【解決手段】エンジン2からの動力であるエンジン動力が第1走行装置6に伝達されると共に、モータ3からの動力であるモータ動力が第2走行装置7に伝達されるように構成されており、エンジン2及びモータ3のうちエンジン2のみが駆動されるエンジン二駆モードと、エンジン2及びモータ3のうちモータ3のみが駆動されるモータ二駆モードと、エンジン2及びモータ3の両方が駆動されるハイブリッド四駆モードと、エンジン2及びモータ3のいずれも駆動されないオフモードと、の間で走行モードを切り替えるモード制御装置と、操作されることによって走行モードが切り替わるモード切替スイッチ84と、を備える。
前記エンジン二駆モード及び前記ハイブリッド四駆モードのいずれにおいても、前記モード切替スイッチが操作された場合、前記走行モードが前記モータ二駆モードに切り替わる請求項1に記載の多目的車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の多目的車両では、第1走行装置の動力源と第2走行装置の動力源とが両方ともエンジンである。そのため、エンジンの排気による環境負荷が高かったり、燃費が嵩んだりする等の不利があった。
【0005】
上記実情に鑑み、環境負荷の低減、及び、燃費の低減を図ることができる多目的車両を提供することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、
エンジン及びモータと、
前記モータに駆動電力を与えるバッテリと、
左右一対の第1走行装置及び左右一対の第2走行装置を有する走行ユニットと、を備え、
前記第1走行装置は、前記第2走行装置の前方または後方に位置しており、
前記エンジンからの動力であるエンジン動力が前記第1走行装置に伝達されると共に、前記モータからの動力であるモータ動力が前記第2走行装置に伝達されるように構成されており、
前記エンジン及び前記モータのうち前記エンジンのみが駆動されるエンジン二駆モードと、前記エンジン及び前記モータのうち前記モータのみが駆動されるモータ二駆モードと、前記エンジン及び前記モータの両方が駆動されるハイブリッド四駆モードと、前記エンジン及び前記モータのいずれも駆動されないオフモードと、の間で走行モードを切り替えるモード制御装置と、
操作されることによって前記走行モードが切り替わるモード切替スイッチと、を備えることにある。
【0007】
本発明であれば、第1走行装置の動力源はエンジンであり、第2走行装置の動力源はモータである。そして、モード切替スイッチを操作して、エンジン二駆モード、モータ二駆モード、ハイブリッド四駆モードの間で走行モードを切り替えることにより、状況に応じた適切な走行態様を自在に選択できる。
【0008】
例えば、モータを駆動する電力が不足している場合等には、エンジン二駆モードを用いれば、走行を支障なく行うことができる。また、平地等で大きな走行トルクが必要ない場合等には、モータ二駆モードを用いれば、エンジンが駆動されないので、静音で走行可能になり、エンジンからの排気が出ずに環境負荷の低減を図ることができ、さらに、燃費の低減を図ることができる。また、荷を積載した状態で登坂を走行する場合等には、ハイブリッド四駆モードを用いれば、エンジンの駆動力とモータの駆動力により十分な走行トルクが確保され、走行トルクの不足を生じにくい走行を行うことができる。
【0009】
即ち、本発明であれば、必要に応じてモータ二駆モード等を有効活用することにより、環境負荷の低減、及び、燃費の低減を図ることができる。
【0010】
さらに、本発明において、
前記エンジン二駆モード及び前記ハイブリッド四駆モードのいずれにおいても、前記モード切替スイッチが操作された場合、前記走行モードが前記モータ二駆モードに切り替わるように構成されていると好適である。
【0011】
多目的車両にモード切替スイッチを設ける場合、例えば、エンジン二駆モードにおいてモード切替スイッチが操作されたときには走行モードがハイブリッド四駆モードに切り替わり、ハイブリッド四駆モードにおいてモード切替スイッチが操作されたときには走行モードがモータ二駆モードに切り替わるように構成することが考えられる。
【0012】
しかしながら、そのような構成では、オペレータがモード切替スイッチを操作した時点での走行モードに応じて、走行モードの切り替え先が変化することとなる。そのため、オペレータは、走行モードをモータ二駆モードに切り替える場合、モード切替スイッチを操作する前に、現在の走行モードがハイブリッド四駆モードであることを確認するという手間が生じる。
【0013】
ここで、上記の構成によれば、エンジン二駆モード及びハイブリッド四駆モードのいずれにおいても、モード切替スイッチが操作された場合、走行モードがモータ二駆モードに切り替わる。そのため、走行モードをモータ二駆モードに切り替える場合、モード切替スイッチを操作する前に、現在の走行モードを確認するという手間が生じることを回避できる。
【0014】
さらに、本発明において、
前記エンジン動力が、変速装置を介して前記第1走行装置に伝達されるように構成されており、
操作されることによって前記変速装置の変速状態が前進変速状態と後進変速状態との間で切り替わる変速レバーと、
前記モータ二駆モードにおいて、前記変速レバーの操作に基づいて前記モータの駆動状態を前進駆動状態と後進駆動状態との間で切り替えるモータ回転制御装置と、を備えると好適である。
【0015】
この構成によれば、エンジン二駆モード及びモータ二駆モードのいずれにおいても、変速レバーの操作によって、多目的車両の前後進を切り替えることが可能となる。従って、エンジン二駆モードにおいて前後進を切り替えるための操作部材と、モータ二駆モードにおいて前後進を切り替えるための操作部材と、が互いに異なる操作部材である場合に比べて、前後進切り替えの操作がシンプルとなり、操作性が良好となる。
