【解決手段】一実施形態に係る掛け布団1は、下面10a、及び下面10aの反対側に設けられる上面10bを有する掛け布団本体10と、下面10aの少なくとも一部、及び上面10bの少なくとも一部を覆う布製のカバー20と、を備え、掛け布団本体10の下面10a及び上面10bの少なくとも一方には、面状の接合部材31a,31b,31c,31dが固定されており、カバー20には、接合部材31a,31b,31c,31dに貼り合わされて接合される面状の接合部材32a,32b,32c,32dが固定されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照しながら本発明に係る寝具の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る寝具を示す縦断面図である。
図2(a)は、
図1の寝具の寝具本体を示す平面図である。
図2(b)は、
図1の寝具の被覆部材を示す平面図である。本明細書において、「寝具」とは、寝具の使用者が身体を休めたり睡眠をとったりするときに使用者の身体に当てられるものであり、典型的には、布団、枕、座布団、又はクッションである。本実施形態では、寝具が掛け布団1である例について説明する。
【0017】
また、「寝具本体」は、寝具の形状を維持する寝具の本体部分を示しており、典型的には、寝具のカバー以外の部分である。「面状」とは、二次元的に延在する状態を示しており、肌触りを妨げる程度に突出又は窪んでいない状態を示している。「面接合」とは、接合部分が面状となるように接合する状態を示している。「被覆」及び「覆う」は、物の全体を覆う場合、及び物の一部を覆う場合、の両方を含む。「被覆部材」は、被覆を行う物及び部分を含み、典型的には、カバー又はシーツである。「パイル部」は、布地から輪状に突出する糸の集合体を示している。
【0018】
図1及び
図2に示されるように、掛け布団1は、掛け布団本体10と、掛け布団本体10を被覆する布製のカバー20とを備える。
図1の左側は掛け布団1が掛けられる使用者の頭部側を示しており、
図1の右側は掛け布団1が掛けられる使用者の足側を示している。以下では、
図1の左側を「頭部側」、
図1の右側を「足側」とする。
【0019】
掛け布団1は、全体として長方形状を呈する。一例として、掛け布団1は、羽毛布団であり、敷き布団の上に載せられて使用者の身体に掛けられることにより使用される。掛け布団本体10は、掛け布団本体10の中身を構成する内容物11と、内容物11を収容する袋状の布部12とを備える。
【0020】
内容物11は、布部12によって形成された内部空間Sに充填されている。内容物11は、例えば、羽毛(羽根)であり、この場合、膨らんだ羽毛の中に熱を閉じ込めることが可能となり高い保温性を発揮する。また、内部空間Sは、例えば、縦横に延びるマチ部によって仕切られていてもよい。
【0021】
カバー20は、例えば、一枚の薄い布状とされている。カバー20は、掛け布団本体10の下面10a(第1面)の全体と、掛け布団本体10の上面10b(第2面)の一部を覆っている。カバー20の幅方向(
図1の紙面の直交方向)の長さは、例えば、掛け布団本体10の幅方向の長さと同一である。掛け布団本体10を被覆していない状態において、カバー20の長手方向の長さは、掛け布団本体10の長手方向の長さよりも長い。
【0022】
カバー20は、その長手方向の端部に位置する仮想の折り返し線Lに沿って折り返される。カバー20は、折り返し線Lに沿って折り返されて上面10bの一部を覆う。具体的には、カバー20は、下面10aの全体を覆うと共に、下面10aの頭部側で上方且つ足側に折り返され、上面10bの頭部側の一部を覆っている。
【0023】
カバー20は、掛け布団本体10の下面10aの全体を覆っているが、上面10bの全体を覆っていない。上面10bにおいて、カバー20は、上面10bの頭部側のみを覆っている。また、カバー20は、掛け布団本体10の側面(下面10a及び上面10b以外の面)を覆っていない。上面10bを覆う部分のカバー20の形状は、掛け布団1の幅方向に長く延びる長方形状とされている。
【0024】
