【課題】同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、複数の端子をコネクタのハウジングに一括して容易に取り付けることができ、コネクタにて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタの小型化を図ることができる端子を提供する。
【解決手段】電気接続部22は、他の導体に対して電気的に接続される。接点部23は、相手側の端子に対して接触して電気的に接続される。弾性変形部24は、少なくとも一部が弾性変形することで電気接続部22に対する接点部23の相対変位を許容するように構成される。電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で直列に並んだ状態で、一体に設けられている。電気接続部22から弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に開示されたような端子は、1つのコネクタにおいて、所定の方向に複数並んで配列されて用いられることが多い。特許文献1、2に開示されたような端子が所定の方向に複数並んで配列されたコネクタが製造される際には、コネクタの製造効率の大幅な向上を図る観点から、複数の端子がコネクタのハウジングに対して一括して挿入されるようにして取り付けられることが望ましい。この場合、複数の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態の成形体であるいわゆるフープ材が作成され、そのフープ材の状態で、複数の端子がコネクタのハウジングに対して一括して挿入されるようにして取り付けられる。
【0009】
上記のようなフープ材の作成に際しては、まず、平坦な板状の部材が素材として用いられ、その素材に対してプレス加工による打ち抜き加工処理が施される。このプレス加工により、複数の端子となる部分が平坦な状態で帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられたプレス展開形状の成形体であるプレス成形体が作成される。次いで、このプレス成形体において帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた複数の端子となる部分のそれぞれに対して折り曲げ加工が施される。これにより、複数の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材が、形成される。
【0010】
しかしながら、特許文献1の端子においては、第1の接触部(20)は、第1の接点部(26)が設けられた第1のアーム部(24)が先端部から延びるように構成され、第2の接触部(30)は、第2の接点部(36)が設けられた第2のアーム部(34)が先端部から延びるように構成される。そして、第1の接触部(20)と第2の接触部(30)と連結部(16)とが、接近方向から見たときに略コの字形状を成すように、一体に設けられ、更に、第1の接触部(20)が基部(12)に一体に設けられている。
【0011】
上記の構造のため、複数の特許文献1の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成するに際し、そのフープ材の作成の素材となるプレス成形体を作成すると、各端子となる部分は、帯状のキャリアに沿って大きく広がった状態となる。具体的には、例えば、各端子となる部分であって平坦に展開されたプレス展開形状の部分は、基部(12)がキャリアに一体の状態で、基部(12)及び第1のアーム部(24)が一体の第1の接触部(20)と、連結部(16)と、第2のアーム部(34)が一体の第2の接触部(30)とが、帯状のキャリアに沿って大きく広がった形状となる。
【0012】
上記のため、複数の特許文献1の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成すると、キャリアに沿って並ぶ端子同士の間の間隔が大きく広がった状態となる。従って、特許文献1の端子の場合、フープ材の状態で複数の端子がコネクタのハウジングに対して一括して取り付けられると、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔が大きく離れた状態になってしまうという問題がある。そして、特許文献1の端子の場合、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定しようとすると、各端子をフープ材から分離する必要がある。この場合、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができないという問題がある。
【0013】
また、特許文献2の端子においては、第1部分(20)及び第2部分(22)は、基部(16)の両端のそれぞれから片持ち状に延びるように設けられている。そして、脚部(18)は、基部(16)から、第1部分(20)及び第2部分(22)の間の位置において、片持ち状に延びるように設けられている。
【0014】
上記の構造のため、複数の特許文献2の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成するに際し、そのフープ材の作成の素材となるプレス成形体を作成すると、各端子となる部分は、帯状のキャリアに沿って大きく広がった状態となる。具体的には、例えば、各端子となる部分であって平坦に展開されたプレス展開形状の部分は、脚部(18)がキャリアに一体の状態で、第1部分(20)と、脚部(18)が一体の基部(16)と、第2部分(22)とが、帯状のキャリアに沿って大きく広がった形状となる。
【0015】
上記のため、複数の特許文献2の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成すると、キャリアに沿って並ぶ端子同士の間の間隔が大きく広がった状態となる。従って、特許文献2の端子の場合、フープ材の状態で複数の端子がコネクタのハウジングに対して一括して取り付けられると、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔が大きく離れた状態になってしまうという問題がある。そして、特許文献2の端子の場合、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定しようとすると、各端子をフープ材から分離する必要がある。この場合、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができないという問題がある。
【0016】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタの小型化を図ることができる端子を提供することを目的とする。更に、その端子を備えるコネクタを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る端子は、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、他の導体に対して電気的に接続されるように構成された電気接続部と、相手側の端子に対して接触して電気的に接続されるように構成された接点部と、少なくとも一部が弾性変形することで前記電気接続部に対する前記接点部の相対変位を許容するように構成された弾性変形部と、を備えている。そして、前記電気接続部、前記弾性変形部、及び前記接点部は、前記電気接続部、前記弾性変形部、及び前記接点部の順番で直列に並んだ状態で、一体に設けられ、前記電気接続部から前記弾性変形部を経て前記接点部へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。
【0018】
