【解決手段】触覚フィードバックシステム100は、第1の安定構成に構成された多安定材料体102と、起動されると、多安定材料体を第1の安定構成から少なくとも第2の安定構成及び第3の安定構成に変動させて、触覚フィードバックを生成する、多安定材料体に結合された第1のアクチュエーター104と、第1のアクチュエーター起動信号を受信すると、第1のアクチュエーターの起動を開始する第1のアクチュエーター起動信号受信部106とを備える。
第1のアクチュエーター起動信号を受信すると、前記第1のアクチュエーターの起動を開始する第1のアクチュエーター起動信号受信部を更に備える、請求項1に記載のシステム。
前記スマート材料アクチュエーターは、前記多安定材料体に結合された形状記憶材料合金(SMA)、形状記憶ポリマー(SMP)、電気活性ポリマー(EAP)、及びマクロファイバー複合体(MFC)のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のシステム。
前記多安定材料体に結合された前記第1のアクチュエーターは、該多安定材料体を前記第3の安定構成から少なくとも第4の安定構成に変動させる、請求項1に記載のシステム。
c.起動されると、前記多安定材料体を前記少なくとも第3の安定構成から前記第2の安定構成及び/又は前記第1の安定構成に変動させる、前記多安定材料体に結合された第2のアクチュエーターと、
d.第2のアクチュエーター起動信号を受信すると、前記第2のアクチュエーターの起動を開始する第2のアクチュエーター起動信号受信部と、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
前記スマート材料アクチュエーターは、前記多安定材料体に結合された形状記憶材料合金(SMA)、形状記憶ポリマー(SMP)、電気活性ポリマー(EAP)、及びマクロファイバー複合体(MFC)のうちの少なくとも1つから構成される、請求項15に記載の方法。
前記多安定材料体に結合された前記第1のアクチュエーターは、該多安定材料体を前記第3の安定構成から少なくとも第4の安定構成に変動させる、請求項13に記載の方法。
d.起動されると、前記多安定材料体を前記少なくとも第3の安定構成から前記第2の安定構成及び/又は前記第1の安定構成に変動させる、前記多安定材料体に結合された第2のアクチュエーターと、
e.第2のアクチュエーター起動信号を受信すると、前記第2のアクチュエーターの起動を開始する第2のアクチュエーター起動信号受信部と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の上述した特徴及び態様並びに他の特徴及び態様は、実施形態の以下の説明から、かつ添付図面に示すように、よりよく理解することができる。
【0009】
本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付図面は、さらに、本技術の原理を例示する役割を果たす。図面の構成要素は必ずしも正確な尺度で描かれていない。
【0010】
実施形態では、例えば、
図1に示すように、触覚フィードバックを生成又はユーザーに提供するシステム100が本明細書において提供される。
【0011】
「触覚フィードバック」、「触覚フィードバック信号」、又は「触覚信号」は、本明細書において用いられるときは区別なく用いられ、本明細書において説明するように、システム又は触覚フィードバックジェネレーターから接触の感覚を介してユーザーに伝達される振動、テクスチャ、及び/又は熱等の情報を指す。
【0012】
実施形態において、システム100は、第1の安定構成に構成された多安定材料体102(又は単に第1の安定構成)を備える。システム100は、多安定材料体102に結合された少なくとも1つのアクチュエーター104も備える。アクチュエーター104は、起動又は作動されると、多安定材料体102が第1の安定構成から少なくとも第2の安定構成に移るようにさせ、次いで、アクチュエーター104は、多安定材料体102が第3の安定構成に移るようにさせ、それによって、ユーザーへの触覚フィードバックを生成する。システム100は、第1のアクチュエーター起動信号を受信すると、アクチュエーター104の起動を開始する第1のアクチュエーター起動信号受信部106も備えることができる。アクチュエーター起動信号受信部106は、例えば、携帯電話、タブレット、コンピューター、自動車インターフェース、ゲームコンソール等からの起動信号の信号を受信し、その信号を変換して、その結果として、アクチュエーター104を起動又は作動させることが可能な任意の適した信号受信機及び/又は処理ユニットとすることができる。
【0013】
「多安定」及び「多安定材料体」は、本明細書において用いられるとき、少なくとも3つの異なる安定構成に存在する材料体の特性を指す。各安定構成は、エネルギー変曲点の間の最小エネルギーにある。少なくとも3つの異なる安定構成に存在する特性は、材料体の固有の特性ではないが、多安定材料体が形成されるプロセスに起因するものである。
【0014】
図2A〜
図2Dにおける一例示的な多安定材料体について図示するように、多安定材料体102は、
図2Aでは、例えば、平坦な帯又は短冊として第1の安定構成又は位置にある。本明細書において説明するように、この多安定材料体は、アクチュエーター104を介して作動されると、動作1として指定される
