特開2018-191501(P2018-191501A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-191501電磁的ナビゲーションシステムの無線用具を充電するためのロケーション伝送信号の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-191501(P2018-191501A)
(43)【公開日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】電磁的ナビゲーションシステムの無線用具を充電するためのロケーション伝送信号の使用
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20181102BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20181102BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20181102BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20181102BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20181102BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20181102BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20181102BHJP
【FI】
   H02J50/12
   H02J50/90
   H02J7/00 301D
   H02J50/80
   H02J7/00 302A
   H02J50/40
   A61B5/06
   H01F38/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-83624(P2018-83624)
(22)【出願日】2018年4月25日
(31)【優先権主張番号】15/498,038
(32)【優先日】2017年4月26日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BB01
5G503DA02
5G503GB08
5G503GD04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線電池式医療用具を有する電磁的ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】電磁的ナビゲーションシステムは、エミッタコイルのそれぞれは異なる周波数によって駆動され、各エミッタコイルが磁場を生成するように構成される第1の無線伝送デバイスと、無線電池式用具300と、を含む。無線電池式用具は、エミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信しかつ磁場を受信したことに応答して用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される受信コイル304と、処理用の電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における用具の場所を判定するように構成される無線インターフェース312と、電力を用具に供給するように構成される電池302と、電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイル306と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁的ナビゲーションシステムであって、
1つ以上のエミッタコイルを有する第1の無線伝送デバイスであって、前記1つ以上のエミッタコイルのそれぞれは異なる周波数によって駆動され、各エミッタコイルが磁場を生成するように構成される、第1の無線伝送デバイスと、
無線電池式用具であって、
前記用具に配置され、前記1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信しかつ前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して前記用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルと、
処理用の前記電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における前記用具の前記場所を判定するように構成される無線インターフェースと、
電力を前記用具に供給するように構成される電池と、
前記電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルであって、前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、(i)エネルギーを前記1つ以上の磁場から受信し、(ii)前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように構成される、1つ以上の充電コイルと、を含む、無線電池式用具と、
を含む、電磁的ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記用具は、ハンドルを更に含み、前記1つ以上の充電コイルは、前記ハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の充電コイルは、前記用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記用具の前記第1の部分から分離した前記用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記用具のハンドルに配置される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の無線伝送デバイスはU字型であり、複数のエミッタコイルを含み、各エミッタコイルが無線信号を伝送し、前記1つ以上の磁場を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の無線伝送デバイスから分離して、無線信号を伝送し、1つ以上の追加磁場を生成するように構成される、第2の無線伝送デバイスを更に含み、
前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、(i)エネルギーを、前記第2の無線伝送デバイスによって生成され、前記1つ以上の充電コイルを通過する、前記1つ以上の追加磁場から受信し、(ii)前記1つ以上の追加磁場から受信された前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
