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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-187344(P2018-187344A)
(43)【公開日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/49 20170101AFI20181102BHJP
   A47B 88/423 20170101ALI20181102BHJP
【FI】
   A47B88/08
   A47B88/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-239187(P2017-239187)
(22)【出願日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】106114563
(32)【優先日】2017年4月28日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 宗憲
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B060
【Fターム(参考)】
3B060NA00
3B060NB01
3B060NC01
3B060ND01
3B060PB08
(57)【要約】
【課題】 伸長長さがより長く且つ支持能力が良好なスライドレールアセンブリを提供すること。
【解決手段】 スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、第1のブラケットと、第2のブラケットとを含む。第2のレールは第1のレールに対して動かすことができる。第1のブラケットは第1のレールに可動に取り付けられる。第1のブラケットは第1の対象物体に取り付けられるように構成された少なくとも1つの第1の取り付け部材を含む。第2のブラケットは第1のブラケット及び第1のレールのうちの一方に可動に取り付けられる。第2のブラケットは第2の対象物体に取り付けられるように構成された少なくとも1つの第2の取り付け部材を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに適用可能なスライドレールアセンブリであって、当該スライドレールアセンブリは、
第1のレールと、
前記第1のレールを前記ラックの第1のポストに取り付けるように構成された第1のブラケットであって、該第1のブラケットと前記第1のレールとはお互いに対して動かすことができる、第1のブラケットと、
前記第1のレールを前記ラックの第2のポストに取り付けるように構成された第2のブラケットであって、該第2のブラケットと前記第1のレールとはお互いに対して動かすことができる、第2のブラケットと、
前記第1のレールに対して動かすことができる第2のレールと、
を含み、
前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットが前記第1のポスト及び前記第2のポストにそれぞれ取り付けられている場合、前記第1のレールは前記ラックに対して動かすことができる、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のレールと前記第2のレールとの間に可動に取り付けられる第3のレールをさらに含み、
前記第1のレール及び前記第2のレールはそれぞれ前部及び後部を含み、
前記第2のレール及び前記第3のレールが伸長状態になるように前記第1のレールに対して第1の方向に沿って動かされると、前記第1のレールは、前記第1のレールの前部が前記第2のレールの前部と後部との間に位置するように前記ラックに対して前記第1の方向に沿って動かすことができる、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも1つの回転部材をさらに含み、
前記第1のブラケット及び前記第1のレールは前記少なくとも1つの回転部材を通じてお互いに対して動かすことができ、
前記第1のブラケットは第1の支持フレームと、該第1の支持フレームに連結された少なくとも1つの第1の取り付け部材とを含み、
前記第1の支持フレームは上側支持壁と、下側支持壁と、前記第1の支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁の間に連結された中間壁とを含み、
前記第1の支持フレームの上側支持壁、下側支持壁及び中間壁により第1の支持通路が定義され、
前記第1の支持通路は前記少なくとも1つの回転部材を収容するように構成され、
前記少なくとも1つの回転部材は前記第1の支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁のうちの一方と当接するように構成され、
前記少なくとも1つの取り付け部材は前記第1のポストに取り付けられるように構成されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のブラケットに設けられる係合部材をさらに含み、
前記第1のレールが前記ラックに対して前記第1の方向に沿って所定の位置に動かされると、前記係合部材は前記第1のレールが前記ブラケットに対して第2の方向に沿って移動するのを防止するために前記第1のレールと係合し、
