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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-180145(P2018-180145A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】薄板材
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/00 20060101AFI20181019BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20181019BHJP
【FI】
   G09F7/00 A
   G09F7/18 R
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-76364(P2017-76364)
(22)【出願日】2017年4月7日
(71)【出願人】
【識別番号】513121133
【氏名又は名称】藤塗装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122541
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 友彰
(72)【発明者】
【氏名】藤浦 光俊
(72)【発明者】
【氏名】宮本 好信
(57)【要約】
【課題】折り曲げにより容易に立体化及び展開が自在であり、設置場所に対する自由度が高く、立体化により視認性が向上する薄板材を提供する。
【解決手段】所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材であって、折り曲げ加工部は、設置面に当接する当接部を形成するための少なくとも1対の第1折り曲げ加工部と、1対の第1折り曲げ加工部の間に設けられる1つ以上の第2折り曲げ加工部と、を有し、1対の第1折り曲げ加工部の間には、第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域と、第2折り曲げ加工部を山折りしたときに第1領域から突出する突出部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材であって、
前記折り曲げ加工部は、
設置面に当接する当接部を形成するための少なくとも1対の第1折り曲げ加工部と、前記1対の第1折り曲げ加工部の間に設けられる1つ以上の第2折り曲げ加工部と、を有し、
前記1対の第1折り曲げ加工部の間には、
前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域と、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに前記第1領域から突出する突出部と、を有すること
を特徴とする薄板材。
【請求項2】
前記突出部は、少なくとも一部が前記第1領域と連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項3】
前記1対の第1折り曲げ加工部の間に少なくとも1対の前記第2折り曲げ加工部を有し、前記突出部は、前記1対の第2折り曲げ加工部の間の第2領域と面一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄板材。
【請求項4】
前記突出部は、1つ以上の文字、図形、記号及び/又は模様の少なくとも一部の形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項5】
前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項6】
前記第1折り曲げ加工部及び前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられており、
前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は、前記薄板材の厚さの10倍以上の長さを有し、
前記第1折り曲げ加工部における前記変形部の長さは、前記第2折り曲げ加工部における前記変形部の長さよりも長いこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項7】
前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、前記スリット配列を偶数列隣接させて構成されたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の薄板材。
【請求項8】
前記第1領域及び/又は前記突出部の裏面側に光源を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項9】
前記当接部は、前記第1折り曲げ加工部と前記薄板材の端部との間の領域に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項10】
全体が1枚の薄板材であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばトイレ、休憩室、喫煙室、駐車場の所在その他の所定の案内情報を利用者に対して行うための、屋内又は屋外で用いられる案内標識板が広く利用されている。最も一般的には、アクリル等の樹脂製又は金属製の1枚の薄板材に、所定の案内情報がペイントや印刷等により表され、その裏面を壁面等に当接させて接着剤等により取り付けられる構成のサインプレートがよく知られている(例えば、非特許文献1の「サインプレート」の欄、「裏面テープ付」の商品写真参照)。また、所定の案内情報が表されたパネル(化粧シート、平板、枠)と、当該パネルを壁面に取り付けるための取り付け具とからなり、壁面に固定された取り付け具に対して前記パネルを係止することにより、前記パネルが壁面に垂直に立設される構成の室名札も存在する(例えば、特許文献1の図1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「アスクルカタログ2017春・夏号」、volume25、Number1、p.495
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3111100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1のような従来のサインプレートによると、壁面等に対してサインプレートの裏面側全面を当接させて取り付ける必要があるため、設置場所には、少なくともサインプレートの大きさ以上のスペースが必要とされるものであった。即ち、前記サインプレートを、当該サインプレートの高さ又は幅よりも狭い場所(例えば細い柱部分など)に設置してしまうと、サインプレートの一部がはみ出してしまうため、設置場所の選定に制約がかかるという問題があった。
【0006】
また、非特許文献1のような従来のサインプレートは硬質の樹脂板又は金属板からなり、サインプレートの裏面側全面を平滑な設置場所に当接させて取り付ける構成のため、例えば部屋の隅部や柱の角部などのように異なる角度の設置面2面に亘って取り付けることはできず、設置場所の選定に制約がかかるという問題があった。
