【解決手段】記録媒体の端部に対して余白なしで形成され像保持体上に保持されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、余白あり印刷時に比べて記録媒体とトナー像の付着力を増加させる付着力増加手段と、を備え、付着力増加手段は、トナー及びキャリアからなる現像剤中のトナー濃度を減少させることで、トナー像の帯電量を増加させる。
前記付着力増加手段は、現像コントラスト電位を上限に固定した状態で前記像保持体上に形成される画質調整用トナー像の濃度に基づいて、前記現像剤中のトナー濃度を減少させることで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、間隔をあけて配置された感光体上に現像された前記トナー像を前記像保持体に転写するための一次転写バイアス電圧のうち前記像保持体の移動方向最下流に配置された前記感光体と前記像保持体の間に印加される前記一次転写バイアス電圧を増加させることで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、前記像保持体の移動方向最下流に配置された感光体と前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の間で前記像保持体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記トナー像に前記トナー像の電荷の極性と同極性の電荷を付与することで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の下流側で、搬送される前記記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記記録媒体上に転写された前記トナー像に前記トナー像の電荷の極性と同極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の上流側で、搬送される前記記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記記録媒体に前記トナー像の電荷の極性と逆極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の上流側で、搬送される前記記録媒体に対向して配置された電荷付与手段であり、前記トナー像の電荷の極性と逆極性のバイアス電圧が印加された前記電荷付与手段が前記記録媒体に接触することで前記記録媒体に前記トナー像の電荷の極性と逆極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記付着力増加手段は、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の前記記録媒体への押圧力を増加することで、前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、余白なし印刷時に、トナーによる用紙の汚れを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
記録媒体の端部に対して余白なしで形成され像保持体上に保持されたトナー像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
余白あり印刷時に比べて前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる付着力増加手段と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、トナー及びキャリアからなる現像剤中のトナー濃度を減少させることで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、現像コントラスト電位を上限に固定した状態で前記像保持体上に形成される画質調整用トナー像の濃度に基づいて、前記現像剤中のトナー濃度を減少させることで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記現像剤中の前記トナーを前記像保持体に吐き出すことにより、トナー濃度を余白あり印刷時よりも1質量%ないし3質量%減少させる、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、間隔をあけて配置された感光体上に現像された前記トナー像を前記像保持体に転写するための一次転写バイアス電圧のうち前記像保持体の移動方向最下流に配置された前記感光体と前記像保持体の間に印加される前記一次転写バイアス電圧を増加させることで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記像保持体の移動方向最下流に配置された感光体と前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の間で前記像保持体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記トナー像に前記トナー像の電荷の極性と同極性の電荷を付与することで、前記トナー像の帯電量を増加させる、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の下流側で、搬送される前記記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記記録媒体上に転写された前記トナー像に前記トナー像の電荷の極性と同極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の上流側で、搬送される前記記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段であり、前記帯電手段が放電することで前記記録媒体に前記トナー像の電荷の極性と逆極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記帯電手段は、コロトロン帯電器である、
ことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記帯電手段は、複数の鋸刃状電極からなる尖状電極部材である、
ことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記記録媒体の搬送方向において、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の上流側で、搬送される前記記録媒体に対向して配置された電荷付与手段であり、前記トナー像の電荷の極性と逆極性のバイアス電圧が印加された前記電荷付与手段が前記記録媒体に接触することで前記記録媒体に前記トナー像の電荷の極性と逆極性の電荷を付与することで、前記記録媒体と前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、導電性繊維を含む毛羽が前記記録媒体の搬送方向に交差して植設されたバーブラシである、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、導電性繊維を含む毛羽が回転軸の周りに植設されたロールブラシである、
ことを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、導電性弾性体層を有する回転ロールである、
ことを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付着力増加手段は、前記像保持体から前記記録媒体へ前記トナー像を転写する前記転写手段の前記記録媒体への押圧力を増加することで、前記トナー像の付着力を増加させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、余白あり印刷時に比べて記録媒体とトナー像の付着力を増加させる付着力増加手段を有しない構成に比して、余白なし印刷時に、トナーによる用紙の汚れを抑制することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、トナー及びキャリアからなる現像剤中のトナー濃度を減少させる付着力増加手段を有しない構成に比べて、トナー像の帯電量を容易に増加させることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、現像コントラスト電位を上限に固定した際に像保持体上に形成される画質調整用トナー像の濃度に基づいて、現像剤中のトナー濃度を減少させる付着力増加手段を有しない構成に比べて、トナー像の帯電量を容易に増加させることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、現像剤中のトナーを像保持体に吐き出すことにより、トナー濃度を余白あり印刷時よりも1質量%ないし3質量%減少させる付着力増加手段を有しない構成に比べて、トナー像の帯電量を容易に増加させることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、像保持体の移動方向最下流に配置された感光体と像保持体の間に印加される一次転写バイアス電圧を増加させる付着力増加手段を有しない構成に比べて、トナー像の帯電量を容易に増加させることができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、像保持体の移動方向最下流に配置された感光体と像保持体から記録媒体へトナー像を転写する転写手段の間で像保持体に対向して非接触で配置された帯電手段を有しない構成に比して、トナー像の帯電量を容易に増加させることができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、記録媒体の搬送方向において、像保持体から記録媒体へトナー像を転写する転写手段の下流側で、搬送される記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段を有しない構成に比して、記録媒体とトナー像の付着力を容易に増加させることができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、記録媒体の搬送方向において、像保持体から記録媒体へトナー像を転写する転写手段の上流側で、搬送される記録媒体に対向して非接触で配置された帯電手段を有しない構成に比して、記録媒体とトナー像の付着力を容易に増加させることができる。
【0029】
請求項9及び10に記載の発明によれば、トナー像が転写された記録媒体と非接触で記録媒体とトナー像の付着力を容易に増加させることができる。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、像保持体から記録媒体へトナー像を転写する転写手段の上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置された電荷付与手段を有しない構成に比して、記録媒体にトナー像の付着力を増加させる電荷を付与することができる。
【0031】
請求項12、13、14に記載の発明によれば、トナー像が転写される記録媒体にトナー像の付着力を増加させる電荷を容易に付与することができる。
【0032】
請求項15に記載の発明によれば、像保持体から記録媒体へトナー像を転写する転写手段の記録媒体への押圧力を増加する付着力増加手段を有しない構成に比べて、記録媒体とトナー像の付着力を増加させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
尚、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。
