【解決手段】真空チャンバ1の内部においてワーク搬送機構3によって搬送されるワーク5を検出するワーク検出機構90であって、センサ部91、センサアンプ部92、電池部93及び無線送信部94は、ワーク搬送機構3が有する1つの第一エンドエフェクタ70に設けられるとともに、第一エンドエフェクタ70以外の部材には直接接続されておらず、ワーク検出機構90のうちセンサ部91以外の部分を一つの筐体98で覆うとともに、筐体98は、冷却装置8は、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある場合において冷却される。エンドエフェクタ70の運動によってワーク検出機構90の配線等が損傷することがなく、運動が制限されることもない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明においては、図中に示した矢印に従って前後方向、左右方向及び上下方向を規定する。
【0017】
以下ではまず、本発明の一実施形態に係るワーク検出機構90を具備するワーク搬送機構3について説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すワーク搬送機構3は、真空チャンバ1(真空室)の内部でワーク5(例えば、シリコンウェハや太陽電池用ガラス基板等)を搬送するものである。ワーク搬送機構3は、平面視略円形に配置された複数のロードロックチャンバ2・2・・・の中央部に配置される真空チャンバ1の内部に配置される。ワーク搬送機構3は、所定のプログラム等に基づいて、一のロードロックチャンバ2から他のロードロックチャンバ2へとワーク5を搬送することができる。
【0019】
図3及び
図4に示すワーク搬送機構3は、主として、固定部10、昇降軸20、旋回軸30、ガイド部40、第一リンクアーム部50、第二リンクアーム部60、第一エンドエフェクタ70、第二エンドエフェクタ80及びワーク検出機構90を具備する。
【0020】
図3に示す固定部10は、ワーク搬送機構3の主たる構造体となるものである。固定部10は、軸線方向を上下方向に向けた中空状の略円柱形状に形成される。固定部10の内部には、後述する昇降軸20を上下に昇降させるための昇降機構(不図示)が配置される。
【0021】
図4に示す昇降軸20は、中空状の固定部10内に挿入され、当該固定部10に対して上下方向に摺動可能となるように構成される。昇降軸20は、前記昇降機構により上下方向に昇降駆動される。昇降軸20の内部には、後述する旋回軸30を旋回させるための旋回用モータ21及び旋回用減速機22が配置される。
【0022】
旋回軸30は、昇降軸20内に挿入され、当該昇降軸20に対して回動(旋回)可能となるように構成される。旋回軸30は、旋回用減速機22を介して伝達される旋回用モータ21の駆動力によって旋回駆動される。旋回軸30の内部には、後述する第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を摺動させるための摺動用モータ31・31及び摺動用減速機32・32が配置される。
【0023】
図3に示すガイド部40は、後述する第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を案内するものである。ガイド部40は、旋回軸30の上端部に支持される。ガイド部40は長手方向を前後方向に向けて配置され、当該ガイド部40にはその長手方向に沿って第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を案内するためのレールが形成される。
【0024】
図3及び
図4に示す第一リンクアーム部50・50は、摺動用モータ31・31からの駆動力を第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に伝達するためのものである。第一リンクアーム部50・50の一端部は、旋回軸30に対して回動可能に連結されると共に、それぞれ摺動用減速機32・32を介して摺動用モータ31・31に連結される。
【0025】
第二リンクアーム部60・60は、摺動用モータ31・31からの駆動力を第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に伝達するためのものである。第二リンクアーム部60・60の一端部は、第一リンクアーム部50・50の他端部に対して回動可能に連結される。
【0026】
第一エンドエフェクタ70は、ワーク5を載置する等して当該ワーク5を搬送するためのものである。第一エンドエフェクタ70は、主として基端部71及び載置部72を具備する。
【0027】
基端部71は、複数の板材等により構成され、長手方向を左右に向けて配置される。基端部71は、一方の第二リンクアーム部60の他端部に回動可能に連結されるとともに、ガイド部40のレールに沿って摺動可能となるように当該ガイド部40に支持される。
【0028】
載置部72は、4つの細長い棒状の部材により構成され、長手方向を前後に向けて基端部71の前端から前方に向けて延設される。
【0029】
第二エンドエフェクタ80は、ワーク5を載置する等して当該ワーク5を搬送するためのものである。第二エンドエフェクタ80は、主として基端部81及び載置部82を具備する。
【0030】
