(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-182334(P2018-182334A)
(43)【公開日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】アレイ型積層セラミック電子部品及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20181019BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
H01G4/30 513
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-134058(P2018-134058)
(22)【出願日】2018年7月17日
(62)【分割の表示】特願2014-82963(P2014-82963)の分割
【原出願日】2014年4月14日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0127778
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0156986
(32)【優先日】2013年12月17日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジャエ ホーン
(72)【発明者】
【氏名】小野 雅章
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジャエ ヨン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E082AB03
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】本発明は、アレイ型積層セラミック電子部品及びその実装基板に関する。
【解決手段】複数の第1誘電体層及び複数の第2誘電体層が厚さ方向に積層されて形成され厚さ方向に相対する第1及び第2主面、幅方向に相対する第1及び第2側面、及び長さ方向に相対する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、複数の第1誘電体層上に形成され一つの第1誘電体層を介して対向するように配置される第1及び第2内部電極と、複数の第2誘電体層上に形成され一つの第2誘電体層を介して対向するように配置される第3及び第4内部電極と、セラミック本体の第1端面に形成され第1内部電極と連結される第1外部電極と、セラミック本体の第1側面に形成され第2内部電極と連結される第2外部電極と、セラミック本体の第2端面に形成され第3内部電極と連結される第3外部電極と、セラミック本体の第2側面に形成され第4内部電極と連結される第4外部電極とを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1誘電体層及び複数の第2誘電体層が厚さ方向に積層されて形成され、厚さ方向に相対する第1及び第2主面、幅方向に相対する第1及び第2側面、及び長さ方向に相対する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、
前記複数の第1誘電体層上に形成され、一つの第1誘電体層を介して対向するように配置される第1及び第2内部電極と、
前記複数の第2誘電体層上に形成され、一つの第2誘電体層を介して対向するように配置される第3及び第4内部電極と、
前記セラミック本体の第1端面に形成され、前記第1内部電極と連結される第1外部電極と、
前記セラミック本体の第1側面に形成され、前記第2内部電極と連結される第2外部電極と、
前記セラミック本体の第2端面に形成され、前記第3内部電極と連結される第3外部電極と、
前記セラミック本体の第2側面に形成され、前記第4内部電極と連結される第4外部電極と、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項2】
第1誘電体層、第1及び第2内部電極は第1キャパシタ部を形成し、前記第2誘電体層、第3及び第4内部電極は第2キャパシタ部を形成する、請求項1に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層の厚さ方向の下部に配置される、請求項1または2に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1内部電極は前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第1側面に引出される第2リード部を含み、前記第3内部電極は前記第2端面に引出される第3リード部を含み、前記第4内部電極は前記第2側面に引出される第4リード部を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1誘電体層の積層数及び前記第2誘電体層の積層数が異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層は異なる材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層の厚さは異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項8】
複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含む第1キャパシタ部と前記第1キャパシタ部の厚さ方向の下部に配置され、複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含む第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、
前記複合体の第1端面に形成され、前記第1内部電極と連結される第1信号電極と、
前記複合体の第1側面に形成され、前記第2内部電極と連結される第1接地電極と、
前記複合体の第2端面に形成され、前記第3内部電極と連結される第2信号電極と、
前記複合体の第4端面に形成され、前記第4内部電極と連結される第2接地電極と、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極である、請求項8に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極、前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であり、前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極と前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は一誘電体層を介して対向する、請求項8または9に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記第1キャパシタ部及び前記第2キャパシタ部は相互独立的に動作する、請求項8から10のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記第1キャパシタ部及び前記第2キャパシタ部は異なる容量を有する、請求項8から11のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記第1キャパシタ部の電流方向及び前記第2キャパシタ部の電流方向は反対である、請求項8から12のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記第1及び第2内部電極は一つの第1誘電体層を介して対向するように複数の第1誘電体層上に形成され、前記第3及び第4内部電極は一つの第2誘電体層を介して対向するように複数の第2誘電体層上に形成される、請求項8から13のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記第1内部電極は前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第1側面に引出される第2リード部を含み、前記第3内部電極は前記第2端面に引出される第3リード部を含み、前記第4内部電極は第2側面に引出される第4リード部を含む、請求項8から14のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項16】
