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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-189483(P2018-189483A)
(43)【公開日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20181102BHJP
   H04H 60/51 20080101ALI20181102BHJP
   H04H 60/42 20080101ALI20181102BHJP
   H04H 60/53 20080101ALI20181102BHJP
   H04H 60/54 20080101ALI20181102BHJP
   H04H 60/27 20080101ALI20181102BHJP
【FI】
   G01C21/26 C
   H04H60/51
   H04H60/42
   H04H60/53
   H04H60/54
   H04H60/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-91771(P2017-91771)
(22)【出願日】2017年5月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏也
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE52
2F129EE57
2F129EE79
2F129EE81
2F129FF03
2F129FF41
2F129FF63
2F129FF65
2F129GG24
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH31
(57)【要約】
【課題】受信装置が移動する場合に、適用地域を指定したサービスの放送開始タイミングに関わらず、移動先の地域に関する情報を報知することができる受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置1は、現在位置から目的までの経路を示す経路情報を取得するナビゲーションユニット25と、第1DABチューナー21により受信された地域指定サービスが、地域指定サービスに含まれる地域指定情報により指定される適用地域に、前記経路が含まれる経路関連サービスであるか否かを判別するサービス種別判別部11と、経路関連サービスに含まれる地域関連情報を、スピーカー28から出力する報知制御部12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適用地域を指定する地域指定情報と、該適用地域に関連した地域関連情報とを含む地域指定サービスを提供する放送を受信する放送受信部と、
現在位置から目的地までの経路を示す経路情報を取得する経路情報取得部と、
情報を報知する情報報知部と、
前記放送受信部により受信された前記地域指定サービスが、該地域指定サービスに含まれる前記地域指定情報により指定された適用地域に、前記経路情報により示される経路が含まれる経路関連サービスであるか否かを判別するサービス種別判別部と、
前記経路関連サービスに含まれる前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する報知制御部と
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
情報を記憶する情報記憶部と、
前記放送受信部により受信された前記地域指定サービスに含まれる前記地域指定情報と前記地域関連情報とを、対応付けて前記情報記憶部に記憶する記憶制御部とを備え、
前記報知制御部は、前記情報記憶部に記憶された前記地域関連情報であって、前記サービス種別判別部により前記経路関連サービスであると判別された前記地域指定サービスに含まれる前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する
ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記報知制御部は、複数の前記経路関連サービスについて、各前記経路関連サービスに含まれる前記地域指定情報と前記地域関連情報とが対応付けられて前記情報記憶部に記憶されている場合に、該記憶されている各前記経路関連サービスについての前記地域関連情報を、対応付けられた前記地域指定情報により指定された適用地域が現在位置から近い順に、前記情報報知部により報知する
ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記経路関連サービスの種別の優先順位を設定する種別優先順位設定部を備え、