【0007】
さらに、非特許文献1のような従来のサインプレートは、起伏のないフラットな板状の構成であり、所定の案内情報は、そのようなサインプレートにペイントや印刷等で表されているに過ぎないため、視認性が十分とは言えず、また、前記案内事項の見え方の意外性は殆どないものであった。
【0008】
一方、特許文献1の図1に示すような、壁面に対してパネルを立設可能な構成の室名札もあるが、壁面に対して取り付けるためにはパネルと別体の取り付け具が必要となり、部品点数が多くなるため取り付け作業が煩雑になってしまう。
【0009】
また、壁面に対してパネルが垂直に立設される従来の構成によると、設置場所である壁面の正面側から見たときには、パネルに表されている案内情報が極めて見え難く、視認可能な範囲が限定され、視認性が低いという問題があった。
【0010】
さらに、壁面に対してパネルが垂直に立設される従来の構成によると、部品点数が多く各パーツは相応の厚さを有しているために嵩張り、設置前の状態における運搬や収納には不便であった。
【0011】
そこで本発明は、折り曲げにより容易に立体化及び展開が自在であり、設置場所に対する自由度が高く、立体化により視認性が向上する薄板材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の薄板材は、所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材であって、前記折り曲げ加工部は、設置面に当接する当接部を形成するための少なくとも1対の第1折り曲げ加工部と、前記1対の第1折り曲げ加工部の間に設けられる1つ以上の第2折り曲げ加工部と、を有し、前記1対の第1折り曲げ加工部の間には、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域と、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに前記第1領域から突出する突出部と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の薄板材の前記突出部は、少なくとも一部が前記第1領域と連続して設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の薄板材の前記1対の第1折り曲げ加工部の間に少なくとも1対の前記第2折り曲げ加工部を有し、前記突出部は、前記1対の第2折り曲げ加工部の間の第2領域と面一であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の薄板材の前記突出部は、1つ以上の文字、図形、記号及び/又は模様の少なくとも一部の形状を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の薄板材の前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の薄板材の前記第1折り曲げ加工部及び前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられており、前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は、前記薄板材の厚さの10倍以上の長さを有し、前記第1折り曲げ加工部における前記変形部の長さは、前記第2折り曲げ加工部における前記変形部の長さよりも長いことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の薄板材の前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、前記スリット配列を偶数列隣接させて構成されたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の薄板材の前記第1領域及び/又は前記突出部の裏面側に光源を設けたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の薄板材の前記当接部は、前記第1折り曲げ加工部と前記薄板材の端部との間の領域に形成されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の薄板材は、全体が1枚の薄板材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る薄板材は、第1折り曲げ加工部を所望の角度で谷折り又は山折りするだけで当接部を形成できるため、平坦な設置面に対しても、部屋の隅部や柱の角部などのように異なる角度の2面に亘っても取り付けが可能であり、設置場所に対する自由度が高い。
【0023】
また、本発明に係る薄板材は、第2折り曲げ加工部を山折りすると、第1領域が隆起し、かつ、突出部が第1領域から突出する構成であるため、このような立体化によって意外性が生まれ、特に突出部が看者の目にとまり易くなり、視認性が飛躍的に向上する。
【0024】
特に、本発明に係る薄板材は、少なくとも1対の第2折り曲げ加工部を有し、突出部は、1対の第2折り曲げ加工部の間の第2領域と面一の構成であるため、突出部は、設置面よりも手前側に飛び出した状態となり、突出部の視認性は更に向上する。
【0025】
また、本発明に係る薄板材は、突出部が、1つ以上の文字、図形、記号及び/又は模様の少なくとも一部の形状で突出する構成であるため、看者に対する案内情報を、前記のように視認性の高い突出部によって表すことが可能である。
【0026】
また、本発明に係る薄板材は、第1折り曲げ加工部及び/又は第2折り曲げ加工部は、所定のスリット配列を2列以上、より好ましくは偶数列隣接させた構成であるため、例えば金属板やポリプロピレン等の樹脂シートで構成した場合には蝶番等の別体のパーツを用いずとも、素手で容易に、所望の角度で折り曲げが可能であって、繰り返しの折り曲げに起因する破損も生じ難い。特に、本発明に係る薄板材は、スリット配列における折り曲げ時に変形する変形部が、薄板材の厚さの10倍以上の長さを有し、第1折り曲げ加工部における変形部の長さが、第2折り曲げ加工部における変形部の長さよりも長い構成であるため、設置場所変更や取り付け角度の調整などのために第1折り曲げ加工部を繰り返し折り曲げても、当該折り曲げに起因する第1折り曲げ加工部の破損が生じ難く、またデザインの自由度が高くなる。
【0027】
また、本発明に係る薄板材は、第1領域及び/又は突出部の裏面側に光源を設けたことにより、薄板材の設置状態において各所隙間から漏れ出す照明の効果と相俟って、特に突出部の看者に対する印象付けの効果が更に発揮される。
【0028】
また、本発明に係る薄板材は、当接部が第1折り曲げ加工部と薄板材の端部との間の領域に形成されるため、設置面に当接するのは薄板材の一部領域である当接部で足りる。そのため、従来のサインプレートの設置には、そのサインプレートの大きさ以上の設置スペースが必要とされていたのに対して、本発明に係る薄板材によれば、従来よりも狭いスペースに対しても設置が可能となる。
【0029】
また、本発明に係る薄板材は、全体が1枚の薄板材である場合には、部品点数が少なく設置作業が簡素化され、かつ、折り曲げ加工部における折り曲げを解除して展開した状態では1枚の薄板材となるため嵩が減り、運搬や収納において利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態に係る薄板材を示す正面図である。