バッテリーからの供給を受ける第1電源を安定化させて電力管理部に供給する第1キャパシタ部と前記第1キャパシタ部の下部に配置され、前記電力管理部で変換された第2電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、
前記複合体の第1端面に形成され、前記バッテリーと連結されて前記第1電源を前記第1キャパシタ部に伝達する第1信号電極と、
前記複合体の第2端面に形成され、前記電力管理部と連結されて前記第2電源を前記第2キャパシタ部に伝達する第2信号電極と、
前記複合体の第1側面に形成され、第1キャパシタ部を接地するための第1接地電極と、
前記複合体の第2側面に形成され、第2キャパシタ部を接地するための第2接地電極と、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項17】
前記第1キャパシタ部は複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含み、前記第2キャパシタ部は複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含む、請求項16に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項18】
前記第1内部電極は前記第1信号電極と連結され、前記第2内部電極は前記第1接地電極と連結され、前記第3内部電極は前記第2信号電極と連結され、前記第4内部電極は前記第2接地電極と連結される、請求項17に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項19】
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極である、請求項16から18のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項20】
バッテリーからの供給を受ける電圧を変換する電力管理部で変換された第1電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第1キャパシタ部と前記電力管理部で変換された第2電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、
前記複合体の第1端面に形成され、前記電力管理部と連結されて前記第1電源を前記第1キャパシタ部に伝達する第1信号電極と、
前記複合体の第2端面に形成され、前記電力管理部と連結されて前記第2電源を前記第2キャパシタ部に伝達する第2信号電極と、
前記複合体の第1側面に形成され、第1キャパシタ部を接地するための第1接地電極と、
前記複合体の第2側面に形成され、第2キャパシタ部を接地するための第2接地電極と、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項21】
上部に3つ以上の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に設置される請求項1から20のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品と、
前記電極パッドと前記アレイ型積層セラミック電子部品を連結するはんだと、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ型積層セラミック電子部品及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を用いる電子部品としてキャパシタやインダクタ、圧電素子、バリスタ、サーミスタなどがある。
【0003】
上記セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタ(MLCC、Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら、高容量が保障され、実装が容易であるという長所を有する。
【0004】
上記積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD、Liquid Crystal Display)やプラズマ表示装置パネル(PDP、Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯用端末機(PDA、Personal Digital Assistants)、携帯電話などの多様な電子製品の回路基板に装着されて電気を充填または放電させる役割をするチップ形態のコンデンサである。
【0005】
このような積層セラミックキャパシタは、複数の誘電体層と内部電極とを交互に積層して積層体を形成した後、上記積層体を焼成し、外部電極を設置して製造される。一般に、上記内部電極の積層数によって製品の容量が決定される。
【0006】
一方、上記積層セラミックキャパシタを印刷回路基板に実装するためには、一定の面積が求められる。
【0007】
このとき、多様な電気的特性を有する複数の積層セラミックキャパシタを一つの印刷回路基板に実装する場合、それぞれの積層セラミックキャパシタが正常的に動作するためには、一定の空間が確保されなければならない。
【0008】
最近は、電子製品の小型化の傾向に伴い、このような電子製品に用いられる積層セラミックキャパシタにも超小型化及び超高容量化が求められている。
【0009】
しかし、電子製品がスリム(slim)化及び小型化される場合、積層セラミックキャパシタを実装することができる空間が限定されて製品設計が困難になる。
【0010】
つまり、多様な電気的特性を有する複数の積層セラミックキャパシタを一つの印刷回路基板にともに実装するにあたり、電子製品のサイズを小型化するのに限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2005−0044083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、アレイ型積層セラミック電子部品及びその実装基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態は、複数の第1誘電体層及び複数の第2誘電体層が厚さ方向に積層されて形成され、厚さ方向に相対する第1及び第2主面、幅方向に相対する第1及び第2側面、及び長さ方向に相対する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、上記複数の第1誘電体層上に形成され、一つの第1誘電体層を介して対向するように配置される第1及び第2内部電極と、上記複数の第2誘電体層上に形成され、一つの第2誘電体層を介して対向するように配置される第3及び第4内部電極と、上記セラミック本体の第1端面に形成され、上記第1内部電極と連結される第1外部電極と、上記セラミック本体の第1側面に形成され、上記第2内部電極と連結される第2外部電極と、上記セラミック本体の第2端面に形成され、上記第3内部電極と連結される第3外部電極と、上記セラミック本体の第2側面に形成され、上記第4内部電極と連結される第4外部電極と、を含むアレイ型積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0014】
