【解決手段】交通違反の発生を検出する検出部101と、交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および第1車両の周辺車両における所定期間の第2移動経路を取得する経路取得部102と、第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された周辺車両から、、取得した第1移動経路および第2移動経路に基づいて、1以上の第2車両を選択する選択部103と、選択した第2車両に搭載される証拠提供装置に証拠画像の提供を依頼して、証拠画像を取得する証拠取得部104と、証拠取得部104が取得した証拠画像を記録する記録部105と、を備える。
前記選択部は、前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づく前記所定期間における前記第1車両および前記周辺車両それぞれの位置関係と、前記周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれの撮影範囲とに基づいて、前記第2車両を選択する、
請求項1または2に記載の交通違反検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
将来、道路監視カメラまたは自動運転車両による交通違反の検挙など無人の交通違反取り締まり装置が普及すると考えられる。無人の交通違反取り締まり装置により交通違反を検挙するためには、交通違反を行った車両のナンバーと運転者とが映った映像など確実な証拠が必要となる。
【0011】
しかしながら、上述したように、特許文献1で提案されているような交通違反管理システム等では、交通違反検出装置の用いる撮像画像が交通違反の立証に必要な条件を満たしていない場合には交通違反を立証できず、交通違反を取り締まることができないという問題がある。
【0012】
そこで、発明者らは、一般車両には急加減速の前後数秒の映像を記録するドライブレコーダが搭載されたものがあることに着目した。すなわち、交通違反を検挙するための証拠として、交通違反を行った車両に存在する周辺車両のドライブレコーダの映像を利用することを想到するに到った。
【0013】
本開示の一態様に係る交通違反検知装置は、交通違反の発生を検出する検出部と、前記交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および前記第1車両の周辺に存在する1以上の車両である周辺車両における前記所定期間の第2移動経路を取得する経路取得部と、前記第1車両が行った前記交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された前記周辺車両から、取得した前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づいて、1以上の第2車両を選択する選択部と、選択した前記第2車両に搭載される証拠提供装置に前記証拠画像の提供を依頼して、前記証拠画像を取得する証拠取得部と、前記証拠取得部が取得した前記証拠画像を記録する記録部と、を備える。
【0014】
これにより、交通違反の立証に必要な証拠を取得することができる。
【0015】
また、前記証拠画像は、前記第1車両の所有者、運転者および同乗者のうちの少なくとも一の人物を特定できる1以上の画像であるとしてもよい。
【0016】
また、前記選択部は、前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づく前記所定期間における前記第1車両および前記周辺車両それぞれの位置関係と、前記周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれの撮影範囲とに基づいて、前記第2車両を選択するとしてもよい。
【0017】
また、前記所定期間は、現在時刻以降の一定期間を含み、前記選択部は、取得した前記所定期間の前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づいて、前記周辺車両のうち、現在時刻以降に前記第1車両を撮影可能な証拠提供装置が搭載された前記第2車両をさらに選択するとしてもよい。
【0018】
また、さらに、前記証拠取得部により取得された前記証拠画像を用いて前記交通違反が立証可能か否かを判定する判定部とを備え、前記選択部は、さらに、前記第2車両のうちの1以上の車両を順次選択して前記証拠取得部に前記証拠画像の提供の依頼させ、前記証拠取得部が取得した1以上の前記証拠画像で立証可能であると前記判定部により判定されたときには、前記第2車両の選択を終了するとしてもよい。
【0019】
また、前記選択部は、前記周辺車両それぞれに搭載される証拠提供装置のうちいずれを優先的に選択するかを示す優先度に従って、前記第2車両を選択するとしてもよい。
【0020】
また、前記優先度は、前記位置関係と前記撮影範囲と前記周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれによる前記第1車両の撮影角度とに基づいて算出されるとしてもよい。
【0021】
また、前記優先度は、さらに、前記周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれが前記第1車両を撮影する時刻に基づいて算出されるとしてもよい。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本開示の一態様に係るシステムは、交通違反検知装置と証拠提供装置とを備えるシステムであって、前記交通違反検知装置は、交通違反の発生を検出する検出部と、前記交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および前記第1車両の周辺に存在する1以上の車両である周辺車両における前記所定期間の第2移動経路を取得する経路取得部と、前記第1車両が行った前記交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された前記周辺車両から、取得した前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づいて、1以上の第2車両を選択する選択部と、選択した前記第2車両に搭載される証拠提供装置に前記証拠画像の提供を依頼して、前記証拠画像を取得する証拠取得部と、前記証拠取得部が取得した前記証拠画像を記録する記録部と、を有し、前記証拠提供装置は、前記交通違反検知装置の依頼に応じて、前記証拠画像を取得する証拠画像取得部と、前記証拠画像取得部が取得した前記証拠画像を前記交通違反検知装置に提供する提供部と、を有する。