前記報知制御部は、対応付けられた前記地域指定情報により指定された適用地域が同一である複数の前記経路関連サービスの前記地域関連情報が、前記情報記憶部に記憶されている場合に、前記種別優先順位設定部により設定された優先順位に従って、該複数の前記経路関連サービスの前記地域関連情報を前記情報報知部により報知する順番を決定する
ことを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項5】
表示部を備え、
前記報知制御部は、複数の前記経路関連サービスについて、前記地域指定情報と前記地域関連情報とが対応付けられて前記情報記憶部に記憶されている場合に、各前記経路関連サービスの種別と前記地域指定情報により指定された適用地域とを示すインデックスを、適用地域が現在位置から近い順に並べたリストを、前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項2記載の受信装置。
【請求項6】
前記表示部に表示された前記リストから、いずれかの前記インデックスを選択するための選択部を備え、
前記報知制御部は、ユーザーによる前記選択部の操作によって、いずれかの前記インデックスが選択されたときに、該選択された前記インデックスに対応した前記経路関連サービスの前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する
ことを特徴とする請求項5記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送の受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送の受信装置として、適用地域を指定する情報(地域指定情報)と、この適用地域に関連した情報(地域関連情報)とを含むサービス(番組、コンテンツ)を提供するラジオ放送(例えば、非特許文献1参照)を受信する受信装置が知られている。
非特許文献1は、デジタル音声ラジオ(Digital Audio Broadcasting、以下DABと表記)の仕様を開示している。DAB方式の信号は、複数の音声サービスとデータサービスを一つにまとめて多重化した上で、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調されて放送されている。このようにまとめられた信号はアンサンブルと呼ばれ、アンサンブルに含まれるサービスには、SID(Service Identifier)と呼ばれる固有のIDが割り当てられている。
放送局(サービスプロバイダー)は、各サービスに対応した交通情報/ニュース/天気予報等のコンテンツを、別のサービスで放送することが可能である。DABに対応した受信装置は、これらのコンテンツのサービスの開始を検出した際に、音声出力の対象をコンテンツのサービスを開始した放送に切替え、コンテンツのサービスが終了した時に、音声出力の対象を元のサービスに戻す割り込み機能を実行することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】ETSI EN300 401 V1.4.1(2006-06)“Radio Broadcasting System; Digital Audio Broadcasting(DAB) to mobile, portable and fixed receivers”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した割り込み機能を有する受信装置によれば、あるサービスを受信して出力しているときに、受信装置の現在位置を含む適用地域を指定した他のサービスの放送が開始されたときには、他のサービスの出力に切り替えることができる。そして、このような割り込み機能により、受信装置の現在位置に関連する情報を速やかにユーザーに提供することができる。
しかしながら、上述した割り込みによる処理では、受信装置の現在位置を含む適用地域を指定したサービスが開始されたときは、出力がこのサービスに切り替えられるが、受信装置の現在位置を含まない適用地域を指定したサービスが開始されたときには、出力は切り替えられない。
