【解決手段】警報器は、センサ、表示部およびスピーカが内部に配置されている本体ケース10と、本体ケース10の背面11に取付可能に構成され、本体ケース10の背面11との間において、本体ケース10に接続されている電源コード5が収容される収容部を構成する取付板20とを備える。本体ケース10には、電源コード5を保持する保持部が設けられている。
前記保持部は、前記警報器本体の背面から前記電源コード収容部材側に突出するとともに、前記電源コードを挟んで保持する一対の突出部を含む、請求項1に記載の警報器。
前記一対の突出部は、前記電源コードの横断面形状における長手方向の長さよりも小さく、かつ、前記電源コードの横断面形状における短手方向の長さ以上の距離を隔てて配置されている、請求項2に記載の警報器。
前記保持部は、前記警報器本体の背面から前記電源コード収容部材側に突出するとともに、前記電源コードをガイドするガイド壁部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の警報器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の警報器では、警報器本体に接続されている電源コードを、警報器本体とは別個に形成されたケース部材の掛止め部に引っ掛けられた状態を維持しながら、裏側部材にケース部材を取り付ける必要がある。このため、警報器本体(裏側部材)にケース部材を取り付ける作業中に、警報器本体と掛止め部との距離が変化して、警報器本体と掛止め部との間に配置される電源コードの長さが変化してしまうという不都合がある。たとえば、警報器本体と掛止め部との間に配置される電源コードの長さが増大した場合、長さが余分な分、電源コードが収容部内で撓んで、撓んだ電源コードと、巻き付けられる電源コードとが干渉する場合があると考えられる。この場合、電源コードを適切に巻き付けるのが困難になる。また、警報器本体と掛止め部との距離が変化しないように、警報器本体(裏側部材)にケース部材を取り付ける作業は容易ではなく、警報器の組立作業性が低下する。したがって、従来、電源コード同士が干渉するのを抑制しながら、警報器の組立作業性が低下するのを抑制することが可能な警報器が望まれていた。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電源コード同士が干渉するのを抑制しながら、警報器の組立作業性が低下するのを抑制することが可能な警報器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における警報器は、センサおよびセンサによる検知を報知する報知部が内部に配置されている警報器本体と、警報器本体の背面に取付可能に構成され、警報器本体の背面との間において、警報器本体には、電源コードが巻き回される領域内に電源コードを保持する保持部が設けられており、警報器本体の背面には、電源コードをガイドするガイド溝部が設けられており、保持部は、ガイド溝部とは別個に設けられている。
【0008】
この発明の一の局面による警報器では、上記のように、警報器本体に、電源コードが巻き回される領域内に電源コードを保持する保持部を設け、警報器本体の背面に、電源コードをガイドするガイド溝部を設け、保持部を、ガイド溝部とは別個に設ける。これにより、電源コードを警報器本体の保持部により保持させた状態で、警報器本体に電源コード収容部材を取り付けることができるので、電源コード収容部材に掛止め部を設ける場合と異なり、警報器本体と保持部との距離が変化しない状態で、警報器本体に電源コード収容部材を取り付けることができる。その結果、警報器本体と保持部との距離が変化しないことにより、電源コードが撓んで収容部に配置される電源コード同士が干渉することを抑制することができる。この結果、電源コードを適切に収容部に配置することができる。また、作業者によって警報器本体と掛止め部との距離が変化しないように作業する必要がないので、警報器の組立作業性が低下するのを抑制することができる。したがって、電源コード同士が干渉するのを抑制しながら、警報器の組立作業性が低下するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による警報器において、好ましくは、保持部は、警報器本体の背面から電源コード収容部材側に突出するとともに、電源コードを挟んで保持する一対の突出部を含む。このように構成すれば、一対の突出部の間に電源コードを配置することにより、電源コードを保持部によって容易に保持させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、一対の突出部は、電源コードの横断面形状における長手方向の長さよりも小さく、かつ、電源コードの横断面形状における短手方向の長さ以上の距離を隔てて配置されている。このように構成すれば、電源コードが一対の突出部に配置される方向(横断面の向き)を規制することができる。これにより、たとえば、電源コードの横断面の向きを、電源コードが収容部に配置される(巻回される)際の向きに合わせれば、別途、電源コードの横断面の向きを矯正する作業を行うことなく、電源コードを収容部に配置することができる。この結果、警報器の組立作業工程数を削減することができる。
【0011】
