(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-184426(P2018-184426A)
(43)【公開日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】保湿化粧剤としてのアルキルオキサゾリジノンの使用及び皮膚の保湿方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20181026BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-129479(P2018-129479)
(22)【出願日】2018年7月6日
(62)【分割の表示】特願2016-130422(P2016-130422)の分割
【原出願日】2007年11月14日
(31)【優先権主張番号】0654933
(32)【優先日】2006年11月16日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】502189579
【氏名又は名称】エルブイエムエイチ レシェルシェ
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 行一
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(72)【発明者】
【氏名】シャンタル クーアファースト
(72)【発明者】
【氏名】ベアトリス ボーフレール
(72)【発明者】
【氏名】ブリジット ノエ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB031
4C083AB032
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC681
4C083AC682
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD092
4C083AD491
4C083AD492
4C083CC02
4C083CC03
4C083CC05
4C083DD31
4C083EE12
4C083EE13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保湿効果を有し、かつべとつきが少ない化粧品組成物の提供。
【解決手段】下記化学式で示す4−アルキルオキサゾリジン−2−オンの、保湿化粧品組成物製造用の保湿化粧剤としての使用。
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式:
【化1】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンの、保湿化粧品組成物の製造用の保湿化粧剤としての使用。
【請求項2】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは4−デシルオキサゾリジン−2−オンであり、前記置換基Rは直鎖デシル基である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、最終化粧品組成物の0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に好ましくは1重量%〜5重量%の濃度で前記化粧品組成物に含まれている、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記化粧品組成物が脂肪相を含む場合、特にエマルジョンの形態である場合、前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オン、特に4−デシルオキサゾリジン−2−オンは前記脂肪相に含まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記化粧品組成物は、組成物の保湿特性を向上させるための他の化粧剤若しくは有効成分(グリセリン、尿素等)、又はケラチノサイト分化促進剤(エクジステロイド(特にエクジステロン及びターケステロン)等)、又はそれを含有する植物抽出物(シアノチスアラクノイデア(Cyanotis arachnoidea)又はアジュガツルケスタニカ(Ajuga turkestanica)の抽出物等)の有効量を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
皮膚への保湿効果を得るための化粧ケアの方法であって、水分補給が必要とされる少なくとも1つの皮膚領域を選び、水分補給が必要とされる前記皮膚領域に、保湿化粧剤として、保湿有効量の下記化学式:
【化2】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンを塗布することを含む方法。
【請求項7】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは4−デシルオキサゾリジン−2−オンであり、前記置換基Rは直鎖デシル基である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、最終化粧品組成物の0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に好ましくは1重量%〜5重量%の濃度で前記化粧品組成物に含まれている、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記化粧品組成物が脂肪相を含む場合、特にエマルジョンの形態である場合、前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オン、特に4−デシルオキサゾリジン−2−オンは前記脂肪相に含まれている、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記化粧品組成物は、組成物の保湿特性を向上させるための他の化粧剤若しくは有効成分(グリセリン、尿素等)、又はケラチノサイト分化促進剤(エクジステロイド(特にエクジステロン及びターケステロン)等)、又はそれを含有する植物抽出物(シアノチスアラクノイデア(Cyanotis arachnoidea)又はアジュガツルケスタニカ(Ajuga turkestanica)の抽出物等)の有効量を含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、基本的に、保湿作用を有する化粧品組成物の製造用の化粧剤又は化粧品有効成分としての、4−アルキルオキサゾリジン−2−オン、特に4−デシルオキサゾリジン−2−オンの新規用途に関する。