【0016】
さらに、本発明において、
前記変速レバーは、前進位置と後進位置との間で移動操作可能な状態で設けられており、
前記エンジン二駆モード及び前記ハイブリッド四駆モードのいずれにおいても、前記変速レバーが前記前進位置に移動操作された場合は、前記変速状態が前記前進変速状態に切り替わると共に、前記変速レバーが前記後進位置に移動操作された場合は、前記変速状態が前記後進変速状態に切り替わるように構成されており、
前記モータ二駆モードにおいて、前記変速レバーが前記前進位置に移動操作された場合は、前記モータ回転制御装置によって、前記駆動状態が前記前進駆動状態に切り替えられると共に、前記変速レバーが前記後進位置に移動操作された場合は、前記モータ回転制御装置によって、前記駆動状態が前記後進駆動状態に切り替えられるように構成されていると好適である。
【0017】
この構成によれば、エンジン二駆モードとモータ二駆モードとハイブリッド四駆モードとのいずれの走行モードにおいても、変速レバーを前進位置に移動操作した場合は多目的車両が前進し、変速レバーを後進位置に移動操作した場合は多目的車両が後進する。
【0018】
従って、この構成によれば、エンジン二駆モードとモータ二駆モードとハイブリッド四駆モードとのいずれの走行モードにおいても、同一の操作によって多目的車両の前後進を切り替えることが可能となる。このため、前後進を切り替えるための操作が走行モードによって異なる場合に比べて、前後進切り替えの操作がシンプルとなり、操作性が良好となる。
【0019】
さらに、本発明において、
第1位置と第2位置と第3位置との間で移動操作可能な状態で設けられたキースイッチを備え、
前記キースイッチが前記第1位置から前記第3位置に移動操作された場合は、前記モード制御装置によって、前記走行モードが前記オフモードから前記エンジン二駆モードまたは前記ハイブリッド四駆モードに切り替えられると共に、前記キースイッチが前記第1位置から前記第2位置に移動操作された場合は、前記モード制御装置によって、前記走行モードが前記オフモードから前記モータ二駆モードに切り替えられるように構成されていると好適である。
【0020】
この構成によれば、走行モードをオフモードからいずれかのモードに切り替えて、多目的車両の走行を開始する際、オペレータは、エンジンの駆動を開始させることと、エンジンの駆動を開始させずにモータの駆動のみを開始させることと、のいずれかを、キースイッチの操作によって任意に選択することが可能となる。
【0021】
従って、この構成によれば、多目的車両の走行開始時におけるエンジンの駆動状態を、オペレータの意思に沿った駆動状態とすることが可能となる。
【0022】
さらに、本発明において、
前記エンジンにより駆動される発電機と、
発電操作具と、を備え、
前記エンジン動力が、前記第1走行装置及び前記発電機に伝達されるように構成されており、
前記バッテリは、前記発電機において発生した電力を貯蔵可能であり、
前記ハイブリッド四駆モードにおいて前記発電操作具が操作されることによって、前記モータの制御モードが通常モードとチャージモードとの間で切り替わるように構成されており、
前記チャージモードにおいては、前記通常モードに比べて、前記モータの駆動が抑制されるように構成されていると好適である。
【0023】
この構成によれば、チャージモードにおいては、通常モードに比べて、モータにおける消費電力が抑えられる。即ち、チャージモードにおいては、バッテリに貯蔵されている電力が消費されにくくなるため、バッテリにおける蓄電量が増加しやすくなる。
【0024】
従って、オペレータは、必要に応じて発電操作具を操作することによって、多目的車両の状態を、バッテリの蓄電量が増加しやすい状態とすることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明において、
前記エンジン動力が、変速装置を介して前記第1走行装置に伝達されるように構成されており、
操作されることによって前記変速装置の変速状態が前進変速状態と後進変速状態との間で切り替わる変速レバーと、
第1位置と第2位置と第3位置との間で移動操作可能な状態で設けられたキースイッチと、
操作されることによって前記走行ユニットの舵角が変化するステアリングホイールと、を備え、
前記モード切替スイッチ及び前記発電操作具は、前記ステアリングホイールに対して、左右方向の一方側に配置されており、
前記変速レバー及び前記キースイッチは、前記ステアリングホイールに対して、左右方向の他方側に配置されていると好適である。
【0026】
この構成によれば、モード切替スイッチ、発電操作具、変速レバー、キースイッチの4つの操作具が、ステアリングホイールに対して左右に2つずつ振り分け配置されている。従って、ステアリングホイールに対して左右方向の一方側に3つの操作具を配置して、他方側に1つの操作具を配置する場合や、ステアリングホイールに対して左右方向の一方側に4つの操作具の全てを配置する場合に比べて、ステアリングホイールの左右両側方における操作具のレイアウトのバランスが良好となりやすい。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特段の説明がない限り、前後左右の方向について以下のように記載している。即ち、機体の作業走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。そして、前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
【0029】