図2】本発明に係る薄板材の折り曲げ加工部を示す模式図である。
図3図1に示す薄板材を立体化させた状態を示す斜視図である。
図4】本発明に係る薄板材を立体化させて設置面に設置した状態を示す模式図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る薄板材を示す正面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る薄板材を示す正面図である。
図7】本発明の第4実施形態に係る薄板材を示す正面図である。
図8図7に示す薄板材を立体化させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る薄板材について、図面を参照しつつ詳しく説明する。第1実施形態は、本発明を男性用トイレの所在を示すための案内板としての薄板材に適用した例を説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態に係る薄板材を示す正面図、図2は、本発明に係る薄板材の折り曲げ加工部を示す模式図である。
【0033】
図1に示すように、薄板材1は、所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部としての第1折り曲げ加工部2a、2b及び第2折り曲げ加工部3a、3bと、当接部9a、9bと、第1領域4a、4bと、第2領域5a、5bと、突出部6と、を備える。
【0034】
図1に示すように、薄板材1における折り曲げ加工部は、一例として、1対の第1折り曲げ加工部2a、2bと、この1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に設けられる第2折り曲げ加工部3a、3bと、を有する。なお、本発明においては、第1折り曲げ加工部は少なくとも1対を有し、第2折り曲げ加工部は1つ以上を有する構成であればよく、特に限定されるものではない。
【0035】
図1に示すように、薄板材1は、縦横比が略同一に設定された略正方形の外形でなり、薄板材1の左側端部の近傍に、左側端部の縁に平行な第1折り曲げ加工部2aが設けられており、第1折り曲げ加工部2aと薄板材1の左側端部との間の領域に当接部9aが形成されている。同様に、薄板材1の右側端部の近傍に、右側端部の縁に平行な第1折り曲げ加工部2bが設けられており、第1折り曲げ加工部2bと薄板材1の右側端部との間の領域に当接部9bが形成されている。
【0036】
このように第1折り曲げ加工部2a、2bは、設置面に当接する当接部9a、9bを形成するための折り曲げ加工部であり、図1の状態から第1折り曲げ加工部2a、2bを所望の角度で谷折り又は山折りすることによって、当接部9a、9bの向きを自在に調節できるため、平坦な設置面に対しても、部屋の隅部や柱の角部などのように異なる角度の2面に亘っても取り付けが可能となる。
【0037】
なお、当接部9a、9bには、それぞれ上側に孔9a1、9b1、下側に孔9a2、9b2が形成されており、後述するように、薄板材1を壁等の設置面に対してネジや釘で固定したり、設置面に設けたフックに係合したりできるようになっているが、薄板材1の設置は、必ずしもネジやフック等の手段に限られず、両面テープや接着剤などで直接固定してもよく、孔9a1、9a2、9b1、9b2の形成は任意である。
【0038】
また、図1に示すように、薄板材1の中央部には、左右端部の縁及び第1折り曲げ加工部2a、2bと平行な1対の第2折り曲げ加工部3a、3bが設けられている。図1に示す例では、後述する突出部6が薄板材1の中心部に設けられており、第2折り曲げ加工部3a、3bは、突出部6の形成領域には設けられていない。即ち、薄板材1の上側端部から、突出部6を形成するための切り込み部60aの上側端部60a1まで、及び、切り込み部60aの下側端部60a2から薄板材1の下側端部まで、にかけて第2折り曲げ加工部3aが形成され、同様に、薄板材1の上側端部から、切り込み部60bの上側端部60b1まで、及び、切り込み部60bの下側端部60b2から薄板材1の下側端部まで、にかけて第2折り曲げ加工部3bが形成されている。
【0039】
薄板材1は、1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する突出部6と、を有する(図3参照)。更には、図1に示す薄板材1においては、1対の第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りしたときに、突出部6は、第2折り曲げ加工部3aと第2折り曲げ加工部3bとの間の第2領域5a、5bと面一となる(図3参照)。これにより、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りして薄板材1を設置したときに、突出部6は、設置面よりも手前側に飛び出す状態となるため、突出部6は視認性が向上する。
【0040】
図1に示すように、突出部6は、第1領域4a、4bの一部に切り込み部60a、60bが設けられ、かつ、上述のように第2折り曲げ加工部3a、3bは突出部6の形成領域に設けられていないため、第2折り曲げ加工部3a、3bにおいて山折りをしたときに、突出部6は山折りされることなく、切り込み部60a、60bの切り込みの形状のまま第1領域4a、4bから突出するようになっている。このような立体化によって意外性が生まれ、特に突出部6が看者の目にとまり易くなり、視認性が飛躍的に向上する。
【0041】
突出部6の形状、即ち、突出部6を形成するための切り込み部60a、60bの切り込み形状は、薄板材1の用途に応じて任意に設計すればよいが、1つ以上の文字、図形、記号及び/又は模様の少なくとも一部の形状とすることにより、看者に対する案内情報を、視認性の高い突出部6によって表すことが可能となる。本実施形態に係る薄板材1は、男性用トイレの所在を示すための案内板とするために、一例として、突出部6は男性のシルエット(図形)の形状としている。即ち、切り込み部60aは男性のシルエットの左側半分の形状、切り込み部60bは男性のシルエットの右側半分の形状となっている。さらに、突出部6の男性のシルエットに対して青色や黒色で彩色し、その他の部分(当接部9a、9b、第1領域4a、4b、第2領域5a、5b)は白色で彩色するなど、適宜彩色を施すことにより、突出部6の男性のシルエットが際立ち、視認性が向上するので好適である。
【0042】
第1折り曲げ加工部2a、2b及び第2折り曲げ加工部3a、3bのそれぞれは、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合うスリット配列の直線状スリット同士が交互に現われるように設けられる。より具体的に、第1折り曲げ加工部2aを例にとり、本発明の折り曲げ加工部の構成について図2を参照して説明するが、第1折り曲げ加工部2b、第2折り曲げ加工部3a、3bについても同様に構成し得ることは言うまでもない。
【0043】