電磁的ナビゲーションシステムと共に使用する無線電池式医療用具であって、前記医療用具は、
前記医療用具に配置され、1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信し、前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して前記医療用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルと、
処理用の前記電気信号を無線で提供し、3次元(3D)空間内における前記医療用具の前記場所を判定するように構成される無線インターフェースと、
電力を前記医療用具に供給するように構成される電池と、
前記電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルであって、前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、前記医療用具に配置され、(i)エネルギーを前記1つ以上の磁場から受信し、(ii)前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように構成される、1つ以上の充電コイルと、
を含む、医療用具。
【請求項10】
前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、請求項9に記載の医療用具。
【請求項11】
前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項10に記載の医療用具。
【請求項12】
ハンドルを更に含み、前記1つ以上の充電コイルは、前記医療用具の前記ハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項10に記載の医療用具。
【請求項13】
前記1つ以上の充電コイルは、前記医療用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記医療用具の前記第1の部分から分離した前記医療用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、請求項9に記載の医療用具。
【請求項14】
前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記医療用具のハンドルに配置される、請求項13に記載の医療用具。
【請求項15】
無線電池式医療用具を充電する方法であって、
前記医療用具に配置される受信コイルにおいて、1つ以上の磁場を受信することと、
前記医療用具に配置される電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルにおいて、前記1つ以上の磁場を受信することと、
前記受信コイルによって、前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して、3次元(3D)空間内における前記医療用具の場所を示す電気信号を生成することと、
前記医療用具に配置される無線インターフェースを介して、処理用の前記電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における前記医療用具の前記場所を判定することと、
前記1つ以上の充電コイルによって、前記1つ以上の磁場から受信されたエネルギーを介して、電力を前記電池に供給することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の充電コイルは、前記用具のハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の充電コイルは、前記用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記用具の前記第1の部分から分離した前記用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記用具のハンドルに配置される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
1つ以上のエミッタコイルを有する第1の無線伝送デバイスを含む電磁的ナビゲーションシステムが提供される。1つ以上のエミッタコイルのそれぞれは異なる周波数によって駆動され、各エミッタコイルが磁場を生成するように構成される。本システムは、患者に医療処置を行うように構成される無線電池式用具を含む。本用具は、本用具に配置され、1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信しかつ1つ以上の磁場を受信したことに応答して用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルを含む。本用具は、また、処理用の電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における用具の場所を判定するように構成される無線インターフェースを含む。本用具は、また、電力を本用具に供給するように構成される電池と、電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルと、を含み、1つ以上の充電コイルのそれぞれは、(i)エネルギーを1つ以上の充電コイルの表面を通過する1つ以上の磁場から受信し、(ii)エネルギーを電池に供給し、電池を充電するように構成される。
【0002】
電磁的ナビゲーションシステムと共に使用する無線電池式医療用具が提供される。医療用具は、医療用具に配置され、1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信し、かつ1つ以上の磁場を受信したことに応答して医療用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルを含む。医療用具は、また、処理用の電気信号を無線で提供し、3次元(3D)空間内における医療用具の場所を判定するように構成される無線インターフェースを含む。本用具は、また、電力を医療用具に供給するように構成される電池と、電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルと、を含む。1つ以上の充電コイルのそれぞれは、医療用具に配置され、(i)エネルギーを、1つ以上の充電コイルの表面を通過する1つ以上の磁場から受信し、(ii)エネルギーを電池に供給し、電池を充電するように構成される。
【0003】
