特開2018-188627(P2018-188627A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-188627エピラム処理剤およびそのようなエピラム処理剤を用いたエピラム処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-188627(P2018-188627A)
(43)【公開日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】エピラム処理剤およびそのようなエピラム処理剤を用いたエピラム処理方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/02 20060101AFI20181102BHJP
   C08F 297/00 20060101ALI20181102BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20181102BHJP
   C09D 153/00 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 3/10 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 3/04 20060101ALI20181102BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20181102BHJP
【FI】
   C09D201/02
   C08F297/00
   C08L101/02
   C09D153/00
   B05D7/24 302G
   B05D7/24 302V
   B05D7/24 302L
   B05D3/10 F
   B05D7/24 302P
   B05D7/24 302Y
   B05D7/24 302X
   B05D7/24 302J
   B05D7/24 302R
   B05D3/06 102Z
   B05D3/02 Z
   B05D3/12 Z
   B05D3/10 Z
   B05D3/04 Z
   B05D5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】47
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-81181(P2018-81181)
(22)【出願日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】17169633.9
(32)【優先日】2017年5月5日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ルトンドール
(72)【発明者】
【氏名】クレール・ラヌー
【テーマコード(参考)】
4D075
4J002
4J026
4J038
【Fターム(参考)】
4D075AB01
4D075BB01Z
4D075BB21Z
4D075BB46Z
4D075BB56Z
4D075BB61Z
4D075BB65Z
4D075BB79Z
4D075CA37
4D075CA47
4D075CA48
4D075DB01
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4D075EB35
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4D075EB39
4D075EB43
4D075EB51
4J002AA011
4J002BP001
4J002GH02
4J002HA04
4J026HA11
4J026HA19
4J026HA20
4J026HA29
4J026HA32
4J026HA38
4J026HA40
4J026HA42
4J026HA45
4J026HB11
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4J026HB29
4J026HB32
4J026HB38
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4J026HD11
4J026HD23
4J026HE01
4J026HE06
4J038CQ001
4J038GA06
4J038GA13
4J038GA15
4J038NA06
4J038NA07
4J038PB06
4J038PC01
4J038PC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水性エピラム処理浴を使用して、生態学的なエピラム処理方法を可能にするエピラム処理剤を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの化合物を含有する、エピラム処理剤であって、該化合物にエピラム特性を付与するように配置された少なくとも疎水性および疎油性の部分と、該化合物を水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分とを含んでなり、該親水性部分は少なくとも1つの切断可能な基によって該化合物と結合している、エピラム処理剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの化合物を含有する、エピラム処理剤であって、
該化合物にエピラム特性を付与するように配置された少なくとも疎水性および疎油性の部分と、該化合物を水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分とを含んでなり、該親水性部分は少なくとも1つの切断可能な基によって該化合物と結合している、エピラム処理剤。
【請求項2】
前記疎水性および疎油性の部分は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ハロゲン化されたC1−C20炭素部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエピラム処理剤。
【請求項3】
前記疎水性および疎油性の部分は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、フッ素化されたC1−C20炭素部分を含むことを特徴とする、請求項2に記載のエピラム処理剤。
【請求項4】
前記親水性部分は、グリコールエーテルから誘導される部分、アミンから誘導される部分、アルコールから、カルボン酸から、スルホン酸から、ホスホン酸から、カルボン酸塩から、スルホン酸塩から、およびホスホン酸塩から誘導される部分を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のエピラム処理剤。
【請求項5】
グリコールエーテルから誘導される前記部分は、ポリエーテルから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項4に記載のエピラム処理剤。
【請求項6】
ポリエーテルから誘導される前記部分は、ポリエチレングリコール(PEG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項5に記載のエピラム処理剤。
【請求項7】
ポリエーテルから誘導される前記部分は、ポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項5に記載のエピラム処理剤。
【請求項8】
アミンから誘導される前記部分は、ポリアミンから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項4に記載のエピラム処理剤。
【請求項9】
前記切断可能な基は、UV処理、熱処理、機械的刺激処理、酵素処理、および化学的トリガー処理を含む群から選択される処理の少なくとも1つによって切断され得る基であることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載のエピラム処理剤。