図2に示すように、第1折り曲げ加工部2aは、4列のスリット配列、即ち、第1スリット配列21と、第2スリット配列22と、第3スリット配列23と、第4スリット配列24と、がそれぞれ隣接間隔D1をあけて隣接されて構成されている。また、第1スリット配列21は、複数の直線状スリット21aが、直線状スリット21aの長手方向に沿って一直線に、かつ、離間間隔D2をあけて配列されて構成されており、その他の第2スリット配列22乃至第4スリット配列24についても同様に構成されている。更に,隣り合うスリット配列の直線状スリット同士、例えば、第1スリット配列21の直線状スリット21aと第2スリット配列22の直線状スリット22aとが交互に現われるように設けられており、第2スリット配列22の直線状スリット22a及び第3スリット配列23の直線状スリット23a、並びに、第3スリット配列23の直線状スリット23a及び第4スリット配列24の直線状スリット24a、についても同様に構成されている。このように構成したことにより、隣接する直線状スリットの間、即ち、直線状スリット21aと直線状スリット22aとの間、直線状スリット22aと直線状スリット23aとの間、直線状スリット23aと直線状スリット24aとの間、には変形部26が形成され、第1折り曲げ加工部2aの折り曲げ時に、各所の変形部26が前記折り曲げによる応力を受けて捩れるように変形する。
【0044】
ここで、第1折り曲げ加工部2aは、偶数列である4列のスリット配列21乃至24からなる構成としたので、第1折り曲げ加工部2aの折り曲げ時、第1折り曲げ加工部2aにおいては、直線状スリット21a及び直線状スリット22aの間の変形部26が変形したり、直線状スリット23a及び直線状スリット24aの間の変形部26が変形したりして、変形箇所が分散して現われやすい。一方、仮に第1折り曲げ加工部2aを3列のスリット配列21乃至23によって構成すると、第1折り曲げ加工部2aの折り曲げ時、第1折り曲げ加工部2aの全長総てに亘って、直線状スリット21a及び直線状スリット22aの間の変形部26で変形する(又は、直線状スリット22a及び直線状スリット23aの間の変形部26で変形する)というように、変形箇所の分散が起こりにくいため、結果として2列のスリット配列で構成した場合とほぼ同様の変形となる。
【0045】
このように、第1折り曲げ加工部2a、2b、及び/又は、第2折り曲げ加工部3a、3bを上記した第1折り曲げ加工部2aと同様に構成することにより、また、より好ましくはスリット配列を偶数列隣接させた構成とすることにより、薄板材1を例えば金属製(例えばステンレス、鉄)又は樹脂(例えばポリプロピレン)製のシート状部材(薄板材)で構成した場合には、蝶番等の別体のパーツを用いずとも、素手で容易に、所望の角度で折り曲げが可能であって、繰り返しの折り曲げに起因する破損が生じ難いという効果が得られる。
【0046】
また、本実施形態に係る薄板材1においては、第1折り曲げ加工部2a、2b、第2折り曲げ加工部3a、3bを、4列のスリット配列21乃至24からなる構成とすることを一例として説明したが、以下の理由により、3列以上のスリット配列からなる構成とするのが好適である。薄板材1を、例えば金属板によって形成した後、全体又は一部に塗装を施して製品化する際は、フックを孔9a1及び孔9b1に係止して、薄板材1を吊り下げた状態で塗装作業を行う。このような吊り下げ状態においては、金属板である薄板材1の自重によって第1折り曲げ加工部2a、2b、第2折り曲げ加工部3a、3bには応力が加わるため、第1折り曲げ加工部2a、2b、第2折り曲げ加工部3a、3bにおいて意図しない変形を生じてしまう恐れがあり、特に大型の薄板材1を製作する場合にはそれが顕著となる。ここで、第1折り曲げ加工部2a、2b、及び/又は、第2折り曲げ加工部3a、3bにおけるスリット配列を、2列よりも3列、更には、3列よりも4列、というように3列以上のスリット配列で構成しておくことにより、前記自重により応力が加わる箇所が分散されて、個々の箇所にかかる負荷が軽減されるため、前記のような意図しない変形を防ぐことができる。
【0047】
また、折り曲げ加工部2aのスリット配列21乃至24のそれぞれの隣接間隔D1、及び、直線状スリット21a、22a、23a、24aのそれぞれのスリット幅W(図2参照)は、薄板材1の厚さと同等程度(より好ましくは同一)とすること、更には、変形部26の長さL(図2参照)は、薄板材1の厚さの概ね10倍以上とすることが好ましい。これによって、変形部26は上記所定長さを有する略角柱形状となり、折り曲げ時の応力が均等に分散され、折り曲げ易く及び破損し難いという効果が得られる。
【0048】
図1に示す薄板材1では、第1折り曲げ加工部2aと同様の構成を、第1折り曲げ加工部2b、及び第2折り曲げ加工部3a、3bにも適用しており、第1折り曲げ加工部2a、2bの変形部26の長さL(図2参照)は、第2折り曲げ加工部3a、3bの変形部(符号なし)の長さ(符号なし)よりも長い。これにより、例えば薄板材1の設置場所変更や取り付け角度の調整などのために第1折り曲げ加工部2a、2bを適宜繰り返し折り曲げても、当該折り曲げに起因する第1折り曲げ加工部2a、2bの破損が生じ難く、また、突出部6の上側端部(切り込み部60a1、60b1)から薄板材1の上側端部までの長さ、及び、突出部6の下側端部(切り込み部60a2、60b2)から薄板材1の下側端部までの長さ、を必要以上に長く設ける必要が無いことから、薄板材1に対して突出部6をバランスのよい大きさで設計できるなど、突出部6及びこれを含めた薄板材1のデザインの自由度が高くなるという効果が得られる。
【0049】
次に、上記した薄板材1を立体化して、壁面等の設置面に設置する方法について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、図1に示す薄板材を立体化させた状態を示す斜視図、図4は、本発明に係る薄板材を立体化させて設置面に設置した状態を示す模式図である。
【0050】
図3に示すように、薄板材1の第1折り曲げ加工部2a、2bを谷折りし、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りすると、第1領域4a、4bが隆起し、その頂上部分には、第2領域5a、5bと面一の突出部6が、第1領域4a、4bから突出するようにして現われる。
【0051】
このような立体化前においては、当接部9aと当接部9bとの離間距離は最大であるが、上記の立体化によって、薄板材1の第1折り曲げ加工部2a、2bの谷折り、及び、第1折り曲げ加工部3a、3bの山折りをそれぞれ深く折り曲げるほどに、当接部9aと当接部9bとの離間距離が徐々に狭まる。そのため、例えば、設置面における設置スペースの幅が狭い場合であっても、当接部9aと当接部9bとの離間距離が設置スペースの幅に収まるように、薄板材1の第1折り曲げ加工部2a、2b、及び、第1折り曲げ加工部3a、3bを適当に折り曲げて調節しながら、薄板材1を設置すればよい。
【0052】
薄板材1の設置面に対する設置は、孔9a1、9a2、9b1、9b2のそれぞれにおいて、ネジで締結したり、設置面に予め設けたフックに係合したり、当接部9a、9bと設置面とを両面テープや接着剤などで直接固定すればよい。
【0053】