上記第1誘電体層、第1及び第2内部電極は第1キャパシタ部を形成し、上記第2誘電体層、第3及び第4内部電極は第2キャパシタ部を形成することができる。
【0015】
上記第2誘電体層は、上記第1誘電体層の厚さ方向の下部に配置されることができる。
【0016】
上記第1内部電極は上記第1端面に引出される第1リード部を含み、上記第2内部電極は上記第1側面に引出される第2リード部を含み、上記第3内部電極は上記第2端面に引出される第3リード部を含み、上記第4内部電極は上記第2側面に引出される第4リード部を含むことができる。
【0017】
上記第1誘電体層の積層数及び上記第2誘電体層の積層数は異なることができる。
【0018】
上記第1誘電体層及び上記第2誘電体層は異なる材料を含むことができる。
【0019】
上記第1誘電体層及び上記第2誘電体層の厚さは異なることができる。
【0020】
本発明の他の一実施形態は、複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含む第1キャパシタ部と上記第1キャパシタ部の厚さ方向の下部に配置され、複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含む第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、上記複合体の第1端面に形成され、上記第1内部電極と連結される第1信号電極と、上記複合体の第1側面に形成され、上記第2内部電極と連結される第1接地電極と、上記複合体の第2端面に形成され、上記第3内部電極と連結される第2信号電極と、上記複合体の第2側面に形成され、上記第4内部電極と連結される第2接地電極と、を含むアレイ型積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0021】
上記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、上記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であることができる。
【0022】
上記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極、上記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であり、上記第1キャパシタ部の最下端の内部電極と上記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は一誘電体層を介して対向することができる。
【0023】
上記第1キャパシタ部及び上記第2キャパシタ部は相互独立的に動作することができる。
【0024】
上記第1キャパシタ部及び上記第2キャパシタ部は異なる容量を有することができる。
【0025】
上記第1キャパシタ部の電流方向及び上記第2キャパシタ部の電流方向は反対であることができる。
【0026】
上記第1及び第2内部電極は一つの第1誘電体層を介して対向するように複数の第1誘電体層上に形成され、上記第3及び第4内部電極は一つの第2誘電体層を介して対向するように複数の第2誘電体層上に形成されることができる。
【0027】
上記第1内部電極は上記第1端面に引出される第1リード部を含み、上記第2内部電極は上記第1側面に引出される第2リード部を含み、上記第3内部電極は上記第2端面に引出される第3リード部を含み、上記第4内部電極は上記第2側面に引出される第4リード部を含むことができる。
【0028】
本発明の他の一実施形態は、バッテリーからの供給を受ける第1電源を安定化させて電力管理部に供給する第1キャパシタ部と上記第1キャパシタ部の下部に配置され、上記電力管理部で変換された第2電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、上記複合体の第1端面に形成され、上記バッテリーと連結されて上記第1電源を上記第1キャパシタ部に伝達する第1信号電極と、上記複合体の第2端面に形成され、上記電力管理部と連結されて上記第2電源を上記第2キャパシタ部に伝達する第2信号電極と、上記複合体の第1側面に形成され、第1キャパシタ部を接地するための第1接地電極と、上記複合体の第2側面に形成され、第2キャパシタ部を接地するための第2接地電極と、を含むアレイ型積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0029】
上記第1キャパシタ部は複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含み、上記第2キャパシタ部は複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含むことができる。
【0030】
上記第1内部電極は上記第1信号電極と連結され、上記第2内部電極は上記第1接地電極と連結され、上記第3内部電極は上記第2信号電極と連結され、上記第4内部電極は上記第2接地電極と連結されることができる。
【0031】
上記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、上記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であることができる。
【0032】
本発明の他の一実施形態は、バッテリーからの供給を受ける電圧を変換する電力管理部で変換された第1電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第1キャパシタ部と上記電力管理部で変換された第2電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、上記複合体の第1端面に形成され、上記電力管理部と連結されて上記第1電源を上記第1キャパシタ部に伝達する第1信号電極と、上記複合体の第2端面に形成され、上記電力管理部と連結されて上記第2電源を上記第2キャパシタ部に伝達する第2信号電極と、上記複合体の第1側面に形成され、第1キャパシタ部を接地するための第1接地極と、上記複合体の第2側面に形成され、第2キャパシタ部を接地するための第2接地極と、を含むアレイ型積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0033】
本発明のさらに他の一実施形態は、上部に3つ以上の電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に設置されたアレイ型積層セラミックキャパシタと、上記電極パッドと上記アレイ型積層セラミック電子部品を連結するはんだと、を含むアレイ型積層セラミック電子部品の実装基板を提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態によると、一つのセラミック本体に異なる容量を有する複数のキャパシタ部を結合して構成することで、素子の基板実装面積を減少させることができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態によると、複数のキャパシタ部間のバッファ層の省略により、セラミック本体の厚さを減少させることができ、寄生キャパシタンスを容易に制御することができる。
【0036】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2キャパシタ部の電流方向が反対になるようにすることで、等価直列インダクタンスを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品のセラミック本体を示した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品のセラミック本体の分解斜視図である。
【
図5a】
図2のB−B'、C−C'線に沿った断面図である。