前記第1のレールは開口を有し、前記係合部材は前記第1のブラケットに連結されるベース部と、該ベース部に対して傾斜した弾性部とを含み、
前記係合部材の弾性部は、前記第1のレールが前記所定の位置に位置している場合に前記開口と係合するように構成されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第3のレール及び前記係合部材のうちの一方は係合解除部を含み、前記第3のレールは、前記第3のレールが前記伸長状態から前記第1のレールに対して前記第2の方向に沿って動かされた場合に、前記係合解除部を通じて前記第1のレールの開口から前記係合部材の弾性部を外すように構成されている、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のブラケットは第2の支持フレームと、該第2の支持フレームに連結された少なくとも1つの第2の取り付け部材とを含み、該少なくとも1つの第2の取り付け部材は前記第2のポストに取り付けられるように構成され、
前記第2のブラケットの第2の支持フレームは前記第1のブラケットの第1の支持フレームに可動に取り付けられ、前記第2の支持フレームは上側支持壁と、下側支持壁と、前記第2の支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁の間に連結された中間壁とを含み、前記第2の支持フレームの上側支持壁、下側支持壁及び中間壁により第2の支持通路が定義され、該第2の支持通路は前記第1の支持フレームを収容するように構成されている、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して動かすことができる第2のレールと、
前記第1のレールと前記第2のレールとの間に可動に取り付けられる第3のレールと、
前記第1のレールに可動に取り付けられるとともに、前記第1のレールを支持するように構成された第1のブラケットと、
前記第1のレール及び前記第1のブラケットのうちの一方に可動に取り付けられるとともに、前記第1のレールを支持するように構成された第2のブラケットと、
を含むスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のブラケット及び前記第1のレールは移動機構を通じてお互いに対して動かすことができ、該移動機構は少なくとも1つの回転部材を含む、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のブラケットは第1の支持フレームと、該第1の支持フレームに連結された少なくとも1つの第1の取り付け部材とを含み、
前記第1の支持フレームは上側支持壁と、下側支持壁と、前記第1の支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁の間に連結された中間壁とを含み、第1の支持フレームの上側支持壁、下側支持壁及び中間壁により第1の支持通路が定義され、
前記少なくとも1つの回転部材は前記第1の支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁のうちの一方と当接するように構成されている、請求項8に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のブラケットに設けられた係合部材をさらに含み、
前記第1のレールが前記第1のブラケットに対して第1の方向に沿って所定の位置に動かされた場合、前記係合部材は前記第1のレールが前記ブラケットに対して第2の方向に沿って移動するのを防止するために前記第1のレールと係合するように構成され、
前記第1のレールは開口を有し、前記係合部材は前記第1のブラケットに連結されるベース部と、該ベース部に対して傾斜した弾性部とを含み、
前記係合部材の弾性部は前記第1のレールが前記所定の位置に位置する場合に前記開口と係合するように構成され、
前記第3のレール及び前記係合部材のうちの一方は係合解除部を含み、
前記第3のレールは、前記第3のレールが前記第1のレールに対して前記第2の方向に沿って伸長状態から動かされた場合に前記係合解除部を通じて前記第1のレールの開口から前記係合部材の弾性部を外すように構成されている、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的にはラックに適用可能なスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、ラックシステムにおいて、スライドレールアセンブリは複数のスライドレール、例えばお互いに対して動かすことができる第1のレール102、第2のレール104及び第3のレール106を含む。第1のレール102の2つの部位(例えば、前部及び後部)を、第1のブラケット108及び第2のブラケット110を通じてラック112の第1のポスト114及び第2のポスト116にそれぞれ固定取り付けできる。さらに、第1のブラケット108及び第2のブラケット110のうちの少なくとも一方は第1のレール102に固定連結されているため、第1のブラケット108及び第2のブラケット110がラック112に固定取り付けされている場合、第1のレール102もラック112に固定取り付けされる。したがって、第2のレール104及び第3のレール106しかラック112に対して方向Dに沿って動かすことができない。そのようなスライドレールアセンブリの設計では、伸長長さをより長くするという市場の要求を満たすことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8028965号明細書
