特開2018-188053(P2018-188053A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-188053(P2018-188053A)
(43)【公開日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/184 20060101AFI20181102BHJP
   B62D 1/187 20060101ALI20181102BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20181102BHJP
【FI】
   B62D1/184
   B62D1/187
   F16B7/04 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-93953(P2017-93953)
(22)【出願日】2017年5月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(71)【出願人】
【識別番号】000112082
【氏名又は名称】ヒルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】今垣 進
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇弘
【テーマコード(参考)】
3D030
3J039
【Fターム(参考)】
3D030DC16
3D030DD02
3D030DD18
3D030DD19
3D030DD26
3D030DD65
3D030DD74
3D030DG01
3J039AA03
3J039BB01
3J039CA05
(57)【要約】
【課題】アウターチューブにおけるスリットの周縁部にかかる応力を低減することができるステアリング装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ステアリング装置100において、アウターチューブ3は、インナーチューブ2の軸方向一方の端部を外側から締め付けてインナーチューブ2を固定する。スリット21は、アウターチューブ2の内周面と外周側面とを貫通し、軸方向に延びるように形成される。クランプブラケット4A,4Bは、スリット21を挟んで対向し、かつ、アウターチューブ3の下方に延びるように配置される。補強部材7は、略L字状の部材である。補強部材7のブラケット接続部72が、クランプブラケット4Bに接続される。補強部材7のチューブ接続部72が、アウターチューブ3の外周側面のうちスリット22の軸方向一方側の端部よりも軸方向一方側に位置する接続領域26に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びるインナーチューブと、
前記インナーチューブの軸方向一方の端部を外側から締め付けて前記インナーチューブを固定するアウターチューブと、
前記アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、前記軸方向に延びる第1スリットと、
前記第1スリットを挟んで対向するように配置され、前記アウターチューブの外周側面から前記軸方向に交差する方向に延びる1対のクランプブラケットと、
前記1対のクランプブラケットのいずれか一方に接続され、かつ、前記アウターチューブの外周側面のうち前記スリットの軸方向一方側の端部よりも前記アウターチューブの軸方向一方側の領域である接続領域に接続される補強部材と、
を備える、ステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリング装置であって、さらに、
前記1対のクランプブラケットが対向する方向において、前記1対のクランプブラケットを挟み込むチルトブラケットと、
前記チルトブラケットに固定され、かつ、前記ステアリング装置が搭載される車両のフレームに固定されるアッパーブラケットと、
を備える、ステアリング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置であって、さらに、
前記第1スリットの延びる方向と交差する方向に延びるように形成され、前記アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、前記第1スリットの軸方向一方側の端部と接続された第2スリット、
を備える、ステアリング装置。
【請求項4】
請求項3に記載のステアリング装置であって、
前記補強部材は、
前記アウターチューブの前記接続領域に接続されるチューブ接続部、
を含み、
前記第2スリットの延びる方向に関する前記チューブ接続部の長さが、前記第2スリットの延びる方向に関する前記第2スリットの長さよりも小さい、ステアリング装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のステアリング装置であって、
前記アウターチューブの前記接続領域よりも軸方向一方側に形成され、前記アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、前記ステアリング装置が搭載される車両のステアリングロック装置のロックキーが挿入されるキーロック孔、