上記一の局面による警報器において、好ましくは、保持部は、ガイド溝部に沿って配置されている。このように構成すれば、警報器の組立作業時に、電源コードが警報器本体の背面において、電源コードがガイド溝部からずれるのを抑制しながら、保持部により電源コードを保持することができる。
【0012】
上記一の局面による警報器において、好ましくは、保持部は、警報器本体の背面から電源コード収容部材側に突出するとともに、電源コードをガイドするガイド壁部を含む。このように構成すれば、保持部を、電源コードをガイドする機能および電源コードを保持する機能の両方を有するように構成することができる。
この場合、好ましくは、ガイド壁部は、ガイド溝部の内壁部に連続して形成されている。
【0013】
上記一の局面による警報器において、好ましくは、警報器本体には、電源コードが巻き回される領域外に設けられ、警報器本体内部から電源コードが取り出されるコード取出し部が設けられており、ガイド溝部は、コード取出し部から保持部まで電源コードをガイドするように形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上記のように、電源コード同士が干渉するのを抑制しながら、警報器の組立作業性が低下するのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(警報器の全体構成)
図1〜
図9を参照して、本発明の一実施形態による警報器100の構成について説明する。
【0018】
図1および
図2に示すように、本実施形態による警報器100は、センサ1と表示部2とスピーカ3と基板4とを備える。そして、警報器100は、センサ1により検知対象物(たとえば、被検知ガス)を検知した場合に、基板4に形成された検知回路および制御回路の処理に基づいて、表示部2またはスピーカ3の少なくとも一方により検知対象部の検知を報知する(表示または発声を行う)ように構成されている。また、
図2に示すように、基板4には、電源コード5(電気コード、電源ケーブル)が接続されている。これにより、基板4に接続された電源コード5を介して電力が基板4に供給される。なお、表示部2およびスピーカ3は、特許請求の範囲の「報知部」の一例である。また、基板4は、特許請求の範囲の「警報器本体」の一例である。
【0019】
警報器100は、壁掛け用の警報器として構成されている。具体的には、警報器100は、本体ケース10と、本体ケース10の背面11の側(矢印Y2方向側)に設けられた取付板20とを備える。たとえば、取付板20の孔部21が壁(建築物の壁)に固定されている締結部材(図示せず)に引っ掛けられることにより、取付板20(警報器100)が壁に配置される。なお、本体ケース10は、特許請求の範囲の「警報器本体」の一例である。また、取付板20は、特許請求の範囲の「電源コード収容部材」の一例である。
【0020】
なお、本願明細書では、「背面側」とは、警報器100の表示部2が配置されている側を「前面側」とした場合の裏面側を意味し、
図1の矢印Y2方向側を意味するものとする。また、「上」は、矢印Z1方向、「下」は、矢印Z2方向、「左」は、矢印X1方向、「右」は、矢印X2方向を意味するものとする。
【0021】
本体ケース10の内部には、複数のセンサ1が設けられている。センサ1は、ガス検知センサ、温度センサ、または、煙センサとして構成されている。たとえば、センサ1は、一酸化炭素ガスを被検知ガスとするCOセンサと、都市ガス(メタンガス)を検知するメタンガスセンサとを含む。そして、警報器100は、本体ケース10の通気孔部10aを介して、本体ケース10の外部から本体ケース10の内部に、被検知ガスを導入(通気)することにより、センサ1により被検知ガスを検出するように構成されている。
【0022】
表示部2は、たとえば、発光ダイオード(LED)を含み、本体ケース10を介して、矢印Y1方向側に発光するように構成されている。スピーカ3は、本体ケース10の内部に配置されており、本体ケース10のスピーカ用孔部10bを介して、音を警報器100の外部に発するように構成されている。
【0023】
警報器100は、電源コード5が、商用電源(図示せず)に接続されることにより、商用電源から電源コード5を介して、基板4に電力が供給されるように構成されている。また、
図3に示すように、電源コード5は、たとえば、2本の導線が並列して形成されている。そして、電源コード5は、2本の導線の並列方向を長手方向として、長さL1を有し、並列方向に垂直な方向を短手方向として、長さL2を有する。すなわち、電源コード5は、横断面形状の長手方向に長さL1を有し、横断面形状の短手方向に長さL1よりも小さい長さL2を有する。
【0024】
(本体ケースに対する取付板の取付に関する構成)
図2に示すように、本体ケース10は、本体ケース10の前面側を構成する前面側ケース部12と、本体ケース10の背面11を含み本体ケース10の背面側を構成する背面側ケース部13と、本体ケース10の前面側の下側(矢印Z2方向側)に配置されているスイッチ部14とを含む。
【0025】
本実施形態では、取付板20は、本体ケース10の背面11に取付可能に構成されている。具体的には、本体ケース10(背面側ケース部13)の背面11側には、第1ケース側係合部15aと第2ケース側係合部15bとが設けられている。また、取付板20の前面22側(矢印Y1方向側)には、第1ケース側係合部15aに係合する第1板側係合部23aと、第2ケース側係合部15bに係合する第2板側係合部23bとが設けられている。