無線電池式医療用具を充電する方法が提供される。本方法は、医療用具に配置される受信コイルにおいて1つ以上の磁場を受信することと、医療用具に配置される電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルにおいて1つ以上の磁場を受信することと、を含む。本方法は、また、受信コイルによって、1つ以上の磁場を受信したことに応答して、3次元(3D)空間内における医療用具の場所を示す電気信号を生成することを含む。本方法は、また、医療用具に配置される無線インターフェースを介して、処理用の電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における医療用具の場所を判定することを含む。本方法は、更に、1つ以上の充電コイルによって、1つ以上の充電コイルの表面を通過する1つ以上の磁場から受信されたエネルギーにより、電力を電池に供給することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面と併せた例を考慮すると、以下の説明から、より詳細に理解することができる。
図1】本明細書に開示される実施形態による、用具を3次元(3D)空間内で操作するための例示の医療システムの図である。
図2】本明細書に記載の実施形態と共に使用するための例示の電磁的ナビゲーションシステムの構成要素の図である。
図3】本明細書に記載の電磁的ナビゲーションシステムと共に使用するための例示の無線電池式医療用具の構成要素を例示するブロック図である。
図4】本明細書に記載の電磁的ナビゲーションシステムと共に使用するための例示の無線電池式医療用具の図である。
図5】電池に配置される単一の充電コイルを有する、図4に示される例示の無線電池式用具の図である。
図6】用具ハンドルに配置される単一の充電コイルを有する、図4に示される例示の無線電池式用具の図である。
図7】電池及び用具ハンドルに配置される一対の充電コイルを含む、図4に示される例示の無線電池式用具の図である。
図8A】用具構成要素の外側周囲に巻かれた充電コイルループを例示する、用具構成要素の例示的部分の断面図である。
図8B】用具構成要素内に埋め込まれた充電コイルループを例示する、用具構成要素の例示的部分の断面図である。
図8C】用具構成要素内部に位置する充電コイルループを例示する、用具構成要素の例示的部分の断面図である。
図9】本明細書に記載の実施形態による、無線電池式用具を充電する例示の方法を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
電磁的ナビゲーションシステムは、患者の解剖学的構造内部における3次元空間内の医療用具の場所を判定するために使用される。判定場所に基づいて、患者の解剖的情報は、医療関係者に対して表示される。いくつかの電磁的ナビゲーションシステムでは、医療用具は、システム構成要素に無線接続される。これらの無線システムでは、耳、鼻、及び咽(ENT)の医師及び心臓専門医等の医療関係者は、患者の解剖学的構造の医療処置を行うために、カテーテル等の電池式用具を使用する。
【0006】
手術には、典型的には、医師による数時間にわたる細心の操作が含まれる。手術中の用具の電源異常を防ぐために、手術期間中に用具に電池から十分な電力が連続して供給される。したがって、連続電力(例えば、静電容量)を提供する用具に搭載される電池のサイズ及び重量は、多くの場合、医師にとって扱いにくいものになり、用具を操作する医師の能力に悪影響を及ぼす。
【0007】
本出願は、3次元空間内の用具の場所を特定するために使用される磁場を生成する同じ無線伝送デバイスによって生成される磁場からのエネルギーを利用することによって、充電用具のシステム、装置、及び方法を開示する。本用具は、無線信号によって生成された磁場が充電コイル(例えば、充電コイルの表面)を通過するとき、エネルギーを受信し電池を充電する1つ以上の充電コイルを含む。充電コイルは、用具を充電するためにエネルギーを受信するための表面積の増加をもたらすように、用具の一部又はある部分の周囲に巻かれ又はループ状になる。充電コイルは、電池サイズを大きくしないで、長時間の手術を完了するために十分な電力を用具に提供し、円滑な操作性のために軽量で人間工学的な用具を支援にする。
【0008】
ある実施形態は、無線伝送信号を1つ以上の磁場生成デバイスから提供することを含む。例えば、磁場生成デバイスは、3次元空間内の用具の場所を特定することを容易にする患者の解剖学的構造に隣接して(例えば、その下に)提供される、1つ以上のエミッタコイルを有するロケーションパッドを含む。一実施形態では、ロケーションパッドは、U字型磁場生成デバイスの異なる場所に配置される複数のエミッタコイルを含む。ロケーションパッドに加えて又は代替的に、他の1つ以上の無線伝送デバイスは、また、無線信号を伝送するように提供され得る。
【0009】
ここで図1を参照すると、情報52(例えば、図表、患者の一部の解剖モデル、及び信号情報)を生成及び表示するために使用され得る例示の医療システム20の図が示されている。用具22等の用具(すなわち、医療用具)は、患者28の心臓26内の電位をマッピングするため等の診断又は治療処置のために用いられる任意の用具であってよい。代替的に、用具は、必要な変更を加えて、心臓、肺、又はその他の人体臓器内(例えば、耳部、鼻部、及び咽喉(ENT))等の異なる解剖学的部分の他の治療目的及び/又は診断目的で使用されてもよい。用具は、例えば、プローブ、カテーテル、切断用具、及び吸引デバイスを含んでもよい。
【0010】
操作者30は、用具22の先端56が心臓26の腔に入るように、患者の解剖学的構造の一部(例えば、患者28の脈管系等)に用具22を挿入することができる。制御コンソール24は、心臓26の内側にある3次元空間内の用具の位置座標(例えば、先端56の座標)を判定するために、磁気式位置検出を使用してもよい。位置座標を判定するために、制御コンソール24内の駆動回路34は、コネクタ44を介して磁場発生装置36を駆動して、患者28の解剖学的構造内に磁場を生成することができる。
【0011】
磁場発生装置36は、患者28の外部の既知の位置に配置された1つ以上のエミッタコイル(図1には図示せず)を含み、そのコイルは、患者の解剖学的構造の関心部分が入っている既定の作業範囲内に磁場を生成するように構成されている。エミッタコイルのそれぞれは、異なる周波数によって駆動され、3次元空間内で一定磁場を発射する。例えば、図1に示す例示の医療システム20では、1つ以上のエミッタコイルは、患者28の胴の下に配置され得、それぞれが患者の心臓26が入っている既定の作業範囲内に磁場を生成するように構成されている。
【0012】
図1に示されるように、磁場位置センサ38が、用具22の先端56に配置される。磁場位置センサ38は、3次元空間内で受信コイルの位置を判定するために並びに磁場の振幅及び位相に基づいて電気信号を生成するために使用される。磁場位置センサ38が用具22の先端56に配置されているが、用具は、それぞれが用具の任意の部分に配置された1つ以上の磁場位置センサを含むことができる。