〔多目的車両の全体構成〕
図1及び
図2に示すように、多目的車両1は、エンジン2及びモータ3を備えている。また、機体前後方向において、エンジン2とモータ3との間の位置には、バッテリ4と、インバータ・コンバータ装置5と、が設けられている。
【0030】
インバータ・コンバータ装置5は、バッテリ4からの直流を交流に変換してモータ3に供給可能である。即ち、バッテリ4からモータ3に駆動電力が与えられる。
【0031】
このように、多目的車両1は、モータ3に駆動電力を与えるバッテリ4を備えている。
【0032】
また、多目的車両1は、走行のための走行ユニットAを備えている。走行ユニットAは、左右一対の後車輪6(本発明に係る「第1走行装置」に相当)及び左右一対の前車輪7(本発明に係る「第2走行装置」に相当)を有している。左右一対の後車輪6は、左右一対の前車輪7の後方に位置している。
【0033】
このように、多目的車両1は、左右一対の後車輪6及び左右一対の前車輪7を有する走行ユニットAを備えている。また、後車輪6は、前車輪7の後方に位置している。
【0034】
また、
図1に示すように、多目的車両1は、オペレータが搭乗するための運転部8と、荷物を積載可能な荷台9と、を備えている。また、
図2に示すように、多目的車両1は、変速装置10を備えている。変速装置10は、エンジン2の駆動力を変速し、後車軸61を介して後車輪6に伝達可能に構成されている。
【0035】
図2に示すように、エンジン2は、変速装置10、後車軸61を介して、後車輪6を駆動可能に構成されている。モータ3は、入状態と切状態とを切り換え可能なクラッチ11、前車軸71を介して、前車輪7を駆動可能に構成されている。即ち、前車輪7の動力源(モータ3)と、後車輪6の動力源(エンジン2)とは、別々に分離して備えられている。
【0036】
このように、多目的車両1は、エンジン2からの動力であるエンジン動力が後車輪6に伝達されると共に、モータ3からの動力であるモータ動力が前車輪7に伝達されるように構成されている。また、多目的車両1は、エンジン動力が、変速装置10を介して後車輪6に伝達されるように構成されている。
【0037】
図1に示すように、運転部8は、機体前後方向中央部に位置し、荷台9の前方に配置されている。
図1及び
図2に示すように、運転部8は、操縦者が着座可能な座席81を有している。また、
図3に示すように、運転部8には、ステアリングホイール82、キースイッチ83、モード切替ボタン84(本発明に係る「モード切替スイッチ」に相当)、チャージモードボタン85(本発明に係る「発電操作具」に相当)、変速レバー86が備えられている。
【0038】
このように、多目的車両1は、チャージモードボタン85を備えている。
【0039】
図3に示すように、モード切替ボタン84及びチャージモードボタン85は、ステアリングホイール82の左側に配置されている。また、変速レバー86及びキースイッチ83は、ステアリングホイール82の右側に配置されている。
【0040】
このように、モード切替ボタン84及びチャージモードボタン85は、ステアリングホイール82に対して、左右方向の一方側に配置されており、変速レバー86及びキースイッチ83は、ステアリングホイール82に対して、左右方向の他方側に配置されている。
【0041】
また、
図2に示すように、運転部8には、足で踏み込み操作するアクセルペダル87及びブレーキペダル88が備えられている。
【0042】
ステアリングホイール82は、走行ユニットAにおける前車輪7の操向を操作入力可能に構成されている。即ち、ステアリングホイール82を操作することによって、走行ユニットAの舵角が変化する。
図2に示されるように、ステアリングホイール82は、走行機体の左右中心に対して左右一方側の左側に偏倚した箇所に配置されている。
【0043】
このように、多目的車両1は、操作されることによって走行ユニットAの舵角が変化するステアリングホイール82を備えている。
【0044】
また、キースイッチ83は、エンジン2の始動及び停止を操作入力可能に構成されている。
図3及び
図4に示すように、キースイッチ83は、切位置P1(本発明に係る「第1位置」に相当)、入位置P2(本発明に係る「第2位置」に相当)、始動位置P3(本発明に係る「第3位置」に相当)との間で移動操作可能に構成されている。
【0045】
キースイッチ83を切位置P1に操作すると、エンジン2が停止した状態となる。キースイッチ83を切位置P1から入位置P2に操作すると、エンジン2が停止した状態のまま、電装系に電力が供給されると共に、モータ3が駆動可能状態となる。キースイッチ83を入位置P2から始動位置P3に操作すると、エンジン2が始動される。キースイッチ83は、始動位置P3から手を離すと、入位置P2に自動復帰するように付勢されている。
【0046】
尚、
図3及び
図4に示すように、入位置P2は、切位置P1と始動位置P3との間に位置している。即ち、キースイッチ83は、切位置P1から始動位置P3へ移動操作される際には、途中で入位置P2を経由することとなる。
【0047】
このように、多目的車両1は、切位置P1と入位置P2と始動位置P3との間で移動操作可能な状態で設けられたキースイッチ83を備えている。
【0048】
変速レバー86は、変速装置10の変速状態を切り替え可能に構成されている。
図3及び
図4に示すように、変速レバー86は、レバーガイド溝86aに沿って揺動可能に構成されている。変速レバー86は、後進位置R、中立位置N、低速前進位置L(本発明に係る「前進位置」に相当)、高速前進位置H(本発明に係る「前進位置」に相当)に位置変更可能である。
【0049】