を備える、ステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング装置に関し、さらに詳しくは、アウターチューブとインナーチューブとを備えるステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング装置は、自動車等の車両に搭載される。ステアリング装置は、車両の運転手によるステアリングホイールの回転操作に応じてステアリングシャフトを回転させ、ステアリングシャフトの回転をラックに伝える。
【0003】
従来のステアリング装置は、アウターチューブとインナーチューブとを有する。アウターチューブ及びインナーチューブの少なくとも一方は、ステアリングシャフトを回転軸を中心に回転可能に支持する。
【0004】
従来のステアリング装置において、インナーチューブの一部は、アウターチューブの内部に嵌め込まれる。インナーチューブは、車両の通常運転時には、アウターチューブに固定される。具体的には、アウターチューブには、軸方向に延びるスリットが形成されている。アウターチューブを径方向外側から締め付けた場合、アウターチューブは、アウターチューブに形成されたスリットにより、内径が狭まるように弾性変形する。この結果、インナーチューブがアウターチューブにより締め付けられるため、インナーチューブがアウターチューブに固定される。
【0005】
また、従来のステアリング装置において、アウターコラムには、ステアリングシャフトをロックするステアリングロック装置のロックキーが挿入されるキーロック孔が形成される場合がある。
【0006】
しかし、ステアリングシャフトがロックされた状態で、ステアリングホイールを操作した場合、アウターチューブにねじりの力が発生する。ねじりの力は、アウターチューブにおけるキーロック孔とスリットとの間の部分に回転トルクを発生させる。回転トルクによる応力は、アウターチューブにおけるスリットの周縁部に集中するため、アウターチューブが破壊される虞がある。このため、アウターチューブの破壊を防ぐための対策をアウターチューブに施さなければならない。
【0007】
特許文献1(特許5076963号公報)には、スリットの延びる方向がアウターチューブの中心軸線に対して傾斜するように、スリットをアウターチューブに形成したステアリング装置が開示されている。スリットとキーロック孔との距離を長くすることができるため、アウターチューブの機械的強度を向上させることができる。
【0008】
しかし、特許文献1(特許5076963号公報)係るステアリング装置では、アウターチューブにおいてスリットの周縁部にかかる応力を低減することができない。また、ステアリング装置が搭載される車両の種類によっては、スリットとキーロック孔との距離を十分に取ることができないため、アウターチューブの機械的強度を向上させることが困難な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許5076963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、アウターチューブにおけるスリットの周縁部にかかる応力を低減することができるステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係るステアリング装置は、インナーチューブと、アウターチューブと、1対のクランプブラケットと、補強部材とを備える。インナーチューブは、軸方向に延びる。アウターチューブは、インナーチューブの軸方向一方の端部を外側から締め付けてインナーチューブを固定する。第1スリットは、アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、軸方向に延びる。1対のクランプブラケットは、第1スリットを挟んで対向するように配置され、アウターチューブの外周側面から軸方向に交差する方向に延びる。補強部材は、1対のクランプブラケットのいずれか一方に接続され、かつ、アウターチューブの外周側面のうちスリットの軸方向一方側の端部よりもアウターチューブの軸方向一方側の領域である接続領域に接続される。
【発明の効果】
【0012】
本開示にかかるステアリング装置は、アウターチューブにおけるスリットの周縁部にかかる応力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係るステアリング装置の斜視図である。
図2図1に示すステアリング装置の断面図である。
図3図1に示すアウターチューブ及びインナーチューブの平面図である。
図4図1に示すステアリング装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態に係るステアリング装置は、インナーチューブと、アウターチューブと、1対のクランプブラケットと、補強部材とを備える。インナーチューブは、軸方向に延びる。アウターチューブは、インナーチューブの軸方向一方の端部を外側から締め付けてインナーチューブを固定する。第1スリットは、アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、軸方向に延びる。1対のクランプブラケットは、第1スリットを挟んで対向するように配置され、アウターチューブの外周側面から軸方向に交差する方向に延びる。補強部材は、1対のクランプブラケットのいずれか一方に接続され、かつ、アウターチューブの外周側面のうちスリットの軸方向一方側の端部よりもアウターチューブの軸方向一方側の領域である接続領域に接続される(第1の構成)。
【0015】