薄板材1の折り曲げ加工部は所望の角度で折り曲げが可能に構成されているため、第1領域4aと当接部9aとがなす角θa及び第1領域4bと当接部9bとがなす角θbは、いずれも任意に設定可能である(図4(a)参照)。そのため、薄板材1の第1折り曲げ加工部2a、2bを谷折りして、当接部9a、9bの裏面側を設置面に当接させるようにすれば、図4(a)に示すように、平坦な壁面などに設置することも可能であるし、図4(b)に示すような柱の角部、又は、図4(c)に示すような部屋の隅部など、異なる角度の2面に亘っても薄板材1を取り付けることが可能となる。更には、図4(d)に示すように、薄板材1の第1折り曲げ加工部2a、2bを山折りして、当接部9a、9bの正面側を設置面に当接させるようにして薄板材1を設置してもよい。このように、薄板材1は、設置場所に対する自由度が高く、また、例えば孔9a1、9a2、9b1、9b2を介したネジによる固定を行う際に用いるドライバーが干渉しないように考慮しながら、第1折り曲げ加工部2a、2bを谷折りして当接部9a、9bの裏面側を設置面に当接させるか、第1折り曲げ加工部2a、2bを山折りして当接部9a、9bの正面側を設置面に当接させるか、を自由に選択することができる。
【0054】
薄板材1は、一例として弾性変形及び/又は塑性変形が可能な、金属製(例えばステンレス、鉄)又は樹脂(例えばポリプロピレン)製の1枚のシート状部材(薄板材)として製作することにより、レーザー加工機(レーザーカッター)や3Dプリンターによって容易に製造が可能である上に、部品点数も削減できるため好適である。本発明において、薄板材1は必ずしも1枚の薄板材である構成に限定されず、例えば、第1領域4a、4b、第2領域5a、5b、当接部9a、9b、突出部6をそれぞれ別々のシート状部材で構成し、第1折り曲げ加工部2a、2b、第2折り曲げ加工部3a、3bは蝶番や連結テープによって折り曲げ可能に構成されてもよい。
【0055】
また、薄板材1においては、第1折り曲げ加工部2a、2b、第2折り曲げ加工部3a、3bは、複数のスリット配列からなる構成を説明したが(図2参照)、本発明は必ずしもこれに限定されず、例えば、貫通された直線状スリットを配列させたスリット配列に代えて、ハーフカットされた溝を配列した溝配列からなる構成としてもよい。
【0056】
薄板材1においては、主として突出部6を看者に対する案内表示領域として構成する例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されず、立体化したときに隆起する第1領域4a、4b及び/又は第2折り曲げ加工部3a、3bの間の第2領域5a、5bをも、看者に対する案内表示領域として構成し、看者に対する案内表示の伝達性を向上させるようにしてもよい。例えば、薄板材1の、第1領域4a及び/又は第1領域4bに「MEN」又は「GENTLEMEN」の文字を、ペイント、印刷、又は、切り抜く等により表してもよい。また、立体化したときに隆起する第1領域4a、4b及び/又は第2折り曲げ加工部3a、3bの間の第2領域5a、5bを案内表示領域として構成する以外にも、装飾領域として構成し、突出部6がより映えるように、彩色を施したり、ペイントや印刷又は切り抜く等による模様を施したりしてもよい。
【0057】
薄板材1において、突出部6を薄板材1の中心部に設ける構成とし、突出部6の上下方向それぞれに第2折り曲げ加工部3a、3b及び第2領域5a、5bを有しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、切り込み部60a、60bの下側端部60a2、60b2が、薄板材1の下側端部に至るまで切り込まれて突出部6が形成され、第2折り曲げ加工部3a、3bは、薄板材1の上側端部から、切り込み部60a、60bの上側端部60a1、60b1までにかけてのみ形成され、それによって第2領域5bが形成されない構成としてもよい。
【0058】
また、薄板材1は、第1領域4a、4bの裏面側、及び/又は、突出部6の裏面側に、光源を設ける構成としてもよい。図3に示すように、薄板材1を立体化した状態においては、隆起した第1領域4a、4bと設置面との間に隙間が生じ、また、羽状に突出した突出部6と第1領域4a、4bとの間にも隙間が生じるため、第1領域4a、4bの裏面側、及び/又は、突出部6の裏面側に光源を設けると、各所隙間から漏れ出す照明の効果と相俟って、特に突出部6の看者に対する印象付けの効果が更に発揮される。なお、薄板材1は、第1領域4a、4bの裏面側、及び/又は、突出部6の裏面側に光源を直接取り付けてもよいし、設置面としての壁面等に既設の照明に被せるようにして薄板材1を設置するようにしてもよい。
【0059】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る薄板材について、図5を参照しつつ詳しく説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る薄板材を示す正面図である。第2実施形態は、本発明をトイレの所在を示すための案内板としての薄板材に適用した例を説明する。なお、以下の説明において、第2実施形態に係る薄板材のうち、第1実施形態に係る薄板材1と同様の構成については、同一の符号を付して構成部材の詳細な説明は省略する。
【0060】
第2実施形態に係る薄板材100は、第1実施形態に係る薄板材1が1対の第2折り曲げ加工部3a、3bを有する構成であったのに対して、複数対の第2折り曲げ加工部3a乃至3hと、複数の突出部6と、を有する点で異なる。
【0061】
図5に示すように、薄板材100は、横長の矩形の外形からなり、薄板材100における折り曲げ加工部は、1対の第1折り曲げ加工部2a、2bと、この1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に設けられる4対の第2折り曲げ加工部3a乃至3hと、を有する。
【0062】
薄板材100は、1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に、第2折り曲げ加工部3a乃至3hを山折りしたときに隆起する第1領域4c乃至4gと、第2折り曲げ加工部3a乃至3hを山折りしたときに第1領域4c乃至4gから突出する4つの突出部6と、を有する。更には、図5に示す薄板材100においては、4対の第2折り曲げ加工部3a乃至3hを山折りしたときに、4つの突出部6のそれぞれは、4対の第2折り曲げ加工部3a乃至3hの間の第2領域5a、5bと面一となる。
【0063】
薄板材100における4つの突出部6は、第1実施形態に係る薄板材1の突出部6と同様の男性のシルエット(図形)の形状としたものが2つ、及び、女性のシルエット(図形)の形状としたものが2つ、で構成されている。切り込み部60cは女性のシルエットの左側半分の形状、切り込み部60dは女性シルエットの右側半分の形状となっている。突出部6の男性のシルエットに対して青色や黒色で彩色し、突出部6の女性のシルエットに対して赤色等で彩色し、その他の部分(当接部9a、9b、第1領域4c乃至4g、第2領域5a、5b)は白色で彩色するなど、適宜彩色を施すことにより、突出部6の男性のシルエット及び女性のシルエットが際立ち、視認性が向上するので好適である。
【0064】