また、アクセルペダル87は、足で踏み込み操作されるように構成されている。アクセルペダル87は、足を離すと初期位置に復帰するように付勢されている。
【0050】
また、ブレーキペダル88は、足で踏み込み操作されるように構成されている。ブレーキペダル88は、足を離すと初期位置に復帰するように付勢されている。ブレーキペダル88を踏み込み操作することにより、不図示のブレーキ機構が操作されて、前車輪7と後車輪6とに制動力が作用する。
【0051】
図2に示すように、多目的車両1には、エンジン2の駆動に基づいて交流を発電可能な発電機21が備えられている。即ち、エンジン動力は、後車輪6だけでなく、発電機21にも伝達される。
【0052】
このように、多目的車両1は、エンジン動力が、後車輪6及び発電機21に伝達されるように構成されている。
【0053】
また、多目的車両1には、バッテリ4の充電率を検知する充電率センサ41、後車輪6の回転速度を検知する車速センサ62が備えられている。
【0054】
また、インバータ・コンバータ装置5は、発電機21の駆動に基づく交流、及び、モータ3の駆動に基づく交流を直流に変換してバッテリ4に充電する機能も有している。即ち、バッテリ4は、発電機21において発生した電力を貯蔵可能である。
【0055】
このように、多目的車両1は、エンジン2により駆動される発電機21を備えている。
【0056】
〔制御装置の構成〕
図4に示すように、多目的車両1は、制御装置90を備えている。制御装置90は、モード制御装置91、変速制御装置92、モータ回転制御装置93、モード制御切替装置94を有している。
【0057】
制御装置90には、キースイッチ83、モード切替ボタン84、チャージモードボタン85、変速レバー86、充電率センサ41から各種の信号が入力される。そして、制御装置90は、入力された各種の信号に基づいて、エンジン2、変速装置10、インバータ・コンバータ装置5、クラッチ11へ所定の信号を出力する。
【0058】
モード制御装置91は、
図5に示すように、多目的車両1の走行モードを、エンジン2及びモータ3を何れも駆動しないオフモードM1、モータ3のみ(前車輪7のみ)を駆動するモータ二駆モードM2、エンジン2のみ(後車輪6のみ)を駆動するエンジン二駆モードM3、及び、エンジン2とモータ3との両方(後車輪6及び前車輪7)を駆動するハイブリッド四駆モードM4を切り換え可能に構成されている。
【0059】
このように、多目的車両1は、エンジン2及びモータ3のうちエンジン2のみが駆動されるエンジン二駆モードM3と、エンジン2及びモータ3のうちモータ3のみが駆動されるモータ二駆モードM2と、エンジン2及びモータ3の両方が駆動されるハイブリッド四駆モードM4と、エンジン2及びモータ3のいずれも駆動されないオフモードM1と、の間で走行モードを切り替えるモード制御装置91を備えている。
【0060】
〔各走行モードについて〕
図5に示すように、オフモードM1において、キースイッチ83は切位置P1である。そして、オフモードM1では、電装系への給電は行われず、エンジン2、及び、モータ3は、非駆動状態となる。クラッチ11は、切状態となる。つまり、後車輪6、及び、前車輪7は、非駆動状態となる。
【0061】
モータ二駆モードM2は、エンジン2を駆動せず、モータ3のみを駆動する走行モードであり、言い換えると、EV(Electric Vehicle;電動車両)モードとなっている。モータ二駆モードM2において、キースイッチ83は入位置P2である。モータ二駆モードM2では、電装系への給電が行われ、エンジン2は非駆動状態となり、モータ3は駆動可能状態となる。クラッチ11は入状態となる。つまり、後車輪6は非駆動状態である一方、前車輪7は駆動可能状態となる。
【0062】
エンジン二駆モードM3は、モータ3を駆動せず、エンジン2のみを駆動する走行モードである。エンジン二駆モードM3において、キースイッチ83は入位置P2である。エンジン二駆モードM3では、電装系への給電が行われ、モータ3は非駆動状態となり、エンジン2は駆動状態となる。クラッチ11は切状態となる。つまり、前車輪7は非駆動状態である一方、後車輪6は駆動可能状態となる。
【0063】
ハイブリッド四駆モードM4は、エンジン2、及び、モータ3の両方を駆動する走行モードである。ハイブリッド四駆モードM4において、キースイッチ83は入位置P2である。ハイブリッド四駆モードM4では、電装系への給電が行われ、エンジン2は駆動状態となり、モータ3は駆動可能状態となる。クラッチ11は入状態となる。つまり、後車輪6、及び、前車輪7の両方が駆動可能状態となる。
【0064】
〔エンジン二駆モード及びハイブリッド四駆モードにおける変速状態の切り替えについて〕
エンジン二駆モードM3及びハイブリッド四駆モードM4のいずれにおいても、変速レバー86の操作信号は、変速制御装置92(
図4参照)に入力される。そして、変速制御装置92は、変速レバー86からの操作信号に応じて、変速装置10へ制御信号を出力する。これにより、変速装置10の変速状態が切り替わる。
【0065】
より具体的には、変速レバー86を中立位置Nにすると、変速装置10は、中立状態となる。変速レバー86を低速前進位置Lにすると、変速装置10は、低速前進変速状態(本発明に係る「前進変速状態」に相当)となる。変速レバー86を高速前進位置Hにすると、変速装置10は、低速前進変速状態よりも変速比が小さな高速前進変速状態(本発明に係る「前進変速状態」に相当)となる。変速レバー86を後進位置Rにすると、変速装置10は、後進変速状態となる。
【0066】
このように、多目的車両1は、操作されることによって変速装置10の変速状態が低速前進変速状態及び高速前進変速状態と後進変速状態との間で切り替わる変速レバー86を備えている。また、変速レバー86は、低速前進位置L及び高速前進位置Hと後進位置Rとの間で移動操作可能な状態で設けられている。
