特開2018-182008(P2018-182008A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-182008(P2018-182008A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20181019BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20181019BHJP
   H01F 5/02 20060101ALI20181019BHJP
   H01F 41/10 20060101ALI20181019BHJP
【FI】
   H01F15/10 N
   H01F27/28 B
   H01F27/32 B
   H01F5/02 B
   H01F41/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-77778(P2017-77778)
(22)【出願日】2017年4月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000107804
【氏名又は名称】スミダコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
(72)【発明者】
【氏名】戸松 義博
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E043EB01
5E043EB03
5E044BA01
5E062FG02
5E062FG12
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA08
5E070CA12
5E070DB02
5E070EA08
5E070EB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コイル装置の端子ピンにコイルの端部を絡げる際に、絡げ領域の長さが長くなり過ぎてスタンドオフ部が基板から浮き上がり、コイル装置が傾いたり、絡げ部のハンダが基板上に流れ込む等の不具合の発生を阻止する。
【解決手段】各端子ピン14A1〜14B5は、基板から端子台24に向かって、先端部14C、スタンドオフ14D、および根元部14Eが配されている。先端部14Cと根元部14Eは、基板表面に対して直交する向きに配置されおり、スタンドオフ14Dは、これら先端部14Cおよび根元部14Eと直交するとともに、基板表面と平行な状態に配置される。端子ピン14A1〜14B5の先端部14Cを、基板の所定位置に穿設されたスルーホールに挿入していくと、スタンドオフ14Dが基板表面に当接した状態となる。この状態で、コイル装置と基板との間隔が設定され、所望の絡げ可能寸法が確保される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルが巻回されたボビンの中央孔に磁性コアを挿入してなり、該コイルの端部が絡げられる、基板のスルーホールに挿入される複数の端子ピンが、前記ボビンに植設されたコイル装置において、
前記端子ピンは、前記ボビンから前記基板側に延び、前記ボビンの所定位置に、該端子ピンの一部を、前記スルーホールの通過を不可とする形状に加工してなるスタンドオフ部を形成したことを特徴とするコイル装置。
【請求項2】
前記スタンドオフ部は、前記端子ピンの任意の位置において、クランク状に屈曲された屈曲部のうち、前記基板の表面に平行となる領域とされてなることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
【請求項3】
前記スタンドオフ部は、前記端子ピンの中間部の所定位置において、該端子ピンを扁平につぶして前記スルーホールを通過不可とされた領域とされてなることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル端部を端子ピンに絡げるために、基板と装置ハウジングとの間に絡げ領域長を確保するためのスタンドオフ部を備えたコイル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、リアクトル装置やトランス装置などのコイル装置においては、基板上のパターンと電気的に接続するために、ハウジング下部から複数本の端子ピンを突出させ、これらの端子ピンを基板に設けたスルーホール内に挿入させる。その際、端子ピンに巻回されたコイルの端部を絡げることになるが、この絡げ部の領域が基板とコイル装置のハウジングの間に確保されるように、コイル装置のハウジング下部から下方に基板突き当て部が突出し、端子ピンを基板に設けたスルーホール内に挿入させていく際に、この基板突き当て部の先端が基板の表面に突き当たり、それ以上、端子ピンが基板に設けたスルーホール内に挿入されなくなり、端子ピンの絡げ部の長さとして所望の距離を確保することが可能となる。
これにより、基板突き当て部はスタンドオフとして機能する(例えば、下記特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、図5(A)に示すように、ボビン212にコイル213を巻回するとともに、ボビン212の中央を上下に貫くコア挿通孔に、1対のE型コア等を組み合わせたコア部211の中脚部等が挿通されたコイル装置が知られている。このようなコイル装置では、ボビンの下面から図中下方に延出する複数本の端子ピン(図面中では2本のみ表されているが、図面奥行き方向に、各々複数本が並列している)214A、214Bが設けられ、その端子ピン214A、214Bの根元部付近の絡げ部216に、コイル213の端部が絡げられる(図5(A)では、端子ピン214Bのみに絡げ部216Bが設けられている)。
【0004】
このようなコイル装置には、ボビン212の下面から、所定長dを有する、図示するような基板突き当て部213A、213Bが設けられており、この基板突き当て部213A、213Bが基板の表面に突き当てられることにより、端子ピン214A、214Bの絡げ部216Bの長さ(絡げ可能寸法)として距離dを確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-227019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来技術においては、図5(B)に示すように、予定していた絡げ部領域の端子ピン214A、214Bに沿った長さよりも、実際の絡げ部216A、216Bの端子ピンに沿った長さが大きくなってしまう場合(例えば、1本の端子ピン214Aに、2種のコイル213の端部を順次、ピンに沿って上下方向に巻回した場合)も生じうる。