掛け布団本体10を被覆した状態において、カバー20は、カバー20の第2接合部材32が掛け布団本体10の第1接合部材31に接合された状態で掛け布団本体10を被覆する。第1接合部材31は、足側接合部材31a、中央接合部材31b、頭部側接合部材31c及び上側接合部材31dを含む。また、第2接合部材32は、足側接合部材32a、中央接合部材32b、頭部側接合部材32c及び上側接合部材32dを含む。例えば、掛け布団1は、第1接合部材31及び第2接合部材32を備えると共に、ファスナー、ボタン及び紐のいずれも有しない。
【0025】
足側接合部材31a,32aは掛け布団1の足側で接合を行い、中央接合部材31b,32bは掛け布団1の長手方向の中央部分で接合を行い、頭部側接合部材31c,32cは掛け布団1の頭部側で接合を行い、上側接合部材31d,32dは掛け布団1の上側で接合を行う。このように足側接合部材31a,32a、中央接合部材31b,32b、頭部側接合部材31c,32c及び上側接合部材31d,32dが接合を行うことにより、掛け布団本体10に対するカバー20のずれが抑制される。
【0026】
足側接合部材31a,32a、中央接合部材31b,32b、頭部側接合部材31c,32c及び上側接合部材31d,32dのそれぞれは、掛け布団本体10及びカバー20のそれぞれに固定されている。第1接合部材31及び第2接合部材32は、例えば、縫製によって固定されている。但し、この固定手段は、溶着等であってもよく、適宜変更可能である。
【0027】
掛け布団本体10において、足側接合部材31a、中央接合部材31b及び頭部側接合部材31cは下面10aに固定されており、上側接合部材31dは上面10bに固定されている。足側接合部材31aは、掛け布団本体10の長手方向の端部において、掛け布団本体10の幅方向の全体にわたって延在している。足側接合部材31aの幅は、例えば、5cm以上且つ20cm以下であり、具体例として10cmである。
【0028】
中央接合部材31bは、掛け布団本体10の幅方向の一端及び他端のそれぞれに固定されている。中央接合部材31bは、所定長さだけ掛け布団本体10の長手方向に延在している。中央接合部材31bの長さは、例えば、30cm以上且つ70cm以下であり、具体例として50cmである。
【0029】
一例として、中央接合部材31bの長手方向の中央位置は、掛け布団本体10の長手方向の中央位置と一致しており、中央接合部材31bは、当該中央位置から頭部側及び足側のそれぞれに25cmずつ延びている。中央接合部材31bの幅は、足側接合部材31aの幅と同一であってもよい。
【0030】
頭部側接合部材31cは、掛け布団本体10の長手方向の端部に固定されており、掛け布団本体10の幅方向の全体にわたって延びている。なお、頭部側接合部材31cは、掛け布団本体10の幅方向の端部のみに設けられていてもよい。この場合、頭部側接合部材31cが使用者の襟元に接触しにくくなるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0031】
上側接合部材31dは、掛け布団本体10の長手方向の端部から所定長さだけ足側に設けられており、掛け布団本体10の幅方向の全体にわたって延びている。頭部側接合部材31cの幅、及び上側接合部材31dの幅は、足側接合部材31aの幅と同一であってもよい。
【0032】
カバー20において、足側接合部材32a、中央接合部材32b、頭部側接合部材32c及び上側接合部材32dは、全て同一の面(掛け布団本体10に対向する面)に固定されている。足側接合部材32a及び中央接合部材32bの配置は、例えば、足側接合部材31a及び中央接合部材31bの配置と同様である。頭部側接合部材32cの配置は、頭部側接合部材31cの配置とは異なっている。
【0033】
カバー20の頭部側接合部材32cは、カバー20の幅方向の両端それぞれに設けられる端部側接合部材32eと、カバー20の幅方向の中央に設けられる中央側接合部材32fとを含んでいる。なお、中央側接合部材32fは省略してもよい。この場合、中央側接合部材32fが使用者の襟元に接触することがなくなるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0034】