基端部81は、板材等により構成され、長手方向を左右に向けて配置される。基端部81は、他方の第二リンクアーム部60の他端部に回動可能に連結されるとともに、ガイド部40のレールに沿って摺動可能となるように当該ガイド部40に支持される。
【0031】
載置部82は、4つの細長い棒状の部材により構成され、長手方向を前後に向けて基端部81の前端から前方に向けて延設される。
【0032】
旋回軸30と第二リンクアーム部60・60、第一リンクアーム部50・50と第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80は、それぞれプーリ及びベルトによって連結されており、摺動用モータ31・31の駆動力によって第一リンクアーム部50・50が回動すると、それに伴って第二リンクアーム部60・60、第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80が回動する。
【0033】
ワーク検出機構90は、第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に載置されたワーク5を検出するためのものである。ワーク検出機構90の詳細な構成については後述する。
【0034】
次に、以上の如く構成されたワーク搬送機構3の動作態様について説明する。
【0035】
ワーク搬送機構3がワーク5を搬送しない場合、当該ワーク搬送機構3は作業原点姿勢(
図1及び
図2参照)にある。ワーク搬送機構3の作業原点姿勢とは、昇降軸20が最も下方に摺動し、第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80の長手方向が前後方向を向き(より詳細には、基端部71及び基端部81が後方に、載置部72及び載置部82が前方に位置している状態)、かつ第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80が最も後方まで摺動している状態である。
【0036】
ワーク搬送機構3によりワーク5を搬送する場合、図示せぬ昇降機構、旋回用モータ21及び摺動用モータ31・31を駆動することで、第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を適宜上下に昇降させ、載置部72及び載置部82を適宜の方向に向け、適宜摺動させることができ、この動作を繰り返すことによってロードロックチャンバ2・2・・・内のワーク5を載置部72及び載置部82にそれぞれ載置し、他のロードロックチャンバ2・2・・・へ搬送することができる。
【0037】
次に、ワーク検出機構90の構成について説明する。
なお、ワーク検出機構90は、第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80にそれぞれ設けられるが、その構成は略同一であるため、以下では第一エンドエフェクタ70に設けられたワーク検出機構90についてのみ説明する。
【0038】
図5に示すワーク検出機構90は、第一エンドエフェクタ70に載置されたワーク5を検出するためのものである。ワーク検出機構90は、主としてセンサ部91、センサアンプ部92、電池部93、無線送信部94、アンテナ95、ソーラーパネル96、バッテリチャージャ97及び筐体98を具備する。
【0039】
図4及び
図5(a)に示すセンサ部91は、投光部及び受光部を有し、当該投光部から照射されワーク5によって反射された光を当該受光部で受光することによって当該ワーク5を検出するものである。センサ部91は、第一エンドエフェクタ70の載置部72に配置される(
図4参照)。
【0040】
図5(a)に示すセンサアンプ部92は、センサ部91に接続され、当該センサ部91からの信号を増幅する等の処理をするものである。センサアンプ部92は、光ファイバ等により構成される配線91aによってセンサ部91と接続される。配線91aは、第一エンドエフェクタ70の基端部71及び載置部72に沿うように(又は、基端部71及び載置部72の内部に)設けられる。
【0041】
電池部93は、センサアンプ部92に電力を供給するものである。電池部93は、センサアンプ部92と接続される。
【0042】
無線送信部94は、センサアンプ部92からの信号を真空チャンバ1の外部(ワーク搬送機構3の制御部)へと無線で送信するものである。無線送信部94は、センサアンプ部92及びアンテナ95とそれぞれ接続され、センサアンプ部92からの信号を、アンテナ95を介して無線で送信することができる。
【0043】
ソーラーパネル96は、光エネルギーを電力に変換するものである。ソーラーパネル96は、バッテリチャージャ97を介して電池部93と接続され、当該ソーラーパネル96で発電された電力は、バッテリチャージャ97を介して電池部93に充電される。
【0044】
なお、本実施形態においては、ソーラーパネル96及びバッテリチャージャ97によって本発明に係る充電部が構成されている。
【0045】
図4及び
図5に示す筐体98は、センサアンプ部92、電池部93、無線送信部94、アンテナ95、ソーラーパネル96及びバッテリチャージャ97を覆う部材である。筐体98は、中空の略直方体形状に形成される。筐体98は、第一エンドエフェクタ70の基端部71の後端に固定される(
図3及び
図4参照)。
【0046】