【特許文献2】米国特許第9328769号明細書
【特許文献3】米国特許第9504181号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より長い伸長長さを有するスライドレールアセンブリを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、支持能力が良好なスライドレールアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリはラックに適用可能である。当該スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第1のブラケットと、第2のブラケットと、第2のレールとを含む。第1のブラケットは第1のレールをラックの第1のポストに取り付けるように構成されており、第1のブラケットと第1のレールとはお互いに対して動かすことができる。第2のブラケットは第1のレールをラックの第2のポストに取り付けるように構成されており、第2のブラケットと第1のレールとはお互いに対して動かすことができる。第2のレールは第1のレールに対して動かすことができる。第1のブラケット及び第2のブラケットが第1のポスト及び第2のポストにそれぞれ取り付けられている場合、第1のレールはラックに対して動かすことができる。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、第3のレールと、第1のブラケットと、第2のブラケットとを含む。第2のレールは第1のレールに対して動かすことができる。第3のレールは第1のレールと第2のレールとの間に可動に取り付けられる。第1のブラケットは第1のレールに可動に取り付けられるとともに、第1のレールを支持するように構成されている。第2のブラケットは第1のレール及び第1のブラケットのうちの一方に可動に取り付けられるとともに、第1のレールを支持するように構成されている。
【0008】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、ラックに取り付けられた先行技術のスライドレールアセンブリを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る、一対のスライドレールアセンブリを通じてラックに取り付けられた保持物体を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る、ラックに取り付けられた各スライドレールアセンブリを示す図であり、スライドレールアセンブリの全てのスライドレールはラックに対して第1の方向に沿って動かすことができる。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの断面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る、2つのブラケットを通じてラックに取り付けられたスライドレールアセンブリの第1のレールと、ラックに対して第1の方向に沿って動かされた第2のレール及び第3のレールとを示す図である。
図8図8は、図7の領域Aの拡大図である。
図9図9は、図7の領域Bの拡大図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る、伸長状態になるようにラックに対して第1の方向にさらに動かされたスライドレールアセンブリの第2のレール及び第3のレールを示す図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に係る、伸長状態にあるスライドレールアセンブリの第2のレール及び第3のレールと、ラックに対して第1の方向に沿ってさらに動かされた第1のレールとを示す図である。
図12図12は、本発明の一実施形態に係る、ラックに対して伸長状態から第2の方向に沿って動かされた第2のレール及び第3のレールを示す図である。
図13図13は、本発明の一実施形態に係る、ラックに対して第2の方向に沿ってさらに動かされた第2のレール及び第3のレールを示す図である。
図14図14は、本発明の一実施形態に係る、ラックに対して第2の方向に沿ってさらに動かされた第2のレール及び第3のレールを示す図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められたスライドレールアセンブリの全てのスライドレールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2に示すように、本発明の一実施形態によれば、保持物体20が一対のスライドレールアセンブリ22を通じてラック24に取り付けられている。保持物体20は電子機器、シャーシ又は引き出しであり得るが、本発明はそれらに限定されない。ラック24は一対の第1のポスト26a及び一対の第2のポスト26bを含む。各スライドレールアセンブリ22は対応する第1のポスト26a及び第2のポスト26bに第1のブラケット28及び第2のブラケット30を通じてそれぞれ取り付けられるように構成されている。例えば、第1のブラケット28は第1のポスト26aの取り付け孔Hを通じてラック24に固定でき、第2のブラケット30は第2のポスト26bの取り付け孔Hを通じてラック24に固定できる。