例えば、端部側接合部材32eは、カバー20の長辺及び折り返し線Lの交差部分に直角部分が位置する直角三角形状を呈する。端部側接合部材32eの底辺及び高さは、例えば、10cm以上且つ20cm以下であり、具体例として15cmである。中央側接合部材32fは、カバー20の幅方向に所定長さだけ延びている。中央側接合部材32fの長さは、例えば、20cm以上且つ40cm以下であり、具体例として30cmである。
【0035】
中央側接合部材32fの幅は、例えば、頭部側接合部材31cの幅と同一である。上側接合部材32dは、カバー20の長手方向の端部に設けられており、カバー20の幅方向の全体にわたって延びている。上側接合部材32dの幅は、例えば、上側接合部材31dの幅と同一である。
【0036】
足側接合部材31a、中央接合部材31b、頭部側接合部材31c及び上側接合部材31dは、それぞれ、足側接合部材32a、中央接合部材32b、頭部側接合部材32c及び上側接合部材32dに接合される。各第1接合部材31に各第2接合部材32が接合することにより、掛け布団本体10にカバー20が接合される。
【0037】
図3に示されるように、第1接合部材31は掛け布団本体10に固定されており、第2接合部材32はカバー20に固定されている。
図3では、中央接合部材31b,32bを例示しているが、足側接合部材31a,32a、頭部側接合部材31c,32c及び上側接合部材31d,32dにおいても同様の接合がなされている。
【0038】
第1接合部材31及び第2接合部材32は、掛け布団本体10及びカバー20のそれぞれにおいて面状に固定されており、肌触りを妨げる程度の凹凸を有しない形状とされている。例えば、第1接合部材31の色彩及び第2接合部材32の色彩は、互いに異なっており、これにより第1接合部材31と第2接合部材32を簡単に識別することが可能である。
【0039】
図3及び
図4に示されるように、掛け布団本体10に固定された第1接合部材31、及びカバー20に固定された第2接合部材32は、それぞれ、輪状に突出する複数のパイル部31p,32pを有する。第1パイル部31p及び第2パイル部32pは、共に、柔軟性が高い糸の集合体によって構成されている。第1接合部材31に設けられた複数の第1パイル部31pと、第2接合部材32に設けられた複数の第2パイル部32pと、は粗さ及び配置間隔が互いに異なっている。
【0040】
具体的には、第1パイル部31pの糸の集合体は第2パイル部32pの糸の集合体よりも太くなっており、複数の第1パイル部31pの配置間隔は複数の第2パイル部32pの配置間隔よりも広くなっている。これにより、複数の第1パイル部31pにおける柔らかい糸の集合体と、複数の第2パイル部32pにおける柔らかい糸の集合体とは互いに引っ掛かって絡み合っている。
【0041】
よって、第1接合部材31及び第2接合部材32は、凹凸を有しない面的な面接合であるにもかかわらず、肌触りが良好であると共に、面内方向(接合部材31,32が互いにずれる方向、又は水平方向)への強固な接合を実現させることが可能である。
【0042】
一方、第1接合部材31及び第2接合部材32は、面外方向(接合部材31,32が互いに接近若しくは離間する方向、又は鉛直方向)には容易に取り外すことができる。更に、第1接合部材31及び第2接合部材32は、所謂面ファスナーと比較して、柔らかく且つ汚れが溜まりにくい素材とされている。
【0043】
続いて、掛け布団本体10にカバー20をカバーリングする被覆方法について説明する。まず、
図2に示されるように、カバー20の貼り合わせ面(足側接合部材32a、中央接合部材32b、頭部側接合部材32c及び上側接合部材32dが固定された面)に、掛け布団本体10の下面10aを載せる。
【0044】
足側接合部材31a、中央接合部材31b及び頭部側接合部材31cのそれぞれに、足側接合部材32a、中央接合部材32b及び頭部側接合部材32cのそれぞれを貼り付ける。そして、折り返し線Lに沿ってカバー20の上側接合部材32d側を掛け布団本体10の上面10bに折り返して、上側接合部材32dを上側接合部材31dに貼り付けることにより、カバーリングが終了する。このように、掛け布団1では、各第2接合部材32を各第1接合部材31に貼り付けながらカバー20の折り返しを行うことにより、カバーリングを短時間で効率よく行うことが可能である。
【0045】
次に、本実施形態に係る掛け布団1から得られる作用効果について説明する。
【0046】
図1及び