【請求項10】
前記切断可能な基は、ニトロベンジルエステルから誘導される部分、ディールス・アルダー付加物、およびジチオ官能基を含んでなる部分を含む群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載のエピラム処理剤。
【請求項11】
前記関連親水性部分を有する前記切断可能な基は、前記化合物と直鎖状または分岐状の構造を形成することを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれかに記載のエピラム処理剤。
【請求項12】
前記疎水性および疎油性の部分は、前記化合物と直鎖状または分岐状の構造を形成することを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載のエピラム処理剤。
【請求項13】
それらの主鎖による共有結合によって連結された、M単位と、N単位と、任意選択により、少なくとも1つのP単位とを含んでなるコポリマーであって、ここで、
Mは
【化1】
であり、Nは
【化2】
であり、Pは
【化3】
である
[式中、
1、R2、R3は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、C1−C10アルキル基、C1−C10アルケニル基であり;
W、Xは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ヘテロ原子からまたは少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から形成されたスペーサーアームであり;
Yは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、少なくとも1つの切断可能な基を含んでなる部分であり;
Aは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された親水性部分であり;
Lは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ハロゲン化されたC1−C20炭素部分であり;
Qは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、CH3、少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素鎖である]
、コポリマー。
【請求項14】
1、R2、R3は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、HまたはCH3であることを特徴とする、請求項13に記載のコポリマー。
【請求項15】
Lは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、フッ素化されたC1−C20炭素部分であることを特徴とする、請求項13に記載のコポリマー。
【請求項16】
それらの主鎖による共有結合によって連結された、少なくとも1つのP単位を任意選択により含んでなる、N単位からなる少なくとも1つのブロックと、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分を含んでなる少なくとも1つのブロックとを含んでなり、該ブロックは、少なくとも1つの切断可能な基Yにより共有結合によって互いに結合している(ここで、N、PおよびYは上記で定義した通りである)、ブロックコポリマー。
【請求項17】
少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックは、グリコールエーテルから誘導される少なくとも1つの部分、およびアミンから誘導される部分を含む群から選択されるA’部分であり、該ブロックコポリマーは式(III):
【化4】
に対応することを特徴とする、請求項16に記載のブロックコポリマー。
【請求項18】
グリコールエーテルから誘導される前記A’部分は、ポリエーテルから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項17に記載のブロックコポリマー。
【請求項19】
ポリエーテルから誘導される前記A’部分は、ポリエチレングリコール(PEG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項18に記載のブロックコポリマー。
【請求項20】
ポリエーテルから誘導される前記A’部分は、ポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項18に記載のブロックコポリマー。
【請求項21】
アミンから誘導される前記A’部分は、ポリアミンから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項17に記載のブロックコポリマー。
【請求項22】
少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックは、それらの主鎖による共有結合によって連結されたG単位を含んでなり、
ここで、Gは
【化5】
[式中、
4は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、C1−C10アルキル、C1−C10アルケニル基であり;
Zは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ヘテロ原子からまたは少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から形成されたスペーサーアームであり;
Aは、上記で定義した通りである]
であることを特徴とする、請求項16に記載のブロックコポリマー。
【請求項23】
4は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、CH3であることを特徴とする、請求項22に記載のブロックコポリマー。
【請求項24】
W、X、Zは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、C1−C20エステル基、アミド基、およびスチレンから誘導される基を含む群から選択されることを特徴とする、請求項13から請求項23のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項25】
W、X、Zは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、C2−C10エステル基であることを特徴とする、請求項24に記載のコポリマー。
【請求項26】
Yは、UV処理、熱処理、機械的刺激処理、酵素処理、および化学的トリガー処理を含む群から選択される処理の少なくとも1つによって切断され得る基を含んでなる部分であることを特徴とする、請求項13から請求項25のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項27】
Yは、ニトロベンジルエステルから誘導される部分、ディールス・アルダー付加物、およびジチオ官能基を含んでなる部分を含む群から選択される切断可能な基を含んでなる部分であることを特徴とする、請求項26に記載のコポリマー。
【請求項28】
Aは、グリコールエーテルから誘導される部分、アミンから誘導される部分、アルコールから、カルボン酸から、スルホン酸から、ホスホン酸から、カルボン酸塩から、スルホン酸塩から、およびホスホン酸塩から誘導される部分を含む群から選択される親水性部分であることを特徴とする、請求項13から請求項27のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項29】
グリコールエーテルから誘導される前記A部分は、ポリエーテルから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項28に記載のコポリマー。
【請求項30】