図5(a)に示すように、筐体98の外壁の一部にはフィールドスルーユニット98a・98aが設けられる。当該フィールドスルーユニット98a・98aを介してセンサ部91とセンサアンプ部92とが配線91aで接続されると共に、無線送信部94とアンテナ95とが接続される。このようにフィールドスルーユニット98a・98aを用いることで、筐体98の内部空間と真空チャンバ1内の空間(真空空間)とを遮断しながらも、所定の機器を接続することができる。
【0047】
また、筐体98の外壁の一部(より詳細には、ソーラーパネル96と対向する部分)には、透光部98bが設けられる。透光部98bはガラス等の光を透過することができる材料によって形成される。当該透光部98bを介して、筐体98の外部に配置された光源4からの光が筐体98の内部へと導入され、当該光はソーラーパネル96に照射される。
【0048】
図5(b)に示すように、光源4は、真空チャンバ1の外壁に配置される。当該光源4は、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある場合において、筐体98(より詳細には、筐体98の透光部98b)と対向するように配置される。これによって、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある際には、光源4からの光が透光部98bを介してソーラーパネル96に照射され、当該ソーラーパネル96によって発電された電力を電池部93に充電することができる。すなわち、真空チャンバ1の外部から非接触方式にて電池部93へと電力を供給(充電)することができる。そして、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にあるときのみ、光源4を作動させればよいので消費電力も低減できる。
【0049】
上述の如く構成されたワーク検出機構90において、センサ部91によってワーク5が第一エンドエフェクタ70上の所定の位置に存在するか、搬送中に脱落していないか等を検出することができ、当該検出信号を、無線送信部94を介して無線で外部へと常時送信することができる。真空チャンバ1の外部で当該検出信号を受信し、もしワーク5が所定の位置にない場合や、脱落している場合等は、すぐにワーク搬送機構3の動作を停止させることができる。
【0050】
また、ワーク検出機構90は電池部93の電力によって動作し、当該電力はワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある場合にソーラーパネル96及びバッテリチャージャ97によって充電される。
【0051】
このように、ワーク検出機構90を構成する部材は、全て、ワーク搬送機構3において最も移動量及び運動量が大きい第一エンドエフェクタ70に設けられ、当該第一エンドエフェクタ70以外の部材には配線等の有線によって直接接続されず、無線でのみワーク搬送機構3の制御部と通信できる。したがって、第一エンドエフェクタ70がどのように運動しても、ワーク検出機構90の配線が引っ張られる等して損傷することがなく、また、当該損傷を防止するために第一エンドエフェクタ70の運動(例えば、第一リンクアーム部50及び第二リンクアーム部60の回動範囲、旋回軸30の旋回範囲、昇降軸20の昇降範囲等)を制限する必要もない。
【0052】
以上の如く、本実施形態に係るワーク検出機構90は、
真空チャンバ1(真空室)の内部においてワーク搬送機構3によって搬送されるワーク5を検出するワーク検出機構90であって、
ワーク5を検出するセンサ部91と、
センサ部91に接続され、センサ部91からの信号を処理するセンサアンプ部92と、
センサアンプ部92に電力を供給する電池部93と、
センサアンプ部92からの信号を真空チャンバ1の外部へと無線で送信する無線送信部94と、
を具備し、
センサ部91、センサアンプ部92、電池部93及び無線送信部94は、ワーク搬送機構3が有する1つの第一エンドエフェクタ70に設けられるとともに、当該第一エンドエフェクタ70以外の部材には直接接続されていないものである。
【0053】
このように構成することにより、ワーク検出機構90が、第一エンドエフェクタ70とその他の部材(例えば、第二リンクアーム部60等)に亘るようにして設けられることがないため、当該第一エンドエフェクタ70の運動によってワーク検出機構90の配線等が損傷することがなく、当該第一エンドエフェクタ70の運動が制限されることがない。
また、複数の部材(例えば、第一エンドエフェクタ70と第二リンクアーム部60等)に亘るようにしてワーク検出機構90(特に配線)を設けることが無いため、例えば、各部材の内部に設けられた配線同士を接続するために当該各部材に孔を設け、配線を外部に引き出して接続する等の加工や作業をする必要も無く、当該部材の気密性を損なうことがない。
また、ワーク検出機構90が第一エンドエフェクタ70に設けられているため、ワーク搬送機構3によるワーク5の搬送経路のいかなる位置においても、当該第一エンドエフェクタ70が搬送しているワーク5を検出することができる。したがって、ワーク5が脱落する等の異常事態が発生した際には、すぐにワーク搬送機構3を停止するなど、迅速な対応をすることができる。
【0054】
また、ワーク検出機構90は、
真空チャンバ1の外部から非接触方式にて供給されるエネルギーを電力に変換して電池部93に充電する充電部(ソーラーパネル96及びバッテリチャージャ97)をさらに具備し、