この場合、絡げ部216A、216Bが、基板215とボビン212の下面部との間に介在し、ボビン212のハウジングが持ち上がって、基板突き当て部213A、213Bの下端が基板215の表面に当接しない状態となってしまい、基板突き当て部213A、213Bをスタンドオフとして機能させることが困難になる。
【0007】
この結果、基板に実装した際に、コイル装置が傾いたり、ハンダ処理時に溶融した絡げ部のハンダが、この絡げ部と接触している基板上に流れ込むなどの不具合が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、コイル装置の端子ピンにコイルの端部を絡げる際に、スタンドオフが基板から浮き上がって、コイル装置が傾いたり、絡げ部のハンダが、この絡げ部と接触している基板上に流れ込むなどの不具合を阻止し得るコイル装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るコイル装置は、以下の特徴を備えている。
本発明に係るコイル装置は、
コイルが巻回されたボビンの中央孔に磁性コアを挿入してなり、該コイルの端部が絡げられる、基板のスルーホールに挿入される複数の端子ピンが前記ボビンに植設されたコイル装置において、
前記端子ピンは、前記ボビンから前記基板側に延び、前記ボビンの所定位置に、該端子ピンの一部を、前記スルーホールの通過を不可とする形状に加工してなるスタンドオフ部を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、前記スタンドオフ部は、前記端子ピンの所望の位置において、クランク状に屈曲された屈曲部のうち、前記基板の表面に平行となる領域とされてなることが好ましい。
【0010】
さらに、前記スタンドオフ部は、前記端子ピンの所望の位置において、該端子ピンを扁平につぶして前記スルーホールを通過不可とされた領域とされてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
コイル装置のハウジング下部から下方に突出した端子ピンにコイルの端部を絡げる際に、本発明のコイル装置においては、この端子ピンの一部を加工してスタンドオフ部を形成しており、絡げ部の大きさ(端子ピン方向の長さ)に応じて、加工する位置を調整することができるので、絡げ部の長さが、想定されていた長さよりも長かった場合にも、スタンドオフ部と基板の間に隙間ができてしまう、というような状態となるのを阻止することができる。これにより、コイル装置のハウジングが基板上で傾いたり、絡げ部のハンダが基板上に流れ込む、というような事態を回避することができる。
【0012】
なお、端子ピンのスタンドオフ部は、例えば、端子ピンの所望の位置において、端子ピンをクランク状にした場合に、基板表面と平行な状態となる領域としたり、端子ピンの所望の位置において、該端子ピンを扁平につぶして前記スルーホールを通過不可とされた領域とすることが好ましく、これらいずれの場合にもボビン下面からスタンドオフ部までの寸法を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係るコイル装置のボビンおよび端子ピンを斜め上方からをみた斜視図を示すものである。
図2図1に示す第1の実施形態に係るコイル装置により得られる作用効果を説明するための概略図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るコイル装置のボビンおよび端子ピンを斜め上方からみた斜視図を示すものである。
図4図3に示す第2の実施形態に係るコイル装置により得られる作用効果を説明するための概略図である。
図5】従来技術に係るコイル装置を示すものであり、スタンドオフが機能している状態を示す概略図(A)、およびスタンドオフが機能していない状態を示す概略図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るコイル装置について図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るコイル装置を示すものであり、ボビン12と、このボビン下部から下方に突出する10本の端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5が示されている。
【0015】
このボビン12は、図中で上方部に位置するフランジ部20と、断面矩形状のコイル巻回部23と、コイル巻回部23を挟んでフランジ部20の反対方向に位置する端子台24を備えており、この端子台24に上述した10本の端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5が植設されている。
【0016】
本実施形態においては、ボビン12のフランジ部20から端子台24に到る、コイル巻回部23の全幅領域においてコイル(図2に示されている)が巻回される。コイル巻回部23に巻回されたコイル13の各端部は端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5のうちの所定の端子ピンの根元部分に絡げられ、その絡げ部16B(図2を参照)においてハンダ付けされる。
【0017】
これとともに、ボビン12のフランジ部20の中央溝部20Aに一方のE型コア11Aが嵌まり込み、同時にこの一方のE型コア11Aの中脚がコア挿入孔21にフランジ部20方向から挿入される。また、ボビン12の端子台24の中央溝部20Bに他方のE型コア11Bが嵌まり込み、同時にこの他方のE型コア11Aの中脚がコア挿入孔21に端子台24方向から挿入される。
【0018】
端子台24の中央溝部24Aを構成する両側壁面における、図中下端部分の前後方向全幅領域において、突起部13A、Bが設けられている。これにより、いわゆるシールド壁部が設けられた状態となり、耐電圧効果を高めることができる。
