【解決手段】画像デ−タに基づいて記録媒体の端部に余白なしで画像を形成する画像形成手段と、画像データを印刷後に各記録媒体を重ね合わせるために要する記録媒体の端部に設けるのりしろ領域を含めて記録媒体毎に分割する分割手段と、を備え、分割手段は、各記録媒体の重ね合わせる端部の画像データに応じてのりしろ領域を変更するとともに、余白なしで画像データを拡大する。
前記分割手段は、各前記記録媒体の境界部の一定領域における画像が閾値を超えて不均一である場合、各前記記録媒体の重ね合わせる端部を除く端部に前記画像データを移動して余白なしで印刷を行うように分割を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
前記分割手段は、各前記記録媒体の境界部の一定領域における画像が一定以上均一である場合、前記記録媒体の重ね合わせる端部で上側となる前記画像データについては、前記画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、前記記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる前記画像データについては、のりしろ領域を各前記記録媒体の境界部の端部に形成して前記画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
前記分割手段は、隣り合う各前記記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる前記画像データについては、前記のりしろ領域にはみ出して前記重ね合わせる端部の目印を印刷するための目印画像を付加して分割を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像を分割して印刷し、印刷された各用紙を重ね合わせて大きい印刷物を作成する場合の重ね合せを容易に行うことができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
画像デ−タに基づいて記録媒体の端部に余白なしで画像を形成する画像形成手段と、
前記画像データを、印刷後に各前記記録媒体を重ね合わせるために要する前記記録媒体の端部に設けるのりしろ領域を含めて前記記録媒体毎に分割する分割手段と、を備え、
前記分割手段は、各前記記録媒体の重ね合わせる端部の前記画像データに応じて前記のりしろ領域を変更するとともに、余白なしで前記画像データを拡大する。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記分割手段は、各前記記録媒体の境界部の一定領域における画像が閾値を超えて不均一である場合、各前記記録媒体の重ね合わせる端部を除く端部に前記画像データを移動して余白なしで印刷を行うように分割を行う。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記分割手段は、各前記記録媒体の境界部の一定領域における画像が一定以上均一である場合、前記記録媒体の重ね合わせる端部で上側となる前記画像データについては、前記画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、前記記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる前記画像データについては、のりしろ領域を各前記記録媒体の境界部の端部に形成して前記画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割を行う。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記分割手段は、隣り合う各前記記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる前記画像データについては、前記のりしろ領域にはみ出して前記重ね合わせる端部の目印を印刷するための目印画像を付加して分割を行う。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記目印画像が、各前記記録媒体の重ね合わせる端部で上側となる前記画像データにおける各前記記録媒体の境界部における画像である。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記目印画像は、前記画像データにおける濃度よりも低濃度であるように形成される。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像データを一定角度回転させる画像データ回転手段を更に備え、