第1の構成によれば、アウターチューブにおいて、接続領域よりも軸方向一方側の部分にねじりの力が加わった場合、ねじりの力は、回転トルクとして、アウターチューブの外周側面の接続領域から補強部材に伝わる。回転トルクによる応力は、補強部材から1対のクランプブラケットの一方に伝わる。スリットは、接続領域よりもアウターチューブの軸方向他方側に形成されているため、スリットの周縁部に加わる応力が低減される。
【0016】
第1の構成において、ステアリング装置は、さらに、チルトブラケットと、アッパーブラケットとを備える。チルトブラケットは、1対のクランプブラケットが対向する方向において、1対のクランプブラケットを挟み込む。アッパーブラケットは、チルトブラケットに固定され、かつ、ステアリング装置が搭載される車両のフレームに固定される(第2の構成)。
【0017】
第2の構成によれば、補強部材に伝わった応力は、クランプブラケットの一方と、チルトブラケット、アッパーブラケットとを介して、車両のフレームに伝わる。補強部材に伝わった応力がアウターチューブに戻ることを抑制することができる。
【0018】
第1又は第2の構成において、ステアリング装置は、さらに、第2スリットを備える。第2スリットは、第1スリットの延びる方向と交差する方向に延びるように形成され、アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通し、第1スリットの軸方向一方側の端部と接続される(第3の構成)。
【0019】
第3の構成によれば、アウターチューブに第2スリットが形成されることにより、第1スリットの軸方向における長さを短くすることができる。従って、インナーチューブとアウターチューブとにより構成されるステアリングコラムの軸方向の長さを短くすることができる。
【0020】
第3の構成において、補強部材は、チューブ接続部を含む。チューブ接続部は、アウターチューブの接続領域に接続される。第2スリットの延びる方向に関するチューブ接続部の長さが、第2スリットの延びる方向に関する第2スリットの長さよりも小さい(第4の構成)。
【0021】
第4の構成によれば、アウターチューブインナーチューブを外側から締め付けて固定する際に、アウターチューブは、その内径が小さくなるように変形しやすくなる。従って、車両の通常運転時において、インナーチューブがアウターチューブに対して相対的に移動することを防ぐことができる。
【0022】
第1〜第4のいずれかの構成において、ステアリング装置は、さらに、キーロック孔を備える。キーロック孔は、アウターチューブの接続領域よりも軸方向一方側に形成され、アウターチューブの内周面と外周側面とを貫通する。キーロック孔には、ステアリング装置が搭載される車両のステアリングロック装置のロックキーが挿入される(第5の構成)。
【0023】
第5の構成によれば、ロックキーにより車両のステアリングホイールの回転が規制される。この場合において、ステアリングホールを無理矢理回転させることによりアウターチューブにねじりの力が加わったとしても、アウターチューブにおける第1スリットの周縁部に加わる応力を低減することができる。
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を簡略化して示したりする場合がある。
図1は、本発明の実施の形態に係るステアリング装置100の斜視図である。図2は、図1に示すステアリング装置100のA−A断面図である。なお、図1において、図2に示すステアリングシャフト1及びステアリングホイール9の表示を省略している。
【0025】
図1を参照して、ステアリング装置100は、アウターチューブ2と、インナーチューブ3と、1対のクランプブラケット4A,4Bと、チルトブラケット5と、アッパーブラケット6と、補強部材7と、レバー8とを備える。チルトブラケット5は、腕部51A,51Bを有する。
【0026】
以下の説明において、図1に示す中心軸線L1の延びる方向を軸方向と定義する。軸方向において、アウターチューブ2が配置されている側を軸方向一方と定義する。軸方向において、インナーチューブ3が配置されている側を軸方向他方と定義する。
【0027】
図1を参照して、軸方向に垂直な方向であって、チルトブラケット5の腕部51A,51Bが対向する方向を横方向と定義する。横方向において、腕部51Aが配置されている側を左方と定義する。横方向において、腕部51Bが配置されている側を右方と定義する。
【0028】
図1を参照して、軸方向及び横方向の両者に垂直な方向を、上下方向と定義する。つまり、上下方向は、チルトブラケット5の腕部51A,51Bが延びる方向であり、軸方向と交差する。上下方向において、アッパーブラケット6が配置されている側を上方と定義する。上下方向において、レバー8が配置されている側を下方と定義する。
【0029】
(ステアリングシャフト1)
図2を参照して、ステアリング装置100は、さらに、ステアリングシャフト1と、ステアリングホイール9とを備える。ステアリングシャフト1は、中心軸線L1と同軸に配置され、中心軸線L1を回転軸として回転する。
【0030】
ステアリングシャフト1は、アウターシャフト11と、インナーシャフト12とを有する。アウターシャフト11は、インナーシャフト12よりも軸方向一方側に配置され、インナーシャフト12は、アウターシャフト11よりも軸方向他方側に配置される。
【0031】
