(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-183724(P2018-183724A)
(43)【公開日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】ろ過装置および水処理システム
(51)【国際特許分類】
B01D 24/46 20060101AFI20181026BHJP
B01D 24/36 20060101ALI20181026BHJP
B01D 24/00 20060101ALI20181026BHJP
B01D 29/66 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
B01D29/38 510B
B01D29/08 510B
B01D29/08 520A
B01D29/08 540A
B01D29/38 520A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-85918(P2017-85918)
(22)【出願日】2017年4月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】中 祥彦
(72)【発明者】
【氏名】松友 伸司
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA30
4D116BA01
4D116DD01
4D116FF02A
4D116GG08
4D116GG09
4D116KK04
4D116QC04D
4D116QC29D
4D116QC32D
4D116RR05
4D116RR16
4D116VV08
4D116VV09
(57)【要約】
【課題】過不足のない流量範囲の逆洗水でろ材を逆洗することにより、逆洗工程を適正に進めることが可能なろ過装置および水処理システムを提供する。
【解決手段】ろ過装置は、ろ材に逆洗水を供給する給水手段と、ろ材に逆洗水を供給したときの通水抵抗値を検出する通水抵抗検出手段と、を備える。また、ろ過装置は、給水手段による逆洗水の流量を変化させ、この流量の変化量に対する通水抵抗値の変化量の比率である通水抵抗変化率に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定する逆洗流量設定手段を備える。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ材を逆洗水で逆洗して再生するろ過装置であって、
前記ろ材に逆洗水を供給する給水手段と、
前記ろ材に逆洗水を供給したときの通水抵抗値を検出する通水抵抗検出手段と、
前記給水手段による逆洗水の流量を変化させ、この流量の変化量に対する前記通水抵抗検出手段によって検出された通水抵抗値の変化量の比率である通水抵抗変化率に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定する逆洗流量設定手段と、を備えるろ過装置。
【請求項2】
前記逆洗流量設定手段は、前記通水抵抗変化率が所定の閾値以下となる流量範囲内の流量を、逆洗時の逆洗流量として設定する、請求項1に記載のろ過装置。
【請求項3】
前記逆洗流量設定手段は、前記通水抵抗変化率が所定の閾値以下となる流量範囲の下限流量である流動開始流量に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定する、請求項2に記載のろ過装置。
【請求項4】
前記逆洗流量設定手段は、前記流動開始流量の近傍の流量を、逆洗時の逆洗流量として設定する、請求項3に記載のろ過装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載のろ過装置が給水ライン上に設置される水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろ過装置および水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、砂ろ過装置や除鉄除マンガン装置などのろ過装置においては、通水中に捕捉された濁質成分や鉄分などが凝集してフロックを形成することから、このフロックを排出するために、ろ材床の底部から上部に向けて清浄な水を通水する逆洗工程が設けられている。この逆洗工程では、ろ材床の底部から上部に向かう水(逆洗水)の流れにより、ろ材を流動させるとともに、ろ材同士の衝突などにより、ろ材間に捕捉されたフロックやろ材自体に付着したフロックを剥離させて、ろ材の洗浄(再生)を行っている。
【0003】
この逆洗工程を適正に進めるためには、過不足のない流量範囲の逆洗水でろ材を逆洗する必要がある。すなわち、逆洗水の流量が不足する場合には、ろ材の洗浄が不十分となり、ろ材が固着され、マッドボールが形成されやすくなるなど、ろ過処理において、ろ材の性能を十全に発揮できない状態になる。逆に、逆洗水の流量が過剰な場合には、ろ材が流出する虞が高くなる。
【0004】
