【実施例】
【0029】
まず、
図1〜6を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。本発明のスマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステムの構成は、以下の通りである。
【0030】
サーボ装置100内にはヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200が保存され、前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200は登録モジュール21と、聴力検査モジュール22と、手動補正モジュール23と、お好み設定モジュール24とを備える。
前記登録モジュール21は使用者が対応するデータを入力して登録を行うために使用される(
図3参照、前記登録モジュール21には前記使用者が入力するための少なくとも1つのデータ欄が設定され、前記データ欄はユーザー名と、パスワードと、パスワード再入力と、性別と、年齢と、職業と、前記スマートヘッドフォン装置400のシリアルナンバーとを含む)。前記聴力検査モジュール22は前記使用者が聴力検査を行って検査結果を生成させるために用いられる(
図4A乃至
図4D参照)。前記手動補正モジュール23は前記使用者が前記検査結果に対して手動補正を行うために使用される(
図5A乃至
図5C参照)。前記お好み設定モジュール24は前記使用者が個人の好みに合わせて音響効果モードの調整を行るために用いられる(
図6参照)。設定完了後に前記使用者の聴力に適合したパーソナライズ設定が形成される。また、前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットは機能選択モジュール25を更に有し、前記使用者が前記スマートヘッドフォン装置400により提供される機能を選択可能になる。
【0031】
携帯装置300(例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯装置)は第1送信ユニット31を介してネットワークに接続され、前記サーボ装置100から前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200がダウンロードされると共に前記携帯装置300にインストールされる。
【0032】
スマートヘッドフォン装置400は、中央処理装置41と、前記中央処理装置41に電気的に接続される第2送信ユニット42であって、前記第2送信ユニット42により前記第1送信ユニット31とペアリングされ、前記携帯装置300から伝送された命令を受信させると共に前記中央処理装置41に伝送させ、前記中央処理装置41により前記命令が対応する信号に変換される第2送信ユニット42と、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記対応する信号を発信させて前記使用者に聴かせるヘッドフォンユニット43と、前記中央処理装置41に電気的に接続されると共に前記聴力検査モジュールにより生成された検査結果に基づいて自動補正を行う自動補正ユニット44と、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記パーソナライズ設定が保存されるストレージユニット45と、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記スマートヘッドフォン装置400に必要な電力を供給させる給電ユニット46とを備える。前記スマートヘッドフォン装置400は耳覆い型ブルートゥース(登録商標)ヘッドフォンである。
【0033】
使用者は前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステムを利用して個人専用のスマートヘッドフォン装置を構築することができる。前記使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を着用して携帯装置、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯音楽プレーヤー等の音声信号を再生可能なあらゆる装置に接続して音楽や放送を聴く際に、使用者の両耳の聴力差の問題を解決させているため、毎回音量を調整し直さずともよくなり、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことで聴力障害に陥ることがなくなる。また、音楽の周波数が使用者の好みの設定に基づいて調整され、使用者は快適な環境で音楽を聴くことができる。
【0034】
続いて、
図7に示されるように、前記スマートヘッドフォン装置400は、外部環境のノイズを収音するための集音マイクである少なくとも1つのサンプリングユニット47と、前記サンプリングユニット47及び前記中央処理装置41にそれぞれ電気的に接続され、前記外部環境のノイズの変化の分析を行って分析信号を発信させるサンプリング信号処理ユニット48とを更に備える。
また、前記分析信号は前記中央処理装置41に伝送され、前記中央処理装置41により前記分析信号に基づいて前記ヘッドフォンユニット43の再生音量が調整されることにより、使用者が環境の違いによって音が大きすぎる或いは小さすぎると感じてしまい、音楽を快適に聴けなくなる事態が回避される。
【0035】
これ以外にも、前記スマートヘッドフォン装置400は、前記中央処理装置41に電気的に接続されるデジタル信号処理ユニット49を更に備える。
前記デジタル信号処理ユニット49は前記分析信号に基づいて相当の比率の反対方向信号を前記ヘッドフォンユニット43に供給する。これにより、前記サンプリングユニット47が外部環境のノイズのサンプリングを行った後、前記サンプリング信号処理ユニット48に伝送させて分析を行うと共に前記分析信号を発信させ、最後に前記デジタル信号処理ユニット49により反対方向信号が前記ヘッドフォンユニット43に提供されることよりヘッドフォンユニットのノイズキャンセリング技術が実現する。使用者が音楽を聴いている最中に外部環境のノイズの影響を受けなくなり、音楽をクリアに聴くことができる。
