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特開2018-185699入出力装置、制御方法および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-185699(P2018-185699A)
(43)【公開日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】入出力装置、制御方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20181026BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20181026BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
   G06F3/041 620
   G06F3/041 640
   G06F3/041 534
   G06F3/044 Z
   G06F3/046 A
   G06F3/041 490
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-87783(P2017-87783)
(22)【出願日】2017年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】中尾 竹伸
(57)【要約】
【課題】デジタイザ層が組み込まれた入出力装置に対する入力を適切に制御する。
【解決手段】表示ブロック200は、電子ペン15に対するタッチ操作面を提供するカバー層201と、カバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層203と、電子ペンによるタッチ操作を検出するデジタイザ層207と、カバー層201に画像を表示するディスプレイ層205とを有する。表示ブロックは、電子ペンが放射する電磁波に対して透過性を備えるため、折り曲げや丸めが可能なフレキシブル・タイプのとき、または複数の表示ブロックが積層されたときにタッチ操作をしない位置に対応するゴースト座標を生成する場合がある。入力制御部111は、カバー層201に電子ペン15でタッチ操作がされたときにタッチ・センサ層の出力に基づいてデジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作面を提供する第1のカバー層と、該第1のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1の検出層と、前記タッチ操作を検出する第2の検出層と、前記第1のカバー層に正画像を表示するディスプレイ層とを含む表示ブロックと、
前記第1のカバー層に前記タッチ操作がされたときに前記第1の検出層の出力に基づいて前記第2の検出層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項2】
前記第2の検出層が電子ペンによるタッチ操作を検出する電磁誘導式のデジタイザ層である請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記第1の検出層が指によるタッチ操作を検出する静電容量式のタッチ・センサ層である請求項2に記載の入出力装置。
【請求項4】
前記第1のカバー層に対向する面にタッチ操作面を提供する第2のカバー層を備え、前記第1の検出層は、前記第1のカバー層への電子ペンによる操作を検知するが前記第2のカバー層への前記電子ペンによる操作を検知しない請求項3に記載の入出力装置。
【請求項5】
前記表示ブロックが折曲げ可能な可撓性を備えている請求項1に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の検出層が座標を検出しかつ前記第2の検出層が複数個の座標を検出したときに、前記第1の検出層が検出した座標と前記第2の検出層が検出した座標の距離を計算して有効性を判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の検出層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を有効と判断し、その他の座標を無効と判断する請求項6に記載の入出力装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の検出層が座標を検出せずかつ前記第2の検出層が1個の座標を検出したときに前記座標を有効と判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項9】
前記表示ブロックが光透過率の高い材料で形成され、前記第1のカバー層に対向する面にタッチ操作面を提供し前記ディスプレイ層が反転画像を表示する第2のカバー層を含む請求項1に記載の入出力装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2のカバー層にタッチ操作がされたときに前記第2の検出層が検出した座標を無効にしたことを示す情報を前記第2のカバー層に正画像として表示するために、前記ディスプレイ層に前記情報を反転して表示するための画像データを出力する請求項9に記載の入出力装置。
【請求項11】
タッチ操作面を提供する第1のカバー層と、
タッチ操作面を提供する第2のカバー層と、
前記第1のカバー層と前記第2のカバー層のいずれか一方に正画像を表示し他方に反転画像を表示するディスプレイ層と、
前記第1のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1のタッチ・センサ層と、
前記第2のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第2のタッチ・センサ層と、
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層に対する前記タッチ操作を検出するデジタイザ層と
を有する表示ブロックと、
前記第1のカバー層または前記第2のカバー層に前記タッチ操作がされたときに前記第1のタッチ・センサ層または前記第2のタッチ・センサ層の出力に基づいて前記デジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項12】
それぞれ、タッチ操作面を提供するカバー層と該カバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1の検出層と前記タッチ操作を検出する第2の検出層と前記カバー層に画像を表示するディスプレイ層とを含み前記タッチ操作時に積層されている複数の表示ブロックと、
上位に積層された表示ブロックが含む前記カバー層に前記タッチ操作がされたときに各表示ブロックが含む前記第1の検出層が検出した座標に基づいて各表示ブロックが含む前記第2の検出層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の入出力装置を有する電子機器。
【請求項14】
第1の検出層と画素マトリクスと第2の検出層とを備える入出力装置の動作を制御する方法であって、