そのため、受信装置が移動している状況(例えば、受信装置が車両に搭載されていて、車両と共に移動している状況)では、放送の開始タイミングによっては、受信装置が移動先の地域に到達したときには、移動先の地域を適用地域とするサービスの放送が既に終了してしまっている場合がある。そして、この場合には、ユーザーは移動先の地域に関する情報を取得する機会を逸してしまうという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、受信装置が移動する場合に、適用地域を指定したサービスの放送開始タイミングに関わらず、移動先の地域に関する情報を報知することができる受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の受信装置は、適用地域を指定する地域指定情報と、該適用地域に関連した地域関連情報とを含む地域指定サービスを提供する放送を受信する放送受信部と、現在位置から目的地までの経路を示す経路情報を取得する経路情報取得部と、情報を報知する情報報知部と、前記放送受信部により受信された前記地域指定サービスが、該地域指定サービスに含まれる前記地域指定情報により指定された適用地域に、前記経路情報により示される経路が含まれる経路関連サービスであるか否かを判別するサービス種別判別部と、前記経路関連サービスに含まれる前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する報知制御部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、情報を記憶する情報記憶部と、前記放送受信部により受信された前記地域指定サービスに含まれる前記地域指定情報と前記地域関連情報とを、対応付けて前記情報記憶部に記憶する記憶制御部とを備え、前記報知制御部は、前記情報記憶部に記憶された前記地域関連情報であって、前記サービス種別判別部により前記経路関連サービスであると判別された前記地域指定サービスに含まれる前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する構成としてもよい。
【0007】
また、前記報知制御部は、複数の前記経路関連サービスについて、各前記経路関連サービスに含まれる前記地域指定情報と前記地域関連情報とが対応付けられて前記情報記憶部に記憶されている場合に、該記憶されている各前記経路関連サービスについての前記地域関連情報を、対応付けられた前記地域指定情報により指定された適用地域が現在位置から近い順に、前記情報報知部により報知する構成としてもよい。
【0008】
また、前記経路関連サービスの種別の優先順位を設定する種別優先順位設定部を備え、前記報知制御部は、対応付けられた前記地域指定情報により指定された適用地域が同一である複数の前記経路関連サービスの前記地域関連情報が、前記情報記憶部に記憶されている場合に、前記種別優先順位設定部により設定された優先順位に従って、該複数の前記経路関連サービスの前記地域関連情報を前記情報報知部により報知する順番を決定する構成としてもよい。
【0009】
また、表示部を備え、前記報知制御部は、複数の前記経路関連サービスについて、前記地域指定情報と前記地域関連情報とが対応付けられて前記情報記憶部に記憶されている場合に、各前記経路関連サービスの種別と前記地域指定情報により指定された適用地域とを示すインデックスを、適用地域が現在位置から近い順に並べたリストを、前記表示部に表示する構成としてもよい。
【0010】
また、前記表示部に表示された前記リストから、いずれかの前記インデックスを選択するための選択部を備え、前記報知制御部は、ユーザーによる前記選択部の操作によって、いずれかの前記インデックスが選択されたときに、該選択された前記インデックスに対応した前記経路関連サービスの前記地域関連情報を、前記情報報知部により報知する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、受信装置が移動する場合に、適用地域を指定したサービスの放送開始タイミングに関わらず、移動先の地域に関する情報を報知することができる受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】受信装置の構成を示すブロック図。
図2】DABアンサンブル信号の説明図。
図3】地域指定サービスによるアナウンスメントの種別の説明図。
図4】受信装置の現在地から目的地までの経路と地域指定サービスの適用地域の説明図。
図5】放送間の割り込み処理の説明図。
図6】地域指定サービスの保存処理のフローチャート。
図7】報知対象とするアナウンスメントの種別の設定と、種別の優先順位の設定を行う画面の説明図。
図8】地域指定サービスのデータ保存態様の説明図。
図9】保存された経路関連サービスのリスト表示画面の説明図。
図10】保存された経路関連サービスの出力処理のフローチャート。
図11】受信装置の移動に応じた経路関連サービスのアナウンスメント音声の出力状況を示した画面の説明図。
図12】サービスの放送終了時に、他のサービスに出力を切り替える処理の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図1図12を参照して説明する。
[1.受信信装置の構成]
