反射面を有する。なお、所定の角度βは、導光部材132へ入射した画像表示装置11からの光を全反射させて、出射面132cへ向ける角度、例えば、拡散面132bに対して37〜45°をなすように設定される。また、XY平面において同じ方向を向く光が、所定の結像面にて一点に集光するように、入射面132aから離れたプリズム133ほど角度βは大きくなるように各プリズム133は形成される。これにより、画像表示ユニット1Aと同様に、導光部材132を出射した光は、導光板14の入射面14aの短手方向(すなわち、厚さ方向)に関して平行化され、一方、入射面14aの長手方向について収束光化される。したがって、画像表示ユニット1Aと同様に、画像表示ユニット1Bは、画像表示装置11に表示された画像を空間投影できる。
【0064】
なお、コリメートレンズ131及び導光部材132は、それぞれ、例えば、可視光に対して透明な材料、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーといった樹脂を成型することで形成される。
【0065】
なお、導光部材132の出射面132cと導光板14の入射面14aとの間に、入射面14aの長手方向について正のパワーを持つシリンドリカルレンズが配置されてもよい。この場合には、入射面14aの長手方向に関して、シリンドリカルレンズにより画像表示装置11からの光は収束光化されるので、導光部材132の各プリズム133の反射面の角度は互いに同一であってもよい。
【0066】
上述した画像表示ユニット1A〜1Cは、画像表示装置11と、画像表示装置11からの画像光を平行光化するコリメート部と、導光板14とを備えた構成であるといえる。例えば、画像表示ユニット1Aでは、前記コリメート部は、結像レンズ12及びコリメートレンズ13に相当する。そして、画像表示ユニット1A〜1Cは、画像表示装置11と前記コリメート部とは別体であった。しかし、本実施形態に係る画像表示ユニットは、このような構成に限定されず、導光板14の入射面12aに画像表示装置11からの画像光が平行光として入射する構成であれよい。例えば、画像表示装置11と前記コリメート部とが一体となった構成、すなわち画像表示装置11そのものが平行光化された画像光を出射する構成であってもよい。
【0067】
本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cは、以上のように、観察対象空間を撮像する撮像部10と、画像表示装置11(画像表示部)と、画像表示装置11により表示される画像を空間に結像する結像部と、を備えた構成となっている。そして、結像部は、結像レンズ12と、コリメートレンズ13と、導光板14と、マスク15とを備えている。
【0068】
従来技術では、固定された表示スクリーン上に画像を表示する技術であるため、観察者と表示画像との距離は固定されている。このため、観察者と表示スクリーンとの位置関係によっては、表示画像を観察者が観察しにくくなる。
【0069】
一方、本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cでは、撮像部10により撮像された観察対象空間のリアルタイム画像を画像表示装置11により表示させ、表示された画像を結像部によりスクリーンのない空間に結像させている。すなわち、本実施形態では、リアルタイム画像を、位置固定された表示スクリーン上に画像を表示させるのではなく、結像部により空間に結像させて、観察者に確認させている。そして、結像部により空間に結像されるリアルタイム画像と、観察者との位置関係(観察者の近くの位置に画像を配置するか、あるいは遠くに配置するか等)は、結像部の構成部材の設計(例えば導光板14のプリズム141の構成等)により設定可能である。それゆえ、本実施形態によれば、観察者に対する表示画像の位置の設計自由度に優れた画像表示ユニットを実現でき、観察者にとって最適な位置にてリアルタイム画像を表示(結像)できるという効果を奏する。
【0070】
本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cでは、撮像部10は、観察者の観察方向において遮蔽物で隠された死角対象空間を撮像し、結像部により死角対象空間を空間内に結像するような構成であってもよい。このような構成の場合、前記結像部(より具体的には導光板14)は、前記遮蔽物における、前記死角対象空間への観察方向の視線が通過する位置に設けられている。このような構成とすることにより、観察者が遮蔽物に隠された死角対象空間へ視線を向けた場合、視線の先に死角対象空間を観察することになる。このため、観察者は、違和感なく死角対象空間を確認することができる。