前記入出力装置の操作面に対するタッチ操作に応じて前記第2の検出層が座標を検出するステップと、
前記タッチ操作に応じて前記第1の検出層による座標の検出の有無を判断するステップと、
前記第1の検出層による座標の検出の有無に応じて前記第2の検出層が検出した座標について前記タッチ操作の位置に対応するリアル座標と前記タッチ操作の位置とは異なる位置に対応するゴースト座標を区別するステップと
を有する方法。
【請求項15】
前記区別するステップが、前記第1の検出層が前記タッチ操作に応じて座標を検出したときに前記第2の検出層が検出した座標を前記リアル座標と判断するステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記区別するステップが、前記第2の検出層が検出した座標の個数が1個のときに当該座標を前記リアル座標と判断するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記区別するステップが、前記第2の検出層が検出した座標の個数が複数個のときに前記第1の検出層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を前記リアル座標と判断するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記区別するステップが、前記第1の検出層が前記タッチ操作に応じて座標を検出しないときに前記第2の検出層が検出したすべての座標を無効と判断するステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記区別するステップが、前記第2の検出層が検出した座標の個数が1個のときに前記リアル座標と判断するステップを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
それぞれカバー層と該カバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1の検出層と画素マトリクスと前記タッチ操作を検出する第2の検出層を備えた第1の表示ブロックと第2の表示ブロックを含むブック・タイプの入出力装置の動作を制御する方法であって、
積層された前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックのいずれかの操作面に対するタッチ操作に応じて、前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックが含む前記第2の検出層がそれぞれ座標を検出するステップと、
前記タッチ操作に応じて前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックが含む前記第1の検出層による座標の検出の有無を判断するステップと、
前記第1の検出層による座標の検出の有無に応じて前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックが含む前記第2の検出層が検出した座標について前記タッチ操作の位置に対応するリアル座標と前記タッチ操作の位置とは異なる位置に対応するゴースト座標を区別するステップと
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作を検出する検出層が組み込まれた入出力装置のタッチ操作に対する応答を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フラット・パネル型ディスプレイ(FPD)には、指で入力するタッチ・センサや電子ペン(スタイラス・ペン)で入力するデジタイザが一緒に組み込まれる場合がある。また、FPDには、可撓性のあるフィルムで形成し、折り曲げたり畳んだりした状態で表示できるいわゆるフレキシブル・ディスプレイというものがある。特許文献1は、静電容量式のタッチ・パネルと、ディスプレイ・パネルと、電磁誘導式のデジタイザを含むタッチ・スクリーンを開示する。特許文献2は、電磁誘導式のデジタイザまたは静電容量式のタッチ入力検出装置で構成したセンサ・アレイを組み込んだフレキシブル・ディスプレイを開示する。特許文献3は、電子ペンで操作する電磁誘導式のデジタイザについて記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0154528号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0158171号明細書
【特許文献3】特許第5944362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチ・スクリーンは、指でタッチ操作をするタッチ・センサとFPDが積層された構造になっている。電磁誘導式のデジタイザを搭載するタッチ・スクリーンは、通常、電子ペンが放射する電磁波を透過する性質(電磁波透過性)がある。このときリジッドなタッチ・スクリーンが搭載するデジタイザは、電子ペンが指示した位置の座標だけを検出することができる。しかし、折りたたんだり丸めたりして表示できるフレキシブルなタッチ・スクリーンが搭載するデジタイザは、電子ペンが指示した位置の座標だけでなく、指示した位置から離れた位置の座標まで検出することがある。
【0005】
また、それぞれ電磁誘導式のデジタイザを搭載するフィルム状の複数のタッチ・スクリーンを積層して、それぞれのタッチ・スクリーンに本のように異なる画像を表示させる電子機器の検討が行われている。このとき、タッチ・スクリーンの電磁波透過性により最上位のタッチ・スクリーンに対して電子ペンで指示したときに同時に下層のタッチ・スクリーンが搭載するデジタイザも座標を検出する。このような場合にユーザが指示を意図しない座標を認識して適切な処理をすることが求められる。
【0006】
本発明の目的は、タッチ操作を検出する検出層が組み込まれた入出力装置のタッチ操作に対する応答を適切に制御することにある。さらに本発明の目的は、電子ペンでタッチ操作をする電磁誘導式のデジタイザ層が組み込まれた入出力装置のタッチ操作に対する応答を適切に制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる入出力装置は、表示ブロックと制御部を含む。表示ブロックは、タッチ操作面を提供する第1のカバー層と、第1のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1の検出層と、タッチ操作を検出する第2の検出層と、第1のカバー層に正画像を表示するディスプレイ層とを含む。制御部は、第1のカバー層にタッチ操作がされたときに第1の検出層の出力に基づいて第2の検出層が検出した座標の有効性を判断する。
【0008】
表示ブロックは、折曲げが可能なフレキシブル・タイプと所定の剛性を備えるリジッド・タイプのいずれでもよい。第2の検出層は電子ペンでタッチ操作をする電磁誘導式のデジタイザ層とし、第1の検出層は指でタッチ操作をする静電容量式のタッチ・センサ層とすることができる。表示ブロックは、光透過率の高い材料で形成して、第1のカバー層に対向する面に配置した第2のカバー層にディスプレイ装置が反転画像を表示するようにしてもよい。