【0023】
なお、本開示は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信媒体を介して配信してもよい。
【0024】
以下本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0025】
(実施の形態1)
[交通違反検知システム4の構成]
図1は、実施の形態1に係る交通違反検知システム4の構成の一例を示す図である。
図2は、実施の形態1に係る交通違反検知システム4の構成の設置例を示す図である。
図2では、道路40と、信号機41と、中央線42と、停止線43と、道路40を走行する違反車両10と、1以上の周辺車両20とが示されている。
【0026】
図1に示す交通違反検知システム4は、交通違反検知装置1と、1以上の証拠提供装置2とを備える。交通違反検知装置1と、1以上の証拠提供装置2とは、無線LAN(Local Area Network)などのネットワーク3を介して直接通信するとしてもよいし、ネットワーク3に接続されたサーバ(不図示)を経由して通信するとしてもよい。
【0027】
本実施の形態では、交通違反検知装置1は、
図2に示すように、道路40の交差点における所定の位置に設置されており、固定すなわち移動しない。交通違反検知装置1は、視野内すなわち撮影可能範囲に存在する道路40、信号機41並びに道路40を走行する違反車両10、周辺車両20を含む画像を撮影している。証拠提供装置2は、
図2に示す道路40上を走行する周辺車両20に搭載されており、周辺車両20と共に移動する。以下、交通違反検知装置1および証拠提供装置2の構成について説明する。
【0028】
[交通違反検知装置1の構成]
図3は、実施の形態1に係る交通違反検知装置1の構成の一例を示す図である。
図4Aは、
図3に示す交通違反検知装置1が交通違反の発生を検出した場面の一例を示す図である。
図4Aには、信号機41が赤信号を示しているのにかかわらず違反車両10が停止線43で停まらずに道路40の交差点に侵入した様子、すなわち違反車両10が交通違反を行った場面が示されている。なお、
図4Aにおいて、
図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0029】
図3に示す交通違反検知装置1は、例えば交差点に設置される道路監視カメラなどであり、検出部101と、経路取得部102と、選択部103と、証拠取得部104と、記録部105と、判定部106とを備える。なお、判定部106を備えることは必須構成でない。すなわち、交通違反検知装置1は、判定部106を備えなくてよい。
【0030】
<検出部101>
検出部101は、交通違反の発生を検出する。検出部101は、交通ルールと車両の動きとに基づいて交通違反の発生を検出したり、車両の運転者の画像に基づいて交通違反の発生を検出したりする。本実施の形態では、検出部101は、例えばカメラまたはLIDARなどのレーダを用いて、車両が赤信号を無視して交差点に進入したこと、車両が制限速度を超えて走行したこと、または一時停止が必要な場所で停止しなかったことを検出することで交通違反の発生を検出する。検出部101は、例えば一方通行道路、バス専用走行車線または車線変更禁止走行車線など車両の走行が禁止されている場所を走行したことを検出することで交通違反の発生を検出してもよい。また、検出部101は、例えば駐車が禁止されている場所に車両を駐車している場合に交通違反の発生を検出してもよい。また、検出部101は、車両の運転者の画像に基づいて運転者が携帯電話を使いながら車両を運転していることを検出することで交通違反の発生を検出してもよい。
【0031】
図4Aに示す例では、検出部101は、例えばカメラを用いて撮影可能範囲に存在する違反車両10、周辺車両20aを撮影しており、信号機41が赤信号を示しているのを無視した違反車両10が交差点に進入したことを検出することで交通違反の発生を検出する。
【0032】
<経路取得部102>
経路取得部102は、交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および第1車両の周辺に存在する1以上の車両である周辺車両における当該所定期間の第2移動経路を取得する。
【0033】
本実施の形態では、経路取得部102は、センサから得た情報を用いて車両の移動経路を推定し、蓄積することにより、所望の期間における車両の移動経路を取得する。ここで、センサは、カメラ、LIDARまたはGPS(Global Position System)受信機であってもよい。センサがカメラの場合、経路取得部102は、カメラの画像情報に基づいて視野内の全車両をトラッキングすることで当該全車両の移動経路を推定する。センサがLIDARの場合、経路取得部102は、LIDARの点群情報に基づいて視野内の全車両をトラッキングすることで当該全車両の移動経路を推定すればよい。また、センサが車両の位置を示すGPS情報を受信するGPS受信機の場合、経路取得部102は、交通違反検知装置1から所定距離の範囲内の全車両の位置を示すGPS情報を用いて当該全車両をトラッキングすることで当該全車両の移動経路を推定すればよい。経路取得部102は、インターネットまたは車両の狭域通信などを用いることで所定距離の範囲内の全車両が有するGPS情報を取得すればよい。
【0034】
図4Aに示す例では、第1車両が違反車両10に該当する。経路取得部102は、例えば5秒間などの所定期間における違反車両10の移動経路である第1移動経路と、当該所定期間における周辺車両20aおよび周辺車両20bの移動経路である第2移動経路とを取得する。
【0035】
<選択部103>