【
図5b】
図2のD−D'、E−E'線に沿った断面図である。
【
図6】
図1のA−A'線に沿った断面図で、第1キャパシタ部及び第2キャパシタ部を示した図面である。
【
図7】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品の電流経路を示すための平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品の回路配線との連結構造を説明するための図面である。
【
図9】本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品が印刷回路基板に実装された形状を概略的に示した斜視図である。
【
図11】本発明の他の一実施形態による駆動電源供給システムを示した回路図である。
【
図12】本発明のさらに他の一実施形態による駆動電源供給システムを示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0039】
以下では、本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品、特にアレイ型積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0040】
アレイ型積層セラミック電子部品100
【0041】
図1は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品100を概略的に示した斜視図であり、
図2は
図1のA−A'線に沿った断面図であり、
図3は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品のセラミック本体を示した斜視図であり、
図4は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品のセラミック本体の分解斜視図である。
【0042】
本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品において、「長さ方向」は
図1の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「厚さ方向」は、電子製品の誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同一の概念で用いられることができる。
【0043】
図1から
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品100は、複数の第1誘電体層111a及び複数の第2誘電体層111bが厚さ方向に積層されて形成され、厚さ方向に相対する第1及び第2主面1、2、幅方向に相対する第1及び第2側面3、4、長さ方向に相対する第1及び第2端面5、6を有するセラミック本体110と、上記複数の第1誘電体層111a上に形成され、一つの第1誘電体層を介して対向するように配置される第1及び第2内部電極121、122と、上記複数の第2誘電体層111b上に形成され、一つの第2誘電体層を介して対向するように配置される第3及び第4内部電極123、124と、上記セラミック本体の第1端面5に形成され、上記第1内部電極121と連結される第1外部電極131と、上記セラミック本体の第1側面3に形成され、上記第2内部電極122と連結される第2外部電極132と、上記セラミック本体の第2端面6に形成され、上記第3内部電極123と連結される第3外部電極133と、上記セラミック本体の第2側面4に形成され、上記第4内部電極124と連結される第4外部電極134と、を含むことができる。
【0044】
本発明の一実施形態において、セラミック本体110の形状は、特に制限されないが、図面に示されているように、例えば、六面体状を有することができる。
【0045】
本発明の一実施形態において、セラミック本体110は、厚さ(T)方向に相対する第1、第2主面1、2、幅(W)方向に相対する第1、第2側面3、4及び長さ(L)方向に相対する第1、第2端面5、6を有することができ、上記第1及び第2主面は、上記セラミック本体110の上面及び下面に示されることもできる。
【0046】
また、これに限定されないが、上記セラミック本体の厚さをTb、上記セラミック本体の幅をWbとするとき、Tb>Wbであることができる。上記セラミック本体がTb>Wbを満たす場合、誘電体層及び内部電極の積層数を増加させることで、高容量のアレイ型積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0047】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2誘電体層111a、111bを形成する原料は、十分な静電容量が得られるものであれば、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末であってもよい。
【0048】
上記第1及び第2誘電体層111a、111bを形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などのパウダーに、本発明の目的に応じて遷移金属酸化物または炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などのような多様な種類の添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0049】
図2及び
図4に示されているように、上記複数の第2誘電体層111bは、上記複数の第1誘電体層111aの下部に形成されることができる。即ち、複数の第2誘電体層が厚さ方向に積層された後、積層された上記第2誘電体層の厚さ方向の上部に複数の第1誘電体層が再び厚さ方向に積層されることができる。
【0050】
図4を参照すると、上記第1誘電体層111aの厚さ方向の上部及び上記第2誘電体層111bの厚さ方向の下部には、内部電極が形成されていない誘電体層が積層されることができ、それぞれセラミック本体の上部カバー層及び下部カバー層112、113を構成することができる。
【0051】
上記第1から第4内部電極121、122、123、124を形成する材料は、特に制限されないが、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム−銀(Pd−Ag)合金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0052】
上記第1内部電極121及び第2内部電極122は上記第1誘電体層111aを介して対向するように積層されることができ、上記第3内部電極123及び第4内部電極124は上記第2誘電体層111bを介して対向するように積層されることができる。
【0053】
上記第1外部電極131は、上記第1内部電極121と連結され、上記セラミック本体110の第1端面5に形成されることができ、上記第2外部電極132は、上記第1外部電極と異なる極性で上記第2内部電極122と連結され、上記セラミック本体110の第1側面3に形成されることができる。
【0054】
上記第3外部電極133は、上記第1外部電極と同一極性を有することができ、上記第3内部電極123と連結され、上記セラミック本体110の第2端面6に形成されることができる。上記第4外部電極134は、上記第3外部電極と異なる極性で上記第4内部電極124と連結され、上記セラミック本体110の第2側面4に形成されることができる。
【0055】
上記第1から第4外部電極131、132、133、134は、基板実装の容易性のために、実装面である第2主面の少なくとも一部まで延長されることができる。
【0056】
上記第1外部電極131は、第1端面5から第1端面と接する角を覆いながら上記第1、第2主面1、2及び第1、第2側面3、4に延長されることができる。また、上記第3外部電極133は、第2端面6から第2端面と接する角を覆いながら上記第1、第2主面1、2及び第1、第2側面3、4に延長されることができる。
