【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明は、眼鏡形状の外見を有する人間工学的光学シースルーヘッドマウントディスプレイ(OST−HMD)デバイスと、そのようなディスプレイデバイスにおける光学ビューイングデバイスとしての使用のための自由形状光学システムとに関係する。OST−HMDにおける光学ビューイングデバイスは、概して、表示された仮想画像を眺めるための光学経路と、現実世界のシーンを直接眺めるためのシースルー経路とから成る。本発明において、仮想画像経路は、ディスプレイ内容を供給するための小型の画像ディスプレイユニットと、人間工学的に成形されたディスプレイビューイングオプティクスとを含み、そのディスプレイビューイングオプティクスを通してユーザーは、表示された内容の拡大された画像を眺める。ディスプレイビューイングオプティクスは、複数の自由形状屈折および反射表面を含む、光を導くデバイス(これ以後自由形状導波路プリズムと呼ばれる)を含む。ディスプレイビューイングオプティクスは、画像ディスプレイデバイスからの光を導波路プリズム内に適切に注入するために、追加の連結オプティクスも含み得る。自由形状表面および連結オプティクスの位置および形は、眺める人が、表示された内容の澄んだ拡大された画像を見ることができるように設計される。ヘッドマウントディスプレイデバイスのシースルー経路は、導波路プリズムと、プリズムの外側表面に取り付けられた自由形状シースルー補償レンズとから成る。複数の自由形状屈折表面を含むシースルー補償レンズは、非常に広いシースルー視野にわたった周囲の環境の適切な眺めを可能にする。導波路プリズムおよびシースルー補償レンズは、ヒトの頭の人間工学的因子に人間工学的に適合するように適切に設計され、軽量、コンパクト、かつシースルーのディスプレイシステムのラップアラウンド型の設計を可能にし、そのディスプレイシステムは、眼鏡形状の外見、広いシースルー視野、および優れた光学性能を有する。
【0008】
本発明の局面の1つにおいて、本発明は、人間工学的ヘッドマウントディスプレイデバイスにおける光学ビューイングデバイスとしての使用のための自由形状光学システムの種々の実施形態を提供する。本発明における自由形状光学システムは、ヒトの頭の人間工学的因子に適合する人間工学的に成形されたビューイングオプティクスを提供するように最適化され、ビューイングオプティクスが、ヒトの顔を取り囲む形であること、および先行技術のHMDデバイスにおけるヘルメットのような外見の代わりに、眼鏡のような外見を提示することを可能にする。本発明は、シースルー性能も提供し、ユーザーが、ビューイングオプティクスを通した周囲の環境および画像ディスプレイデバイスにおける表示された内容を眺めることを可能にする。本発明は、仮想の眺めのFOVよりもかなり大きくあり得るシースルーFOVを提供する。
【0009】
本発明において、OST−HMDデバイスの仮想画像経路は、ディスプレイ内容を供給するための小型の画像ディスプレイユニットと、人間工学的に成形されたディスプレイビューイングオプティクスとを含み、そのディスプレイビューイングオプティクスを通してユーザーは、表示された内容の拡大された画像を眺める。ディスプレイビューイングオプティクスは、複数の自由形状屈折および反射表面を含む自由形状導波路プリズムを含み、追加の連結オプティクスも含み得る。導波路プリズムは、小型の画像ディスプレイデバイスにおける画像を拡大する、目の近くのビューイングオプティクスとして役立つ。画像ディスプレイユニットから放射される光線は、プリズムの第一の屈折表面を通って導波路プリズム内に注入される。光線は、ディスプレイデバイスから直接または連結レンズの一群を通してプリズム内へ注入され得る。注入された光線は、複数の反射(概して3つ以上)によって導波路プリズムを通って伝搬し、それから、プリズムの第二の屈折表面を通ってプリズムから外へつながれる。出て行く光線は、伝搬し続け、ユーザーが仮想内容を眺めるために自身の目を置くシステムの射出瞳に到達する。