ポリエーテルから誘導される前記A部分は、ポリエチレングリコール(PEG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項29に記載のコポリマー。
【請求項31】
ポリエーテルから誘導される前記A部分は、ポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分であることを特徴とする、請求項29に記載のコポリマー。
【請求項32】
アミンから誘導される前記A部分は、ポリアミンから誘導される部分の形態をとることを特徴とする、請求項28に記載のコポリマー。
【請求項33】
LはC2−C20炭素部分であることを特徴とする、請求項13から請求項32のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項34】
LはC4−C10炭素部分であることを特徴とする、請求項33に記載のコポリマー。
【請求項35】
Lは少なくとも部分的にフッ素化された部分であることを特徴とする、請求項13から請求項34のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項36】
Lは完全にフッ素化された部分であることを特徴とする、請求項35に記載のコポリマー。
【請求項37】
Qは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、アンカー部分を形成し、かつチオール、チオエーテル、チオエステル、スルフィド、チオアミド、シラノール、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、ヒドロキシル、ホスフェート、保護または非保護のホスホン酸、保護または非保護のホスホネート、アミン、アンモニウム、含窒素複素環、カルボン酸、無水物、カテコールを含む群から選択されることを特徴とする、請求項13から請求項36のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項38】
前記化合物は請求項13から請求項37のいずれかに記載のコポリマーである、請求項1に記載のエピラム処理剤。
【請求項39】
少なくとも50容量%の水と、請求項1から請求項12または請求項38のいずれかに記載の可溶化されるエピラム処理剤とを含んでなる、エピラム処理浴。
【請求項40】
基体表面の少なくとも一部分をエピラムでコーティングするための方法であって:
a)少なくとも50容量%の水を含む溶液中に、請求項1から請求項12のいずれかに記載の少なくとも1つのエピラム処理剤を可溶化するかまたは請求項13から請求項37に記載の少なくとも1つのコポリマーを含めることにより、エピラム処理浴を調製する工程、
b)任意選択により、基体表面を調製する工程、
c)その基体表面を前記エピラム処理浴中で前記エピラム処理剤と接触させる工程、
d)任意選択により、乾燥させる工程、
e)開裂により前記エピラム処理剤から前記親水性部分を分離する工程、
f)前記基体表面を洗い流す工程、
g)乾燥させる工程
を含む、方法。
【請求項41】
前記親水性部分から前記親水性残基がなくなるまで工程e)およびf)を繰り返すことを特徴とする、請求項40に記載のエピラム処理方法。
【請求項42】
工程f)は、少なくとも50%の水を含む溶液中で行われることを特徴とする、請求項40および請求項41のいずれかに記載のエピラム処理方法。
【請求項43】
その少なくとも一部がエピラムでコーティングされた表面を有する基体であって、該エピラムは、請求項1から請求項12のいずれかに記載のエピラム処理剤を開裂させるかまたは請求項13から請求項37に記載の少なくとも1つのコポリマーを含めることにより得られ、該エピラムは、少なくとも疎水性および疎油性の部分と、少なくとも1つの親水性部分を前記化合物に連結するために使用された切断可能な基の少なくとも1つの残部とを含む少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする、基体。
【請求項44】
前記エピラムは、それらの主鎖による共有結合によって連結された、N単位、および任意選択により、少なくとも1つのP単位と、切断可能な基の少なくとも1つの残部とを含んでなるコポリマー(ここで、NおよびPは上記で定義した通りである)の形態の少なくとも1つの化合物を含んでなることを特徴とする、請求項43に記載の基体。
【請求項45】
前記切断可能な基の残部は、前記コポリマーの主鎖の末端または前記コポリマーの側鎖の末端にあることを特徴とする、請求項44に記載の基体。
【請求項46】
その少なくとも一部が前記エピラムでコーティングされたその表面は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属炭化物、ポリマー、ダイヤモンド、サファイア、ルビー、石英、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、およびそれらの合金を含む群から選択される材料から作られていることを特徴とする、請求項43から請求項45のいずれかに記載の基体。
【請求項47】
請求項43から請求項46のいずれかに記載の基体を含んでなる要素を含んでなる時計または宝飾品部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械学の分野、特に、時計製作法または宝飾品の分野に関する。本発明は、より詳細には、エピラム処理剤、コポリマー、および基体、特に、そのようなエピラム処理剤からまたはそのようなコポリマーから誘導されるエピラムで少なくとも部分的にコーティングされた表面を含んでなる時計または宝飾品部品の要素用の基体に関する。本発明はまた、そのような基体をエピラムでコーティングするための方法、およびそのような基体を含んでなる要素を含んでなる時計または宝飾品部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ある特定の表面特性を特異的に改善するために、適当な薬剤を用いた処理により基体の表面状態を改質する様々な方法がある。例えば、機械学の分野、特に、時計製作法の分野だけでなく、宝飾品の分野でも、使用中の前記表面の表面エネルギーを制御および低減するために、部品または要素の表面のエピラム処理がエピラム処理剤を用いてしばしば行われる。より具体的には、エピラムの目的は、処理した表面の所定の場所に滑沢剤を残存させる疎水性および撥油性(lipophobic)(または疎油性の)表面を形成することにより時計要素または宝飾品部品への油類または滑沢剤の拡散を防ぐことである。
【0003】
標準的なエピラム処理方法は浸漬コーティング法である。この方法は、時計をエピラム処理浴、すなわち、エピラム処理剤の溶媒溶液に浸漬することからなる。エピラム処理に現在使用されている永続的で効果的なエピラム処理剤は、少なくとも部分的にフッ素化されている。その結果、このような薬剤を構成する分子は、フッ素化された溶媒以外の溶媒に不溶性または難溶性である。従って、エピラム処理浴は、フッ素化溶媒に基づくものでなければならず、そのため、生態学的ではない。また、エピラム処理浴は、蒸気回収および再処理を伴う密閉系設備を使用する必要があり、これによりコストが相当に高くなる。
【0004】
この問題を克服するために、提案された解決策は、より低度にフッ素化された分子を含んでなり、有機溶媒、例えば、イソプロピルアルコールなどに可溶化され得るエピラム処理剤を開発することであった。しかしながら、被着したエピラムは洗浄に耐性を示し、そのエピラム効果は時計製作法の要件を満たさない。さらに、使用される有機溶媒にも可燃性および毒性などの欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既知のエピラム処理剤および既知のエピラム処理プロセスの様々な欠点を克服することである。
【0006】