【0057】
上記第2外部電極132及び上記第4外部電極134は、上記第1及び第3外部電極131、133と異なる極性を有し、上記第1外部電極及び第3外部電極131、133から所定間隔離隔されて上記第1外部電極と第3外部電極との間に配置されることができる。
【0058】
上記第2外部電極132は、上記第1側面3に形成されることができ、上記第1側面3から上記第1及び第2主面1、2に延長されることができる。また、上記第4外部電極134は、上記第2側面4に形成されることができ、上記第2側面4から上記第1及び第2主面1、2に延長されることができる。
【0059】
上記第1から第4外部電極131、132、133、134は、上記第1から第4内部電極121、122、123、124と同一材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上の導電性金属で形成されることができる。
【0060】
上記第1から第4外部電極131、132、133、134は、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して用意された導電性ペーストを塗布してから焼成することで形成されることができる。
【0061】
図5a及び
図5bは
図2のB−B'、C−C'、D−D'、E−E'線に沿った断面図で、本発明の実施形態による第1から第4内部電極121、122、123、124の形状を示した平面図である。また、
図6は
図1のA−A'線に沿った断面図で、第1キャパシタ部及び第2キャパシタ部を示した図面である。
【0062】
図5a及び
図5bを参照すると、セラミック本体110内において、上記第1及び第2内部電極121、122は上記第1誘電体層111a上に交互に形成されることができ、上記第3及び第4内部電極123、124は上記第2誘電体層111b上に交互に形成されることができる。また、それぞれの内部電極121、122、123、124は、メイン部(main portion)とリード部(lead portion)に分けられる(
図5a及び
図5bには、理解の便宜のために、メイン部とリード部との境界部分が点線で示されている)。内部電極の「メイン部」は、積層方向からみたとき、対向する第1及び第2内部電極または第3及び第4内部電極が重畳する部分で、キャパシタンス(capacitance)に寄与する主要部分であり、内部電極の「リード部」は、メイン部から延長されて外部電極への接続を提供する部分である。
【0063】
本発明の一実施形態によると、
図5aに示されているように、上記第1内部電極121は、上記セラミック本体110の第1端面5に引出され、第1外部電極131と連結される第1リード部121aを含むことができる。
【0064】
また、上記第2内部電極122は、上記第1側面3に引出され、第2外部電極132と連結される第2リード部122aを含むことができる。
【0065】
図5bを参照すると、上記第3内部電極123は、上記第2端面6に引出され、第3外部電極133と連結される第3リード部123aを含むことができる。
【0066】
上記第4内部電極124は、上記第2側面4に引出され、第4外部電極134と連結される第4リード部124aを含むことができる。
【0067】
図6に示されているように、第1誘電体層111a、第1及び第2内部電極121、122は第1キャパシタ部C1を形成し、上記第2誘電体層111b、第3及び第4内部電極123、124は第2キャパシタ部C2を形成することができ、上記第2キャパシタ部C2は上記第1キャパシタ部C1の厚さ方向の下部に配置されることができる。
【0068】
上記第1キャパシタ部の上部には上部カバー層が配置されることができ、上記第2キャパシタ部の下部には下部カバー層が配置されることができる。
【0069】
また、上記セラミック本体110は、上記第1キャパシタ部C1と上記第2キャパシタ部C2とが結合された複合体とみなすことができる。
【0070】
一方、上記第1キャパシタ部C1及び上記第2キャパシタ部C2は相互独立的に動作することができる。
【0071】
上記第1キャパシタ部C1及び上記第2キャパシタ部C2は同一容量を有することができる。
【0072】
本発明の一実施形態によると、上記第1キャパシタ部C1及び上記第2キャパシタ部C2は、誘電体層及び内部電極の積層数が異なるように構成されることができ、異なる容量を有することができる。換言すると、上記第1キャパシタ部に含まれた第1誘電体層111aと上記第2キャパシタ部に含まれた第2誘電体層111bの積層数が異なることができる。これにより、第1及び第2内部電極121、122の積層数と第3及び第4内部電極123、124の積層数が異なるため、第1キャパシタ部C1及び第2キャパシタ部C2の容量は異なることができる。
【0073】
また、上記第1キャパシタ部及び第2キャパシタ部は、上記第1誘電体層及び第2誘電体層の厚さを異ならせるか、または上記第1誘電体層及び上記第2誘電体層が異なる材料を含むようにすることで、異なる容量を有することができる。
【0074】
このとき、上記それぞれの第1及び第2キャパシタ部は、必要に応じて、高誘電率のBT母材を用いた誘電体層を含むことができ、これとは反対に、低誘電率のCT母材を主原料とする誘電体層を含んで構成されることができる。
【0075】
また、上記第1及び第2キャパシタ部は、全て同一材料、厚さ及び誘電率を有する誘電体層からなるか、その一部または全部を異なる材料及び誘電率を有する誘電体層を含むように構成することができる。
【0076】
他の例として、上記それぞれのキャパシタ部は、容量を考慮して、高容量のキャパシタ部には高誘電率のBT母材を用いた誘電体層が含まれるようにし、低容量のキャパシタ部には低誘電率のCT母材を用いた誘電体層が含まれるように構成することができる。
【0077】
しかし、本発明のキャパシタ部では、高容量のキャパシタ部であっても、ESR値を高めるために、低誘電率の誘電体層を使用し、誘電体層の積層数を高めて構成するなど多様な形態及び構造によって変更されることができる。
【0078】
したがって、本発明の一実施形態によると、それぞれのキャパシタ部別に誘電体層及び内部電極の積層数を調節することで、一つのチップに異種容量を有する複数のキャパシタ部を具現することができる。
【0079】
図7は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品の電流経路を示すための平面図である。
【0080】
図7に示されているように、第1キャパシタ部C1は、第1外部電極131と第2外部電極132を連結する電流経路を有することができ、第2キャパシタ部C2は、第3外部電極133と第4外部電極134を連結する電流経路を有することができる。
【0081】
本発明の一実施形態によると、各キャパシタ部に形成された一対の外部電極が対向する面に形成されず、隣接した面に配置されることで、電流経路が短縮されて各キャパシタ部の等価直列抵抗(ESR)値を減少させることができる。
【0082】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第3外部電極131、133は、外部からの電流供給を受ける信号電極であることができ、上記第2及び第4外部電極132、134は接地のための接地電極であることができる。
【0083】
上記第1及び第3外部電極131、133が信号電極、上記第2及び第4外部電極132、134が接地電極である場合、上記第1キャパシタ部では第1外部電極から上記第2外部電極に電流が流れてキャパシタンスが形成され、上記第2キャパシタ部では第3外部電極から上記第4外部電極に電流が流れてキャパシタンスが形成されることができる。上記の場合、