【0036】
このほか、前記スマートヘッドフォン装置400は、前記中央処理装置41に電気的に接続される衛星測位ユニット50を更に備える。前記衛星測位ユニット50により前記スマートヘッドフォン装置400の現在地が取得され、且つ前記中央処理装置41に出力される。これにより、使用者が前記スマートヘッドフォン装置400を着用した際に現在地を知ることができる。
【0037】
図8は本発明所に係るスマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステムの使用方法を図示する。これは以下の工程を少なくとも含む。
使用者がサーボ装置を使用してヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットのダウンロードを行うと共に携帯装置にインストールさせ(例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯装置)、且つ前記携帯装置とスマートヘッドフォン装置とをペアリングさせてペアリングプロセスを完成させる工程1S1。
登録プロセスが実行され、前記使用者が前記携帯装置の登録モジュールを利用して対応するデータの入力を行う工程2S2。
聴力検査プロセスが実行され、前記使用者が前記スマートヘッドフォン装置を着用し、前記携帯装置の聴力検査モジュールにより前記使用者の左右の耳の聴力検査が行われると共に検査結果が生成される工程3S3。
聴覚補正プロセスが実行され、まず前記スマートヘッドフォン装置の自動補正ユニットにより前記検査結果に対する自動補正が行われ、前記使用者が続いて前記携帯装置の手動補正モジュールにより補正を行う工程4S4。
お好み設定プロセスが実行され、前記使用者が個人の好みに合わせて前記携帯装置のお好み設定モジュールにより音響効果モードの調整を行い、設定完了後に前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズが完成する工程5S5。
【0038】
次に、図を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【0039】
まず、前記携帯装置及び前記スマートヘッドフォン装置のペアリングプロセスが完了し、次に前記登録プロセスが実行され、前記登録モジュールには前記使用者が入力するための少なくとも1つのデータ欄が設定される(
図3参照)。また、前記データ欄はユーザー名と、パスワードと、パスワード再入力と、性別と、年齢と、職業と、前記スマートヘッドフォン装置のシリアルナンバーとを含み、使用者は上述の各データ欄の入力が完了すると登録も完了する。
【0040】
登録プロセスの完了後、使用者の聴力検査が行われ、聴力検査プロセスが実行される。前記聴力検査プロセスは準備状態及び検査状態を更に含み、前記準備状態では(
図4A参照)、まず前記スマートヘッドフォン装置の音量が最低まで下げられると共に前記スマートヘッドフォン装置のサンプリングユニットが所定の位置まで調整されて環境のノイズの検査が行われる。
検出された前記環境のノイズが低い場合は前記検査状態に切り換えられ、検出された前記環境のノイズが高い場合は前記検査状態に切り換えられない。前記検査状態に切り換えられた場合(
図4B及び
図4C参照)、前記使用者は前記スマートヘッドフォン装置を使用して前記携帯装置から発せられる音声信号を聴くことができ、且つ前記音声信号間の周波数または音量の違いにより、前記使用者が毎回片耳で前記音声信号を聴き、前記使用者が前記音声信号を聴き取った場合は前記携帯装置の確認ボタンを押して(
図4B及び
図4Cに示す”聴こえる”)確認メッセージを発信させる。
その後、前記携帯装置により前記音声信号とは異なる周波数または音量の音声信号が発信され、複数回の検査が行われた後、前記携帯装置に前記検査結果が表示され(
図4Dに示す左右両耳の聴覚曲線)、同時に前記検査結果が前記ストレージユニットに保存され、前記携帯装置により前記サーボ装置にアップロードされて保存される。
【0041】
これにより、前記使用者の両耳の検査が完了して前記検査結果が生成された後、続いて聴覚補正プロセスが実行される。まず、前記スマートヘッドフォン装置の自動補正ユニットにより前記検査結果に対する自動補正が行われ、且つ聴取音量が設定され、前記使用者は前記携帯装置の手動補正モジュールを利用して補正を行う。前記聴覚補正プロセスは聴覚曲線補正と、聴覚閾値感度補正と、平衡補正(
図5A参照)と、音源位置補正(
図5B参照)とを更に含む。
前記聴覚曲線補正及び前記聴覚閾値感度補正では前記自動補正ユニットにより自動補正が実行され、例えば、トレンドに合わせて微調整されると共に前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットによりどちらの耳を基準とするか自動的に判断される。検査結果が右耳の高音域及び左耳の低音域が正常だった場合、右耳に対する低音及び左耳に対する高音の補正を行うのみでよい。前記平衡補正及び前記音源位置補正は前記使用者が前記手動補正モジュールを使用して補正を行い、使用者が音声を頭部中央の位置で発せられるように微調整を行った後、補正済の音楽及び未補正の音楽をそれぞれ再生して使用者が聴き比べられるようにし、使用者が補正機能を使用するか否かを決定させる(
図5C参照)。
【0042】
最後にお好み設定プロセスが実行され、前記使用者は個人の好みに合わせて前記携帯装置のお好み設定モジュールを使用して音響効果モードの調整を行う(
図6参照)。前記音響効果モードはニュースモードと、クラシックモードと、ポップ音楽モードと、ロックンロールモードと、重低音モードとを含み、前記使用者が選択可能である。