前記画像データ回転手段は、前記画像データの前記のりしろ領域が設定された端部を前記記録媒体の搬送方向における先端側に回転する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、各記録媒体の重ね合わせる端部の画像データに応じてのりしろ領域を変更するとともに、余白なしで画像を拡大するように画像データを記録媒体毎に分割を行う分割手段を有しない構成に比して、印刷された各用紙を重ね合わせて大きい印刷物を作成する場合の重ね合せを容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、各記録媒体の境界部の一定領域における画像が閾値を超えて不均一である場合、各記録媒体の重ね合わせる端部を除く端部に画像データを移動して余白なしで印刷を行うように分割を行う分割手段を有しない構成に比して、印刷された各用紙の重ね合せを容易にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、各記録媒体の境界部の一定領域における画像が一定以上均一である場合、記録媒体の重ね合わせる端部で上側となる画像データについては、画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる画像データについては、のりしろ領域を各記録媒体の境界部の端部に形成して画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割を行う分割手段を有しない構成に比して、印刷された各用紙の不要な部分を裁断する手間をより低減するとともに、印刷された各用紙の重ね合せを容易にすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、隣り合う記録媒体の重ね合わせる端部で下側となる画像データについては、のりしろ領域にはみ出して重ね合わせ端部の目印を印刷するための目印画像を付加して分割を行う分割手段を有しない構成に比して、印刷された各用紙の相互の重ね合せを容易に且つ精度よく行うことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、目印画像が、記録媒体の重ね合わせる端部で上側となる画像データにおける各記録媒体の境界部における画像であるように目印画像を付加して分割を行う分割手段を有しない構成に比して、のりしろ領域に印刷された目印画像を重ね合わせる端部内に見えないように隠蔽することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、目印画像が、画像データにおける濃度よりも低濃度であるように形成されるように目印画像を付加して分割を行う分割手段を有しない構成に比して、のりしろ領域に印刷された目印画像を重ね合わせる端部内で表写りしないように隠蔽することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、画像データを一定角度回転させる画像データ回転手段を備えていない構成に比して、用紙先端汚れ及び用紙先端部の画像欠陥を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0021】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図、
図2は画像形成装置1の機能構成の一例を示すブロック図、
図3は印刷元データとポスター印刷画像との関係を示す模式図であり、(a)は印刷元データのサイズ、(b)はポスター画像のサイズ、(c)は各用紙ごとに分割された分割画像データの配置を示す。
図4(a)は縁有り印刷、(b)は全面縁無し印刷、(c)は一部縁無し印刷時のトナー像形成を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成、機能構成及び動作を説明する。
【0022】
(1.1)画像形成装置の全体構成
画像形成装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の底部に装着された給紙装置20と、操作表示部30と、画像処理部40と、を備えて構成され、画像データを拡大し、その拡大画像を、記録媒体としての複数の用紙Pに分割して印刷するポスター印刷機能を備える。ポスター印刷機能は、画像形成装置1が印刷できる用紙P以上の大きさの出力結果を得るために、1ページ分の画像データを複数の用紙Pに分割して印刷し、それらを重ね合わせることで大きい出力結果を得ることが出来る印刷機能である。
また、画像形成装置1は、用紙Pの端部に余白部を設けず用紙Pの端部に至るまで画像を印刷する縁無し印刷機能を有している。
【0023】
画像形成部10は、システム制御装置11、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16、を備えて構成され、画像処理部40から受け取った画像情報を給紙装置20から送り込まれた用紙P上にトナー像として形成する。
【0024】
画像形成部10の底部には、用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、更に給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置され、用紙Pを収容する用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュールTMが接続されて画像形成部10に対する用紙供給を行う。