上記の構成の端子は、自身と同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子として用いられる。即ち、上記の構成の端子は、いわゆる雌雄同形状の端子として用いられる。そして、上記の構成の端子は、電気接続部、弾性変形部、及び接点部が、この順番で直列に並んだ状態で一体に設けられ、更に、電気接続部から弾性変形部を経て接点部へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。よって、電気接続部、弾性変形部、及び接点部は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。
【0019】
上記の構造のため、上記の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成するに際し、そのフープ材の作成の素材となるプレス成形体を作成すると、各端子となる部分は、細長く延びた状態となる。具体的には、例えば、各端子となる部分であって平坦に展開されたプレス展開形状の部分は、電気接続部がキャリアに一体の状態で、キャリアが帯状に延びる方向に対して交差する方向(例えば直交する方向)に沿って、電気接続部、弾性変形部、及び接点部が、細長く直線状に延びた状態となる。
【0020】
上記のため、上記の構成の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んで設けられた状態のフープ材を作成する際に、キャリアに沿って並ぶ端子同士の間の間隔を小さく設定することができる。従って、上記の端子の場合、フープ材の状態で複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して挿入するようにして取り付ける場合に、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定することができる。即ち、上記の端子によると、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定することができる。そして、コネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定できるため、コネクタの小型化を図ることができる。
【0021】
従って、上記の構成によると、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタの小型化を図ることができる端子を提供することができる。
【0022】
(2)前記電気接続部、前記弾性変形部、及び前記接点部は、それぞれ、板厚方向を有し、前記電気接続部の板厚方向、前記弾性変形部の板厚方向、及び、前記接点部の板厚方向は、前記同じ平面に対して平行に延びる方向であってもよい。
【0023】
この構成によると、電気接続部、弾性変形部、及び接点部の各板厚方向が、同じ平面に対して平行に延びる。このため、雌雄同形状の複数の端子が帯状のキャリアに対して一体に並んだフープ材を作成する際に、キャリアに沿って並ぶ端子同士の間の間隔を効率よく小さく設定することができる。
【0024】
(3)前記端子は、コネクタのハウジングの一部が嵌り込むことで前記ハウジングに対して支持されるように構成された支持部を更に備え、前記電気接続部、前記支持部、前記弾性変形部、及び前記接点部は、前記電気接続部、前記支持部、前記弾性変形部、及び前記接点部の順番で直列に並んだ状態で、一体に設けられ、前記電気接続部から前記支持部を経て更に前記弾性変形部を経て前記接点部へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されていてもよい。
【0025】
この構成によると、ハウジングの一部が支持部に嵌まり込むことで端子がハウジングに支持されるため、コネクタのハウジングに対して端子を安定した状態で強固に保持させることができる。そして、この構成によると、電気接続部、支持部、弾性変形部、及び接点部は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。このため、雌雄同形状であって更にコネクタのハウジングに強固に保持させることもできる端子が帯状のキャリアに対して一体に複数並んだフープ材を作成する際であっても、キャリアに沿って並ぶ端子同士の間の間隔を小さく設定することができる。
【0026】
(4)前記支持部は、相手側の端子の前記支持部に対して接触して電気的に接続されるように構成されていてもよい。
【0027】
この構成によると、雌雄同形状の端子同士が接続される際、端子の接点部が相手側の端子に接触して電気的に接続されるとともに、端子の支持部が相手側の端子の支持部に接触して電気的に接続される。即ち、端子が相手側の端子に接続される際には、端子は、接点部と支持部との両方において、相手側の端子に対して電気的に接続される。このため、端子同士をより安定した状態でより強固に接触させ、より安定した電気的接続状態を実現することができる。
【0028】
(5)前述の目的を達成するための本発明のある局面に係るコネクタは、前述した本発明のある局面に係る端子のいずれかを複数備えたコネクタであって、複数の前記端子を保持するハウジングを更に備え、複数の前記端子は、前記同じ平面が互いに平行な状態で、前記ハウジングに保持されている。
【0029】
この構成によると、前述した本発明のある局面に係る端子と同様の効果を奏することができる。即ち、この構成によると、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタの小型化を図ることができる端子、を備えるコネクタを提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子であって、複数の端子をコネクタのハウジングに対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタにおいて複数の端子が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタの小型化を図ることができる端子を提供することができる。また、本発明によると、更に、その端子を備えるコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子、及びその端子を備えるコネクタに関して、広く適用することができる。
【0033】
[コネクタ]
図1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ1の斜視図である。
図2は、コネクタ1を示す図であって、
図2(A)は、コネクタ1の平面図であり、
図2(B)は、コネクタ1の正面図であり、
図2(C)は、コネクタ1の底面図である。
図3は、コネクタ1を示す図であって、
図3(A)は、コネクタ1の背面図であり、
図3(B)は
図2(B)のX1線矢印方向から見たコネクタ1の側面図である。
【0034】
図1乃至
図3に示すコネクタ1は、例えば、図示が省略された基板に対して電気的及び機械的に接続されるコネクタとして設けられている。また、コネクタ1は、例えば、同じ形状を有する相手側のコネクタに対して電気的及び機械的に接続されるコネクタとして設けられている。即ち、コネクタ1は、雌雄同形状のコネクタ1同士で電気的及び機械的に接続可能なコネクタとして設けられている。このため、基板に接続されたコネクタ1と他の基板に接続された相手側のコネクタ1とが接続されることで、基板と他の基板とが電気的に接続される。
【0035】
コネクタ1は、複数の端子11と、ハウジング12と、一対の補強タブ13と、を備えて構成されている。ハウジング12は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。複数の端子11は、導電性を有する金属材料で形成されている。一対の補強タブ13は、例えば、金属材料で形成されている。
【0036】
ハウジング12は、複数の端子11を保持している。複数の端子11は、ハウジング12の幅方向に沿って一列に並んで配列された状態で、ハウジング12に保持されている。尚、ハウジング12において複数の端子11が並んで配置される方向であるハウジング12の幅方向については、
図2(B)及び