図2Bに示すような第2の安定構成又は位置に移ることができる。
図2Bに示すように、幾つかの実施形態において、この多安定材料体は、材料体内の変化する応力点(材料体における高い又は低い構造応力)又は応力セクションを呈する。多安定材料体102は、更に作動されると、例えば、動作2を介して、
図2Cに示すような第3の安定構成又は位置に適切に移る。追加の実施形態において、アクチュエーター104を介した更なる作動によって、多安定材料体102は、例えば、動作3を介して、
図2Dに示すような第4の安定構成又は位置に適切に移る。
図2A〜
図2Dに示すように、このアクチュエーターは、多安定材料体の動作が可逆的であるように構成することができる。すなわち、動作4、5及び6に従って、第4の安定構成又は位置から、第3の安定構成又は位置に戻り、第2の安定構成又は位置に戻り、最終的に第1の安定構成又は位置に戻るように構成することができる。順方向への作動中又は逆方向への作動中のいずれにおいても、第4の多安定位置と第1の多安定位置との間の任意の中間安定位置において多安定材料体を停止又は維持することも可能である。追加の実施形態において、多安定材料体に結合されたアクチュエーター104が、当該多安定材料体を第3の安定構成から少なくとも第4の安定構成、第5の安定構成、第6の安定構成等に移るように、多安定材料体102から5つ以上(例えば、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個等)の安定構成又は位置を構成することができる。
【0015】
図3は、本明細書において説明するような一例示的な多安定材料体102のポテンシャルエネルギー図を示している。実証されているように、この例示的な多安定材料体は、初期安定位置Aから開始し、作動されると、エネルギー経路1に沿ってポテンシャルエネルギー障壁を越えて第2の安定位置Bに移る。更に作動されると、この多安定材料体は、経路2に沿って更なるポテンシャルエネルギー障壁を越えて、第3の安定位置Cに移る。
【0016】
本明細書において説明するように、多安定材料体102は、金属又はポリマー複合体から作製することができる。多安定材料体は、少量の力(作動力又は起動力)を用いて起動されても高速変形を受けるように製造することができる。実施形態において、カーボンファイバーが層状に配向され(適切には、カーボンファイバーはポリマーマトリクスに組み込まれる)、異方性構造が実現される。例えば、カーボンファイバー、カーボンシート、カーボンフィラメント、カーボンナノチューブ、カーボンナノ構造体等をエポキシ内に含浸又は分散させることによって、エポキシカーボン構造複合体を調製することができる。カーボン構造体は、その後、様々なフロー技法又は混合技法等の従来の技法を用いて所望の方向に配向させることができる。その後、エポキシを、例えば、高圧力下で硬化させて、エポキシカーボン複合体構造を有する多安定材料体を作製することができる。多安定材料体及び多安定構造は、金属(例えば、ベリリウム銅)、ポリマー複合体(カーボンファイバー、ガラスファイバー等)及び形状記憶ポリマー(SMP)からも作製することができる。ポリマー及び/又は金属の材料体を複数層(例えば、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、10層等)配列して、本明細書において説明するような多安定材料体を作製することができる。
【0017】
本明細書において説明するシステムにおいて用いられるアクチュエーター104は、刺激を受けてアクチュエーターの応答及び特性が変化するようにアクチュエーターを制御することが可能なようなスマート材料アクチュエーターとすることができる。アクチュエーター104は、一般に、規定された方法で刺激又は環境に反応して、指定された作動を提供することが可能である。スマート材料アクチュエーターを含む例示的なアクチュエーター104は、形状記憶材料合金(SMA)、形状記憶ポリマー(SMP)、電気活性ポリマー(EAP)、及びマクロファイバー複合体(MFC)を含むことができる。スマート材料アクチュエーター以外の追加のアクチュエーターも用いることができ、例えば、DCモーター又はギアモーターのようなモーター、リレー、偏心回転質量(ERM)モーター、及びリニア共振アクチュエーター(LRA)等を備えることができる。
【0018】
アクチュエーター104を多安定材料体102に結合する方法又は関連付ける方法は、様々な接着剤及びのり、留め金又は鋲等の機械的メカニズム、はんだ付け、共融解等の使用を含む。例えば、
図4に示すように、アクチュエーター104は、ボンディングメカニズム402を介して多安定材料体102に結び付けることができる。このボンディングメカニズムは、実施形態において、柔軟な接着剤又は他のボンディング材料とすることができる。
【0019】
アクチュエーター104は、形状記憶合金とすることができる。この形状記憶合金は、