【0013】
制御コンソール24内の対応する入力/出力(I/O)インターフェース42と通信し得る用具22において、無線通信インターフェース(例えば、図3に示されるインターフェース312)を介して、信号は制御コンソール24に無線通信する。無線通信インターフェース312及びI/Oインターフェース42は、当該技術分野で既知である、例えば、赤外線(IR)、無線周波数(RF)、ブルートゥース、規格のIEEE 802.11ファミリーの1つ(例えば、Wi−Fi)、又はHiperLAN規格等の任意の好適な無線通信規格に従って動作することができる。体表面電極46は、可撓性基材上に集積された1つ以上の無線センサノードを含んでもよい。1つ以上の無線センサノードは、下記により詳細に説明されるように、局所的なデジタル信号処理を可能にする無線送信/受信ユニット(WTRU)、無線リンク、及び小型の再充電可能電池を含んでもよい。
【0014】
I/Oインターフェース42により、制御コンソール24が、用具22、体表面電極46、及び位置センサ(図示せず)との相互作用が可能になり得る。体表面電極46から受信した電気インパルス、並びに医療システム20のI/Oインターフェース42及び他の構成要素を介して用具22から受信した電気信号に基づいて、信号プロセッサ40は、3D空間内の用具の場所を判定し、表示部50上に示され得る表示情報52を生成してもよい。
【0015】
信号プロセッサ40は、位置及び向きの座標の両方を含む3次元空間内の先端56の位置座標を判定するために、信号を処理するように構成される。上述した位置検知方法は、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)製のCARTマッピングシステムにおいて実装されており、本明細書に引用される特許及び特許出願において詳細に説明されている。
【0016】
磁場位置センサ38は、信号を、3次元空間内の用具22の場所座標(例えば、先端56の場所座標)を示す制御コンソール24に伝送する。磁場位置センサ38は、1つ以上の小型の受信コイル(例えば、図3に示される受信コイル304(単数又は複数))を含んでもよく、異なる軸に沿って方向付けられる複数の小型のコイルを含んでもよい。代替的に、磁場位置センサ38は、別のタイプの磁気センサ又は他の種類の位置検出器(インピーダンスに基づく位置センサ若しくは超音波位置センサ等)を含んでもよい。図1には単一の位置センサを有する用具22が示されているが、ある実施形態は、複数の位置センサを伴う用具を含んでもよい。磁気位置追跡技術については、例えば、それらの開示内容を参照により本明細書に援用するところの米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,177,792号に記載されている。
【0017】
用具22は、先端56に連結され、かつインピーダンスに基づく位置検出器として機能するように構成された、電極48を含んでもよい。追加的に又は代替的に、電極48は、特定の生理学的性質、例えば、1つ以上の位置における局所表面電位(例えば、心臓組織の電位)等を測定するように構成されてもよい。電極48は、心臓26の心内膜組織をアブレーションするために、RFエネルギーを印加するように構成されてもよい。
【0018】
信号プロセッサ40は、用具22から信号を受信しかつ制御コンソール24の他の構成要素を制御するのに好適なフロントエンド回路及びインターフェース回路を有する、汎用コンピュータに含まれてもよい。信号プロセッサ40は、本明細書に記載する機能を実行するように、ソフトウェアを使用してプログラムされてもよい。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態で制御コンソール24にダウンロードされてもよく、又はそれは、光学的、磁気的、若しくは電子的記憶媒体等の持続性有形媒体上に提供されてもよい。代替的に、信号プロセッサ40の機能のうちの一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0019】
図1に示す実施例では、制御コンソール24は、ケーブル44を介して体表面電極46に接続されており、体表面電極46のそれぞれは、患者の皮膚に付着するパッチ(例えば、図1では電極46の周囲の円として示される)を使用して患者28に取り付けられている。パッチに加えて又はそれに代替して、体表面電極46はまた、患者28によって着用される、体表面電極46を含む物品を使用して患者上に位置付けられてもよく、着用された物品の位置を示す1つ以上の位置センサ(図示せず)を含んでもよい。例えば、体表面電極46は、患者28が着用するように構成されたベストに埋め込まれてもよい。手術中、体表面電極46は、心臓組織の分極及び脱分極によって生じる電気インパルスを検出し、ケーブル44を介して情報を制御コンソール24に送信することによって、3D空間内の用具(例えば、カテーテル)の位置を提供するのに役立つ。体表面電極46は、磁気位置追跡装置を装備していてもよく、患者28の呼吸サイクルを特定し追跡するのに役立ち得る。
【0020】
追加的に又は代替的に、用具22、体表面電極46、及び他のセンサ(図示せず)は、無線インターフェースを介して、制御コンソール24と及び相互に通信してもよい。例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,266,551号は、とりわけ、信号処理装置及び/又は計算装置に物理的に接続されていないワイヤレスカテーテルについて記載しており、これは参照により本明細書に組み込まれる。もっと正確に言えば、送受信機はカテーテルの近位端に取り付けられている。送受信機は、例えばIR送信、RF送信、ブルートゥース送信、又は音響送信等の無線通信方法を使用して、信号処理装置及び/又は計算装置と通信する。
【0021】
診断処置中、信号プロセッサ40は、表示情報52を提示することができ、情報52を表すデータをメモリ58に記憶することができる。メモリ58は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブ等、任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでいてもよい。操作者30は、1つ以上の入力デバイス59を使用して表示情報52を操作可能であり得る。代替的に、医療システム20は、操作者30が用具22を操作している間に、制御コンソール24を操作する第2の操作者を含んでもよい。図1に示す構成は例示的なものであることに注意されたい。医療システム20の任意の好適な構成を使用し、実装することができる。
【0022】