インナーシャフト12の軸方向他方側の端部は、図示しないインターミディエイトシャフトに接続される。インナーシャフト12の軸方向一方側の端部は、アウターシャフト11の軸方向他方側の端部とセレーション結合により接続される。アウターシャフト11の軸方向一方側の端部は、ステアリングホイール9と接続される。ステアリングシャフト1は、ステアリングホイール9とともに回転する。ステアリングシャフト1は、インターミディエイトシャフト等を介して、ステアリングホイール9の回転を図示しないラックに伝える。
【0032】
インナーシャフト12のうち、セレーション結合によりアウターシャフト11と接続されている部分は、アウターシャフト11と摺動可能となっている。後述するように、インナーチューブ3がアウターチューブ2に対して軸方向に相対的に移動する場合、インナーシャフト12は、アウターシャフト11に対して軸方向に相対的に移動する。
【0033】
(アウターチューブ2)
図2を参照して、アウターチューブ2は、軸方向に延びる筒形状であり、中心軸線L1と同軸に配置される。アウターチューブ2は、インナーチューブ3の軸方向一方側の端部よりもアウターチューブ2の軸方向一方側の端部が軸方向一方側に位置するように配置される。
【0034】
アウターチューブ2は、ステアリングシャフト1の一部を収納する。具体的には、アウターチューブ2は、ステアリングシャフト1のアウターシャフト11のうち、アウターシャフト11の軸方向一方側の端部を除く部分を収納する。
【0035】
アウターチューブ2の軸方向一方側の端部には、軸受25が圧入される。軸受25は、アウターシャフト11が中心軸線L1を回転軸として回転するように、アウターシャフト11を保持する。
【0036】
図3は、インナーチューブ3の軸方向一方の端部を収納するアウターチューブ2の平面図である。図3は、図1に示すアウターチューブ2及びインナーチューブ3を下から見た図に相当する。
【0037】
図3を参照して、アウターチューブ2は、スリット20を有する。スリット20は、アウターチューブ2の外周側面と内周面とを上下方向に貫通する。スリット20は、下から見た場合、略T字形状である。スリット20は、中心軸線L1を含み、かつ、上下方向に平行な平面を基準にして対称である。
【0038】
スリット20は、スリット21,22を有する。スリット21,22の各々は、アウターチューブ2の外周側面と内周面とを上下方向に貫通する。
【0039】
スリット21は、軸方向に延びるように形成されている。スリット21の軸方向他方側の端部は、開口している。スリット21の軸方向一方側の端部は、アウターチューブ2における軸方向の中点よりも軸方向他方側に位置している。また、スリット21の軸方向一方側の端部は、スリット22に接続している。
【0040】
スリット22は、アウターチューブの外周側面において、アウターチューブ2における軸方向の中点よりも軸方向他方側の領域に形成される。スリット22は、横方向(アウターチューブ2の周方向)に延びるように形成されている。スリット22は、スリット21に対して垂直である。
【0041】
接続領域26は、詳細については後述するが、アウターチューブ2のうち、図1に示す補強部材7のチューブ接続部71が接続される領域である。接続領域26は、スリット22(スリット20の軸方向一方の端部)よりも軸方向一方側に位置する。
【0042】
アウターチューブ2は、さらに、キーロック孔23を有する。キーロック孔23は、アウターチューブ2の外周側面と内周面とを貫通する略矩形状の孔である。キーロック孔23は、アウターチューブ2に形成されたスリット22と、アウターチューブ2の軸方向一方側の端部との間に位置する。また、キーロック孔23は、接続領域26よりもアウターチューブ2の軸方向一方側に位置する。
【0043】
キーロック孔23には、図示しないステアリングロック装置のロックキーが挿入される。ステアリング装置100が搭載された車両の運転手が図示しないイグニッションキーを引き抜いた場合、ロックキーが、アウターシャフト11に形成されたロック用の溝11A(図2参照)に嵌め込まれる。これにより、ステアリングシャフト1は、アウターチューブ2に対して相対回転することができない。つまり、イグニッションキーが引き抜かれている場合、ステアリングホイール9の回転が規制されるため、ステアリング装置100が搭載された車両の盗難を防止することができる。
【0044】
(インナーチューブ3)
図2を参照して、インナーチューブ3は、軸方向に延びる筒形状であり、中心軸線L1と同軸に配置される。インナーチューブ3は、ステアリングシャフト1の一部を収納する。具体的には、インナーチューブ3は、ステアリングシャフト1のインナーシャフト12のうち、インナーシャフト12の軸方向他方側の端部を除く部分を収納する。
【0045】
インナーチューブ3の軸方向一方側の端部は、アウターチューブ2の軸方向他方側からアウターチューブ2に嵌め込まれる。アウターチューブ2が、インナーチューブ3を後述するように締め付けることにより、インナーチューブ3は、アウターチューブ2に対して固定される。
【0046】
(クランプブラケット4A,4B)
図1を参照して、クランプブラケット4A,4Bは、アウターチューブ2の外周側面から下方に延びる。クランプブラケット4A,4Bは、スリット21を挟んで対向するように配置される。つまり、ステアリング装置100を軸方向に見た場合、クランプブラケット4A,4Bは、中心軸線L1を挟んで対向するように配置される。
【0047】
図4は、ステアリング装置100の分解斜視図である。図4において、中心軸線L1がアウターチューブ2及びインナーチューブ3の各々の中心軸に一致するように配置している。また、図4において、横軸線H1を、ボルト85の中心軸に一致するように配置している。