図5Aに示すように、アクチュエーターが加熱や冷却に応答して可逆的な形状変化を受けることができるように処理されることができる金属合金を指す。例示的なタイプの形状記憶合金は、銅アルミニウムニッケル合金及びニッケルチタン(NiTi)合金であるか、又は亜鉛、銅、金及び鉄を合金にした結果得られるものとすることができる。SMAは、一般に、3つの異なる結晶構造(すなわち、双晶マルテンサイト、非双晶マルテンサイト及びオーステナイト)と、6つの可能な変化とを有する2つの異なる段階に存在するように処理することができる。形状記憶合金は、材料の処理の結果としてそれらの特性を取得する。形状記憶合金は、通常、真空アーク融解又は誘導融解を用いた鋳造によって作製される。これらは、合金内の不純物を最小に保つとともに、金属が十分に混合されることを確保するために用いられる特殊な技法である。インゴットは、その後、熱間圧延されて、より長いセクションにされる。これらのセクションは、その後、ワイヤーに調製することができる。合金が「トレーニング」される方法は、所望の特性に依存する。「トレーニング」は、合金が加熱されたときに想起する形状を規定する。これは、転位が安定位置に再配列するが、材料が再結晶するほど高温でないように合金を加熱することによって行われる。例えば、合金は、400℃〜500℃に30分間加熱され、高温の間に成形され、その後、水に漬けて急冷することによって又は空冷によって高速に冷却される。
【0020】
マクロファイバー複合体(MFC)は、本明細書において説明するようなアクチュエーター104としての使用に適合することができ、本発明の実施形態によるMFCアクチュエーターは、適切には、接着剤の層の間にサンドイッチ状に挟まれた方形圧電セラミック(適切には、リボン形状)ロッド、薄いコンフォーマブルシートに形成された電極及びポリイミド薄膜を備える。電極は相互嵌合(interdigitated)パターンで薄膜に取り付けられ、印加電圧をMFCからリボン形状ロッドへ直接転送する。このアセンブリによって、シールされた耐久性のある使用できる状態にあるパッケージにおける面内ポーリング(in-plane poling)、作動及び検知が可能になる。薄い表面コンフォーマブルシートとして形成されるそのようなMFCアクチュエーターは、様々なタイプの構造体に付着(通常は接合)させることもできるし、本明細書において説明する多安定材料体等の複合構造体に組み込むこともできる。電圧が印加された場合、MFCは、材料体の屈曲若しくは歪曲、振動の抑制、又は振動の生成を行う。電圧が印加されていない場合、MFCは、変形、雑音及び振動を検知する非常に高感度の歪みゲージとして機能することができる。MFCアクチュエーターは、振動からエネルギーを得る優れたデバイスでもある。アクチュエーター104として用いることができる一例示的なマクロファイバー複合体が、MFCアクチュエーターの柔軟性を表していることが
図5Bに示されている。電力リード線502も示されている。
【0021】
追加の実施形態において、アクチュエーター104は、形状記憶ポリマー(SMP)から構成又は形成され、これによって、第1の形状から第2の形状に形状を変化させる能力をポリマーに提供するポリマーのプログラミング(設定)が可能になる。
【0022】
形状記憶効果は、固有特性でなく、ポリマーがそれ自体ではこの効果を示さないことを意味する。形状記憶は、ポリマー形態学及び特定の処理の組み合わせの結果として生じ、ポリマー機能化として理解することができる。従来の処理、例えば、押出成形又は射出成形によって、ポリマーは、その初期の永久形状Bに形成される。その後、プログラミングと呼ばれるプロセスにおいて、ポリマーサンプルは変形され、一時形状Aに固定される。外部刺激の印加時に、ポリマーはその初期の永久形状Bを復元する。このプログラミング及び復元のサイクルは、後続のサイクルにおいて異なる一時形状を用いて、数回繰り返すことができる。形状記憶ポリマーは、適切な刺激感応スイッチを備えた弾性ポリマーネットワークとすることができる。ポリマーネットワークは、分子スイッチ及びネット点からなる。ネット点は、ポリマーネットワークの永久形状を決定し、化学的特性(共有結合)又は物理的特性(分子間相互作用)であり得る。例えばブロック共重合体に見られるように、その形態が少なくとも2つの分離した領域からなるポリマーにおいて物理的架橋結合が得られる。SMPの追加の情報及び例は、Shape Memory Polymers, MaterialsToday, Vol. 10, pages 20-28 (April 2007)に見ることができ、その開示は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0023】
1つの又は第1の構成から別の又は第2の構成へのSMPの変形は、好適には、SMPの温度をそのガラス遷移温度(Tg)に関連して制御することによって制御される。SMPをそのTgを超えて加熱することによってSMPの温度を上昇させることにより、SMPアクチュエーターが、第2の(記憶された又は元の)構成に移行し、結果として、多安定材料の活性化又は作動が生じ、第1の安定構成から第2の安定構成への、好適には、第3の(所望の場合、第4の、第5の等)安定構成への移り又は変形が生じる。例示的な形状記憶ポリマーは、必要とされる形状記憶特性を有するようにプログラムされた、様々なポリ(ウレタン)、ポリ(イソプレン)、ポリ(エーテルエステル)等の様々なブロック共重合体を含む。
【0024】