図3(A)において、両端矢印X3で示している。尚、ハウジング12の幅方向は、コネクタ1の幅方向と同じ方向となる。尚、端子11及びハウジング12の構成の詳細については、後述する。
【0037】
一対の補強タブ13は、コネクタ1の幅方向の両側に設けられ、ハウジング12の幅方向両側の端部のそれぞれに固定されている。各補強タブ13は、ハウジング12において幅方向両端部にそれぞれ設けられたタブ嵌め込み溝21に対して嵌め込まれることで、ハウジング12に固定されている。各補強タブ13は、ハウジング12に固定されるとともに、図示が省略された基板に対して固定される部材として設けられている。各補強タブ13には、ハウジング12に各補強タブ13が固定された状態でハウジング12の底面側でハウジング12から露出する基板固定部13aが設けられている。基板固定部13aは、例えば、はんだ付けされることによって、基板に対して機械的に固定される。これにより、コネクタ1が基板に対してより強固に固定される。
【0038】
[端子]
図4は、本発明の一実施の形態に係る端子11が複数配列された状態を示す斜視図である。尚、
図4は、コネクタ1において端子11が複数配列されている状態であってコネクタ1における端子11以外の要素の図示を省略した状態を模式的に表している。
図5は、端子11を示す斜視図である。
図6は、端子11を示す図であって、
図6(A)は、端子11の平面図であり、
図6(B)は、端子11の正面図であり、
図6(C)は、端子11底面図である。
図7は、端子11を示す図であって、
図7(A)は、端子11側面図であり、
図7(B)は、端子11の背面図である。
【0039】
図1乃至
図7に示す端子11は、同じ形状を有する相手側の端子に対して接続される端子として構成されている。即ち、端子11は、雌雄同形状の端子11同士で電気的に接続可能な端子として構成されている。
【0040】
端子11は、電気接続部22、接点部23、弾性変形部24、支持部25、等を備えて構成されており、導電性を有する一体の金属材料で形成されている。端子11は、平坦な板状の金属部材が素材として用いられ、その板状の金属部材にプレス加工による打ち抜き加工が施され、更に、その打ち抜き加工処理が行われた材料に対して折り曲げ加工が施されることで、形成される。このため、端子11は、電気接続部22、接点部23、弾性変形部24、支持部25が一体に設けられている。そして、端子11は、細長く平坦に延びる所定の形状の板状の材料に折り曲げ加工が施された部材として形成される。このため、端子11は、一方の端部から他方の端部にかけて複数回屈曲しながら延びる方向である長手方向を有する部材として設けられている。
【0041】
また、端子11は、上記のように、平坦な板状の金属部材に打ち抜き加工が施されて細長く平坦に延びる板状の材料が形成された後、更にその細長い板状の材料に折り曲げ加工が施されることで、形成される。このため、端子11は、その素材であった平坦な板状の金属部材の板厚方向に対応する板厚方向を有している。そして、端子11は、複数回屈曲しながら細長く延びる所定の形状の板状の部材として設けられており、端子11のそれぞれの部分において、板厚方向を有している。尚、
図7(A)においては、端子11のいくつかの部分における板厚方向について、各部分の近傍において両端矢印X4で示している。
【0042】
電気接続部22は、本実施形態では、端子11が複数回屈曲しながら細長く延びる方向である端子11の長手方向における一方の端部側の部分に設けられている。そして、電気接続部22は、他の導体に対して電気的に接続されるように構成された部分として設けられている。本実施形態では、電気接続部22は、コネクタ1が接続される基板(図示省略)の表面の導体である導電回路パターンに対して電気的に接続される部分として設けられている。端子11は、電気接続部22において、基板の表面にはんだ付けされることによって、基板に対して機械的に固定されるとともに、基板の導電回路パターンに対して電気的に接続される。
【0043】
接点部23は、本実施形態では、複数回屈曲しながら細長く延びる方向である端子11の長手方向における他方の端部側の部分に設けられている。即ち、本実施形態では、接点部23は、端子11の長手方向において、電気接続部22が設けられる端部の部分と反対側の端部の部分に設けられている。また、本実施形態では、接点部23は、端子11の長手方向における他方の端部側の部分において、長手方向に沿って円弧状に屈曲形成された部分として設けられている。
【0044】
また、接点部23は、相手側の端子に対して接触して電気的に接続されるように構成された部分として設けられている。端子11が、自身と同形状の相手側の端子11に対して電気的に接続される際には、端子11の接点部23は、相手側の端子11の支持部25に対して当接する。このように、端子11の接点部23が、相手側の端子11の支持部25に当接して接触した状態となることで、端子11が相手側の端子11に対して電気的に接続される。
【0045】
弾性変形部24は、本実施形態では、端子11の長手方向において、電気接続部22と接点部23との間に配置された部分であって、且つ、後述する支持部25と接点部23との間に配置された部分として設けられている。そして、弾性変形部24は、少なくとも一部が弾性変形することで電気接続部22に対する接点部23の相対変位を許容するように構成された部分として設けられている。
【0046】
より具体的には、弾性変形部24は、基部24a、屈曲部24b、及びアーム部24cを備えて構成されている。基部24a及びアーム部24cは、それぞれ、端子11の長手方向に沿って、直線状に延びる部分として設けられている。屈曲部24bは、端子11の長手方向に沿って、円弧状に屈曲形成された部分として設けられている。
【0047】
また、屈曲部24bは、端子11の長手方向において、基部24aとアーム部24bとの間に配置されている。基部24aは、屈曲部24bに対して、端子11の長手方向における電気接続部22側に設けられ、端子11の長手方向において、後述する支持部25に隣り合って連続する部分として設けられている。アーム部24cは、屈曲部24bに対して、端子11の長手方向における接点部23側に設けられ、端子11の長手方向において、接点部23に隣り合って連続する部分として設けられている。尚、本実施形態では、屈曲部24bを挟んで基部24aが屈曲部24bから延びる方向とアーム部24cが屈曲部24bから延びる方向とが成す角が、90度よりも小さい形態を例示している。
【0048】
端子11が、相手側の端子11に対して電気的に接続される際には、端子11の接点部23が、相手側の端子11の支持部25と当接する。このとき、端子11の接点部23は、相手側の端子11の支持部25によって、端子11の支持部25から離間する方向に向かって付勢される。これにより、端子11において、基部24aに対して屈曲部24b及びアーム部24cが弾性変形し、アーム部24cが撓み、電気接続部22に対する接点部23の相対変位が許容されることになる。即ち、端子11において、アーム部24cが、接点部23を支持部25から離間させる方向に撓み、接点部23が、電気接点部22に対して相対変位することになる。端子11が相手側の端子11に対して電気的に接続された状態では、端子11においては、弾性変形部24が弾性変形して接点部23が電気接点部22に対して相対変位した状態が維持される。このため、端子11が相手側の端子11に対して電気的に接続された状態では、端子11においては、接点部23が、弾性変形部24の弾性力による付勢力によって、相手側の端子11に対して押し付けられて当接した状態が、維持される。
【0049】
支持部25は、本実施形態では、端子11の長手方向において、電気接続部22と弾性変形部24との間に配置された部分として設けられている。そして、支持部25は、コネクタ1のハウジング12の一部が嵌り込むことでハウジング12に対して支持されるように構成された部分として設けられている。
【0050】