光が導波路プリズムを通って伝搬するとき、反射表面上の全反射(TIR)条件が満足される場合、反射を通る光の損失は、最小である。したがって、反射のすべてがTIR条件を満足することが所望されるが、厳しく要求されるわけではない。しかし、反射表面のうちのいくつかにおいてTIR条件を妥協することによって導波路プリズムの薄い設計を達成することも非常に望ましい。デバイスの指定されたシースルーFOVの内側に位置する反射表面について、TIR条件が満足されない場合、半透明コーティングが、光学シースルー性能を促進しながら、小型のディスプレイユニットからの十分な光が、射出瞳に到達しかつ鮮明な画像を生成することを保証するために、それらの表面に塗布される。デバイスのシースルーFOVの外側の反射表面について、TIR条件が満足されない場合、高反射ミラーコーティングが、光損失を最小にするために表面に塗布され得る。本発明において、小型の画像ディスプレイユニットは、画像源として役立ち得る任意のタイプの自己放射または照明された画素アレイであり得、シリコン上液晶(LCoS)ディスプレイデバイス、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、シリコン上強誘電性液晶(FLCoS)デバイス、デジタルミラーデバイス(DMD)、またはこれら前記または他のタイプのマイクロディスプレイデバイスを基礎としたマイクロプロジェクターを含むが、これらに制限されない。
【0010】
本発明において、ヘッドマウントディスプレイデバイスのシースルー経路は、自由形状導波路プリズムと、自由形状シースルー補償レンズとから成る。補償レンズは、プリズムによって引き起こされる光線シフトおよびひずみを打ち消すため、および現実世界のシーンの澄んだシースルーの眺めを維持するために、導波路プリズムの物理的外側表面に取り付けられる。複数(概して2以上)の自由形状屈折表面を含む補償レンズは、非常に広い視野にわたった周囲の環境の適切な眺めを可能にする。補償レンズの表面は、レンズがプリズムと結合される場合に現実世界のシーンからの光線に導入されるシフトおよびひずみを最小にするように最適化される。導波路プリズムの取り付けられた表面上の反射が、仮想画像ディスプレイ経路においてTIR条件を満足する場合、導波路プリズムと補償レンズとの間の小さなエアギャップを維持することが必要である。
【0011】
本発明において、複数の反射は、導波路プリズムの幅が平均のヒトの頭の幅とぴったりと合うように光路長を延長するために利用される。長い光路は、導波路プリズムの設計を人間工学的形にすることを容易にすること、および大きなシースルーFOVを維持することを可能にする。プリズムの長い光路は、画像ディスプレイユニットをディスプレイフレームの側面に移動させることも可能にし、それは、HMDシステムの前方重量を減らし、かつシステムの人間工学的適合を向上させる。そのうえ、導波路プリズム(および光学ビューイングデバイス全体として)の形は、最適な人間工学的適合のために、ヒトの頭の普通のカーブとほぼ同じであるように設計され得る。たとえば、発明者らの実施形態のいくつかにおけるプリズムの形は、一対の8ベースカーブ眼鏡の曲率とほぼ同じであるように曲げられ、他のいくつかの実施形態におけるプリズムの形は、一対の4ベースカーブ眼鏡の形状因子にほぼ従う。そのうえ、導波路プリズムおよび補償レンズの全体の厚さは、薄いオプティクスプロファイル(概して30mmより小さい)を達成するように意図的に制御される。全体として、意図的に制御されたプリズムの形、長い光路、およびオプティクス厚さが、ヒトの頭との人間工学的適合および魅力的な眼鏡のような外見を提供する光学シースルーHMDのラップアラウンド型の設計を可能にする。
【0012】
