【解決手段】自動運転車両1は、車両本体10と、車両本体10が走行している道路周辺に存在する人の、車両本体10を停車させようとするジェスチャーを検出するジェスチャー検出部(第一カメラ124、メモリ21及びプロセッサ22)と、車両本体10に乗客がいるかどうかを判定する判定部(プロセッサ22及び第二カメラ125)と、車両本体10を自動運転する制御部(自動運転システム20)とを備え、制御部は、判定部によって車両本体10に乗客がいないと判定された場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、車両本体10を当該人の周辺で停車させる。
前記制御部は、前記レーン検出部が前記レーン数を2以上と検出するとともに、前記判定部によって前記車両本体に乗客がいないと判定された場合に、前記車両本体を前記2以上のレーンのうち、歩道に最も近いレーンで走行させる
請求項3に記載の自動運転車両。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明者の知見)
本発明者は、自動運転車両をタクシーとして採用することについて検討した。ここで、日本政府や米国運輸省道路交通安全局が定義したレベル4の自動運転車両は、完全自動運転であるために、乗客は運転操作に全く関与しない。つまり、レベル4の自動運転車両をタクシーに採用した場合には、自動運転車両自体で、道路上に見込み客が存在するか否かを判断し、存在した場合にはその見込み客の近くで自動運転車両が停車する必要がある。ところが、見込み客を発見するたびに自動運転車両が停車してしまうと、すでに自動運転車両内に乗客がいる場合には非効率である。そこで、以降においては、この問題を解消することができる技術について説明する。
【0009】
本開示の一態様に係る自動運転車両は、車両本体と、車両本体が走行している道路周辺に存在する人の、前記車両本体を停車させようとするジェスチャーを検出するジェスチャー検出部と、車両本体に乗客がいるかどうかを判定する判定部と、車両本体を自動運転する制御部とを備え、制御部は、判定部によって車両本体に乗客がいないと判定された場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、車両本体を当該人の周辺で停車させる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る自動運転車両の停車方法は、自動運転車両の車両本体に乗客がいないと判定された場合に、車両本体が走行している道路周辺に存在する人の、車両本体を停車させようとするジェスチャーを検出すると、当該人の周辺で車両本体を停車させる。
【0011】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、上記自動運転車両の停車方法をコンピュータに実行させる。
【0012】
これによれば、自動運転車両の車両本体に乗客がいないと判定された場合に、車両本体を停車させようとするジェスチャーを検出すると、当該ジェスチャーをした人の周辺で車両本体を停車させるので、車両本体に乗客がいる場合には、自動運転車両は停車せずに走行を継続する。つまり、すでに自動運転車両に乗客が存在しているのに、別の見込み客を乗せようと自動運転車両が停車することを防止することができる。これにより、見込み客を効率よく、自動運転車両に乗車させることができる。
【0013】
また、ジェスチャー検出部は、道路の右側及び左側の一方に存在する人のジェスチャーを検出してもよい。
【0014】
これによれば、ジェスチャー検出部は、道路の右側及び左側の一方を検出範囲とすることができるので、検出処理を高速化することができる。例えば、車両の左側通行を採用している国においては、道路の左側に見込み客が存在する場合が多い。このため、道路の左側のみをジェスチャー検出部の検出範囲とすることで、検出処理を高速化することができる。
【0015】
また、自動運転車両は、道路における同一進行方向のレーン数を検出するレーン検出部を備え、ジェスチャー検出部は、レーン検出部がレーン数を1と検出した場合には、道路の右側及び左側に存在する人のジェスチャーを検出し、レーン検出部がレーン数を2以上と検出した場合には、道路の右側及び左側の一方に存在する人のジェスチャーを検出してもよい。
【0016】
これによれば、ジェスチャー検出部の検出範囲をレーン数に応じて調整することができる。
【0017】
例えば、同一進行方向のレーン数が1である場合には、道路全体としての幅が比較的狭いともいえる。より具体的には、一方通行の道路や、片側一車線の道路などである。一方通行の道路である場合には、道路の左及び右に存在する見込み客を自動運転車両がその車線で対応することが可能である。また、片側一車線の道路である場合には、自動運転車両はUターンすることで、反対車線の見込み客を対応することが可能である。
【0018】
一方、同一進行方向のレーン数が2以上であると、道路全体としての幅が比較的広い。このため、道路の右側及び左側のそれぞれに存在する見込み客を自動運転車両で対応するのは、別の車線に移動する際に他の車両の交通を妨げるおそれもあり、望ましくない。
【0019】
上記したようにレーン数に応じてジェスチャー検出部の検出範囲を調整できれば、状況に対して適切な検出範囲とすることが可能である。
【0020】
また、制御部は、レーン検出部がレーン数を2以上と検出するとともに、判定部によって車両本体に乗客がいないと判定された場合に、車両本体を2以上のレーンのうち、歩道に最も近いレーンで走行させてもよい。
【0021】