【0009】
本発明の第2の態様にかかる入出力装置は、表示ブロックが、タッチ操作面を提供する第1のカバー層と、タッチ操作面を提供する第2のカバー層と、第1のカバー層と第2のカバー層のいずれか一方に正画像を表示し他方に反転画像を表示するディスプレイ層と、第1のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1のタッチ・センサ層と、第2のカバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第2のタッチ・センサ層と、第1のカバー層および第2のカバー層に対するタッチ操作を検出するデジタイザ層を有する。制御部は、第1のカバー層または第2のカバー層にタッチ操作がされたときに第1のタッチ・センサ層または第2のタッチ・センサ層の出力に基づいてデジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する。
【0010】
本発明の第3の態様にかかる入出力装置は、表示ブロックがそれぞれタッチ操作面を提供するカバー層と、カバー層に対するタッチ操作を検出することが可能な第1の検出層と、タッチ操作を検出する第2の検出層と、カバー層に画像を表示するディスプレイ層とを含みタッチ操作時に積層されている。制御部は、上位に積層された表示ブロックが含むカバー層にタッチ操作がされたときに各表示ブロックが含む第1の検出層が検出した座標に基づいて各表示ブロックが含む第2の検出層が検出した座標の有効性を判断する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、タッチ操作を検出する検出層が組み込まれた入出力装置のタッチ操作に対する応答を適切に制御することができた。さらに本発明により、電子ペンでタッチ操作をする電磁誘導式のデジタイザ層が組み込まれた入出力装置のタッチ操作に対する応答を適切に制御することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態にかかる入出力装置10の構成を説明するための機能ブロック図である。
図2】模式的に示した入出力装置10の平面図および分解斜視図である。
図3】本実施の形態にかかる他の入出力装置20の構成を説明するための機能ブロック図である。
図4】入出力装置10、20に対して電子ペン15でタッチ操作をしたときの動作手順を説明するためのフローチャートである。
図5】正画像を表示するフレキシブル・タイプの表示ブロック200、250に電子ペン15でタッチ操作が行われたときにデジタイザ層207が検出するリアル座標とゴースト座標を説明するための図である。
図6】反転画像を表示するフレキシブル・タイプの表示ブロック200に電子ペン15でタッチ操作をしたときにデジタイザ層207が検出するリアル座標とゴースト座標を説明するための図である。
図7】リジッド・タイプまたはタッチ操作時に平板状になっているフレキシブル・タイプの表示ブロック200、250に電子ペン15でタッチ操作をしたときにデジタイザ層207が検出するリアル座標を説明するための図である。
図8】リアル座標とゴースト座標を区別する方法を説明するための図である。
図9】本実施の形態にかかる他の入出力装置30の構成を説明するための機能ブロック図である。
図10】本実施の形態にかかる他の入出力装置40を説明するための側面図である。
図11】入出力装置40の構成を説明するための機能ブロック図である。
図12】入出力装置40に対して電子ペン15でタッチ操作が行われるときの表示ブロック500a〜500eの様子を説明するための図である。
図13】入出力装置40に対して電子ペン15でタッチ操作をしたときの動作手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[画像の方向が固定された視覚透過性がある入出力装置]
図1は、本実施の形態にかかる入出力装置10の構成を説明するための機能ブロック図である。図2は、模式的に示した入出力装置10の平面図および分解斜視図である。本明細書および図面において、本発明の理解のために同一または同等として扱ってよいハードウェア要素およびソフトウェア要素には同一の参照番号を付して説明を省略または簡略化する。
【0014】
入出力装置10は、制御ブロック100と表示ブロック200で構成している。表示ブロック200は、主要な構成要素としてのカバー層201、タッチ・センサ層203、ディスプレイ層205、デジタイザ層207、およびカバー層209が順番に積層された構造になっている。表示ブロック200は、全体を光透過率の高い材料で形成して、視覚透過性を備えている。ここに視覚透過性は、表示ブロック200が画像を表示しないときに、表示ブロック200が透き通って背後の風景が見える性質をいう。表示ブロック200は、ディスプレイ層205が表示する画像を正画像としてカバー層201に表示し、同時に正画像が裏返った反転画像をカバー層209に表示する。
【0015】
表示ブロック200は、平板状の形状を維持する程度の剛性があるリジッド・タイプでもよい。表示ブロック200はまた、基板材料にフィルム状のプラスチック材料を使用して折り曲げたり丸めたりした状態で表示できるようにしたフレキシブル・タイプでもよい。ここにフレキシブル・タイプは、表示ブロック200が図5、6で説明するような折り曲げや丸めができる程度の可撓性を備えていることを意味する。
【0016】
正画像を表示するカバー層201は、表示ブロック200の一方の面の輪郭を構成する。さらにカバー層201は、入出力装置10に対してタッチ操作をするためのタッチ操作面を提供する。ここにタッチ操作は、カバー層201に対して指13または電子ペン15を接触または接近させて、入出力装置10に入力する行為に相当する。タッチ操作にはタッチ・センサ層203の種類によってカバー層201に対する押圧を伴う場合もある。
【0017】
タッチ・センサ層203は、一例においてカバー層201にタッチ操作をした指13の座標を静電容量式で検出するための電極パターンを含む。タッチ・センサ層203は、自己容量式および相互容量式のいずれの原理で座標を検出してもよい。ディスプレイ層205は、有機ELディスプレイおよびプラズマ・ディスプレイのような自発光型ディスプレイ、または液晶ディスプレイのような非自発光型ディスプレイを構成するための画素マトリクスを含む。液晶ディスプレイを採用する場合はディスプレイ層205が、制御ブロック100に配置した図示しないバックライトの光を導くための導光板を含む。画素マトリクスは、ゲート線とドレイン線が密集した配線パターンと画素を含む。
【0018】
デジタイザ層207は、電子ペン15でタッチ操作をする電磁誘導式のデジタイザ・パネルを採用する。デジタイザ層207は、X方向とY方向にそれぞれ複数の検出コイルを所定のピッチで配置したコイル・アレイを含む。電子ペン15は、内蔵電池を設けてイニシエータとして電磁波を放射するアクティブ・タイプおよび内部に共振回路を設けて高周波電流が流れたコイル・アレイが放射した電磁波のエネルギーを利用して電磁波を放射するパッシブ・タイプのいずれでもよい。
【0019】
