【課題】第1構造体に設けた操縦装置からの第1ケーブルと、第2構造体に設けた油圧装置からの第2ケーブルの制御装置に対する配策及び接続の容易化を図った作業機を提供する。
【解決手段】作業機は、第1構造体に設けられた第1電装品と、第1構造体とは別の第2構造体に設けられた第2電装品と、第1電装品に接続された第1ケーブルと、第2電装品に接続された第2ケーブルと、第1電装品と第2電装品とを制御する制御部を有する制御基板を収容可能な制御装置と、を備え、制御装置は、制御基板に接続され且つ第1ケーブルが接続される第1コネクタと、制御基板に接続され且つ第2ケーブルが接続される第2コネクタと、制御基板が収容される筺体であって、第1コネクタを取付ける第1壁部と、第2コネクタを取付ける第2壁部とを有する筐体と、筐体を第1構造体又は第2構造体に取付ける取付部と、を有している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図7は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。
図8は作業機1の概略平面図である。本実施形態では、作業機1としてスキッドステアローダ(SSL)が例示されている。なお、作業機1としては、SSL以外のコンパクトトラックローダ(CTL)やバックホー等の建設機械、トラクタやコンバインなどの農業機械であってもよい。
【0013】
図7、
図8に示すように、作業機1は、 機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5A、5Bとを備えている。キャビン3は、機体2上に搭載されている。
図1に示すように、キャビン3の室内(運転室3A)の後部には運転席6が設けられている。
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者(オペレータ)の前側(
図7、
図8の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(
図7、
図8の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(
図8の矢印A3方向)を左方、運転者の右側(
図8の矢印A4方向)を右方として説明する。
【0014】
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0015】
図1に示すように、機体2は、該機体2の骨格を構成するフレーム2Aを有する。フレーム2Aは、内部に機器を収容可能である。フレーム2Aの前部にキャビン3が搭載されている。言い換えると、フレーム2Aはキャビン3の下部に設けられている。また、フレーム2A(機体2)の内部の後部には原動機E1が設けられている。原動機E1は、ディーゼルエンジン(エンジン)である。なお、原動機E1は、ガソリンエンジンやLPGエンジン或いは電動モータであってもよいし、ディーゼルエンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0016】
原動機E1の前部には、メインポンプP1と、サブポンプP2と、パイロットポンプP3と、走行ポンプP4とが設けられている。これらメインポンプP1、サブポンプP2、パイロットポンプP3及び走行ポンプP4は、原動機E1によって駆動される。
メインポンプP1は、作動油を吐出する油圧ポンプであり、例えば、作業装置4に設けられた油圧シリンダや作業装置4に装着される油圧アタッチメントの油圧アクチュエータ
を駆動するための油圧ポンプである。サブポンプP2は、作動油を増量するための油圧ポンプである。パイロットポンプP3は、主として、信号用の作動油や制御用の作動油を吐出する油圧ポンプである。走行ポンプP4は、走行装置5A,5Bを駆動するための油圧ポンプである。
【0017】
作業機1は、第1構造体と、第2構造体とを含んでいる。第1構造体と第2構造体とは別体であって、第2構造体の上部に第1構造体が設けられている。この実施形態では、第1構造体は、キャビン3であり、第2構造体は、機体2(フレーム2A)である。なお、第1構造体はキャビン3に限定されず、第2構造体は、機体2(フレーム2A)に限定されない。
【0018】
図7、
図8に示すように、作業装置4は、作業を行う装置であり、機体2に装備されている。作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12、制御リンク13と、ブームシリンダC1(油圧アクチュエータ)と、バケットシリンダC2(油圧アクチュエータ)とを有する。
ブーム10は、機体2の左及び右に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。
【0019】