アクチュエーター起動信号受信部106は、信号を受信し、必要に応じてその信号を変更し、更にはアクチュエーター104を作動又は起動して、多安定材料体102を様々な安定構成間に変動させる様々な構成要素及び電子機器を備えることができる。アクチュエーター起動信号受信部106は、所望される場合に、様々な電力源を備えることもできるし、そのような電力源をアクチュエーター104に直接関連付けることもできる。
【0025】
実施形態において、本明細書において説明するシステムは、例えば、ドレスシャツに関連付けられたシステム100の使用を示す
図6Aに示すように、構造材料体602に関連付けることもできるし、構造材料体602の一部とすることもできる。
【0026】
本明細書において用いられるとき、「構造材料」とは、装着具、個人用装身具、手荷物等を構成するのに用いられる材料を意味する。構造材料の例としては、綿、絹、羊毛、ナイロン、レーヨン、合成繊維、フランネル、リネン、ポリエステル等のファブリック及びテキスタイル、こうしたファブリックの織物又は混紡等、皮革、スエード、箔等の柔軟な金属繊維、Kevlar等が挙げられる。装着具の例としては、衣類、履物、義肢等の補綴物、帽子及びヘルメット等の被りもの、身に着ける運動器材、防弾ベスト、ヘルメット及び他の防護服等の保護具が挙げられる。個人用装身具としては、眼鏡、ネクタイ及びスカーフ、ベルト及びサスペンダー、ブレスレット、ネックレス及び腕時計(腕時計のバンド及びストラップを含む)等の宝飾品類、財布、札入れ、手荷物用タグ等が挙げられる。手荷物としては、手提げかばん、ハンドバッグ、旅行かばん、スーツケース、リュックサックが挙げられ、こうした物品用の持ち手等を含む。
【0027】
システム100(多安定材料体102、アクチュエーター104及びアクチュエーター起動信号受信部106を備える)を構造材料体602に関連付ける様々なメカニズムを用いることができる。例えば、システム100は、構造材料体602に統合することができる。例えば、構造材料体602の形成中に、システム100をテキスタイル等の構造内に編み込むか又は縫い合わせること等によって、システム100を構造材料体602の一部にすることができる。
【0028】
更なる実施形態では、システム100は、構造材料602に固定して取り付けることができる。こうした実施形態では、システム100は、構造材料602に、糊付け、テープ留め、縫い合わせ、接着、ホッチキス留め、鋲留め、又は他の方法で取り付けることができる。システム100はまた、後に、構造材料602に取り付ける(例えば、接着するか又は縫う)ことができるパッチ、リボン又はテープの形態で、様々な基材、例えば、ゴム、シリコーン、シリコーンエラストマー、Teflon(登録商標)、プラスチックポリ(エチレンテレフタレート)等のポリマー内に又はその上に一体化することもできる。そのような実施形態によって、システム100を容易に除去し、例えば、或る装着具品から別の装着具品に移して、2つ以上の構造材料体において用いることが可能になる。
【0029】
追加の実施形態において、(
図1に示すような)システム100は、密封材料、適切には耐水性材料又は耐水性ポリマー内に密閉することができ、それによって、システム100は、装着具の洗濯中又は水が存在し得る場所での装着具品の装着中等に水と接触することが可能になる。密封材料として用いられる例示的な材料は、ゴム、シリコーン、シリコーンエラストマー、テフロン(登録商標)、プラスチックポリ(エチレンテレフタレート)等の様々なポリマーを含む。
【0030】
図6Aに示すような実施形態において、外部信号部601、例えば、携帯電話又は他の信号開始デバイス(コンピューター、タブレット、自動車等)は、システム100のアクチュエーター起動信号受信部106に起動信号を提供することができ、この受信部は、本明細書において説明したように、アクチュエーター104を作動又は起動し、多安定材料体102を或る安定構成から第2の安定構成及び/又は第3の安定構成に移行させる。この移行は、ユーザー、例えば、
図6Aに示すドレスシャツ等の構造材料体を装着している人に触覚フィードバックを提供する。
【0031】
例示的な外部信号部601は、携帯電話、タブレット、コンピューター、自動車インターフェース、スマートデバイス、ゲーム機等からとすることができ、例えば、テキストメッセージ又は電子メール、電話、アポイントメント等の受取を示すことができる。
【0032】
更なる実施形態では、本明細書に記載するように、外部装置とシステムとの間にインターフェースを提供するために、コントローラーもまた好適に含まれる。コントローラーの構成要素は、本技術分野において既知であり、好適には、例えば、バス、プロセッサ、入出力(I/O)コントローラー及びメモリを含む。バスは、I/Oコントローラー及びメモリを含むコントローラーの様々な構成要素をプロセッサに結合する。バスは、通常、制御バス、アドレスバス及びデータバスを含む。しかしながら、バスは、コントローラーの構成要素の間でデータを転送するのに好適な任意のバス又はバスの組合せとすることができる。
【0033】