そこで、従来、逆洗水の温度の高低によって逆洗水の粘度が増減して、ろ材の展開のしやすさが変化することを踏まえ、逆洗水の温度に応じて逆洗水の流量を適宜増減させることにより、ろ材の展開のしやすさをなるべく一定に保つようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−24417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ろ過装置に用いられるろ材は、ロット間の粒度分布の差や経時的な肥育などによっても、逆洗水による展開のしやすさが変化する。このため、特許文献1のように逆洗水の温度に応じて逆洗水の流量を適宜増減させたとしても、ろ材を必ずしも適正に展開できない虞がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、過不足のない流量範囲の逆洗水でろ材を逆洗することにより、逆洗工程を適正に進めることが可能なろ過装置および水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ろ材を逆洗水で逆洗して再生するろ過装置であって、前記ろ材に逆洗水を供給する給水手段と、前記ろ材に逆洗水を供給したときの通水抵抗値を検出する通水抵抗検出手段と、前記給水手段による逆洗水の流量を変化させ、この流量の変化量に対する前記通水抵抗検出手段によって検出された通水抵抗値の変化量の比率である通水抵抗変化率に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定する逆洗流量設定手段と、を備えるろ過装置に関する。
【0009】
前記逆洗流量設定手段は、前記通水抵抗変化率が所定の閾値以下となる流量範囲内の流量を、逆洗時の逆洗流量として設定することが好ましい。
【0010】
また、前記逆洗流量設定手段は、前記通水抵抗変化率が所定の閾値以下となる流量範囲の下限流量である流動開始流量に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定することが好ましい。
【0011】
また、前記逆洗流量設定手段は、前記流動開始流量の近傍の流量を、逆洗時の逆洗流量として設定することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記ろ過装置が給水ライン上に設置される水処理システムに関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、過不足のない流量範囲の逆洗水でろ材を逆洗することにより、逆洗工程を適正に進めることが可能なろ過装置および水処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の第1実施形態に係る水処理システムの模式図であって、通水工程の様子を示す図である。
【
図1B】本発明の第1実施形態に係る水処理システムの模式図であって、逆洗工程の様子を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る水処理システムの砂ろ過装置の制御系を示すブロック図である。
【
図3】砂ろ過装置の逆洗時における圧力挙動の傾向を示すグラフである。
【
図4】砂ろ過装置の逆洗時における圧力挙動の実測値を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路などの流体の流通が可能なラインの総称である。
【0016】
[第1実施形態]
図1Aおよび
図1Bは、本発明の第1実施形態に係る水処理システムの模式図であって、それぞれ、通水工程および逆洗工程の様子を示す図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る水処理システムの砂ろ過装置の制御系を示すブロック図である。
図3は、砂ろ過装置の逆洗時における圧力挙動の傾向を示すグラフである。
図4は、砂ろ過装置の逆洗時における圧力挙動の実測値を例示するグラフである。
【0017】
この第1実施形態に係る水処理システム1は、井水、河川水、工業用水などの原水をろ過して処理水を生成するものであり、
図1Aおよび
図1Bに示すように、原水ポンプ2と、ろ過装置としての砂ろ過装置3と、処理水タンク4と、を主体に構成されている。また、砂ろ過装置3は、ろ材が収容されたろ過塔5と、給水手段としての逆洗水ポンプ6と、を備えている。
【0018】
ここで、原水ポンプ2とろ過塔5との間には、第1給水ラインL1が配設されている。この第1給水ラインL1には、第1制御弁V1が設けられている。また、ろ過塔5と処理水タンク4との間には、第2給水ラインL2が配設されている。この第2給水ラインL2には、第2制御弁V2が設けられている。さらに、第2給水ラインL2から分岐する形で第3給水ラインL3が配設されている。この第3給水ラインL3には、逆洗水ポンプ6および第3制御弁V3が設けられている。また、ろ過塔5には、第4給水ラインL4が配設されている。この第4給水ラインL4には、第4制御弁V4が設けられている。なお、これらの制御弁(第1制御弁V1、第2制御弁V2、第3制御弁V3、第4制御弁V4)としては、電動弁、電磁弁などを用いることができる。