【0011】
図3に示すように、スライドレールアセンブリ22は第1のレール32及び第2のレール34を含む。第2のレール34は第1のレール32に対して可動であり、保持物体20を保持するように構成されている。スライドレールアセンブリ22は、第1のレール32と第2のレール34との間で可動に取り付けられ、第1のレール32に対する第2のレール34の移動距離を伸長するように構成された第3のレール36をさらに含むことが好ましい。第1のブラケット28及び第2のブラケット30は、第1のレール32を第1のポスト26a及び第2のポスト26bにそれぞれ取り付けるように構成されている。第1のブラケット28及び第2のブラケット30が第1のポスト26a及び第2のポスト26bにそれぞれ取り付けられている場合、第1のレール32、第2のレール34及び第3のレール36は第1のポスト26a(又は第1のブラケット28)及び第2のポスト26b(又は第2のブラケット30)に対して動かすことができる。本実施形態では、第1のレール32、第2のレール34及び第3のレール36は、第1のポスト26a及び第2のポスト26bに対して第1の方向D1(例えば開く方向)に沿って動かすことができる。第2のレール34及び第3のレール36が完全に伸長した状態になるように第1のレール32に対して第1の方向D1に沿って動かされると、第1のレール32は、スライドレールアセンブリ22の伸長長さを増やすとともに、第2のレール34及び第3のレール36に対してより良好な支持を提供するために第1のポスト26a及び第2のポスト26bに対して第1の方向D1に沿ってさらに動かすことができる。即ち、第1のレール32がラック24に対して第1の方向D1に沿って動かされると、第1のレール32は保持物体20に対する第2のレール34及び第3のレール36の保持強度を改善させることができる。第1のブラケット28及び第2のブラケット30が第1のポスト26a及び第2のポスト26bにそれぞれ取り付けられている場合、第1のレール32は、第2のレール34及び第3のレール36の移動距離を増やすために第1のポスト26a及び第2のポスト26bに対して第1の方向D1に沿って動かすことができる。
【0012】
図4及び図5に示すように、第1のレール32は第1の壁38a、第2の壁38b及び第1のレール32の第1の壁38aと第2の壁38bとの間に連結された長手壁40を含む。第1のレール32の第1の壁38a、第2の壁38b及び長手壁40によって第1の通路42が定義されている。加えて、第1のレール32は前部43a及び後部43bを有する。
【0013】
第3のレール36は第1のレール32に対して可動に第1の通路42内に取り付けられている。具体的には、第3のレール36は第1の壁44a、第2の壁44b及び第3のレール36の第1の壁44aと第2の壁44bとの間に連結された長手壁46を含む。第3のレール36の第1の壁44a、第2の壁44b及び長手壁46によって第2の通路48が定義されている。加えて、第3のレール36は前部49a及び後部49bを有する。
【0014】
第2のレール34は第3のレール36に対して可動に第2の通路48内に取り付けられている。具体的には、第2のレール34は第1の壁50a、第2の壁50b及び第2のレール34の第1の壁50aと第2の壁50bとの間に連結された長手壁52を含む。加えて、第2のレール34は前部53a及び後部53bを有する。
【0015】
第1のブラケット28及び第1のレール32は互いに対して動かすことができる。本実施形態では、第1のブラケット28は第1のレール32に対して可動である。具体的には、第1のブラケット28及び第1のレール32は移動機構54を通じてお互いに対して動かすことができる。移動機構54は複数の回転部材を含むことが好ましい。本実施形態では、移動機構54は、第1のレール32に設けられた第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bを含む。第1の回転部材54aは第1のレール32の外側且つ第1のレール32の第1の壁38aに隣接して設けられている。第2の回転部材54bは第1のレール32の外側且つ第1のレール32の第2の壁38bに隣接して設けられている。他方、第1のブラケット28は第1の支持フレーム56と、第1の支持フレーム56に連結された少なくとも1つの第1の取り付け部材58とを含む。例えば、少なくとも1つの第1の取り付け部材58は、第1の部品59を通じて第1の支持フレーム56に(リベット留め又は溶接等により)固定接続されている。第1の支持フレーム56は上側支持壁60a、下側支持壁60b及び第1の支持フレーム56の上側支持壁60aと下側支持壁60bとの間に連結された中間壁62を含む。第1の支持フレーム56の上側支持壁60a及び下側支持壁60bは、第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bにそれぞれ当接するように構成されている。スライドレールアセンブリ22は第1のブラケット28に設けられた係合部材64をさらに含むことが好ましい。係合部材64は第1のブラケット28の第1の支持フレーム56に(例えばリベット留め又は溶接により)固定連結されたベース部66と、ベース部66に連結され、ベース部66に対して傾斜された弾性部68とを含む。他方、第1のレール32の長手壁40は、係合部材64の弾性部68と協働するように構成された開口70を有する。