設定完了後に前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズが完成する。これにより、前記使用方法により前記スマートヘッドフォン装置により前記使用者の聴力に対する矯正が実行され、使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を携帯装置、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯音楽プレーヤー等の音声信号が再生可能なあらゆる装置に接続させて音楽や放送を聴く際に、使用者の両耳の聴力差の問題が解決されているため、毎回音量を調整し直さずともよくなり、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことによる聴覚障害を負うことが無くなり、且つ音楽の周波数も使用者の好みの設定に基づいて調整され、使用者が快適な環境で音楽を聴けるようになり、好ましいリスニング効果が達成される。
【0043】
また、本発明のスマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステムの使用方法は、機能選択プロセスが実行され、前記使用者が機能選択モジュールを使用して前記スマートヘッドフォン装置により提供される機能を選択するプロセスの工程6S6を更に含む。
図9に示すように、前記機能は能動的ノイズキャンセリング機能及びイージーリスニング機能を含み、使用者が切り替え可能である。能動的ノイズキャンセリング機能はサンプリングユニットが外部環境のノイズに対するサンプリングを行った後、前記サンプリング信号処理ユニットに伝送されて分析が行われると共に前記分析信号が発信される。最後に、前記デジタル信号処理ユニットが提供する反対方向信号が前記ヘッドフォンユニットに送信され、使用者が音楽を聴いている最中に外部環境のノイズの影響を受けなくなり、音楽をクリアに聴くことができる。
イージーリスニング機能はサンプリングユニットにより外部環境のノイズのサンプリングが行われた後、前記サンプリング信号処理ユニットに伝送されて分析が行われて前記分析信号が発信され、中央処理装置は前記分析信号に基づいて前記ヘッドフォンユニットの再生音量の調整を行う。これにより、使用者が音楽を聴く際に環境のノイズが変化した場合(ノイズが大きくなる或いは小さくなる)、前記スマートヘッドフォン装置は即時前記ヘッドフォンユニットの再生音量の調整を行い(音量を上げるまたは下げる)、使用者が音楽をクリアで快適に聴けるようになる。
【0044】
このほか、使用者が音楽を第一所定時間(例えば、60分)聴き続けた場合、携帯装置に保存されるヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットが自動的に警告メッセージを発信させる。例えば、携帯装置のスクリーンに「耳を10分間休ませて下さい」等の文字が表示され、同時にスマートヘッドフォン装置のヘッドフォンユニットにより特別な警告音が発せられる。
また、第二所定時間(例えば、120分)を超えて聴き続けた場合、携帯装置に保存されるヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットが自動的に警告メッセージを発信させる。携帯装置のスクリーンには「耳を10分間休ませて下さい」等の文字が表示され、スマートヘッドフォン装置のヘッドフォンユニットにより特別な警告音が発せられる。更に第三所定時間(例えば、5分)を超えて聴き続けた場合、スマートヘッドフォン装置が自動的に停止する。このように、耳の健康を護る警告機能を有する。
【0045】
最後に、スマートヘッドフォン装置を一定日数(例えば、90日)使用した場合、起動時に携帯装置のスクリーンに警告文が表示され、例えば、「聴力検査をして下さい」と表示される。これにより、使用者は工程2S2乃至工程5S5の検査や調整等のプロセスを再度実行し、且つ毎回の検査及び調整結果がスマートヘッドフォン装置のストレージユニット及びサーボ装置に保存され、使用者の聴力の変化の定期検査が行われると共にその変化に応じてスマートヘッドフォン装置の設定が調整され、スマートヘッドフォン装置が最良のリスニング状態に維持される。
【0046】
総合すると、本発明のスマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステム及びその使用方法は、サーボ装置、ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット、携帯装置、及びスマートヘッドフォン装置の使用方法(ペアリング、登録、聴力検査、聴覚補正、お好み設定)が使用者の聴力及び好みに合わせて使用者専用にパーソナライズされるスマートヘッドフォン装置であり、使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を着用して音楽や放送を聴く場合、使用者の両耳の聴力差の問題が解決されているため、毎回音量を調整させる必要がなく、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことによる聴覚障害を負うこともなくなる。また、音楽の周波数は使用者の好みの設定に基づいて調整されるため、使用者は快適な環境で音楽を聴くことができる。
また、本発明はスマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステム及びその使用方法を更に提供し、外部環境のノイズに対するサンプリング、分析、及び処理を行い、且つ分析結果に基づいてヘッドフォンユニットの音量が調整され、イージーリスニング機能が提供される。或いは、分析結果に基づいて外部環境のノイズを抑制させる信号がヘッドフォンユニットに伝送され、能動的ノイズキャンセリング機能が提供される。どちらも使用者がいつでもどこでも快適に音楽を聴けるようにするための機能である。最後に、スマートヘッドフォン装置を最良のリスニング状態に維持させるための定期検査機能を有し、使用者の聴力の変化の検査を行うと共にその変化に基づいてスマートヘッドフォン装置の設定を調整させる。
【0047】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。