薄板材100の第1折り曲げ加工部2a、2bを谷折りし、第2折り曲げ加工部3a乃至3hを山折りすると、第1領域4c乃至4gが隆起し、全体が略半円筒形に立体化され、第2領域5a、5bと面一の突出部6が、第1領域4cと第1領域4dとの間、第1領域4dと第1領域4eとの間、第1領域4eと第1領域4fとの間、第1領域4fと第1領域4gとの間、からそれぞれ突出するようにして現われる。このように、薄板材100によれば、第1折り曲げ加工部2a、2bの間に複数対の第2折り曲げ加工部3a乃至3hを有するため、立体化したときに隆起する第1領域4c乃至4gも多面化し、第1実施形態に係る薄板材1とは異なり半円筒形に近い形状で立体化させることができ、デザイン設計の自由度が向上する。
【0065】
この第2実施形態に係る薄板材100からも明らかなように、本発明に係る薄板材は、第2折り曲げ加工部、第1領域、第2領域、突出部の個数が限定されるものではない。
【0066】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態に係る薄板材について、図6を参照しつつ詳しく説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る薄板材を示す正面図である。第3実施形態は、本発明をメッセージボードとしての薄板材に適用した例を説明する。なお、以下の説明において、第3実施形態に係る薄板材のうち、第1実施形態に係る薄板材1と同様の構成については、同一の符号を付して構成部材の詳細な説明は省略する。
【0067】
第3実施形態に係る薄板材200は、第1実施形態に係る薄板材1及び第2実施形態に係る薄板材100が1対の第1折り曲げ加工部2a、2bを有し、そのため、2つの当接部9a、9bを有する構成であったのに対して、10の第1折り曲げ加工部2a〜2j、6つの当接部9a乃至9fを有する点で異なる。
【0068】
図6に示すように、薄板材200は、横長の矩形の外形からなり、薄板材200における折り曲げ加工部は、10の第1折り曲げ加工部2a乃至2jと、対となる第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2cとの間、第1折り曲げ加工部2cと第1折り曲げ加工部2dとの間、第1折り曲げ加工部2dと第1折り曲げ加工部2eとの間、第1折り曲げ加工部2eと第1折り曲げ加工部2fとの間にそれぞれ設けられる1対の第2折り曲げ加工部3a及び3b、3c及び3d、3e及び3f、3g及び3h、3i及び3j、を有する。
【0069】
薄板材200は、当接部9aを形成するための第1折り曲げ加工部2aと、当接部9bを形成するための第1折り曲げ加工部2bの他に、当接部9cを形成するための第1折り曲げ加工部2c、2dと、当接部9dを形成するための第1折り曲げ加工部2e、2fと、当接部9eを形成するための第1折り曲げ加工部2g、2hと、当接部9fを形成するための第1折り曲げ加工部2i、2jと、を有する。また、第1折り曲げ加工部2a、2cの間には、1対の第2折り曲げ加工部3a、3bと、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3a、3bを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する、ローマ文字「S」の形状でなる突出部6と、を有する。同様に、第1折り曲げ加工部2d、2eの間には、1対の第2折り曲げ加工部3c、3dと、第2折り曲げ加工部3c、3dを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3c、3dを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する、ローマ文字「M」の形状でなる突出部6と、を有する。同様に、第1折り曲げ加工部2f、2gの間には、1対の第2折り曲げ加工部3e、3fと、第2折り曲げ加工部3e、3fを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3e、3fを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する、ローマ文字「I」の形状でなる突出部6と、を有する。同様に、第1折り曲げ加工部2h、2iの間には、1対の第2折り曲げ加工部3g、3hと、第2折り曲げ加工部3g、3hを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3g、3hを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する、ローマ文字「L」の形状でなる突出部6と、を有する。同様に、第1折り曲げ加工部2j、2bの間には、1対の第2折り曲げ加工部3i、3jと、第2折り曲げ加工部3i、3jを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3i、3jを山折りしたときに第1領域4a、4bから突出する、ローマ文字「E」の形状でなる突出部6と、を有する。
【0070】
図6に示す薄板材200においては、第1折り曲げ加工部2a乃至2jを谷折りし、第2折り曲げ加工部3a乃至3jを山折りしたときに、突出部6のそれぞれは、第2折り曲げ加工部3a乃至3hの間の第2領域5a、5bと面一となる。
【0071】
薄板材200における5つの突出部は、一例としてそれぞれローマ文字「S」、「M」、「I」、「L」、「E」の形状としたもので構成されている。切り込み部60eはローマ文字「S」の左側外形ラインの形状、切り込み部60fはローマ文字「S」の右側外形ラインの形状となっている。同様に、切り込み部60gはローマ文字「M」の左側外形ラインの形状、切り込み部60hはローマ文字「M」の右側外形ラインの形状となっている。同様に、切り込み部60iはローマ文字「I」の左側外形ラインの形状、切り込み部60jはローマ文字「I」の右側外形ラインの形状となっている。同様に、切り込み部60kはローマ文字「L」の左側外形ラインの形状、切り込み部60lはローマ文字「L」の右側外形ラインの形状となっている。同様に、切り込み部60mはローマ文字「E」の左側外形ラインの形状、切り込み部60nはローマ文字「E」の右側外形ラインの形状となっている。突出部6のローマ文字に対して彩色し、その他の部分(当接部9a乃至9f、第1領域4c、4b、第2領域5a、5b)は別の色で彩色するなど、適宜彩色を施すことにより、突出部6のローマ文字が際立ち、視認性が向上するので好適である。
【0072】
薄板材200の第1折り曲げ加工部2a乃至2jを谷折りし、第2折り曲げ加工部3a乃至3jを山折りすると、第1領域4a、4bが隆起し、それぞれの頂上部分には、第2領域5a、5bと面一の突出部6が、第1領域4a、4bから突出するようにして現われる。薄板材200の設置面に対する設置は、当接部9a乃至9fにそれぞれに設けられている孔(9a1乃至9f1、9a2乃至9f2)において、ネジで締結したり、設置面に予め設けたフックに係合したり、当接部9a乃至9fと設置面とを両面テープや接着剤などで直接固定すればよい。
【0073】
この第3実施形態に係る薄板材200からも明らかなように、本発明に係る薄板材は、第1折り曲げ加工部及び当接部の個数が限定されるものではない。なお、本実施形態に係る薄板材200では、上記の通り、英単語「SMILE」と看取し得るメッセージボードとして構成した例を説明したが、「WELCOME」、「ようこそ」、「THANKS」など、別の単語を用いたメッセージボードとして構成してもよいことは言うまでもない。