より具体的には、支持部25は、一対の柱状部(25a、25b)、及び架橋部25cを備えて構成されている。一対の柱状部(25a、25b)のそれぞれは、端子11の長手方向に沿って、互いに平行に、直線状に延びる部分として設けられている。即ち、柱状部25aと柱状部25bとは、互いに平行に延びるように設けられている。架橋部25cは、一対の柱状部(25a、25b)の間に配置され、一対の柱状部(25a、25b)を架橋するように一体に連結する部分として設けられている。
【0051】
また、柱状部25aは、端子11の長手方向において、電気接続部22と架橋部25cとの間に配置されている。そして、柱状部25aは、その一方の端部において、電気接続部22に対して、略90度に亘って円弧状に屈曲形成された部分を介して、連続している。また、柱状部25aは、その他方の端部において、架橋部25cに対して、略90度に亘って円弧状に屈曲形成された部分を介して、連続している。
【0052】
また、柱状部25bは、端子11の長手方向において、架橋部25cと弾性変形部24の基部24aとの間に配置されている。そして、柱状部25bは、その一方の端部において、架橋部25cに対して、略90度に亘って円弧状に屈曲形成された部分を介して、連続している。また、柱状部25bは、その他方の端部において、基部24aに対して、略90度に亘って円弧状に屈曲形成された部分を介して、連続している。
【0053】
端子11がコネクタ1のハウジング12に取り付けられる際には、支持部25における一対の柱状部(25a、25b)の間に、ハウジング12の一部が嵌まり込むように挿入される。そして、支持部25における一対の柱状部(25a、25b)の間にハウジング12の一部が嵌まり込むことで、支持部25がハウジング12に支持され、これにより、端子11がハウジング12に保持される。また、柱状部25aには、直線状に延びるその中途部分において、一対の圧入部(25d、25d)が設けられている。端子11がコネクタ1のハウジング12に取り付けられる際には、一対の圧入部(25d、25d)が、ハウジング12に設けられた溝に対して係合しながら嵌まり込むことで、柱状部25bがハウジング12に圧入される。一対の柱状部(25a、25b)の間にハウジング12の一部が嵌まり込むとともに、柱状部25bが一対の圧入部(25d、25d)にてハウジング12に圧入されることで、端子11が更に強固にハウジング12に保持されることになる。
【0054】
また、支持部25は、相手側の端子の支持部に対して接触して電気的に接続されるように構成されている。端子11が、自身と同形状の相手側の端子11に対して電気的に接続される際には、端子11の支持部25は、相手側の端子11の支持部25に対して接触する。より具体的には、端子11の支持部25における柱状部25bが、相手側の端子11の支持部25における柱状部25bに接触する。そして、柱状部25b同士が接触した状態となることで、端子11は、相手側の端子11に対して、支持部25同士においても、電気的に接続される。
【0055】
端子11は、上述した構成の電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23を備えている。このため、端子11においては、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23の順番で、端子11の長手方向に沿って、直列に並んだ状態で、一体に設けられている。更に、端子11においては、電気接続部22から支持部25を経て更に弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。即ち、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。上記の同じ平面は、
図7(A)の図面が図示されている平面と平行な面が対応することになる。
【0056】
尚、上記の構成のため、端子11は、支持部25を含めない状態でも、同様に構成されている。即ち、端子11においては、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23は、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23の順番で、端子11の長手方向に沿って、直列に並んだ状態で、一体に設けられている。そして、端子11においては、電気接続部22から弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。
【0057】
また、上述した構成を有する端子11は、前述の通り、複数回屈曲しながら細長く延びる所定の形状の板状の部材として設けられており、端子11のそれぞれの部分において、板厚方向を有している(
図7(A)を参照)。このため、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、それぞれ、板厚方向を有している。そして、電気接続部22の板厚方向、支持部25の板厚方向、弾性変形部24の板厚方向、及び、接点部23の板厚方向は、前述の同じ平面に対して平行に延びる方向として構成される。
【0058】
尚、支持部25は、端子11の長手方向に沿って屈曲しながら延びている。このため、支持部25の板厚方向は、端子11の長手方向に沿って変化する。しかし、支持部25の板厚方向は、いずれも、前述の同じ平面に対して平行に延びる方向となる。同様に、端子11の長手方向に沿って屈曲しながら延びる弾性変形部24の板厚方向は、端子11の長手方向に沿って変化するが、弾性変形部24の板厚方向は、いずれも、前述の同じ平面に対して平行に延びる方向となる。また、同様に、端子11の長手方向に沿って屈曲しながら延びる接点部23の板厚方向は、端子11の長手方向に沿って変化するが、接点部23の板厚方向は、いずれも、前述の同じ平面に対して平行に延びる方向となる。
【0059】
[ハウジング]
図8は、コネクタ1を一部断面を含む状態で示す斜視図である。
図9は、コネクタ1の断面図であって、
図3(A)のX2−X2線矢視方向から見た断面で示す図である。
図1乃至
図3、
図8、
図9に示すハウジング12は、複数の端子11を保持するように構成されている。そして、ハウジング12は、本体部26、接点収容部27、等を備えて構成されており、絶縁性を有する一体の樹脂材料で形成されている。
【0060】
本体部26は、複数の端子11がハウジング12の幅方向(
図2(B)及び
図3(A)において、両端矢印X3で示す方向)に沿って並んだ状態で取り付けられる部分として設けられている。本体部26は、板状に延びる部分を有し、その板状に延びる部分の正面側には複数の溝28が設けられ、その板状に延びる部分の背面側には複数の溝29が設けられている。
【0061】
本体部26の正面側に設けられた複数の溝28は、それぞれが、各端子11の柱状部25bが嵌め込まれる溝として構成されている。複数の溝28は、ハウジング12の幅方向に沿って並んで配置されるとともに、それぞれが、ハウジング12の高さ方向に沿って延びるように設けられている。また、複数の溝28は、ハウジング12の高さ方向に沿って互いに平行に延びるように設けられている。尚、ハウジング12の高さ方向については、
図8及び
図9において、両端矢印X5で示している。ハウジング12の高さ方向は、コネクタ1の高さ方向と同じ方向となる。各溝28に対して各端子11の柱状部25bが嵌め込まれる際には、柱状部25bは、ハウジング12の高さ方向に沿って挿入されるようにして、溝28に嵌め込まれる。
【0062】
本体部26の背面側に設けられた複数の溝29は、それぞれが、各端子11の柱状部25aが嵌め込まれる溝として構成されている。複数の溝29は、ハウジング12の幅方向に沿って並んで配置されるとともに、それぞれが、ハウジング12の高さ方向に沿って延びるように設けられている。また、複数の溝29は、ハウジング12の高さ方向に沿って互いに平行に延びるように設けられている。各溝29に対して各端子11の柱状部25aが嵌め込まれる際には、柱状部25aは、ハウジング12の高さ方向に沿って挿入されるようにして、溝29に嵌め込まれる。
【0063】