より具体的には、本発明の目的は、水性エピラム処理浴を使用して、生態学的なエピラム処理方法を可能にするエピラム処理剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、該化合物にエピラム特性を付与するように配置された少なくとも疎水性および疎油性の部分と、該化合物を水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分とを含み、該親水性部分は少なくとも1つの切断可能な基によって該化合物と結合している少なくとも1つの化合物を含有するエピラム処理剤に関する。
【0008】
本発明はまた、それらの主鎖による共有結合によって連結された、M単位と、N単位と、任意選択により、少なくとも1つのP単位とを含んでなるコポリマーであって、ここで、
Mは
【0009】
【化1】
【0010】
であり、Nは
【0011】
【化2】
【0012】
であり、Pは
【0013】
【化3】
【0014】
である
[式中、
1、R2、R3は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、C1−C10アルキル基、C1−C10アルケニル基、好ましくは、H、CH3であり;
W、Xは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ヘテロ原子からまたは少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から形成されたスペーサーアームであり;
Yは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、少なくとも1つの切断可能な基を含んでなる部分であり;
Aは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された親水性部分であり;
Lは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ハロゲン化された、好ましくは、フッ素化された、C1−C20炭素部分であり;
Qは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、CH3、少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい、好ましくは、Aとは異なる、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素鎖である]
コポリマーも含んでなる。
【0015】
本発明はまた、それらの主鎖による共有結合によって連結された、N単位、および任意選択により、少なくとも1つのP単位からなる少なくとも1つのブロックと、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分を含んでなる少なくとも1つのブロックとを含んでなり、該ブロックは、少なくとも1つの切断可能な基Yにより共有結合によって互いに結合している(ここで、N、PおよびYは上記で定義した通りである)ブロックコポリマーに関する。
【0016】
特に好ましい様式では、本発明によるエピラム処理剤は、上記で定義したコポリマーの1つによって形成された少なくとも1つの化合物を含む。
【0017】
このようなエピラム処理剤は、経済的かつ生態学的なエピラム処理方法を得るために水性エピラム処理浴を使用することを可能にする一方、効率的かつ永続的なエピラム効果を提供する。
【0018】
本発明はまた、少なくとも50容量%の水と、上記で定義したエピラム処理剤とを含むエピラム処理浴に関する。
【0019】
本発明はまた、該化合物にエピラム特性を付与するように配置された少なくとも疎水性および疎油性の部分と、該化合物を水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分とを含み、該親水性部分は少なくとも1つの切断可能な基によって該化合物と結合している化合物のエピラム処理剤としての使用に関する。
【0020】
本発明はまた、上記で定義したコポリマーのエピラム処理剤としての使用に関する。
【0021】
本発明はまた、基体表面の少なくとも一部分をエピラムでコーティングするための方法であって:
a)少なくとも50容量%の水を含む溶液中に、上記で定義した少なくとも1つのエピラム処理剤を可溶化するかまたは上記で定義した少なくとも1つのコポリマーを含めることにより、エピラム処理浴を調製する工程、
b)任意選択により、基体表面を調製する工程、
c)その基体表面を前記エピラム処理浴中で前記エピラム処理剤と接触させる工程、
d)任意選択により、乾燥させる工程、
e)開裂により前記エピラム処理剤から前記親水性部分を分離する工程、
f)前記基体表面を洗い流す工程、
g)乾燥させる工程
を含む方法に関する。
【0022】
本発明はまた、その少なくとも一部がエピラムでコーティングされた表面を有する基体であって、該エピラムは、上記で定義したエピラム処理剤を開裂させるかまたは上記で定義した少なくとも1つのコポリマーを含めることにより得られ、該エピラムは、少なくとも疎水性および疎油性の部分と、少なくとも1つの親水性部分を前記化合物に連結するために使用された切断可能な基の少なくとも1つの残部とを含む少なくとも1つの化合物を含有する基体に関する。
【0023】
本発明はまた、上記で定義した基体を含んでなる要素を含む時計または宝飾品部品に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明によれば、該化合物にエピラム特性を付与するように配置された少なくとも疎水性および疎油性の部分と、該化合物を水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分とを含み、該親水性部分は少なくとも1つの切断可能な基によって該化合物と共有結合によって結合している少なくとも1つの化合物を含有するエピラム処理剤が記載されている。
【0025】
有利には、前記疎水性および疎油性の部分は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ハロゲン化された、好ましくは、フッ素化された、C1−C20炭素部分を含む。
【0026】
本発明において使用される親水性部分は、水分子と(水素、イオン)結合を形成することが可能である。それらは、水溶液、好ましくは、水、中に、前記化合物およびそのエピラム効果の疎水性および疎油性部分を可溶化するために、高極性および親水性であるように選択される。親水性部分の数および/またはサイズは、前記エピラム効果の疎水性および疎油性部分の疎水性効果を一時的にマスキングすることが可能であるように選択される。従って、本発明によるエピラム処理剤は、完全に生態学的な水性エピラム処理浴の形態で使用することができ、生態学的なエピラム処理方法によるエピラム処理剤の被着を可能にする。
【0027】
好ましくは、前記親水性部分は、グリコールエーテルから誘導される部分、アミンから、アルコールから、カルボン酸から、スルホン酸から、ホスホン酸から、カルボン酸塩から、スルホン酸塩から、ホスホン酸塩から誘導される部分を含む群から選択される。
【0028】
特に好ましい様式では、本発明において使用される親水性部分は、ポリエーテル、好ましくは、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールから誘導される部分の形態をとるグリコールエーテルから誘導される部分、またはポリアミンから誘導される部分の形態をとるアミンから誘導される部分である。
【0029】
エピラム処理剤が基体表面に被着したら、その表面に残存する化合物がそのエピラム効果の疎水性および疎油性部分によって所望のエピラム効果を与えるように、水性媒体中への可溶化に使用された親水基を化合物からなくし、基体表面から除去しなければならない。
【0030】
この目的のために、前記親水性部分は、共有結合により親水基を前記化合物に連結する切断可能な基を用いて、切断可能な化学結合により前記化合物と結合している。
【0031】