【0035】
「第1実施形態」
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図、
図2は本実施形態に係る画像形成部10の構成を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0036】
(1.1)画像形成装置の全体構成
画像形成装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の底部に装着された給紙装置20と、操作表示部30と、画像処理部40と、を備えて構成されている。
【0037】
画像形成部10は、システム制御装置11、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16、を備えて構成され、画像処理部40から受け取った画像情報を給紙装置20から送り込まれた用紙P上にトナー像TN1として形成する。
【0038】
画像形成部10の底部には、用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、更に給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置され、用紙Pを収容する用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュールTMが接続されて画像形成部10に対する用紙供給を行う。
すなわち、種類(例えば、材質や厚さ、用紙サイズ、紙目)の異なる用紙を収容する複数のトレイを備えており、これら複数のトレイのいずれか一つから繰り出した用紙を画像形成部10に対して供給するように構成されている。
【0039】
操作表示部30は、いわゆるユーザインタフェースに相当するもので、具体的には液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され各種の設定や指示の入力及び情報表示に用いられる。
【0040】
画像処理部40は、外部機器82(
図2に図示:例えばパーソナルコンピュータ等)から送信された印刷情報から画像データを生成する。
【0041】
(1.2)画像形成部10の構成及び動作
このような構成の画像形成装置1では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置20又はトレイモジュールTMのうち、印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定されたトレイから繰り出された用紙Pが画像形成部10へ送り込まれる。
【0042】
感光体ユニット13は、給紙装置20の上方(Z方向)に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム131を備えている。露光装置12により静電潜像が形成されたそれぞれの感光体ドラム131上には、それぞれの現像装置14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0043】
転写装置15は、各感光体ユニット13の感光体ドラム131上に形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト151、各感光体ユニット13にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト151に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ152を備えている。
【0044】
各感光体ユニット13の感光体ドラム131上に形成された各色トナー像は、システム制御装置11により制御される電源装置等から所定の転写電圧が印加された一次転写ローラ152により中間転写ベルト151上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
【0045】
中間転写ベルト151上の重畳トナー像は、中間転写ベルト151の移動に伴って二次転写部TRに搬送される。重畳トナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせてレジストローラ対24から用紙Pが二次転写部TRに供給される。
そして、二次転写ローラ153には、システム制御装置11により制御される電源装置から所定の転写電圧が印加され、レジストローラ対24から送り出された用紙Pに中間転写ベルト151上の多重トナー像が一括転写される。
【0046】
二次転写部TRの用紙搬送方向下流側には、電極部材156a、案内ガイド156bから構成される徐電装置156が配置され、トナー像が二次転写された用紙Pは、電極部材156aで用紙Pの背面から徐電されながら、中間転写ベルト151から分離・剥離され、案内ガイド156bにガイドされながら、搬送ガイド157を経由して定着装置16に搬送される。
【0047】
定着装置16は、加熱モジュール161と加圧モジュール162を有し、加熱モジュール161と加圧モジュール162の圧接領域によって定着ニップ部NP(定着領域)が形成される。定着装置16に搬送された用紙Pは、定着ニップ部NPで加熱と圧着の作用でトナー像が定着される。
定着トナー像が形成された用紙Pは、搬送ガイドによってガイドされ、排出ローラ対165から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。
【0048】
(2)画像形成装置1の機能構成と動作
図3は画像形成装置1の機能構成の一例を示すブロック図、
図4(a)は余白あり印刷、(b)は全面余白なし印刷、(c)は一部余白なし印刷のトナー像形成を説明する図、
図5は余白なし印刷時のトナー像形成を説明する図であり、(a)は中間転写ベルト151上に形成されるトナー像サイズ、(b)は用紙サイズ、(c)は用紙サイズとトナー像サイズの関係を示す。
【0049】