前記充電部は、1つの第一エンドエフェクタ70に設けられるとともに、当該第一エンドエフェクタ70以外の部材には直接接続されず、非接触方式で真空チャンバ1の外部から前記充電部にエネルギーを供給して、電力を発生させて充電するものである。
【0055】
このように構成することにより、真空チャンバ1の外部の機器を直接接続することなく、電池部93を充電することができる。したがって、充電または電力供給のための配線を真空チャンバ1の外部から直接ワーク検出機構90に接続する必要がなく、第一エンドエフェクタ70の運動が制限されることがない。
【0056】
また、上記実施形態(
図5参照)においては、ワーク検出機構90は、充電部としてソーラーパネル96とバッテリチャージャ97を具備するものとしたが(
図5(a)参照)、本発明はこれに限るものではない。
【0057】
例えば、
図6(a)に示すように、ソーラーパネル96に替えて誘導コイル196を具備するものとしても良い。この場合、筐体98の外部に配置された磁場発生装置104に当該筐体98(より詳細には、誘導コイル196)を接近させることで電磁誘導によって発電し、当該発電された電力を電池部93に充電することができる。
【0058】
また、
図6(b)に示すように、充電部としてのソーラーパネル96及びバッテリチャージャ97を設けない構成とすることもできる。この場合、電池部93は二次電池の替わりに一次電池とし、電力が無くなったら残量アラーム通知を行い、メンテナンスにて当該電池部93を別の新しいもの(充電されたもの)と交換することで、引き続きワーク検出機構90を利用することができる。
【0059】
また、上記実施形態(
図5及び
図6参照)においては、センサアンプ部92や電池部93等は単に筐体98に覆われているものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、当該筐体98を真空チャンバ1の内部の空間との間で断熱する構成とすることも可能である。
【0060】
例えば、
図7(a)に示すように、筐体98の外部をリフレクタ6で覆う構成とすることも可能である。これによって、真空チャンバ1内の輻射熱によって筐体98の内部の温度が上昇するのを防止することができ、ひいてはワーク検出機構90に温度上昇による不具合が生じるのを防止することができる。
【0061】
また、
図7(b)に示すように、筐体98の外部(又は、外周面)に断熱材7を設ける構成とし、これによって筐体98の内部の温度が上昇するのを防止することもできる。
【0062】
また、
図7(c)に示すように、筐体98の外部(又は、外周面)に断熱材7を設けると共に、さらにその外周からリフレクタ6で覆う構成とすることも可能である。これによって、筐体98の内部の温度が上昇するのをより効果的に防止することができる。
【0063】
以上の如く、本実施形態に係るワーク検出機構90は、
ワーク検出機構90のうちセンサ部91以外の部分を1つの筐体98で覆うとともに、
1つの筐体98を真空チャンバ1の内部の空間との間で断熱するものである。
【0064】
このように構成することにより、真空チャンバ1内の輻射熱により筐体98の温度が上昇し、各部分(例えば、センサアンプ部92や電池部93等)に不具合が生じるのを防止することができる。
【0065】
また、
図8に示すように、筐体98の内部の温度が上昇するのを防止するために、冷却装置8を用いる構成とすることも可能である。
【0066】
この場合、冷却装置8としては熱吸収プレート等を用いることができる。当該冷却装置8は、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある場合に、筐体98と近接するような位置に配置され、ワーク搬送機構3が作業原点姿勢にある場合には筐体98からの熱を吸収し、当該筐体98の内部の温度が上昇するのを防止することができる。
【0067】
なお、冷却装置8としては、熱吸収プレートの他に、熱吸収性の高い色(黒色等)の部材を用いることも可能である。
【0068】
また、上記実施形態においては、筐体98は、第一エンドエフェクタ70の基端部71の後端に固定される(
図3参照)ものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、筐体98は、
図9(a)に示すように第一エンドエフェクタ70の基端部71の側面(側端)に固定することや、
図9(b)に示すように第一エンドエフェクタ70の基端部71の内側面に固定すること等が可能である。また、図示しないが、筐体98を第一エンドエフェクタ70の基端部71の上面に固定することも可能である。
【0069】
以上の如く、本実施形態に係るワーク検出機構90は、1つの筐体98を、第一エンドエフェクタ70の基端部71に配置するものである。
【0070】
このように構成することにより、ワーク検出機構90を構成する部材(1つの筐体98に覆われた部材)を、ワーク5と接触し難い位置に配置することで、当該部材の損傷を防止することができる。
【0071】
また、上記実施形態においては、ワーク搬送機構3の第一リンクアーム部50及び第二リンクアーム部60は、所定の回動範囲内でしか回動することができないが、本発明に係るワーク検出機構はこのようなワーク搬送機構3以外にも適用することができる。以下では、その一例として、ワーク搬送機構203について簡単に説明する。
【0072】