ここで、見込み客は大抵の場合、歩道に存在している。このため、上記したように、車両本体に乗客がいないと判定された場合に、2以上のレーンのうち、歩道に最も近いレーンで車両本体が走行しているので、見込み客に近いレーンを車両本体が走行することができる。これにより見込み客に対するアクセスを円滑に行うことができる。
【0022】
また、自動運転車両は、道路におけるUターンの禁止有無を検出するUターン禁止検出部を備え、ジェスチャー検出部は、Uターン禁止検出部が道路におけるUターンの禁止を検出した場合には、前記道路の右側及び左側の一方に存在する前記人の前記ジェスチャーを検出してもよい。
【0023】
これによれば、ジェスチャー検出部の検出範囲をUターンの禁止有無によって調整することができる。具体的には、Uターンの禁止場所では、自動運転車両は反対車線に移動できない。つまり、自動運転車両の反対車線側に見込み客がいたとしても、自動運転車両は対応できないので、その場合においてはジェスチャー検出部の検出範囲を道路の右側及び左側の一方のみとすることができる。
【0024】
また、ジェスチャー検出部は、人の、車両本体の停車をキャンセルしようとする第二ジェスチャーを検出し、制御部は、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出した後に、当該人からの第二ジェスチャーを検出した場合には、車両本体の走行を継続してもよい。
【0025】
これによれば、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出した後に、当該人からの第二ジェスチャーを検出した場合には、車両本体の走行が継続されるので、見込み客のキャンセルの意図を読み取って、車両本体の走行を継続することができる。
【0026】
また、自動運転車両は、車両本体の外方に向けて報知を行う報知部を備え、制御部は、判定部によって車両本体に乗客がいないと判定された場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、当該人を検出した旨を示す報知を報知部に行わせてもよい。
【0027】
これによれば、ジェスチャーをした人を検出した旨を示す報知が報知部で行われるので、自動運転車両にジェスチャーが伝わったことを見込み客に示すことができる。
【0028】
また、自動運転車両は、他の自動運転車両を所定の場所に配車する配車システムに対して通信する通信部を備え、制御部は、判定部によって車両本体に乗客がいると判定された場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、当該人の場所に対する配車要求を通信部から配車システムに出力させてもよい。
【0029】
これによれば、判定部によって車両本体に乗客がいると判定された場合、つまり、見込み客を受け入れられない状態の場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、当該人の場所に対する配車要求が通信部から配車システムに出力される。これにより、見込み客に対しては、配車システムによって他の自動運転車両を配車することができる。
【0030】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0031】
以下、本発明の一態様に係る自動運転車両について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0032】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0033】
[1.構成]
図1は、本実施の形態に係る配車システム100の概略構成を示す模式図である。配車システム100は、タクシーとして使用する複数の自動運転車両1を、所定の場所に配車するシステムである。具体的には、配車システム100は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末などの情報端末101を備えている。この情報端末101は、各自動運転車両1とネットワークNを介して通信可能となっている。情報端末101からは、各自動運転車両1に対して、所定の場所への配車指示が出力される。各自動運転車両1は、配車指示に基づいて、所定の場所に向けて自動で走行する。なお、配車システム100には、運転者の運転操作を必要とする自動車が含まれていてもよい。この場合、自動車が受信した配車指示に基づいて、運転者が自動車を運転し所定の場所へ向かうものとする。
【0034】
図2は、本実施の形態における自動運転車両1の一例を示す模式図である。
図2に示すように、自動運転車両1は、車両本体10と、車両本体10を自動運転するための自動運転システム20とを備えている。自動運転システム20は、車両本体10に搭載されている。また、車両本体10には、乗客が座るシート11が設けられており、その前方におけるダッシュボード上には、乗客によって操作される操作部12が設置されている。操作部12は、例えばタッチパネルであり、乗客が目的地を指定できるようになっている。
【0035】
車両本体10におけるルーフには、種々の情報が表示される報知部13が設けられている。この報知部13によって、自動運転車両1の外方にいる人々に種々の情報が報知できるようになっている。
【0036】
図3は、本実施の形態における自動運転車両1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、自動運転車両1の車両本体10には、推進システム110と、センサシステム120と、制御システム130と、周辺機器140とが設けられている。
【0037】
推進システム110は、車両本体10に動力運動を提供するシステムである。具体的には、推進システム110は、駆動源111と、トランスミッション112とを備えている。