プロセッサは、情報を処理するように構成された任意の回路を含むことができ、任意の好適なアナログ又はデジタル回路を含むことができる。プロセッサはまた、命令を実行するプログラマブル回路も含むことができる。プログラマブル回路の例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラー、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は命令を実行するのに好適な他の任意のプロセッサ若しくはハードウェアが挙げられる。様々な実施形態では、プロセッサは、単一ユニット、又は2つ以上のユニットの組合せを含むことができ、それらのユニットは、単一コントローラー内に又は別個の装置内に物理的に位置する。
【0034】
I/Oコントローラーは、コントローラー及び周辺装置又は外部装置の動作をモニタリングする回路を含む。I/Oコントローラーはまた、コントローラーと周辺装置又は外部装置との間のデータの流れも管理する。I/Oコントローラーがインターフェースすることができる周辺装置又は外部装置の例としては、スイッチ、センサー、外部記憶デバイス、モニター、キーボード、マウス若しくは押しボタン等の入力デバイス、外部コンピューティングデバイス、モバイルデバイス及び送信器/受信器が挙げられる。
【0035】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気メモリ、光学メモリ又は他の任意の好適なメモリ技術を含むことができる。メモリはまた、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組合せも含むことができる。
【0036】
メモリは、プロセッサによって実行される複数のプログラムモジュールを格納するように構成されている。モジュールは、例えば、イベント検出モジュール、効果判断モジュール及び効果制御モジュールを含むことができる。各プログラムモジュールは、データ、ルーチン、オブジェクト、呼出し、及び1つ以上の特定のタスクを実行する他の命令の集まりである。本明細書では幾つかのプログラムモジュールが開示されているが、各モジュールに対して記載される様々な命令及びタスクは、様々な実施形態では、単一プログラムモジュール、モジュールの異なる組合せ、本明細書に開示するもの以外のモジュール、又はコントローラーと通信する遠隔装置によって実行されるモジュールによって実行することができる。
【0037】
本明細書に記載する実施形態では、コントローラーは、無線送受信器(Bluetooth(登録商標)又は赤外線送受信器を含む)を含むことができ、システム100に組み込まれるか、又はシステムとは別個とすることができる。更なる実施形態では、コントローラーは、システムとは別個の装置にあり得るが、本明細書に記載するシステム及び材料体の様々な構成要素に外部信号部601を提供するように、好適には有線信号又はより好適には無線信号を介して接続される。
【0038】
例えば、コントローラーは、本明細書に記載するようなシステムのユーザーにハプティックフィードバックを提供するように、アクチュエーター駆動回路に外部信号601を提供することができ、そしてアクチュエーター駆動回路は、本明細書に記載するシステムのアクチュエーター起動信号受信部106又は電源と通信する。例えば、例としてコントローラーが無線接続を介してペアリングされている携帯電話又は他のデバイスがメッセージ又は電子メールを受け取るとき、所望のハプティックフィードバックが発生することができる。追加の例としては、ゲームコントローラー、システム又はゲーム機、コンピューター、タブレット、自動車又はトラックインターフェース又はコンピューター、自動支払機又はキオスク、様々なキーパッドデバイス、テレビ受像機、様々な機械等の装置と関連付けられているコントローラーが挙げられる。こうした実施形態では、コントローラーは、好適にはアクチュエーター駆動回路に外部信号601を提供して、外部装置によって又は外部装置から発生する信号に応じて、ユーザーにハプティックフィードバックを提供する。装置は、本明細書に記載するシステムの様々な構成要素が含まれる装着具の一部とすることもできる。装置によって提供することができる例示的なフィードバック又は信号としては、例えば、第三者からの入来するメッセージ又は通信、警告信号、ゲームインタラクション、ドライバー注意喚起(driver awareness)信号、コンピュータープロンプト等の指示が挙げられる。
【0039】
更なる実施形態では、本明細書に記載する構成要素は、仮想現実又は拡張現実システムに統合するか又はその一部とすることができる。こうした実施形態では、多安定材料体は、ユーザーが仮想現実システム又は拡張現実システムとインターラクトする際にユーザーにハプティックフィードバックを提供し、仮想現実又は拡張現実構成要素及び装置によって開始される応答又はフィードバックを提供することができる。
【0040】
実施形態において、アクチュエーター104は、ともに動作して多安定材料体102を或る安定構成から別の安定構成に移行又は変化させる2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ等)の別個のアクチュエーターを含むことができる。更なる実施形態において、システム100は、第2のアクチュエーターを更に備えることができ、2つのアクチュエーター104が多安定材料体102に結合されようになっている。この第2のアクチュエーターは、起動されると、多安定材料体102を少なくとも第3の安定構成から第2の安定構成及び/又は第1の安定構成に移行させる(すなわち、安定構成間の逆の移行)。実施形態において、システム100は、第2のアクチュエーター起動信号受信部も備えることができる。この受信部は、第2のアクチュエーター起動信号を受信すると、本明細書において説明した移行を引き起こす第2のアクチュエーターの起動を開始する。