本発明の別の重要な局面は、非常に広いシースルー視野(概して、仮想ディスプレイのFOVよりはるかに大きい)を提供する能力である。本発明において、この能力は、いくつかのメカニズム(例えば、画像ディスプレイデバイスを頭の側面に移動させることにより導波路プリズムの澄んだ光学アパーチャを広げ、導波路プリズムおよび補償レンズ上の自由形状表面を意図的に制御することにより光線シフトおよびひずみを補正し、かつ大きいFOVにわたった高いシースルー性能を保証すること)によって可能にされる。本発明の実施形態のいくつかにおいて、シースルーFOVは、水平方向において120度および垂直方向において80度ほど大きく広がる。本発明のシースルーFOVは、ヒトの目の視野に合うように広げられ得る。
【0013】
ヒトの頭の幅または曲率と合せること、および大きいシースルーFOVを達成することのための長い光路要求のために、画像ディスプレイデバイス上の同じ点からの光線は、導波路プリズムの内側で少なくとも一度交差し、光線交差点はうまく形成されなくてもよいが、それは、仮想ディスプレイの中間画像が導波路の内側に形成されていることを示す。
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
少なくとも3つの物理的表面を含む自由形状導波路プリズムであって、該物理的表面の各々は、該物理的表面上に配置された複数の反射および屈折自由形状光学表面を含み、該物理的表面の内部空間は、1より大きい指数(n)を有する屈折媒質によって充填され、該複数の反射表面は、該導波路が眼鏡の形に適合されることを可能にするように光路長を折り曲げて延長し、該眼鏡の形は、画像ディスプレイユニットが頭の側面に置かれることを可能にし、かつ、前方にまっすぐな眺めに対してこめかみ方向に90°および鼻方向に60°までと、前方にまっすぐな眺めに対して上および下に60°までとの広いシースルー視野を可能にし、内側および外側表面は、眼鏡形状因子および最大厚さに適合する制約内で設計され、該複数の自由形状反射表面は、画像をゆがめることなしに光をユーザーの瞳孔へ導き、
該物理的および光学表面は、
a.該ユーザーの該瞳孔に向いて配置された物理的内側表面115であって、該物理的内側表面は、眼鏡形状因子のための事前指定された曲がった表面とほぼ同じであるように制約され、該内側表面は、最小量のひずみを有する画像を該ユーザーの眼球へ反射するように最適化された複数の自由形状反射表面と、少なくとも1つの屈折表面とを含む、物理的内側表面115と、
b.外部シーンに向いて配置された物理的外側表面125であって、該物理的外側表面は、最小量のひずみを有する画像を該ユーザーの該瞳孔へ反射するように最適化された複数の自由形状反射表面を含み、該物理的外側表面は、すべての点において該内側表面からの最大距離以内にあり、該物理的外側表面は、少なくとも1つの屈折表面を含むことにより、該外部シーンからの光が、該導波路を通過して該ユーザーの該眼球に到達することを可能にする、物理的外側表面125と、
c.画像ディスプレイユニットからの光が該導波路に入るための屈折表面を必要に応じて含む物理的縁表面120と、
d.該物理的表面のうちの1つに配置された、画像ディスプレイユニットからの光が該導波路に入ることを可能にする屈折入力表面130と、
e.該ユーザーの該瞳孔の近くで該物理的内側表面に配置された、光が該導波路から出ることを可能にする屈折出力表面135と、
f.該物理的内側および外側表面に配置された複数の3つ以上の自由形状反射表面であって、各反射は、全反射基準を満足すること、または半透明な部分的に反射するコーティングを該導波路の該表面に塗布することのどちらかによって生成され、これらの反射は、最小のひずみを有する該光を該プリズムの該内部に沿って導くように最適化され、該複数の反射は、該プリズムが、広いシースルー視野および該ヒトの頭に適合することに適したサイズを可能にするように該光路長を延長する、自由形状反射表面と
を含み、
画像ディスプレイユニット105からの光140は、第一の屈折表面130を通って該導波路に入り、
該光140は、該第一の屈折表面130から該第二の屈折表面135まで、該複数の反射表面上の複数の反射を含む該導波路に沿った経路145をたどり、各反射は、全反射の条件を満足すること、または半透明コーティングが該表面に塗布されていることのどちらかによって生成され、