詳しくは、リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダC1は、機体2の左側及び右側に設けられている。リフトリンク12の上部は、ブーム10の基部の上部に枢支されている。リフトリンク12の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。制御リンク13は、リフトリンク12の前方に配置されている。リフトリンク12の一端は、ブーム10の基部の下部に枢支されている。リフトリンク12の他端は、機体2に枢支されている。
【0020】
ブームシリンダC1は、ブーム10を昇降する油圧シリンダである。ブームシリンダC1の上部は、ブーム10の基部の前部に枢支されている。ブームシリンダC1の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。ブームシリンダC1を伸縮すれば、リフトリンク12及び制御リンク13によってブーム10が上下に揺動する。
バケットシリンダC2は、バケット11を揺動する油圧シリンダである。バケットシリンダC2は、バケット11の左部と左のブームとの間を連結すると共に、バケット11の右部と右のブームとの間を連結する。なお、ブーム10の先端(前部)には、バケット11の代わりに、油圧アクチュエータを有する装置である油圧アタッチメントが装着可能である。この油圧アタッチメントは、油圧圧砕機,油圧ブレーカ,アングルブルーム,アースオーガー,パレットフォーク,スイーパー,モア,スノウブロア等である。
【0021】
図7、
図8に示すように、走行装置5Aは、機体2を走行させる装置であって、機体2の左側に設けられている。走行装置5Bは、機体2を走行させる装置であって、機体2の右側に設けられている。走行装置5A、5Bは、前輪及び後輪を有するホイール型の走行装置によって構成されている。なお、走行装置5A、5Bとしてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置であってもよい。
【0022】
図1に示すように、キャビン3は、ルーフ16、前面部17、後面部18、側面部19A、側面部19B及び底壁20を有する。これらのキャビン3の部位は、運転席6を囲む運転室3Aを構成する。
ルーフ16は、運転室3Aの上部を構成する。前面部17は、運転室3Aの前部を構成する。また、前面部17は、運転者が乗降可能な開口を開閉可能に塞ぐフロントガラス17Aを有する。後面部18は、運転室3Aの後部を構成する。また、後面部18は、上部にリヤガラス18Aを有し、下部に収納部21を有する。収納部21は、運転室3Aの空調を行うエアコン本体(図示省略)を収納する部位であって、前縦壁21Aと、後縦壁21Bと、上壁21Cと、下壁21Dとを有する。
【0023】
後面部18の背面の上下中途部には、枢支ブラケット8が設けられている。この枢支ブラケット8は、機体2に固定された支持ブラケット9に枢軸47を介して枢支されている。枢軸47は、機体幅方向に延伸する軸芯を有している。キャビン3は、枢軸47回りに回転させることにより位置変更可能である。詳しくは、キャビン3は、
図1に矢印X1で
示す搭載位置(フレーム2Aに搭載された位置)と、矢印X2で示す持上げ位置(フレーム2Aから上方に離間した位置)とに位置変更可能である。
【0024】
側面部19Aは、運転室3Aの左の側部を構成し、サイドガラス19Cを有する(
図7参照)。側面部19Bは、運転室3Aの右の側部を構成し、サイドガラス(図示省略)を有する。
底壁20は、運転室3Aの底部を構成する。底壁20は、運転室3Aの後部に設けられ、運転席6を支持している。運転室3Aの底部であって、底壁20の前方側は、開放状とされている。底壁20は、前縦壁3Aの下端から前方側に延設されている。
【0025】
図1に示すように、キャビン3(第1構造体)には、操縦装置22が設けられている。操縦装置22は、運転席6の近傍に設けられている。
図2に示すように、操縦装置22は、操作レバー23と、操作センサ25と、操作スイッチ24とを有する。
操作レバー23は、ブーム10及びバケット11を操作する部材である。この操作レバー23は、第1方向(前後方向K1)と、第1方向に交差する第2方向(機体幅方向)と、第1方向と第2方向との間の斜め方向とに揺動操作可能である。例えば、第1方向でブーム10が操作され、第2方向でバケット11が操作され、斜め方向でブーム10及びバケット11が同時操作される。
【0026】
操作センサ25は、操作レバー23の操作方向及び操作量を検出する。
操作スイッチ24は、バケット11の代わりに装着される油圧アタッチメント(以下、単に油圧アタッチメントという)を操作するスイッチである。操作スイッチ24は、スライド操作又は揺動操作可能である。
図1に示すように、機体2の内部には、コントロールバルブ15が設けられている。コントロールバルブ15は、作業機1に装備される油圧アクチュエータを制御する油圧装置である。