【0041】
図6Cは、本明細書において説明するように、多安定材料体102と、形状記憶合金から構成されたSMPアクチュエーター604とを備えるシステム610がデバイス660と統合されているか又はデバイス660内に組み込まれている更なる実施形態を示している。多安定材料体102が実質的に平坦な構成にある第1の安定構成608は、
図6Bに示されている。形状記憶合金アクチュエーター604が作動されると、多安定材料体は、少なくとも第2の安定構成及びその後に第3の安定構成に移行し、デバイスの形状を変更する形態の触覚フィードバック620をユーザーに提供する。
図6Cは、例えば、着信する電話呼を受信すると平坦構成608(
図6Bに示す)から湾曲構成626に移行し、したがって、例えば、呼が受信されていることを示す触覚フィードバックをユーザーに提供する電話受話器として示されている。
【0042】
図6Dは、システム610がデバイス680内に組み込まれている同様の実施形態を示している。
図6Dでは、多安定材料体102は、2つのSMPアクチュエーター606に関連付けられている。これらのアクチュエーターのそれぞれは、形状記憶ポリマーから構成される。デバイス680は、
図6Bにおいてデバイス660について示したものと同様の方法で構成を変化させることが可能である。
【0043】
図6C及び
図6Dに示すように、SMA及びSMPを含む本明細書において説明する様々なアクチュエーターは、多安定材料体の形状及び構造と、多安定材料体が有する所望の使用法又は最終構造とに応じて、異なるシステム内の様々な位置に組み込むことができる。
【0044】
図6Eは、多安定材料体102及びアクチュエーター104を備えるシステム650が腕時計654とともに用いられる腕時計バンド又はストラップ652に組み込まれるか又は関連付けられる、更なる実施形態を示している。この腕時計は、従来の腕時計と、スマートウォッチ及び手首に装着することができる他の小型電子デバイス、例えばモバイルデバイス等との双方を含むことができる。
図6Eに示すように、そのような実施形態では、スマート材料体102は、位置Aに存在することができる。この位置において、この材料体は、腕時計654の背面に対して押圧されているか、又は腕時計654の構造体内に含まれるか若しくは構造体の一部である。アクチュエーター104が作動されると、多安定材料体102は、位置Bに移る。この位置において、多安定材料体102は、ユーザーの手首又は腕656に対して押圧され、それによって、タイトフィット又は圧縮フィットを提供し、腕時計654と腕時計バンド又はストラップ652とがユーザーに取り付けられた状態を維持する。アクチュエーター104の作動及び多安定材料体102の変動は、この位置におけるユーザー(すなわち、腕又は手首の上部)に対する圧力、振動若しくは接触、腕時計654によって提供されるシグナリング、例えば、電子メール、アラーム若しくは他の通知、又は別の外部デバイスからの信号の形態で、触覚フィードバックをユーザーに提供することもできる。
【0045】
多安定(正:Multistable)材料体102及びアクチュエーター104は、例えば、
図6Fに示すような他の位置において、腕時計バンド又はストラップ652と統合又は関連付けすることもできる。そのような実施形態では、アクチュエーター104の作動及び位置Aから位置Bへの多安定材料体102の変動は、この位置におけるユーザー(すなわち、手首又は腕の底部)に対する圧力、振動、又は接触の形態の触覚フィードバックを提供することができる。多安定材料体102及びアクチュエーター104の他の配置も、
図6E及び
図6Fに示すようなデバイスのユーザーに触覚フィードバックを提供するのに用いることができる。
【0046】
図6G及び
図6Hは、多安定材料体102及びアクチュエーター104を備えるシステム660が腕時計654とともに用いられる腕時計バンド又はストラップ652内に組み込まれるか又は関連付けられる、更なる実施形態を示している。この腕時計は、従来の腕時計と、スマートウォッチ及び手首に装着することができる他の小型電子デバイス、例えばモバイルデバイス等との双方を含むことができる。図に示すように、そのような実施形態では、スマート材料体102の2つのセクションを腕時計バンド又はストラップ652に関連付けることができ、各セクションは、アクチュエーター104を備える。更なる実施形態では、スマート材料体102の単一のセクションも用いることができる。アクチュエーター104が作動されると、多安定材料体102は、
図6Gに示す位置(この位置では、腕時計バンド又はストラップ652が、ユーザーの手首又は腕656に対して押圧され、それによって、タイトフィット又は圧縮フィットを提供し、腕時計654と腕時計バンド又はストラップ652とがユーザーに取り付けられた状態を維持する)から、腕時計バンド又はストラップが開放され、システムの取り外しが可能になる