【0025】
操作表示部30は、いわゆるユーザーインターフェースに相当するもので、液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され各種の設定や指示の入力及び情報表示に用いられる。
【0026】
画像処理部40は、外部機器82(
図2に図示:例えばパーソナルコンピュータ等)から送信された印刷情報から画像データを生成する。
【0027】
(1.2)画像形成部10の構成及び動作
このような構成の画像形成装置1では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置20又はトレイモジュールTMのうち、印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定されたトレイから繰り出された用紙Pが画像形成部10へ送り込まれる。
【0028】
感光体ユニット13は、給紙装置20の上方に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム131を備えている。露光装置12により静電潜像が形成されたそれぞれの感光体ドラム131上には、それぞれの現像装置14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0029】
各感光体ユニット13の感光体ドラム131に形成された各色トナー像は、転写装置15の中間転写ベルト151上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト151上の重畳トナー像は、レジストローラ対24から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに二次転写ローラ152によって一括転写される。
【0030】
定着装置16は一対の加熱モジュール161と加圧モジュール162の圧接領域によって定着ニップ部NP(定着領域)が形成される。
転写装置15においてトナー像が一括転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイド153を介して定着装置16の定着ニップ部NPに搬送され、一対の加熱モジュール161と加圧モジュール162により、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
定着トナー像が形成された用紙Pは、搬送ガイドによってガイドされ、排出ローラ対163から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。
【0031】
(1.3)システム制御装置の機能構成と動作
画像形成装置1は、画像出力制御部111、画像分割部112、画像判別部113、縁無し判別部114、画像データ回転部115、電源制御部116、露光制御部117、定着温度制御部118を含むシステム制御装置11を備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置1全体の動作制御を行う。
【0032】
画像出力制御部111は、給紙装置20との間の情報授受についての制御の他に、画像形成部10が備える露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等に対して、動作制御指示を与える。
又、画像出力制御部111は、システム制御装置11が備える電源制御部116、露光制御部117、定着温度制御部118に対して、それぞれ動作制御指示を与える。すなわち、画像形成部10を構成する露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等への給電、駆動を行うか否かを決定し、その決定結果をそれぞれの制御部に対して指示する。
【0033】
更に、画像出力制御部111は、画像分割部112、画像判別部113、縁無し判別部114、画像データ回転部115との間の情報授受を行い、ポスター印刷が選択された場合に、予め定められた動作制御を行う。
【0034】
画像データ分割手段の一例としての画像分割部112は、
図3に示すように、画像データとしての印刷元データ(
図3(a)参照)から指定されたサイズのポスター画像(
図3(b)参照)を印刷するために、各用紙Pの端部に設けるのりしろ領域を含めて用紙P毎に画像データを分割する。具体的には、各用紙Pの重ね合わせる端部の画像データに応じてのりしろ領域を変更するとともに、余白なしで画像データを拡大するようにして画像データを分割する。
【0035】
分割された画像データが配置される各用紙Pには、上下左右にそれぞれ端部があり、各端部のそれぞれに、のりしろ領域Q、余白領域M、はみ出し領域Nの何れかが形成される(
図3(c)参照)。
【0036】