図2に示されるように、掛け布団1は、下面10a、及び下面10aの反対側を向く上面10b、のそれぞれに固定された面状の第1接合部材31を有する掛け布団本体10と、下面10aの少なくとも一部、及び上面10bの少なくとも一部を覆う布製のカバー20とを備える。カバー20には、第1接合部材31に貼り合わされて接合される面状の第2接合部材32が固定されている。よって、カバー20で下面10aの少なくとも一部と上面10bの少なくとも一部とを覆った状態で第1接合部材31に第2接合部材32を貼り合わせることにより、掛け布団本体10をカバー20でカバーリングすることができる。
【0047】
従って、掛け布団本体10を貼り合わせによって被覆することができるので、掛け布団本体10の全体を包む従来のカバーと比較して、カバーリングを容易に行うことができる。すなわち、掛け布団1では、掛け布団本体10をカバーの中で押し込んだり、掛け布団本体10の位置及び形状を手で整えたりする作業を行わずにカバーリングを行うことができる。従って、カバーリングを短時間で効率よく行うことができる。
【0048】
また、従来のカバーは、前述したように掛け布団本体10の全体を包んでいるので、掛け布団本体10から取り外す作業が面倒である。従って、掛け布団本体10からのカバーの取り外しが面倒であるがゆえに、カバーの洗濯が長期間行われずカバーの清潔さが維持されなくなる問題がある。
【0049】
しかしながら、本実施形態の掛け布団1では、カバー20が接合部材31,32の貼り合わせによって掛け布団本体10を覆っているので、接合部材31,32を剥がすだけで掛け布団本体10からのカバー20の取り外しを容易に行うことができる。よって、掛け布団本体10からカバー20を外してカバー20の洗濯を容易に行うことができるので、カバー20の清潔さを確実に維持することができる。
【0050】
また、病院又はホテル等の施設では、一度に大量のカバーを洗濯する必要があるが、掛け布団1では、カバー20の数が多い場合であってもカバー20を短時間で効率よく外すことができるので、大量のカバー20の洗濯を容易に行うことができる。このように、掛け布団1は、病院又はホテル等の施設でも好適に用いることができるので、汎用性が高い寝具とされている。
【0051】
また、掛け布団1では、第1接合部材31に第2接合部材32を貼り合わせて掛け布団本体10のカバーリングを行うので、ファスナー、ボタン及び紐を不要とすることができる。従って、ファスナー、ボタン又は紐が使用者の身体に当たるのを回避することができるため、使用者に快適な寝心地を提供することができる。
【0052】
特に、ファスナーを用いた従来のカバーでは、ファスナーが布地に引っ掛かって扱いにくいという問題があると共に、ファスナーが壊れるとカバー全体を破棄しなければならないという問題がある。更に、ファスナーが金属製である場合には、カバーを針検知用の金属探知機に通すことができないという問題がある。
【0053】
ファスナーが樹脂製である場合には、ファスナーの取っ手部分等の強度が弱いため、折れやすいといった問題もある。このように、ファスナーを用いたカバーでは、様々な問題がある。しかしながら、カバー20では、ファスナーを不要とすることができるので、上記の様々な問題を全て回避することができる。
【0054】
また、1枚のカバー20が、下面10aを覆うと共に、下面10aの端部の折り返し線Lで折り返されて上面10bの一部を覆っている。よって、1枚のカバー20で掛け布団本体10の両面を覆うことができる。従って、1枚のカバー20で掛け布団本体10のカバーリングを容易に行うことができる。
【0055】
また、カバー20で覆われる下面10aの面積は、カバー20で覆われる上面10bの面積と異なっている。従って、使用者は、掛け布団1の天地を容易に把握することができる。更に、カバー20は上面10bの一部を覆っているので、上面10bの残部を覆わずに露出させることにより、デザイン性を高めた上面10bを使用者に見せることができる。
【0056】
また、第1接合部材31は、第1接合部材31の厚さ方向に突出する複数の第1パイル部31pを有し、第2接合部材32は、第2接合部材32の厚さ方向に突出する複数の第2パイル部32pを有し、第1パイル部31pの配置間隔と第2パイル部32pの配置間隔とは互いに異なっており、第2接合部材32は、複数の第2パイル部32pが複数の第1パイル部31pに引っ掛かって絡まることにより、第1接合部材31に面接合する。