図6Hに示す位置に移る(腕時計を装着する場合には逆方向に移る)。したがって、そのような実施形態では、システム660は、腕時計654(又は他の同様のデバイス若しくは構造体)を着脱するための2つの位置の間で変化することができるヒンジ構造体として機能する。そのようなヒンジ構造体は、腕時計を有する他の構成に加えて、ブレスレット、ネックレス、リング等を含む他のデバイス及び装身具において用いることができる。
【0047】
本明細書において説明する様々なシステムによって、種々のデバイスが、一般にユーザーからの入力を伴うことなく、外部信号によって起動されると、複数の安定構成の間で変動又は変形することが可能になる。例えば、腕時計バンド又はブレスレット等の装着具は、ユーザーの腕にフィットするように自動的に調整することができ、所望される場合には、作動信号、例えば、電話呼、電子メール、テキスト等に応答して更なる変動(すなわち、ユーザーの皮膚表面への突き、移動、圧力差、締め付け等)の形態の触覚フィードバックを提供することができる。
【0048】
更なる実施形態において、本明細書において説明する様々なシステムは、電話機、タブレットカバー、又はラップトップスクリーンを含むポータブル機器等のデバイスにおいて実施することができる。これらのシステムは、作動信号を通じて、ユーザー入力なしで或る安定構成から別の安定構成に変化することができ、例えば、デバイスは、格納(storage)位置から、ユーザーが映画若しくはビデオを鑑賞することを可能にする位置又は電話の通話をすることを可能にする位置に移ることができる。
【0049】
本明細書において説明する様々なシステムは、ユーザーから外部デバイスにインターラクティブ形式でフィードバックを提供するのに用いることもできる。例えば、ユーザーは、多安定材料体102とインターラクトし、多安定材料体102をその様々な安定位置にわたって変動させることができ、その際、インターラクションに関係した外部デバイスにフィードバックを提供することができる。例えば、ユーザーは、多安定材料体102とインターラクトして、この材料体を第1の安定位置から第2の安定位置に変動させることができ、それによって、第1の動作(幾つかあり得る動作のうちの第1の動作)が完了したことを(例えば、無線コントローラー及び信号を通じて)外部デバイスに信号を送る。
【0050】
図7Aにおける更なる例示的な実施形態では、第1の安定構成(平坦)から、触覚フィードバック702をユーザーに提供することができる構成に変動又は変化する、多安定材料体102及びアクチュエーター104を備えるシステム710が示されている。図示するように、2つの別個のアクチュエーターを含むことができるアクチュエーター104の配置は、例えば、一方のアクチュエーターが、多安定材料体の中央のロケーションに位置決めされ、第2のアクチュエーターが、例えば、短冊又はリボンの材料体としての多安定材料体の長手に沿って配置されたものとなっている。所望する又は所要のアクチュエーターの位置及び数は、所望のフィードバック及びアプリケーション、並びに多安定材料体のサイズ及び向きに依存する。
【0051】
図7Aに示すように、実施形態において、湾曲させる(例えば、ブレスレット又はバンド等をユーザーに対して離遠又は接近するように湾曲させる)ことによって、多安定材料体102の端部740、750において触覚フィードバックを提供することができるとともに、追加の触覚フィードバック702も、システム710の中心部分730の近くにおいて、例えば、ユーザーに対する圧力点として、又は、幾つかの実施形態では、ユーザーとの接触を解除するように変動させることによって提供することができる。
【0052】
図7Bにおける更なる実施形態では、多安定材料体102と、アクチュエーター104、適切には、システム720の対向する端部740、750の近くに位置決めされた2つのアクチュエーターとを備えるシステム720が示されている。端部740、750が追加の安定構成に変動するように多安定材料体102を変化又は変動させ、それによって、例えば、構造材料体、装着具、又は他のタイプのデバイスの変動の形態で触覚フィードバックをユーザーに提供するようにして触覚フィードバック702を提供することができる。
図7Bは、端部740又はその近くに位置決めされた第1のアクチュエーターが、多安定材料体を、触覚フィードバック702を表す矢印によって示された方向(例えば、上方)に変動させることができるとともに、端部750又はその近くに位置決めされた第2のアクチュエーターが、多安定材料体を、触覚フィードバック702を表す矢印によって示された方向(例えば、下方)に変動させることができる、一実施形態を示している。これらの変動は、同時に行うこともできるし、独立して行うこともでき、その結果、多安定材料体の異なる安定構成が得られる。
【0053】
図8は、基体材料体802(すなわち、セクションS1〜S4)が多安定材料体102(すなわち、セクションA1〜A3)によって接続又は結合されているシステム800の一例を示している。そのような実施形態では、多安定材料体102は、起動されると、システム800を、所望される場合には中間構成において停止させながら、複数の安定構成の間で変形させ、再び元に戻すことができるヒンジ又は多安定接続点として機能することができる。「基体材料体」102は、本明細書において用いられるとき、それ自体単独では多安定ではないが、多安定材料体と接続されると、本明細書において説明するように変形することができる材料体を指す。基体材料体は、例えば、様々なポリマー、金属、セラミック、プラスチック等を含む。追加の実施形態において、基体材料体802は、