【0026】
たとえば、第1ケース側係合部15aは、背面11の中央部において、左右方向(X方向)に一対設けられており、先端部がテーパ状に形成されている。すなわち、
図5に示すように、第1ケース側係合部15aおよび第1板側係合部23aは、スナップフィットとして構成されており、本体ケース10と取付板20とが組み合わされることにより、一対の第1ケース側係合部15aと第1板側係合部23aとが、係合(嵌合)されるように構成されている。
【0027】
また、第2ケース側係合部15bおよび第2板側係合部23bは、たとえば、第1ケース側係合部15aおよび第1板側係合部23aと同様にスナップフィットとして構成されている。これにより、本体ケース10と取付板20とが組み合わされることによって、第2ケース側係合部15bと第2板側係合部23bとが、係合(嵌合)されるように構成されている。
【0028】
なお、警報器100は、本体ケース10と取付板20とがY方向に互いに引き離された場合、第1ケース側係合部15aと第1板側係合部23aとの係合が外れるとともに、第2ケース側係合部15bと第2板側係合部23bとの係合が外れて、本体ケース10から取付板20を脱離させることも可能に本体ケース10と取付板20とは構成されている。
【0029】
(保持部の構成)
図4に示すように、本体ケース10の背面11には、本体ケース10の内部に配置された基板4(
図2参照)に接続されている電源コード5が配置されるコード取出し部16が設けられている。詳細には、コード取出し部16は、本体ケース10の左右方向(たとえば、矢印X1方向側)の端部近傍で、かつ、本体ケース10の上下方向(たとえば、矢印Z1方向側)の端部近傍に設けられている。また、
図6に示すように、コード取出し部16は、電源コード5が巻回される領域R1の外部に配置されている。そして、コード取出し部16は、孔形状を有し、孔を貫通するように電源コード5が配置されている。
【0030】
ここで、領域R1とは、
図7に示すように、電源コード5が巻回される領域であり、本体ケース10の背面11と取付板20の前面22との間(収容部30)において、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との外側の領域を意味する。また、領域R2とは、収容部30において、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との内側の領域を意味する。
【0031】
図6に示すように、本実施形態では、本体ケース10の背面11に、電源コード5を保持する保持部6が設けられている。保持部6は、本体ケース10の背面11から取付板20側に突出する壁状に形成されている第1壁部61と第2壁部62とを含む。なお、第1壁部61と第2壁部62とは、特許請求の範囲の「一対の突出部」の一例である。
【0032】
図8に示すように、第1壁部61および第2壁部62は、電源コード5を挟んで保持するように構成されている。具体的には、
図6に示すように、本実施形態では、本体ケース10と取付板20とが組み合わされた状態で、第1壁部61および第2壁部62は、後述する上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との間に配置されている。すなわち、第1壁部61および第2壁部62は、矢印Y2方向側から見て、電源コード5が巻回される領域R1よりも内側(中心側)の領域R2(
図7参照)に配置されている。
【0033】
また、第1壁部61および第2壁部62は、好ましくは、少なくとも第1壁部61および第2壁部62により電源コード5を保持している部分P1の近傍において、電源コード5が本体ケース10の背面11に接触した状態で、電源コード5を保持するように構成されている。
【0034】
また、好ましくは、保持部6は、少なくとも部分P1において、電源コード5が本体ケース10の背面11に接触した状態で、電源コード5を保持するように構成されている。これにより、たとえば、保持部6を掛止め部として構成して、部分P1において電源コード5が本体ケース10の背面11に接触しないで、部分P1とは異なる部分P1の近傍のみで、電源コード5が本体ケース10の背面11に接触するように構成した場合と異なり、後述する下側巻回ガイド部32に電源コード5をガイドする際に、背面11に接触した状態で、電源コード5をガイドすることが可能になる。これにより、容易に電源コード5を巻回し始めることが可能になる。
【0035】
また、
図8に示すように、本体ケース10と取付板20とが組み合わされた状態で、電源コード5の前後方向(Y方向)両側および上下方向(Z方向)両側が保持された状態になる。
【0036】
また、本実施形態では、第1壁部61と第2壁部62とは、距離D1を隔てて配置されている。距離D1は、電源コード5の横断面形状における長手方向の長さL1よりも小さく、かつ、電源コード5の横断面形状における短手方向の長さL2以上の距離である。これにより、電源コード5の2本の導線が背面11に略垂直な方向(Y方向)に並列して配置された状態で、電源コード5が第1壁部61と第2壁部62との間に配置される。
【0037】