図1は、本実施形態における受信装置1の構成を示すブロック図である。図1を参照して、受信装置1は、制御部10、タッチパネル20(本発明の表示部、及び選択部の機能を含む)、第1DABチューナー21(本発明の放送受信部に相当する)、第2DABチューナー23(本発明の放送受信部に相当する)、ナビゲーションユニット25(本発明の経路情報取得部に相当する)、アナウンスメント音声記憶部26(本発明の情報記憶部に相当する)、オーディオセレクタ27、及びスピーカー28(本発明の情報報知部に相当する)を備えている。第1DABチューナー21にはアンテナ22が接続され、第2DABチューナー23にはアンテナ24が接続されている。受信装置1は、車両に搭載若しくは車両に持ち込まれて使用され、車両と共に移動する。
【0014】
制御部10は、図示しないCPU、メモリー(ROM、RAM等)、インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。制御部10は、メモリーに保持された受信装置1の制御用プログラムをCPUにより実行することによって、サービス種別判別部11、報知制御部12、記憶制御部13、及び種別優先順位設定部14として機能し、受信装置1の全体的な作動を制御する。サービス種別判別部11、報知制御部12、記憶制御部13、及び種別優先順位設定部14による処理の詳細については、後述する。
【0015】
タッチパネル20は、受信装置1のユーザーにより視認されると共にタッチ操作される。タッチパネル20は、ユーザーによるタッチ操作の状況を示す操作信号(Mani_sig)を制御部10に出力する。また、タッチパネル20は、制御部10から入力される表示データ(Disp_dat)に基づいて、タッチパネルの画面表示を切り替える。
【0016】
第1DABチューナー21は、アンテナ22を介してDAB(Digital Audio Broadcasting)規格の放送(本発明の地域指定サービスを提供する放送に相当する)を受信する。第1DABチューナー21は、制御部10から入力されるDAB受信制御信号(DABrcv_ctl1)に従って選局動作を行い、受信したDAB信号の復調と音声放送の選択を行い、制御部10にDAB受信データ(DABrcv_dat1)を出力する。また、第1DABチューナー21は、復調した音声信号をDAB音声信号(DABvoice_sig1)として、アナウンスメント音声記憶部26に入力する。
【0017】
同様に、第2DABチューナー23は、アンテナ24を介してDAB規格の放送を受信する。第2DABチューナー23は、制御部10から入力されるDAB受信制御信号(DABrcv_ctl2)に従って選局動作を行い、受信したDAB放送の復調と音声放送の選択を行い、制御部10にDAB受信データ(DABrcv_dat2)を出力する。また、第2DABチューナー23は、復調した音声信号をDAB音声信号(DABvoice_sig2)として、オーディオセレクタ27に出力する。
【0018】
制御部10は、第1DABチューナー21から出力されたDAB受信データ(DABrcv_dat1)から、DAB音声信号(DABvoice_sig1)がアナウンスメント音声であると認識したときは、アナウンスメント音声記憶部26に録音制御信号(Record_ctl)を出力して、DAB音声信号(DABvoice_sig1)の録音を指示する。これにより、アナウンスの音声データがアナウンスメント音声記憶部26に記憶される。
【0019】
制御部10は、録音制御信号(Record_ctl)の出力により、アナウンスメント音声記憶部26に保持された録音音声信号(Rvoice_sig)を、オーディオセレクタ27に出力することができる。
【0020】
オーディオセレクタ27は、制御部10から出力されるオーディオセレクタ制御信号(Ausel_ctl)により、オーディオセレクタ27に入力される録音音声信号(Rvoice_sig)とDAB音声信号(DABvoice_sig2)のうちのいずれかを、出力音声信号(Ovoice_sig)としてスピーカー28に出力する。これにより、スピーカー28から音声が出力される。この場合、制御部10は、スピーカー28からの音声の出力状況を、タッチパネル20に表示することが可能である。
【0021】
ナビゲーションユニット25は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、ユーザーによる操作に応じて、GPSにより検出した受信装置1の現在位置から、目的地までの経路を探索する。そして、ナビゲーションユニット25は、探索した経路を示す経路情報(Root_inf)を、制御部10に出力する。
【0022】
[2.DAB放送の概要]