カバー層209は、表示ブロック200の他方の面の輪郭を構成する。カバー層209はタッチ操作面を提供し、カバー層201と同様にタッチ操作が可能である。制御ブロック100は、タッチ・センサ層203に接続されたタッチ・センサ・コントローラ103、ディスプレイ層205に接続されたディスプレイ・コントローラ105、デジタイザ層207に接続されたデジタイザ・コントローラ107を含む。制御ブロック100はさらに、入力制御部111とインターフェース113を含む。
【0020】
制御ブロック100は、プロセッサやメモリなどのハードウェア要素と、デバイス・ドライバやファームウェアなどのソフトウェア要素で構成することができる。タッチ・センサ・コントローラ103は、タッチ・センサ層203の電極に電圧を印加してカバー層201の近辺に静電場を形成する。タッチ・センサ・コントローラ103は、カバー層201に対する指13のタッチ操作による電界または静電容量の変化を検出して座標を出力する。タッチ・センサ・コントローラ103は、カバー層201に対する電子ペン15のタッチ操作による電界または静電容量の変化を検出して座標を出力することができる。
【0021】
電圧が印加されたタッチ・センサ層203は、ディスプレイ層205の画素マトリクスでシールドされてカバー層209の近辺には静電場を形成しない。したがって、タッチ・センサ・コントローラ103は、カバー層209に対する指13および電子ペン15によるタッチ操作の座標を検出しない。ディスプレイ・コントローラ105は、ホスト装置11から受け取った画像データでディスプレイ層205の画素マトリクスを駆動してカバー層201に正画像を表示させ、カバー層209に反転画像を表示させる。
【0022】
表示ブロック200は、電磁波透過性があるため電子ペン15が放射する電磁波は、ディスプレイ層205の画素マトリクスとデジタイザ層207のコイル・アレイを突き抜けてカバー層209から出射する。デジタイザ・コントローラ107は、デジタイザ層207のコイル・アレイに流したセンス電流でカバー層201にタッチ操作をした電子ペン15の座標を出力する。デジタイザ・コントローラ107は、電子ペン15によるカバー層209に対するタッチ操作の座標も検出する。デジタイザ・コントローラ107は、表示ブロック200に設定された絶対座標に相当する信号を出力する。
【0023】
入力制御部111は、タッチ・センサ・コントローラ103およびデジタイザ・コントローラ107から受け取った座標の相互関係を認識することができる。入力制御部111は、インターフェース111を通じてホスト装置11から受け取った画像データをディスプレイ・コントローラ105に転送する。入力制御部111はインターフェース113を通じて、タッチ・センサ・コントローラ103とデジタイザ・コントローラ107から受け取った座標をホスト装置11に送る。このとき入力制御部111は図4の手順で、デジタイザ・コントローラ107から受け取った座標の有効性を判断して所定のアクションをとる。
【0024】
インターフェース113は、ホスト装置11と有線または無線でデータ通信をするための処理をする。入出力装置10は、電池(図示せず)や、ホスト装置11が供給する電力で動作する。ホスト装置11は、コンピュータ、ゲーム機、またはスマートフォンなどの情報処理装置に相当し、入出力装置10に表示するための画像データを生成する。ホスト装置11は、入出力装置10から受け取った座標で動作することができる。ホスト装置11は、コントロール・ブロック100に組み込むことができる。この場合、入出力装置10はまとまりのある機能を備えた情報機器または電子機器を構成する。
【0025】
[視覚透過性がない入出力装置]
図3は、本実施の形態にかかる他の入出力装置20を説明するための機能ブロック図である。入出力装置20は、図1の入出力装置10のカバー層209に代えて表示ブロック250に不透明なカバー層210を設けた点だけが異なる。したがって、表示ブロック250は、カバー層201に正画像を表示するが、カバー層210には反転画像を表示しない。表示ブロック250は,フレキシブル・タイプおよびリジッド・タイプのいずれでもよい。
【0026】
[入出力装置10、20の動作手順]
図4は、画像を表示している入出力装置10、20に対して電子ペン15でタッチ操作をしたときの動作手順を説明するためのフローチャートである。ブロック401で入出力装置10、20に電子ペン15でタッチ操作が行われる。表示ブロック200、250がフレキシブル・タイプの場合は、図5(A)に示すように折りたまれた状態で正画像を表示するカバー層201の位置305、または図5(B)に示すように丸まった状態で正画像を表示するカバー層201の位置309にタッチ操作が行われる場合がある。
【0027】
電子ペン15が放射する電磁波は、表示ブロック200、250を図5(A)のように折りたたんだ場合はカバー層201の位置305に入射し、図5(B)のように丸めた場合はカバー層201の位置309に入射する。入射した電磁波は、表示ブロック200、250を透過して、再び図5(A)のカバー層209、210の位置307または図5(B)のカバー層201の位置311に入射する。その結果、図5(A)のカバー層201の位置305に対するタッチ操作に応じてデジタイザ・コントローラ107は位置305、307の座標を出力する。
【0028】
また、図5(B)のカバー層201の位置309に対するタッチ操作に応じてデジタイザ・コントローラ107は位置309、311の座標を出力する。ここで、デジタイザ・コントローラ107が出力する座標のなかで、物理的にタッチ操作がされた位置305、309の座標をリアル座標といい、電磁波が表示ブロック200、250を突き抜けてから再び入射する位置307、311の座標をゴースト座標ということにする。
【0029】
反転画像も表示することができる表示ブロック200がフレキシブル・タイプの場合は、図6(A)に示すように折りたたまれた状態で反転画像を表示するカバー層209の位置313または図6(B)に示すように丸まった状態で反転画像を表示するカバー層209の位置317にタッチ操作が行われ場合がある。電子ペン15が放射する電磁波は、表示ブロック200を図6(A)のように折りたたんだ場合はカバー層209の位置313に入射し、図5(B)のように丸めた場合はカバー層209の位置317に入射する。入射した電磁波は、表示ブロック200を透過して、再びカバー層201の位置315またはカバー層209の位置319から表示ブロック200に入射する。その結果、カバー層209の位置313に対するタッチ操作に応じてデジタイザ・コントローラ107は位置313、315の座標を出力する。
【0030】
また、カバー層209の位置317に対するタッチ操作に応じてデジタイザ・コントローラ107は位置317、319の座標を出力する。位置313、317に対応する座標はリアル座標に相当し、位置315、319に対応する座標はゴースト座標に相当する。なお、不透明なカバー層210を備える表示ブロック250(図3)に対してタッチ操作が行われても以下の同じ手順で処理することができる。
【0031】