【0048】
図4を参照して、クランプブラケット4Bは、側壁部41Bと、取付部42Bとを有する。
【0049】
側壁部41Bは、横方向に対して垂直に配置された略平板状であり、軸方向に細長い形状である。側壁部41Bには、貫通孔411Bが形成されている。貫通孔411Bは、側壁部41Bを横方向に貫通する。具体的には、貫通孔411Bは、側壁部41Bの左側の面と側壁部41Bの右側の面との間を貫通しており、軸方向に延びる細長い孔である。
【0050】
取付部42Bは、クランプブラケット4Bを左から見て、略U字形状である。取付部42Bは、接続部421Bと、固定部422B,422Bとを有する。
【0051】
接続部421Bは、上下方向に対して垂直な平板状であり、側壁部41Bの左側の面から左方に突出するように配置される。固定部422B,422Bは、接続部421Bの軸方向両端から上方に延びている。固定部422B,422Bは、軸方向に対して垂直な平板状である。固定部422B、422Bの上方の端部は、アウターチューブ2の外周側面の形状に対応した円弧形状である。固定部422B、422Bの上方の端部が、アウターチューブ2の外周側面に溶接により固定されることにより、クランプブラケット4Bがアウターチューブ2の外周側面に固定される。
【0052】
クランプブラケット4Aは、クランプブラケット4Bと同様の形状を有する。具体的には、クランプブラケット4Aは、側壁部41Aと、取付部42Aとを有する。
【0053】
側壁部41Aは、横方向に対して垂直に配置された略平板状であり、軸方向に細長い形状である。側壁部41Aには、貫通孔411Aが形成されている。貫通孔411Aは、側壁部41Aを横方向に貫通する。具体的には、貫通孔411Aは、側壁部41Aの左側の面と側壁部41Aの右側の面とを貫通しており、軸方向に延びる細長い孔である。
【0054】
取付部42Aは、クランプブラケット4Aを右から見て、略U字形状である。取付部42Aは、接続部421Aと、固定部422A,422Aとを有する。
【0055】
接続部421Aは、上下方向に対して垂直な平板状であり、側壁部41Aの右側の面から右方に突出するように配置される。固定部422A,422Aは、接続部421Aの軸方向両端から上方に延びている。固定部422A,422Aは、軸方向に対して垂直な平板状である。固定部422A、422Aの上方の端部は、アウターチューブ2の外周側面の形状に対応した円弧形状である。固定部422A、422Aの上方の端部が、アウターチューブ2の外周側面に溶接により固定されることにより、クランプブラケット4Aがアウターチューブ2の外周側面に固定される。
【0056】
(補強部材7)
図4を参照して、補強部材7は、横方向に見て略L字状の部材である。補強部材7は、チューブ接続部71と、ブラケット接続部72とを有する。
【0057】
チューブ接続部71は、軸方向に対して垂直であり、かつ、上下方向に延びる平板状である。横方向に関するチューブ接続部71の長さは、横方向のスリット22の横方向の長さよりも小さい。チューブ接続部71の下方の端部は、ブラケット接続部72の軸方向一方側の端部と接続される。
【0058】
チューブ接続部71の上方の端部は、アウターチューブ2の外周側面の形状に対応した円弧形状である。チューブ接続部71の上方の端部は、例えば、溶接によりアウターチューブ2の外周側面に接続される。このとき、チューブ接続部71の上方の端部は、図3に示すように、アウターチューブ2の外周側面における接続領域26に接続される。つまり、チューブ接続部71の上方の端部は、アウターチューブ2の外周側面のうち、スリット20よりも軸方向一方側の端部よりも軸方向一方側の領域に接続される。
【0059】
ブラケット接続部72は、上下方向に対して垂直であり、かつ、軸方向に延びる平板状である。ブラケット接続部72において、軸方向一方側の端部は、チューブ接続部71の下方の端部と接続される。ブラケット接続部72において、軸方向他方側の端部は、例えば、溶接により、クランプブラケット4Bと接続される。
【0060】
(チルトブラケット5)
図4を参照して、チルトブラケット5を軸方向に見た場合、チルトブラケット5は、略U字形状である。クランプブラケット4A,4Bがアウターチューブ2の外周側面に取り付けられている場合において、チルトブラケット5は、アウターチューブ2及びクランプブラケット4A,4Bを上方から覆うように配置される。チルトブラケット5は、腕部51A,51Bと、接続板52とを有する。
【0061】
腕部51A,51Bは、上下方向に延びる平板状の部材であり、横方向に対して略垂直となるように配置される。腕部51A,51Bは、クランプブラケット4A,4Bを横方向から挟み込むように配置される。具体的には、腕部51Aは、クランプブラケット4Aよりも左方に位置し、腕部51Bは、クランプブラケット4Bよりも右方に位置する。つまり、腕部51A,51Bは、クランプブラケット4A,4Bを横方向において挟み込むように配置される。言い換えれば、腕部51A,51Bは、中心軸線L1を挟んで横方向に対向している。
【0062】
図1を参照して、チルトブラケット5が組み付けられた場合において、腕部51A,51Bの上方の端部は、アウターチューブ2よりも上側に位置する。腕部51A,51Bの下方の端部は、クランプブラケット4A,4Bよりも下側に位置する。
【0063】