図2を参照して、DAB方式の信号は、複数の音声サービスとデータサービスとを一つにまとめて多重化されており、このまとめられた信号はアンサンブルと呼ばれている。アンサンブル信号には、FIC(Fast Information Channel)と呼ばれる伝送フレームが含まれ、FICはFIG(Fast Information Group)と呼ばれる単位で送信される。FIGはTypeとExtensionと呼ばれるコードで分類されており、アナウンスメント情報はType0のExtension18(FIG 0/18)、及びType0のExtension19で通知される。以下では、FIGのTypeとExtensionの組み合わせを、「FIG Type/Extension」と表記する。
【0023】
DAB方式による放送がサポートするサービスによるアナウンスメントの種別は、アナウンスメントサポート情報FIG 0/18で通知され、サービスの放送開始及び終了は、アナウンスメントスイッチ情報FIG 0/19で通知される。また、アナウンスメントスイッチ情報には、サービスの適用地域を規定することが可能であり、地域情報はFIG 0/11及びFIG 0/22で通知される。図3は、アナウンスメントの種別を示しており、b0の「Alarm」からb10の「Financial report」までの11の種別が規定されている。
【0024】
ここで、音声サービスのアナウンスメントにより提供される情報は本発明の地域関連情報に相当し、地域情報は本発明の地域指定情報に相当する。また、このように地域指定情報と地域関連情報を含むDABによるサービスは、本発明の地域指定サービスに相当する。
【0025】
図4は、受信装置1が搭載された車両の現在位置Psから目的地Pdまでの経路Rtと、地域指定サービスに含まれる地域指定情報により指定される適用地域を例示した説明図である。図4では、Area1〜Area8の地域が区画され、経路Rtによれば、受信装置1は、Area1→Area3→Area5→Area7→Area8の順に移動する計画になっている。
【0026】
ここで、地域指定サービスの放送開始時刻は予め設定されているため、例えば、受信装置1がArea1を移動しているときに、Area3を適用地域に指定したサービスの放送が開始される場合がある。そして、この場合に、「移動中の領域を指定したアナウンスメント放送を出力する」制御とすると、受信装置1がArea3に進入したときには、既に領域Area3を指定した地域指定サービスの放送が終了していて、ユーザーは、Area3の情報を得る機会を逸してしまうという不都合がある。
【0027】
また、図5は、例えば、受信装置1がArea1を移動しているときに、移動先であるArea3を適用領域に指定した地域指定サービスの放送が開始されたときに、割り込み処理により対応する場合を示している。図5では、共通の時間軸tにより、スピーカー28からの出力音声、第2DABチューナー23により受信されているDAB放送(DABサービス1放送)、及び第1DABチューナー21により受信されているDAB放送(DABサービス2放送)の推移を示している。
【0028】
図5では、第2DABチューナー23がDABサービス1放送によるコンテンツA1(例えば音楽のアナウンスメント)の地域指定サービスを継続して受信している。また、第1DABチューナー21がDABサービス2放送により、時点t11までは経路Rtが通らない地域(例えば、図4のArea2、Area4、Area6)を適用地域に指定したコンテンツB1の地域指定サービスを受信し、時点t11〜t12の間は移動先のArea3を適用地域に指定した交通情報Xの地域指定サービスを受信している。
【0029】
この場合に、割り込み処理により、時点t11〜t12の間、コンテンツA1の音楽の音声出力を、Area3を適用地域に指定した交通情報Xのアナウンスメント音声の出力に切り替えることで、移動先のArea3の交通情報をユーザーに提供することができる。ただし、この場合には、それまで聞いていたコンテンツA1の音楽が中断されるため、ユーザーに不快感を与えてしまうという不都合がある。そこで、制御部10は、これらの不都合を回避するための処理を行う。以下、この処理について説明する。
【0030】
[2.地域指定サービスの保存処理]
図6は第1DABチューナー21により受信される地域指定サービスのデータを、アナウンスメント音声記憶部26に保存する処理のフローチャートである。図6のフローチャートによる処理は、記憶制御部13により実行される。
【0031】
記憶制御部13は、図6のステップS1で、保存する地域指定サービスの種別を設定する。具体的には、記憶制御部13は、タッチパネル20に、図3に示した表により規定された地域指定サービスの種別に基づいて、図7に示した保存可能な地域指定サービスの一覧画面を表示する。図7の一覧画面には、各地域指定サービスの種別を保存対象とするか否かを設定するON/OFFボタン70、各地域指定サービスの種別の優先順位を設定する優先順位ボタン71、及び表示する地域指定サービスの種別をシフトするスライダー72が表示される。