光140は、該第二の屈折表面135を通過し、該第二の屈折表面135を越えた場所に、該ユーザーは、該画像を眺めるために自身の瞳孔150を置き、
現実世界のシーンからの光198は、該瞳孔150に到達する前に、該導波路100の該物理的外側表面125および該導波路の該物理的内側表面115を通って屈折させられ、該導波路を通した該シースルー視野は、こめかみ方向に90°、鼻方向に60°、前方にまっすぐな眺めの上および下に60°に及ぶ、
自由形状導波路プリズム。
(項目2)
前記複数の反射は、該導波路が、瞳孔からこめかみまで、25mmより大きい幅を有するように前記光路長を延長する、項目1に記載の導波路。
(項目3)
前記内側表面における制約は、
a.平均のヒトの頭の形とほぼ同じである曲がった第一の基準表面230であって、前記内側表面は、該第一の基準表面の外側にあるように制約される、曲がった第一の基準表面230と、
b.前記導波路がユーザーの顔から突き出る限界を制限する第二の基準表面240であって、該内側表面は、該第二の基準表面の内側にあるように制約される、第二の基準表面240と、
c.該内側物理的表面115と外側物理的表面225との間の最大距離と、
d.水平の寸法における瞳孔からこめかみまでの前記プリズムの幅244における上限および下限であって、それによって、該プリズムは、前記頭の前記側面に到達し、上位の限界290aによって設定される指定されたシースルー視野を生み出すのに十分に広いが、該頭の該側面の向こうに突き出しすぎない、プリズムの幅244における上限および下限と、
e.水平の寸法における瞳孔から鼻までの該プリズムの幅246における上限および下限であって、それによって、該プリズムは、下位の限界290bによって設定される該指定されたシースルー視野を生み出すのに十分に広いが、鼻梁と抵触しない、プリズムの幅246における上限および下限と、
f.垂直の寸法における瞳孔からの該プリズムの高さにおける下限であって、それによって、該プリズムは、上位の限界290cまたは下位の限界290dによって設定される該指定されたシースルー視野を生み出すのに十分に広い、プリズムの高さにおける下限と、
g.表面区分215aであって、該内側表面は、眼鏡形状因子に適合するように制約され、該表面区分の幅は、水平方向における該指定されたシースルー視野の上位の限界290aおよび下位の限界290bによって境界をつけられ、該表面区分の高さは、該内側表面に投影された、垂直方向における該シースルー視野の上位の限界290cおよび下位の限界290dによって境界をつけられ、該表面区分の局所の曲率半径は、眼鏡形状因子に依存した範囲によって境界をつけられる、表面区分215aと
を含み、
該内側および外側プリズム表面の形は、これらの制約の範囲内で該導波路の入口点から該導波路の出口点までの光学的ひずみを最小にするよう最適化される、項目1に記載の導波路。
(項目4)
前記特定の制約は、
a.前記曲がった第一の基準表面の中心は、基準寸法Y
ref1(前記頭のこめかみ側への、該頭の中線と該基準表面の該中心との間の距離)、Z
ref1(該頭の前から後ろへの、前記瞳孔と該基準表面の該中心との間の距離)、およびY
HIPDによって定義され、該Y
HIPDは、該瞳孔から該頭の中点までの距離であり、典型的に、Y
ref1は、0〜40mmの範囲にあり、Z
ref1は、30〜90mmの範囲にあり、Y
HIPDは、20〜40mmの範囲にあり、該第一の基準表面の曲率半径は、水平の寸法において40mm〜100mmの範囲にあることと、
b.前記第二の基準表面の位置は、基準寸法Z
ref2(該瞳孔から該基準表面までの距離)によって定義され、典型的にZ
ref2は、40mmよりも小さいことと、
c.前記内側物理的表面と外側物理的表面との間の前記最大距離は、40mmより小さいことと、
d.こめかみ方向における前記プリズムの幅における前記上限は、80mmであることと、
e.こめかみ方向における該プリズムの幅における前記下限は、15mmであることと、
f.瞳孔から鼻までの該プリズムの幅における前記上限は、40mmであることと、