また、複数の溝29のそれぞれには、本体部26の背面側で外側に向かって開口する部分において、幅方向の寸法が小さく設定されたスリット状の開口部29aが設けられている。開口部29aは、溝29が延びる方向に沿って細長く延びるように開口している。即ち、開口部29aは、ハウジング12の高さ方向に沿って延びるように開口している。また、各開口部29aは、各溝29に対して各端子11の柱状部25aがハウジング12の高さ方向に沿って挿入されるようにして嵌め込まれる際に、各端子11の電気接続部22が通過する開口部として設けられている。尚、各端子11においては、電気接続部22は、柱状部25aに対して、幅方向の寸法が小さくなるように形成されている。各溝29において、幅方向の寸法が小さく設定されたスリット状の開口部29aが設けられていることで、各端子11の柱状部25aが、本体部26に対してより強固に保持される。
【0064】
また、本体部26においては、溝28と溝29との間の部分が、端子11の支持部25に対して嵌め込まれる端子嵌合部30として、構成されている。端子嵌合部30は、複数設けられている。そして、各端子嵌合部30は、各溝28に対応するとともに各溝29に対応して設けられている。このため、複数の端子嵌合部30は、ハウジング12の幅方向に沿って並んで配置されるとともに、それぞれが、ハウジング12の高さ方向に沿って延びるように設けられている。
【0065】
端子11がハウジング12に取り付けられる際には、端子11は、支持部25において、本体部26に取り付けられる。このとき、ハウジング12の高さ方向に沿って、柱状部25aが溝29に挿入されて嵌め込まれ、柱状部25bが溝28に挿入されて嵌め込まれる際に、支持部25に対して端子嵌合部30が嵌まり込む。これにより、支持部25の一対の柱状部(25a、25b)が、端子嵌合部30の両側の一対の溝(28、29)に嵌め込まれ、更に、支持部25の一対の柱状部(25a、25b)の間に端子嵌合部30が挟まれた状態で、支持部25がハウジング12に対して支持される。支持部25がハウジング12に支持されることで、端子11がハウジング12に保持される。
【0066】
接点収容部27は、複数の端子11の接点部23を含む部分がハウジング12の幅方向に沿って並んだ状態で収納されるように配置される部分として設けられている。接点収容部27は、本体部26の正面側に設けられ、本体部26と一体に設けられている。
【0067】
接点収容部27は、本体部26の一部ととともに略箱状の形状を形成する部分として設けられている。接点収容部27が本体部26の一部とともに形成する略箱状の形状の部分は、ハウジング12の高さ方向の一方に向かって開口27aにて開口している。開口27aは、ハウジング12の幅方向に沿って長方形状に延びる断面形状で外部に開口している。各端子11がハウジング12に取り付けられる際には、各端子11における接点部23、弾性変形部24、及び柱状部25aの一部が、開口27aから接点収容部27の内側に挿入される。そして、各端子11がハウジング12に取り付けられた状態では、各端子11の接点部23、弾性変形部24、及び柱状部25aの一部は、接点収容部27の内側に収容される。
【0068】
コネクタ1においては、上記のように、複数の端子11のそれぞれがハウジング12に取り付けられた状態では、各端子11の接点部23は、ハウジング12の接点収容部27の内側に収容される。このため、コネクタ1においては、複数の端子11のいずれも、ハウジング12から外部に突出した状態で露出していない。これにより、例えば、複数のコネクタ1が搬送される際などに、コネクタ1同士が当接することがあっても、コネクタ1の端子11の接点部23が外力によって変形或いは破損等することが防止されることになる。
【0069】
また、接点収容部27の内壁には、接点収容部27の内側に向かって短く突出する仕切壁27bが、ハウジング12の幅方向に沿って、複数並んで設けられている。各仕切り壁27bは、接点収容部27における本体部26と平行な壁部においては、ハウジング12の高さ方向に沿って延びるように設けられ、接点収容部27における本体部26と垂直な壁部においては、ハウジング12の前後方向に沿って延びるように設けられている。尚、ハウジング12の前後方向については、
図9において、両端矢印X6で示している。ハウジング12の前後方向は、コネクタ1の前後方向と同じ方向となる。
【0070】
また、接点収容部27の内側には、複数の仕切壁27bによって仕切られた複数の凹部27cが設けられている。このため、接点収容部27の内側において、複数の凹部27cは、ハウジング12の幅方向に沿って並んで設けられている。各凹部27cには、各端子11における接点部23及び弾性変形部24が配置される。複数の凹部27c及び複数の仕切壁27bが設けられていることで、接点収容部27の内側において、複数の端子11が互いに接触してしまうことが確実に防止されている。
【0071】
また、ハウジング12においては、各凹部27cは、ハウジング12の前後方向において、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29に対応する位置に設けられている。このため、ハウジング12においては、対応する各凹部27c、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29が、ハウジング12の前後方向及び高さ方向に平行な平面であって同じ平面に沿って配置されている。上記の同じ平面は、
図9の図面が図示されている平面と平行な面が対応することになる。
【0072】
上記の構成のため、ハウジング12においては、同じ平面に沿って配置された各凹部27c、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29の組み合わせが、複数設けられている。そして、各凹部27c、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29の組み合わせのそれぞれが配置される上記の同じ平面は、互いに平行となる。
【0073】
コネクタ1においては、上記のように、各凹部27c、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29が、同じ平面に沿って配置されている。更に、コネクタ1においては、各端子11は、電気接続部22から支持部25を経て更に弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。そして、コネクタ1においては、同じ平面に沿って延びるように設けられた各端子11が、ハウジング12に対して、同じ平面に沿って配置された各凹部27c、各溝28、各端子嵌合部30、及び各溝29によって区画される領域に対して嵌め込まれるようにして、取り付けられる。このため、コネクタ1においては、複数の端子11は、各端子11が配置される上記の同じ平面が互いに平行な状態で、ハウジング12に保持されている。
【0074】
[コネクタの接続及び端子の接続]
次に、コネクタ1が雌雄同形状の相手側のコネクタ1に対して接続される形態について説明する。また、コネクタ1と相手側のコネクタ1との接続に伴って、端子11が雌雄同形状の相手側の端子11に対して接続される形態についても説明する。
【0075】
コネクタ1は、基板(図示省略)に接続された状態で、他の基板(図示省略)に接続された相手側のコネクタ1に対して接続される。尚、コネクタ1は、複数の端子11の電気接続部22が基板の導電回路パターンに対してはんだ付けされていることによって、基板に対して電気的に接続されている。また、コネクタ1は、複数の端子11の電気接続部22と一対の補強タブ13の基板固定部13aとが基板に対してはんだ付けされていることによって、基板に対して機械的に接続されている。相手側のコネクタ1も、同様の形態で他の基板に対して接続されている。
【0076】
図10は、コネクタ1が相手側のコネクタ1に対して接続された状態を示す斜視図であって、一部断面を含む状態で示す斜視図である。
図11は、コネクタ1が相手側のコネクタ1に対して接続された状態を示す断面図である。
【0077】