【0067】
また、このように、多目的車両1は、エンジン二駆モードM3及びハイブリッド四駆モードM4のいずれにおいても、変速レバー86が低速前進位置Lまたは高速前進位置Hに移動操作された場合は、変速装置10の変速状態が低速前進変速状態または高速前進変速状態に切り替わると共に、変速レバー86が後進位置Rに移動操作された場合は、変速装置10の変速状態が後進変速状態に切り替わるように構成されている。
【0068】
〔モータ二駆モードにおけるモータの駆動状態の切り替えについて〕
モータ二駆モードM2において、変速レバー86の操作信号は、モータ回転制御装置93(
図4参照)に入力される。そして、モータ回転制御装置93は、変速レバー86からの操作信号に応じて、インバータ・コンバータ装置5へ制御信号を出力する。これにより、モータ3の駆動状態が切り替わる。
【0069】
より具体的には、変速レバー86を低速前進位置Lまたは高速前進位置Hにすると、モータ3は、前進駆動状態となる。また、変速レバー86を後進位置Rにすると、モータ3は、後進変速状態となる。
【0070】
このように、多目的車両1は、モータ二駆モードM2において、変速レバー86の操作に基づいてモータ3の駆動状態を前進駆動状態と後進駆動状態との間で切り替えるモータ回転制御装置93を備えている。
【0071】
また、このように、多目的車両1は、モータ二駆モードM2において、変速レバー86が低速前進位置Lまたは高速前進位置Hに移動操作された場合は、モータ回転制御装置93によって、モータ3の駆動状態が前進駆動状態に切り替えられると共に、変速レバー86が後進位置Rに移動操作された場合は、モータ回転制御装置93によって、モータ3の駆動状態が後進駆動状態に切り替えられる。
【0072】
〔通常モード及びチャージモードについて〕
ハイブリッド四駆モードM4において、チャージモードボタン85の操作信号は、モード制御切替装置94(
図4参照)に入力される。そして、モード制御切替装置94は、チャージモードボタン85からの操作信号に応じて、モータ3の制御モードを、通常モードとチャージモードとの間で切り替える。
【0073】
より具体的には、ハイブリッド四駆モードM4において、チャージモードボタン85が押下されるまでの間、モータ3の制御モードは通常モードとなる。そして、チャージモードボタン85が押下されると、モータ3の制御モードはチャージモードとなる。
【0074】
このように、多目的車両1は、ハイブリッド四駆モードM4においてチャージモードボタン85が操作されることによって、モータ3の制御モードが通常モードとチャージモードとの間で切り替わるように構成されている。
【0075】
以下、
図6を参照しながら、多目的車両1における走行モードの遷移について説明する。まずは、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された後、モード切替ボタン84及びチャージモードボタン85がいずれも押下されず、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について、ケースC1として説明する。
【0076】
〔ケースC1〕
オフモードM1では、ステップS1における判定が実行される。ステップS1では、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2へ移動操作されたか否かが判定される。
【0077】
ステップS1でNOと判定された場合、処理はステップS1へ戻る。即ち、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2へ移動操作されるまでの間、処理はステップS1を繰り返すこととなる。
【0078】
上述の通り、キースイッチ83は、切位置P1から始動位置P3へ移動操作される際には、途中で入位置P2を経由することとなる。そして、このケースC1ではキースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作される。即ち、途中で入位置P2を経由することとなるため(YES)、モード制御装置91により、走行モードはオフモードM1からモータ二駆モードM2に切り替えられる。その後、処理はステップS2へ移行する。
【0079】
ステップS2では、キースイッチ83が入位置P2から始動位置P3へ移動操作されたか否かが判定される。このケースC1では、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2を経由して始動位置P3へ移動操作される。即ち、キースイッチ83は入位置P2から始動位置P3へ移動操作されることとなるため(YES)、処理はステップS3へ移行する。
【0080】
ステップS3では、充電率センサ41において検知されたバッテリ4の充電率が、所定充電率Sより大きいか否かが判定される。このケースC1では、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態であるため(YES)、モード制御装置91により、走行モードはモータ二駆モードM2からハイブリッド四駆モードM4に切り替えられる。その後、処理はステップS4へ移行する。
【0081】
ステップS4では、モータ3の制御モードがチャージモードであるか否かが判定される。このケースC1では、チャージモードボタン85は押下されない。即ち、モータ3の制御モードは通常モードであるため(NO)、処理はステップS5へ移行する。
【0082】