g.瞳孔から鼻までの該プリズムの幅における前記下限は、8mmであることと
である、項目3に記載の導波路。
(項目5)
前記内側表面の形は、指定された眼鏡形状因子の外見とほぼ同じにすることによって制約され、該眼鏡形状因子は、2ベース、3ベース、4ベース、5ベース、6ベース、7ベース、8ベース、および9ベースを含むがこれらに制限されない複数の工業規格形状因子のうちの任意のものである、項目3に記載の導波路。
(項目6)
水平の寸法における前記内側表面区分の形は、50mmと100mmとの間の半径を有するカーブとほぼ同じにすることにより、8ベースの眼鏡形状因子の前記外見とほぼ同じである、項目3に記載の導波路。
(項目7)
水平の寸法における前記内側表面区分の形は、100mmと500mmとの間の半径を有するカーブとほぼ同じにすることにより、4ベースの眼鏡形状因子の前記外見とほぼ同じである、項目3に記載の導波路。
(項目8)
前記導波路の各物理的表面は、1つ以上の自由形状表面区分を含み、各表面区分はパラメータの特有の組によって説明される、項目1に記載の導波路。
(項目9)
前記複数の表面区分は、接合している区分との一次の連続を維持するように設計される中間区分によって接続される、項目8に記載の導波路。
(項目10)
前記表面区分間の任意の交わる点は、前記シースルー視野290の前記上位の境界290aの外側にあるように制約される、項目8に記載の導波路。
(項目11)
前記交わる点の位置は、該交わる点の周りに最小1mmの光線のないギャップがあるように制約され、前記第一の屈折表面において前記プリズムに入る光は、該ギャップに到達しない、項目8に記載の導波路。
(項目12)
半透明コーティングが、全反射の条件を満足する表面に塗布され、誘電性半透明コーティングが、該表面が該条件を満足し続けるように塗布される、項目1に記載の導波路。
(項目13)
ミラーコーティングが、前記導波路の前記外側表面の一部に塗布され、該一部は、前記シースルー視野290の前記上位の境界290aの外側にある、項目1に記載の導波路。
(項目14)
前記表面は、前記導波路に入る光線を、該導波路の内側の中間点において再集束させて、中間画像を生成するように設計され、該中間画像を生成することの結果は、延長された光路長を有する該導波路の増加した光パワーである、項目1に記載の導波路。
(項目15)
前記導波路は、5つの反射表面を含み、該導波路に入る光は、屈折表面435を通って出る前に、該反射表面によって連続して5回(R1〜R5)反射され、前記外側反射表面は、同じ表面パラメータを有する1つの滑らかな外側表面425の一部であり、前記内側表面は、同じ表面パラメータを有する別の1つの滑らかな内側表面415の一部であり、該内側表面は、8ベースの眼鏡形状因子に従って制約され、光線束440a、440bおよび440cは、前記プリズムの前記縁沿いにある屈折表面430を通って該プリズムに入り、該プリズムに入った後、該第一(R1)および第二(R2)の反射は、全反射の条件を満足し、該第三(R3)、第四(R4)および第五(R5)の反射は、全反射の条件を満足せず、代わりに半透明コーティングが塗布されている、項目1〜2に記載の光学導波路。
(項目16)
前記導波路の前記内側物理的表面は、異なったパラメータを有する2つの別個の自由形状表面に分割され、該導波路は、5つの反射表面を含み、該導波路に入る光は、屈折表面535を通って出る前に、反射表面によって5回(R1〜R5)反射され、前記外側反射表面は、同じ表面パラメータを有する1つの滑らかな表面525の一部であり、前記内側は、2つの表面区分515aおよび515bに分けられ、該表面区分の各々は、特有のパラメータの組を有する1つの滑らかな表面であり、前記第一の屈折表面530および該第一の内側表面区分515aは、自由形状表面パラメータの同じ組によって説明され、該第二の内側表面区分515bは、8ベースの眼鏡形状因子に適合するように制約され、該第一および第二の内側表面区分は、中間区分515cによって接続され、光は、該第一の屈折表面530を通って前記プリズムに入って、該第二の屈折表面535を通って出、それから光は、前記ユーザーの眼球に投影され、該光の経路に沿った該第一および最後の反射は、全反射基準を満足せず、これらの表面は、半透明コーティングを塗布され、該第二、第三および第四の反射は、全反射基準を満足し、該第三の反射は、誘電性コーティングを塗布されている、項目1〜2に記載の光学導波路。