選択部103は、第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された周辺車両から、1以上の第2車両を選択する。
【0036】
ここで、第2車両は、周辺車両のうちの1以上の周辺車両である。第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像は、交通違反の証拠の少なくとも一部が撮影された1以上の画像である。
【0037】
また、証拠とは、交通違反の証拠、特に犯人の特定に寄与する情報である。そのため、証拠画像は、第1車両の所有者、運転者および同乗者のうちの少なくとも一の人物を特定できる1以上の画像である。なお、交通違反の立証条件は、国または自治体の法律、条例の運用等により異なる。例えば、運転者に対して取締りを行う国であれば、運転者の画像または写真の有無などの運転者のみを特定することが立証条件になる。車両の所有者に対してのみ取締りを行う国であれば車両番号(ナンバー)のみを特定することが立証条件になる。例えば日本国では、違反車両の保有者ではなく違反車両の運転者に違反金を課すため、違反車両のナンバーと違反車両を運転中の運転者を特定できることが立証条件になる。つまり、日本国での証拠は、第1車両を識別するために取り付けられたナンバープレートに示されるナンバーと第1車両の運転者とを特定できるものとなる。そして、証拠画像は、証拠画像は、違反車両のナンバーとその運転者の顔を識別できる画像であればよいが、一枚の画像でなくてもよい。証拠画像は、例えば違反車両のナンバーが識別できる画像と違反車両の運転者の顔が撮影され当該運転者が識別できる画像とで構成されてもよい。
【0038】
選択部103は、より具体的には、第1移動経路および第2移動経路に基づく所定期間における第1車両および周辺車両それぞれの位置関係と、周辺車両それぞれに搭載される証拠提供装置2それぞれの撮影範囲とに基づいて、第2車両を選択すればよい。選択部103は、周辺車両それぞれに搭載される証拠提供装置のうちいずれを優先的に選択するかを示す優先度に従って、第2車両を選択してもよい。優先度は、位置関係と撮影範囲と周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれによる第1車両の撮影角度とに基づいて算出される。選択部103は、このような優先度を用いて第2車両を選択することで、周辺車両のうち、立証に不足している情報(証拠)をより多く確実に提供できそうなものを第2車両として優先的に選択できる。優先度は、さらに、周辺車両に搭載される証拠提供装置それぞれが第1車両を撮影する時刻に基づいて算出されてもよい。優先度にさらに時刻を含むことで、選択部103に過去に第1車両を撮影可能な周辺車両よりも現在第1車両を撮影可能な周辺車両を優先的に第2車両に選択させるなど、立証に必要な情報をより確実に提供できそうな周辺車両を第2車両として選択できる。
【0039】
なお、交通違反検知装置1が判定部106を備える場合には、次のような選択方法を行ってもよい。すなわち、選択部103は、さらに、第2車両のうちの1以上の車両を順次選択して証拠取得部104に証拠画像の提供の依頼させ、証拠取得部104が取得した1以上の証拠画像で立証可能であると判定部106により判定されたときに第2車両の選択を終了してもよい。
【0040】
図4Aに示す例では、現在において周辺車両20aおよび周辺車両20bは違反車両10を撮影可能でない場合が示されており、選択部103は、証拠画像を取得可能な証拠提供装置2が搭載された周辺車両の一として周辺車両20aを選択する。より具体的には、
図4Aには、選択部103は、例えば5秒間などの所定期間における周辺車両20aおよび周辺車両20bの移動経路と違反車両10の移動経路とに基づいて、違反車両10が行った交通違反の証拠画像を5秒前などの過去時刻において取得可能な周辺車両の一である周辺車両20aを選択する例が示されている。
【0041】
<証拠取得部104>
証拠取得部104は、選択した第2車両に搭載される証拠提供装置に証拠画像の提供を依頼して、証拠画像を取得する。本実施の形態では、証拠取得部104は、選択部103で選択された第2車両に搭載される証拠提供装置2に証拠画像の提供を、ネットワーク3を介して依頼する。証拠取得部104は、依頼した証拠画像を、選択部103で選択された第2車両に搭載される証拠提供装置2から取得する。
【0042】
図4Aに示す例では、証拠取得部104は、選択部103で選択された周辺車両20aに搭載される証拠提供装置2に対して、5秒前などの過去時刻における証拠画像の提供を依頼することで当該証拠画像を取得する。
【0043】
<記録部105>
記録部105は、証拠取得部104が依頼することで得た証拠画像を記録する。なお、記録部105は、検出部101が検出した交通違反の状況を示す画像である違反状況画像を記録するとしてもよい。
【0044】
図4Bは、
図3に示す記録部105が記録する証拠画像50の一例を示す図である。
図4Bには、違反車両10の運転者11と違反車両10のナンバープレート12が示すナンバーとが識別できる状態で撮影された証拠画像50の一例が示されている。
【0045】
図4Aに示す例では、記録部105は、証拠取得部104が依頼することで得た
図4Bに示す証拠画像50を記録する。
【0046】
<判定部106>
判定部106は、証拠取得部104により取得された証拠画像を用いて交通違反が立証可能か否かを判定する。なお、上述したように、判定部106を交通違反検知装置1が備えるのは必須でない。判定部106を交通違反検知装置1が備えると、証拠画像を取得するために証拠取得部104が依頼する証拠提供装置2の数を必要最低限にできるので、通信の負荷を軽減できる。
【0047】
図4Aに示す例では、選択部103が選択した周辺車両20aにより証拠取得部104は
図4Bに示す証拠画像50を取得できるので、判定部106は、証拠取得部104により取得された証拠画像50により交通違反が立証可能であると判定する。そのため、選択部103は、周辺車両20a以外の周辺車両20a等をさらに選択しない。
【0048】
[証拠提供装置2の構成]