【0057】
よって、複数の第2パイル部32pと複数の第1パイル部31pとが互いに引っ掛かって絡まることによって第2接合部材32が第1接合部材31に面接合するので、第1接合部材31への第2接合部材32の接合を容易且つ強固に行うことができる。従って、掛け布団本体10に対するカバー20のずれを一層確実に抑制することができるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0058】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る掛け布団について
図5(a)及び
図5(b)を参照しながら説明する。第2実施形態に係る掛け布団は、掛け布団本体50、及び2枚のカバー60を備える。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。
図5(a)は掛け布団本体50を示す平面図であり、
図5(b)は掛け布団本体50に対するカバー60の貼り合わせ面を示す平面図である。
【0059】
掛け布団本体50の外形は、例えば、第1実施形態の掛け布団本体10と同様である。掛け布団本体50は、足側接合部材31a、中央接合部材31b、頭部側接合部材31c及び上側接合部材31dを備える。足側接合部材31a、中央接合部材31b、頭部側接合部材31c及び上側接合部材31dは、掛け布団本体50の下面10a及び上面10bの両方に設けられる。
【0060】
なお、掛け布団本体50は、掛け布団本体10と完全に同一であってもよい。カバー60の長手方向の長さは、掛け布団本体50の長手方向の長さと同程度である。カバー60は、カバー20と同様、足側接合部材32a、中央接合部材32b及び頭部側接合部材32cを備える。また、カバー60は、上側接合部材32dを有しない。
【0061】
掛け布団本体50に2枚のカバー60をカバーリングする被覆方法については、まず、掛け布団本体50の下面10aに固定された足側接合部材31a、中央接合部材31b及び頭部側接合部材31cのそれぞれに、一のカバー60に固定された足側接合部材32a、中央接合部材32b及び頭部側接合部材32cを貼り付ける。
【0062】
そして、掛け布団本体50の上面10bに固定された足側接合部材31a、中央接合部材31b及び頭部側接合部材31cのそれぞれに、他のカバー60に固定された足側接合部材32a、中央接合部材32b及び頭部側接合部材32cを貼り付けることにより、カバーリングが終了する。なお、カバー60でカバーリングする場合、上側接合部材31dを省略することが可能であるが、上側接合部材31dを備える場合には、第1実施形態のカバー20で掛け布団本体50をカバーリングすることが可能となる。
【0063】
第2実施形態の掛け布団では、カバー60の各第2接合部材32を掛け布団本体50の各第1接合部材31に貼り付けて、2枚のカバー60が掛け布団本体50の下面10a及び上面10bのそれぞれに貼り付けられる。従って、カバーリングを短時間で効率よく行うことができる。
【0064】
以上のように、第2実施形態に係る掛け布団は、2枚のカバー60を備え、一のカバー60が下面10aを覆うと共に、他のカバー60が上面10bを覆っている。従って、2枚のカバー60によって掛け布団本体50の両面を覆うことができる。また、各第1接合部材31に各第2接合部材32を接合させることにより、掛け布団本体50に対するカバー60の貼り付けを行うことができる。従って、掛け布団本体50の両面にカバー60を接合させる作業を容易に行うことができる。
【0065】
また、第2実施形態に係る掛け布団では、接合部材31,32を剥がすことによって各カバー60が掛け布団本体50から取り外されるので、カバー60の取り外しを容易に行うことができる。従って、例えば大量のカバー60を容易に洗濯することができるので、第1実施形態と同様の効果が得られる。更に、第2実施形態に係る掛け布団では、一のカバー60が掛け布団本体50の下面10a全体を覆うと共に、他のカバー60が掛け布団本体50の上面10b全体を覆う。従って、掛け布団本体50の汚れを一層確実に防止することができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る掛け布団のカバー70について