好ましくは、前記切断可能な基は、UV処理、熱処理、機械的刺激処理、酵素処理、および化学的トリガー処理を含む群から選択される処理の少なくとも1つによって切断され得る基である。エピラム処理剤から親水性部分を分離するための様々な処理は、疎水性および疎油性の部分を含む化合物の残部から分離しなければならない、親水性部分を有する切断可能な基の性質に応じて、個別に、または同時にまたは連続して適用することができる。好ましくは、前記切断可能な基は、UV切断可能な基、熱切断可能な基、機械的刺激により切断可能な基、酵素切断可能な基、および化学的トリガーにより切断可能な基を含む群から選択される。
【0032】
特に好ましい様式では、前記切断可能な基は、
−ニトロベンジルエステルから誘導されるUV切断可能な部分、
【0033】
【化4】
【0034】
となるようなもの、
−熱切断可能なディールス・アルダー付加物、
【0035】
【化5】
【0036】
となるようなもの、
−機械的刺激(例えば、超音波)により切断可能な基、
【0037】
【化6】
【0038】
となるようなもの、
−酵素切断可能な基、例えば、エステラーゼ酵素、
−および化学的トリガーにより切断可能なジチオ官能基を含んでなる部分、
【0039】
【化7】
【0040】
[式中、Rはそのエピラム効果の疎水性および疎油性部分を有する化合物であり、R’は親水性部分である]
となるようなもの
を含む群から選択される。
【0041】
特に好ましい様式では、前記切断可能な基は、ニトロベンジルエステルから誘導される基である。
【0042】
本発明の実施形態によれば、前記関連親水性部分を有する前記切断可能な基は、前記化合物と直鎖状または分岐状の構造を形成することができ、前記疎水性および疎油性部分もまた、前記化合物と直鎖状または分岐状の構造を形成することができ、異なる組合せが可能である。従って、例えば、前記疎水性および疎油性部分と、切断可能な基により前記化合物と結合している前記親水性部分は各々、統計的にまたはブロック単位で分布した、前記化合物の炭素骨格上に側鎖を形成するか、または前記疎水性および疎油性部分は前記化合物の炭素骨格上に側鎖を形成しかつ前記親水性部分は直鎖状構造を形成し、切断可能な基によって前記化合物と結合しているか、または前記疎水性および疎油性部分は前記化合物の炭素骨格上に側鎖を形成しかつ前記親水性部分は切断可能な基によって前記化合物と結合している炭素骨格上に側鎖を形成する。
【0043】
本発明はまた、それらの主鎖による共有結合によって連結された、M単位と、N単位と、任意選択により、少なくとも1つのP単位とを含んでなるコポリマーであって、ここで、
Mは
【0044】
【化8】
【0045】
であり、Nは
【0046】
【化9】
【0047】
であり、Pは
【0048】
【化10】
【0049】
である
[式中、
1、R2、R3は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、C1−C10アルキル基、C1−C10アルケニル基、好ましくは、H、CH3であり;
W、Xは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ヘテロ原子からまたは少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から形成されたスペーサーアームであり;
Yは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、少なくとも1つの切断可能な基を含んでなる部分であり;
Aは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された親水性部分であり;
Lは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ハロゲン化された、好ましくは、フッ素化された、C1−C20炭素部分であり;
Qは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、H、CH3、少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい、好ましくは、Aとは異なる、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素鎖である]
コポリマーも含んでなる。
【0050】
このようなコポリマーを使用して、上記で定義したエピラム処理剤の化合物を形成することができる。
【0051】
好ましくは、前記コポリマーは、MおよびN単位と、任意選択により、P単位のみで形成される。好ましくは、前記コポリマーは、M、NおよびP単位のみで形成される。
【0052】
本発明のコポリマーは、M、NおよびP単位が、それらの主鎖により統計的に連結されている、すなわち、ランダムに分布している統計コポリマーであり得、統計コポリマーはフォーム(I):
【0053】
【化11】
【0054】
で書くことができるようなものである。
【0055】
本発明のコポリマーはまた、それらの主鎖による共有結合によって連結された、M単位からなる少なくとも1つのブロックと、それらの主鎖による共有結合によって連結された、少なくとも1つのP単位を任意選択により含んでなる、N単位からなる少なくとも1つのブロックとを含んでなり、前記ブロックは、直鎖状配列でそれらの主鎖による共有結合によって互いに結合している、ブロックコポリマーであり得る。
【0056】
前記ブロックコポリマーはフォーム(II):
【0057】
【化12】
【0058】
で書くことができる。
【0059】
好ましくは、前記ブロックコポリマーは、M単位からなる単一ブロックと、少なくとも1つのP単位を任意選択により含んでなる、N単位からなる単一ブロックとを含んでなる。好ましくは、前記M単位は、統計共重合により分布して、M単位を含んでなる単一ブロックを形成する。
【0060】
前記P単位は、N単位から形成されたブロック内に、例えば、P単位とN単位との統計共重合により、分布し得、その集合体は、好ましくは、大部分がN単位から形成された単一ブロックを形成し、N単位からなるブロックに組み込まれる。
【0061】
前記P単位はまた、第3のブロックの形態であり得、P単位からなるブロックは、直鎖状配列でそれらの主鎖による共有結合によって、好ましくは、N単位からなるブロックに接続され、次に、M単位からなるブロックに接続される。前記ブロックコポリマーは、以下のフォーム:
【0062】
【化13】
【0063】
で書くことができる。
【0064】
好ましくは、前記A部分は、好ましくは、ポリエーテルから誘導される部分、好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分の形態をとるグリコールエーテルから誘導される部分、好ましくは、ポリアミンから誘導される部分の形態をとるアミンから誘導される部分、アルコールから、カルボン酸から、スルホン酸から、ホスホン酸から、カルボン酸塩から、スルホン酸塩からおよびホスホン酸塩から誘導される部分を含む群から選択される親水性部分である。ポリエーテルまたはポリアミンから誘導される部分は、好ましくは、2〜100単位の間、より選好的には、5〜30単位の間を含む。より特に好ましい様式では、Aは、好ましくは、2〜100単位の間、より選好的には、5〜30単位の間を含んでなる、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分である。
【0065】
本発明はまた、それらの主鎖による共有結合によって連結された、少なくとも1つのP単位を任意選択により含んでなる、N単位からなる少なくとも1つのブロックと、該コポリマーを水性媒体に可溶性にするように配置された少なくとも1つの親水性部分を含んでなる少なくとも1つのブロックとを含んでなり、該ブロックは、少なくとも1つの切断可能な基Yにより共有結合によって互いに結合している(ここで、N、PおよびYは上記で定義した通りである)ブロックコポリマーに関する。
【0066】
このようなコポリマーを使用して、上記で定義したエピラム処理剤の化合物を形成することができる。
【0067】