証拠提供装置2は、例えばドライブレコーダである。証拠提供装置2は、上述したように周辺車両のそれぞれ1台づつ搭載されており、当該周辺車両の前方すなわち進行方向を撮影している。証拠提供装置2は、撮影後一定期間経過した映像すなわち1以上の画像を削除しながら、当該周辺車両の前方を撮影している。以下、証拠提供装置2が周辺車両の一である第2車両に搭載される場合を例に挙げて、証拠提供装置2の構成について説明する。
【0049】
図5は、実施の形態1に係る証拠提供装置2の構成の一例を示す図である。
【0050】
図5に示す証拠提供装置2は、証拠画像取得部201と、提供部202とを備える。
【0051】
<証拠画像取得部201>
証拠画像取得部201は、外部からの依頼に応じて、車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像であって交通違反の証拠の少なくとも一部が撮影された1以上の画像である証拠画像を取得する。本実施の形態では、証拠画像取得部201は、交通違反検知装置1からの依頼に応じて、証拠提供装置2が撮影している1以上の画像から、第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得する。
【0052】
図4Aおよび
図4Bに示す例では、証拠画像取得部201は、交通違反検知装置1の証拠取得部104の依頼に応じて、周辺車両20aに搭載される証拠提供装置2が撮影している1以上の画像から、違反車両10が行った交通違反の証拠を構成する
図4Bに示す証拠画像50を取得する。
【0053】
<提供部202>
提供部202は、証拠画像取得部201が取得した証拠画像を提供する。本実施の形態では、提供部202は、証拠画像取得部201が取得した証拠画像をネットワーク3を介して交通違反検知装置1に提供する。
【0054】
図4Aよび
図4Bに示す例では、提供部202は、証拠画像取得部201が取得した
図4Bに示す証拠画像50を交通違反検知装置1に提供する。
【0055】
[交通違反検知システム4の動作]
次に、以上のように構成された交通違反検知システム4の動作概要について
図6を用いて説明する。
【0056】
図6は、実施の形態1に係る交通違反検知システム4の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0057】
まず、交通違反検知装置1は、交通違反を検出する(S11)。具体的には、交通違反検知装置1は、交通ルールおよび車両の動きに基づいて、または車両の運転者の画像に基づいて、交通違反の発生を検出する。
図4Aに示す例では、交通違反検知装置1は、信号機41が赤信号を示している場合に違反車両10が交差点に進入したことを検出することで、交通違反の発生を検出する。
【0058】
次に、交通違反検知装置1は、違反車両と周辺車両の移動経路を取得する(S12)。具体的には、交通違反検知装置1は、交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および第1車両の周辺車両における当該所定期間の第2移動経路を取得する。
図4Aに示す例では、例えば5秒間などの所定期間における違反車両10の移動経路である第1移動経路と、当該所定期間における周辺車両20aおよび周辺車両20bの移動経路である第2移動経路とを取得する。
【0059】
次に、交通違反検知装置1は、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2と時刻とを選択する(S13)。具体的には、交通違反検知装置1は、取得した第1移動経路および第2移動経路に基づく所定期間における第1車両および周辺車両それぞれの位置関係と、周辺車両それぞれに搭載される証拠提供装置2それぞれの撮影範囲とに基づいて、選択した時刻において第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置2を1以上選択する。そして1以上の証拠提供装置2それぞれが搭載された周辺車両を第2車両として選択する。
図4Aに示す例では、交通違反検知装置1は、過去の所定時刻において証拠画像を取得可能な証拠提供装置2が搭載された周辺車両の一として周辺車両20aを選択する。
【0060】
交通違反検知装置1は、S13において証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S14)。選択した場合(S13でYes)、S15に進み、選択できなかった場合には(S13でNo)処理を終了する。
【0061】
次に、交通違反検知装置1は、選択した証拠提供装置2に証拠画像の提供を依頼する(S15)。具体的には、交通違反検知装置1は、選択した第2車両に搭載される証拠提供装置2に証拠画像の提供を依頼する。
図4Aに示す例では、交通違反検知装置1は、周辺車両20aに搭載される証拠提供装置2に証拠画像の提供を依頼する。
【0062】
次に、証拠提供装置2は、交通違反検知装置1の依頼を受信し(S16)、証拠画像を取得する(S17)。本実施の形態では、証拠提供装置2は、交通違反検知装置1の依頼に応じて、第1車両が行った交通違反の証拠を構成する証拠画像であって交通違反の証拠の少なくとも一部が撮影された1以上の画像である証拠画像を取得する。
図4Aおよび
図4Bに示す例では、周辺車両20aに搭載される証拠提供装置2は、交通違反検知装置1の依頼に応じて、撮影している1以上の画像から、違反車両10が行った交通違反の証拠を構成する
図4Bに示す証拠画像50を取得する。
【0063】
次に、証拠提供装置2は、証拠画像を送信する(S18)。本実施の形態では、証拠提供装置2は、取得した証拠画像を交通違反検知装置1に提供する。
図4Aおよび
図4Bに示す例では、証拠提供装置2は、取得した
図4Bに示す証拠画像50を交通違反検知装置1に提供する。
【0064】
次に、交通違反検知装置1は、証拠画像を記録を記録する(S19)。具体的には、交通違反検知装置1は、選択した周辺車両に搭載される証拠提供装置2に依頼することで取得した証拠画像を記録する。
図4Aおよび
図4Bに示す例では、交通違反検知装置1は、選択した周辺車両20aに搭載される証拠提供装置2から取得した証拠画像50を記録する。
【0065】