【0016】
第2のブラケット30は第1のレール32及び/又は第1のブラケット28に対して動かすことができる。本実施形態では、第2のブラケット30は第1のブラケット28に可動に取り付けられている。具体的には、第2のブラケット30は第2の支持フレーム72と、第2の支持フレーム72に連結された少なくとも1つの第2の取り付け部材74とを含む。例えば、少なくとも1つの第2の取り付け部材74は、第2の部品75を通じて第2の支持フレーム72に(リベット留め又は溶接等により)固定接続されている。第2の支持フレーム72は、第1のブラケット28の第1の支持フレーム56に可動に取り付けられている。第2の支持フレーム72は、上側支持壁76a、下側支持壁76b及び第2の支持フレーム72の上側支持壁76aと下側支持壁76bとの間に連結された中間壁78を含む。別の実施形態では、第2のブラケット30は第1のレール32に可動に取り付けることができるが、本発明はそのような構成に限定されない。第2のブラケット30は第1の制限部80aを含み、第1の制限部80aは第1のレール32の第2の制限部80bに対応する。本実施形態では、第1の制限部80a及び第2の制限部80bは凸状構造である。
【0017】
図6に示すように、スライドレールアセンブリ22の第3のレール36は第1のレール32の第1の通路42内に取り付けられ、第2のレール34は第3のレール36の第2の通路48内に取り付けられている。スライドレールアセンブリ22は、第1のレール32に対する第3のレール36の動きの滑らかさを改善するために、第3のレール36と第1のレール32との間に設けられた第1のボールリテーナ82をさらに含むことが好ましい。スライドレールアセンブリ22は、第2のレール34と第3のレール36との間の相対的な動きの滑らかさを改善するために、第2のレール34と第3のレール36との間に設けられた第2のボールリテーナ84をさらに含むことが好ましい。
【0018】
第1のブラケット28の第1の支持フレーム56の上側支持壁60a、下側支持壁60b及び中間壁62により第1の支持通路86が定義されている。第1の支持通路86は第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bを収容するように構成されている。第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bは、第1のレール32を支持するとともに、第1のブラケット28に対する第1のブラケット32の動きの滑らかさを改善させるために、第1のブラケット28の第1の支持フレーム56の上側支持壁60a及び下側支持壁60bにそれぞれ当接するように構成されている。第1のブラケット28は、第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bをそれぞれ支持するために、第1のブラケット28の上側支持壁60a及び下側支持壁60bに対してそれぞれ屈曲した第1の延長壁88a及び第2の延長壁88bをさらに含むことが好ましい。他方、第2のブラケット30の第2の支持フレーム72の上側支持壁76a、下側支持壁76b及び中間壁78により第2の支持通路90が定義されている。第2の支持通路90は、第2のブラケット30を第1のブラケット28及び/又は第1のレール32に対して動かすことができるように第1のブラケット28の第1の支持フレーム56を収容及び支持するように構成されている。第2のブラケット30は、第1のブラケット28の第1の延長壁88a及び第2の延長壁88bをそれぞれ支持するために、第2のブラケット30の上側支持壁76a及び下側支持壁76bに対してそれぞれ屈曲する第1の延長壁92a及び第2の延長壁92bをさらに含むことが好ましい。
【0019】
図7及び図8に示すように、第1のブラケット28及び第2のブラケット30は、少なくとも1つの第1の取り付け部材58及び少なくとも1つの第2の取り付け部材74を通じてラック24の第1のポスト26a(又は第1の対象物体ともいう)及び第2のポスト26b(又は第2の対象物体ともいう)にそれぞれ取り付けられている。他方、移動機構54(第1の回転部材54a等)は、第1のブラケット28に対する第1のレール32の動きを支援するように構成されている。第1のブラケット28及び第2のブラケット30が第1のポスト26a及び第2のポスト26bにそれぞれ取り付けられている場合、第2のレール34及び第3のレール36は、ラック(又は第1のポスト26a及び第2のポスト26b)及び第1のレール32に対して第1の方向D1に沿って動かすことができる。
【0020】