(2.1)システム制御装置の機能構成
画像形成装置1は、画像出力制御部111、余白有無判別部112、トナー帯電量制御部113、電源制御部115、露光制御部116、定着温度制御部117を含むシステム制御装置11を備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置1全体の動作制御を行う。
【0050】
画像出力制御部111は、給紙装置20との間の情報授受についての制御の他に、画像形成部10が備える露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等に対して、動作制御指示を与える。
又、画像出力制御部111は、システム制御装置11が備える電源制御部115、露光制御部116、定着温度制御部117に対して、それぞれ動作制御指示を与える。すなわち、画像形成部10を構成する露光装置LH、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等への給電、駆動を行うか否かを決定し、その決定結果をそれぞれの制御部に対して指示する。
【0051】
更に、画像出力制御部111は、余白有無判別部112、トナー帯電量制御部113との間の情報授受を行い、余白なし印刷が判断された場合に、予め定められた動作制御を行う。
【0052】
余白有無判別部112は、プリンタドライバで設定された印刷条件に基づいて余白なし印刷か余白あり印刷かを判断する。
図4(a)に模式的に示すように、余白あり印刷時には、トナー像は用紙P内に全て収まり、用紙Pの各辺に上余白(mh)・下余白(mb)・左余白(ml)・右余白(mr)の周辺余白が存在する。
これに対し余白なし印刷は、
図4(b)に示すように、トナー像が用紙Pの端部にまで達しており、周辺余白がなくなる。
図4(b)においては、上余白・下余白・左余白・右余白のすべてがない状態を図示してあるものの、
図4(c)に一例として示すように一部の端部に余白がなければ縁無し印刷と判断する。
【0053】
トナー帯電量制御部113は、余白なし印刷が判断された場合に、余白あり印刷時に比べて用紙Pとトナー像の付着力を増加させる所定の動作を実行する。具体的には、トナーT及びキャリアGからなる現像剤D中のトナー濃度TCを減少させることで、トナー像の帯電量を増加させる。
【0054】
(2.2)縁無し印刷
画像形成装置1は、用紙Pの端部の全周に渡って余白部を設けて画像を印刷する余白あり印刷モードと、余白部を設けず用紙Pの端部に至るまで画像を印刷する余白なし印刷モードを有している。
尚、係る余白なし印刷モードの有無は、画像形成装置1の動作を制御するシステム制御装置11の余白有無判別部112により判断される。
【0055】
図5(a)は中間転写ベルト51上に形成されるトナー像サイズを表しており、縦はIv、横はIhである。また、
図5(b)は用紙Pのサイズを表しており、縦はPv、横はPhである。
トナー像と用紙Pのサイズ関係は
図5(c)に模式的に示すように、Pv<Iv、Ph<Ihとなるように設定される。つまり、用紙Pが前後左右に少々ずれて給紙されても、用紙Pに余白が生じることがないように、トナー像のサイズは選択されている用紙サイズより若干大きくなるように形成される。
【0056】
中間転写ベルト151上には、網点で示したIv×Ihサイズのトナー像が形成される。Iv×Ihサイズのトナー像は、中間転写ベルト151により、二次転写部TRへ向かって搬送される。一方、用紙Pは、レジストローラ対24によってタイミング制御され、トナー像が二次転写部TRに進入するのに合わせて二次転写部TRに搬送され、用紙P上には周縁部に余白のない余白なしトナー像が形成される。
【0057】
中間転写ベルト151上に形成されたトナー像のうち、二次転写部TRで用紙P上に転写されないはみ出しトナー像は、二次転写ローラ153上に転写される。二次転写ローラ153上のトナー像は、二次転写ローラ153に当接して配置されたクリーニングブレード154で掻きとられ、回収容器155内に収容される(
図2 参照)。
【0058】
余白なしトナー像が形成された用紙Pが、搬送ガイド157を介して定着装置16へ搬送される際に、徐電装置156の案内ガイド156b、搬送ガイド157、定着案内ガイド163と接触して、用紙Pの端部に転写されたトナーが付着することがある。付着したトナーが蓄積すると、二次転写部TRから定着装置16へ搬送される用紙Pの先端部及び裏面に再付着してトナーによる用紙汚れが発生する虞があった。
【0059】
(3)縁無し印刷時の動作
図6は余白なし印刷時にトナー像の帯電量を増加させる動作の流れを示すフローチャート、
図7はインターイメージ部にトナーバンドTBが形成されたときの中間転写ベルト151上のトナー像を示す平面模式図である。以下、図面を参照しながら余白なし印刷時の動作制御について説明する。
【0060】
本実施形態に係る画像形成装置1においては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は、トナーT及びキャリアGからなる現像剤D中のトナー濃度TCを減少させることで、トナー像の帯電量を増加させる動作制御を行う。
【0061】
プリンタドライバにおいて余白なし印刷が指定される(S101)と、余白有無判別部112は、受け付けた印刷ジョブが余白なし印刷と判断し、トナー帯電量制御部113は、トナー濃度TCの目標値TC1を余白なし印刷モード用の目標値TC2に変更する(S102)。余白なし印刷モード用のトナー濃度TC2としては、余白あり印刷モードよりも1質量%ないし3質量%減少させることで、印刷される画像濃度を低下させることなく、トナー帯電量を増加させることができる。
【0062】
そして、画像出力制御部111は、現像装置14内に収容されている現像剤D中の現在のトナー濃度TCMをトナーセンサ(不図示)を介して取得する(S103)。