次に、交通違反検知装置1は、S19で記録済の証拠画像で立証可能かを判定し(S20)、立証可能でないと判定した場合には(S20でNo)、S13に戻って処理をやり直す。一方、S20で立証可能であると判定した場合には(S20でYes)、処理を終了する。
【0066】
なお、交通違反検知装置1が判定部106を備えない場合には、S20では常にNoの動作を行い、S13で選択した1以上の証拠提供装置2のすべてに対してS14〜S19までの処理を行う。
【0067】
[交通違反検知装置1の動作]
次に、実施の形態1における交通違反検知装置1の動作の詳細について図を用いて説明する。以下では、実施の形態1における交通違反検知装置1の特徴的な動作の一つである、
図6のS13の動作について説明する。
【0068】
図7は、
図6に示すS13の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
S13において、交通違反検知装置1は、まず、現在時刻で証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択する(S131)。
【0070】
次に、交通違反検知装置1は、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S132)。S132において、選択した場合(S132でYes)、証拠提供を依頼する時刻として現在時刻を設定する(S133)。
【0071】
一方、S132において、選択できなかった場合には(S132でNo)、過去時刻で証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択する(S134)。
【0072】
次に、交通違反検知装置1は、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S135)。S135において、選択した場合(S135でYes)、証拠提供を依頼する時刻として過去時刻を設定し(S136)、処理を終了する。
【0073】
一方、S135において、選択できなかった場合には(S135でNo)、処理を終了する。
【0074】
図7において、現在時刻で証拠提供装置2を選択できるかどうかの処理をまず行っている。これは、証拠提供装置2では一定時間経過すると保持していた映像がされることを考慮し、より確実に証拠画像を取得可能な場合を優先しているからである。
【0075】
以下、
図7に示すS131の動作の詳細について
図8、
図9Aおよび
図9Bを用いて説明する。
【0076】
図8は、
図7に示すS131の動作の一例を示すフローチャートである。
図9Aおよび
図9Bは、実施の形態1における交通違反検知装置1が用いるテーブルの一例を示す図である。
図9Aに示されるテーブルには、撮影方向に応じて取得可能な証拠の種類が示されており、交通違反検知装置1により予め保持されている。撮影方向は撮影角度の一例である。なお、取得可能な証拠の種類は確率的に示されていてもよい。
図9Bに示すテーブルには、1以上の証拠提供装置2の情報が示されている。車両IDは周辺車両それぞれを識別するための情報であり、撮影範囲は証拠提供装置2の撮影可能範囲な視野角等を示す情報である。車両IDおよび撮影範囲は、交通違反検知装置1が一旦取得した後は変更されない情報である。位置、方向および速度は、証拠提供装置2が保持しているGPS情報に該当し、交通違反検知装置1が取得したら変更すなわち更新される情報である。なお、
図9Aおよび
図9Bに示すテーブルは選択部103がメモリなどの記憶部(不図示)に保持してもよい。
【0077】
S131において、交通違反検知装置1は、
図8に示すように、まず、指定時刻での証拠画像を未取得の証拠提供装置2を抽出する(S1311)。より具体的には、選択部103は、周辺車両に搭載される証拠提供装置2のうち、指定時刻である現在時刻での証拠画像を取得していない証拠提供装置2を抽出する。
【0078】
次に、交通違反検知装置1は、抽出された証拠提供装置2の一において、違反車両が撮影可能範囲内かどうかを判定し(S1312)、撮影可能範囲内であれば(S1312でYes)、立証に不足している情報を取得できるかを判定する(S1313)。より具体的には、交通違反検知装置1は、抽出された証拠提供装置2の一において、経路取得部102が取得した違反車両10の移動経路である第1移動経路と、周辺車両20aおよび周辺車両20bの移動経路である第2移動経路とに基づく違反車両と周辺車両との位置関係と、
図9Bに示される当該証拠提供装置2の撮影範囲および撮影角度とに基づいて、違反車両が撮影可能範囲内にあるかを判定する。そして、交通違反検知装置1は、
図9Aに示される撮影方向と取得可能な証拠とを参照し、当該証拠提供装置2で取得できる証拠で立証可能かを判定する。
【0079】
S1313において、交通違反検知装置1は、当該証拠提供装置2で取得する証拠で立証可能であると判定した場合(S1313でYes)、当該証拠提供装置2を選択候補に追加する(S1314)。
【0080】
なお、S1312で当該証拠提供装置2では違反車両が撮影可能範囲内でないと判定した場合(S1312でNo)、およびS1313において当該証拠提供装置2で取得する証拠では立証可能でないと判定された場合(S1313でNo)、S1312に戻る。そして、抽出された証拠提供装置2の別の一において、S1312の処理から行う。
【0081】
次に、交通違反検知装置1は、選択候補に要素があるすなわち選択候補が1以上である場合(S1315でYes)、選択候補から一台の証拠提供装置2を選択して(S1316)、処理を終了する。選択候補から一台を選択する方法は、優先度に従う場合、ランダムに行う場合などがある。
【0082】
一方、S1315において、選択候補に要素がない場合(S1315でNo)には処理を終了する。
【0083】
なお、交通違反検知装置1が判定部106を備えない場合には、S1313において常にYesの動作を行う。
【0084】
また、