図8に示されたシステムのように基体材料体の別個のセクションを結合するというものではなく、基体材料体の上に配置された多安定材料体102のセクションを有するようにすることができる。
【0054】
追加のシステム900が
図9に示されている。
図9では、多安定材料体102の別個のセクションが、ここでも同様に、基体材料体802のセクションを接続又は結合している。
図9の実施形態では、例えば、形状記憶合金又は電気活性ポリマーとすることができるヒンジ910によって、システム900は、例えば、印加電圧から作動されると、変動することが可能になる。この作動に応答して、ヒンジ910は、材料体が追加の安定形態に撓む形態で触覚フィードバック702を提供することができるように、多安定材料体102のセクションを変形させることによってシステム900を変形させている。例えば、第1の位置(1)及び第2の位置(2)において示すように接続されたヒンジ910は、多安定材料体102を傾動又は枢動させて、安定構成間での変形を可能にする。追加の実施形態において、基体材料体802は、結果として
図9に示すシステムをもたらすように基体材料体の別個のセクションを結合するのではなく、基体材料体の上に配置された多安定材料体102のセクションを有することができる。
【0055】
更なるシステム1000が
図10に示されている。
図10では、多安定材料体102の別個のセクションが、ここでも同様に、基体材料体802を接続又は結合している。追加の実施形態においては、
図10に示すシステムをもたらすように基体材料体の別個のセクションを結合するのではなく、基体材料体802は、基体材料体の上に配置された多安定材料体102のセクションを有することができる。
図10に示す実施形態では、個々のアクチュエーター104は、多安定材料体102のセクション上に又はセクションに関連付けて配置することができ、これによって、個々のセクションの起動が可能になる。この作動によって、触覚フィードバック702を実現する変動が可能になる。
図10に示す実施形態において用いることができる例示的なアクチュエーターは、本明細書において説明されている。
【0056】
本明細書では、触覚フィードバックをユーザーに提供する方法も提供される。実施形態においては、本方法は、信号源から触覚開始信号を受信することを含む。本明細書において説明されているように、この信号源は、モバイル電話機、コンピューター、自動車インターフェース等とすることができる。多安定材料体に結合された第1のアクチュエーターは、触覚開始信号が信号源から受信されると起動される。「起動される/された」及び「作動させる/された」という用語は、アクチュエーターが材料体の変動又は変化を開始するように多安定材料体に作用することを示すために本明細書において区別なく用いられている。触覚フィードバックは、その後、第1のアクチュエーターが起動されると、多安定材料体を第1の安定構成から少なくとも第2の安定構成及び第3の安定構成に変動させることによってユーザーに提供される。
【0057】
全体を通して説明したように、本方法において用いられる多安定材料体は、金属又はポリマー複合体から作製することができる。実施形態において、多安定材料体は、本明細書において説明する方法が装着具を介して触覚フィードバックをユーザーにもたらすように、様々な装着具を含む構造材料体に関連付けられる。
【0058】
本方法において用いられる例示的なアクチュエーターは、全体を通して説明されており、適切には、多安定材料体に結合された形状記憶材料合金(SMA)、形状記憶ポリマー(SMP)、電気活性ポリマー(EAP)及びマクロファイバー複合体(MFC)等のスマート材料アクチュエーターを含む。
【0059】
実施形態において、本方法は、多安定材料体の可逆的変動を提供し、第3の安定構成から第4の安定構成、第5の安定構成、第6の安定構成等に多安定材料体を変動させることを含むことができる。
【0060】
本明細書において説明したように、2つ以上の別個のアクチュエーターを用いて、本明細書において説明した様々な方法で多安定材料体を起動することができる。幾つかの特定の実施形態において、第2のアクチュエーターは、起動されると、多安定材料体を少なくとも第3の安定構成から第2の安定構成及び/又は第1の安定構成に変動させる多安定材料体に結合することができる。第2のアクチュエーター起動信号受信部も、本方法において利用することができ、第2のアクチュエーター起動信号を受信すると、第2のアクチュエーターの起動を開始する。
【0061】
本明細書では、いくつかの実施形態を具体的に説明及び/又は記載している。しかしながら、開示した実施形態の変更及び変形は、本発明の趣旨及び意図された範囲から逸脱することなく、上記教示によりかつ添付の特許請求の範囲の範囲内で包含されることが理解されよう。
【0062】
本出願は、2017年3月31日に出願された、米国特許出願第15/476,056の利益を主張し、その開示は引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。