表示ブロック200、250がリジッド・タイプのとき、またはタッチ操作時に平板状になっているフレキシブル・タイプのときは、図7(A)に示すように正画像を表示するカバー層201に対するタッチ操作に応じて、デジタイザ・コントローラ107はゴースト座標を出力せず、位置321のリアル座標だけを出力する。表示ブロック200がリジッド・タイプのとき、またはタッチ操作時に平板状になっているフレキシブル・タイプのときはまた、図7(B)に示すように反転画像を表示するカバー層209に対するタッチ操作に応じて、デジタイザ・コントローラ107はゴースト座標を出力せず、位置323のリアル座標だけを出力する。
【0032】
ブロック403でデジタイザ・コントローラ107は、図5図7に示したさまざまな態様の表示ブロック200、250に応じて、1個または複数個の座標を入力制御部111に出力する。ブロック405で、入力制御部111はデジタイザ・コントローラ107の出力に応じてタッチ・センサ・コントローラ103から座標を受け取っているか否かを判断する。座標を受け取っているときはブロック407に移行し、受け取っていないときはブロック451に移行する。ブロック451に移行するのは、図6図7(B)に示すように反転画像も表示している表示ブロック200において、タッチ・センサ層203が座標を検出できないカバー層209に対してタッチ操作が行われた場合に相当する。
【0033】
ブロック451で入力制御部111は、デジタイザ・コントローラ107から受け取った座標がゴースト座標を含むか否かを判断する。入力制御部111は、デジタイザ・コントローラ111から受け取った座標の数が、図6の位置313、315の座標、または位置317、319の座標のように複数個の場合はゴースト座標を含むと判断してブロック455に移行し、図7(B)の位置323の座標のように1個の場合はゴースト座標を含まないと判断してまたは当該座標がリアル座標であると判断してブロック453に移行する。
【0034】
ブロック453で入力制御部111は、デジタイザ・コントローラ107から受け取った図7(B)に示す位置323の座標を有効と判断してホスト装置11に出力する。このとき、反転画像を表示するカバー層209の位置323の座標が有効になるが、図6のように画像が重なっていないため、ユーザが誤った位置を指示する可能性は低く、電子ペン15の操作を有効にしたほうが都合がよい。
【0035】
しかし、図6に示すような反転画像を表示するカバー層209に対するタッチ操作では、図7(B)に示すタッチ操作と異なり、正画像と反転画像が重なっている。この場合、タッチ操作を正確に行えない可能性があるため、無効にしたほうが都合がよい。ブロック455で入力制御部111は、デジタイザ・コントローラ107から受け取ったリアル座標とゴースト座標を含むすべての位置の座標313、315または位置317、319の座標を無効と判断してホスト装置11に出力しない。このときリアル座標313、317も無効になるため、ユーザは電子ペン15のタッチ操作に対する一切の応答がないことで困惑する可能性もある。
【0036】
ブロック457で、入力制御部111は、ディスプレイ・コントローラ105に裏面タッチ操作が行われたことを示すメッセージを表示するための画像データを送る。メッセージの画像は、反転画像を表示するカバー層209に表示されるため、入力制御部111はカバー層209が正画像を表示するようにメッセージを反転して表示する画像データを送る。
【0037】
ブロック405に戻って、タッチ・センサ層203が座標を検出することでブロック407に移行するのは、図5図7(A)に示すように表示ブロック200、250において、タッチ・センサ層203が座標を検出できるカバー層201に電子ペン15でタッチ操作が行われた場合に相当する。ブロック407で入力制御部111は、ブロック451と同じ手順で座標の個数からゴースト座標の検出の有無を判断する。
【0038】
図7(A)のように検出した座標の数が1個でゴースト座標が発生していないと判断する場合はブロック453に移行し、図5に示すように座標の数が複数個でゴースト座標が発生していると判断する場合はブロック409に移行する。ブロック409で入力制御部111は、タッチ・センサ・コントローラ103から受け取った座標と、デジタイザ・コントローラ107から受け取った座標を比較する。
【0039】
このときの様子を図8に示す。図8は、表示ブロック200のX−Y座標系におけるデジタイザ・コントローラ107が出力した座標とタッチ・センサ・コントローラ103が出力した座標群を入力制御部111が関連付けた様子を示している。図8(A)には、デジタイザ・コントローラ107が出力した位置305、307の座標305a、307aおよびタッチ・センサ・コントローラ103が出力した座標群351を模式的に示している。図8(B)には、デジタイザ・コントローラ107が出力した位置309、311の座標309a、311aおよびタッチ・センサ・コントローラ103が出力した座標群353を模式的に示している。
【0040】
座標群351、353は、タッチ操作をするためにカバー層201に接近した電子ペン15の輪郭に対応するもので面的な広がりがある。このとき、各座標を示す信号レベルは、指13によるタッチ操作に対応する信号レベルより低くてもよい。電子ペン15のハウジングとペン先が金属で形成されているときまたは電子ペン15の形状や操作方法によっては、座標305a、309aがそれぞれ座標群351、353に含まれる場合もある。
【0041】
入力制御部111は、座標群351と座標305a、307aの距離をそれぞれ計算する。このとき座標群351の位置は、一例として重心の座標で代表させることができる。座標群353と座標309a、311aとの距離についても同様に計算することができる。入力制御部111は一例において、座標群351、353に最も距離が近い1個の座標305a、309aをリアル座標と判断し、他のすべての座標307a、311aをゴースト座標と判断する。なおゴースト座標は折曲げや丸めの状態によっては、複数個存在する場合もある。入力制御部111は、座標群351、353との距離が所定値未満であることを条件にして、1個の座標をリアル座標と判断するようにしてもよい。
【0042】
図5に示すようなタッチ操作では、カバー層201が正画像を表示しているため、視覚透過性がある表示ブロック200であってもタッチ操作を正確に行えるので、ゴースト座標を伴うリアル座標であっても有効にしたほうが都合がよい。入力制御部111はブロック411で、座標305a、311aを有効と判断してホスト装置11に出力し、ブロック413で座標307a、311aを無効と判断してホスト装置11に出力しない。
【0043】
本実施の形態においては、タッチ・センサ層203が、正画像を表示するカバー層201に対する電子ペン15のタッチ操作を検出し、反転画像を表示するカバー層209に対する電子ペン15のタッチ操作を検出しないことを利用して、リアル座標とゴースト座標を区別する。したがって、タッチ・センサ層203の検出原理には、この点で静電容量式と同等の機能を発揮することができる、抵抗膜式、超音波表面弾性波方式、および光学方式などの他の方式を採用することができる。また、表示ブロック200の要素を積層する順番も、図1で示した例に限定する必要はなく、たとえば、ディスプレイ層205とデジタイザ層207の順番を入れ替えてもよい。