コネクタ1が相手側のコネクタ1に対して接続される際には、コネクタ1は、そのハウジング12における複数の端子11が取り付けられた本体部26の端部が、相手側コネクタ1のハウジング12の開口27aに対して挿入される。このとき、同様に、相手側のコネクタ1は、そのハウジング12における複数の端子11が取り付けられた本体部26の端部が、コネクタ1のハウジング12の開口27aに対して挿入されることになる。尚、コネクタ1の本体部26は、相手側のコネクタ1の開口27aに対して、コネクタ1の高さ方向及び相手側のコネクタ1の高さ方向に沿って、挿入される。よって、コネクタ1と相手側のコネクタ1との嵌合方向は、コネクタ1の高さ方向及び相手側のコネクタ1の高さ方向と平行な方向となる。
【0078】
尚、以下の説明では、接続される2つのコネクタ1は、いずれも雌雄同形状であるため、コネクタ1と相手側のコネクタ1との接続の観点でコネクタ1の接続形態について説明する。そして、コネクタ1と相手側のコネクタ1との関係を入れ替えた逆の観点での説明は、同様の重複した説明となるため、適宜割愛する。
【0079】
コネクタ1の本体部26の端部が相手側のコネクタ1の開口27aに挿入されると、コネクタ1において各端子嵌合部30が嵌め込まれた各端子11の支持部25が、相手側のコネクタ1の各端子11における接点部23及びアーム部24cと柱状部25bとの間に挿入される。このとき、コネクタ1の端子11の支持部25が、相手側のコネクタ1の端子11の接点部23に当接する。そして、相手側のコネクタ1の端子11の接点部23は、コネクタ1の端子11の支持部25によって、相手側のコネクタ1の端子11の支持部25から離間する方向に向かって付勢される。これにより、相手側のコネクタ1の端子11において、弾性変形によって基部24aに対してアーム部24cが撓み、接点部23が、電気接点部22に対して相対変位することになる。
【0080】
上記により、コネクタ1の端子11の支持部25の柱状部25aと相手側のコネクタ1の端子11の接点部23とが電気的に接続される。そして、コネクタ1の本体部26の端部が相手側のコネクタ1の開口27aの奥側まで挿入されてコネクタ1と相手側のコネクタ1との接続が完了した状態でも、上記の電気的な接続状態が維持されることになる。尚、このとき、同様に、コネクタ1の端子11の接点部23と相手側のコネクタ1の端子11の支持部25の柱状部25aとの電気的な接続状態も維持されることになる。これにより、コネクタ1の複数の端子11と相手側のコネクタ1の複数の端子11とが、それぞれ、電気的に接続されることになる。
【0081】
また、上述したコネクタ1と相手側のコネクタ1との接続動作の際には、コネクタ1の端子11と相手側のコネクタ1の端子11とは、支持部25の柱状部25b同士が、互いの表面で摺動しながら接触した状態となる。即ち、コネクタ1の本体部26の端部が相手側のコネクタ1の開口27aの奥側に向かって挿入される際、コネクタ1の端子11と相手側のコネクタ1の端子11とは、柱状部25b同士が摺動しながら接触した状態となり、電気的に接続される。そして、コネクタ1と相手側のコネクタ1との接続が完了した状態でも、上記の電気的な接続状態が維持されることになる。
【0082】
よって、コネクタ1の複数の端子11と相手側のコネクタ1の複数の端子11とは、接点部23と支持部25の柱状部25aとの間で電気的に接続されるとともに、支持部25の柱状部25b同士の間においても電気的に接続されることになる。
【0083】
[端子及びコネクタの製造方法]
次に、端子11及びコネクタ1の製造方法について説明する。複数の端子11は、平坦な板状の金属部材が素材として用いられ、その板状の金属部材にプレス加工による打ち抜き加工が施され、更に、その打ち抜き加工処理が行われた材料に対して折り曲げ加工が施されることで、形成される。一対の補強タブ13は、平坦な板状の金属部材にプレス加工による打ち抜き加工と折り曲げ加工とが施されることで、形成される。ハウジング12は、樹脂材料を素材として一体成形されることで、形成される。ハウジング12に対して複数の端子11と一対の補強タブ13とが取り付けられることで、コネクタ1が製造される。
【0084】
ここで、上述した端子11及びコネクタ1の製造方法に関し、更に、端子11を製造する工程と、ハウジング12へ端子11を取り付ける工程とについて、より詳しく説明する。
【0085】
図12は、複数の端子11となる部分がキャリア32に対して一体に並んで設けられたプレス展開形状の成形体であるプレス成形体31を示す平面図である。尚、
図12においては、端子11となる部分について、端子11と同じ符号を付している。また、
図12においては、電気接続部22及び接点部23となる部分についても、それぞれ、電気接続部22及び接点部23と同じ符号を付している。
【0086】
端子11の製造工程においては、平坦な板状の金属部材が素材として用いられ、その板状の金属部材にプレス加工による打ち抜き加工が施される。この打ち抜き加工により、
図12に示すプレス成形体31が形成される。プレス成形体31の形成においては、コネクタ1に備えられる複数の端子11となる部分が、一体に形成される。プレス成形体31においては、複数の端子11となる部分は、例えば、各端子11となる部分における電気接続部22となる部分の側において、帯状のキャリア32に対して一体に並んで設けられた状態となっている。
【0087】
図13は、複数の端子11がキャリア32に対して一体に並んで設けられた状態の成形体であるフープ材33を示す斜視図である。
図12に示すプレス成形体31が形成されると、次いで、プレス成形体31における複数の端子11となる部分に対して、折り曲げ加工が施される。プレス成形体31に折り曲げ加工が施されることにより、
図13に示すフープ材33が形成される。フープ材33が形成されることで、帯状のキャリア32に対して一体に並んで設けられた状態の複数の端子11が形成される。
【0088】
図14は、フープ材33及びコネクタ1のハウジング12を示す斜視図であって、フープ材33がコネクタ1のハウジング12に対して取り付けられる状態を説明するための図である。フープ材33は、ハウジング12に対して、
図14の矢印X7で示す方向に沿って、取り付けられる。即ち、フープ材33は、ハウジング12に対して、ハウジング12の高さ方向に沿ってスライド移動して嵌め込まれるようにして、取り付けられる。これにより、フープ材33の状態で複数の端子11が、ハウジング12に対して一括して挿入されるようにして取り付けられる。
【0089】
図15は、フープ材33がコネクタ1のハウジング12に取り付けられた状態を示す斜視図である。フープ材33の状態の複数の端子11がハウジング12に対して一括して挿入されるようにして取り付けられることで、フープ材33の各端子11の支持部25にハウジング12の各端子嵌合部30が嵌まり込んだ状態となる。そして、フープ材33の各端子11の柱状部25a及び柱状部25bのそれぞれがハウジング12の溝29及び溝28のそれぞれに嵌まり込んだ状態となる。更に、フープ材33の複数の端子11の接点部23及び弾性変形部24が、ハウジング12の接点収容部27の内側に収容された状態となる。
【0090】
図16は、コネクタ1のハウジング12に取り付けられたフープ材33からキャリア32が除去された状態を示す斜視図である。ハウジング12にフープ材33が取り付けられると、次いで、
図16に示すように、キャリア32がフープ材33から切断されて除去される。このとき、フープ材33に対して、キャリア32における各端子11の電気接続部22に一体に連結されている部分と電気接続部22との間で切断加工が施される。このように、ハウジング12に取り付けられたフープ材33からキャリア32が除去されることで、互いに分離された状態の複数の端子11がハウジング12に保持された状態となる。複数の端子11を保持したハウジング12に対して、更に一対の補強タブ13が取り付けられることで、
図1に示すコネクタ1が形成される。これにより、コネクタ1の製造が完了することになる。