図4を参照して、腕部51Aは、貫通孔511Aを有する。貫通孔511Aは、腕部51Aを横方向に貫通している。つまり、貫通孔511Aは、腕部51Aの右側面と左側面とを貫通している。貫通孔511Aは、上下方向に細長い孔である。
【0064】
腕部51Bは、貫通孔511Bを有する。貫通孔511Bは、腕部51Bを横方向に貫通している。つまり、貫通孔511Bは、腕部51Bの右側面と左側面とを貫通している。貫通孔511Bは、上下方向に細長い孔である。
【0065】
接続板52は、上下方向に対して垂直な平板状であり、アウターチューブ2よりも上側に配置される。接続板52は、腕部51Aと腕部51Bとを接続する。
【0066】
(アッパーブラケット6)
図4を参照して、アッパーブラケット6は、基部61と、取付部62A,62Bとを有する。
【0067】
基部61は、軸方向に見て略U字状(上下逆のU字状)であり、アウターチューブ2よりも上側に配置される。基部61における左側端部61Aは、取付部62Aに接続される。基部61における右側端部61Bは、取付部62Aに接続される。基部61における左側端部61Aがチルトブラケット5の腕部51Aと溶接され、基部61における右側端部61Bがチルトブラケット5の腕部51Bと溶接されることにより、チルトブラケット5がアッパーブラケット6に固定される。
【0068】
取付部62A,62Bは、上下方向に対して垂直な平板状であり、図示しないボルト等により、ステアリング装置100が搭載された車両のフレームに固定される。
【0069】
(レバー8)
レバー8は、ステアリングシャフト1に接続されたステアリングホイール9の位置を調整するために用いられる。
【0070】
図1を参照して、レバー8は、チルトブラケット5の左側に配置される。レバー8は、中心軸線L1に対して垂直であり、かつ、横方向に延びる横軸線H1を中心にして回転可能となるように組み付けられる。
【0071】
レバー8の組み付けについて説明する。図1に示すように、クランプブラケット4A,4Bが固定されたアウターチューブ2を上方から覆うようにチルトブラケット5が配置される。このとき、クランプブラケット4A,4Bと、チルトブラケット5との位置合わせを行う。具体的には、図4を参照して、横軸線H1が、クランプブラケット4Aの貫通孔411Aと、クランプブラケット4Bの貫通孔411Bと、チルトブラケット5の貫通孔511A,511Bとを通過するように、クランプブラケット4A,4Bと、チルトブラケット5とが位置合わせされる。つまり、クランプブラケット4Aの貫通孔411Aと、クランプブラケット4Bの貫通孔411Bと、チルトブラケット5の貫通孔511A,511Bとは、横方向に見て重なっている。
【0072】
位置合わせの後に、ボルト85の軸部87を横軸線H1に一致させる。そして、ボルト85を、レバーの貫通孔8Aと、クランプブラケット4Aの貫通孔411Aと、クランプブラケット4Bの貫通孔411Bと、チルトブラケット5の貫通孔511A,511Bとに左側から挿入する。ボルト85の軸部87の先端871が、クランプブラケット4Bから右方に突出する。ナット88が、クランプブラケット4Bから右方に突出している軸部87の先端871に嵌め込まれる。この結果、レバー7が、横軸線H1を中心に回転可能に組み付けられる。
【0073】
(インナーチューブ3の固定)
レバー8がロック位置にある場合、インナーチューブ3がアウターチューブ2に固定される。この場合、インナーチューブ3がアウターチューブ2に対して相対的に移動することができないため、ステアリングホイール9の軸方向の移動が規制される。
【0074】
なお、レバー8がロック位置にある場合、ステアリングホイール9の上下方向の移動も規制されるが、上下方向の移動の規制については後述する。
【0075】
以下、インナーチューブ3の固定について説明する。図4を参照して、ボルト85の頭部86と、ボルト85の軸部87の先端871に嵌め込まれたナット88とが、クランプブラケット4A,4Bと、チルトブラケット5とを横方向に挟み込んでいる。運転手がレバー8をロック位置に移動させた場合、レバー7とチルトブラケット5の腕部51Aとの間に配置されているカム81が、レバーがロック解除位置にある場合よりも右方に移動する。カム81が右方に移動した場合、ボルト85の頭部86とナット88とがチルトブラケット5を横方向に挟み込む力が、レバー8がロック解除位置にある場合よりも増加する。
【0076】
この結果、チルトブラケット5において、腕部51Aと腕部51Bとの間隔が狭くなる。クランプブラケット4Aは、チルトブラケット5の腕部51Aと接触し、クランプブラケット4Bがチルトブラケット5の腕部51Bと接触している。腕部51Aと腕部51Bとの間隔が狭くなることにより、横方向におけるクランプブラケット4Aとクランプブラケット4Bとの間隔が狭くなる。
【0077】
クランプブラケット4Aとクランプブラケット4Bとの間隔が狭くなることにより、アウターチューブ2は、スリット21の間隔が狭まるように弾性変形する。つまり、アウターチューブ2は、その内径が小さくなるように変形することにより、インナーチューブ3を外側から締め付けて保持する。このようにして、インナーチューブ3は、アウターチューブ2に対して固定される。
【0078】
(ステアリングホイール9の軸方向の位置の調整)