そして、取得した現在のトナー濃度TCMは目標のトナー濃度TC2より低くなっているか否かを判定する(S104)。現在のトナー濃度TCMが目標とするトナー濃度TC2よりも高い場合(S104:No)、トナー帯電量制御部113は、トナー吐き出し動作の実行を画像出力制御部111に対して指示する(S105)。
【0063】
トナー吐き出しは、
図7に示すように、感光体ドラム131上の隣接するトナー像間に位置する非画像領域(インターイメージ部IM)に、感光体ドラム131の回転移動方向と交差する方向(幅方向)に伸びたトナーバンドTBを形成して二次転写ローラ153に転写させて、現像剤D中のトナーTを消費することにより行う。二次転写ローラ153上に転写されたトナーバンドTBのトナーはクリーニングブレード154で掻き落され回収容器155に収容される。尚、トナーバンドTBは、インターイメージ部IMのみならず、全面に形成して、より短時間でトナー濃度TCMを低下させてもよい。
【0064】
現在のトナー濃度TCMが目標値TC2に比べて低くなった場合(S104:Yes)、余白なし印刷である印刷ジョブを実行する(S106)。
このようにして、余白なし印刷モードにおけるトナー濃度TC2を、余白あり印刷モードよりも1質量%ないし3質量%減少させることでトナー帯電量を増加させ、用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0065】
「変形例」
図8は余白なし印刷時にトナー像の帯電量を増加させる変形例の動作の流れを示すフローチャート、
図9は中間転写ベルト151上に形成される画像データのトナー像TN1とインターイメージ領域S2に形成される画質調整用トナー像TN2を示す平面模式図である。以下、図面を参照しながら余白なし印刷時の変形例1に係る動作制御について説明する。
【0066】
変形例に係る画像形成装置1においては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は、現像コントラスト電位Vdeve(=V
B−V
L:V
Bは現像バイアス電位、V
Lは感光体ドラム131の露光部電位)を上限に固定した状態で中間転写ベルト151上に形成される画質調整用トナー像TN2の濃度に基づいて、現像剤D中のトナー濃度TCを減少させることで、トナー像の帯電量を増加させる。
【0067】
プリンタドライバにおいて余白なし印刷が指定される(S201)と、余白有無判別部112は、受け付けた印刷ジョブが余白なし印刷と判断し、トナー帯電量制御部113は、現像コントラスト電位Vdeveを上限に固定に設定する(S202)。これにより、現像されるトナー像は最も画像濃度が高くなるように制御されることになり、より低いトナー濃度TC、すなわち高いトナー帯電量の状態で画像形成を行うことができる。
そして、
図9に示すように、中間転写ベルト151上に画質調整用トナー像TN2を形成して、濃度センサ(不図示)で形成された画質調整用トナー像TN2を読み取ってその濃度を測定する(S203)。
【0068】
続いて、読み取った画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値上限よりも高いか否か判断する(S204)。画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値上限よりも高い場合(S205:Yes)、トナー帯電量制御部113は、トナー吐き出し動作の実行を画像出力制御部111に対して指示する(S205)。トナー吐き出しは、中間転写ベルト151上にトナーバンドTBを形成することにより行う。
【0069】
画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値上限よりも高くない場合(S205:No)、さらに、画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値下限よりも低いか否か判断する(S206)。画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値下限よりも低い場合(S206:Yes)、現像装置14の現像剤DへトナーTを補給(S207)してトナー濃度を高くする。
【0070】
画質調整用トナー像TN2の濃度が目標値下限よりも低くない場合(S206:No)、余白なし印刷である印刷ジョブを実行する(S208)。
このようにして、余白なし印刷モードにおけるトナー濃度TC2を、余白あり印刷モードよりも1質量%ないし3質量%減少させることでトナー帯電量を増加させ、用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0071】
「第2実施形態」
図10は一次転写バイアスの印加を説明する画像形成部10の断面模式図、
図11(a)は中間転写ベルト151の移動方向最下流に配置された感光体ドラム131と二次転写部TRの間で中間転写ベルト151に対向して配置されたコロトロン帯電器170を示す断面模式図、(b)は中間転写ベルト151の移動方向最下流に配置された感光体ドラム131と二次転写部TRの間で配置された尖状電極部材171を示す断面模式図である。
【0072】
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、余白なし印刷モードで中間転写ベルト151上に形成されたトナー像TN1のトナー帯電量を増加させて用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制する。
【0073】
画像形成装置1Aにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は、中間転写ベルト151の移動方向における最下流に配置された感光体ユニット13に対向した一次転写ローラ152に印加される一次転写バイアス電圧を余白あり印刷モードに比べて増加させる。具体的には、余白あり印刷モードにおいては、一次転写バイアスとして、例えばプロセス速度が300mm/sのときは、定電流制御で+20μA〜30μAで印加され、余白なしモードにおいては、20%〜60%高く設定される。