【0038】
駆動源111は、内燃エンジン、電気モータ、蒸気エンジン及びスターリングエンジンなどであり、これらが単体であってもよいし、組み合わされたものであってもよい。例えば、自動運転車両1がガソリン−電気ハイブリッド車である場合には、駆動源111はガソリンエンジンと電気モータとの組み合わせとなる。
【0039】
トランスミッション112は、駆動源111からホイールへ機械的動力を伝えるように構成されている。例えば、トランスミッション112は、ギアボックス、クラッチ、差動装置、ドライブシャフト、及び/またはその他の要素を含んでいる。
【0040】
センサシステム120は、車両本体10が置かれている環境に関する情報を検知する。具体的には、センサシステム120は、環境に関する情報を検知するように、いくつかのセンサから構成されている。例えば、センサシステム120は、GPSモジュール121と、慣性測定ユニット122と、特性ユニット123と、第一カメラ124と、第二カメラ125とを備えている。
【0041】
GPSモジュール121は、GPS(Global Positioning System)によって車両本体10の緯度経度を推定するモジュールである。具体的には、GPSモジュール121は、地球に対する車両本体10の位置を衛星ベースの測位データに基づいて推定する。一例では、自動運転システム20は、GPSモジュール121を地図データと併用して、車両本体10が走行している道路の車線境界の位置を推定する。
【0042】
慣性測定ユニット122は、IMU(Inertial Measurement Unit)であり、車両本体10の位置及び向きの変化を慣性加速度に基づいて検知するセンサ群である。慣性測定ユニット122は、例えば加速度計とジャイロスコープとを含んでいてもよい。
【0043】
特性ユニット123は、車両本体10の周辺にある物体の距離、高度、方向、または速度などの物体の特性を判断する。具体的には、特性ユニット123は、電波を使用して物体の距離、高度、方向または速度などを判断するレーダーユニットを含む。また、レーダーに類似したその他のシステムも、特性ユニット123に含んでもよい。その他のシステムとしては、車両本体10の置かれた環境内の物体を、光を使用して検知するライダーシステムなどが挙げられる。走査型と非走査型のライダーシステムの両方を使用すれば、3次元(3D)撮像を行うことができる。「3Dゲーテッドビューイングレーザーレーダー」は、パルスレーザー及び高速ゲートカメラを適用する非走査型レーザー測距システムの一例である。
【0044】
第一カメラ124は、車両本体10の置かれた環境の画像を撮影するように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)である。具体的には、第一カメラ124は、車両本体10の前方を撮影するように、車両本体10の前部に取り付けられている(
図2参照)。
【0045】
第二カメラ125は、車両本体10の内部の画像を撮影するように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)である。具体的には、第二カメラ125は、車両本体10の内部を撮影するように、車両本体10の前部に取り付けられている(
図2参照)。
【0046】
制御システム130は、車両本体10及びその構成要素の動作を制御する。具体的には、制御システム130は、ステアリングユニット131、スロットルユニット132、ブレーキユニット133、ナビゲーションユニット134及び障害物回避システム135を含んでもよい。
【0047】
ステアリングユニット131は、車両本体10の方位または方向を調節するように構成された機構である。
【0048】
スロットルユニット132は、駆動源111の動作速度及び加速度を制御し、その結果、車両本体10の速度及び加速度を制御するように構成された機構である。
【0049】
ブレーキユニット133は、車両本体10を減速させるように構成された機構である。例えば、ブレーキユニット133は摩擦を使用してホイールを低速化してもよい。また、ブレーキユニット133は回生式に構成され、ホイールの運動エネルギーを電流に変換してもよい。
【0050】
ナビゲーションユニット134は、車両本体10のための運転経路を決定するように構成されている。ナビゲーションユニット134は、車両本体10の運行中に運転経路を動的に更新するように構成されてもよい。いくつかの例では、ナビゲーションユニット134は、GPSモジュール121と、1つまたは複数のあらかじめ定められた地図データとを併せて車両本体10の運転経路を決定するように構成されてもよい。
【0051】
障害物回避システム135は、車両本体10の置かれた環境内の障害物を識別し、評価し、回避またはその他の方法で障害物を切り抜けるように構成されている。
【0052】
なお、制御システム130は、センサフュージョンアルゴリズム、コンピュータビジョンシステムなどを備えていてもよい。センサフュージョンアルゴリズムは、例えば、自動運転システム20のプロセッサ22にて実行可能なアルゴリズムである。センサフュージョンアルゴリズムは、センサシステム120からのデータを入力として受け取るように構成されている。センサフュージョンアルゴリズムは、例えば、車両本体10の置かれた環境内の個々の物体及び/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、並びに/または、特定の状況に基づいて起こり得る衝突の評価を含む様々なアセスメントを、センサシステム120からのデータに基づいて提供する。
【0053】