【0032】
そして、記憶制御部13は、ユーザーによるON/OFFボタン70のタッチ操作に応じて、保存する地域指定サービスの種別を設定する。図7の例では、Alarm、Road Traffic flash、及びArea weather flashが、保存する地域指定サービスの種別として設定されている(ON設定)。
【0033】
また、報知制御部12は、ユーザーによる優先順位ボタン71のタッチ操作に応じて、各地域指定サービスの種別の優先順位を設定する。報知制御部12は、優先順位ボタン71の操作に応じて、各地域指定サービスの種別の優先順位を変更する。図7の例では、保存対象に設定された三つの地域指定サービスの種別に対して、Road Traffic flash(優先順位1)→Area weather flash(優先順位2)→Alarm(優先順位3)の順に優先順位が高く設定されている。
【0034】
続くステップS2で、記憶制御部13は、第1DABチューナー21によりDAB信号の受信が開始されるのを待ってステップS3に進む。記憶制御部13は、ステップS3で、記憶制御部13は、第1DABチューナー21からアナウンスメントサポート情報を取得し、ステップS4で、第1DABチューナー21からアナウンスメントスイッチ情報を取得する。
【0035】
記憶制御部13は、ステップS4で、アナウンスメントスイッチ情報を取得するごとに、ステップS10に処理を進め、放送が開始された地域指定サービスの種別が、ユーザーによって設定された保存対象であるか否かを判断する。そして、記憶制御部13は、放送が開始された地域指定サービスの種別が保存対象であるときは、ステップS11に処理を進め、放送が開始された地域指定サービスの種別が保存対象でないときには、ステップS5に処理を進める。
【0036】
ステップS11で、記憶制御部13は、放送が開始された地域指定サービスの音声データを、アナウンスメントスイッチ情報から認識した適用地域、及び放送の開始時刻に対応付けて、アナウンスメント音声記憶部26に保存し、ステップS5に処理を進める。
【0037】
ここで、図8は、地域指定サービスの音声データの保存態様を示している。記憶制御部13は、各地域指定サービスの音声データVoice_dat1、Voice_dat2、…を、地域指定サービスの種別、適用地域、及び放送開始時刻のデータに対応付けて、アナウンスメント音声記憶部26に保存する。
【0038】
一方、ステップS4でアナウンスメントスイッチ情報を取得しなかったときには、記憶制御部13は、ステップS5に処理を進めて、第1DABチューナー21によるDAB信号の受信が終了したか否かを判断する。そして、記憶制御部13は、DAB信号の受信が終了したときはステップS6に処理を進めてDAB放送の保存処理を終了する。また、DAB信号受信を継続しているときには、記憶制御部13は、ステップS4に処理を進める。このように、地域指定サービスのデータをアナウンス音声記憶部26に保存しておくことによって、任意のタイミングで地域指定サービスのデータを読み出して、アナウンスメント音声をスピーカー28から出力することができる。
【0039】
[3.経路関連サービスの出力処理の第1実施形態]
サービス種別判別部11は、アナウンスメント音声記憶部26に、対応付けられた適用地域内を経路Rt(図4参照)が通っている地域指定サービスある経路関連サービスのデータが保存されているか否かを判断する。
【0040】
そして、報知制御部12は、アナウンスメント音声記憶部26に、経路関連サービスのデータが保存されている場合には、図9に示した経路関連サービスの一覧画面を、タッチパネル20に表示する。図9は、アナウンスメント音声記憶部26に保持された経路関連サービスのアナウンスメント音声の出力操作を受け付ける画面の説明図である。
【0041】
図9の画面では、経路関連サービスにより提供されるアナウンスメントの種別(図9では、Road Traffic flash、及びArea weather flashを例示)毎に、各経路関連サービスの適用地域(図9では、London、Birming、Liverpool、Oxford、及びManchesterを例示)と受信時刻を表示している。アナウンスメントの種別毎に分けられた各経路関連サービスの適用地域の表示80は、本発明のインデックスに相当する。
【0042】