ステップS5では、モード切替ボタン84が押下されたか否かが判定される。このケースC1では、モード切替ボタン84は押下されないため(NO)、処理はステップS6へ移行する。
【0083】
ステップS6では、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されたか否かが判定される。ステップS6でNOと判定された場合、処理はステップS4へ戻る。即ち、このケースC1では、走行モードがモータ二駆モードM2からハイブリッド四駆モードM4に切り替えられてから、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されるまでの間、処理はステップS4、ステップS5、ステップS6を繰り返すこととなる。
【0084】
そして、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されると(YES)、モード制御装置91により、走行モードはハイブリッド四駆モードM4からオフモードM1に切り替えられる。
【0085】
尚、このように、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された場合は、モード制御装置91によって、走行モードが、オフモードM1からモータ二駆モードM2を経由してハイブリッド四駆モードM4に切り替えられる。
【0086】
〔ケースC2〕
次に、ケースC2として、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された後、チャージモードボタン85が押下されず、モード切替ボタン84が押下され、その後、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について説明する。
【0087】
ケースC2における処理の流れは、ステップS4まではケースC1と同様である。そのため、ステップS4からステップS5へ処理が移行した時点から説明する。
【0088】
ステップS5では、モード切替ボタン84が押下されたか否かが判定される。このケースC2では、モード切替ボタン84が押下されるため(YES)、モード制御装置91により、走行モードはハイブリッド四駆モードM4からモータ二駆モードM2に切り替えられる。その後、処理はステップS2へ移行する。
【0089】
このように、多目的車両1は、操作されることによって走行モードが切り替わるモード切替ボタン84を備えている。
【0090】
ステップS2では、キースイッチ83が入位置P2から始動位置P3へ移動操作されたか否かが判定される。このケースC2では、モード切替ボタン84が押下された後、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される。即ち、この時点では、キースイッチ83は、入位置P2から始動位置P3へ移動操作されないため(NO)、処理は、ステップS7へ移行する。
【0091】
ステップS7では、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されたか否かが判定される。ステップS7でNOと判定された場合、処理はステップS2へ戻る。即ち、このケースC2では、走行モードがハイブリッド四駆モードM4からモータ二駆モードM2に切り替えられてから、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されるまでの間、処理はステップS2及びステップS7を往復することとなる。
【0092】
そして、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されると(YES)、モード制御装置91により、走行モードはモータ二駆モードM2からオフモードM1に切り替えられる。
【0093】
〔ケースC3〕
次に、ケースC3として、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された後、モード切替ボタン84が押下されず、チャージモードボタン85が押下され、その後、モード切替ボタン84が押下されることなく、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について説明する。
【0094】
ケースC3における処理の流れは、ステップS3まではケースC1と同様である。そのため、ステップS3においてYESと判定された時点から説明する。
【0095】
ステップS3においてYESと判定されると、モード制御装置91により、走行モードはモータ二駆モードM2からハイブリッド四駆モードM4に切り替えられる。その後、処理はステップS4へ移行する。
【0096】
このケースC3では、走行モードがモータ二駆モードM2からハイブリッド四駆モードM4に切り替えられてから、チャージモードボタン85が押下されるまでの間、処理はステップS4、ステップS5、ステップS6を繰り返すこととなる。
【0097】
そして、チャージモードボタン85が押下されると、モード制御切替装置94により、モータ3の制御モードが通常モードからチャージモードへ切り替えられる。これにより、ステップS4でYESと判定され、モード制御装置91により、走行モードはハイブリッド四駆モードM4からエンジン二駆モードM3に切り替えられる。その後、処理はステップS8へ移行する。
【0098】
このように、ハイブリッド四駆モードM4での走行は、モータ3の制御モードが通常モードである間は継続される。そして、モータ3の制御モードが通常モードからチャージモードへ切り替えられると、走行モードがハイブリッド四駆モードM4からエンジン二駆モードM3に切り替えられ、これに伴い、モータ3の駆動は停止されることとなる。