これにより、中間転写ベルト151上に重畳して形成されるトナー像TN1のトナー帯電量を増加させることができる。
【0074】
「変形例1」
変形例1に係る画像形成装置1Aは、
図11(a)に示すように、中間転写ベルト151の移動方向最下流に配置された感光体ユニット13と二次転写部TRの間で中間転写ベルト151に対向して配置されたコロトロン帯電器170を備えている。
画像形成装置1Aにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、コロトロン帯電器170に高圧電界を印加してマイナス放電させることで、中間転写ベルト151上に重畳して形成されたトナー像のトナー帯電量を増加させる。
【0075】
「変形例2」
変形例2に係る画像形成装置1Aは、
図11(b)に示すように、中間転写ベルト151の移動方向最下流に配置された感光体ユニット13と二次転写部TRの間で中間転写ベルト151に対向して配置された尖状電極部材171を備えている。
画像形成装置1Aにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、尖状電極部材171に高圧電界を印加してマイナス放電させることで、中間転写ベルト151上に重畳して形成されたトナー像のトナー帯電量を増加させる。
【0076】
このように、画像形成装置1Aにおいては、余白なし印刷モード時に中間転写ベルト151上に重畳して形成されるトナー像のトナー帯電量を増加させて二次転写部TRで用紙Pに転写されるトナー像と用紙Pとの静電付着力を上昇させることで、用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0077】
「第三実施形態」
図12(a)は二次転写部TRの下流側で、搬送される記録媒体に対向して配置されたコロトロン帯電器170を示す断面模式図、(b)は二次転写部TRの下流側で、搬送される記録媒体に対向して配置された尖状電極部材171を示す断面模式図である。
本実施形態に係る画像形成装置1Bは、余白なし印刷モードで用紙Pに転写されたトナー像のトナー帯電量を増加させて用紙Pとトナー像TN1との静電付着力を上昇させることで用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制する。
【0078】
画像形成装置1Bは、
図12(a)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して配置されたコロトロン帯電器170を備えている。
画像形成装置1Bにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、コロトロン帯電器170に高圧電界を印加してマイナス放電させることで、用紙P上に転写されたトナー像のトナー帯電量を増加させて用紙Pとトナー像TN1との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0079】
「変形例」
変形例に係る画像形成装置1Bは、
図12(b)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して配置された尖状電極部材171を備えている。
画像形成装置1Bにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、尖状電極部材171に高圧電界を印加してマイナス放電させることで、用紙P上に転写されたトナー像TN1のトナー帯電量を増加させて用紙Pとトナー像TN1との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0080】
「第四実施形態」
図13(a)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置されたコロトロン帯電器170を示す断面模式図、(b)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置された尖状電極部材171を示す断面模式図、
図14(a)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置されたバーブラシ180を示す断面模式図、(b)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置されたロールブラシ181を示す断面模式図である。
図15(a)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置された回転ロール182を示す断面模式図、(b)は二次転写部TRの上流側で、搬送される記録媒体に対向して配置された回転ロール182と対向ロール183を示す断面模式図である。
【0081】
本実施形態に係る画像形成装置1Cは、余白なし印刷モードで二次転写前の用紙Pを予め帯電させることで用紙Pとトナー像との静電吸着力を増加させて用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制する。
【0082】
画像形成装置1Cは、
図13(a)に示すように、二次転写部TRの上流側で、搬送される用紙Pに対向して配置されたコロトロン帯電器170を備えている。
画像形成装置1Cにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、コロトロン帯電器170にトナーの電荷と逆極性の高圧電界を印加してプラス放電させることで、二次転写前の用紙Pを正帯電させて転写されるトナー像TN1との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0083】