【0002】
4−アルキルオキサゾリジン−2−オン分子は当業者に知られている。
【0003】
そのいくつかは、特にJournal of Organic Chemistry,1967,32(1),p.75−78に発表されたトマス A.フォグリア(Thomas A.Foglia)らによる論文に記載されている。また、特許文献である米国特許第4960771号明細書には、人又は動物の治療用組成物に含有される有効成分の経皮浸透促進剤として4−デシルオキサゾリジン−2−オンを使用することが記載されている。
【0004】
特許文献である国際公開第9633706号パンフレットによれば、この分子は局所麻酔薬に関連して麻酔医薬組成物にも使用されてきた。
【0005】
本発明の主な目的の1つは、保湿効果を有する新規の化粧剤であって、それが含まれている局所使用の化粧品組成物に、上記組成物が塗布された皮膚(特に顔の皮膚)における保湿特性を付与し、かつ非常に良好な生体適合性を示す化粧剤を提供することである。
【0006】
本発明の別の主な目的は、保湿効果を有する新規の化粧剤又は新規の化粧品有効成分であって、それが含まれている組成物の化粧品の諸特性(特に、その感触及びすべすべ感)を向上させることを同時に行うことができ、しかもそれによって、塗布する際に組成物がべとつくことがないようにする、化粧剤又は化粧品有効成分を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様において、本発明は、保湿化粧品組成物の製造用の保湿化粧剤としての、下記化学式:
【化1】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンの使用に関する。
【0008】
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて、アルキレン基とは、少なくとも1個の炭素−炭素不飽和結合、特に1個、2個又は3個の不飽和結合を有するアルキレンを意味する。
【0009】
驚くべきことに、本発明の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは顕著な保湿効果を有することが実際に見出された。さらに、それらが化粧品組成物に含まれていると、その組成物には、効果的な保湿特性が付与されるとともに、それによってべとつきが生じることもなく、化粧品に大いに求められているすばらしい感触やすべすべ感等の特に有用な他の化粧品の特性も付与される。
【0010】
言い換えれば、こうした物質はすばらしい保湿力を有するが、脂肪性物質の多くに通常伴う欠点がない。
【0011】
本発明の好ましい一実施形態において、上記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、上記置換基Rが直鎖デシル基である4−デシルオキサゾリジン−2−オンである。
【0012】
本発明の別の好ましい実施形態において、この物質は、最終化粧品組成物の0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に好ましくは1重量%〜5重量%の濃度で含まれている。「最終化粧品組成物」は、使用可能な状態にある化粧品組成物を意味するものと解釈される。
【0013】
言うまでもなく、この物質は、スキンケア向けの化粧品組成物の製造のために組み入れられる、化粧品成分として許容される他の種々の成分を伴っていてもよい。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記化粧品組成物が脂肪相を含む場合、特にそれがエマルジョン形態である場合、4−アルキルオキサゾリジン−2−オン、特に4−デシルオキサゾリジン−2−オンはその脂肪相に含まれている。
【0015】
有利なことに、組成物の保湿特性を向上させるための他の化粧剤若しくは有効成分(グリセリン、尿素等)、又はケラチノサイト分化促進剤(エクジステロイド(特にエクジステロン及びターケステロン)等)、又はそれを含有する植物抽出物(シアノチスアラクノイデア(Cyanotis arachnoidea)又はアジュガツルケスタニカ(Ajuga turkestanica)の抽出物等)の有効量を上記化粧品組成物に含有させることも可能である。さらに、他の化粧品用活性剤、例えば、アルファ−ヒドロキシ酸(特にC2〜C12のもの、例えば、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、リンゴ酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸)、ビタミンA(好ましくはエステルの形態)、ピロリドンカルボン酸、糖(キシロース等)、ビタミンB5、及びシロバナルピナス(Lupinus albus)の抽出物を添加することも可能である。
【0016】
さらに、当業者には容易に理解できることであるが、上記化粧品組成物の製造には、化粧品成分として許容される任意の賦形剤、特に(当然だが)、脂肪相の生成及び水相や安定したエマルジョンの生成を可能にする、化粧品成分として許容される賦形剤又は物質を添加することが可能である。さらに、当然のことであるが、種々の保存料、香料等を添加することが可能である。
【0017】
第2の態様において、本発明は、皮膚への保湿効果を得るための化粧ケアの方法であって、水分補給が必要とされる少なくとも1つの皮膚領域を選び、水分補給が必要とされるその皮膚領域に、保湿化粧剤として、保湿有効量の下記化学式:
【化2】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子、好ましくは4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンを塗布することを含む方法に関する。
【0018】
「保湿有効量」という用語は、皮膚への保湿効果を与えるのに有効な量を意味する。そのような保湿効果の観察又は決定方法は当業者によく知られている。
【0019】
当業者は、保湿が必要とされる皮膚領域を正確に選ぶことができる。概して、それらは、太陽放射に最も曝されるか又は環境(気候の変化、低湿度、摩擦等)に最も敏感な皮膚領域、主に顔及び上下肢である。
【0020】
特定の一形態において、この化粧ケアは皮膚を保湿するためのものとなる。
【0021】
上述の本発明の特定の実施形態が化粧ケアの方法に同様に適用できることは明らかである。
【0022】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、本発明の現在の好ましい実施形態に関する以下の記載から明らかになるであろう。以下の記載は単なる例示目的のものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。実施例及び比較例では、特に断らない限り、パーセンテージは重量パーセントで示してあり、温度は室温であるか又はセルシウス度で示してあり、圧力は大気圧である。
【0023】
下記実施例1は、本発明にとって不可欠の部分をなすものであり、従来技術と比べて新規と思われるいずれの特徴も、そのようなものとして又は一般的手段として特許請求の範囲に記載されている。
【0024】
実施例1(保湿効果を有するクリーム形態の本発明の化粧品組成物):
保湿効果を有するクリーム形態の化粧品組成物は下記原料(重量パーセントで示されている。)から製造する。
1)油相A
a)水添ポリイソブテン: 14.5
b)カプリル酸トリグリセリド: 6.0
c)セテアリルエチルヘキサノエート: 3.9
d)ステアレス−21: 2.2
e)パルミチン酸セチル: 1.6
f)ステアリン酸グリセリル: 1.5
g)ステアリン酸: 1.4
h)95%セチルアルコール: 1.0
i)98%ステアリルアルコール: 1.0
j)ステアレス−2: 0.8
k)4−デシルオキサゾリジン−2−オン: 2.0
2)水相B
a)フェノキシエタノール(又はフェノキセトール): 0.70
b)カルボマー(カーボポール(Carbopol)(登録商標)940): 0.20
c)精製水: 62.40
3)中和用水相C
10重量%水酸化ナトリウム溶液: 0.65
4)香料相D
香料濃縮物: 0.15
合計: 100.00
【0025】
エマルジョン形態のこの化粧品組成物は次のように製造する。
a)まず、水相Bを、フェノキセトールを精製水と混合し、85℃まで加熱した後、25℃まで冷却し、その後、撹拌しながらカルボマー(例えばカーボポール(Carbopol)(登録商標)940)等のゲル化剤を添加することによって製造する。
この水相Bを再び85℃まで加熱する。
b)油相Aを、化粧品用活性剤である4−デシルオキサゾリジン−2−オンを除く上記1)の油相の原料のすべてを混合することによって別途調製する。この混合物を85℃まで加熱して均質な油相を得、その後、本発明の化粧品用活性剤である4−デシルオキサゾリジン−2−オンを添加する。
c)その後、撹拌しながら水相Bを油相Aに添加する。その際のこれら2相の温度は約85℃である。
d)この混合物を数分間放置して冷却し、温度が約70℃まで低下したら、中和用水相C(10%水酸化ナトリウム溶液からなる。)を添加する。
e)得られたエマルジョンを放置してさらに冷却し、温度が約35℃まで低下したら、撹拌下、相Dの香料濃縮物を添加する。
【0026】
このようにして得られた化粧品組成物はそれ自体で販売できる。そこで、これを用いて実施例3に記載のように保湿効果を測定する。
【0027】
比較例2:
本発明の化粧品用活性剤である4−デシルオキサゾリジン−2−オンを添加しないこと以外は、本発明の実施例1の組成物の調製に関して記載したものと同じ原料及び同じ相を使用する。すなわち、ここでは化粧品用活性剤の比率は0%であり、この活性剤が存在しない分をさらに2%の水添ポリイソブテンを添加して補う。ここでは、このように水添ポリイソブテンを用いて不足を埋め合わせるので、水添ポリイソブテンの濃度は実施例1の14.5%ではなく16.5%になる。
【0028】
このように、有効成分(この比較用組成物に存在しない。)を添加する特別のステップがないことを除けば、この組成物の調製は実施例1の調製と同じである。
【0029】
実施例3(比較例2の比較用組成物と比較した、本発明の実施例1の有効成分である4−デシルオキサゾリジン−2−オンの保湿効果の測定試験):
本発明の活性物質である4−デシルオキサゾリジン−2−オンの保湿力をコルネオメトリーによって測定し、該活性物質が含まれている本発明の実施例1の組成物を、該活性物質が含まれていない比較例2の比較用(「対照」)組成物と比較した。
【0030】
コルネオメーターは、皮膚の水分量の変化による静電容量の変化を測定する装置である。
【0031】
2本の電極で構成されるプローブによって皮膚の表面に電場を形成する。電極/皮膚系の静電容量は、プローブと接触している生体媒質の誘電率の変化の影響を受ける。皮膚の水分補給が多くなるほど誘電率が高くなる。静電容量の変化は任意単位(arbitrary unit)で表される。
【0032】
電気的性質の測定は、European Group for Efficacy Measurements on Cosmetics and Other Topical Products(EEMCO)名義の、E.ベラーデスカ(E.Berardesca)による論文、“EEMCO Guidance for the Assessment of Stratum Corneum Hydration:Electrical Methods”,Skin Research and Technology,1997,vol.3,p.126−132に記載されているように、皮膚の水分補給の変化を測定する客観的方法として認められている。