図7に示されているように、第1キャパシタ部及び第2キャパシタ部の電流方向は反対であることができる。上記第1キャパシタ部及び第2キャパシタ部の電流方向を反対に形成することで、各電流による磁界が相殺されることができる。これにより、アレイ型積層セラミック電子部品の等価直列インダクタンス(ESL)を低減させることができる。
【0084】
一方、
図6に示されているように、上記第1キャパシタ部C1に含まれた第1及び第2内部電極121、122のうち最下端に配置された内部電極は第2内部電極であり、上記第2キャパシタ部C2に含まれた第3及び第4内部電極123、124のうち最上端に配置された内部電極は第4内部電極であることができる。
【0085】
また、本発明の一実施形態によると、上記第1キャパシタ部の最下端に配置された第2内部電極及び上記第2キャパシタ部の最上端に配置された第4内部電極は、一誘電体層を介して対向するように配置されることができる。
【0086】
一般に、第1キャパシタ部と第2キャパシタ部を厚さ方向に積層する場合、第1キャパシタ部と第2キャパシタ部との間に寄生キャパシタンスが形成されることを防止するためには、第1キャパシタ部と第2キャパシタ部との間に内部電極が形成されていないバッファ層を配置する必要がある。
【0087】
しかし、本発明の一実施形態によると、第1キャパシタ部と第2キャパシタ部が接する領域で接地電極132、134と連結される第2内部電極122と第4内部電極124を隣接するように配置することで、第1キャパシタ部C1と第2キャパシタ部C2との間に配置されるバッファ層を省略することができる。
【0088】
一般に、異なる極性の内部電極が誘電体層を介して対向するように配置される場合、キャパシタンスが形成され、本発明の一実施形態と異なって、第1キャパシタ部の最下端の内部電極及び第2キャパシタ部の最上端の内部電極が異なる極性を有すると、寄生キャパシタンスが形成されるようになる。しかし、このような寄生キャパシタンスの形成を防止すべく、第1キャパシタ部と第2キャパシタ部との間に厚いバッファ層を形成すると、セラミック本体(複合体)の厚さが増加するという問題が生じる。
【0089】
一方、本発明の一実施形態によると、第1キャパシタ部の最下端に配置された第2内部電極、第2キャパシタ部の最上端に配置された第4内部電極及びその間に存在する一誘電体層(第1または第2誘電体層と同一厚さで形成されてもよい)による寄生キャパシタンスが発生せず、これらが上記バッファ層の役割を行うことができるため、バッファ層が省略できるようになる。
【0090】
図8は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品の回路配線との連結構造を説明するための図面である。
【0091】
本発明の一実施形態によると、
図8に示されているように、本発明のアレイ型積層セラミック電子部品が2つの平行な信号用配線と連結されても、配線パターンが曲がることなく回路との連結が可能になる。
【0092】
以下では、本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
【0093】
まず、複数の第1及び第2セラミックシートを設ける。
【0094】
上記第1及び第2セラミックシートは、セラミック本体の第1及び第2誘電体層を形成するためのもので、セラミック粉末やバインダー、溶剤などを混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレードなどの工法によって数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することができる。
【0095】
次に、上記それぞれの第1セラミックシートの一面に所定の厚さで導電性ペーストを印刷することで第1及び第2内部電極を形成し、それぞれの第2セラミックシートの一面に所定の厚さで導電性ペーストを印刷することで第3及び第4内部電極を形成する。
【0096】
上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などを用いることができ、上記導電性ペーストは、金属粉末やセラミック粉末、シリカ(SiO
2)粉末などを含むことができる。
【0097】
また、上記金属粉末は、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)及び銅(Cu)のうち少なくとも一つまたはこれらの合金を用いることができる。
【0098】
その後、第1及び第2内部電極が形成された複数の第1セラミックシートを、上記第1セラミックシートを介して上記第1及び第2内部電極が対向配置されるように積層する。同様に、第3及び第4内部電極が形成された複数の第2セラミックシートを、上記第2セラミックシートを介して上記第3及び第4内部電極が対向配置されるように積層して第1及び第2キャパシタ部を形成する。
【0099】
このとき、上記第1及び第2キャパシタ部は、異なる容量を有するように形成されることができる。
【0100】
また、上記第1及び第2キャパシタ部は、誘電率が異なるセラミックシートにそれぞれ形成されることもできる。これにより、上記それぞれのキャパシタ部は、このようなセラミックシートの誘電率差により、異なる容量を具現するとき、一つのアレイ型積層セラミック電子部品においてより多様な容量の組合せが可能になる。
【0101】
次いで、上記第1及び第2キャパシタ部を厚さ方向に積層して加圧し、厚さ方向に沿って配置された複数のキャパシタ部を含む積層体を設ける。
【0102】
その後、上記積層体を一つのチップに対応する領域に切断及び焼成して、対向する厚さ方向の第1及び第2主面、長さ方向の第1及び第2端面を有し、上記第1から第4内部電極がそれぞれ第1端面、第1側面、第2端面、第2側面に露出するセラミック本体を設ける。
【0103】
次いで、上記セラミック本体の第1及び第2端面に、上記第1及び第3内部電極と連結されるように第1及び第3外部電極を形成し、上記セラミック本体の第1及び第2側面に、上記第2及び第4内部電極と連結されるように第2及び第4外部電極を形成する。
【0104】
このとき、上記第1から第4外部電極は、下面実装のために、上記セラミック本体の第1及び第2主面の一部に延長して形成することができる。
【0105】
また、上記第1から第4外部電極は、実装時に実装面の方向を考慮しなくてもよいように、電子部品の方向性を除去して上記セラミック本体の第1及び第2主面の一部まで延長して形成することができる。
【0106】
一方、上記第1から第4外部電極の実装面に、必要に応じて、めっき層をさらに形成することができる。上記めっき層は、完成されたアレイ型積層セラミック電子部品を印刷回路基板にはんだで実装するとき、相互間の接着強度を高めるためのものである。
【0107】
アレイ型積層セラミック電子部品の実装基板200
【0108】
図9は本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品が印刷回路基板に実装された形状を概略的に示した斜視図であり、
図10は
図9の平面図である。
【0109】
図9及び
図10を参照すると、本実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品100の実装基板200は、アレイ型積層セラミック電子部品100が実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に形成された3つ以上の電極パッドと、を含む。
【0110】
上記電極パッドは、上記アレイ型積層セラミック電子部品の第1から第4外部電極131、132、133、134とそれぞれ連結される第1から第4電極パッド221、222、223、224からなることができる。
【0111】
即ち、上記第1及び第3電極パッド221、223は、それぞれ第1及び第2信号電極と連結されることができ、上記第2及び第4電極パッド222、224は、それぞれ第1及び第2接地電極と連結されることができる。