図8のS1316において、選択候補から一台の証拠提供装置2を選択するとして説明したが、限らない。選択候補から、2以上の証拠提供装置2を選択してもよい。例えば、立証に不足している情報を取得できる周辺車両20に搭載される証拠提供装置2の組み合わせを求め、組み合わせを構成する2以上の証拠提供装置2を同時に選択すればよい。これにより、複数の証拠画像の取得依頼を同時行うことができる。
【0085】
次に、
図7に示すS134の動作の詳細について
図10を用いて説明する。
【0086】
図10は、
図7に示すS134の動作の一例を示すフローチャートである。
図8と異なる点を中心に説明する。
【0087】
S134において、交通違反検知装置1は、
図10に示すように、まず、時間を一定時間巻き戻した過去時刻を指定時刻に指定する(S1341)。
【0088】
次に、交通違反検知装置1は、指定時刻で証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択する(S1342)。具体的には、S1342において、指定時刻が過去時刻であるとして
図8のS1311〜S1316ど同様の処理を行う。S1311〜S1316の処理は上述したのでここでの説明は省略する。
【0089】
次に、交通違反検知装置1は、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S1343)。S1343において、選択していない場合(S1343でNo)、S1341に戻って、さらに当該過去時刻の時間をさらに一定時間巻き戻して処理をやり直す。
【0090】
[効果等]
以上のようにして、本実施の形態によれば、立証に必要な情報を保有もしくは取得可能と思われる周辺車両を選択して提供を依頼することで他の周辺車両に不要な負荷をかけずに周辺車両と連携して交通違反の証拠を収集することができる。これにより、交通違反の立証に必要な証拠を取得することができる交通違反検知装置1、証拠提供装置2、交通違反検知システム4および交通違反検知方法を実現することができる。
【0091】
より具体的には、本実施の形態の交通違反検知装置1は、交通違反を行った違反車両を検知した場合、違反車両と周辺車両と位置関係および周辺車両に搭載される証拠提供装置のカメラの視野、並びに、交通違反を立証するのに必要な証拠に基づいて、証拠画像の提供を依頼する周辺車両を選択する。このように、本実施の形態の交通違反検知装置1は、証拠の提供を依頼する周辺車両をピンポイントで指定して交通違反の証拠を収集することができる。つまり、本実施の形態の交通違反検知装置1は、他の周辺車両に不要な負荷をかけずに周辺車両と連携して交通違反の証拠を収集することができる。これにより、交通違反の立証の可能性を向上できる。
【0092】
また、本実施の形態の交通違反検知装置1は、違反車両を検知した瞬間だけでなく、現在時刻または過去時刻における証拠を取得できる可能性がある周辺車両を選択することができるので、交通違反の立証の可能性をさらに向上できる。
【0093】
なお、本実施の形態の交通違反検知装置1は、周辺車両のうちの一台で必要な証拠情報を全て取得できない場合、必要な証拠が揃うまで複数の車両に問合せを行うことで周辺車両のうちの複数台から証拠を収集する。これにより、本実施の形態の交通違反検知装置1は、交通違反の立証の可能性をさらに向上できる。
【0094】
また、本実施の形態の交通違反検知装置1は、証拠提供装置2を備えない構成として説明したが、これに限らない。交通違反検知装置1自身も、証拠提供装置2を備えてもよいし、交通違反検知装置1が設置される所定の位置に、一の証拠提供装置2とともに設置されてもよい。
【0095】
(変形例1)
実施の形態1における交通違反検知装置1は、違反車両を検知した瞬間だけでなく、現在時刻または過去時刻における証拠を取得できる可能性がある周辺車両を選択する場合について説明したが、これに限らない。未来時刻における証拠を取得できる可能性がある周辺車両を選択してもよい。以下、この場合を変形例1として、実施の形態1と異なるところを中心に説明する。
【0096】
[交通違反検知装置1Aの構成]
図11は、変形例1に係る交通違反検知装置1Aの構成の一例を示す図である。
図3と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0097】
図11に示す交通違反検知装置1Aは、実施の形態1に係る交通違反検知装置1に対して、経路予測部107の構成が追加され、経路取得部102Aと選択部103Aの構成が異なる。
【0098】
<経路予測部107>
経路予測部107は、交通違反検知装置1Aから所定範囲にある1以上の車両の現在時刻から過去の一定期間分の第3移動経路に基づいて、1以上の車両の現在時刻から未来の一定期間分の第4移動経路を予測する。本変形例では、経路取得部102Aに交通違反検知装置1Aから所定範囲にある1以上の車両の現在時刻から過去の一定期間分の第3移動経路が記憶されている。そして、経路予測部107は、経路取得部102Aに記憶されている第3移動経路に基づいて、1以上の車両の現在時刻から未来の一定期間分の第4移動経路を予測する。
【0099】
より具体的には、経路予測部107は、蓄積した所定期間における現在および過去の移動経路に基づいて未来の移動経路を予測する。例えば、経路予測部107は、現在時刻から5秒間などの期間内では車両が等速運動または等加速度運動を行うという前提の下、経路取得部102Aで取得された過去の移動経路に基づき未来の移動経路の予測を行ってもよい。また、経路予測部107は、一般の車両すなわち周辺車両20の動きから走行経路モデルを作成して、現在時刻から5秒間など期間における未来の移動経路の予測を行ってもよい。
【0100】
<経路取得部102A>
経路取得部102Aは、検出部101が交通違反の発生を検出した時刻を含む所定期間における第1移動経路および第2移動経路を取得する。具体的には、経路取得部102Aは、センサから得た情報を用いて車両の移動経路を推定し、蓄積することにより、所望の期間における現在および過去の車両の移動経路を取得する。また、経路取得部102Aは、経路予測部107により予測された未来の車両の移動経路を取得する。このようにして、経路取得部102Aは、検出部101が交通違反の発生を検出した時刻と現在時刻以降の未来の時刻を含む所定期間における第1移動経路および第2移動経路を取得する。