図2は、本明細書に記載の実施形態と共に使用するための電磁的ナビゲーションシステムの一部の例示の構成要素の図である。図2に示されるように、無線伝送デバイス202は、患者の頭部206に隣接して位置付けられる。図2に示されるように、無線伝送デバイス202は、複数の無線送信機204(それぞれが3つのエミッタコイル205を有する)を含むU字型デバイス(すなわち、ロケーションパッド)である。エミッタコイル205のそれぞれは、異なる周波数によって駆動される。すなわち、エミッタコイル205のそれぞれは、異なる周波数で放射し、その対応する周波数で無線信号(例えば、Wi−Fi信号)を発射するように構成される。
【0023】
無線伝送デバイス202の形状は、単なる例示にすぎない。電磁的磁気(Electromagnetic magnetic)ナビゲーションシステムは、図2に示されるデバイス202と異なる形状の場発生デバイスを含んでもよい。図2に示される無線送信機204の数及び無線送信機204の場所は例示にすぎない。無線伝送デバイスは、任意の数の無線送信機(それぞれが単一のエミッタコイルを含む任意の数のエミッタコイルを有する)を含んでもよい。無線送信機204は、図2に示されるような無線送信機204の場所と異なる場所を含んでもよい。無線伝送デバイス202(すなわち、ロケーションパッド)の代わりに又はそれに加えて、電磁的ナビゲーションシステムは、無線伝送デバイス208等の無線伝送デバイスを提供するように構成される他の1つ以上の無線伝送デバイス(例えば、アクセスポイント等のWi−Fiエミッタ)を含むことができる。
【0024】
図2に示されるように、用具210は、患者の内側(すなわち、頭部206)に設置される。示されるように、無線送信機204からの無線伝送信号214及び無線伝送デバイス208からの無線伝送信号216は、用具210の先端212の場所に向かって伝播する。無線伝送信号214及び216によって生成される磁場の振幅及び位相に基づいて、用具210内(例えば、先端212内)の受信コイル(例えば、図3に示される受信コイル310(単数又は複数))は、3次元空間内の受信コイル310の場所を判定するために、信号プロセッサ(例えば、図1に示される単一プロセッサ40)によって処理される電気信号(図示せず)を生成するように構成される。
【0025】
図2に示される無線伝送デバイス208及び用具210の場所は、単なる例示にすぎない。電磁的ナビゲーションシステムは、図2に示されるような無線伝送デバイス208及び用具210の場所と異なる場所において、磁場を患者の解剖学的構造の関心部分に提供するように構成される、無線伝送デバイスを含むことができる。
【0026】
図3は、本明細書に記載の電磁的ナビゲーションシステムと共に使用するための例示の無線電池式医療用具300の構成要素を例示するブロック図である。図3に示されるように、医療用具300は、電池302、1つ以上の受信コイル304、及び1つ以上の充電コイル306を含む。用具300は、また、1つ以上のプロセッサ310を有する処理回路308を含む。用具300は、また、無線通信インターフェース312を含む。
【0027】
電池302は、電力を、用具300の1つ以上の構成要素(図3に示される処理回路308及び無線通信インターフェース312等)と、並びに図示されない他の構成要素(例えば、モータ、アクチュエータ)とに供給するように構成される。電池302は、用具300に対して移動可能であり、又はそれに固定されてもよい。
【0028】
1つ以上の受信コイル304は、1つ以上の受信コイル304を通過する(例えば、1つ以上の受信コイル304の表面を通過する)無線伝送信号によって生成された1つ以上の磁場(例えば、図2に示される無線送信機204の1つ以上のエミッタコイル205及び/又は無線伝送デバイス208によって発射される磁場)を受信するように構成される。磁場を受信したことに応答して、1つ以上の受信コイル304内で、電流の電気信号が生成される(すなわち、電流が誘導される)。電気信号の振幅(又は代替的に、1つ以上の受信コイル304にわたる時変電圧)は、1つ以上のエミッタコイル(例えば、無線送信機204の1つ以上のエミッタコイル205)の場所及び向きに対する、1つ以上の受信コイル304の場所及び向きに依存する。
【0029】
処理回路310は、1つ以上の受信コイル304によって生成される電気信号を処理するように構成される1つ以上のプロセッサ310を含んでもよい。無線通信インターフェース312(例えば、無線ネットワークインターフェースコントローラ(NIC))は、処理電気信号を(例えば、制御コンソール24に)無線で伝送し、3次元空間内の用具300の場所を判定するように構成される。無線通信インターフェース312は、制御コンソール24内の対応する入力/出力(I/O)インターフェース42と通信してもよい。
【0030】
図3に示されるように、用具は、また、1つ以上の充電コイル306を含む。1つ以上の充電コイル306は、電池302に電気的に接続され、電池を充電する。例えば、1つ以上の充電コイル306は、電池302の電力端子に電気的に接続されてもよい。1つ以上の充電コイル306は、図示されない他の回路(例えば、整流器)を介して、電池302に電気的に接続されてもよい。
【0031】
上記に説明されたように、1つ以上の受信コイル304を通過する1つ以上の磁場は、3次元空間内の用具300の場所を判定するために使用される。用具300の場所の判定を容易することに加えて、磁場はまた、下記に説明されるように、電力を電池302に供給するために利用されるエネルギーを含む。磁場のいくつかの磁力線(すなわち、磁束)がコイルを通過するとき(例えば、受信コイル304又は充電コイル306を通過するとき)、エネルギーは、磁場からコイルまで伝わる。1つ以上の充電コイル306は、3次元空間内で用具300の場所を特定(例えば、受信コイル304を介して)するために使用される磁場を生成する同じ無線伝送デバイス(例えば、図2に示される無線送信機204のエミッタコイル205及び/又は無線伝送デバイス208)によって生成される磁場からのエネルギーを介して電池302を充電するために使用される。
【0032】
コイルが磁場から受信するエネルギー量は、コイルのサイズに比例する(例えば、コイルの表面積に比例する)。図1に示されるセンサ38等の電磁位置センサは、その目的が3次元空間内の用具を正確に示すことであるため、比較的小さい(すなわち、受信コイルの表面積が小さくなっている)。したがって、無線信号によって生成される磁場のエネルギーのごく一部は、1つ以上の受信コイル304に伝わる。1つ以上の充電コイル306は、1つ以上の受信コイル304に伝わらない磁場からのエネルギーを利用することによって、電力を電池302に提供する。すなわち、1つ以上の充電コイル306は、3次元空間内で用具300の場所を特定するために使用される磁場を生成する同じ無線伝送デバイス(例えば、図2に示される無線送信機204及び/又は無線伝送デバイス208)によって生成される磁場からのエネルギーによって電池302を充電するために使用される。