【0044】
図4に示した動作手順は、本発明の一例を示したものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は明細書の記述に基づいて作成した特許請求の範囲に記載のとおりである。たとえばブロック451の手順を省略して、タッチ・センサ層203が座標を検出しない場合は、ゴースト座標が発生しない場合でも、検出した座標をすべて無効にするようにしてもよい。また、ブロック457の手順は省略することもできる。
【0045】
[画像反転機能を備えた入出力装置]
図9は、本実施の形態にかかる他の入出力装置30の構成を説明するための機能ブロック図である。入出力装置30が入出力装置10と異なる点は、表示ブロック260がデジタイザ層207とカバー層209の間に、タッチ・センサ・コントローラ103に接続されたタッチ・センサ層212を備えることと、制御ブロック160が入力制御部111に接続された操作ボタン261a、261bを含み画像を反転できる機能を備える点だけである。表示ブロック260は、リジッド・タイプとフレキシブル・タイプのいずれでもよい。
【0046】
操作ボタン261aは制御ブロック100のカバー層201側の表面に配置し、操作ボタン261bは制御ブロック100のカバー層209側の表面に配置して、ユーザが操作できるようにしている。つぎに、入出力装置30が搭載する入力制御部111の動作手順を説明する。操作ボタン261a、261bは、ユーザが正画像を表示するカバー層を切り換える際に使用する。ユーザが、対面する位置に存在する操作ボタン261a、261bを操作すると、入力制御部111は、ホスト装置11から受け取った画像データを、ユーザ側に正画像が表示されるように必要に応じて反転させてディスプレイ・コントローラ105に送る。
【0047】
さらに入力制御部111は、反転画像を表示するカバー層201またはカバー層209の直下にあるタッチ・センサ層203またはタッチ・センサ層212を利用して、入力制御部111は図4の手順で表示ブロック200の場合と同様に電子ペン15による入力が、カバー層201に対する操作であるかカバー層209に対する操作であるかを判断することができる。操作ボタン261a、261bに代えてタッチ・センサや人感センサを設けてユーザが存在するカバー層201、209を判断してもよいし、また加速度センサを設けて常に上側に存在するカバー層201、209に正画像が表示されるようにしてもよい。
【0048】
[ブック・タイプの入出力装置]
図10は、本実施の形態にかかる他の入出力装置40を説明するための側面図である。入出力装置40は、フィルム状の複数の表示ブロック500a〜500eが制御ブロック170の周りを回動できるように構成している。ユーザは、本のページのように表示ブロック500a〜500eをめくって各表示ブロック500a〜500eが表示する画面を閲覧できる。表示ブロック500a〜500eの数は複数であれば特に限定しない。このような入出力装置40をブック・タイプということにする。
【0049】
図11は、ブック・タイプの入出力装置40の構成を説明するための機能ブロック図である。表示ブロック500a〜500eはリジッド・タイプまたはフレキシブル・タイプのいずれでもよく、一例として、図3に示した不透明なカバー層210を備える表示ブロック250を採用することができる。また、視覚透過性のある表示ブロック200(図1)または表示ブロック260(図9)を採用するときは、接近センサやメカニカル・スイッチなどを利用した積層状態の検出機構を設けて、下層の表示ブロックが上層の表示ブロックの背景画像を表示するようにしてもよい。
【0050】
制御ブロック170は、表示ブロック500a〜500eの構成に対応する機能を備えた複数の制御ブロック100a〜100eとページ制御部151で構成している。ページ制御部151は、ホスト装置11から受け取った画像データを複数の表示ブロック500a〜500eで表示できるようにページに区切って、制御ブロック100a〜100eに送る。たとえば表示ブロック500a〜500eがカバー層201に正画像を表示する表示ブロック200、250の場合に、ページ制御部151は、ホスト装置11から受け取った画像データを5つのページに区切って順番に1ページずつ制御ブロック100a〜100eに送る。
【0051】
あるいは、表示ブロック500a〜500eがカバー層201またはカバー層209に正画像を表示する表示ブロック260の場合に、ページ制御部151は、ホスト装置11から受け取った画像データを10個のページに区切って順番に奇数のページを制御ブロック100a〜100eに送る。さらに、上を向いていた任意の表示ブロックのカバー層201が下を向いたときに、先行する奇数ページに続く偶数ページの画像データを反転させて制御ブロック100a〜100eに送る。こうすることで、ユーザは本をめくるようにして右側でカバー層201に表示され、左側でカバー層209に表示された正画像をページの順番にみることができる。
【0052】
図12は、入出力装置40に対して電子ペン15でタッチ操作が行われるときの表示ブロック500a〜500eの様子を説明するための図である。図13は、制御ブロック170の動作手順を説明するためのフローチャートである。各制御ブロック100a〜100eの動作手順の詳細は図4のフローチャートを参考にして理解することができる。図12(A)は、5枚の表示ブロック500a〜500eが順番に平板状態で積層されている様子を示している。表示ブロック500a〜500eは、表示ブロック200、250、260のいずれかで構成していると想定する。表示ブロック500a〜500eの上側のカバー層201はそれぞれ正画像を表示している。
【0053】
ブロック601で、最上位の表示ブロック500aに対してタッチ操作が行われる。ブロック603で各制御ブロック100a〜100eのデジタイザ・コントローラ107はいずれも1個の座標を検出する。しかし、表示ブロック500a〜500eが積層されている場合は、最上位に積層された表示ブロック500aに対応するタッチ・センサ・コントローラ103は座標を検出するが、それより下層の表示ブロック500b〜500eに対応するタッチ・センサ・コントローラ103は座標を検出しない。
【0054】
各制御ブロック100a〜100eの入力制御部111は、デジタイザ・コントローラ105から座標を受け取ったときに、ブロック605でそれぞれタッチ・センサ層203が座標を検出したか否かを判断する。座標を検出した制御ブロック100aの入力制御部111はブロック607でデジタイザ・コントローラ107から受け取った座標を有効と判断して出力する。また座標を検出しない制御ブロック100b〜100eの入力制御部111はブロック651でそれぞれデジタイ・コントローラ107から受け取った座標を無効と判断して出力しない。
【0055】
図12(B)は、表示ブロック500a、500bが左側にめくられて積層された様子を示している。このとき画像の方向の反転が可能な表示ブロック260を採用していれば、表示ブロック500bのカバー層209に正画像が表示される。表示ブロック500bのカバー層209に対するタッチ操作は、制御ブロック100a、100bのタッチ・センサ層212が図13と同じ手順で処理することができる。