コンピュータビジョンシステムは、例えば車線情報、交通信号、及び障害物などを含む、車両本体10の置かれた環境内の物体及び/または特徴を識別するために、第一カメラ124によって撮影された画像を処理及び分析するように構成されている。コンピュータビジョンシステムは物体認識アルゴリズム、運動からの構造復元(SFM:Structure From Motion)アルゴリズム、ビデオトラッキング、またはその他のコンピュータビジョン技法を使用してもよい。
【0054】
周辺機器140は、車両本体10が外部機器、他の自動運転車両及び/または乗客と対話することを可能にするように構成されている。具体的には、周辺機器140は、例えば、操作部12、報知部13及び通信部141を備えている。
【0055】
操作部12は、乗客によって操作されることで、目的地などの各種指示を受け付けるシステムである。具体的には、操作部12は、例えばタッチパネルであるが、音声入力デバイスであってもよい。
【0056】
報知部13は、自動運転車両1の外方に存在する人々に情報を報知する装置である。具体的には、報知部13は、電光掲示板、液晶モニタなどから構成されており、各種情報を表示することで、自動運転車両1の外方に存在する人々に視覚的な情報を提供する。なお、報知部13は、音声によって各種情報を提供する装置であってもよい。
【0057】
通信部141は、ネットワークNを介して、他の自動運転車両及び情報端末101と無線通信可能なシステムである。具体的には、通信部141は、ネットワークNと通信するためのアンテナ及びチップセットを含んでいる。チップセットは、一般的に実現可能な無線通信のタイプ(例えば、プロトコル)であればよく、例えばBluetooth(登録商標)、IEEE802.11(あらゆるIEEE802.11改訂を含む)に記載される通信プロトコル、セルラー技術(GSM(登録商標)、CDMA、UMTS、EV−DO、WiMAX、LTEなど)、Zigbee、専用狭域通信(DSRC)、及び、無線自動識別(RFID)通信などのうち1つまたは複数に従って通信するようになされてもよい。
【0058】
自動運転システム20は、車両本体10の各構成要素の動作を制御することで、車両本体10を自動運転する制御部である。具体的には、自動運転システム20は、メモリ21と、プロセッサ22とを備えている。
【0059】
メモリ21は、1つまたは複数の揮発性ストレージコンポーネント及び/または、光、磁気、及び/もしくは有機ストレージなどの1つまたは複数の不揮発性ストレージコンポーネントを備えていてもよい。また、メモリ21は全体的にまたは部分的にプロセッサ22に組み込まれてもよい。メモリ21は、本実施形態に係る自動運転機能を実行するための、プロセッサ22によって実行可能なプログラムを包含してもよい。また、メモリ21には、地図データが記憶されている。地図データには、道路地図情報と、道路のレーン数を示すレーン情報と、交差点のタイプを示す交差点情報と、制限速度を示す制限速度情報と、その他の交通法規を示す法規情報などが含まれている。地図データは、予めメモリ21に記憶されていてもよい。また、通信部141を介してネットワークNから取得した最新の地図データを、その都度メモリ21に更新して記憶させてもよい。
【0060】
また、メモリ21には、タクシーを止めようとするジェスチャー(停車要求ジェスチャー)の判定基準となる基準ジェスチャー情報が記憶されている。基準ジェスチャー情報とは、タクシーを止める際にその国または地域で一般的に用いられる基準的な停車要求ジェスチャーを示すデータである。このデータには、停車要求ジェスチャーの各特徴点の座標位置、停車要求ジェスチャーのうちの特徴的な姿勢の画像、停車要求ジェスチャーの動画などを含む。
【0061】
例えば、日本においては、「片手を上げる」、「上げた手を振る」などのジェスチャーが停車要求ジェスチャーに相当する。なお、その他の国、地域での停車要求ジェスチャーとしては、例えば、「手を広げて振る」、「手を握って上げる」、「人差し指と中指のみを立てて振る」、「中指のみを立てて振る」、「親指のみを立てる」、「人差し指と中指との間から親指が出るように手を握る」、「手招きする」、「人差し指を自動車に向けて指す」などが挙げられる。これ以外のジェスチャーを停車要求ジェスチャーとして用いることも可能である。また、基準ジェスチャー情報は、自動運転車両1の出荷国、出荷地域が確定した時点で、当該国、地域に対応するようにカスタマイズしてメモリ21に記憶させていてもよい。
【0062】
また、メモリ21には、キャンセルジェスチャー(第二ジェスチャー)の判定基準となる第二基準ジェスチャー情報が記憶されている。第二基準ジェスチャー情報とは、タクシーを止めようとするジェスチャーが自動運転車両1にて受け入れられた際に、その受け入れをキャンセルするための基準的なキャンセルジェスチャーを示すデータである。このデータには、キャンセルジェスチャーの各特徴点の座標位置、キャンセルジェスチャーのうちの特徴的な姿勢の画像、キャンセルジェスチャーの動画などを含む。
【0063】
キャンセルジェスチャーとしては、停車要求ジェスチャーと異なる動作であればよく、例えば「両手で×を作る」、「首を左右に振る」、「背を向ける」、「車から離れるように移動する」などが挙げられる。また、路上看板内に表示されている人を、実際の人として認識しないように、一定時間動きのない動作もキャンセルジェスチャーとしてもよい。
【0064】
プロセッサ22は、1つまたは複数の汎用プロセッサ、及び/または、1つまたは複数の専用プロセッサ(例えば、画像プロセッサ、デジタル信号プロセッサなど)を備えてもよい。プロセッサ22が複数のプロセッサを含む場合は、そのような複数のプロセッサは独立に、または協調して働いてもよい。
【0065】