図6を参照しながら説明する。カバー70は、例えば、前述した掛け布団本体10をロールアップ式で被覆する。なお、カバー70は、掛け布団本体10の上面10b全体を被覆してもよいし、掛け布団本体10の下面10a全体を被覆してもよい。また、カバー70は、掛け布団本体50を被覆してもよい。
【0067】
図6に示されるように、カバー70は、長方形状を成している。カバー70の長手方向の一端及び他端には、折り返し部71が設けられる。折り返し部71は、カバー70の幅方向に延びる長方形状とされており、折り返し部71の幅は、例えば、5cm以上且つ25cm以下である。
【0068】
折り返し部71は、掛け布団本体10の端部で折り返される部位であり、カバー70の折り返し部71以外の部分が掛け布団本体10の上面10b全体又は下面10a全体を被覆する。従って、カバー70の長手方向の寸法は、掛け布団本体10の長手方向の寸法よりも、2つの折り返し部71の幅の分だけ長くなっている。
【0069】
カバー70の裏面(掛け布団本体10に接触する面)には、例えば、7つの第2接合部材32が固定されている。一例として、2つの第2接合部材32は、カバー70の長辺上であって且つカバー70の長手方向の中央に直角三角形状に配置されている。また、各折り返し部71の一端及び他端のそれぞれ(カバー70の四隅)には、掛け布団本体10に貼り付けられる直角三角形状の第2接合部材32が固定されている。
【0070】
2つの折り返し部71のうちの一方には、カバー70の幅方向中央に長方形状の第2接合部材32が固定されている。この長方形状の第2接合部材32は、例えば、カバー70の足側に設けられるが、カバー70の頭側に設けられてもよい。この長方形状の第2接合部材32が設けられることによって、カバー70の足側及び頭側を識別することが可能である。
【0071】
以上、第3実施形態に係るカバー70は、掛け布団本体10の上面10b及び下面10aの少なくとも一部を覆う。従って、カバー70の各第2接合部材32を掛け布団本体10の各第1接合部材31に貼り合わせることにより、1枚のカバー70によって掛け布団本体10のカバーリングを行うことができる。従って、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態に係る掛け布団本体80及びカバー90について
図7(a)及び
図7(b)を参照しながら説明する。カバー90は、例えば、包布式で掛け布団本体80を被覆する。掛け布団本体80は、長方形状を呈する。掛け布団本体80には、例えば、6つの第1接合部材31が固定されている。具体的には、掛け布団本体80の四隅のそれぞれに直角三角形状の第1接合部材31が固定されており、掛け布団本体80の各長辺の中央に直角三角形状の第1接合部材31が固定されている。
【0073】
カバー90は、掛け布団本体80の全体を被覆する被覆部材であり、掛け布団本体80を収容するための開口91を有する。カバー90は長方形状を成している。開口91は、例えば、カバー90の一方の長辺及び一方の短辺に延びており、掛け布団本体80を収容しやすいように、L字状の平面形状を有する。なお、開口91には、開口91を開閉するファスナー等が設けられていてもよい。
【0074】
カバー90における開口91の内側部分には、第2接合部材32が固定されている。カバー90の内面に、例えば、6つの第2接合部材32が固定されている。具体的には、カバー90の各長辺の中央に第2接合部材32が固定されており、更に、カバー90の四隅のそれぞれに第2接合部材32が固定されている。各第2接合部材32の平面位置は、掛け布団本体80の各第1接合部材31の平面位置に対応している。一例として、カバー90に固定された第2接合部材32の形状は直角三角形状である。
【0075】
第4実施形態に係る掛け布団本体80及びカバー90では、カバー90の開口91を開いて掛け布団本体80をカバー90の中に挿入する必要がある。しかしながら、第4実施形態では、カバー90の各第2接合部材32に掛け布団本体80の各第1接合部材31を貼り合わせることにより、カバーリング時における掛け布団本体80の位置ずれを抑制できる。従って、接合部材31,32が無い場合と比較してカバーリングを容易に行うことができる。