(項目17)
前記中間表面区分515cは、前記第一または第二の内側表面区分515b、515cとの一次の連続を維持するように設計される、項目16に記載の導波路。
(項目18)
前記第一の反射(R1)を促進するために、ミラーコーティングが、前記シースルー視野の前記上位の境界590aの外側の前記外側物理的表面525に塗布される、項目16に記載の導波路。
(項目19)
前記導波路は、平らな設計のために成形され、該導波路は、5つの反射表面を含み、光は、前記第一の屈折表面630に入り、該光線は、該反射表面によって5回反射され、前記外側反射表面は、同じ表面パラメータを有する1つの滑らかな外側表面625の一部であり、前記内側表面615は、同じ表面パラメータを有する別の1つの滑らかな表面であるが、該屈折表面630とは別個であり、該光線は、屈折させられて該導波路から外へ向かい、前記射出瞳650まで、該光線は、カラー画像を含み、該第一および最後の反射は、全反射基準を満足せず、半透明コーティングを塗布され、該第二、第三および第四の表面は、全反射率基準を満足し、該第三の反射は、誘電性コーティングを塗布され、ミラーコーティングが、前記シースルー視野690の前記上限690aを越えた該導波路の前記外側表面625aに塗布されている、項目1〜2に記載の導波路。
(項目20)
前記導波路自身が、光学収差を補正するのに十分である場合、該導波路の光学特性は、連結レンズが必要ないように設計される、項目1〜2に記載の導波路。
(項目21)
前記外側表面は、2つの区分725a、725bに分けられ、該2つの区分は、第三の区分725cによって接続され、前記内側表面715は、4ベースの眼鏡形状因子を満たすように制約され、該外側表面の該分割は、該眼鏡形状因子の制約の範囲内で光学的要件を満たすことを容易にする、項目1〜2に記載の導波路。
(項目22)
前記中間の外側表面区分725cは、前記第一または第二の外側表面区分725aおよび725bとの一次の連続を維持するように設計される、項目21に記載の導波路。
(項目23)
前記導波路は、5つの反射表面を含み、前記内側物理的表面と前記外側物理的表面との両方は、異なった区分に分割され、該第一の内側表面815aは、前記第一の屈折表面と前記第二の反射表面とを含み、該第二の内側表面区分815bは、前記第四の反射表面と前記第二の屈折表面835とを含み、該第一の外側表面区分825aは、前記第一の反射表面を含み、該第二の外側表面区分825bは、前記第三および第五の反射表面を含み、第三の内側表面区分815cは、該第一および第二の内側表面区分を接続し、第三の外側表面区分825cは、該第一および第二の外側表面区分を接続し、かつ該第一および第二の外側表面区分との一次の連続を維持するように設計され、該内側表面区分815bは、8ベースの眼鏡形状因子とほぼ同じであるように制約され、光は、該導波路の該第一の屈折表面830に入って、該第二の屈折表面835において該導波路から出る前に、5回(R1〜R5)反射される、項目1〜2に記載の導波路。
(項目24)
前記導波路915の前記内側物理的表面は、8ベースの形状因子の代わりに4ベースの形状因子とほぼ同じであるように制約される、項目23に記載の導波路。
(項目25)
前記導波路は、3つの反射表面を含み、光は、該導波路の前記第一の屈折表面1030に入り、該光線は、該反射表面によって3回反射され、前記外側反射表面は、同じ表面パラメータを有する1つの滑らかな表面1025の一部であり、該第一の屈折表面1030は、該導波路の前記内側表面1015の一部ではなく、該光は、前記射出瞳1050に到達する前に、前記屈折表面1035から外に投影され、該第一および第二の反射(R1〜R2)は、全反射の条件を満足し、該第三の反射表面R3は、全反射の条件を満足せず、半透明コーティングを該外側表面1025に塗布され、誘電性コーティングが、該外側表面に塗布され、該内側表面は、8ベースの形状因子に適合するように制約され、該表面は、広いシースルー視野を提供するように一緒に設計される、項目1〜2に記載の導波路。