【0019】
原水ポンプ2は、原水供給源(図示せず)に接続されて砂ろ過装置3の上流側に配置され、下流側に配置された砂ろ過装置3内のろ過塔5に、第1給水ラインL1経由で原水を供給する。
【0020】
砂ろ過装置3は、原水に含まれる懸濁物質を除去し、原水から処理水(懸濁物質が除去された原水)を生成する。この砂ろ過装置3は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、塔式ろ過装置を構成しており、ろ過塔5と、逆洗水ポンプ6と、を備えている。なお、第1給水ラインL1の下流端部および第4給水ラインL4の上流端部は、ろ過塔5内のろ材床の上方に位置決めされている。一方、第2給水ラインL2の上流端部は、ろ過塔5内のろ材床の下方に位置決めされている。
【0021】
さらに、砂ろ過装置3は、
図2に示すように、逆洗工程を適正に進めるための制御系として、通水抵抗検出手段としての通水抵抗検出部31と、逆洗流量設定手段としての逆洗流量設定部32と、を備えている。
【0022】
通水抵抗検出部31は、ろ材に逆洗水を供給したときの通水抵抗値を検出する。具体的には、逆洗水の通水抵抗が圧力損失となって現れるとの考えに立脚して、ろ過塔5内のろ材床の入口側(底部側)と出口側(上部側)との差圧から通水抵抗値を求める。なお、この差圧は、図示しない圧力計を用いて、
図1Bに示すように、第3給水ラインL3を流れる逆洗水の圧力P1および第4給水ラインL4を流れる逆洗水の圧力P2を測定し、両者の圧力差ΔP(=P1−P2)を算出することによって求めることができる。
【0023】
また、逆洗流量設定部32は、逆洗水の流量を所定の割合で増大させ、通水抵抗変化率に基づいて、逆洗時の逆洗流量を設定する。ここで、通水抵抗変化率とは、逆洗水の流量の変化量に対する通水抵抗値(通水抵抗検出部31の検出値)の変化量の比率(=通水抵抗値の変化量/逆洗水の流量の変化量)を意味する。
【0024】
処理水タンク4は、砂ろ過装置3の下流側に配置され、処理水を貯留する。そして、処理水タンク4は、この処理水を供給先の要求に応じて外部に供給するとともに、後述する逆洗工程において、この処理水を逆洗水として砂ろ過装置3に供給する。
【0025】
次に、この水処理システム1の処理工程について説明する。この処理工程には、主に、砂ろ過装置3で原水をろ過して処理水を生成するための通水工程と、砂ろ過装置3のろ過塔5内のろ材を逆洗水で逆洗して再生するための逆洗工程と、が含まれる。
【0026】
まず、通水工程では、
図1Aに示すように、第1制御弁V1および第2制御弁V2が開いているとともに、第3制御弁V3および第4制御弁V4が閉じている状態で、原水ポンプ2が駆動される。すると、原水供給源から原水が第1給水ラインL1を通ってろ過塔5内のろ材床の上方に供給される。そして、この原水がろ過塔5内のろ材床を上部から底部へ通過するときにろ過されて、処理水が生成される。その後、この処理水が第2給水ラインL2を通って処理水タンク4に供給される。
【0027】
また、逆洗工程では、
図1Bに示すように、第1制御弁V1および第2制御弁V2が閉じているとともに、第3制御弁V3および第4制御弁V4が開いている状態で、逆洗水ポンプ6が駆動される。すると、処理水タンク4から処理水が第3給水ラインL3を通ってろ過塔5内のろ材床の下方に供給される。そして、この処理水が逆洗水としてろ過塔5内のろ材床を底部から上部へ通過するときに、ろ材を逆洗して再生する。その後、この処理水(逆洗水)が第4給水ラインL4を通って排出される。
【0028】
このような逆洗工程において、逆洗水の流量を増大させたとき、ろ過塔5内のろ材床の入口側(底部側)と出口側(上部側)との差圧がどのように変化するかについては、
図3に示すように、S字カーブを描きつつ単調に増加するものと予想される。なお、
図3のグラフにおいて、横軸は逆洗水の線速度(逆洗水の流量に相当)を表し、縦軸はろ材床の入口側と出口側との差圧を表す。
【0029】
すなわち、初期の静止層では、ろ過塔5内のろ材が展開しないため、逆洗水の流量にほぼ比例して差圧が増大する。その後、逆洗水の流量が増大すると、流動層に移行し、ろ材が逆洗水に持ち上げられて展開するため、逆洗水の流量が増大しても、差圧がほとんど増大しない。その結果、差圧の変化が緩やかになる。つまり、流量の変化量に対する差圧の変化量の比率(
図3のグラフの傾き)を差圧変化率とすると、流動層における差圧変化率は、静止層における差圧変化率より小さくなる。その後、逆洗水の流量をさらに増大させると、スラッギングが発生して、差圧の変化がやや急になる。ここで、流動層に移行してからスラッギングが発生する前までの領域が、理想的な逆洗領域になる。
【0030】
実際、水温17.5℃の条件下で、2個のカラム(カラム1、カラム2)を用いて、ろ材(平均粒径0.5mm)を展開するのに必要な差圧を実験(カラム実験)で確認した。なお、ろ材床の長さは約1000mm、ろ材床の体積は約2Lとした。その結果、カラム1、カラム2のいずれについても、