【0074】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態に係る薄板材について、図7及び図8を参照しつつ詳しく説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係る薄板材を示す正面図、図8は、図7に示す薄板材を立体化させた状態を示す斜視図である。第4実施形態は、本発明を男性用トイレの所在を示すための案内板としての薄板材に適用した例を説明する。なお、以下の説明において、第4実施形態に係る薄板材のうち、第1実施形態に係る薄板材1と同様の構成については、同一の符号を付して構成部材の詳細な説明は省略する。
【0075】
上記第1実施形態に係る薄板材1、第2実施形態に係る薄板材100、第3実施形態に係る薄板材200の突出部6が、1対の第2折り曲げ加工部の間の第2領域5a、5bと面一である構成であったのに対して、第4実施形態に係る薄板材300では、その突出部は、少なくとも一部が第1領域と連続して設けられている点で異なる。
【0076】
図7に示すように、薄板材300は、縦横比が略同一に設定された略正方形の外形でなり、薄板材300における折り曲げ加工部は、1対の第1折り曲げ加工部2a、2bと、この1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に設けられる1つの第2折り曲げ加工部3aと、を有する。
【0077】
薄板材300は、1対の第1折り曲げ加工部2aと第1折り曲げ加工部2bとの間に、第2折り曲げ加工部3aを山折りしたときに隆起する第1領域4a、4bと、第2折り曲げ加工部3aを山折りしたときに第1領域4bから突出する突出部6と、を有する。図7に示す薄板材300においては、第2折り曲げ加工部3aを山折りしたときに、突出部6は、第1領域4aと面一となる。
【0078】
図7に示すように、薄板材300における突出部6は、男性のシルエット(図形)の一部の形状で構成されている。即ち、突出部6を形成するための切り込み部60aの切り込み形状は、男性のシルエットの右側半分の形状となっている。また、第1領域4aには、前記男性のシルエットの左側半分の形状が切り抜かれた切り抜き部70が形成されている。本実施形態において、切り抜き部70は、男性のシルエットの左側半分における頭部の切り抜き部70aと、胴体の切り抜き部70bと、からなる。これにより、図7に示すように、突出部6は、切り込み部60aの上側端部60a1近傍、下側端部60a2近傍、及び、切り抜き部70aと切抜き部70bとの間(男性のシルエットの首に相当する部分)において、第1領域4aと連続して設けられている。なお、本実施形態に係る薄板材300においては、突出部6と切り抜き部70との組み合せによって男性のシルエットを表す構成としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、切り抜き部70を設ける代わりに、突出部6及び切り抜き部70に相当する部分に対して青色や黒色で彩色することによって、男性のシルエットを表すようにしてもよい。
【0079】
薄板材300の第1折り曲げ加工部2a、2bを谷折りし、第2折り曲げ加工部3aを山折りすると、第1領域4a、4bが隆起するとともに、突出部6が、突出部6の少なくとも一部(切り込み部60aの上側端部60a1近傍、下側端部60a2近傍、及び、切り抜き部70aと切抜き部70bとの間近傍)において連続して第1領域4aと面一の状態で、第1領域4bから突出するようにして現われる。
【0080】
この第4実施形態に係る薄板材300からも明らかなように、本発明に係る薄板材は、少なくとも1つ以上の第2折り曲げ加工部を有するものであればよい。また、突出部は、第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域4a又は4bのいずれかから突出するものであればよい。
【0081】
なお、上記した第1実施形態乃至第4実施形態に係る薄板材はいずれも、第1折り曲げ加工部及び第2折り曲げ加工部が、縦方向にかつ互いに平行に設けられた構成を説明したが、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。第1折り曲げ加工部及び第2折り曲げ加工部を横方向や斜め方向に設けてもよいし、第1折り曲げ加工部同士又は第1折り曲げ加工部と第2折り曲げ加工部とが平行でない構成であってもよい。
【0082】
また、上記した実施形態に係る薄板材はいずれも、展開状態における外形が略正方形又は略矩形で構成されたものであるが、本発明に係る薄板材はこれに限定されず、使用目的に応じてその他の多角形、円形、楕円形など、任意の外形でよいことは言うまでもない。
【0083】
本発明に係る薄板材によれば、突出部の形状を薄板材の用途に併せて適宜デザインをすることにより、様々な案内標識板とすることが可能である。例えば、突出部の形状を、男性及び/又は女性のシルエット(図形)を示すように構成することにより、本発明に係る薄板材をトイレの案内標識板に用いることが可能となり、同様に、種々のピクトグラム(図形)を示すように構成することにより、本発明に係る薄板材を休憩室、喫煙所、禁煙、授乳室、更衣室、身体障害者用設備、喫煙室、エレベーター、エスカレーターなどを示すための案内標識板に用いることが可能となる。
【0084】
また、例えば、突出部の形状を、文字としての平仮名文字、片仮名文字、漢字、数字、ローマ文字その他の外国語文字を示すように構成することによっても、本発明による薄板材を様々な案内標識板やメッセージボードなどに用いることが可能となる。例えば、突出部の形状を、数字を示すように構成した本発明の薄板材であれば、駐車場において複数の駐車スペースのそれぞれに割り当てられるナンバーを示すための表示プレートや、ゴルフコースの各ホールのティーグラウンドにおいて設置されるホールナンバーの表示プレートなどに用いることが可能となる。
【0085】
さらに、立体化された薄板材を、複数枚並べて設置することにより、全体として1つの案内情報やメッセージ等が完成されるように用いることも可能である。例えば、第1実施形態における薄板材1と同様にして、その突出部の形状を女性のシルエット(図形)とした薄板材を、男性のシルエットの突出部6を有する薄板材1と並べて設置すれば、男性用及び女性用トイレの所在を示す案内標識板として用いることができる。また、例えば、3枚の薄板材のうち、1枚の薄板材の突出部の形状を漢字「休」、別の1枚の薄板材の突出部の形状を漢字「憩」、更に別の1枚の薄板材の突出部の形状を漢字「所」を示すように構成することにより、これらをそれぞれ立体化させて順に並べて設置すると、全体として見れば「休憩所」という単語が完成し、休憩所の所在を示す案内標識板として用いることができる。なお、この例では突出部の形状が総て同種文字である漢字を示すように構成するものを説明したが、1つ以上の文字、図形、記号、模様を任意に組み合わせてもよいことは言うまでもない。例えば、上記の例において、更に4枚目の薄板材として、その突出部の形状を矢印の記号を示すように構成し、前記3枚の薄板材に並べて設置すれば、矢印の方向に休憩所が所在することを示す案内標識板として用いることができる。
【0086】