【0071】
本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cの使用用途は、特に限定されないが、特に車両用に使用されることが好ましい。すなわち、車両運転中または停止中に、車内の運転者または搭乗者が座席から車外の環境や車内の環境(エンジンやタイヤ)を確認するのに、本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cを使用することが好ましい。
【0072】
また、前記結像部は、当該結像部の導光板14における観察者と反対側の空間に前記画像を結像させることが好ましい。この場合、結像部は、導光板14に対して観察者と反対側の空間にリアルタイム画像を結像することになる。観察者は、結像部により結像されたリアルタイム画像を、該観察者に近い画像ではなく、遠くの画像として認識することになる。例えば、車外空間を確認するため、従来の画像表示ユニット(例えば特許文献1に記載の装置)を設置した場合、撮像部は車外に設置されるとともに、撮像部により撮像された画像を表示する画像表示装置は車内に設置される。撮像部の設置位置と画像表示装置の設置位置とのずれにより、観察者から見ると、画像表示装置により表示されたリアルタイム画像が実際に窓などからみた車外環境の景色よりも近い位置にある。このため、観察者は、画像表示装置により表示されたリアルタイム画像と実際の窓からみた景色との間の焦点位置のずれが生じ、リアルタイム画像に違和感があると感じることになる。
【0073】
一方、本実施形態によれば、観察者は、結像部により結像されたリアルタイム画像を、該観察者に近い画像ではなく、遠くの画像(奥行き画像)をして認識することになる。このため、画像表示装置11により表示されたリアルタイム画像と実際の窓からみた景色との焦点のずれが小さくなり、観察者は、リアルタイム画像に対する違和感を緩和することができる。
【0074】
また、例えば、特許文献2に記載の表示装置は、撮像部で撮像された画像をプロジェクタ部によりホログラフィック光学素子に投影し、ホログラフィック光学素子によりプロジェクタ部により投影された画像を観察者へ向けて回折する構成である。この構成では、プロジェクタ部により投影された画像の光は、ホログラフィック光学素子により観察者へ向けて回折される。このため、プロジェクタ部により投影された画像を観察する対象者は、観察者のみとなる。観察者以外の者(例えば運転者以外の同乗者)は、プロジェクタ部により投影された画像を観察することができない。一方、本実施形態によれば、結像部により画像表示装置11により表示された画像を空間に結像させているので、観察者のみならず同乗者にもリアルタイム画像を観察することができる。
【0075】
また、車外空間を車内から確認するための画像表示ユニットとして、従来、ヘッドアップディスプレイが知られている。ヘッドアップディスプレイは、基本的に、撮像部により撮像された画像をプロジェクタにより投影し、この投影光を反射ミラーにより反射させる構成である。このため、プロジェクタによる投影距離、反射ミラーによる反射に必要な光学距離等の設定から、観察者から遠ざかる方向へ画像を投影する構成とした場合、装置が大型化する。また、観察者から遠ざかる方向へ画像を投影することが困難である。
【0076】
一方、本実施形態では、結像部の構成部材の設計(例えば導光板14のプリズム141の構成等)により、観察者から遠ざかる方向へ画像を投影する構成とすることができる。それゆえ、軽量であり、かつコンパクトな画像表示ユニットを実現することがきる。
【0077】
(本実施形態に係る画像表示ユニットの適用例)
以下、本実施形態に係る画像表示ユニット1A〜1Cを車両に適用した適用例について、説明する。図5は、車内の運転者が車内の遮蔽物で隠された死角対象空間を観察するための画像表示ユニットの適用例を示す模式図である。また、図6は、本実施形態に係る画像表示ユニットが、車内前方のピラー部P、ダッシュボード部D、及び天井部Cに配置された状態を模式的に示す図である。
【0078】
図5に示されるように、撮像部10は、車両内のピラー部Pにより隠された死角対象空間を撮像する構成であってもよい。この場合、結像部の導光板14は、ピラー部Pにおける、運転者の死角対象空間への観察方向の視線Sが通過する位置に設けられている。この場合、運転者がピラー部Pに隠された死角対象空間へ視線Sを向けた場合、視線Sの先に死角対象空間を観察することになる。このため、図6に示すように、運転者は、違和感なくピラー部Pに隠された死角対象空間を確認することができる。また、この構成では、運転者から遠い空間位置にある平面112に死角対象空間の画像が結像部により結像される。このため、導光板14により結像された撮像部10のリアルタイム画像と実際の窓からみた景色とのずれが小さくなり、運転者は、リアルタイム画像に対する違和感を緩和することができる。