【0112】
このとき、アレイ型積層セラミック電子部品の第1から第4外部電極をそれぞれ第1から第4電極パッド上に接触されるように位置した状態で、はんだ付けによって印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0113】
特に、本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2接地電極と連結される第2及び第4電極パッドは連続して一つの電極パッドとして形成されることもできる。
【0115】
図11は駆動電源が必要な所定の端子に、バッテリー及び電力管理部を通じて駆動電源を供給する駆動電源供給システムを示した回路図である。
【0116】
図11を参照すると、上記駆動電源供給システムは、バッテリー300、第1電源安定化部400、電力管理部500及び第2電源安定化部600を含むことができる。
【0117】
バッテリー300は、電力管理部500に電源を供給することができる。ここで、バッテリー300が電力管理部500に供給する電源を第1電源と定義する。
【0118】
第1電源安定化部400は、上記第1電源V1を安定化させ、安定化された第1電源を電力管理部500に供給することができる。具体的には、第1電源安定化部400は、バッテリー300及び電力管理部500の連結端子と接地との間に形成されたキャパシタC1を含むことができる。上記キャパシタC1は、第1電源に含まれたノイズを減少させることができる。
【0119】
また、上記キャパシタC1は、電荷を充電することができる。また、電力管理部500が瞬間的に大きい電流を消費する場合、上記キャパシタC1は、充電された電荷を放電させることで、電力管理部500の電圧変動を抑制することができる。
【0120】
上記キャパシタC1は、高容量キャパシタであることができる。
【0121】
電力管理部500は、電子機器に入力される電力をその電子機器に適するように変換させ、電力を分配、充電、制御する役割をする。したがって、電力管理部500は、一般的にDC/DCコンバータを備えることができる。
【0122】
また、電力管理部500は、電力管理回路(Power Management Integrated Circuit、PMIC)で具現されることができる。
【0123】
なお、電力管理部500は、低電圧降下レギュレータ(Low Dropout Regulator、LDO)で具現されることもできる。
【0124】
電力管理部500は、上記第1電源V1を第2電源V2に変換することができる。上記第2電源V2は、電力管理部500の出力端と連結されて駆動電源の供給を受ける所定の素子が求める電源となることができる。
【0125】
第2電源安定化部600は、上記第2電源V2を安定化させ、安定化された第2電源を出力端Vddに伝達することができる。上記出力端Vddには、電力管理部500から駆動電源の供給を受ける所定の素子が連結されることができる。
【0126】
第2電源安定化部600は、電力管理部500及び出力端Vddの連結端子と接地との間に形成されたキャパシタC2を含むことができる。
【0127】
第2電源安定化部600は、上記第2電源V2に含まれたノイズを減少させることができる。また、第2電源安定化部600は、出力端Vddに安定的に電源を供給することができる。なお、上記キャパシタC2は、高容量キャパシタであることができる。
【0128】
本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品100は、上記第1キャパシタ部C1と第2キャパシタ部C2を一つのチップとして構成することができる。これにより、素子の集積度を向上させ、配線を短くかつ厚く設計することができる。また、本発明のアレイ型積層セラミック電子部品を2つの平行な配線と連結する場合、配線が曲がることなく連結することができる。
【0130】
図12は本発明のさらに他の一実施形態による駆動電源供給システムを示した回路図である。
【0131】
図12を参照すると、上記駆動電源供給システムは、バッテリー300、第1電源安定化部400、電力管理部500、第2電源安定化部600及び第3電源安定化部700を含むことができる。
【0132】
バッテリー300は、電力管理部500に電源を供給することができる。
【0133】
第1電源安定化部400は、バッテリーから電力管理部に供給される電源Vを安定化させ、安定化された電源を電力管理部500に供給することができる。具体的には、第1電源安定化部400は、バッテリー300及び電力管理部500の連結端子と接地との間に形成されたキャパシタ部Cを含むことができる。上記キャパシタ部Cは、バッテリーから電力管理部に供給される電源Vに含まれたノイズを減少させることができる。
【0134】
また、上記キャパシタ部Cは、電荷を充電することができる。なお、電力管理部500が瞬間的に大きい電流を消費する場合、上記キャパシタ部Cは、充電された電荷を放電させることで、電力管理部500の電圧変動を抑制することができる。
【0135】
上記キャパシタCは、高容量キャパシタであることが好ましい。
【0136】
電力管理部500は、電子機器に入力される電力をその電子機器に適するように変換させ、電力を分配、充電、制御する役割をする。したがって、電力管理部500は、一般的にDC/DCコンバータを備えることができる。
【0137】
また、電力管理部500は、電力管理回路(Power Management Integrated Circuit、PMIC)で具現されることができる。
【0138】
なお、電力管理部500は、低電圧降下レギュレータ(Low Dropout Regulator、LDO)で具現されることもできる。
【0139】
電力管理部500は、バッテリーから電力管理部に供給された電源Vを第1電源V3及び第2電源V4に変換することができる。上記第1電源V3及び第2電源V4は、それぞれ駆動電源の供給を受ける所定の素子が求める電源となることができる。
【0140】
第2電源安定化部600は、上記第1電源V3を安定化させ、安定化された第1電源を第1集積回路800に伝達することができる。第2電源安定化部600は、電力管理部500と第1集積回路800との間に形成されたキャパシタ部C1を含むことができ、本実施形態では上記第2電源安定化部に含まれたキャパシタ部を第1キャパシタ部C1と定義することができる。
【0141】
第2電源安定化部600は、上記第1電源V3に含まれたノイズを減少させることができる。また、第2電源安定化部600は、第1集積回路800に安定的に電源を供給することができる。
【0142】
第3電源安定化部700は、上記第2電源V4を安定化させ、安定化された第2電源を第2集積回路900に伝達することができる。第3電源安定化部700は、電力管理部500と第2集積回路900との間に形成されたさらに他のキャパシタ部C2を含むことができ、本実施形態では上記第3電源安定化部に含まれたキャパシタ部を第2キャパシタ部C2と定義することができる。
【0143】
第3電源安定化部700は、上記第2電源V4に含まれたノイズを減少させることができる。また、第3電源安定化部700は、第2集積回路900に安定的に電源を供給することができる。
【0144】
上記第1及び第2キャパシタ部C1、C2は、高容量キャパシタであることができる。
【0145】
本発明の一実施形態によるアレイ型積層セラミック電子部品100は、上記第1キャパシタ部C1と第2キャパシタ部C2を一つのチップとして構成することができる。これにより、素子の集積度を向上させ、配線を短くかつ厚く設計することができる。また、本発明のアレイ型積層セラミック電子部品を2つの平行な配線と連結する場合、配線が曲がることなく連結することができる。
【0146】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0147】
100 アレイ型積層セラミック電子部品