【0019】
ところで、本実施形態においては、上述した10本の端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5が、クランク状に形成されており、所望とする略同一の上下位置において曲折された形状とされている。
【0020】
すなわち、各端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5は、基板15から端子台24に向かって、先端部14Cと、スタンドオフ14Dと、根元部14Eが配されている。
先端部14Cと根元部14Eは、基板15表面に対して直交する向きに配置されおり、一方スタンドオフ14Dは、先端部14Cと根元部14Eの間にあって、これら先端部14Cおよび根元部14Eと直交するとともに、基板15表面と平行な状態に配置される。
【0021】
これにより、各端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5の先端部を、基板15の所定位置に穿設されたスルーホールに挿入し、コイル装置と基板15を互いに接近させていくと、スタンドオフ14Dが基板15表面に当接した状態(スタンドオフ14Dの略全体が基板15上に載設された状態)で、コイル装置と基板15との接近操作が停止する。これにより、コイル装置を基板15上に安定的に配置することができるとともに、このスタンドオフ14Dからボビン12の下面までの間隔を所望の長さに設定することができる。
この後、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5と基板パターン(ランド)のハンダ付けがなされるとともに、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5のうち所望の端子ピンにコイル13の端部が絡げられ、ハンダ付けされ、これによりコイル
装置と所定の基板パターンとの電気的な接続がなされる。
【0022】
端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5をクランク状に加工するタイミングとしては、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5を端子台24に取り付ける(例えば、インサート成形による)前であってもよいし、取り付けた後において行ってもよいが、いずれであっても、コイル巻回部23に巻回されたコイル13の端部が絡げられる根元部14Eの長さを所望の長さに加工することができる。
【0023】
図2に示すように、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5にコイル13の端部を絡げる態様は、設計ごとに異なるものであり、例えば、1本の端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5に複数のコイル端部を絡げる場合や、線径の太いコイル13を巻回する場合等に、絡げ部16A,Bの領域が、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5の長さ方向に長くなる状態となる。
【0024】
本実施形態においては、このように絡げ部16A,Bの領域が、通常よりも長くなる仕様であっても、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5をクランク状に加工する際に、根元部14Eの長さを調節するだけで、各々の仕様に対応させることができる。
【0025】
これにより、絡げ部16A,Bの領域が、通常よりも長くなる仕様であっても、図5に示す従来技術のように、スタンドオフが基板15と当接せず、コイル装置が基板15に対して傾いたり、絡げ部に供給するハンダが基板15上に流れ込む、等の不具合の発生を阻止することが可能となる。
【0026】
なお、全ての端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5についてクランク状に加工せずとも良く、そのうちの一部だけをクランク状に加工し、他は直線状としてもよい。例えば、4隅の4本の端子ピン14A1、14A5、14B1、14B5のみをクランク状として、スタンドオフ14Dを形成するようにしても良い。この場合において、図1に示すようにクランク状の曲折を、端子ピン14A1〜14A5、14B1〜14B5の根元部14Eが配列される面内で行うようにすれば、基板15のスルーホールを直線状に配列することができる。
【0027】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係るコイル装置を示すものであり、ボビン112と、このボビン下部から下方に突出する10本の端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5が示されている。
【0028】
なお、この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第1実施形態における部材の付番に100を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略することがある。
【0029】
このボビン112は、図中で上方部に位置するフランジ部120と、断面矩形状のコイル巻回部123と、コイル巻回部123を挟んでフランジ部120の反対方向に位置する端子台124を備えており、この端子台124に上述した10本の端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5が植設されている。
【0030】
ボビン112のフランジ部120から端子台124に到る、コイル巻回部123の全幅領域においてコイル(図4に示されている)が巻回される。コイル巻回部123に巻回されたコイル113の各端部は端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5のうちの所定の端子ピンの根元部分に絡げられ、その絡げ部116B(図4を参照)においてハンダ付けされる点は、第1の実施形態と同様である。
【0031】