図1を参照して、運転手がレバー8を操作してレバー8をロック解除位置に移動させた場合、カム81は、レバー8の回転によって左方に移動する。カム81の左方への移動に伴って、ボルト85の頭部86とナット88とにより挟み込む力が弱まる。この結果、クランプブラケット4Aとクランプブラケット4Bとの間隔が広がるため、アウターチューブ2によるインナーチューブ3の締め付けが解除される。インナーチューブ3の締め付けが解除されることに伴って、インナーチューブ3は、アウターチューブ2に対して軸方向に相対的に移動することができる。運転手は、ステアリングホイール9を軸方向に移動させることにより、ステアリングホイール9の軸方向の位置を調整することができる。
【0079】
(ステアリングホイール9の上下方向の位置の調整)
上述のように、レバー8がロック位置にある場合、チルトブラケット5の腕部51Aと腕部51Bとの間隔が狭くなる。つまり、チルトブラケット5の腕部51Aがクランプブラケット4Aの側壁部41Aを左方に押圧することにより、チルトブラケット5の腕部51Aとクランプブラケット4Aの側壁部41Aとの間に働く摩擦力が増加する。チルトブラケット5の腕部51Bがクランプブラケット4Aの側壁部41Bを右方に押圧することにより、チルトブラケット5の腕部51Bとクランプブラケット4Bの側壁部41Bとの間に働く摩擦力が増加する。
【0080】
この結果、クランプブラケット4A,4Bが、チルトブラケット5に対して上下方向に移動することができないため、ステアリングホイール9が上下方向に移動することが記載される。
【0081】
レバー8がロック解除位置にある場合、上述のように、ボルト85の頭部86とナット88とにより挟み込む力が弱まる。チルトブラケット5の腕部51A,51Bがクランプブラケット4A,4Bを挟み込む力が弱まるため、クランプブラケット4A,4Bが固定されたアウターチューブ2は、チルトブラケット5に対して上下方向に対して相対移動することができる。運転手は、ステアリングホイール9を上下方向に移動させることにより、ステアリングホイール9の上下方向の位置を調整することができる。
【0082】
(スリット21,22にかかる応力の低減)
図1を参照して、補強部材7のチューブ接続部71が、スリット22よりも軸方向一方側のアウターチューブ2の外周側面の領域である接続領域26に接続される。補強部材7のブラケット接続部72が、クランプブラケット4Bと接続される。これにより、ねじりの力がアウターチューブ2に加わった場合において、スリット20の軸方向一方側の端部に加わる応力を低減することができる。
【0083】
最初に、ステアリング装置100が補強部材7を備えていないと仮定した場合において、スリット20に加わる応力について説明する。
【0084】
上述のように、イグニッションキーが引き抜かれている場合、キーロック孔23に挿入されたロックキーにより、ステアリングホイール9の回転が規制される。ステアリングホイール9の回転が規制されているにもかかわらず、ステアリングホイール9を無理矢理回転させた場合、ねじりの力がアウターチューブ2に加わる。
【0085】
アウターチューブ2に加わったねじりの力は、回転トルクとして、スリット20に伝わる。スリット20のうち、スリット22が、キーロック孔23に最も近いため、アウターチューブ2におけるスリット22の周縁部には、回転トルクに伴う応力が集中する。アウターチューブ2におけるスリット22の周縁部に加わる応力が、アウターチューブ2の機械的強度を超えた場合、アウターチューブ2にひび割れ等の破損が発生する虞がある。
【0086】
しかし、ステアリング装置100が補強部材7を備えている場合、補強部材7のチューブ接続部71は、スリット22よりも軸方向一方側の領域である接続領域26で、アウターチューブ2に接続される。つまり、補強部材7のチューブ接続部71は、アウターチューブ2の外周側面において、スリット20のうちキーロック孔23に最も近いスリット22よりも、キーロック孔23に近い位置に配置される。
【0087】
この結果、アウターチューブ2にねじりの力が加わった場合、回転トルクに伴う応力は、スリット22に加わるよりも前に、アウターチューブ2の外周側面と補強部材7との接続部分に加わる。補強部材7のブラケット接続部72がクランプブラケット4Bの取付部42Bに接続されているため、回転トルクに伴う応力が、補強部材7を介してクランプブラケット4Bに伝わる。この結果、スリット22に加わる応力が低減され、回転トルクに伴う応力が、スリット22に集中することを防ぐことができる。
【0088】
また、レバー8がロック位置にある場合、チルトブラケット5の腕部51A,51Bが、クランプブラケット4A,4Bを挟み込んでいる。チルトブラケット5は、アッパーブラケット6に固定され、アッパーブラケット6は、図示しない車両のフレームに固定されている。このため、補強部材7を介してクランプブラケット4Bに伝わった応力は、チルトブラケット5、アッパーブラケット6を介して車両のフレームに伝わる。補強部材7を介してクランプブラケット4Aに伝わった応力が、アウターチューブ2に再び伝わることを抑制することができるため、ねじりの力によるアウターチューブ2の破壊をさらに防ぐことができる。
【0089】
また、図1を参照して、ステアリング装置100において、回転トルクに伴う応力は、2つの経路で車両のフレームに伝わる。具体的には、回転トルクに伴う応力は、補強部材7を介してクランプブラケット4Bに伝わる経路と、アウターチューブ2の外周側面からクランプブラケット4A,4Bに直接伝わる経路とのいずれかの経路で、車両のフレームに伝わる。回転トルクにともなう応力がアウターチューブ2に残留することが抑制されるため、ねじりの力によるアウターチューブ2の破壊をさらに防ぐことができる。