図2に示すように、コントロールバルブ15は、複数の制御弁V1〜V3を有する。各制御弁V1〜V3は、直動スプール形の方向切替弁であり、且つ、付勢バネの付勢力に抗してスプールを移動させるソレノイド(比例ソレノイド)31を有する電磁比例弁である。
【0027】
複数の制御弁V1〜V3は、本実施形態では、第1制御弁V1と、第2制御弁V2と、第3制御弁V3である。第1制御弁V1は、ブームシリンダC1を制御する。第2制御弁V2は、バケットシリンダC2を制御する。第3制御弁V3は、油圧アタッチメントを制御する。
さて、キャビン3内には、第1電装品が設けられ、機体2(フレーム2A)には第2電装品に設けられている。第1電装品は、操縦装置22を含む機器であって、操縦装置22の操作量を検出して後述する制御装置26(制御部27)に出力する機器である。この実施形態では、第1電装品は、例えば、操作スイッチ24,操作センサ25等である。
また、第2電装品は、コントロールバルブ15等の油圧装置に含まれる機器であって、制御装置26(制御部27)が操作量に基づいて演算した制御信号に基づいて油圧装置を作動させる機器である。この実施形態では、第2電装品は、ソレノイド31である。
【0028】
図2に示すように、作業機1は、制御装置26を有する。制御装置26は、制御基板29を有する。制御基板29は、第1電装品(操作スイッチ24,操作センサ25)と第2電装品(ソレノイド31)とを制御する制御部27を有する。制御部27は、基板本体29Aに実装された複数の電子部品を有する。この複数の電子部品は、CPU(中央演算処理ユニット)やメモリやソレノイド31を駆動する電子回路(ドライバ)等である。
【0029】
操作センサ25及び操作スイッチ24等の第1電装品には、第1ケーブル28が接続され、この第1ケーブル28を介して操作センサ25及び操作スイッチ24が制御装置26に接続されている。
操作センサ25は、検出した操作レバー23の操作方向及び操作量を検出信号として制御部27に出力する。操作スイッチ24は、該スイッチ24の操作方向及び操作量を検出して制御部27に出力する。
【0030】
また、各比例ソレノイド31等の第2電装品には、第2ケーブル32が接続され、この第2ケーブル32を介して各比例ソレノイド31が制御装置26に接続されている。
制御部27は、第1電装品(操作スイッチ24,操作センサ25)からの操作方向の信号に基づいて、操作対象の制御弁V1〜V3の比例ソレノイド31を選定する。また、制御部27は、第1電装品からの操作量の信号に基づいて演算した制御信号を操作対象の制御弁V1〜V3の比例ソレノイド31に出力する。比例ソレノイド31は、制御部27から出力された制御信号に基づいて操作対象の制御弁V1〜V3(油圧装置)を作動させる。
【0031】
ここで操縦装置22によって第1制御弁V1を操作してブーム10を動作させる場合について説明する。
操作レバー23を第1方向に所定量操作すると、操作方向及び操作量を操作センサ25が検出して検出信号を制御装置26(制御部27)に出力する。制御部27は、検出信号を取得すると、操作方向の信号に基づいて該操作方向に対応するブーム制御弁V1の比例ソレノイド31を選定すると共に、この選定された比例ソレノイド31に対して、操作量の信号に基づいて演算した制御信号を出力する。この制御信号によって、ブーム制御弁V1のスプールが操作量に比例して中立位置から操作方向に対応する方向に操作される。これによって、ブーム10が、操作レバー23の操作量に比例した速度で操作方向に対応する方向(上げ方向又は下げ方向)に動かされる。バケット11、ブーム10及びバケット11、又は油圧アタッチメントを操作する場合も同様である。
【0032】
図1に示すように、制御装置26は、運転席6の後方であって底壁20上に取り付けられている。
図3、
図4、
図5に示すように、制御装置26は、制御基板29を収容する筺体33を有する。言い換えると、制御装置26は、制御基板29を収容可能である。筺体33は、一面が開放した矩形の箱状に形成されている。本実施形態では、筺体33は、後面が開放している。また、筺体33は、上下の方向である縦方向に対して、該縦方向に直交する横方向の寸法が長い矩形状である。この筺体33の横方向は、機体幅方向(前後方向に直交する水平方向)に略一致する。
【0033】
筺体33は、第1壁部33Aと、第2壁部33Bと、第3壁部33Cと、第4壁部33Dと、第5壁部33Eとを有する。
第1壁部33Aは、筺体33の上部を構成し、第2壁部33Bは、筺体33の下部を構成する。第1壁部33Aと第2壁部33Bとは、縦方向で対向する。第3壁部33Cは、筺体33の前部を構成し、第1壁部33Aと第2壁部33Bとに接続されている。第4壁部33Dは、筺体33の左部を構成し、第1壁部33Aと第2壁部33Bの左部同士を連結している。第5壁部33Eは、筺体33の右部を構成し、第1壁部33Aと第2壁部33Bの右部同士を連結している。第4壁部33Dと第5壁部33Eとは、横方向で対向する。