ボビン112のフランジ部120の中央溝部120Aに一方のE型コア111Aが嵌まり込み、これと同時にこの一方のE型コア111Aの中脚がコア挿入孔121にフランジ部120方向から挿入される。また、ボビン112の端子台124の中央溝部120Bに他方のE型コア111Bが嵌まり込み、これと同時にこの他方のE型コア111Aの中脚がコア挿入孔121に端子台124方向から挿入される点も、第1の実施形態と同様である。
【0032】
ところで、本実施形態においては、上述した10本の端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5の中程に、つぶし部からなるスタンドオフ114Dが形成されている。
すなわち、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5において、基板115から端子台124に向かって、先端部114Cと、上記スタンドオフ114Dと、根元部114Eが配されている。
【0033】
スタンドオフ114Dは、先端部114Cと根元部114Eの間にあって、これら先端部114Cおよび根元部114Eが、通常の端子ピン径とされているのに対し、スタンドオフ114Dは、つぶし加工により扁平形状とされ、基板115のスルーホールを通過不能な形状とされている。
これにより、各端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5の先端部114Cを、基板115の所定位置に穿設されたスルーホールに挿入し、コイル装置と基板115を互いに接近させていくと、スタンドオフ114Dが基板115表面に当接した状態で、コイル装置と基板115との接近操作が停止する。これにより、コイル装置を基板115上に安定的に配置することができるとともに、このスタンドオフ114Dからボビン112の下面までの間隔を所望の長さに設定することができる。
この後、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5と基板パターン(ランド)のハンダ付けがなされるとともに、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5のうち所望の端子ピンにコイル113の端部が絡げられ、ハンダ付けされ、これにより、コイル装置と所定の基板パターンとの電気的な接続がなされる。
【0034】
端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5のつぶし処理を行うタイミングとしては、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5を端子台124に取り付ける(例えば、インサート成形による)前であってもよいし、取り付けた後において行ってもよいが、いずれであっても、コイル巻回部123に巻回されたコイル113の端部が絡げられる根元部114Eの長さを所望の長さに加工することができる。
【0035】
図4に示すように、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5にコイル113の端部を絡げる態様は、設計ごとに異なるものであり、例えば、1本の端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5に複数のコイル端部を絡げる場合や、線径の太いコイル113を巻回する場合等に、絡げ部116A,Bの領域が、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5の長さ方向に長くなる状態となる。
【0036】
本実施形態においては、このように絡げ部116A,Bの領域が、通常よりも長くなる仕様であっても、端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5の一部につぶし加工を施す際に、根元部114Eの長さを調節するだけで、各々の仕様に対応させることができる。これにより、絡げ部116A,Bの領域が、通常よりも長くなる仕様であっても、図5に示す従来技術のように、スタンドオフが基板115と当接せず、コイル装置が基板115に対して傾いたり、絡げ部に供給するハンダが基板115上に流れ込む、などの不具合の発生を阻止することが可能となる。
【0037】
なお、全ての端子ピン114A1〜114A5、114B1〜114B5についてつぶし加工を施してスタンドオフ114Dを形成せずとも良く、そのうちの一部だけにつぶし加工を施し、他は直線状のままとしてもよい。例えば、第1の実施形態と同様に、4隅の4本の端子ピン114A1、114A5、114B1、114B5のみに、スタンドオフ114Dを形成するようにしても良い。
【0038】
本発明のコイル装置としては上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
例えば、コア部やコイル巻回部の断面形状としても、上記実施形態のものに限られるものではなく、それ以外の種々の形状やタイプのものに変更が可能である。例えば、コイル巻回部を横置き型としたタイプのものに適応させることも可能である。
【0039】
また、端子ピンの数や端子台との位置関係も、上記実施形態のものに限られるものではない。
また、端子ピンに形成されるスタンドオフの態様としても、上記実施形態のものに限られず、端子ピンが、基板のスルーホールを所定長通過した状態で、それ以上の通過が阻止されるような加工を施され、スタンドオフとして機能するように形成されていれば良い。
【符号の説明】
【0040】
11、111、211 コア部
11A、B、111A、B E型コア
12、112、212 ボビン
13、113、213 コイル
13A、B、113A、B、213A、B 突起
14A1〜14A5、14B1〜14B5、114A1〜114A5、114B1〜114B5、214A、B 端子ピン
14C、114C 先端部
14D、114D スタンドオフ
14E、114E 根元部
15、115、215 基板
16A、B、116A、B、216A、B 絡げ部
20、120 フランジ部
20A、120A (フランジ部)中央溝部
21、121 コア挿入孔
23、123 コイル巻回部
24、124 端子台
24A、124A (端子台)中央溝部
213A、B 基板突き当て部(スタンドオフ)
図1
図2
図3
図4
図5