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックは、好ましくは、ポリエーテルから誘導される部分、好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分の形態をとるグリコールエーテルから誘導される少なくとも1つの部分、および好ましくは、ポリアミンから誘導される部分の形態をとるアミンから誘導される部分を含む群から選択されるA’部分である。前記ブロックコポリマーは、フォーム(III):
【0068】
【化14】
【0069】
で書くことができる。
【0070】
好ましくは、前記親水性部分A’は、1〜200単位の間、より選好的には5〜100単位の間、さらに選好的には、10〜50単位の間を含んでなる。特に好ましい様式では、A’は、好ましくは、1〜200単位の間のエチレンまたはプロピレングリコールを含んでなる、グリコールエーテルから誘導される部分である。選好的には、A’は、好ましくは、2〜200単位の間のエチレンまたはプロピレングリコール、より選好的には、5〜100単位の間、さらに選好的には、10〜50単位の間を含んでなる、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)から誘導される部分である。
【0071】
別の変形実施形態によれば、少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックは、それらの主鎖による共有結合によって連結されたG単位を含んでなり、
ここで、Gは
【0072】
【化15】
【0073】
[式中、
4は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、C1−C10アルキル、C1−C10アルケニル基、好ましくは、H、CH3であり;
Zは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、ヘテロ原子からまたは少なくとも1つの炭素原子を含んでなりかつ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでよい直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から形成されたスペーサーアームであり;
Aは、上記で定義した通りである]
である。
【0074】
このブロックコポリマーは、フォーム(IV):
【0075】
【化16】
【0076】
で書くことができる。
【0077】
前記A部分は、例えば、G単位を含んでなる少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックが、ポリエーテル官能性ポリ(メタ)アクリレート、好ましくは、PEG官能性もしくはPPG官能性ポリ(メタ)アクリレートから、ポリアミン官能性ポリ(メタ)アクリレートから、アミン官能性ポリ(メタ)アクリレートから、アルコール官能性ポリ(メタ)アクリレートから、カルボン酸官能性ポリ(メタ)アクリレートから、スルホン酸官能性ポリ(メタ)アクリレートから、ホスホン酸官能性ポリ(メタ)アクリレートから、カルボキシレート官能性ポリ(メタ)アクリレートから、スルホネート官能性ポリ(メタ)アクリレートから、ホスホネート官能性ポリ(メタ)アクリレートから、PEG官能性もしくはPPG官能性ポリスチレンから、ホスホネート官能性ポリスチレンから、スルホネート官能性ポリスチレンから、ホスホン酸官能性ポリスチレンから、またはスルホン酸官能性ポリスチレンから誘導される部分であるように、上記で定義した通りである。「(メタ)アクリレート」という表現は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
【0078】
好ましくは、G単位を含んでなる少なくとも1つの親水性部分を含んでなる前記ブロックは、PEG官能性もしくはPPG官能性ポリ(メタ)アクリレートからまたはPEG官能性もしくはPPG官能性ポリスチレンから誘導される部分である。
【0079】
単位zの数は、少なくとも2であり、好ましくは、5〜200単位の間、より選好的には、10〜100の間で構成される。
【0080】
前記A’ブロックおよびG単位を含んでなる前記ブロックは、少なくとも1つのP単位を任意選択により含んでなる、N単位からなるブロックとともに使用して、トリブロックコポリマーを形成することができる。
【0081】
上記で定義した全てのコポリマーについて、同一または異なるW、X、Z部分は、有利には、C1−C20、好ましくは、C2−C10、より選好的には、C2−C6、さらに選好的には、C2−C5エステル基、好ましくは、アルキルエステル基を含む群から選択され、アルキルエステル基は、好ましくは、直鎖状の、アミド基およびスチレンから誘導される基である。
【0082】
好ましくは、Yは、UV処理、熱処理、機械的刺激処理、酵素処理、および化学的トリガー処理を含む群から選択される処理の少なくとも1つによって切断され得る基を含んでなる部分である。エピラム処理剤から親水性部分を分離するための様々な処理は、疎水性および疎油性の部分を含む化合物の残部から分離しなければならない、親水性部分を有する、切断可能な基の性質に応じて、個別に、または同時にまたは連続して、適用することができる。特に好ましい様式では、Yは、UV切断可能な基、熱切断可能な基、機械的刺激により切断可能な基、酵素切断可能な基、および化学的トリガーにより切断可能な基を含む群から選択される切断可能な基を含んでなる部分である。好ましくは、Yは、本発明によるエピラム処理剤に関連して上記で定義したような、ニトロベンジルエステルから誘導される部分、ディールス・アルダー付加物、例えば、超音波により、切断可能な基、例えば、エステラーゼにより、切断可能な基およびジチオ官能基を有する部分を含む群から選択される切断可能な基を含んでなる部分である。切断可能な基に応じて、疎水性および疎油性の部分を有する化合物の残部からの親水性部分の分離は、好ましくは、疎水性および疎油性の部分を有する前記化合物に切断可能な基を接続する共有結合を破壊することによって行われ、その結果、切断可能な基分子の本質的な部分が親水基を持ち去るため、疎水性および疎油性の部分を有する化合物中に残っている全てがエピラム処理特性に関して可能な限り最も中性の残部であるようになる。
【0083】
対象となるAまたはA’官能基は、水分子と結合(水素結合、イオン結合)を形成することが可能である。それらは、水溶液、好ましくは、水、中に、前記コポリマーおよびそのL部分を可溶化するために、高極性および親水性であるように選択される。前記AおよびA’部分の数および/またはサイズは、前記L部分の疎水性効果を一時的にマスキングすることが可能であるように選択される。
【0084】
対象となるL官能基は、エピラム効果に関与しており、上記の本発明のエピラム処理剤のエピラム効果の疎水性および疎油性部分に対応する。それらは、少なくとも1つのハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子を含んでなる。好ましくは、Lは、炭素部分、すなわち、好ましくは、ヘテロ原子を有さない、環式であってよい、C2−C20、好ましくは、C4−C10、より選好的には、C6−C9アルキル鎖である。Lは、部分的または完全にハロゲン化されている。有利には、Lは、少なくとも部分的にフッ素化された、好ましくは、完全にフッ素化された部分である。Lはまた、末端基に水素原子を含んでなり得る。Lは、好ましくは、過フッ素化されたアルキル鎖である。
【0085】
P単位の対象となるQ官能基は、前記コポリマーまたは前記エピラム処理剤の特性を改良しかつ/または他の機能を提供するために使用される。有利には、前記コポリマーは、少なくとも2つの異なるQ基を含んでなる。
【0086】