そして、プロセッサ22は、メモリ21に記憶されているプログラムを読み出し、実行することで、車両本体10を自動運転する。具体的には、プロセッサ22は、センサシステム120から入力された各種検出結果と、周辺機器140から入力された各種情報と、メモリ21に記憶されている各種情報とに基づいて、推進システム110及び制御システム130を制御することにより、交通法規を守りながら、他の物体(他の車両、建物、人、動物など)を避けつつ、車両本体10を目的地まで自動運転する。プロセッサ22による自動運転制御には、周知の自動運転制御を用いることが可能である。
【0066】
また、プロセッサ22は、自動運転車両1の自動運転時においては、当該自動運転車両1の停車方法も実行する。
【0067】
[2.自動運転車両の停車方法]
次に自動運転システム20が実行する自動運転車両1の停車方法について説明する。
図4、
図5及び
図6は、自動運転車両1の停車方法の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、自動運転車両1が日本で用いられている場合を例示して説明する。つまり、自動車は左側通行とし、停車要求ジェスチャーは「片手を上げる」とする。
【0068】
図4に示すように、自動運転システム20のプロセッサ22は、ステップS1では、自動運転中に車両本体10に乗客が存在しているか否かを判断する。具体的には、プロセッサ22は、第二カメラ125で撮像された車両本体10内の画像に基づいて、当該車両本体10に乗客がいるかどうかを判定する。つまり、プロセッサ22と第二カメラ125とが、車両本体10に乗客がいるかどうかを判定する判定部である。そして、プロセッサ22は、車両本体10に乗客がいないと判定した場合(ステップS1;NO)にはステップS2の受け入れモードに移行し、車両本体10に乗客がいると判定した場合(ステップS1;YES)にはステップS3の拒否モードに移行する。
【0069】
図5は、実施の形態に係る受け入れモードの流れを示すフローチャートである。受け入れモードとは、車両本体10内に乗客を受け入れ可能なモードである。
【0070】
受け入れモードのステップS20では、プロセッサ22は、自動運転車両1が現在走行しているレーン(車線)と同一進行方向のレーン数が2以上であるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ22は、第一カメラ124で撮像された車両本体10の前方の画像からレーン数を検出する。つまり、プロセッサ22と第一カメラ124とが、道路における同一進行方向のレーン数を検出するレーン検出部である。なお、これ以外にも、プロセッサ22は、GPSモジュール121で検出された現在位置と地図データとに基づいてレーン数を検出することも可能である。
【0071】
そして、プロセッサ22は、レーン数が2以上であると判定した場合(ステップS20;YES)には、ステップS21に移行する。ステップS21では、プロセッサ22は、2以上のレーンのうち、歩道に最も近いレーンで車両本体10を走行させる。なお、ここで歩道とは、車道に隣り合う領域であって歩行者が存在可能な領域をいい、路側帯、路肩などを含んでもよい。これにより、見込み客G(
図7等参照)を発見した場合に、スムーズに停車することが可能である。
【0072】
図7は、実施の形態に係る自動運転車両1の走行時における第一カメラ124での撮影画像の一例を示す模式図である。この
図7では、同一進行方向のレーン数が2である場合を示している。
図7に示すように、自動運転車両1は、2つあるレーンL1、L2のうち、歩道Wに最も近いレーンL1、つまり左側のレーンL1を走行している。
【0073】
そして、ステップS22では、プロセッサ22は、第一カメラ124の撮影範囲Rのうち、ジェスチャーを検出するための検出範囲Sを、道路の左側を含む範囲とする。具体的には、プロセッサ22は、
図7に示すように、右側のレーンL2を含まず、レーンL1の左にある歩道Wを少なくとも含む範囲を検出範囲Sとする。これにより、道路の左側に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出することが可能となる。
【0074】
一方、プロセッサ22は、レーン数が2以上でないと判定した場合(ステップS20;NO)には、ステップS23に移行する。
【0075】
図8は、実施の形態に係る自動運転車両1の走行時における第一カメラ124での撮影画像の一例を示す模式図である。この
図8では、同一進行方向のレーン数が1である場合を示している。具体的には、
図8では、片道一車線の道路上を自動運転車両1が走行している。
【0076】
そして、ステップS23では、プロセッサ22は、第一カメラ124の撮影範囲Rのうち、検出範囲Sを、道路の右側及び左側を含む範囲とする。具体的には、プロセッサ22は、
図8に示すように、道路の左右の歩道W1、W2を少なくとも含む範囲を検出範囲Sとする。これにより、道路の左側及び右側に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出することが可能となる。
【0077】
ステップS24では、プロセッサ22は、検出範囲S内において、停車要求ジェスチャーをしている人を検出したかどうか判定する。具体的には、プロセッサ22は、メモリ21内に記憶されている基準ジェスチャー情報と、検出範囲S内に存在する人の動作とを照合することで、停車要求ジェスチャーをしている人を検出する。つまり、第一カメラ124、メモリ21及びプロセッサ22は、停車要求ジェスチャーを検出するジェスチャー検出部である。この照合には、第一カメラ124で撮像された人の動作が停車要求ジェスチャーであるかどうかを判定可能な照合方法であれば如何なるものを採用してもよい。照合方法の一例としてはパターンマッチングなどが挙げられる。そして、プロセッサ22は、停車要求ジェスチャーをしている人を検出した場合(ステップS24;YES)には、ステップS25に移行し、検出していない場合(ステップS24;NO)にはその状態を継続する。