画像判別部113は、用紙Pごとに分割される画像データの境界部の一定領域における画像の均一性を判別し、判別結果を画像出力制御部111に対して出力する。具体的には、境界部の一定領域を複数の領域に分割し、各々の領域に含まれる画像データの画像パターンの面積(画像密度)を各色ごとに算出して、各々の領域における画像パターンの画像密度の差が閾値以内であれば均一画像、閾値を超えていれば不均一と判断する。
【0037】
縁無し判別部114は、受け入れた画像データの用紙Pに対する周辺余白の有無を検出して縁無し印刷か縁有り印刷かを判断する。
図4(a)に模式的に示すように、縁有り印刷時には、トナー像は用紙P内に全て収まり、用紙Pの周辺に上余白(mh)・下余白(mb)・左余白(ml)・右余白(mr)の周辺余白が存在する。
これに対し縁無し印刷は、
図4(b)に示すように、トナー像が用紙Pの端部にまで達しており、周辺余白がなくなる。
図4(b)においては、上余白・下余白・左余白・右余白のすべてがない状態を図示してあるものの、
図4(c)に一例として示すように一部の端部に余白がなければ縁無し印刷と判断する。
【0038】
画像データ回転部115は、用紙Pごとに分割された画像データを例えば90°/180°/270°回転のように一定角度回転する。
【0039】
(2)ポスター印刷
図5はポスター印刷の概略動作を示すフローチャート、
図6(a)は境界部の画像が不均一である場合の分割画像データを示す模式図、(b)は境界部の画像が一定以上均一である場合の分割画像データを示す模式図、
図7はのりしろ領域に付加する目印画像の例を示す模式図であり、(a)はマーク、(b)は重ね合わせる端部で上側となる用紙における端部近傍における画像を示す。
図8は縁無し印刷時に用紙を含めた画像回転を行う例を示す模式図である。以下、図面を参照しながら、画像形成装置1が行うポスター印刷の動作について説明する。
【0040】
本実施形態では、ポスター印刷を行う印刷元データとしての画像データがA4サイズ(X方向長さ=297mm、Y方向長さ=210mm:
図3(a)参照)、ポスター画像がA2サイズ(X方向長さ=594mm、Y方向長さ=420mm:
図3(b)参照)とされる場合を説明する。
【0041】
画像形成装置1は、ポスター印刷を行う印刷元データとしての画像データを取得して(S101)、各用紙Pの端部に設けるのりしろ領域を含めて用紙P毎に画像データを分割する(S102)。
【0042】
分割された画像データは、境界部の一定領域における画像の均一性が判別される(S103)。境界部の一定領域における画像が閾値を超えて不均一である場合(S103:No)、各用紙Pの重ね合わせる端部を除く端部に画像データを移動して一部余白なしで印刷を行うように分割を行う(S104)。
具体的には、
図6(a)に示すように、各用紙P(A4サイズ)に対して、分割した画像データを拡大して(この場合、X方向、Y方向ともに約2.0倍に拡大)印刷領域SA1、SA2、SA3、SA4が設定される。
【0043】
印刷領域SA1は、用紙Pに対して上端U1及び左端L1側に移動して上端U1及び左端L1は余白なしに設定され、右端R1及び下端B1にはそれぞれ余白mr、mbが設定される。余白mr、mbは、印刷後に印刷領域SA2、SA3と重ね合わせる際に裁断される。
【0044】
印刷領域SA2は、用紙Pに対して上端U2及び右端R2側に移動して上端U2及び右端R2は余白なしに設定され、左端L2及び下端B2にはそれぞれ余白ml、mbが設定される。余白mlは、印刷後に印刷領域SA1と重ね合わせる際にのりしろq2となり、余白mbは印刷後に印刷領域SA4と重ね合わせる際に裁断される。
【0045】
印刷領域SA3は、用紙Pに対して左端L3及び下端B3側に移動して左端L3及び下端B3は余白なしに設定され、上端U3及び右端R3にはそれぞれ余白mh、mrが設定される。余白mhは、印刷後に印刷領域SA1と重ね合わせる際にのりしろq3となり、余白mrは印刷後に印刷領域SA4と重ね合わせる際に裁断される。
【0046】
印刷領域SA4は、用紙Pに対して右端R4及び下端B4側に移動して右端R4及び下端B4は余白なしに設定され、上端U4及び左端L4にはそれぞれ余白mh、mlが設定される。余白mhは、印刷後に印刷領域SA2と重ね合わせる際にのりしろq4となり、余白mlは印刷後に印刷領域SA3と重ね合わせる際にのりしろq5となる。
【0047】
このように、分割された画像データの境界部の一定領域における画像が閾値を超えて不均一である場合に、各用紙Pの重ね合わせる端部を除く端部に画像データを移動して一部余白なしで印刷を行うように分割を行うことで、ポスター印刷後の各用紙Pを重ね合わせる際の境界部での画像のずれを抑制しながら、不要な部分を裁断する手間を低減して、用紙Pの重ね合せを容易に行うことができる。
【0048】
境界部の一定領域における画像が一定以上均一である場合(S103:Yes)、用紙Pの重ね合わせる端部で上側となる画像データについては、画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、用紙Pの重ね合わせる端部で下側となる画像データについては、のりしろ領域Qを各用紙Pの境界部の端部に設定するとともに画像データを拡大してはみ出し領域Nを形成して余白なしで印刷を行うように分割を行う(S105)。