例えば、対象となるQ官能基は、エピラム剤のためのアンカー部分を基体表面に形成するように、エピラムでコーティングすべき基体表面と反応することが可能である。有利には、Q部分はまた、前記コポリマーの末端として提供することができる。例えば、Qは、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、アンカー部分を形成し、かつチオール、チオエーテル、チオエステル、スルフィド、チオアミド、シラノール、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、ヒドロキシル、ホスフェート、保護または非保護のホスホン酸、保護または非保護のホスホネート、アミン、アンモニウム、含窒素複素環、カルボン酸、無水物、カテコール(カテコールまたはニトロカテコール基としての置換または非置換カテコール)を含む群から選択される。
【0087】
別の可能な実施形態では、Qは、得られる接触角を改変するために使用される、アルキル鎖、好ましくは、C8−C20アルキル鎖、または補足的架橋工程(工程h)において架橋点を形成することが可能な鎖であり得る。例えば、前記P単位は、ステアリルメタクリレートから誘導され得る。
【0088】
好ましくは、本発明のコポリマーは、モル百分率で、50%〜99%の間、好ましくは、60%〜95%の間のN単位、0%〜50%の間、好ましくは、0%〜20%の間、より選好的には、0%〜10%の間のP単位を含んでなり、M単位またはG単位が存在する場合には、1%〜50%の間、好ましくは、5%〜40%の間、より選好的には、5%〜30%の間のMまたはG単位を含んでなり、パーセンテージは、単位の総数(w+x+y)または(w+x+z)に対して表される。
【0089】
有利には、前記コポリマーは、10〜350単位の間を含んでなる(w+x+y)または(w+x+z)。
【0090】
親水性ブロックが式IIIによるA’部分である場合、NおよびP単位の組成は、上記組成物と同様である。
【0091】
特に有利な様式では、前記M、NおよびP単位は、エピラム剤の特性を高め、改善するために、より具体的には、基体との親和性の改善を示す汎用エピラム剤を得るために、好ましくは、同種の、複数のA部分と、好ましくは、同種の、複数のL部分と、場合により、同種でもまたは異種でもよい、1つ以上のQ部分を有するように選択される。
【0092】
フォーム(I)の本発明による統計コポリマーは、例えば、以下の構造(la):
【0093】
【化17】
【0094】
を有するコポリマーであり、ここで、P単位はアンカー単位であり、親水基はPEGから誘導され、切断可能な基は、UV切断可能なニトロベンジルエステルから誘導される部分
【0095】
【化18】
【0096】
であり、この部分は、切断後、前記コポリマーの側鎖の形態の−COOH残部を与える。
【0097】
フォーム(II)の本発明によるブロックコポリマーは、例えば、以下の構造(lIa):
【0098】
【化19】
【0099】
を有するブロックコポリマーであり、ここで、NおよびP単位はエピラム効果のBブロックを形成し(P単位はアンカー単位である)、この場合、P単位は、Bブロック内に統計的に分布し、M単位は、親水基が統計的に分布する親水性Aブロックを形成し、前記親水基はPEGから誘導されたものであり、切断可能な基は、UV切断可能なニトロベンジルエステルから誘導される部分
【0100】
【化20】
【0101】
であり、この部分は、切断後、Aブロックコポリマーの側鎖の形態の−COOH残部を与える。このようなコポリマーは、例えば、RAFT(可逆的付加開裂連鎖移動重合)により得られる。この特定の場合、Aブロック内の単位数は、ニトロベンジルエステル官能基(ペンダントCOOH部分)の切断後のエピラムの親水性を制限するために、10を超えない。
【0102】
示されていない別の実施形態では、前記P単位は、アンカー単位であり、共有結合によってエピラムブロックに連結された第3のアンカーブロックを形成する。
【0103】
フォーム(III)の本発明によるブロックコポリマーは、例えば、以下の構造(lIIa):
【0104】
【化21】
【0105】
を有するブロックコポリマーであり、ここで、NおよびP単位はエピラム効果のBブロック(P単位はアンカー単位である)を形成し、この場合、P単位は、Bブロック内に統計的に分布し、親水性AブロックはPEGから誘導される親水性A’部分であり、AブロックとBブロックは、UV切断可能なニトロベンジルエステルから誘導された切断可能な基
【0106】
【化22】
【0107】
によって連結されており、この基は、切断後、ブロックBの主コポリマー鎖の末端に−COOH残部を与える。このようなコポリマーは、例えば、クリック化学によって得ることができるPEG官能性o−ニトロベンジルブロモイソブチレートマクロ開始剤からATRP(原子移動ラジカル重合)により得られる。
【0108】
フォーム(IV)の本発明によるブロックコポリマーは、例えば、以下の構造(IVa):
【0109】
【化23】
【0110】
を有するブロックコポリマーであり、ここで、NおよびP単位は、エピラム効果のBブロックを形成し(以下に示すように、P単位はアンカー単位である)、この場合、P単位は、Bブロック内に統計的に分布し、G単位は、親水基が統計的に分布する親水性Aブロックを形成し、前記親水基はPEGから誘導されたものであり、AブロックとBブロックは、UV切断可能なニトロベンジルエステルから誘導された切断可能な基
【0111】
【化24】
【0112】
によって連結されており、この基は、切断後、ブロックBの主コポリマー鎖の末端に−COOH残部を与える。このようなコポリマーは、例えば、マクロ開始剤からATRP/重合後官能化/ATRP系により得られる。
【0113】
本発明はまた、少なくとも50容量%の水、好ましくは、少なくとも75%、より選好的には、100容量%の水と、上記のエピラム処理剤とを含有するか、または該浴中に可溶化された、上記のコポリマーを含んでなる、エピラム処理浴に関する。
【0114】
本発明はまた、基体表面の少なくとも一部分をエピラムでコーティングするための方法であって:
a)少なくとも50容量%の水、好ましくは少なくとも75容量%の水、より選好的には、100容量%の水を含む溶液中に、上記で定義した少なくとも1つのエピラム処理剤を可溶化するかまたは上記で定義した少なくとも1つのコポリマーを含めることにより、エピラム処理浴を調製する工程、
b)任意選択により、特に、標準的な時計製造業者の方法に従って洗浄することにより基体表面を調製する工程、
c)その基体表面を前記エピラム処理浴中で前記エピラム処理剤と接触させる工程、
d)任意選択により、乾燥させる工程
e)例えば、以下に記載するような少なくとも1つの個別、連続または同時の切断処理によって、前記切断可能な基を切断することにより前記エピラム処理剤から前記親水性部分を分離する工程、
f)前記基体表面を洗い流す工程
g)乾燥させる工程
を含む、方法に関する。
【0115】
工程a)は、他の工程から時間を隔てて実施することができることは明らかである。
【0116】
有利には、工程e)は、使用される切断可能な基に対応する切断技術、またはエピラム処理剤および処理される表面と適合する任意の他の技術に従って、UV照射、熱活性化、機械的刺激(超音波)、酵素処理、化学的トリガー処理によって行われる。
【0117】
有利には、前記親水性部分から前記親水性残基がなくなる、すなわち、前記親水性区分が切り離されるまで工程e)およびf)を繰り返す。例えば、工程e)は、連続してまたは同時に、異なる切断処理を用いて、数回繰り返すことができる。工程e)およびf)は、洗浄し、親水性残基を完全に除去するために、最大5回繰り返すことができる。
【0118】
好ましくは、工程f)は、少なくとも50%の水、好ましくは、少なくとも75%の水、より選好的には、100%の水を含有する溶液中で行われる。
【0119】
好ましくは、使用されるコポリマーの形態に応じて、前記エピラム処理剤は、M単位を形成することが可能なモノマーと、N単位を形成することが可能なモノマー、および任意選択により、少なくとも1つのP単位を形成することが可能なモノマーとの統計共重合またはブロック共重合により調製される。
【0120】
統計共重合技術は、当業者に周知であり、詳細な説明を必要としない。統計共重合に特に好適な重合様式は、溶液中またはエマルジョン中でのフリーラジカル共重合である。
【0121】