【0090】
また、補強部材7のチューブ接続部71が、アウターチューブ2の外周側面のうち、スリット20のうち軸方向一方側の端部よりも軸方向一方側の領域である接続領域に接続される。つまり、補強部材7のチューブ接続部71がアウターチューブ2の外周側面における上記領域に接続されているのであれば、スリット20の形状は制限されない。例えば、車両の種類によって、軸方向に関するアウターチューブ2の長さが制限されることにより、スリット20が図2に示す形状と異なる形状となった場合であっても、スリット20の軸方向一方側に加わる応力を低減することができる。
【0091】
また、アウターチューブ2には、スリット21の他にスリット22が形成される。スリット22が形成されることにより、アウターチューブ2は、その内径が小さくなるように弾性変形しやすくなる。従って、軸方向に関するスリット21の長さを短くすることができ、軸方向に関するステアリングコラムの長さを短くすることができる。
【0092】
また、補強部材7において、横方向に関するチューブ接続部71の長さは、横方向に関するスリット22の長さよりも小さい。これにより、アウターチューブ2は、チルトブラケット5の腕部51A,51Bにより横方向に挟み付けられる際に、アウターチューブ2の内径が小さくなるように弾性変形しやすくなり、アウターチューブ2がインナーチューブ2を締め付ける力が増加する。車両の通常運転時において、インナーチューブ3がアウターチューブ2に対して相対的に移動することを防ぐことができる。
【0093】
{変形例}
なお、上記実施の形態では、キーロック孔23が、アウターチューブ2に形成される例を説明したが、これに限られない。キーロック孔23が、アウターチューブ2に形成されていなくてもよい。この場合であっても、ねじりの力が、何らかの原因によって、アウターチューブ2のうちスリット22よりも軸方向一方側の部分に加わった場合であっても、スリット22の周縁部に加わる応力を低減することができる。
【0094】
また、上記実施の形態において、スリット22がアウターチューブ2に形成される例を説明したが、これに限られない。スリット22がアウターチューブ2に形成されていなくてもよい。この場合、ねじりの力がアウターチューブ2に加わった場合、スリット21の軸方向一方側の端部の周縁部に加わる応力を低減することができる。
【0095】
また、上記実施の形態において、チルトブラケット5の腕部51A,51Bがクランプブラケット4A,4Bを挟み込んでいる場合に、応力が、補強部材7、クランプブラケット4A,4B、チルトブラケット5及びアッパーブラケット6を介して車両のフレームに伝わる例を説明したが、これに限られない。チルトブラケット5の腕部51A,51Bがクランプブラケット4A,4Bを挟み込んでいなくてもよい。この場合では、応力が、クランプブラケット4A,4Bからチルトブラケット5の腕部51A,51Bに伝わらない可能性がある。しかし、応力が補強部材7を介してクランプブラケット4A,4Bに伝わることにより、スリット22の周縁部に加わる応力を低減することができる。
【0096】
また、上記実施の形態において、補強部材7のブラケット接続部72がクランプブラケット4Bに接続される例を説明したが、これに限られない。補強部材7のブラケットの接続部72がクランプブラケット4Aに接続されてもよい。補強部材のブラケット接続部72がクランプブラケット4A,4Bの両者に接続された場合、クランプブラケット4A,4Bの間隔が狭めることが困難となる。このため、補強部材のブラケット接続部72がクランプブラケット4A,4Bのいずれか一方に接続されることが望ましい。
【0097】
また、上記実施の形態において、補強部材7が、横方向に見て略L字状の部材である例を説明したが、これに限られない。補強部材7において、チューブ接続部71が、アウターチューブ2の外周側面のうち、スリット20の軸方向一方側の端部よりも軸方向一方側の接続領域26に接続され、ブラケット接続部72がクランプブラケット4A,4Bのいずれか一方に接続されるのであれば、補強部材7の形状は、特に限定されない。
【0098】
また、上記実施の形態において、スリット22が横方向に延びている例を説明したが、これに限られない。スリット22は、軸方向に交差する方向に延びていればよい。この場合であっても、アウターチューブ2は、その内径が小さくなるように弾性変形しやすくなるため、軸方向に関するステアリングコラムの長さを短くすることができる。
【0099】
また、上記実施の形態において、横方向に関するチューブ接続部71の長さが、横方向に関するスリット22の長さよりも小さい例を説明したが、これに限られない。スリット22の延びる方向に関するチューブ接続部71の長さが、スリットの22の延びる方向に関するスリット22の長さよりも大きくてもよい。この場合であっても、スリット22の周縁部に加わる応力を低減することができる。
【0100】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
100 ステアリング装置
2 アウターチューブ
3 インナーチューブ
4A,4B クランプブラケット
5 チルトブラケット
6 アッパーブラケット
7 補強部材
8 レバー
9 ステアリングホイール
20,21,22 スリット
23 キーロック孔
26 接続領域
51A、51B 腕部
71 チューブ接続部
72 ブラケット接続部
図1
図2
図3
図4