具体的には、
図6(b)に示すように、各用紙P(A4サイズ)に対して、分割した画像データを拡大して(この場合、X方向、Y方向ともに約2.0倍に拡大)印刷領域SB1、SB2、SB3、SB4が設定される。
【0049】
印刷領域SB1は、用紙Pに対して上端U1、下端B1、左端L1及び右端R1全ての端部が余白なしに設定される。
【0050】
印刷領域SB2は、用紙Pに対して上端U2、下端B2及び右端R2は余白なしに設定され、左端L2にはそれぞれ余白mlが設定される。余白mlは、印刷後に印刷領域SB1と重ね合わせる際にのりしろq2となる。
【0051】
印刷領域SB3は、用紙Pに対して下端B3、左端L3及び右端R3は余白なしに設定され、上端U3にはそれぞれ余白mhが設定される。余白mhは、印刷後に印刷領域SB1と重ね合わせる際にのりしろq3となる。
【0052】
印刷領域SB4は、用紙Pに対して右端R4及び下端B4は余白なしに設定され、上端U4及び左端L4にはそれぞれ余白mh、mlが設定される。余白mhは、印刷後に印刷領域SB2と重ね合わせる際にのりしろq4となり、余白mlは印刷後に印刷領域SB3と重ね合わせる際にのりしろq5となる。
【0053】
このように、分割された画像データの境界部の一定領域における画像が一定以上均一である場合、用紙Pの重ね合わせる端部で上側となる画像データについては、画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、用紙Pの重ね合わせる端部で下側となる画像データについては、のりしろ領域Qを各用紙Pの境界部の端部に設定するとともに画像データを拡大してはみ出し領域Nを形成して余白なしで印刷を行うように分割を行うことで、ポスター印刷後の各用紙Pを重ね合わせる際の境界部での画像のずれを抑制しながら、不要な部分を裁断することなく、用紙Pの重ね合せを容易に行うことができる。
【0054】
次に、ステップS104又はステップS105でそれぞれ印刷領域の設定がなされた各用紙Pののりしろ領域Qに対して、印刷された用紙Pを重ね合わせる際の目印となる目印画像を付加する(S106)。
【0055】
のりしろ領域Qに付加する目印画像として、
図7(a)に示すように、のりしろ領域Qの境界を示すマークMKを付加することで、重ね合わされるのりしろ領域近傍での画像濃度が低く境界が確認しにくい場合であっても、重ね合わせる端部で上側となる用紙Pを容易にかつ精度よくつなぎ合わせることができる。
【0056】
のりしろ領域Qに付加する目印画像としては、
図7(b)に示すように、重ね合わせる端部で上側となる用紙Pにおける端部近傍における画像MLであってもよい。重ね合わされるのりしろ領域近傍での画像濃度が低く境界が確認しにくい場合であっても、重ね合わせる端部で上側となる用紙Pを容易にかつ精度よくつなぎ合わせ、のりしろ領域Qに印刷された目印画像を重ね合わせる端部内に見えないように隠蔽することができる。
【0057】
また、のりしろ領域Qの境界を示す目印画像としてのマークMK、画像MLは、分割されて配置される画像データにおける濃度よりも低濃度であるように形成されることが望ましい。目印画像を低濃度とすることで、のりしろ領域Qに印刷された目印画像を重ね合わせる端部内で表写りしないように隠蔽することができる。
【0058】
次に、分割された画像データが拡大されて配置されたそれぞれの画像の印刷に際しては、
図8に示すように、画像データののりしろ領域Qが設定された端部を、用紙Pの搬送方向における先端側に回転する(S107)。
また、のりしろ領域Qが設定された端部が用紙Pの長辺である場合には、のりしろ領域Qを除く端部近傍における画像密度を算出して、端部近傍の画像密度が最も低い端部を、用紙Pの搬送方向における先端側に回転する(S107)。
このように、画像データを回転することで、余白なしで縁無し印刷した場合であっても、ポスター印刷される用紙Pの用紙先端汚れ及び用紙先端部の画像欠陥を抑制することができる。
【0059】
このように、各用紙Pごとに分割された画像データは、画像形成部10で選択された用紙Pに所定の順序で印刷される(S108)。
【0060】
以上、ポスター印刷を行う印刷元データとしての画像データがA4サイズ(X方向長さ=297mm、Y方向長さ=210mm)、ポスター画像がA2サイズ(X方向長さ=594mm、Y方向長さ=420mm)とされる場合を説明例として説明したが、印刷元データとしての画像データがA4サイズ(X方向長さ=297mm、Y方向長さ=210mm)、ポスター画像が更に大判(
図9 参照)とされる場合には、画像データを必要に応じて分割して、分割された画像データを用紙Pの重ね合わせる端部で上側となる画像データについては、画像データを拡大して余白なしで印刷を行うように分割し、用紙Pの重ね合わせる端部で下側となる画像データについては、のりしろ領域Qを各用紙Pの境界部の端部に設定するとともに画像データを拡大してはみ出し領域Nを形成して余白なしで印刷を行うように分割を行うことで、より大きなポスター画像を作成することができる。