【0078】
ステップS25では、プロセッサ22は、停車要求ジェスチャーをしている人と判定した場合、その人を見込み客Gとして認定し、第一カメラ124で撮影されている画像内で追跡する。なお、追跡時においては、見込み客Gが常に撮影範囲内に収まるように、第一カメラ124の姿勢を制御してもよい。
【0079】
ステップS26では、プロセッサ22は、報知部13を制御して、見込み客Gを検出した旨を示す報知を報知部13に行わせる。これにより、自動運転車両1に停車要求ジェスチャーが伝わったことを見込み客Gに示すことができる。
【0080】
ステップS27では、プロセッサ22は、撮影画像内で追跡している見込み客Gの動作と、メモリ21内に記憶されている第二基準ジェスチャー情報とを照合することで、当該見込み客Gがしたキャンセルジェスチャーを検出する。この照合には、第一カメラ124で撮像された見込み客Gの動作がキャンセルジェスチャーであるかどうかを判定可能な照合方法であれば如何なるものを採用してもよい。照合方法の一例としてはパターンマッチングなどが挙げられる。そして、プロセッサ22は、見込み客Gからのキャンセルジェスチャーを検出しなかった場合(ステップS27;NO)にはステップS28に移行し、見込み客Gからのキャンセルジェスチャーを検出した場合(ステップS27;YES)にはステップS29に移行する。
【0081】
ステップS28では、プロセッサ22は、車両本体10の各構成要素の動作を制御することで、車両本体10を自動運転して、見込み客Gの周辺で停車させる。これにより、見込み客Gが自動運転車両1に乗車可能な状態となる。見込み客Gの乗車後においては、プロセッサ22は、受け入れモードを終了して、車両本体10の自動運転を再開する。
【0082】
なお、
図8に示すように見込み客Gが、自動運転車両1が走行しているレーンL3とは反対側の歩道W2に存在している場合には、プロセッサ22は、車両本体10をUターンさせて、反対側のレーンL4に移動させてから、見込み客Gの周辺で車両本体10を停車させる。
【0083】
ステップS29では、プロセッサ22は、見込み客Gの認定を解除し、受け入れモードを終了して、車両本体10の自動運転を再開する。
【0084】
なお、本実施の形態では、自動運転車両1が報知を行った後に、見込み客Gの周辺で停車する場合を例示した。しかし、報知のタイミングは、これに限定されるものではない。例えば、自動運転車両1が見込み客Gの周辺で停車した後に、前記報知を行ってもよい。
【0085】
また、本実施の形態では、自動運転車両1が、キャンセルジェスチャーの有無を判断した後に、見込み客Gの周辺で停車する場合を例示した。しかし、キャンセルジェスチャーの有無の判断タイミングは、これに限定されるものではない。例えば、自動運転車両1が見込み客Gの周辺で停車した後に、キャンセルジェスチャーの有無を判断してもよい。
【0086】
図6は、実施の形態に係る拒否モードの流れを示すフローチャートである。拒否モードとは、車両本体10内にすでに乗客がいるために、見込み客Gの受け入れを拒否するモードである。
【0087】
拒否モードのステップS30では、プロセッサ22は、自動運転車両1が現在走行しているレーン(車線)と同一進行方向のレーン数が2以上であるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ22は、第一カメラ124で撮像された車両本体10の前方の画像からレーン数を検出する。
【0088】
そして、プロセッサ22は、レーン数が2以上であると判定した場合(ステップS30;YES)には、ステップS31に移行する。ステップS31では、プロセッサ22は、ステップS22と同様に第一カメラ124の撮影範囲Rのうち、道路の左側を含む範囲を検出範囲Sとする。
【0089】
一方、プロセッサ22は、レーン数が2以上でないと判定した場合(ステップS30;NO)には、ステップS32に移行する。ステップS32では、プロセッサ22は、ステップS23と同様に第一カメラ124の撮影範囲Rのうち、道路の右側及び左側を含む範囲を検出範囲Sとする。
【0090】
ステップS33では、プロセッサ22は、検出範囲S内において、停車要求ジェスチャーをしている人を検出したかどうか判定する。そして、プロセッサ22は、停車要求ジェスチャーをしている人を検出した場合(ステップS33;YES)には、ステップS34に移行し、検出していない場合(ステップS33;NO)にはその状態を継続する。
【0091】
ステップS34では、プロセッサ22は、通信部141を制御して、見込み客Gが存在している場所に対する配車要求を出力する。具体的には、配車要求は、見込み客Gを検出した時刻と、見込み客Gが存在している場所の位置データとを含んでいる。この配車要求を、ネットワークNを介して配車システム100の情報端末101が受け付けると、情報端末101は、見込み客Gが存在する場所に対する配車指示を、その他の自動運転車両1に対して出力する。このとき、プロセッサ22は、報知部13を制御して、配車要求を出力した旨を示す報知を報知部13に行わせてもよい。これにより、他の自動運転車両1に停車要求ジェスチャーが伝わったことを見込み客Gに示すことができる。
【0092】
配車要求の出力後においては、プロセッサ22は、拒否モードを終了して車両本体10の自動運転を再開する。
【0093】
[3.効果など]