【0056】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0057】
10、20、30、40 入出力装置
15 電子ペン
100、160、170、100a〜100e 制御ブロック
200、250、260、500a〜500e 表示ブロック
201、209、210 カバー層
203、212 タッチ・センサ層
205 ディスプレイ層
207 デジタイザ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2018年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の輪郭を形成する第1のカバー層と他方の輪郭を形成する第2のカバー層と前記第1のカバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と前記第1のカバー層に正画像を表示するディスプレイ層とを含む電磁波透過性と可撓性を備えた表示ブロックと、
前記第1のカバー層に前記タッチ操作がされたときに前記タッチ・センサ層の出力に基づいて前記デジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項2】
前記タッチ・センサ層が検出した座標を出力するタッチ・センサ・コントローラと、前記第1のカバー層に対する前記タッチ操作に応じて、前記第1のカバー層を透過して入射した電磁波と、前記第1のカバー層と前記第2のカバー層を透過したあとに入射した前記電磁波から前記デジタイザ層が検出した複数の座標を出力するデジタイザ・コントローラとを有し、前記制御部は前記タッチ・センサ・コントローラの出力に基づいて前記デジタイザ・コントローラが出力した複数の座標の有効性を判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記タッチ・センサ層が、指によるタッチ操作を検出することが可能な静電容量式のセンサである請求項1に記載の入出力装置。
【請求項4】
前記タッチ・センサ層は、前記第2のカバー層への前記タッチ操作を検出しない請求項1に記載の入出力装置。
【請求項5】
前記表示ブロックが、折り曲げおよび丸めが可能である請求項1に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しかつ前記デジタイザ層が複数個の座標を検出したときに、前記タッチ・センサ層が検出した座標と前記デジタイザ層が検出した座標の距離を計算して有効性を判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を有効と判断し、その他の座標を無効と判断する請求項6に記載の入出力装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザが検出した1個の座標を有効と判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項9】
前記表示ブロックが光透過率の高い材料で形成され、前記ディスプレイ層が前記第2のカバー層に反転画像を表示する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出した複数の座標を無効にしたことを示す情報を前記第2のカバー層に正画像として表示するために、前記ディスプレイ層に前記情報を反転して表示するための画像データを出力する請求項9に記載の入出力装置。
【請求項11】
タッチ操作面を提供する第1のカバー層と、
タッチ操作面を提供する第2のカバー層と、
前記第1のカバー層と前記第2のカバー層のいずれか一方に正画像を表示し他方に反転画像を表示するディスプレイ層と、
前記第1のカバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能な第1のタッチ・センサ層と、
前記第2のカバー層に対する前記タッチ操作を検出することが可能な第2のタッチ・センサ層と、
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層に対する前記タッチ操作を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と
を有する電磁波透過性と可撓性を備えた表示ブロックと、
前記第1のカバー層または前記第2のカバー層に前記タッチ操作がされたときに前記第1のタッチ・センサ層または前記第2のタッチ・センサ層の出力に基づいて前記デジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項12】
それぞれ、タッチ操作面を提供するカバー層と該カバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層と前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と前記カバー層に画像を表示するディスプレイ層とを含み前記タッチ操作時に積層され電磁波透過性を備えた複数の表示ブロックと、
上位に積層された前記表示ブロックが含む前記カバー層に前記タッチ操作がされたときに各表示ブロックが含む前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無に基づいて各表示ブロックが含む前記デジタイザ層が検出した座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の入出力装置を有する電子機器。
【請求項14】
一方の輪郭を形成する第1のカバー層と該第1のカバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層と画素マトリクスと前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と他方の輪郭を形成する第2のカバー層とを含む電磁波透過性と可撓性を備えた入出力装置の動作を制御する方法であって、
前記第1のカバー層に対するタッチ操作に応じて前記デジタイザ層が座標を検出するステップと、
前記タッチ操作に応じて前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無を判断するステップと、
前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無に応じて前記デジタイザ層が検出した座標について前記タッチ操作の位置に対応する座標と前記タッチ操作の位置とは異なる位置に対応する座標を区別するステップと
を有する方法。