図6に示すように、本実施形態では、本体ケース10の背面11には、電源コード5をコード取出し部16から保持部6までガイドするガイド溝部17が設けられている。たとえば、矢印Y2方向側から見て、ガイド溝部17は、コード取出し部16と保持部6との間に略直線状に形成されており、長さL1以上の幅W1(
図5参照)を有し、長さL2以上の深さd1(
図5参照)を有する。
【0038】
ここで、保持部6は、第1壁部61に連続して形成されているとともに、ガイド溝部17に沿って配置されたガイド壁部63を含む。ガイド壁部63は、ガイド溝部17の内壁部17aの矢印Y2方向側に連続して形成されている。また、ガイド壁部63は、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との間に配置され、領域R1よりも内側(巻回内側)の領域R2に配置されている。
【0039】
そして、電源コード5は、ガイド壁部63に接触するとともに、2本の導線が背面11に沿った方向に並列して配置された状態から、背面11に略垂直な方向に並列して配置された状態に配置方向が転換されながら配置されている。すなわち、電源コード5が、ガイド壁部63において、捻じれながら配置されている。たとえば、
図6に示すように、電源コード5の2本の導線のうちのガイド壁部63側に配置された一方の導線が、背面11から(矢印Y2方向側に)離れるとともに、2本の導線のうちの他方の導線が、一方の導線よりも背面11側(矢印Y1方向側)に配置されるように、電源コード5が捻られる。
【0040】
図9に示すように、第1壁部61とガイド壁部63との接続部分64は、弧状(R状)を有し、弧状の接続部分64に電源コード5が接触した状態で、第1壁部61と第2壁部62との間で電源コード5が保持されている。
【0041】
また、保持部6には、リブ65が設けられている。リブ65は、本体ケース10の背面11から矢印Y2方向側に突出する壁部として形成されている。そして、リブ65は、第1壁部61およびガイド壁部63に接続されることにより、第1壁部61およびガイド壁部63を補強する機能を有する。また、リブ65には、締結部材(図示せず)が配置されるケース側締結用孔部65aが設けられている。
【0042】
(収容部の構成)
図5に示すように、本実施形態では、取付板20は、本体ケース10の背面11との間において、電源コード5が収容される収容部30を構成する。具体的には、
図4に示すように、取付板20には、電源コード5が巻回される上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とが設けられている。上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とは、それぞれ、取付板20の前面22から本体ケース10に向かって突出する壁部として形成されている。そして、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とは、上下方向に互いに距離を隔てて、一対形成されている。
【0043】
図6に示すように、上側巻回ガイド部31の外周面31aのうちの上側(矢印Z1方向側)は、円弧状に形成されており、下側巻回ガイド部32の外周面32aのうちの下側(矢印Z2方向側)は、円弧状に形成されている。これにより、電源コード5は、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とに渡って、矢印Y1方向に見て、領域R1において、楕円を描くように巻回されることにより、収容部30に収容されている。すなわち、収容部30は、上側巻回ガイド部31の外周面31aと、下側巻回ガイド部32の外周面32aと、本体ケース10の背面11と、取付板20の前面22とにより形成されている。そして、電源コード5のプラグ51近傍は、取付板20のコード取出し部26から外部に取り出されている。
【0044】
また、
図4に示すように、上側巻回ガイド部31は、第1板側係合部23aと一体的に形成されている。具体的には、上側巻回ガイド部31の内周面31bの一部が第1板側係合部23aとして形成されている。また、下側巻回ガイド部32の内周面32bの一部が第2板側係合部23bとして形成されている。
【0045】
ここで、
図5および
図6に示すように、電源コード5は、2本の導線が背面11に略垂直な方向に並列した配置された状態で、上側巻回ガイド部31および下側巻回ガイド部32に巻回されている。すなわち、電源コード5は、収容部30において、短手方向に積層されるように巻回されている。
【0046】
ここで、第2壁部62は、電源コード5の巻回をガイドする機能を有する。具体的には、本体ケース10と取付板20とが組み合わされた状態で、第2壁部62と下側巻回ガイド部32とが接続されることにより、第2壁部62が電源コード5の巻回開始部分のガイドとして機能する。詳細には、警報器100は、第2壁部62の領域R1側の表面62aと、下側巻回ガイド部32の外周面32aとが、本体ケース10と取付板20とが組み合わされた状態で略面一となる位置に配置されている。
【0047】
[警報器の組立方法]
次に、
図1〜
図9を参照して、本実施形態による警報器100の組立方法について説明する。
【0048】
まず、
図4に示すように、背面11側のコード取出し部16に電源コード5が配置された状態の背面側ケース部13が準備される。その後、
図8および