【0091】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の端子11は、自身と同じ形状を有する相手側の端子11に対して接続される端子として用いられる。即ち、本実施形態の端子11は、いわゆる雌雄同形状の端子11として用いられる。そして、本実施形態の端子11は、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23が、この順番で直列に並んだ状態で一体に設けられ、更に、電気接続部22から弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。よって、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。
【0092】
上記の構造のため、本実施形態の端子11が帯状のキャリア32に対して一体に並んで設けられた状態のフープ材33を作成するに際し、そのフープ材33の作成の素材となるプレス成形体31を作成すると、各端子11となる部分は、細長く延びた状態となる。具体的には、例えば、各端子11となる部分であって平坦に展開されたプレス展開形状の部分は、電気接続部22がキャリア32に一体の状態で、キャリア32が帯状に延びる方向(
図12において両端矢印X8にて示す方向)に対して交差する方向(本実施形態では、直交する方向)に沿って、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23が、細長く直線状に延びた状態となる。
【0093】
上記のため、本実施形態の端子11が帯状のキャリア32に対して一体に並んで設けられた状態のフープ材33を作成する際に、キャリア32に沿って並ぶ端子11同士の間の間隔を小さく設定することができる。従って、本実施形態の端子11の場合、フープ材33の状態で複数の端子11をコネクタ1のハウジング12に対して一括して挿入するようにして取り付ける場合に、コネクタ1において複数の端子11が並ぶ間隔を小さく設定することができる。即ち、本実施形態の端子11によると、複数の端子11をコネクタ1のハウジング12に対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタ1において複数の端子11が並ぶ間隔を小さく設定することができる。そして、コネクタ1において複数の端子11が並ぶ間隔を小さく設定できるため、コネクタ1の小型化を図ることができる。
【0094】
従って、本実施形態によると、同じ形状を有する相手側の端子11に対して接続される端子11であって、複数の端子11をコネクタ1のハウジング12に対して一括して容易に取り付けることができるとともにコネクタ1において複数の端子11が並ぶ間隔を小さく設定してコネクタ1の小型化を図ることができる端子11を提供することができる。また、本実施形態によると、そのような端子11を備えるコネクタ1を提供することができる。
【0095】
また、本実施形態の端子11によると、電気接続部22、弾性変形部24、及び接点部23の各板厚方向が、同じ平面に対して平行に延びる。このため、雌雄同形状の複数の端子11が帯状のキャリア32に対して一体に並んだフープ材33を作成する際に、キャリア32に沿って並ぶ端子11同士の間の間隔を効率よく小さく設定することができる。
【0096】
また、本実施形態の端子11によると、ハウジング12の一部が支持部25に嵌まり込むことで端子11がハウジング12に支持されるため、ハウジング12に対して端子11を安定した状態で強固に保持させることができる。そして、本実施形態の端子11によると、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。このため、雌雄同形状であって更にコネクタ1のハウジング12に強固に保持させることもできる端子11が帯状のキャリア32に対して一体に複数並んだフープ材33を作成する際であっても、キャリア32に沿って並ぶ端子11同士の間の間隔を小さく設定することができる。
【0097】
また、本実施形態の端子11によると、雌雄同形状の端子11同士が接続される際、端子11の接点部23が相手側の端子11に接触して電気的に接続されるとともに、端子11の支持部25が相手側の端子11の支持部25に接触して電気的に接続される。即ち、端子11が相手側の端子11に接続される際には、端子11は、接点部23と支持部25との両方において、相手側の端子11に対して電気的に接続される。このため、端子11同士をより安定した状態でより強固に接触させ、より安定した電気的接続状態を実現することができる。
【0098】
[変形例]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0099】
(1)
図17は、第1の変形例に係るコネクタ40が相手側のコネクタ40に対して接続された状態を示す断面図である。尚、以下の第1の変形例のコネクタ40の説明においては、前述の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を省略する。
【0100】
コネクタ40は、複数の端子41と、複数の端子41を保持するハウジング42と、を備えて構成されている。端子41は、前述の実施形態の端子11と同様に構成され、電気接続部22、接点部23、弾性変形部24、支持部25、を備えて構成されている。ハウジング42は、前述の実施形態のハウジング12と同様に構成され、本体部26、接点収容部27、を備えて構成されている。しかし、ハウジング42は、ハウジング42の幅方向における両端の縁部分において、本体部26と接点収容部27とが一体に連続するように設けられていない点において、前述の実施形態のハウジング12と異なっている。尚、ハウジング42においては、本体部26と接点収容部27とは、ハウジング42の高さ方向における一方の端部の縁部分において一体に連続するように設けられている。
【0101】
また、コネクタ40は、相手側のコネクタ40に対する接続形態において、前述のコネクタ1とは異なっている。コネクタ40と相手側のコネクタ40とは、接点収容部27の一部同士が互いに嵌まり込むようにして、接続される。より具体的には、コネクタ40が相手側のコネクタ40に接続される際には、コネクタ40のハウジング42の接点収容部27の端部が、相手側のコネクタ40のハウジング42における接点収容部27と本体部26との間に嵌まり込む。そして、このとき、同様に、相手側のコネクタ40のハウジング42の接点収容部27の端部が、コネクタ40のハウジング42における接点収容部27と本体部26との間に嵌まり込む。
【0102】
図18は、第1の変形例に係るコネクタ40の端子41が相手側の端子41に対して接続された状態を模式的に示す断面図である。端子41は、相手側の端子41に対する接続形態において、前述の端子11とは異なっている。
図17及び
図18に示すように、コネクタ40と相手側のコネクタ40とが接続されると、端子41と相手側の端子41とは、接点部23と弾性変形部24とにおいて電気的に接続される。
【0103】
より具体的には、端子41が相手側の端子41に電気的に接続される際には、端子41の接点部23は、相手側の端子41のアーム部24cと柱状部25bとの間に挿入され、相手側の端子41のアーム部24cに対して電気的に接続される。そして、このとき、同様に、相手側の端子41の接点部23は、端子41のアーム部24cと柱状部25bとの間に挿入され、端子41のアーム部24cに対して電気的に接続される。
【0104】
第1の変形例のように、コネクタ40と相手側のコネクタ40とが、接点収容部27の一部同士が互いに嵌まり込むようにして接続される形態が、実施されてもよい。また、端子41と相手側の端子41とが、接点部23と弾性変形部24とにおいて電気的に接続される形態が、実施されてもよい。
【0105】
(2)
図19は、第2の変形例に係る端子43が相手側の端子43に対して接続された状態を模式的に示す断面図である。尚、以下の第2の変形例の端子43の説明においては、前述の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を省略する。