(項目26)
全反射率を満足しない表面と同じ物理的表面の一部である、全反射率基準を満足する表面は、半透明コーティングも塗布され、全反射率基準を満足する該表面は、全反射率基準を満たし続けるために、誘電性半透明コーティングを塗布される、項目1に記載の導波路。
(項目27)
画像ディスプレイユニット105の同じ画素からの複数の光線は、前記導波路100の内側で少なくとも一度交差し、中間画像を前記中間点において生成する、項目1に記載の導波路。
(項目28)
補償レンズ160であって、該補償レンズ160は、外部世界を眺めるために導波路と連結して使用され、該世界を導波路プリズムを通して眺めることによって引き起こされる光学的なひずみを補正し、該補償レンズは、
i.外部シーンに向いて配置された、該外部シーンからの光198が該補償レンズに入ることを可能にする屈折外側表面170と、
ii.該導波路プリズム100の前記外側表面に向いて配置された、光が該補償レンズから出て該導波路プリズム内に入ることを可能にする屈折内側表面165と
を含み、該補償レンズの該屈折内側表面165および該屈折外側表面は、該世界を両方のレンズを通して観察する場合に、該ユーザーが澄んだシースルーの眺めを維持するように、該導波路によって引き起こされる光線シフトおよびひずみの影響を補償するように設計され、該屈折内側表面165は、典型的に、該導波路プリズム100の該外側表面125の形とほぼ同じであるように制約され、
該現実世界のシーンからの光198は、該導波路100に到達する前に、補償レンズ160の該屈折外側表面170および該屈折内側表面165を通って屈折させられる、補償レンズ。
(項目29)
画像ディスプレイシステムであって、該システムは、表示された仮想画像を導波路プリズムを通してユーザーの瞳孔内に投影し、該ユーザーが、現実世界のシーンにかぶせられた表示された内容を見ることを可能にし、該システムは、こめかみ方向に90°、鼻方向に60°までと、前方にまっすぐな眺めの上および下に60°までとの広いシースルー視野を有し、該システムは、眼鏡形状因子の形に適合し、該システムは、
a.ユーザーの頭のこめかみ側の近くに配置された、光を導波路内に投影する画像ディスプレイユニット105であって、該画像ディスプレイユニットは、平均のヒトの頭の形によって定義された曲がった基準表面の外側にあるように制約される、画像ディスプレイユニット105と、
b.該画像ディスプレイユニットと導波路との間に配置された、1つ以上のレンズから成る自由選択連結レンズ群110であって、該1つ以上のレンズは、該画像ディスプレイユニット105からの光を該導波路100内に導き、かつ光学収差を補償する、自由選択連結レンズ群110と、
c.透明な光学導波路プリズム100であって、該透明な光学導波路プリズムは、該画像ディスプレイユニットからの該光を受け入れて、該画像が該ユーザーの該視野内に投影されるまで該光を伝搬し、該導波路は、物理的内側表面115、物理的縁表面120、および物理的外側表面125と、第一の屈折表面130と、第二の屈折表面135と、複数の反射表面とを有し、該導波路は、眼鏡形状因子に適合する形を有し、かつこめかみ方向に90°、鼻方向に60°までと、前方にまっすぐな眺めの上および下に60°までとの広いシースルー視野を有する、透明な光学導波路プリズム100と、
d.該導波路100の該物理的外側表面125に固定された補償レンズ160であって、該補償レンズは、該導波路プリズムを通して該世界を眺めることによって引き起こされる光学的なひずみを補正し、該補償レンズの該内側表面165は、該導波路の該外側表面125の形とほぼ同じであり、小さなエアギャップ195が、該導波路の該外側表面125のために全反射基準が満足される表面において、該補償レンズと該導波路との間に維持される、補償レンズ160と