【0034】
第1壁部33Aは、後方から前方に向けて凹設されていて平面視で矩形状の切欠き部34Aを有する。切欠き部34Aの縁部には、該縁部の長手方向に沿って係合溝35Aが形成されている。第2壁部33Bは、後方から前方に向けて凹設されていて平面視で矩形状の切欠き部34Bを有する。切欠き部34Bの縁部には、該縁部の長手方向に沿って係合溝35Bが形成されている。
【0035】
図4に示すように、第1壁部33Aには、第1コネクタ36が取り付けられている。即ち、第1コネクタ36は、筺体33の上部に取り付けられている。この第1コネクタ36には、第1ケーブル28の接続コネクタ28Aが接続される(
図6参照)。言い換えると、制御装置26は、第1ケーブル28が接続される第1コネクタ36を有している。第1コネクタ36は、接続コネクタ28Aが接続される接続部36Bを有する。この接続部36Bは、切欠き部34Aに挿入されている。この接続部36B(第1コネクタ36)の切欠き部34Aに挿入された部分には、外方に張り出していて係合溝35Aに係合する鍔部36Aが設けられている。また、接続部36Bは、第1壁部33Aから上方に突出している。第1コネクタ36の下部は、筺体33内に位置している。第1コネクタ36の下部の前部には、基板取付部36Cが下方突出状に設けられている。基板取付部36Cの左及び右には、固定部38が設けられている(
図3参照)。第1コネクタ36は、接続部36B
から基板取付部36Cとにわたって設けられた接続端子39を有する。
【0036】
図4に示すように、第2壁部33Bには、第2コネクタ37が取り付けられている。即ち、第2コネクタ37は、筺体33の下部に取り付けられている。この第2コネクタ37には、第2ケーブル32の接続コネクタ32Aが接続される(
図6参照)。言い換えると、制御装置26は、第2ケーブル32が接続される第2コネクタ37を有している。第2コネクタ37は、接続コネクタ32Aが接続される接続部37Bを有する。この接続部37Bは、切欠き部34Bに挿入されている。この接続部37B(第2コネクタ37)の切欠き部34Bに挿入された部分には、外方に張り出していて係合溝35Bに係合する鍔部37Aが設けられている。また、接続部37Bは、第2壁部33Bから下方に突出している。第2コネクタ37の上部は、筺体33内に位置している。第2コネクタ37の上部の前部には、基板取付部37Cが上方突出状に設けられている。基板取付部37Cの左及び右にも、固定部38が設けられている(
図3参照)。第2コネクタ37は、接続部37Bから基板取付部37Cとにわたって設けられた接続端子40を有する。
【0037】
制御基板29は、基板取付部36Cと基板取付部37Cとにわたって設けられ、固定部38にボルト等によって固定されている。制御基板29には、接続端子39と接続端子40とが接続されている。即ち、第1コネクタ36及び第2コネクタ37は制御基板29に接続されている。
制御基板29は、ポッティング(樹脂ポッティング)によって筺体33に固定されている。ポッティングは、制御基板29を収容した筺体33内にポッティング材46(2液性ウレタン樹脂)を注入し、注入後、恒温槽にてポッティング材46を硬化させることにより行われる。
【0038】
筺体33には、該筺体33を取り付けるための取付部41が設けられている。取付部41は、筺体33(第3壁部33C)の前面(外面)に設けられている。取付部41には、縦方向に延伸する挿通穴42であって、縦方向に貫通する円柱状の縁部で形成された挿通穴42が設けられている。図例では、取付部41は、筺体33の左部及び右部に設けられているが、筺体33の中央部にも設けられていてもよいし、筺体33の左部から右部にわたって設けられていてもよい。
【0039】
図6に示すように、取付部41の挿通穴42には、底壁20を下方から貫通するボルト44が挿通されている。ボルト44の先端側には、ナット45が螺合されている。このボルト44及びナット45を有する締結具によって、制御装置26が底壁20上、即ち、キャビン3(第1構造体)に取り付けられている。また、底壁20には、第2コネクタ37に対応する開口部43であって、第2ケーブル32を第2コネクタ37に接続するための開口部43が形成されている。この開口部43は、底壁20を貫通して形成されている。
【0040】
なお、制御装置26は、運転席6の後方以外の底壁20上に取り付けられていてもよい。また、制御装置26は、底壁20の下方に配置されていてもよい。この場合、制御装置26は、底壁20又はフレーム2Aの内側面等に取り付けられる。要するに、制御装置26(筺体33)は、キャビン3(第1構造体)又はフレーム2A(第2構造体)に取り付けられていればよい。
【0041】
また、第1壁部33A、第2壁部33B、第4壁部33D、第5壁部33Eのうちの、隣り合う2つの壁部の一方に第1コネクタ36を取り付け、他方に第2コネクタ37を取り付けてもよい。