【0033】
1つ以上の受信コイル304によって生成される電気信号を処理することに加えて、処理回路310の1つ以上のプロセッサ310は、また、充電コイル304によって電池302に送達される電力(例えば、電力量)を制御するために使用されてもよい。
【0034】
図4は、本明細書に記載の無線式電磁的ナビゲーションシステムと共に使用するための例示の無線電池式医療用具400の構成要素の図である。図4に示されるように、無線用具400は、電池402、ハンドル404、及び先端408を含むプローブ部406を含む。電池402は、処理回路308(例えば、プロセッサ310(単数又は複数)及び図示されない他の構成要素(サンプリング構成要素、アナログデジタルコンバータ、モータ、及びアクチュエータ等))及び通信構成要素(例えば、無線通信インターフェース312)等の用具構成要素を駆動させるために、電力を供給するように構成されている。
【0035】
ハンドル404は、3次元空間内で用具を操縦するために、医療関係者によって保持されるように構成される。プローブ部406は、医療処置中に、患者の体内に挿入されるように構成される。図4の例示の用具400に示されるように、ハンドル404は、電池402とプローブ部406との間に連結される。図4に示される用具400の形状並びにその構成要素の形状及び場所は、単なる例示にすぎない。用具は、図4に示される用具400と異なる形状であってもよい。更に、用具構成要素は、図4に示されるものと異なる形状及び場所を含んでもよい。
【0036】
図5〜7は、無線電池式用具400を使用して、3次元空間内の用具の場所を特定するために使用される磁場を生成する同じ無線伝送デバイスにより生成される磁場からのエネルギーを介して、電池402を充電する、異なる例を例示する。
【0037】
図5は、電池402に配置される単一の充電コイル502を有する図4に示される例示の無線電池式用具400の図である。充電コイル502は、電気出力を電池402に提供するために、電池402の入力端子(図示せず)に電気的に接続されてもよい。図5に示されるように、充電コイル502は、電池402の周囲に巻かれる(すなわち、ループ状にされる)ことによって、電池402に配置される。充電コイル502の各ループは、コイル表面積の増加をもたらす。上記に説明されたように、コイルが磁場から受信するエネルギー量は、コイルの表面積に比例する。したがって、充電コイルのループのコイル表面積の増加により、長時間の手術(例えば、2〜3時間)を完了するために、一定のエネルギー量が、電力を用具400に提供するために十分な充電コイル502の表面積を通過する磁場から伝わることを可能にする。また、コイル表面積の増加により、用具400の操作性を容易にする。この理由として、電池のサイズひいては用具400のサイズ及び重量は、用具400に供給される利用可能な電力を維持又は更に増加させながら、減少する場合があることが考えられる。
【0038】
図6は、用具ハンドル404に配置される単一の充電コイル602を含む、例示の無線電池式用具400の図である。充電コイル602は、電気出力を電池402に提供するために、電池402に電気的に接続される。図6に示されるように、充電コイル602は、用具ハンドル404の周囲に巻かれる(すなわち、ループ状にされる)。充電コイル602の各ループにより、コイル表面積の増加をもたらす。したがって、十分なエネルギー量は、用具400の操作性を容易にしながら、用具400に給電するように提供される。
【0039】
図7は、一対の充電コイル(すなわち、図5に示されるコイル502及び図6に示されるコイル602)を含む、例示の無線電池式用具400の図である。充電コイル502及び602のそれぞれは、電気出力を電池402に提供するために、電池402に電気的に接続される。示されるように、第1の充電コイル502は、電池402に配置され、第2の充電コイル602は、用具ハンドル404に配置される。第1の充電コイル502及び第2の充電コイル602は、それぞれ、電池402の一部及びハンドル404の一部の周囲に巻かれる(すなわち、ループ状にされる)。
【0040】
第1の充電コイル502及び第2の充電コイル602は、それぞれ、図5及び図6に示される充電コイル502及び602の表面積よりも大きい全コイル表面積を提供する。したがって、充電コイル502及び602の対を使用する伝達可能エネルギー量は、図5に示される単一の充電コイル502及び図6に示される単一の充電コイル602等の単一の充電コイルによる伝達可能エネルギー量よりも大きい。したがって、多量の電力は、電池302に供給されるために利用可能である。
【0041】
図5〜7に示される充電コイルの数及びそれらの対応する場所は例示にすぎない。また、図5〜7に示される充電コイル302及び304の構成(例えば、ループ数、長さ、及び厚さ)も、例示にすぎない。用具は、任意の数の充電コイルを含んでもよい。用具は、また、図5〜7に示されるものと異なる構成及び異なる場所(例えば、プローブ部406)を有する充電コイルを含んでもよい。充電コイルは、電気出力を電池402に提供するように構成される任意の種類の導体材料(金属(銅、アルミニウム、銀)、電解質、超電導体、半導体、プラズマ、並びに黒鉛及び導電性ポリマー等の非金属導体等)を含んでもよい。用具に使用される充電コイルの数、サイズ、形状、場所、及び材料は、用具の種類、手術の種類、用具によって行われる手術の推定時間等の異なる要因に依存し得る。
【0042】
図5図7に示される実施形態では、充電コイル502及び602は、電池402及びハンドル404の外側の周囲に巻かれることによって用具400に配置される。しかしながら、充電コイルは、用具構成要素(例えば、電池又はハンドル)内部に埋め込まれるか、又は用具構成要素内部に部分的に埋め込まれることによって、用具に配置されてもよい。
【0043】
図8A図8Cは、用具構成要素806に配置される充電コイルループ802の異なる例を例示する。例えば、図8Aは、用具構成要素806の外側804の周囲に巻かれた充電コイルループ802を例示する、用具構成要素806の例示的部分の断面図である。図8Aに示されるように、ループ802は、用具構成要素806の外側804に位置する。コイルループが用具構成要素806の外側に露出するため、充電コイル502及び602によって受信されるエネルギーの減衰は制限される。
【0044】
図8Bは、充電コイルループ802が部分的に露出されるように、用具構成要素806内部に埋め込まれる充電コイルループ802を例示する用具の例示的部分の断面図である。図8Bの例では、コイルループ802によって受信されるエネルギーは、用具構成要素806によって、ある程度まで減衰し得る。しかしながら、図8Bのコイルループ802の構成は、充電コイルループ802と接触するユーザを限定することなく、部分的に直接の露出を容易にする。