図4に示すように、上述した予想どおりの圧力挙動を示した。
図4のグラフにおいて、横軸はカラム中の逆洗水の線速度(単位:m/h)を表し、縦軸はろ材床の入口側と出口側との差圧(単位:kPa)を表す。
【0031】
そこで、砂ろ過装置3の逆洗流量設定部32は、ろ過塔5内のろ材を逆洗する際に、流動開始流量に基づいて逆洗流量を設定する。より具体的に、逆洗流量設定部32は、流動開始流量の近傍の流量を逆洗流量として設定する。ここで、流動開始流量とは、差圧変化率が所定の閾値以下となる流量範囲の下限(
図3に示すF1)における逆洗水の流量を意味する。また、流動開始流量の近傍の流量とは、流動開始流量よりも僅かに多い流量を意味する。流動開始流量の近傍の流量は、流動開始流量に所定の係数を乗じることによって求めてもよく、流動開始流量に所定の流量を加算することによって求めてもよい。
【0032】
その結果、砂ろ過装置3において、過不足のない流量範囲の逆洗水でろ過塔5内のろ材を逆洗することにより、逆洗工程を適正に進めることができる。したがって、逆洗水の流量が不足することに起因する不都合(ろ材の性能を十全に発揮できないこと)も、逆洗水の流量が過剰であることに起因する不都合(ろ材が流出する虞が高くなること)も、その発生を未然に防止することか可能となる。
【0033】
しかも、逆洗水の流量が流動開始流量に基づいて設定されるため、逆洗水の流量を簡易に設定することができる。また、逆洗水の流量が流動開始流量より大きくなるため、流動開始流量を決定する差圧の算出に誤差があっても、ろ過塔5内のろ材が展開している状態を確保することができる。
【0034】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0035】
例えば、上述した第1実施形態では、水処理システム1の逆洗工程において、処理水を逆洗水として用いる場合について説明した。しかし、処理水と同等以上の品質を持つ清浄水を逆洗水として代用または併用することもできる。
【0036】
また、上述した第1実施形態では、水処理システム1の逆洗工程において、流動開始流量の近傍の流量を逆洗流量として設定する場合について説明した。しかし、必ずしも流動開始流量の近傍の流量を逆洗流量として設定する必要はなく、差圧変化率が所定の閾値以下となる流量範囲内の任意の流量を逆洗流量として設定しても構わない。
【0037】
また、上述した第1実施形態では、水処理システム1の逆洗工程において、逆洗水の流量を増大させて流動開始流量を決定する場合について説明した。この逆洗水の流量を増大させる動作は、必ずしも流量ゼロから始める必要はなく、流動開始流量より少ないことが予め分かっている流量から始めてもよい。
【0038】
また、上述した第1実施形態では、水処理システム1の逆洗工程において、差圧変化率(すなわち、流量の変化量に対する差圧の変化量の比率)に着目して逆洗流量を設定する場合について説明した。しかし、例えば、逆洗流量が時間に比例して増えるように制御することにより、時間に対する差圧の変化量の比率(差圧の変化速度)を代用することも可能である。
【0039】
また、上述した第1実施形態では、ろ材を逆洗する際に、逆洗水の通水抵抗が圧力損失となって現れるとの考えに立脚して、ろ材床の入口側と出口側との差圧から通水抵抗値を求める場合について説明した。しかし、ろ材床の入口側と出口側との差圧に限らず、何らかの手法で通水抵抗値を求めるようにすればよい。例えば、ろ材床の入口側の圧力のみで代用することも可能である。この場合、逆洗時の逆洗流量として設定するときに、差圧変化率に代えて通水抵抗変化率(すなわち、流量の変化量に対する通水抵抗値の変化量の比率)を用いることにより、差圧変化率を用いる場合と同様に、過不足のない流量範囲の逆洗水でろ過塔5内のろ材を逆洗して、逆洗工程を適正に進めることができる。
【0040】
また、上述した第1実施形態では、ろ過装置が砂ろ過装置3である場合について説明した。しかし、ろ材を逆洗水で逆洗して再生するものである限り、その他のろ過装置(例えば、除鉄除マンガン装置、活性炭ろ過装置など)にも、本発明を同様に適用することができる。
【0041】
また、上述した第1実施形態では、ろ過装置としての砂ろ過装置3が1台だけ設置された水処理システム1について説明した。しかし、複数(同種であると異種であるとを問わず)のろ過装置が設置された水処理システム(図示せず)に本発明を同様に適用することも可能である。
【0042】
さらに、本発明は、これを単独で用いてもよく、また、逆洗水の温度に応じて逆洗流量を適宜増減させる従来の技術と組み合わせて使用しても構わない。
【符号の説明】
【0043】
1……水処理システム
2……原水ポンプ
3……砂ろ過装置(ろ過装置)
4……処理水タンク
5……ろ過塔
6……逆洗水ポンプ(給水手段)
31……通水抵抗検出部(通水抵抗検出手段)
32……逆洗流量設定部(逆洗流量設定手段)
L1……第1給水ライン
L2……第2給水ライン
L3……第3給水ライン
L4……第4給水ライン