図9の画面には、各経路関連サービスに割り当てられたPLAYボタン81と、スライダー82とが表示される。報知制御部12は、ユーザーによりいずれかのPLAYボタン81がタッチ操作されたときに、対応する経路関連サービスのアナウンスメント音声のデータをアナウンスメント音声記憶部26からオーディオセレクタ27を介してスピーカー28に出力する。これにより、ユーザーが要求する経路関連サービスのアナウンスメント音声がスピーカー28から出力される。
【0043】
また、報知制御部12は、ユーザーによるスライダー82のスライド操作に応じて、図9の画面に表示する経路関連サービスのインデックスを切り替える。
【0044】
[4.経路関連サービスの出力処理の第2実施形態]
図10は、アナウンスメント音声の出力処理の第2実施形態のフローチャートである。図10のフローチャートは、サービス種別判別部11及び報知制御部12により実行される。
【0045】
図10のステップS20,S21は、サービス種別判別部11による処理である。サービス種別判別部11は、ステップS20で、受信装置1の現在位置Psから目的地Pdまでの経路Rt(図4参照)の情報を、ナビゲーションユニット25から取得する。続くステップS21で、サービス種別判別部11は、アナウンスメント音声記憶部26に、経路関連サービスのデータが保存されているか否かを判断する。そして、サービス種別判別部11は、アナウンスメント音声記憶部26に経路関連サービスのデータが保存されているときはステップS22に処理を進め、保存されていないときにはステップ26に処理を進める。
【0046】
ステップS22〜S25は、アナウンスメント音声記憶部26に経路関連サービスのデータが保存されている場合に、報知制御部12により実行される処理である。報知制御部12は、ステップS22で、アナウンスメント音声記憶部26に保存されている経路関連サービスのデータを抽出して、リストを作成する。
【0047】
続くステップS23で、報知制御部12は、リスト化した経路関連サービスを、指定された適用地域の位置が現在位置から近い順に並べた再生リストを作成して、タッチパネル20に表示する。この場合、報知制御部12は、同一の適用地域を指定した複数の経路関連サービスのデータが保存されているときには、図7の設定画面により設定された優先順位に従って出力する順番を決定し、優先順位が高い種別の経路関連サービスのアナウンスメント音声を先に出力する。
【0048】
ここで、図11は、タッチパネル20の表示パネルに表示される再生リストの例である。図11の表示画面では、受信装置1の移動経路(図11では、London→Oxford→Birmingham)の順番で、保存されている経路関連サービスがリスト表示されている。
【0049】
次のステップS24で、報知制御部12は、ユーザーによる再生開始操作(例えば、タッチパネル20のタッチ操作)がなされたか否かを判断する。そして、報知制御部12は、再生開始操作がなされたときはステップS25に処理を進め、再生開始操作がなされなかったときにはステップ26に処理を進める。
【0050】
ステップS25で、報知制御部12は、図11に示したリスト表示の順に、地域関連サービスのアナウンスメント音声のデータをアナウンスメント音声記憶部26から読み出し、オーディオセレクタ27を介してスピーカー28から、アナウンスメント音声を出力する。これにより、ユーザーは、目的地Pdに向かって移動する過程において、通過する地域の情報を通過する順に取得することができる。
【0051】
ここで、図12は、アナウンスメント音声記憶部26に保存された経路関連サービスのデータを出力するタイミングの例を示した説明図である。報知制御部12は、第2DABチューナー23により、DABサービス1放送により放送されている経路関連サービスのコンテンツA3(例えば音楽)を受信してスピーカー28から出力しているときは、第1DABチューナー23により、DABサービス2放送により経路関連サービスの交通情報Yを受信しても、割り込み処理を行わない。この場合、記憶制御部13により、t21〜t22で受信された交通情報Yのアナウンスメントの音声データが、適用地域及び放送開始時刻と関連付けられて、アナウンスメント音声記憶部26に保存される。
【0052】
そして、報知制御部12は、コンテンツA3の放送が終了した時刻t23で、アナウンスメント音声記憶部26に保存された交通情報Yのアナウンスメントの音声データを読み出して、スピーカー28から出力する。これにより、音楽のコンテンツA3の中断によって、ユーザーに不快感を与えることを防止しつつ、移動先の地域に関する交通情報Yをユーザーに提供することができる。
【0053】
[5.他の実施形態]
本発明の実施形態は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更及び応用が可能である。
【0054】