【0045】
図8Cは、用具構成要素806内部に位置する充電コイルループ802を例示する、用具構成要素806の例示的部分の断面図である。図8Cに示されるコイルループ802の構成は、(例えば、ユーザの接触を妨げることによって)コイルの耐用期間を長くし得る。ある実施形態は、図8A図8Cに示される例のうちの1つに従って1つの用具構成要素に配置される1つの充電コイルと、図8A図8Cに示される例のうちの別の1つに従って別の用具構成要素に配置される別の充電コイルと、を含んでもよい。ある実施形態は、また、図8A図8Cに示される例のうちの1つに従って、用具構成要素に配置される充電コイルの1つ以上のコイルループと、図8A図8Cに示される例のうちの別の1つに従って用具構成要素に配置される同じ充電コイルの別の1つ以上のコイルループと、を含んでもよい。用具構成要素806は、例えば、電池又はハンドル等の用具の任意の構成要素であってもよい。
【0046】
図9は、電磁的ナビゲーションシステムと共に使用する電池式医療用具を充電する例示の方法を例示するフロー図である。図9のブロック902に示されるように、方法900は、無線伝送信号によって磁場を生成することを含む。それぞれの磁場は、例えば、上に動作するように患者の解剖学的構造の一部の下方に位置付けられる無線伝送デバイス等の無線伝送デバイスのエミッタコイルと異なる周波数によって駆動されてもよい。
【0047】
図9のブロック904に示されるように、方法900は、医療用具に配置される受信コイルにおいて磁場を受信することを含み、その受信コイルを使用して、1つ以上のエミッタコイルによって発射される磁場を受信し及び磁場を受信したことに応答して医療用具の場所を示す電気信号を生成する。各磁場は、異なる周波数によって駆動され、無線伝送デバイスのエミッタコイルによって生成されてもよい。磁場は、分離した無線伝送デバイスから伝送される無線伝送信号を介して生成されてもよい。
【0048】
図9のブロック906に示されるように、磁場は、また、用具電池に電気的に接続される充電コイルで受信され、この充電コイルは、(i)エネルギーを磁場から受信し、(ii)エネルギーを電池に供給し、電池を充電する。充電コイルで受信される磁場は、3次元空間内の用具の場所を特定するために使用される磁場を生成する同じ無線伝送デバイスにより生成される。磁場が充電コイルの表面を通過するとき、磁場は、充電コイルで受信されてもよい。磁場は、電池、ハンドル部、又は用具の別の部分に配置される単一の充電コイルによって受信されてもよい。代替的に、磁場は、例えば、電池及びハンドル部に配置される充電コイル等の、用具の同じ部分又は用具の分離した部分に配置される複数の充電コイルによって受信されてもよい。
【0049】
図9のブロック908に示されるように、方法900は、受信コイルによって、3次元空間内の用具の場所を示す電気信号を生成することを含む。例えば、磁場を受信したことに応答して、電気信号は、磁場の振幅及び位相に基づいて生成されてもよい。
【0050】
図9のブロック910に示されるように、電気信号は、医療用具によって、電気信号を処理し3次元空間内の医療用具の場所を判定するために、信号プロセッサに提供される。電気信号は、医療用具に配置される無線インターフェースを介して、信号プロセッサに提供されてもよい。
【0051】
図9のブロック912に示されるように、方法900は、磁場から受信されたエネルギーによって、電力を電池に供給することを含む。例えば、磁場のいくつかの磁力線(すなわち、磁束)が充電コイルの表面を通過するとき、エネルギーは、充電コイル内で誘導される電流を介して、磁場から充電コイルまで伝わる。充電コイルが磁場から受信するエネルギー量が充電コイルの表面積に比例するため、コイル表面積の増加によって、用具の操作性を維持しながら、長時間の手術のために用具を充電するために十分なエネルギー量の増加を可能にする。
【0052】
本方法は、汎用コンピュータ、プロセッサ、又はプロセッサコアにおいて実装することができる。好適なプロセッサとしては、例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)回路、任意のその他の種類の集積回路(IC)、及び/又は状態機械が挙げられる。このようなプロセッサは、処理されたハードウェア記述言語(HDL)命令及びネットリスト等その他の中間データ(このような命令は、コンピュータ可読媒体に記憶することが可能である)の結果を用いて製造プロセスを構成することにより、製造することが可能である。このような処理の結果はマスクワークであり得、このマスクワークをその後半導体製造プロセスにおいて用いて、本開示の特徴を実装するプロセッサを製造する。
【0053】
本明細書に提供される方法又はフローチャートは、汎用コンピュータ又はプロセッサによる実行のために持続性コンピュータ可読記憶媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装することができる。持続性コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気媒体、例えば内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク、磁気光学媒体、並びに光学媒体、例えば、CD−ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(DVD)が挙げられる。
【0054】
本明細書の開示に基づいて多くの変更例が可能であることを理解されたい。特徴及び要素が特定の組み合わせで上記に説明されているが、各特徴又は要素は、他の特徴及び要素を用いずに単独で、又は他の特徴及び要素を用いて若しくは用いずに他の特徴及び要素との様々な組み合わせで使用されてもよい。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) 電磁的ナビゲーションシステムであって、
1つ以上のエミッタコイルを有する第1の無線伝送デバイスであって、前記1つ以上のエミッタコイルのそれぞれは異なる周波数によって駆動され、各エミッタコイルが磁場を生成するように構成される、第1の無線伝送デバイスと、
無線電池式用具であって、
前記用具に配置され、前記1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信しかつ前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して前記用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルと、
処理用の前記電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における前記用具の前記場所を判定するように構成される無線インターフェースと、