【0099】
即ち、この構成により、チャージモードにおいては、通常モードに比べてモータ3の駆動が抑制される。
【0100】
ステップS8では、モード切替ボタン84が押下されたか否かが判定される。このケースC3では、モード切替ボタン84は押下されないため(NO)、処理はステップS9へ移行する。
【0101】
ステップS9では、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されたか否かが判定される。ステップS9でNOと判定された場合、処理はステップS8へ戻る。即ち、このケースC3では、走行モードがハイブリッド四駆モードM4からエンジン二駆モードM3に切り替えられてから、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されるまでの間、処理はステップS8及びステップS9を往復することとなる。
【0102】
そして、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されると(YES)、モード制御装置91により、走行モードはエンジン二駆モードM3からオフモードM1に切り替えられる。
【0103】
〔ケースC4〕
次に、ケースC4として、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きい状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された後、モード切替ボタン84が押下されず、チャージモードボタン85が押下され、その後、モード切替ボタン84が押下され、その後、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について説明する。
【0104】
ケースC4における処理の流れは、ステップS4まではケースC3と同様である。そのため、ステップS4においてYESと判定された時点から説明する。
【0105】
ステップS4でYESと判定されると、モード制御装置91により、走行モードはハイブリッド四駆モードM4からエンジン二駆モードM3に切り替えられる。その後、処理はステップS8へ移行する。
【0106】
ステップS8では、モード切替ボタン84が押下されたか否かが判定される。このケースC4では、チャージモードボタン85が押下された後、モード切替ボタン84が押下されるため(YES)、モード制御装置91により、走行モードはハイブリッド四駆モードM4からモータ二駆モードM2に切り替えられる。その後、処理はステップS2へ移行する。
【0107】
ステップS2以降の処理の流れは、ケースC2の説明と同様である。
【0108】
このように、多目的車両1は、エンジン二駆モードM3及びハイブリッド四駆モードM4のいずれにおいても、モード切替ボタン84が操作された場合、走行モードがモータ二駆モードM2に切り替わるように構成されている。
【0109】
〔ケースC5〕
次に、ケースC5として、走行モードがオフモードM1であって、バッテリ4の充電率が所定充電率S以下である状態において、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3へ移動操作された後、モード切替ボタン84が押下されることなく、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について説明する。
【0110】
ケースC5における処理の流れは、ステップS2まではケースC1と同様である。そのため、ステップS2においてYESと判定された時点から説明する。
【0111】
ステップS2でYESと判定されると、処理はステップS3へ移行する。
【0112】
ステップS3では、充電率センサ41において検知されたバッテリ4の充電率が、所定充電率Sより大きいか否かが判定される。このケースC5では、バッテリ4の充電率が所定充電率S以下の状態であるため(NO)、モード制御装置91により、走行モードはモータ二駆モードM2からエンジン二駆モードM3に切り替えられる。その後、処理はステップS8へ移行する。
【0113】
ステップS8以降の処理の流れは、ケースC3の説明と同様である。
【0114】
〔ケースC6〕
次に、ケースC6として、走行モードがオフモードM1である状態において、キースイッチ83が、切位置P1から入位置P2へ移動操作された後、始動位置P3へ移動操作されることなく、入位置P2から切位置P1へ移動操作される場合について説明する。
【0115】
オフモードM1では、ステップS1における判定が実行される。ステップS1では、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2へ移動操作されたか否かが判定される。
【0116】
ステップS1でNOと判定された場合、処理はステップS1へ戻る。即ち、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2へ移動操作されるまでの間、処理はステップS1を繰り返すこととなる。
【0117】
このケースC6では、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2へ移動操作されるため(YES)、モード制御装置91により、走行モードはオフモードM1からモータ二駆モードM2に切り替えられる。その後、処理はステップS2へ移行する。
【0118】
ステップS2では、キースイッチ83が入位置P2から始動位置P3へ移動操作されたか否かが判定される。このケースC2では、キースイッチ83は、始動位置P3へ移動操作されないため(NO)、処理はステップS7へ移行する。