「変形例1」
変形例1に係る画像形成装置1Cは、
図13(b)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して配置された尖状電極部材171を備えている。
画像形成装置1Cにおいては、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、尖状電極部材171に高圧電界を印加してプラス放電させることで、二次転写前の用紙Pを正帯電させて転写されるトナー像TN1との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0084】
「変形例2」
変形例2に係る画像形成装置1Cは、
図14(a)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して用紙Pの搬送方向に交差して植設されたバーブラシ180を備えている。バーブラシ180は、導電性繊維を含む毛羽からなり、用紙Pの裏面に接触した状態でバイアス電圧が印加されることで用紙Pを正帯電させて転写されるトナー像との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0085】
導電性繊維としては、一例として、ナイロン等のポリアミド類、ポリブチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン類からなる合成繊維に導電性フィラーとしてカーボンブラックが分散されて、体積抵抗率が1×10
6Ω・cm〜1×10
10Ω・cmに調整され、接触した用紙Pに電荷を付与すると同時に、二次転写部TRで印加される二次転写バイアスのバーブラシ180を通じた漏洩を抑制している。
【0086】
「変形例3」
変形例3に係る画像形成装置1Cは、
図14(b)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して用紙Pの搬送方向に交差して回転可能に配置されたロールブラシ181を備えている。ロールブラシ181は、回転軸の周りに植設された導電性繊維を含む毛羽からなり、用紙Pの裏面に回転しながら接触した状態でバイアス電圧が印加されることで用紙Pを正帯電させて転写されるトナー像TN1との静電付着力を上昇させ用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制することができる。
【0087】
導電性繊維としては、バーブラシ180と同様に、ナイロン等のポリアミド類、ポリブチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン類からなる合成繊維に導電性フィラーとしてカーボンブラックが分散されて、体積抵抗率が1×10
6Ω・cm〜1×10
10Ω・cmに調整され、接触した用紙Pに電荷を付与すると同時に、二次転写部TRで印加される二次転写バイアスのロールブラシ181を通じた漏洩を抑制している。
【0088】
「変形例4」
変形例4に係る画像形成装置1Cは、
図15(a)に示すように、二次転写部TRの下流側で、搬送される用紙Pに対向して用紙Pの搬送方向に交差して回転可能に配置された回転ロール182を備えている。回転ロール182としては、一例として、ステンレス製の導電性芯材の外周にゴム製の導電性発泡弾性体を被覆して構成され、体積抵抗率が10
5Ω・cm〜10
9Ω・cmの範囲内に設定され、硬度(アスカC)が30°〜50°の範囲内にあるものを用いることができ、接触した用紙Pに電荷を付与すると同時に、二次転写部TRで印加される二次転写バイアスの回転ロール182を通じた漏洩を抑制している。
【0089】
回転ロール182は、
図15(b)に示すように、回転ロール182に対向した対向ロール183と搬送ロール対を構成するようにしてもよい。対向ロール183は、回転ロール182と同様にステンレス製の導電性芯材の外周にゴム製の導電性発泡弾性体を被覆した構成として接地して配置されている。これにより、用紙Pをバイアス電圧が印加された回転ロール182と接地された対向ロール183でニップしながら搬送して用紙Pに電荷を付与して帯電させることができる。
【0090】
「第4実施形態」
図16は、二次転写ローラ153の押圧機構200を示す断面模式図である。
本実施形態に係る画像形成装置1Dは、二次転写部TRにおける二次転写ローラ153の用紙Pへの押圧力を増加することで、用紙Pとトナー像との付着力を増加させる。
【0091】
図16に示すように、二次転写ローラ153は、二次転写ローラ153の軸153aを支える軸受け153b、軸受け153bを支えて二次転写ローラ153の軸153aを押圧するスプリング(押しバネ)153c、スプリング153c及び軸受け153bを支える二次転写ローラホルダ153dを備え、押圧機構200に支持されて中間転写ベルト151を介して駆動ローラ158に押圧されている。
【0092】
押圧機構200は、図示しないモータおよび駆動伝達機構を介して連結された伝達軸200a、伝達軸200aに取り付けられた偏心カム200bを有している。
この二次転写ローラ153の押圧機構200は、偏心カム200bの回転により、二次転写ローラホルダ153dを図中の矢印方向に移動させることで、スプリング153cの押圧力を増減させる構成となっている。
【0093】
画像形成装置1Dは、受けつけた印刷ジョブが余白なし印刷モードと判断されると、トナー帯電量制御部113は画像出力制御部111を介して、押圧機構200の偏心カム200bを回転して二次転写部TRにおける二次転写ローラ153の用紙Pへの押圧力を増加することで、用紙Pとトナー像TN1との付着力を増加させる。
これにより、用紙Pの端部に転写されたトナーの搬送ガイド157、定着案内ガイド163への付着を抑制してトナーによる用紙Pの先端及び裏面の汚れを抑制することができる。