電力を前記用具に供給するように構成される電池と、
前記電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルであって、前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、(i)エネルギーを前記1つ以上の磁場から受信し、(ii)前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように構成される、1つ以上の充電コイルと、を含む、無線電池式用具と、
を含む、電磁的ナビゲーションシステム。
(2) 前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記用具は、ハンドルを更に含み、前記1つ以上の充電コイルは、前記ハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記1つ以上の充電コイルは、前記用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記用具の前記第1の部分から分離した前記用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、実施態様1に記載のシステム。
【0056】
(6) 前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記用具のハンドルに配置される、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記第1の無線伝送デバイスはU字型であり、複数のエミッタコイルを含み、各エミッタコイルが無線信号を伝送し、前記1つ以上の磁場を生成するように構成される、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記第1の無線伝送デバイスから分離して、無線信号を伝送し、1つ以上の追加磁場を生成するように構成される、第2の無線伝送デバイスを更に含み、
前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、(i)エネルギーを、前記第2の無線伝送デバイスによって生成され、前記1つ以上の充電コイルを通過する、前記1つ以上の追加磁場から受信し、(ii)前記1つ以上の追加磁場から受信された前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように更に構成される、実施態様1に記載のシステム。
(9) 電磁的ナビゲーションシステムと共に使用する無線電池式医療用具であって、前記医療用具は、
前記医療用具に配置され、1つ以上のエミッタコイルによって発射される1つ以上の磁場を受信し、前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して前記医療用具の場所を示す電気信号を生成するように構成される、受信コイルと、
処理用の前記電気信号を無線で提供し、3次元(3D)空間内における前記医療用具の前記場所を判定するように構成される無線インターフェースと、
電力を前記医療用具に供給するように構成される電池と、
前記電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルであって、前記1つ以上の充電コイルのそれぞれは、前記医療用具に配置され、(i)エネルギーを前記1つ以上の磁場から受信し、(ii)前記エネルギーを前記電池に供給し、前記電池を充電するように構成される、1つ以上の充電コイルと、
を含む、医療用具。
(10) 前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、実施態様9に記載の医療用具。
【0057】
(11) 前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様10に記載の医療用具。
(12) ハンドルを更に含み、前記1つ以上の充電コイルは、前記医療用具の前記ハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様10に記載の医療用具。
(13) 前記1つ以上の充電コイルは、前記医療用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記医療用具の前記第1の部分から分離した前記医療用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、実施態様9に記載の医療用具。
(14) 前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記医療用具のハンドルに配置される、実施態様13に記載の医療用具。
(15) 無線電池式医療用具を充電する方法であって、
前記医療用具に配置される受信コイルにおいて、1つ以上の磁場を受信することと、
前記医療用具に配置される電池に電気的に接続される1つ以上の充電コイルにおいて、前記1つ以上の磁場を受信することと、
前記受信コイルによって、前記1つ以上の磁場を受信したことに応答して、3次元(3D)空間内における前記医療用具の場所を示す電気信号を生成することと、
前記医療用具に配置される無線インターフェースを介して、処理用の前記電気信号を提供し、3次元(3D)空間内における前記医療用具の前記場所を判定することと、
前記1つ以上の充電コイルによって、前記1つ以上の磁場から受信されたエネルギーを介して、電力を前記電池に供給することと、
を含む、方法。
【0058】
(16) 前記1つ以上の充電コイルは、複数のループ状に巻かれる、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記1つ以上の充電コイルは、前記電池に配置され、前記電池の一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記1つ以上の充電コイルは、前記用具のハンドルの一部の周囲に前記複数のループ状に巻かれる、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記1つ以上の充電コイルは、前記用具の第1の部分に配置される第1の充電コイルと、前記用具の前記第1の部分から分離した前記用具の第2の部分に配置される第2の充電コイルとを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記第1の充電コイルは前記電池に配置され、前記第2の充電コイルは前記用具のハンドルに配置される、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
【外国語明細書】
2018191501000001.pdf