また、本発明に係る薄板材によれば、当接部を壁等に当接させて薄板材を設置面に固定して使用するものに限られない。本発明に係る薄板材の突出部の形状を、例えば装飾的なデザインが施された動植物その他の模様で表し、立体化した薄板材を、壁掛け又は置物としてインテリア又はエクステリアとして用いることもできる。
【0087】
また、本発明に係る薄板材によれば、磁石を取り付け可能な金属板によって構成することにより、立体化したときに隆起する第1領域などに、マグネットフックを取り付けて小物を係止したり、マグネットによりメモやカレンダーを貼り付けたり等、より実用性を向上させることができる。
【0088】
本発明に係る薄板材によれば、磁石を取り付け可能な金属板によって構成することにより、立体化したときに突出する突出部に対して、例えばマグネットシート製のパーツを装着させ、突出部の形状の変化を楽しむことができるように構成してもよい。例えば、上記第1実施形態に係る薄板材1のように、通常は男性のシルエット形状でなる突出部6のまま使用して、ハロウィーンシーズンにだけ、ドラキュラ、ゴースト、カボチャ、コウモリなどのシルエット形状でなるマグネットシート製パーツを突出部6の全面又は一部に取り付けるなど、季節等に応じて着せ替え感覚でパーツを取り付けて、趣向を凝らした薄板材としてもよい。
【0089】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 薄板材
2a〜2j 第1折り曲げ加工部(折り曲げ加工部)
3a〜3j 第2折り曲げ加工部(折り曲げ加工部)
4a〜4g 第1領域
5a、5b 第2領域
6 突出部
9a〜9f 当接部
9a1〜9f1 孔
9a2〜9f2 孔
21 第1スリット配列(スリット配列)
21a 直線状スリット
22 第2スリット配列(スリット配列)
22a 直線状スリット
23 第3スリット配列(スリット配列)
23a 直線状スリット
24 第4スリット配列(スリット配列)
24a 直線状スリット
26 変形部
60a〜60n 切り込み部
70、70a、70b 切り抜き部
100 薄板材
200 薄板材
300 薄板材
D1 隣接間隔
D2 離間間隔
L 変形部の長さ
W スリット幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2018年3月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材であって、
前記折り曲げ加工部は、
設置面に当接する当接部を形成するための少なくとも1対の第1折り曲げ加工部と、前記1対の第1折り曲げ加工部の間に設けられる1つ以上の第2折り曲げ加工部と、を有し、
前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられ、
前記1対の第1折り曲げ加工部の間には、
前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域と、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに前記第1領域から突出する突出部と、を有すること
を特徴とする薄板材。
【請求項2】
前記突出部は、少なくとも一部が前記第1領域と連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項3】
前記1対の第1折り曲げ加工部の間に少なくとも1対の前記第2折り曲げ加工部を有し、前記突出部は、前記1対の第2折り曲げ加工部の間の第2領域と面一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄板材。
【請求項4】
前記突出部は、1つ以上の文字、図形、記号及び/又は模様の少なくとも一部の形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項5】
前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は、前記薄板材の厚さの10倍以上の長さを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項6】
前記第1折り曲げ加工部及び前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられており、
前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は前記第1折り曲げ加工部における前記変形部の長さ、前記第2折り曲げ加工部における前記変形部の長さよりも長いこと
を特徴とする請求項1乃至請求項のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項7】
前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、前記スリット配列を偶数列隣接させて構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項8】
前記第1領域及び/又は前記突出部の裏面側に光源を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項9】
前記当接部は、前記第1折り曲げ加工部と前記薄板材の端部との間の領域に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【請求項10】
全体が1枚の薄板材であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1に記載の薄板材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の薄板材は、所望の角度で折り曲げ可能な折り曲げ加工部を有する薄板材であって、前記折り曲げ加工部は、設置面に当接する当接部を形成するための少なくとも1対の第1折り曲げ加工部と、前記1対の第1折り曲げ加工部の間に設けられる1つ以上の第2折り曲げ加工部と、を有し、前記第1折り曲げ加工部及び/又は前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられ、前記1対の第1折り曲げ加工部の間には、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに隆起する第1領域と、前記第2折り曲げ加工部を山折りしたときに前記第1領域から突出する突出部と、を有することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明の薄板材において、前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は、前記薄板材の厚さの10倍以上の長さを有することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本発明の薄板材の前記第1折り曲げ加工部及び前記第2折り曲げ加工部は、複数の直線状スリットが所定間隔で配列されたスリット配列を2列以上隣接させて構成され、隣り合う前記スリット配列の前記直線状スリット同士が交互に現われるように設けられており、前記スリット配列において隣接する前記直線状スリット間に形成され、折り曲げ時に変形する変形部は前記第1折り曲げ加工部における前記変形部の長さ、前記第2折り曲げ加工部における前記変形部の長さよりも長いことを特徴とする。