【請求項15】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出したときに前記デジタイザ層が検出した座標を有効と判断するステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記区別するステップが、前記デジタイザ層が検出した座標の個数が1個のときに当該座標を有効と判断するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記区別するステップが、前記デジタイザ層が検出した座標の個数が複数個のときに前記タッチ・センサ層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を有効と判断するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出したすべての座標を無効と判断するステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出した1個の座標を有効と判断するステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
それぞれ、タッチ操作面を提供するカバー層と該カバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層と画素マトリクスと前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と含み電磁波透過性を備えた第1の表示ブロックと第2の表示ブロックを有するブック・タイプの入出力装置の動作を制御する方法であって、
積層された前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックのいずれかの前記カバー層に対する前記タッチ操作に応じて前記電子ペンが放射した電磁波から、前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックが含む前記デジタイザ層がそれぞれ座標を検出するステップと、
前記タッチ操作に応じて前記第1の表示ブロックと前記第2の表示ブロックが含む前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無を判断するステップと、
各タッチ・センサ層による座標の検出の有無に基づいて各デジタイザ層が検出した座標の有効性を判断するステップと
を有する方法。
【手続補正書】
【提出日】2018年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の輪郭を形成する第1のカバー層と他方の輪郭を形成する第2のカバー層と前記第1のカバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層と前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と前記第1のカバー層に正画像を表示するディスプレイ層とを含む電磁波透過性と可撓性を備えた表示ブロックと、
前記タッチ・センサ層が検出した座標を出力するタッチ・センサ・コントローラと
前記第1のカバー層に対する前記タッチ操作に応じて、前記第1のカバー層を透過して入射した電磁波と、前記第1のカバー層と前記第2のカバー層を透過したあとに入射した電磁波から前記デジタイザ層が検出した複数の座標を出力するデジタイザ・コントローラと、
前記タッチ・センサ・コントローラの出力に基づいて前記デジタイザ・コントローラが出力した複数の座標の有効性を判断する制御部と
を有する入出力装置。
【請求項2】
前記タッチ・センサ層が、指によるタッチ操作を検出することが可能な静電容量式のセンサである請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記タッチ・センサ層は、前記第2のカバー層への前記タッチ操作を検出しない請求項1に記載の入出力装置。
【請求項4】
前記表示ブロックが、折り曲げおよび丸めが可能である請求項1に記載の入出力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しかつ前記デジタイザ層が複数個の座標を検出したときに、前記タッチ・センサ層が検出した座標と前記デジタイザ層が検出した座標の距離を計算して有効性を判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を有効と判断し、その他の座標を無効と判断する請求項5に記載の入出力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出した1個の座標を有効と判断する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項8】
前記表示ブロックが光透過率の高い材料で形成され、前記ディスプレイ層が前記第2のカバー層に反転画像を表示する請求項1に記載の入出力装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出した複数の座標を無効にしたことを示す情報を前記第2のカバー層に正画像として表示するために、前記ディスプレイ層に前記情報を反転して表示するための画像データを出力する請求項8に記載の入出力装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の入出力装置を有する電子機器。
【請求項11】
一方の輪郭を形成する第1のカバー層と該第1のカバー層に対する電子ペンによるタッチ操作を検出することが可能なタッチ・センサ層と画素マトリクスと前記電子ペンが放射する電磁波を検出する電磁誘導式のデジタイザ層と他方の輪郭を形成する第2のカバー層とを含む電磁波透過性と可撓性を備えた入出力装置の動作を制御する方法であって、
前記第1のカバー層に対するタッチ操作に応じて前記第1のカバー層を透過して入射した電磁波と、前記第1のカバー層と前記第2のカバー層を透過したあとに入射した電磁波から前記デジタイザ層が複数の座標を検出するステップと、
前記タッチ操作に応じて前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無を判断するステップと、
前記タッチ・センサ層による座標の検出の有無に応じて前記デジタイザ層が検出した複数の座標について前記タッチ操作の位置に対応する座標と前記タッチ操作の位置とは異なる位置に対応する座標を区別するステップと
を有する方法。
【請求項12】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出したときに前記デジタイザ層が検出した座標を有効と判断するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記区別するステップが、前記デジタイザ層が検出した座標の個数が1個のときに当該座標を有効と判断するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記区別するステップが、前記デジタイザ層が検出した座標の個数が複数個のときに前記タッチ・センサ層が検出した座標に対して最も近い位置に存在する座標を有効と判断するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出したすべての座標を無効と判断するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記区別するステップが、前記タッチ・センサ層が座標を検出しないときに前記デジタイザ層が検出した1個の座標を有効と判断するステップを含む請求項11に記載の方法。