【0119】
ステップS7では、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されたか否かが判定される。ステップS7でNOと判定された場合、処理はステップS2へ戻る。即ち、このケースC6では、走行モードがオフモードM1からモータ二駆モードM2に切り替えられてから、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されるまでの間、処理はステップS2及びステップS7を往復することとなる。
【0120】
そして、キースイッチ83が入位置P2から切位置P1へ移動操作されると(YES)、モード制御装置91により、走行モードはモータ二駆モードM2からオフモードM1に切り替えられる。
【0121】
このように、キースイッチ83が切位置P1から始動位置P3に移動操作された場合は、モード制御装置91によって、走行モードがオフモードM1からエンジン二駆モードM3またはハイブリッド四駆モードM4に切り替えられると共に、キースイッチ83が切位置P1から入位置P2に移動操作された場合は、モード制御装置91によって、走行モードがオフモードM1からモータ二駆モードM2に切り替えられる。
【0122】
以上で説明した構成によれば、後車輪6の動力源はエンジン2であり、前車輪7の動力源はモータ3である。そして、モード切替ボタン84を操作して、エンジン二駆モードM3、モータ二駆モードM2、ハイブリッド四駆モードM4の間で走行モードを切り替えることにより、状況に応じた適切な走行態様を自在に選択できる。
【0123】
例えば、モータ3を駆動する電力が不足している場合等には、エンジン二駆モードM3を用いれば、走行を支障なく行うことができる。また、平地等で大きな走行トルクが必要ない場合等には、モータ二駆モードM2を用いれば、エンジン2が駆動されないので、静音で走行可能になり、エンジン2からの排気が出ずに環境負荷の低減を図ることができ、さらに、燃費の低減を図ることができる。また、荷を積載した状態で登坂を走行する場合等には、ハイブリッド四駆モードM4を用いれば、エンジン2の駆動力とモータ3の駆動力により十分な走行トルクが確保され、走行トルクの不足を生じにくい走行を行うことができる。
【0124】
即ち、以上で説明した構成によれば、必要に応じてモータ二駆モードM2等を有効活用することにより、環境負荷の低減、及び、燃費の低減を図ることができる。
【0125】
〔その他の実施形態〕
(1)走行ユニットAは、左右一対の後車輪6及び左右一対の前車輪7に代えて、左右一対の後クローラ装置及び左右一対の前クローラ装置を有していても良い。
【0126】
(2)後車輪6の動力源がモータ3であり、前車輪7の動力源がエンジン2であっても良い。
【0127】
(3)モード切替ボタン84に代えて、モード切替レバーが設けられていても良い。
【0128】
(4)チャージモードボタン85に代えて、チャージモードレバーが設けられていても良い。
【0129】
(5)変速レバー86の変更可能な位置が、後進位置と前進位置との2つのみであっても良い。
【0130】
(6)モード切替ボタン84及びチャージモードボタン85が、ステアリングホイール82の右側に配置されており、変速レバー86及びキースイッチ83が、ステアリングホイール82の左側に配置されていても良い。
【0131】
(7)チャージモードにおいて、モータ3の駆動を停止せず、ハイブリッド四駆モードM4が継続されると共に、モータ3の駆動量が制限されるような構成であっても良い。
【0132】
(8)キースイッチ83の切位置P1、入位置P2、始動位置P3の配置は、入位置P2が切位置P1と始動位置P3との間に位置するような配置でなくても良い。例えば、切位置P1が入位置P2と始動位置P3との間に位置していても良いし、始動位置P3が切位置P1と入位置P2との間に位置していても良い。
【0133】
(9)オフモードM1から、モータ二駆モードM2を経由せずに、エンジン二駆モードM3またはハイブリッド四駆モードM4に切り替えられるように構成されていても良い。
【0134】
(10)エンジン二駆モードM3においてモード切替ボタン84が押下された場合には、走行モードがモータ二駆モードM2に切り替わり、ハイブリッド四駆モードM4においてモード切替ボタン84が押下された場合には、走行モードがモータ二駆モードM2に切り替わらないように構成されていても良い。
【0135】
(11)ハイブリッド四駆モードM4においてモード切替ボタン84が押下された場合には、走行モードがモータ二駆モードM2に切り替わり、エンジン二駆モードM3においてモード切替ボタン84が押下された場合には、走行モードがモータ二駆モードM2に切り替わらないように構成されていても良い。
【0136】
(12)モータ3の駆動状態は、変速レバー86の操作ではなく、別途設けられた前後進切替スイッチの操作に基づいて、前進駆動状態と後進駆動状態との間で切り替えられるように構成されていても良い。
【0137】
(13)キースイッチ83の移動操作可能な位置が、切位置P1と入位置P2との2つのみであっても良い。
【0138】
(14)発電機21は設けられていなくても良い。
【0139】
(15)チャージモードボタン85は設けられていなくても良い。
【0140】
(16)上記実施形態では、ステップS3において、バッテリ4の充電率が所定充電率Sより大きいか否かを判定条件として、走行モードの切り替え先を決定するように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。即ち、その他の判定条件によって、走行モードの切り替え先を決定するように構成されていても良い。