図10に示すワーク搬送機構203は、主として昇降軸220、旋回軸230、ガイド部40、第一リンクアーム部250・250、第二リンクアーム部260・260、第一エンドエフェクタ70、第二エンドエフェクタ80及びワーク検出機構90を具備する。
【0073】
昇降軸220は、中空状の略円柱形状に形成され、昇降機構(不図示)によって上下に昇降可能に構成される。昇降軸220の内部には、後述する旋回軸230を旋回させるための旋回用モータ221や旋回用減速機226が配置される。
【0074】
旋回軸230は、中空状の略箱状に形成され、昇降軸220に対して回動(旋回)可能となるように構成される。旋回軸230は、旋回用減速機226及びプーリ225・224・223・222を介して伝達される旋回用モータ221の駆動力によって旋回駆動される。旋回軸230の内部及び下部には、後述する第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を摺動させるための摺動用モータ231・231が配置される。旋回軸230の昇降軸220に対する旋回可能な範囲(角度)は制限されることがなく、一方向に無限に旋回することが可能となっている。
【0075】
図10に示すガイド部40は、後述する第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を案内するものである。ガイド部40は、旋回軸230の上端部に支持される。ガイド部40は長手方向を前後方向に向けて配置され、当該ガイド部40にはその長手方向に沿って第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80を案内するためのレールが形成される。
【0076】
図10に示す第一リンクアーム部250・250は、摺動用モータ231・231からの駆動力を第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に伝達するためのものである。第一リンクアーム部250・250の一端部は、摺動用減速機236・236を介して旋回軸230に対して回動(旋回)可能に連結されると共に、当該摺動用減速機236及びプーリ235・234・233・232を介して摺動用モータ231・231に連結される。
【0077】
第二リンクアーム部260・260は、摺動用モータ231・231からの駆動力を第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に伝達するためのものである。第二リンクアーム部260・260の一端部は、第一リンクアーム部250・250の他端部に対して回動可能に連結される。
【0078】
第一エンドエフェクタ70は、ワーク5を載置する等して当該ワーク5を搬送するためのものである。第一エンドエフェクタ70は、主として基端部71及び載置部72を具備する。
【0079】
基端部71は、複数の板材等により構成され、長手方向を左右に向けて配置される。基端部71は、一方の第二リンクアーム部260の他端部に回動可能に連結されるとともに、ガイド部40のレールに沿って摺動可能となるように当該ガイド部40に支持される。
【0080】
載置部72は、4つの細長い棒状の部材により構成され、長手方向を前後に向けて基端部71の前端から前方に向けて延設される。
【0081】
第二エンドエフェクタ80は、ワーク5を載置する等して当該ワーク5を搬送するためのものである。第二エンドエフェクタ80は、主として基端部81及び載置部82を具備する。
【0082】
基端部81は、板材等により構成され、長手方向を左右に向けて配置される。基端部81は、他方の第二リンクアーム部260の他端部に回動可能に連結されるとともに、ガイド部40のレールに沿って摺動可能となるように当該ガイド部40に支持される。
【0083】
載置部82は、4つの細長い棒状の部材により構成され、長手方向を前後に向けて基端部81の前端から前方に向けて延設される。
【0084】
このように構成されたワーク搬送機構203において、図示せぬ昇降機構によって昇降軸220が上下に昇降され、旋回用モータ221の駆動力によって旋回軸230が旋回し、摺動用モータ231の駆動力によって第一リンクアーム部250・250が駆動する。
また、このワーク搬送機構203においては、旋回軸230の旋回可能な範囲(角度)は制限されることがないため、一方向に無限に旋回するような動作も可能である。
【0085】
このように、一方向に無限に旋回する機構を有するワーク搬送機構203であっても、ワーク検出機構90は第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80に設けられ、当該第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80以外の部材には直接接続されていないため、当該第一エンドエフェクタ70及び第二エンドエフェクタ80の運動によって当該ワーク検出機構90の配線等が損傷することがない。
【0086】
なお、センサ部91は、投光部及び受光部を有するものではなく、投光部及び受光部をそれぞれ別に設けることも可能である。また、センサ部91としては、光センサだけでなく、接触式のセンサ等、様々なセンサを用いることができる。
また、筐体98の形状は直方体状に限るものではなく、様々な形状で構成することも可能である。
また、ワーク搬送機構3及びワーク搬送機構203は一例であり、ワーク検出機構90は様々なワーク搬送機構に適用することが可能である。