110 セラミック本体
111a、111b 第1及び第2誘電体層
112、113 カバー層
121、122、123、124 第1から第4内部電極
131、132、133、134 第1から第4外部電極
210 印刷回路基板
221、222、223、224 第1から第4電極パッド
【手続補正書】
【提出日】2018年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1誘電体層及び複数の第2誘電体層が厚さ方向に積層されて形成され、厚さ方向に相対する第1及び第2主面、幅方向に相対する第1及び第2側面、及び長さ方向に相対する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、
前記複数の第1誘電体層上に形成され、一つの第1誘電体層を介して対向するように配置される第1及び第2内部電極と、
前記複数の第2誘電体層上に形成され、一つの第2誘電体層を介して対向するように配置される第3及び第4内部電極と、
前記セラミック本体の第1端面に形成され、前記第1内部電極と連結される第1外部電極と、
前記セラミック本体の第1側面に形成され、前記第2内部電極と連結される第2外部電極と、
前記セラミック本体の第2端面に形成され、前記第3内部電極と連結される第3外部電極と、
前記セラミック本体の第2側面に形成され、前記第4内部電極と連結される第4外部電極と、を含み、
前記第1誘電体層、第1及び第2内部電極は第1キャパシタ部を形成し、前記第2誘電体層、第3及び第4内部電極は第2キャパシタ部を形成し、
前記第1キャパシタ部が前記第2キャパシタ部の上部に配置されるとき、前記第1キャパシタ部の最下端には第2内部電極が配置され、前記第2キャパシタ部の最上端には前記第2内部電極と同一極性を有する第4内部電極が配置され、
前記第1キャパシタ部と前記第2キャパシタ部との間には、前記第1誘電体層の一層および前記第2誘電体層の一層より厚いバッファ層を有しない、
アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記第1内部電極は前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第1側面に引出される第2リード部を含み、前記第3内部電極は前記第2端面に引出される第3リード部を含み、前記第4内部電極は前記第2側面に引出される第4リード部を含む、請求項1に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記第1誘電体層の積層数及び前記第2誘電体層の積層数が異なる、請求項1または2に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層は異なる材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層の厚さは異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項6】
複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含む第1キャパシタ部と前記第1キャパシタ部の厚さ方向の下部に配置され、複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含む第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、
前記複合体の第1端面に形成され、前記第1内部電極と連結される第1信号電極と、
前記複合体の第1側面に形成され、前記第2内部電極と連結される第1接地電極と、
前記複合体の第2端面に形成され、前記第3内部電極と連結される第2信号電極と、
前記複合体の第2側面に形成され、前記第4内部電極と連結される第2接地電極と、を含み、
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であり、
前記第1キャパシタ部と前記第2キャパシタ部との間には、前記第1誘電体層の一層および前記第2誘電体層の一層より厚いバッファ層を有しない、
アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極と前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は一誘電体層を介して対向する、請求項6に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記第1キャパシタ部及び前記第2キャパシタ部は相互独立的に動作する、請求項6または7に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記第1キャパシタ部及び前記第2キャパシタ部は異なる容量を有する、請求項6から8のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記第1キャパシタ部の電流方向及び前記第2キャパシタ部の電流方向は反対である、請求項6から9のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記第1及び第2内部電極は一つの第1誘電体層を介して対向するように複数の第1誘電体層上に形成され、前記第3及び第4内部電極は一つの第2誘電体層を介して対向するように複数の第2誘電体層上に形成される、請求項6から10のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記第1内部電極は前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第1側面に引出される第2リード部を含み、前記第3内部電極は前記第2端面に引出される第3リード部を含み、前記第4内部電極は第2側面に引出される第4リード部を含む、請求項6から11のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項13】
バッテリーからの供給を受ける第1電源を安定化させて電力管理部に供給する第1キャパシタ部と前記第1キャパシタ部の下部に配置され、前記電力管理部で変換された第2電源の供給を受けて安定化させ、駆動電源を供給する第2キャパシタ部とが結合された六面体状の複合体と、
前記複合体の第1端面に形成され、前記バッテリーと連結されて前記第1電源を前記第1キャパシタ部に伝達する第1信号電極と、
前記複合体の第2端面に形成され、前記電力管理部と連結されて前記第2電源を前記第2キャパシタ部に伝達する第2信号電極と、
前記複合体の第1側面に形成され、第1キャパシタ部を接地するための第1接地電極と、
前記複合体の第2側面に形成され、第2キャパシタ部を接地するための第2接地電極と、を含み、
前記第1キャパシタ部は複数の第1誘電体層、第1及び第2内部電極を含み、前記第2キャパシタ部は複数の第2誘電体層、第3及び第4内部電極を含み、
前記第1内部電極は前記第1信号電極と連結され、前記第2内部電極は前記第1接地電極と連結され、前記第3内部電極は前記第2信号電極と連結され、前記第4内部電極は前記第2接地電極と連結され、
前記第1キャパシタ部の最下端の内部電極は第2内部電極であり、前記第2キャパシタ部の最上端の内部電極は第4内部電極であり、
前記第1キャパシタ部と前記第2キャパシタ部との間には、前記第1誘電体層の一層および前記第2誘電体層の一層より厚いバッファ層を有しない、
アレイ型積層セラミック電子部品。
【請求項14】
上部に3つ以上の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に設置される請求項1から13のいずれか一項に記載のアレイ型積層セラミック電子部品と、
前記電極パッドと前記アレイ型積層セラミック電子部品を連結するはんだと、を含む、アレイ型積層セラミック電子部品の実装基板。