【0033】
6人の健常者の前腕内側に25センチメートル平方の3つの皮膚領域を設定した。本発明の組成物及び対照の比較用組成物を各々、設定された3つの領域の1つに2mg/cm
2の割合で塗布した(上記領域の配分はランダムに行った)。第3の領域は未処理のままにして対照とする。皮膚の水分補給レベルを、Courage+Khazaka社(ドイツ)から販売されているコルネオメーター(CM820)を用いて測定した。測定は、この2種の組成物を塗布する前、並びに塗布してから2時間後及び6時間後に行う。水分補給のパーセント変化を塗布前の未処理の対照領域を基準にして示す。
【0035】
統計的解析によると、2種の組成物間に見られた全体的な差は有意である(p=0.02)。
【0036】
本発明の化粧品用活性剤である4−アルキルオキサゾリジン−2−オンを含有する組成物は比較用組成物と比べて顕著な保湿効果を有することが上記結果から分かる。すなわち、本発明の組成物は、上述のように、水分補給が必要として予め選択された皮膚領域に塗布し、それによって上述の化粧ケアの方法を実施することができる。
【手続補正書】
【提出日】2018年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式:
【化1】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンからなる皮膚保湿用化粧剤。
【請求項2】
前記置換基Rは、4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される、請求項1に記載の化粧剤。
【請求項3】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは4−デシルオキサゾリジン−2−オンであり、前記置換基Rは直鎖デシル基である、請求項1又は2に記載の化粧剤。
【請求項4】
下記化学式:
【化2】
[式中、置換基Rは、4個〜24個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜24個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される。]
の4−アルキルオキサゾリジン−2−オンを有効成分として含有する皮膚保湿用化粧品組成物。
【請求項5】
前記置換基Rは、4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は4個〜18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基から選択される、請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは4−デシルオキサゾリジン−2−オンであり、前記置換基Rは直鎖デシル基である、請求項4又は5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、最終化粧品組成物の0.05重量%〜10重量%の濃度で前記化粧品組成物に含まれている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、最終化粧品組成物の0.5重量%〜10重量%の濃度で前記化粧品組成物に含まれている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは、最終化粧品組成物の1重量%〜5重量%の濃度で前記化粧品組成物に含まれている、請求項4〜8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記化粧品組成物は脂肪相を含み、前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは前記脂肪相に含まれている、請求項4〜9のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記化粧品組成物は、脂肪相を有するエマルジョンの形態であり、前記4−アルキルオキサゾリジン−2−オンは前記脂肪相に含まれている、請求項4〜10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
前記エマルジョンは、中和された水相を有する、請求項11に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
前記水相は、水酸化ナトリウム溶液の添加によって中和されている、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記脂肪相は水添ポリイソブテンを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記化粧品組成物は14.5重量%の水添ポリイソブテンを含む、請求項14に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
組成物の保湿特性を向上させるためのさらなる化粧剤若しくは有効成分、又はケラチノサイト分化促進剤、又はケラチノサイト分化促進剤を含有する植物抽出物を含む、請求項4〜15のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
前記植物抽出物としてシアノチスアラクノイデア(Cyanotis arachnoidea)又はアジュガツルケスタニカ(Ajuga turkestanica)の抽出物を含む、請求項16に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
組成物の保湿特性を向上させるためのさらなる化粧剤又は有効成分としてグリセリン又は尿素を含む、請求項16又は17に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
ケラチノサイト分化促進剤としてエクジステロン又はターケステロンを含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【外国語明細書】