【0106】
端子43は、前述の実施形態の端子11と同様に構成される電気接続部22、接点部23、弾性変形部24、を備えて構成されている。しかし、端子43は、前述の実施形態の端子11の支持部25が設けられておらず、ハウジング係合部44が設けられている点において、前述の実施形態の端子11とは異なっている。
【0107】
端子43において、ハウジング係合部44は、弾性変形部24の基部24aと電気接続部22との間の部分として設けられている。そして、ハウジング係合部44は、端子43が、図示が省略されたコネクタのハウジングに対して取り付けられる際に、ハウジングに対して嵌め込まれて係合する部分として、設けられている。即ち、端子43は、ハウジング係合部44にてハウジングに対して嵌め込まれて係合することで、ハウジングに保持されるように構成されている。
【0108】
また、端子43においては、電気接続部22、ハウジング係合部44、弾性変形部24、及び接点部23は、電気接続部22、ハウジング係合部44、弾性変形部24、及び接点部23の順番で、端子43の長手方向に沿って、直列に並んだ状態で、一体に設けられている。更に、端子43においては、電気接続部22からハウジング係合部44を経て更に弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。即ち、電気接続部22、ハウジング係合部44、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。上記の同じ平面は、
図19の図面が図示されている平面と平行な面が対応することになる。
【0109】
また、第2の変形例に係るコネクタとして、複数の端子43と、複数の端子43を保持するハウジングと、を備えるコネクタ(図示省略)が実施されてもよい。第2の変形例に係るコネクタにおいては、前述のように、複数の端子43のそれぞれは、ハウジング係合部44にてハウジングに対して嵌め込まれて係合することで、ハウジングに保持されている。
【0110】
また、第2の変形例に係るコネクタと、そのコネクタの相手側のコネクタであって雌雄同形状のコネクタとが、接続されると、端子43は、相手側の端子43に対して、接点部23と弾性変形部24とにおいて電気的に接続される。より具体的には、端子43が相手側の端子43に電気的に接続される際には、端子43の接点部23は、相手側の端子43のアーム部24cとハウジング係合部44との間に挿入され、相手側の端子43のアーム部24cに対して電気的に接続される。そして、このとき、同様に、相手側の端子43の接点部23は、端子43のアーム部24cとハウジング係合部44との間に挿入され、端子43のアーム部24cに対して電気的に接続される。
【0111】
第2の変形例のように、支持部25が設けられておらず、ハウジング係合部44が設けられた形態の端子43が実施されてもよい。また、その端子43を複数含むコネクタが実施されてもよい。
【0112】
(3)
図20は、第3の変形例に係る端子45が相手側の端子45に対して接続された状態を模式的に示す断面図である。尚、以下の第3の変形例の端子45の説明においては、前述の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を省略する。
【0113】
端子45は、前述の実施形態の端子11と同様に、電気接続部22、接点部23、弾性変形部24、支持部25、を備えて構成されている。しかし、端子45は、接点部23の構成及び支持部25の構成において、前述の実施形態の端子11とは異なっている。
【0114】
端子45の接点部23は、円弧状に屈曲した部分として設けられた前述の実施形態の端子11の接点部23とは異なった形状に形成されている。具体的には、端子45の接点部23は、アーム部24cに連続してアーム部24cと同方向に直線状に延びる部分として設けられている。
【0115】
端子45の支持部25は、前述の実施形態の端子11と同様に、柱状部25a、柱状部25b、架橋部25cを備えて構成されている。しかし、端子45の支持部25は、柱状部25aに凸部46が設けられている点において、前述の実施形態の11とは異なっている。凸部46は、直線状に延びる柱状部25aの中途部分において、端子45の長手方向に沿って略三角形状或いは円弧状に湾曲した部分として形成されている。また、凸部46は、柱状部25aの中途部分において略三角形状或いは円弧状に湾曲することで、柱状部25aから柱状部25b側と反対側に向かって凸状に隆起した部分として形成されている。また、端子45の凸部46は、相手側の端子45の接点部23が電気的に接続される部分として設けられている。
【0116】
また、端子45の支持部25は、相手側の端子45に対して、柱状部25b同士にて電気的に接続されるように構成されていない点においても、前述の実施形態の端子11とは異なっている。
【0117】
また、端子45においては、電気接続部22、凸部46を含む支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23の順番で、端子45の長手方向に沿って、直列に並んだ状態で、一体に設けられている。更に、端子45においては、電気接続部22から支持部25を経て更に弾性変形部24を経て接点部23へと至る経路が、同じ平面に沿って配置されるように構成されている。即ち、電気接続部22、支持部25、弾性変形部24、及び接点部23は、この順番で、同じ平面に沿って一筆書き状に並んで一体に設けられている。上記の同じ平面は、
図20の図面が図示されている平面と平行な面が対応することになる。
【0118】
また、第3の変形例に係るコネクタとして、複数の端子45と、複数の端子45を保持するハウジングと、を備えるコネクタ(図示省略)が実施されてもよい。
【0119】
また、第3の変形例に係るコネクタと、そのコネクタの相手側のコネクタであって雌雄同形状のコネクタとが、接続されると、端子45は、相手側の端子45に対して、接点部23と凸部46とにおいて電気的に接続される。より具体的には、端子45が相手側の端子45に電気的に接続される際には、端子45の支持部25が、相手側の端子45の柱状部25bとアーム部24cとの間に挿入され、相手側の端子45の接点部23が、端子45の凸部46に対して電気的に接続される。そして、このとき、同様に、相手側の端子45の支持部25が、端子45の柱状部25bとアーム部24cとの間に挿入され、端子45の接点部23が、相手側の端子45の凸部46に対して電気的に接続される。
【0120】
第3の変形例のように、接点部23が、弾性変形部24の一部と同方向に直線状に延びる部分として設けられ、支持部25において、接点部23に電気的に接続される凸部46が設けられた形態の端子45が、実施されてもよい。また、その端子45を複数含むコネクタが実施されてもよい。
【0121】
(4)前述したような変形例に限らず、更に種々の変形例が実施されてもよい。例えば、前述の実施形態では、端子の電気接続部が基板の表面の導体に対して電気的に接続される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。端子の電気接続部が、基板の表面の導体以外の形態として構成された導体に対して電気的に接続される形態が、実施されてもよい。例えば、端子の電気接続部が、他の導体としての電線に対して、はんだ付けを介して電気的に接続される形態が、実施されてもよい。
【0122】
また、フープ材の状態の複数の端子がハウジングに取り付けられる方向については、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施されてもよい。また、前述の実施形態では、プレス成形体を形成した後、そのプレス成形体に対して折り曲げ加工が施されてフープ材が形成される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、板状の金属部材に対して、プレス加工による打ち抜き加工を行う際に、屈曲した部分も合わせて形成し、フープ材を作成する形態が、実施されてもよい。