【0101】
<選択部103A>
選択部103Aは、所定期間の第1移動経路および第2移動経路に基づいて、周辺車両のうち、現在時刻以降に第1車両を撮影可能な証拠提供装置が搭載された第2車両をさらに選択する。ここで、所定期間は、現在時刻以降の一定期間も含む。本変形例では、選択部103Aは、現在時刻以降の一定期間の未来の移動経路を含む第1移動経路および第2移動経路に基づいて、例えば現在時刻から5秒後などの未来時刻における違反車両と周辺車両それぞれの位置関係と周辺車両のそれぞれが違反車両を撮影可能な撮影範囲とから、周辺車両の一を選択する。
【0102】
[交通違反検知装置1Aの動作]
次に、本変形例における交通違反検知装置1の動作の詳細について図を用いて説明する。なお、本変形例の交通違反検知システムの動作概要については、
図6で説明した通りであるので説明を省略する。以下では、変形例における
図6のS13の動作の詳細について説明する。
【0103】
図12は、変形例に係る
図6に示すS13の動作の詳細を示すフローチャートである。
図7と同様の要素には同一の符号を付している。
図12に示すフローチャートは、
図7に示すフローチャートと比較して、S135でNoの処理が終了ではなくS137に進む点で異なっている。その他の部分については
図7と同様の処理のため説明を省略する。
【0104】
図12のS135において、交通違反検知装置1Aは、過去時刻において証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択できなかった場合には(S135でNo)、未来時刻で証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択する(S137)。
【0105】
次に、交通違反検知装置1Aは、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S138)。S138において、選択した場合(S138でYes)、証拠提供を依頼する時刻として未来時刻を設定し(S139)、処理を終了する。
【0106】
一方、S138において、選択できなかった場合には(S138でNo)、処理を終了する。
なお、
図12において、未来時刻での証拠画像の提供の依頼を最後に行うか否かの判定を行っているのは、より確実に証拠画像を取得可能な場合である現在時刻および過去時刻を優先するためである。
【0107】
以下、
図12に示すS137の動作の詳細について
図13を用いて説明する。
【0108】
図13は、
図12に示すS137の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図8および
図10と異なる点を中心に説明する。
【0109】
S137において、交通違反検知装置1Aは、
図13に示すように、まず、時間を一定時間早送りした未来時刻を指定時刻に指定する(S1371)。
【0110】
次に、交通違反検知装置1Aは、指定時刻で証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択する(S1372)。具体的には、S1372において、指定時刻が未来時刻であるとして
図8のS1311〜S1316ど同様の処理を行う。S1311〜S1316の処理は上述したのでここでの説明は省略する。
【0111】
次に、交通違反検知装置1Aは、証拠画像の提供を依頼する証拠提供装置2を選択したかを判定する(S1373)。S1373において、選択していない場合(S1373でNo)、S1371に戻って、さらに当該未来時刻の時間をさらに一定時間早送りして処理をやり直す。
【0112】
[効果等]
以上のようにして、本変形例によれば、立証に必要な情報を保有もしくは取得可能と思われる周辺車両を選択して提供を依頼することで他の周辺車両に不要な負荷をかけずに周辺車両と連携して交通違反の証拠を収集することができる。これにより、交通違反の立証に必要な証拠を取得することができる交通違反検知装置1A、証拠提供装置2、交通違反検知システム4および交通違反検知方法を実現することができる。
【0113】
本変形例の交通違反検知装置1Aは、違反車両を検知した瞬間だけでなく、現在時刻、過去時刻または未来時刻における証拠を取得できる可能性がある周辺車両を選択することができるので、交通違反の立証の可能性をさらに向上できる。
【0114】
(実施の形態2)
実施の形態1等における交通違反検知装置1等は、例えば交差点における所定の位置に設置されており、固定すなわち移動しないとして説明したが、移動するとしてもよい。以下、この場合を実施の形態2として、実施の形態1と異なるところを中心に説明する。
【0115】
図14Aは、実施の形態2に係る交通違反検知装置1等が交通違反の発生を検出した場面の一例を示す図である。
図14Bは、実施の形態2に係る交通違反検知装置1等が記録する証拠画像の一例を示す図である。
図2および
図4Aと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0116】
本実施の形態に係る交通違反検知装置1等は、実施の形態1、変形例1および変形例2で説明したのと同様であるが、
図14Aに示すロボットカーなどの自動運転パトロール車両である違反検知車両30に設置されており、移動する点が異なる。
【0117】
そのため、違反検知車両30に設置される交通違反検知装置1等は、移動中の視野内の画像すなわち
図14Aに示す撮影可能範囲に存在する道路40、信号機41並びに道路40を走行する違反車両10、周辺車両20を含む画像を撮影する。
【0118】
本実施の形態では、当該交通違反検知装置1等は、
図14Bに示す例では、交通違反を行った違反車両10を検出した時に違反車両10と信号機41とを示す1以上の画像51を撮影するまたは例えば5秒前からなど所定期間前から撮影している。しかし、
図14Bに示す例では、当該交通違反検知装置1等が撮影できる撮影方向は違反車両10の背面である。つまり、当該交通違反検知装置1等は、
図14Bに示すように、違反車両10の信号無視という交通違反の事実と違反車両のナンバープレート12に示されるナンバーとを特定できる画像51を撮影できるが、違反車両10の運転者11を特定できる画像は撮影できない。