また、第1コネクタ36には、操縦装置22からの第1ケーブル28の他に多数のケーブルが接続され、第2コネクタ37には、コントロールバルブ15(油圧装置)からの第2ケーブル32の他に多数のケーブルが接続される。制御装置26に接続される装置としては、例えば、キャビン3側の装置としてアクセル装置があり、フレーム2A側の装置として該アクセル装置に対応する装置であって原動機E1を制御するECUがある。
【0042】
次に、本実施形態の作業機1の効果について説明する。
作業機1は、第1構造体(キャビン3)に設けられた第1電装品(操作スイッチ24,操作センサ25)と、第1構造体4とは別の第2構造体(フレーム2A)に設けられた第2電装品と、第1電装品24,25に接続された第1ケーブル28と、第2電装品31に
接続された第2ケーブル32と、第1電装品24,25と第2電装品31とを制御する制御部27を有する制御基板29を収容可能な制御装置26と、を備え、制御装置26は、制御基板29に接続され且つ第1ケーブル28が接続される第1コネクタ36と、制御基板29に接続され且つ第2ケーブル32が接続される第2コネクタ37と、制御基板29が収容される筺体33であって、第1コネクタ36を取付ける第1壁部33Aと、第2コネクタ37を取付ける第2壁部33Bとを有する筺体33と、筺体33を第1構造体4又は第2構造体2Aに取付ける取付部41と、を有している。
【0043】
この構成によれば、制御装置26に、第1構造体4に設けられた第1電装品24,25からの第1ケーブル28を接続する第1コネクタ36と、第2構造体2Aに設けられた第2電装品31からの第2ケーブル32を接続する第2コネクタ37とを設けることにより、第1ケーブル28と第2ケーブル32の制御装置26に対する配策及び接続の容易化を図ることができる。
【0044】
また、作業機1は、第1電装品24,25を有し且つ第1構造体4に設けられた操縦装置22と、第2電装品31を有し且つ第2構造体2Aに設けられた油圧装置15と、を備え、第1電装品24,25は、操縦装置22の操作量を検出して制御部27に出力し、第2電装品31は、制御部27が操作量に基づいて演算した制御信号に基づいて油圧装置15を作動させる。
【0045】
この構成によれば、操縦装置22と制御装置26とを接続するケーブル及び油圧装置15と制御装置26とを接続するケーブルの配策及び接続の容易化を図ることができる。
また、筺体33は、第1壁部33Aと第2壁部33Bとに接続された第3壁部33Cを有し、取付部41は、筺体33の第3壁部33Cの外面に設けられている。
この構成によれば、取付部41を設ける位置の自由度を大きくすることができる。
【0046】
また、第1構造体は、機体2に設けられたキャビン3であり、第2構造体は、機体2に設けられ且つキャビン3の下部に設けられたフレーム2Aである。
また、作業機1は、キャビン3の室内に設けられた運転席6を備え、キャビン3は、運転席6を支持する底壁20を有し、制御装置26は、底壁20上に取り付けられる。
この構成によれば、制御装置26に接続されるケーブルを削減することができる。即ち、キャビン3とフレーム2Aとの境目に制御装置26を配置することにより、キャビン3側に配策されるケーブルとフレーム2A側に配策されるケーブルとを整然と配策でき、キャビン3とフレーム2Aとを往復するケーブルを少なくすることでケーブルの削減を図ることができる。
【0047】
また、制御装置26は、運転席6の後方の底壁20上に取り付けられる。
この構成によれば、制御装置26を運転席6の後方の空きスペースに配置することができ、空きスペースの有効利用を図ることができる。また、制御装置26を運転席6の後方に設けることにより、キャビン3に搭載される他の機器の配置を妨げるのを防止できる。
また、キャビン3は、フレーム2Aに搭載された搭載位置X1と、フレーム2Aから上方に離間した持上げ位置X2とに位置変更可能であり、第1コネクタ36は、筺体33の上部に取り付けられ、第2コネクタ37は、筺体33の下部に取り付けられ、底壁20は、第2コネクタ37に対応する開口部43であって、第2ケーブル32を第2コネクタ37に接続するための開口部43を有する。
【0048】
この構成によれば、キャビン3を搭載位置X1から持上げ位置X2に回転させると、開口部43を介して第2コネクタ37に第2ケーブル32を容易に接続することができる。
また、筺体33は、上下の方向である縦方向の寸法に対して該縦方向に直交する横方向の寸法が長い。
この構成によれば、筺体33の高さを抑えることにより、キャビン3の底壁20上に良好に配置することができる。
【0049】
また、横方向は、機体2の前後方向に直交する水平方向に略一致する。
この構成によれば、運転席6の後方にコンパクトに配置することができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。