第1の実施形態によれば、フォーム(I)の統計共重合は、Y−A側鎖を有するモノマーと、X−L側鎖を有するモノマー、および場合によりW−Q側鎖を有するモノマーとの共重合、好ましくはラジカル共重合によって一段階で得ることができる。
【0122】
別の実施形態によれば、フォーム(I)の統計コポリマーは、適当なY側鎖を有するモノマーと、適当なX側鎖を有するモノマー、および場合により、Qを有することを意図している側鎖を有するモノマーとの共重合、好ましくはラジカル重合によって得ることができ、これらの側鎖は、その後、重合後(官能化後)に、例えば、「クリック化学」によって、対象となるA、L官能基、およびQ基を導入するように修飾される。
【0123】
ブロック共重合に特に好適な重合様式は:
−M単位からなる少なくとも1つのブロックを形成することが可能なモノマーと、
−N単位からなる少なくとも1つのブロックを形成することが可能なモノマー、および任意選択により、少なくとも1つのP単位を形成することが可能なモノマーと
の制御された逐次共重合である。
【0124】
ブロック共重合に特に好適な2つの重合様式は、溶液またはエマルジョン中での、原子移動ラジカル重合(ATRP)および可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)である。
【0125】
第1の実施形態によるフォーム(II)のコポリマーでは、前記ブロックコポリマーは、Y−A側鎖を有するモノマーの、重合、好ましくは、制御されたラジカル重合、続いて、場合によりW−Q側鎖を有するモノマーを含むX−L側鎖を有するモノマーの共重合、好ましくは、制御されたラジカル重合により得られ得る。
【0126】
別の実施形態によれば、フォーム(II)のブロックコポリマーは、適当なY側鎖を有するモノマーの、重合、好ましくは、制御されたラジカル重合、続いて、場合によりQを有することを意図している側鎖を有するモノマーを含む適当なX側鎖を有するモノマーの、共重合、好ましくは、制御されたラジカル重合により得られ得、これらの側鎖は、その後、例えば、「クリック化学」によって、対象となるA、L官能基、およびQ基を導入するように修飾される。
【0127】
フォーム(III)のコポリマーでは、前記A’部分を最初に切断可能な基Yの誘導体で官能化し、その後、この新しい付加物をマクロ開始剤として用いて、N単位および任意選択により、P単位を含有するブロックをATRP制御ラジカル重合により重合する。切断可能な基Yの誘導体は二重機能を有する:前記A’部分への結合を可能にする機能と、もう一方で、PおよびN単位を含んでなるブロックの重合を開始させることができる部分の両方を含んでなる。切断可能な基Yの誘導体を部分A’に導入するために、有利にはクリック化学を使用することができる。
【0128】
フォーム(IV)のコポリマーでは、G単位を含んでなるブロックは、ある官能基を有する開始剤を用いたATRP制御ラジカル重合によって形成される。この官能基は、次に、G単位を含んでなるブロックの末端に切断可能な基Yを導入する役割を果たす。上記のように、さらに、このポリマーは、PおよびN単位を含んでなるブロックの重合のためのマクロ開始剤として働く。
【0129】
好ましくは、前記モノマーは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、ジエン、スチレンおよびオレフィン系モノマーを含む群から選択される。アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルおよびスチレンモノマーが特に好ましい。これらの製品は知られており、市販されているしまたはいくつかの合成工程で得ることもできる。
【0130】
M単位を形成するために特に好ましいモノマーは:
【0131】
【化25】
【0132】
である。
【0133】
G単位を形成するために特に好ましいモノマーは:
【0134】
【化26】
【0135】
である。
【0136】
NおよびP単位を形成するために特に好ましいモノマーは:
【0137】
【化27】
【0138】
である。
【0139】
有利には、本発明のコポリマーは、市販の製品から限られた数の工程で容易に得ることができる。
【0140】
本発明において使用されるコポリマーは、粉末または粘稠液の形態で得ることができる。次いで、それらを水性溶媒の溶液に、好ましくは、50mg/L〜900mg/Lの間に含まれる濃度で入れ、少なくとも50%の水、好ましくは、75%の水を含有する、より選好的には、完全に水系のエピラム処理剤溶液を得ることができ、その溶液は、エピラムコーティングすべき表面の処理に使用される。
【0141】
実施形態によれば、本発明によるエピラム処理方法は、工程g)後に、特に、P単位のQ側鎖に提供される対象となる適当な官能基の存在によって可能となる補足的架橋工程h)をさらに含んでなる。
【0142】
本発明はまた、その少なくとも一部がエピラムでコーティングされた表面を有する基体であって、該エピラムは、上記で定義したエピラム処理剤を開裂させるかまたは上記で定義した少なくとも1つのコポリマーを含めることにより得られ、該エピラムは、少なくとも疎水性および疎油性の部分と、少なくとも1つの親水性部分を前記化合物に連結するために使用された切断可能な基の少なくとも1つの残部とを含む少なくとも1つの化合物を含有する、基体に関する。
【0143】
より詳細には、エピラム処理剤が上記の少なくとも1つのコポリマーを含んでなる場合、そのエピラムは、それらの主鎖による共有結合によって連結された、N単位、および任意選択により、少なくとも1つのP単位と、切断可能な基の少なくとも1つの残部とを含んでなるコポリマー(ここで、NおよびPは上記で定義した通りである)の形態の少なくとも1つの化合物を含んでなる。エピラム処理剤に使用されるコポリマーの形態に応じて、切断可能な基の残部は、コポリマーの主鎖の末端またはコポリマーの側鎖の末端にあり、従って、該コポリマーはエピラム効果の疎水性および疎油性部分のみを含んでなる。
【0144】
使用される切断可能な基に応じて、切断可能な基の残部は、例えば、−COOH、−SH、
【0145】
【化28】
【0146】
、またはコポリマーの主鎖の末端またはコポリマーの側鎖の末端の、別の適当な残部であり、従って、該コポリマーは、唯一または圧倒的にエピラム効果の疎水性および疎油性部分を含んでなる。
【0147】
好ましくは、その少なくとも一部がエピラム剤でコーティングされた基体表面は、金属、ドープまたは非ドープ金属酸化物、ポリマー、ダイヤモンド、サファイア、石英、ルビー、ケイ素、酸化ケイ素、金属窒化物、特に、窒化チタン、窒化ケイ素、金属炭化物、特に、炭化タングステン、金属ホウ化物、特に、ホウ化タンタル、炭化ケイ素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、およびそれらの合金を含む群から選択される材料から作られている。
【0148】
より具体的には、前記基体表面は、鋼、または金、銀、ロジウム、パラジウム、白金などの貴金属、またはアルミニウム、ジルコニウム、チタン、クロム、マンガン、マグネシウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、タングステンのドープもしくは非ドープ金属酸化物、またはポリオキシメチレンまたはアクリルアミド、およびそれらの合金から作られていてよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明による基体は、既知エピラムと比較して、あらゆる基体タイプとの親和性および洗浄に対する改善された耐性を示す、合成が簡単で経済的であるエピラムでコーティングされた表面を有する。本発明による基体を有する要素または部品は、機械学の分野、より詳細には、精密機械学、特に、時計製作法および宝飾品におけるあらゆるタイプの用途に使用し得る。
【0150】
さらに、本発明によるエピラム処理剤またはコポリマーを使用することにより、該エピラム処理剤または該コポリマーは水性エピラム処理浴に可溶性であるため、本発明による方法は生態学的である。
【外国語明細書】
2018188627000001.pdf