【0079】
また、図5に示されるように、撮像部10は、車両内のダッシュボード部Dにより隠された死角対象空間を撮像する構成であってもよい。この場合、結像部の導光板14は、ダッシュボード部Dにおける、運転者の死角対象空間への観察方向の視線Sが通過する位置に設けられている。この場合、運転者がダッシュボード部Dに隠された死角対象空間へ視線Sを向けた場合、視線Sの先に死角対象空間を観察することになる。この場合、死角対象空間には、車両のタイヤTが存在する。このため、図6に示すように、運転者は、車内のダッシュボード部Dにより本来隠されているタイヤTの運転中または停止中の状況を確認することができる。また、この構成では、運転者から遠い空間位置にある平面112に死角対象空間の画像が結像部により結像される。また、この平面112は、タイヤTの位置と略同一である。このため、運転者は、違和感なく、ダッシュボード部Dに隠された死角対象空間にあるタイヤTを確認することができる。
【0080】
また、図5には例示されていないが、撮像部10は、車両内の天井部により隠された死角対象空間を撮像する構成であってもよい。この場合、結像部の導光板14は、天井部における、運転者または同乗者の死角対象空間への観察方向の視線が通過する位置に設けられている。このため、図6に示すように、運転者は、天井部Cに隠された死角対象空間を確認することができる。このように車体から透けて見えるように、天井部Cに隠された死角対象空間内の対象物(例えば信号)を、導光板14を介して、車体と対象物との実距離に合せた平面内に投影することができる。それゆえ、観察者は、焦点を合わせることなく対象物を観察することができる。また、車両の移動に追従して天井部Cに隠された対象物を観察することができる。
【0081】
また、撮像部10は、車両内のドア部により隠された死角対象空間を撮像する構成であってもよい。この場合、結像部の導光板14は、ドア部における、運転者または同乗者の死角対象空間への観察方向の視線が通過する位置に設けられている。
【0082】
図7は、撮像部10が車両の側方の空間を撮像する構成の一例を示し、図7の(a)は結像部の位置を示す図であり、図7の(b)は、図7の(a)における導光板近傍の概略構成を示す図である。
【0083】
図7の(a)及び(b)に示すように、撮像部10は、車両の側方の空間を撮像する構成であってもよい。この場合、撮像部10は、車両の側方の後方空間を撮像する。例えば、撮像部10は、通常の車両のサイドミラーにより映される空間と略同じ空間を撮像する。この場合、結像部の導光板14は、車両のドアにおける窓に設けられている。そして、画像表示装置11は、導光板14の側面と対向するように配置されている。導光板14における画像表示装置11と対向する側面が画像光の入射面となる。
【0084】
図7の(a)及び(b)に示す構成では、運転者から遠い空間位置にある平面112に車両の側方の後方空間の画像が結像部により結像される。さらに、このリアルタイム画像が結像される平面112は、導光板14に対して傾斜している。運転者は、前方を向いた状態で、違和感なく、撮像部10によって撮像された、車両の側方の後方空間をドアの窓から観察することになる。なお、結像部の構成部材の設計(例えば導光板14のプリズム141の構成等)により、導光板14に対して傾斜した平面112上にリアルタイム画像を結像させることは可能である。
【0085】
また、画像表示装置11の導光板14に対する位置を調整することにより、リアルタイム画像の結像位置を設計することが可能である。
【0086】
例えば、画像表示ユニット1Aでは、導光板14の背面側に位置するように見える、画像表示装置11の表示領域に表示された画像の虚像を表示するために、結像レンズ12は省略されてもよい。この場合、導光板14から光が出射する位置と導光板14の入射面14aとの間の距離を、導光板14の屈折率とその光が導光板14内を伝搬する際のその光と出射面14cとがなす角の余弦との積で除して得られる値を、虚像と導光板14間の距離から減じた値に相当する距離だけ、導光板14の入射面14aから離れた位置に画像表示装置11を配置すればよい。なお、図1及び図2に示す構成のようにスリット151を利用する場合には、入射面14aと直交する方向における、各スリット151の位置は、表示される虚像の位置に応じて決められればよい。また、結像される像の位置に応じて各プリズム141の反射面の角度が設定される場合には、表示される虚像の位置に応じて各プリズム141の反射面の角度が設定されればよい。すなわち、入射面14aから遠いプリズム141ほど、そのプリズム141の反射面の角度は小さくなる。