図9に示すように、電源コード5がガイド溝部17に配置されるとともに、保持部6の第1壁部61と第2壁部62との間に電源コード5が配置される。この時、
図6に示すように、矢印Y2方向側から見て、ガイド溝部17のうち、領域R1とオーバーラップする位置においては、電源コード5は、2つの導線が背面11に沿った方向に並列して配置された状態となっている。ガイド溝部17のうち、領域R1よりも領域R2においては、電源コード5は、2つの導線が背面11に垂直な方向に並列して配置された状態となっている。
【0049】
その後、
図5に示すように、背面側ケース部13に取付板20が取付けられる。具体的には、背面側ケース部13および取付板20がY方向に相対移動されることにより、第1板側係合部23aと第1ケース側係合部15aとが係合するとともに、第2板側係合部23bと第2ケース側係合部15bとが係合される。
【0050】
その後、
図6に示すように、コード巻回装置または作業者により、電源コード5が下側巻回ガイド部32を巻回開始点として巻回される。そして、電源コード5の2つの導線が背面11に垂直な方向に並列して配置された状態で、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とを巻枠として巻回される。また、電源コード5は、横断面形状の短手方向に積層されるように巻回される。
【0051】
その後、取付板20のコード取出し部26に電源コード5が配置される。その後、
図1に示すように、背面側ケース部13と前面側ケース部12とが組み合わせられる。そして、締結部材が、取付板20に設けられた板側締結用孔部27およびケース側締結用孔部65aに渡って配置される。そして、締結部材が前面側ケース部12に締結されることにより、前面側ケース部12と、背面側ケース部13と、取付板20とが互いに固定され、背面側ケース部13と、取付板20とがねじ止めされ、警報器100の組立が終了される。
【0052】
なお、電源コード5の巻回回数を調整することにより、取付板20のコード取出し部26からプラグ51までの電源コード5の長さが調整される。すなわち、電源コード5の巻回を解くことにより、取付板20(本体ケース10)からプラグ51までの電源コード5の長さを大きくすることができる。
【0053】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、上記のように、本体ケース10に、電源コード5を保持する保持部6を設ける。これにより、電源コード5を本体ケース10の保持部6により保持させた状態で、本体ケース10に取付板20を取り付けることができるので、取付板20に掛止め部を設ける場合と異なり、本体ケース10と保持部6との距離が変化しない状態で、本体ケース10に取付板20を取り付けることができる。その結果、本体ケース10と保持部6との距離が変化しないことにより、電源コード5が撓んで収容部30に配置される電源コード5同士が干渉することを抑制することができる。この結果、電源コード5を適切に収容部30に巻回することができる。また、作業者によって本体ケース10と掛止め部との距離が変化しないように作業する必要がないので、警報器100の組立作業性が低下するのを抑制することができる。したがって、電源コード5同士が干渉するのを抑制しながら、警報器100の組立作業性が低下するのを抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、保持部6に、本体ケース10の背面11から取付板20側に突出するとともに、電源コード5を挟んで保持する第1壁部61と第2壁部62とを設ける。これにより、第1壁部61と第2壁部62との間に電源コード5を配置することにより、電源コード5を保持部6によって容易に保持させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、第1壁部61と第2壁部62とを、電源コード5の横断面形状における長手方向の長さL1よりも小さく、かつ、電源コード5の横断面形状における短手方向の長さL2以上の距離D1を隔てて配置する。これにより、電源コード5が第1壁部61と第2壁部62とに配置される方向(横断面の向き)を規制することができる。また、上記のように、電源コード5の横断面の向きを、電源コード5が収容部30に配置される(巻回される)際の向きに合わせれば、別途、電源コード5の横断面の向きを矯正する作業を行うことなく、電源コード5を収容部30に配置することができる。この結果、警報器100の組立作業工程数を削減させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、本体ケース10の背面11に、電源コード5をガイドするガイド溝部17を設ける。また、保持部6に、ガイド溝部17に沿って配置されている。これにより、警報器100の組立作業時に、電源コード5が本体ケース10の背面11において、電源コード5がガイド溝部17からずれるのを抑制しながら、保持部6により電源コード5を保持することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、保持部6に、本体ケース10の背面11から取付板20側に突出するとともに、電源コード5をガイドするガイド壁部63を設ける。これにより、保持部6を、電源コード5をガイドする機能および電源コード5を保持する機能の両方を有するように構成することができる。