【0119】
そのため、本実施の形態における当該交通違反検知装置1等は、実施の形態1等と同様に例えば周辺車両20aから現在時刻、過去時刻または未来時刻において違反車両10の運転者11を特定できる画像を、不足する証拠画像について取得すればよい。これにより、違反検知車両30から違反車両10の運転者11が見えない場合でも、周辺車両20の少なくとも一から違反車両10の運転者11の画像を不足する証拠画像として取得することができる。なお、詳細については実施の形態1等において上述したためここでの説明は省略する。また、当該交通違反検知装置1等は、違反車両10の信号無視という交通違反を検出するのみとし、違反車両10のナンバーと運転者11とを特定できる証拠画像を周辺車両20の少なくとも一から取得してもよい。
【0120】
[効果等]
以上のように、本実施の形態によれば、立証に必要な情報を保有もしくは取得可能と思われる周辺車両を選択して提供を依頼することで周辺車両と連携して交通違反の証拠を収集することができる。これにより、交通違反の立証に必要な証拠を取得することができる交通違反検知装置1等、証拠提供装置2、交通違反検知システム4および交通違反検知方法を実現することができる。
【0121】
本実施の形態の交通違反検知装置1等は、証拠を構成する情報のうち不足しているまたは全部の証拠の情報の提供を依頼する周辺車両をピンポイントに指定することで、交通違反の立証に必要な全部または不足している情報を取得できる。これにより、本実施の形態の交通違反検知装置1等は、他の周辺車両に不要な負荷をかけずに交通違反の立証に必要な証拠を取得できるので、交通違反の立証の可能性を向上できる。
【0122】
(その他の変形例)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る交通違反検知装置、証拠提供装置およびシステム等を説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。例えば、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0123】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0124】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(LargeScale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0125】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0126】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。ここで、例えば本開示の一態様に係る交通違反検知方法は、交通違反の発生を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出した前記交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および前記第1車両の周辺に存在する1以上の車両である周辺車両における前記所定期間の第2移動経路を取得する経路取得ステップと、前記経路取得ステップにおいて取得した前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づいて、前記第1車両が行った前記交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された前記周辺車両から、1以上の第2車両を選択する選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択した前記第2車両に搭載される証拠提供装置に前記証拠画像の提供を依頼して、前記証拠画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記証拠画像を記録する記録ステップと、を含む。また、例えば本開示の一態様に係るプログラムは、交通違反の発生を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出した前記交通違反を行った第1車両における所定期間の第1移動経路および前記第1車両の周辺に存在する1以上の車両である周辺車両における前記所定期間の第2移動経路を取得する経路取得ステップと、前記経路取得ステップにおいて取得した前記第1移動経路および前記第2移動経路に基づいて、前記第1車両が行った前記交通違反の証拠を構成する証拠画像を取得可能な証拠提供装置が搭載された前記周辺車両から、1以上の第2車両を選択する選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択した前記第2車両に搭載される証拠提供装置に前記証拠画像の提供を依頼して、前記証拠画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記証拠画像を記録する記録ステップと、を、コンピュータに実行させるプログラムである。
【0127】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blue-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0128】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0129】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0130】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0131】
(5)上記実施の形態をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0132】
(6)上記実施の形態では、説明を簡単にするため、第1センサおよび第2センサの観測領域を2次元領域として説明したが、もちろん3次元領域であってもよい。