上記実施形態では、アナウンスメント音声記憶部26を備えて、地域指定サービス(経路関連サービスを含む)を受信したときに、地域指定サービスにより提供されるアナウンスメントの音声データを、適用地域及び開始時刻と対応付けてアナウンスメント音声記憶部26に備える構成とした。この構成とは異なる構成として、アナウンスメント音声記憶部26を備えずに、経路関連サービスを受信した時点で、割り込み処理等により、経路関連サービスによるアナウンス音声をスピーカー28から出力する構成としてもよい。この場合にも、ユーザーが目的地までの経路に関する情報を取得し損なうことを防止することができる。
【0055】
上記実施形態では、記憶制御部13は、受信された全ての地域指定サービスのデータをアナウンスメント音声記憶部26に保存し、保存した地域指定サービスのデータの中から経路関連サービスのデータを抽出する構成とした。この構成と異なる構成として、地域指定サービスを受信したときに、受信した地域指定サービスが経路関連サービスであるか否かを判断し、経路関連サービスのデータのみをアナウンスメント音声記憶部26に保存する構成としてもよい。
【0056】
また、同一の適用地域を指定する同一種別の地域指定サービスのデータについては、直近に受信された一つあるいは複数の地域指定サービスのデータのみをアナウンスメント音声記憶部26に保存し、それ以前に保存された地域指定サービスのデータを、アナウンスメント音声記憶部26から順次削除するようにしてもよい。また、受信した保存された時刻から所定時間が経過した地域指定サービスのデータを、削除するようにしてもよい。また、適用地域が近接している複数の同一種別の地域指定サービスについては、いずれかの地域指定サービスのデータのみをアナウンスメント音声記憶部26に保存するようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、受信装置1が車両に搭載され、又は車両に持ち込まれて、車両と共に移動する場合を例に説明したが、受信装置1が歩行者に携行されて歩行者と共に移動する場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0058】
上記実施形態では、本発明の放送受信部として、第1DABチューナー21及び第2DABチューナー23という2個のチューナーを備えたが、1個のチューナーを備えて、時分割処理により複数の放送を受信するようにしてもよい。また、3個以上のチューナーにより複数の放送を受信するようにしてもよい。
【0059】
上記実施形態では、ユーザーが、タッチパネル20を操作して、受信装置1に対して指示を入力する構成としたが、音声入力等の他の手法により、ユーザーが受信装置1に対する指示を入力する構成としてもよい。
【0060】
上記実施形態では、本発明の経路取得部として、受信装置1が備えたナビゲーションユニット25を示し、ナビゲーションユニット25により現在位置から目的地までの経路を取得する構成を示したが、他の構成により現在位置から目的地までの経路を取得してもよい。例えば、道路付近に設けられたビーコンからの出力信号を受信して受信装置1の現在位置を検出し、現在位置と目的地の情報を外部装置(ネットワークを介して通信可能なナビゲーションサーバー等)に送信して、外部装置から返信される経路の情報を得る構成としてもよい。或いは、GPSにより検出した受信装置1の現在位置と目的地の情報を外部装置に送信して、外部装置から目的地までの経路情報を取得する構成としてもよい。
【0061】
上記実施形態では、本発明のサービス種別判別部11、報知制御部12、記憶制御部13、及び種別優先順位設定部14を、メモリーに保持された受信装置1の制御用プログラムをCPUにより実行することにより構成した。しかしながら、サービス種別判別部11、報知制御部12、記憶制御部13、及び種別優先順位設定部14の構成の全部又は一部を、ハードウェアにより実現してもよい。
【0062】
上記実施形態では、本発明の地域指定サービスを提供する放送として、DAB規格の放送を例示したが、地域指定情報と地域関連情報とを含む放送を受信する受信装置であれば、本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 受信装置
10 制御部
11 サービス種別判別部
12 報知制御部
13 記憶制御部
14 種別優先順位設定部
20 タッチパネル(表示部、選択部)
21 第1DABチューナー(放送受信部)
23 第2DABチューナー(放送受信部)
25 ナビゲーションユニット(経路取得部)
26 アナウンスメント音声記憶部(情報記憶部)
27 オーディオセレクタ
28 スピーカー(情報出力部)
図1
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図12