【0087】
図7の(a)及び(b)に示す構成によれば、車両の運転者は、違和感なく車両の側方(特に側後方)の空間を視認することができる。
【0088】
なお、図7の(a)及び(b)に示す構成では、結像部の導光板14は、車両のドアにおける窓に設けられている構成であった。しかし、撮像部10が車両の側方の空間を撮像する構成である場合、導光板14は、車両のドアの窓に限定されず、運転者または搭乗者が視認可能な部分に配置されていればよい。例えば、導光板14は、ダッシュボード上に配置されていてもよい。
【0089】
図8は、撮像部10が車両の後方の空間を撮像する構成の一例を示し、図8の(a)は結像部が導光板14を介してリアルタイム画像を結像していない状態を示す図であり、図8の(b)は、結像部が導光板14を介してリアルタイム画像を結像した状態を示す図である。図9は、図8の(a)及び(b)に示す構成に備えられた画像表示ユニットの要部構成を概略的に示した図である。
【0090】
図8の(a)及び(b)に示すように、撮像部10は、車両の後方の空間を撮像する構成であってもよい。例えば、撮像部10は、通常の車両において後方へバック運転する際に、運転者が後方へ振り向いたときに視認される空間と略同じ空間を撮像する。この場合、結像部の導光板14は、車両の運転席2よりも後方であり、かつ運転席2と助手席3との間の位置に設けられている。例えば、図9に示すように、運転席2の後方に遮蔽物4が設けられている場合、導光板14は、遮蔽物4における運転席2及び助手席3と対向する面に設けられ、前方から見て、運転席2と助手席3との間の位置に設けられている。
【0091】
図8の(a)に示される、結像部が導光板14を介してリアルタイム画像を結像していない状態では、導光板14が可視光を透過する透光性部材である。このため、運転者は、運転席2から後方へ振り向いたとき、導光板14を介して遮蔽物4を見ることになる。一方、図8の(b)に示される、結像部が導光板14を介してリアルタイム画像を結像した状態では、運転者は、運転席2から後方へ振り向いたとき、導光板14に結像された、後方のリアルタイム画像を観察することになる。このように、図8の(a)及び(b)に示す構成によれば、運転者が後方を振り向いたとき、遮蔽物により、車体後方の空間を観察することができない場合であっても、運転者は、画像表示ユニットの導光板14を介して車体後方の空間を観察することができる。
【0092】
図9に示すように、図8の(a)及び(b)に示す構成に備えられた画像表示ユニットでは、撮像部10により撮像された画像は、画像表示装置11により表示面に表示され、結像部が、導光板14を介して、画像表示装置11により表示された画像を空間に結像する。このとき、撮像部10により撮像された車体後方のリアルタイム画像は、運転者から遠い空間位置にある平面112に結像される。このため、運転者は、リアルタイム画像に対する違和感を緩和することができる。
【0093】
なお、導光板14の設置位置は、図8の(a)及び(b)に示す位置に限定されず、運転者が違和感なく視認できる位置であればよい。例えば、運転者の前方(例えばルームミラーの設置位置)に設けられていてもよい。すなわち、前記結像部の導光板14は、車両の運転席よりも前方であり、かつ運転席と助手席との間の位置に設けられていてもよい。この構成では、本実施形態に係る画像表示ユニットをルームミラーとして利用している。この構成によれば、後方のリアルタイム画像を表示する表示装置を車内のルームミラーの位置に取り付けた技術(例えば特許文献3に記載の技術)と比較して、運転者から遠くに離れた空間位置にリアルタイム画像が結像される。このため、運転者は、適切な距離で結像画像を見ることができる。
【0094】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1A、1B、1C 画像表示ユニット
2 運転席
3 助手席
4 遮蔽物
10 撮像部
11 画像表示装置(画像表示部)
12 結像レンズ(結像部)
13、131 コリメートレンズ(結像部)
13c、14c 光出射面
14 導光板
14a、132a 入射面
14b 底面
132 導光部材
132b 拡散面
132c 出射面
133 プリズム(光路変換部)
141 プリズム(出射構造部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9