そして、本体ケース10の背面11から取付板20側に突出させるガイド壁部63を設けることにより、比較的複雑な形状を有する掛止め部に比べて、容易に保持部6を形成することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、収容部30を、取付板20と一体的に形成する。また、収容部30に、電源コード5が巻回される上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32とを設ける。そして、保持部6を、上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との間に配置する。これにより、収容部30を取付板20と一体的に形成することにより、収容部30が本体ケース10に設けられている場合に比べて、取付板20の機械的強度を向上させることができる。保持部6を上側巻回ガイド部31と下側巻回ガイド部32との間に配置することにより、保持部6と巻回される電源コード5とが干渉しない。また、電源コード5を下側巻回ガイド部32までガイドする作業や保持部6とは別個にガイド部を設けることなく、下側巻回ガイド部32に電源コード5の巻回を開始させることができる。
【0060】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態では、壁掛け用の警報器として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、天井配置用の警報器として構成してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、上側巻回ガイド部および下側巻回ガイド部を、取付板と一体的に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本体ケースの背面に上側巻回ガイド部および下側巻回ガイド部を形成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、電源コード収容部材の一例として取付板を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電源コード収容部材を取付板としての機能を有さない専用の部材として構成してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、保持部を壁状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図10に示す変形例による警報器200のように、保持部206を柱状に形成してもよい。たとえば、保持部206は、背面11から突出する一対の柱状のボス206aおよび206bを含む。そして、警報器200では、電源コード5が一対のボス206aおよび206bにより挟まれた状態で保持される。
【0065】
また、上記実施形態では、本体ケースの背面にガイド溝部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、電源コードの位置がずれにくいか、電源コードが撓みにくい構成ならば、本体ケースの背面にガイド溝部を設けなくてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、電源コードを、長手・短手を有する横断面形状を有するように構成する例(
図3参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電源コードを、長手・短手を有さず正方形の横断面形状を有するように構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、取付板を、本体ケース部の背面から脱離可能に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、取付板は、本体ケース部の背面に取付可能に構成されていればよく、取付板と本体ケース部とを接着または溶着することにより、本体ケース部の背面から取付部を取り外せない構造に構成してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、保持部を、少なくとも保持部または保持部近傍において、電源コードが本体ケースの背面に接触した状態で、電源コードを保持するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、保持部を、電源コードを保持することが可能に構成されていれば、保持部または保持部近傍において、電源コードが本体ケースの背面から離間していてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、電源コードの2本の導線のうちのガイド壁部側に配置された一方の導線が、背面から離れるとともに、2本の導線のうちの他方の導線が、一方の導線よりも背面側に配置されるように、電源コードが捻られる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電源コードの2本の導線のうちのガイド壁部側に配置された一方の導線が、2本の導線のうちの他方の導線よりも背面側に配置されるとともに、他方の導線が、背面から離れるように、電源コードが捻られてもよい。