を含み、該画像ディスプレイユニット105は、光140を該自由選択連結レンズ110、引き続いて該導波路100内に伝導するか、または直接該導波路に第一の屈折表面130を通して伝導し、
光140は、該第一の屈折表面130から該第二の屈折表面135まで、複数の反射を含む該導波路に沿った経路145をたどり、
光140は、該第二の屈折表面135を通過し、該第二の屈折表面135を越えた場所に、該ユーザーは、該画像を眺めるために自身の瞳孔150を置き、
該現実世界のシーンからの光198は、該瞳孔150に到達する前に、該補償レンズ160および該導波路100を通過し、該現実世界のシーンの該シースルー視野は、こめかみ方向に90°、鼻方向に60°、前方にまっすぐな眺めの上および下に60°に及ぶ、
システム。
(項目30)
前記導波路100および補償レンズ160の表面は、項目2に記載された該導波路に対する前記制約に加えて、該導波路100および補償レンズ160の全体の厚さが、最大厚さ以下であり、前記エアギャップ195のサイズが、最大厚さ以下であるという該制約のもと、最小のひずみを有する最大のシースルー視野のために一緒に最適化される、項目29に記載の装置。
(項目31)
前記結合した導波路および補償レンズの前記最大厚さ制約は、40mmであり、前記エアギャップの前記最大厚さは、6mmである、項目29に記載の装置。
(項目32)
、前記導波路の前記外側物理的表面125と前記補償レンズの前記内側表面165との間で全反射基準が反射を生成するために使用されない該導波路の外側表面125の部分において、指数整合接着剤が、使用され、該補償レンズ160を該導波路100に接着し、そうでなければエアギャップ195は、維持される、項目29〜31に記載の装置。
(項目33)
前記画像ディスプレイユニット405は、前記導波路の第一の屈折表面430に対向して配置され、該第一の屈折表面430は、該導波路の縁表面にあり、該画像ディスプレイユニットと該導波路プリズム400との間に連結レンズ410があり、該連結レンズ410は、光学収差を補正しかつ前記画像品質を向上させ、該画像ディスプレイユニット405は、光線束440a、440b、440cを放射し、該光線束は、第一の屈折表面430を通って該導波路に入って、前記反射表面によって5回反射されて、第二の屈折表面435を通って出て、前記ユーザーの瞳孔450に到達する、項目29に記載の装置。
(項目34)
前記画像ディスプレイユニット505は、前記導波路の前記内側表面に対向して配置され、該画像ディスプレイユニットは、3つの光線束540a、540b、540cを放射し、該光線束は、該導波路の前記第一の屈折表面530に入り、該光線は、該光線が仮想画像を構成する前記射出瞳550に到達する前に、前記反射表面によって5回(R1〜R5)反射され、該画像ディスプレイユニットと該導波路プリズムとの間に連結レンズ510があり、該連結レンズ510は、光学収差を補正しかつ該画像品質を向上させる、項目29に記載の装置。
(項目35)
前記画像ディスプレイユニット605と前記導波路プリズム600との間に連結レンズ610があり、該連結レンズ610は、光学収差を補正しかつ前記画像品質を向上させる、項目29に記載の装置。
(項目36)
前記画像ディスプレイユニット105は、反射タイプの照明された画素アレイ(たとえば、シリコン上液晶(LCOS)マイクロディスプレイ技術、シリコン上強誘電性液晶(FLCoS)、または他の同様のマイクロディスプレイ)に基づき、該画像ディスプレイユニット805は、
a.反射タイプの照明された画素アレイマイクロディスプレイパネル805aと、
b.フィールドレンズ805bと、
c.偏光ビームスプリッター805cと
を含み、該フィールドレンズ805bは、該ディスプレイ表面において光のテレセントリシティを強化し、
該ビームスプリッター805cは、ビームコンバイナーとして働くことにより、照明光経路を結合する、項目29に記載の装置。