図7及び図9に示すように、第2のレール34が第1のレール32に対して第1の位置P1に動かされると、第2のレール34の後部53bが第1のレール32の前部43aから第1の距離L1越える。
【0021】
図10に示すように、第2のレール34がラック24に対して(又は第1のポスト26a及び第2のポスト26b)に対して第1の方向D1に沿って第2の位置P2に動かされると、第2のレール34の後部53bは、第1の距離L1よりも大きい第2の距離L2第1のレール32の前部43aから越える。第2のレール34が第2の位置P2に位置している場合、第2のレール34及び第3のレール36は第1のレール32に対して完全に伸長した状態にある。
【0022】
図11に示すように、第2のレール34及び第3のレール36が完全に伸長した状態にある場合、第1のレール32は、第1のレール32が所定の位置Xに達するまで、移動機構54を通じて第1のブラケット28又はラック24に対して第1の方向D1に沿ってさらに動かすことができる。第1のレール32が所定の位置Xに達すると、第1のレール32の第1の部分43aは第2のレール34の前部53aと後部53bとの間に位置する。したがって、第2のレール34の後部53bは、第2のレール34(及び第3のレール36)に対する第1のレール32の支持強度を改善するために、もはや第1のレール32の前部43aから所定の距離(第1の距離L1又は第2の距離L2)越えていない。即ち、第1のレール32が第1の方向D1に沿ってさらに動かされると、第2のレール34(及び第3のレール36)を保持する第1のレール32の量(又は範囲)を増やすことができる。
【0023】
図12に示すように、第2のレール34及び第3のレール36が第1のレール32に対して完全に伸長した状態にあり、第1のレール32が第1のブラケット28に対して所定の位置Xにさらに動かされた場合、係合部材64の弾性部68は、第1のレール32が第2の方向D2(例えば引っ込められる方向)に沿って移動するのを防止するために第1のレール32の開口70と係合するように構成されている。そのため、第1のレール32の前部43aを第2のレール34の前部53aと後部53bとの間で一時的に保持することができる。第3のレール36及び係合部材64のうちの一方が係合解除部94を含むことが好ましい。本実施形態では、係合部材64の弾性部68が係合解除部94を有し、係合解除部94は傾斜面又は弧面を有する。
【0024】
図13図14及び図15に示すように、第3のレール36が伸長状態から第1のレール32に対して第2の方向D2に沿って動かされると、第3のレール36の一部(例えば後部49b)は、係合解除部94を通じて係合部材64の弾性部68を第1のレール32の開口70から外すために、係合部材64の弾性部68を駆動してベース部66に対して偏向させるように構成されている。そのため、第1のレール32は、第1のレール32、第2のレール34及び第3のレール36が引っ込められるまで第1のブラケット28に対して第2の方向D2に沿って動かすことができる。
【0025】
したがって、本発明のスライドレールアセンブリ22は下記のように特徴付けられる。
【0026】
1)第1のブラケット28及び第1のレール32は互いに対して動かすことができ、第2のブラケット30は第1のレール32(又は第1のブラケット28)に対しても動かすことができる。
【0027】
2)第1のレール32が第1のブラケット28及び第2のブラケット30を通じてラック24(又は対象物体)に取り付けられている場合、第1のレール32は、第1のレール32の他のレール(第2のレール又は第3のレール等)に対する支持強度を改善するためにラック24に対して第1の方向D1に沿って動かすことができる。加えて、第1のレール32はラック24に対して第1の方向D1に沿って動かすことができるため、第2のレール34及び第3のレール36の移動距離を増やすことができる。
【0028】
3)第1のブラケット28及び第1のレール32は、第1のレール32と第1のブラケット28とを互い動かすのを支援するために第1の回転部材54a及び第2の回転部材54bを通じて互いに対して動かすことができる。
【0029】
4)第2のレール34及び第3のレール36が第1のレール32に対して伸長状態にあり、第1のレール32が所定の位置Xにさらに動かされた場合、係合部材64は、第1のレール32が第1のブラケット28に対して第2の方向D2に沿って動かされるのを防止するために第1のレール32と係合するように構成されている。
【0030】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0031】
20 保持物体
22 スライドレールアセンブリ
24 ラック
26a 第1のポスト
26b 第2のポスト
28 第1のブラケット
30 第2のブラケット
32 第1のレール
34 第2のレール
36 第3のレール
42 第1の通路
48 第2の通路
54a 第1の回転部材
54b 第2の回転部材
56 第1の支持フレーム
58 第1の取り付け部材
64 係合部材
66 ベース部
68 弾性部
70 開口
72 第2の支持フレーム
74 第2の取り付け部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15