【0076】
すなわち、カバー90の各第2接合部材32に各第1接合部材31を固定させながら掛け布団本体80のカバーリングを行うことができるので、従来よりもカバーリングの時間を短縮することができる。更に、第4実施形態では、カバー90が掛け布団本体80の全面を覆うので、掛け布団本体80への汚れの付着を一層確実に防止できる。
【0077】
以上、本発明に係る寝具の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0078】
例えば、前述の実施形態では、
図1及び
図2に示されるように、折り返し線Lに沿って第2接合部材32(頭部側接合部材32c)が設けられる例について説明した。しかしながら、第2接合部材32の位置が折り返し線Lから離間すると共に、第1接合部材31(頭部側接合部材31c)の位置が掛け布団本体10の長手方向の端部から離間していてもよい。この場合、掛け布団本体10の長手方向の端部でカバー20を折り返したときに、当該端部に接合部材31,32が位置しないので、使用者の襟元に接合部材31,32が当たらないようにすることができる。従って、使用者の睡眠を一層快適にすることができる。また、頭部側接合部材31c,32cの全部又は一部を省略しても同様の効果が得られる。
【0079】
また、前述の実施形態では、足側接合部材31a,32a、中央接合部材31b,32b、頭部側接合部材31c,32c及び上側接合部材31d,32dを備える接合部材31,32について説明した。しかしながら、足側接合部材31a,32a、中央接合部材31b,32b、頭部側接合部材31c,32c及び上側接合部材31d,32dのいずれかを省略してもよい。
【0080】
例えば、前述の実施形態では、第1接合部材31の第1パイル部31pの配置間隔が第2接合部材32の第2パイル部32pの配置間隔よりも広く且つ粗くなっている例について説明した。しかしながら、第1パイル部31pの配置間隔が第2パイル部32pの配置間隔よりも狭く且つ細かくなっていてもよい。
【0081】
また、前述の実施形態では、接合部材31,32として、長方形状の足側接合部材31a,32a、中央接合部材31b,32b、頭部側接合部材31c、上側接合部材31d,32d、中央側接合部材32f及び三角形状の端部側接合部材32eについて説明した。しかしながら、接合部材31,32の形状は、円形状、長円形状、曲線形状、又は波形形状等であってもよく、適宜変更可能である。また、接合部材31,32の大きさ、数、位置、及び配置態様についても適宜変更可能である。
【0082】
また、前述の実施形態では、柔らかい糸の集合体から成るパイル部31p,32pを備えた接合部材31,32について説明した。しかしながら、接合部材の材料は上記に限定されず適宜変更可能である。例えば、接合部材は、面ファスナーであってもよい。
【0083】
また、前述の各実施形態では、寝具が掛け布団である例について説明した。しかしながら、本発明に係る寝具は、敷き布団、枕、座布団又はクッション等、掛け布団以外の寝具であってもよい。
【0084】
例えば、本発明に係る寝具は、敷き布団本体(寝具本体)及びシーツ(被覆部材)を備えた敷き布団であってもよい。このように、寝具が敷き布団である場合でも、前述の各実施形態と同様の効果が得られる。
【0085】
例えば、本発明に係る寝具は、枕用芯材(寝具本体)及び枕カバー(被覆部材)を備えた枕であってもよい。この場合も前述の各実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
また、従来の枕は、枕用芯材に綿又はパイプ等の内容物が充填されるため、多くのファスナー、ボタン又は紐を備えることが多い。これに対し、本発明に係る寝具が枕である場合には、ファスナー、ボタン及び紐を全て接合部材31,32に置き換えることができるため、ファスナー、ボタン及び紐を不要とすることができる。従って、使用者にファスナー、ボタン又は紐が当たるのを回避することができるので、枕の使用者の寝心地を快適にすることができる。また、ファスナー、ボタン又は紐を取り付ける手間及びコストを大幅に抑えることができる。