本実施の形態に係る自動運転車両1は、車両本体10と、車両本体10が走行している道路周辺に存在する人の、車両本体10を停車させようとするジェスチャー(停車要求ジェスチャー)を検出するジェスチャー検出部(第一カメラ124、メモリ21及びプロセッサ22)と、車両本体10に乗客がいるかどうかを判定する判定部(プロセッサ22及び第二カメラ125)と、車両本体10を自動運転する制御部(自動運転システム20)とを備え、制御部は、判定部によって車両本体10に乗客がいないと判定された場合に、ジェスチャー検出部がジェスチャーをしている人を検出すると、車両本体10を当該人の周辺で停車させる。
【0094】
また、本実施の形態に係る自動運転車両1の停車方法は、自動運転車両1の車両本体10に乗客がいないと判定された場合に、車両本体10が走行している道路周辺に存在する人の、車両本体10を停車させようとするジェスチャー(停車要求ジェスチャー)を検出すると、当該人の周辺で車両本体10を停車させる。
【0095】
また、本実施の形態に係るプログラムは、自動運転車両1の停車方法をコンピュータに実行させる。
【0096】
これによれば、自動運転車両1の車両本体10に乗客がいないと判定された場合に、車両本体10を停車させようとする停車要求ジェスチャーを検出すると、当該停車要求ジェスチャーをした見込み客Gの周辺で車両本体10を停車させるので、車両本体10に乗客がいる場合には、自動運転車両1は停車せずに走行を継続する。つまり、すでに自動運転車両1に乗客が存在しているのに、別の見込み客Gを乗せようと自動運転車両1が停車することを防止することができる。これにより、見込み客Gを効率よく、自動運転車両1に乗車させることができる。
【0097】
また、ジェスチャー検出部は、道路の右側及び左側の一方に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出してもよい。
【0098】
これによれば、ジェスチャー検出部は、道路の右側及び左側の一方を検出範囲Sとすることができるので、検出処理を高速化することができる。例えば、車両の左側通行を採用している国においては、道路の左側に見込み客Gが存在する場合が多い。このため、道路の左側のみをジェスチャー検出部の検出範囲Sとすることで、検出処理を高速化することができる。
【0099】
また、自動運転車両1は、道路における同一進行方向のレーン数を検出するレーン検出部(プロセッサ22及び第一カメラ124)を備え、ジェスチャー検出部は、レーン検出部がレーン数を1と検出した場合には、道路の右側及び左側に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出し、レーン検出部がレーン数を2以上と検出した場合には、道路の右側及び左側の一方に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出してもよい。
【0100】
これによれば、ジェスチャー検出部の検出範囲Sをレーン数に応じて調整することができる。
【0101】
例えば、同一進行方向のレーン数が1である場合には、道路全体としての幅が比較的狭いともいえる。より具体的には、一方通行の道路や、片側一車線の道路などである。一方通行の道路である場合には、道路の左及び右に存在する見込み客Gを自動運転車両1がその車線で対応することが可能である。また、片側一車線の道路である場合には、自動運転車両1はUターンすることで、反対車線の見込み客Gを対応することが可能である。
【0102】
一方、同一進行方向のレーン数が2以上であると、道路全体としての幅が比較的広い。このため、道路の右側及び左側のそれぞれに存在する見込み客Gを自動運転車両1で対応するのは、別の車線に移動する際に他の車両の交通を妨げるおそれもあり、望ましくない。
【0103】
上記したようにレーン数に応じてジェスチャー検出部の検出範囲を調整できれば、状況に対して適切な検出範囲とすることが可能である。
【0104】
また、制御部は、レーン検出部がレーン数を2以上と検出するとともに、判定部によって車両本体に乗客がいないと判定された場合に、車両本体を2以上のレーンのうち、歩道Wに最も近いレーンL1で走行させてもよい。
【0105】
ここで、見込み客Gは大抵の場合、歩道Wに存在している。このため、上記したように、車両本体10に乗客がいないと判定された場合に、2以上のレーンL1、L2のうち、歩道Wに最も近いレーンL1で車両本体10が走行しているので、見込み客Gに近いレーンL1を車両本体10が走行することができる。これにより見込み客Gに対するアクセスを円滑に行うことができる。
【0106】
また、ジェスチャー検出部は、前記人(見込み客G)の、車両本体10の停車をキャンセルしようとする第二ジェスチャー(キャンセルジェスチャー)を検出し、制御部は、ジェスチャー検出部が停車要求ジェスチャーをしている人を検出した後に、当該人からのキャンセルジェスチャーを検出した場合には、車両本体10の走行を継続してもよい。
【0107】
これによれば、ジェスチャー検出部が見込み客Gを検出した後に、当該見込み客Gからのキャンセルジェスチャーを検出した場合には、車両本体10の走行が継続されるので、見込み客Gのキャンセルの意図を読み取って、車両本体10の走行を継続することができる。
【0108】
また、自動運転車両1は、車両本体10の外方に向けて報知を行う報知部13を備え、制御部は、判定部によって車両本体に乗客がいないと判定された場合に、ジェスチャー検出部が見込み客Gを検出すると、当該見込み客Gを検出した旨を示す報知を報知部13に行わせてもよい。
【0109】
なお、上記実施の形態では、報知部13が、車両本体10のルーフに取り付けられた電光掲示板、液晶モニタなどである場合を例示した。しかしながら、車両本体10に備えられているハザードランプを報知部として用いることも可能である。この場合、ハザードランプを点滅させることで、見込み客Gに対する報知を行うことが可能である。
【0110】
これによれば、見込み客を検出した旨を示す報知が報知部13で行われるので、自動運転車両1に停車要求ジェスチャーが伝わったことを見込み客Gに示すことができる。
【0111】
また、自動運転車両1は、他の自動運転車両1を所定の場所に配車する配車システム100に対して通信する通信部141を備え、制御部は、判定部によって車両本体10に乗客がいると判定された場合に、ジェスチャー検出部が停車要求ジェスチャーをしている人を検出すると、当該人の場所に対する配車要求を通信部141から配車システム100に出力させてもよい。
【0112】
これによれば、判定部によって車両本体10に乗客がいると判定された場合、つまり、見込み客Gを受け入れられない状態の場合に、ジェスチャー検出部が見込み客Gを検出すると、当該見込み客Gの場所に対する配車要求が通信部141から配車システム100に出力される。これにより、見込み客Gに対しては、配車システム100によって他の自動運転車両1を配車することができる。
【0113】
[その他]
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本実施の形態における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0114】
例えば、上記実施の形態では、車両本体10に乗客がいるかどうかを判定する判定部の一部を第二カメラ125が構成している場合を例示した。しかし、車両本体10での乗客の有無を判定できるのであればカメラ以外のセンサを判定部の一部として用いることも可能である。その他のセンサとしては、重量センサ、人感センサなどが挙げられる。重量センサを用いる場合には、当該重量センサをシート11の座面内に配置すればよい。重量センサの検出結果に基づいて、プロセッサ22が乗客の有無を判断することができる。また、人感センサを用いる場合には、車両本体10の車内空間を検出範囲とするように、人感センサを車両本体10に設ければよい。人感センサの検出結果に基づいて、プロセッサ22が乗客の有無を判断することができる。人感センサとしては、例えば温度センサ、超音波センサ、赤外線センサなどが挙げられる。
【0115】
また、上記実施の形態では、人のジェスチャーを検出するジェスチャー検出部の一部を第一カメラ124が構成している場合を例示した。これ以外にも、例えばレーダーユニットや、ライダーシステムなどによって人のジェスチャーを検出することも可能である。この場合、レーダーユニットや、ライダーシステムがジェスチャー検出部の一部をなす。
【0116】
また、上記実施の形態では、反対車線側の歩道W2に見込み客Gが存在した場合には、車両本体10をUターンさせて、見込み客Gの周辺へ移動させる場合を例示した。しかしながら、道路法規上Uターンが禁止されている箇所もあるので、その場所においては見込み客Gが存在していたとしてもUターンをしないことが望まれる。
【0117】
例えば、プロセッサ22は、第一カメラ124で撮像された車両本体10の前方の画像から、Uターン禁止の標識を検出する。つまり、プロセッサ22と第一カメラ124とが、道路におけるUターンの禁止有無を検出するUターン禁止検出部である。そして、プロセッサ22は、道路におけるUターンの禁止を検出した場合には、道路の右側及び左側の一方に存在する人の停車要求ジェスチャーを検出してもよい。
【0118】
これによれば、検出範囲SをUターンの禁止有無によって調整することができる。具体的には、Uターンの禁止場所では、自動運転車両1は反対車線に移動できない。つまり、自動運転車両1の反対車線側に見込み客Gがいたとしても、自動運転車両1は対応できないので、その場合においては検出範囲Sを、自動運転車両1が走行しているレーン側のみとすることができる。
【0119】
ここで、メモリ21に記憶されている地図データ内の法規情報と、GPSモジュール121とを併用して、道路におけるUターンの禁止有無を検出することも可能である。
【0120】
また、上記実施の形態では、キャンセルジェスチャーの有無を自動運転車両1が停車する前に判断している場合を例示した。しかしながら、自動運転車両1が停車後にキャンセルジェスチャーの有無を判断してもよい。この場合、停車後に所定時間経過しても見込み客Gが自動運転車両1に乗車しないこともキャンセルジェスチャーの一つとして判断することも可能である。
【0121】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の自動運転車両1などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【0122】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、自動運転車両の車両本体に乗客がいないと判定された場合に、車両本体が走行している道路周辺に存在する人の、車両本体を停車させようとするジェスチャーを検出すると、当該ジェスチャーをした人の周辺で車両本体を停車させる自動運転車両の停車方法を実行させる。
【0123】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る自動運転車両1及び当該自動運転車両1の停車方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、または異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。