【背景技術】
【0002】
低カロリーや無糖、低糖を謳った商品が数多く開発されている。水分含量が高い飲料において糖類含量を低減することはコクの低減に直結し、従前の製品に比べて物足りなさを感じる需要者も多い。そこで、難消化性デキストリンなどの水溶性食物繊維と特定の成分を飲料に配合して、コク味を増強することが知られている。例えば、特許文献1には、難消化性デキストリンを含有するノンアルコール飲料にカラメルを添加することによって、難消化性デキストリンに起因する平板な香味を改善して飲料の味の厚みと飲みやすさを増強することが記載されている。
【0003】
一方、消費者の健康意識の高まりから、不足しがちな食物繊維を効率的に摂取する要望が高くなっており、食物繊維を高濃度に配合した飲食品が数多く流通されている。中でも、多量の食物繊維を無理なく摂取できる観点から、飲料の形態の商品開発が盛んに進められている。一般に、水溶性食物繊維を高濃度に含有する飲料は、呈味上の問題があることが指摘されている。食物繊維の有する生理作用を期待して毎日飲用する飲料では、その呈味の改善が望まれる。そこで、水溶性食物繊維を含有する飲料の呈味改善方法が種々提案されている。例えば、特許文献2には、水溶性食物繊維であるポリデキストロースを配合したビール様飲料において苦味物質であるクアシンやナリンジンを配合することによってポリデキストロースによるべっとりとした口当たりが改善され、後味にしまりが出ることが記載されている。さらに、特許文献3には、DE値が15〜35である澱粉加水分解物から単糖類と2糖類の大部分を除去して得られる糖質を配合したスポーツ飲料が記載されており、粘度をほとんど上昇させずに浸透圧を低下させるため、飲料の口当たりや喉ごしが悪化しない旨が記載されている。
【0004】
ところで、新しい水溶性食物繊維として分岐デキストリンの一種である分岐デキストリンが提案されている。この分岐デキストリンは、従来の食物繊維と同等以上の生理作用(例えば、腸内フローラ改善作用、免疫調節作用、血糖上昇抑制作用、脂質代謝改善作用、満腹感持続作用など)を有するにもかかわらず、デキストリン特有の後味がない、無臭、低粘度であるといった特性があり、炭酸飲料、茶飲料、鉄含有飲料、酢飲料などに利用できることが報告されている(非特許文献1,2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した通り、水溶性食物繊維として難消化性デキストリンを用いた飲料の呈味改善方法が知られている。しかし、特許文献2に記載されたような、クアシンやナリンジンなどの苦味物質を配合する方法では、飲料に苦味が付与されてしまうため、ビール様飲料などの苦味を特徴とする飲料にしか使用することができない。
【0008】
また、一般にデンプン分解物の特性は、DE値などによって異なることが知られており、難消化性デキストリンに関する知見がそのまま本発明の分岐デキストリンに適用できる訳ではない。
【0009】
本発明者らは、分岐デキストリンを飲料に配合することについて鋭意検討を行ったところ、比較的高濃度の分岐デキストリンを飲料に溶解させると、分岐デキストリンに特有のぬめりが顕在化してしまい、飲料を飲用した際の爽快感が損なわれることを見出した。さらに、分岐デキストリンに起因する独特のぬめりについて検討したところ、上述したような従来知られていた難消化性デキストリン等の食物繊維を含有する飲料の口当たり改善方法を用いても、分岐デキストリンに起因する独特のぬめりを十分に改善することはできなかった。
【0010】
そこで、本発明は、比較的高濃度の分岐デキストリンを飲料に配合した際に発生する独特な不快なぬめりを改善することを目的とする。また、本発明は、分岐デキストリンに起因するぬめりが抑制され、香味にすぐれた飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、飲料における分岐デキストリン特有のぬめりを、少量のアルコールによって効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様を包含する。
(1) 分岐デキストリンを300〜10000mg/100g含有し、炭素数2又は3のアルコールを0.001〜1重量%含有する飲料。
(2) 炭素数2又は3のアルコールがエタノールである、(1)に記載の飲料。
(3) 分岐デキストリンがイソマルトデキストリンである、(1)又は(2)に記載の飲料。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、比較的高濃度の分岐デキストリンを水に配合した際に生じる特有のぬめりが効果的に抑制される。本発明に係る飲料は、分岐デキストリン特有のぬめりが抑制されているため、飲料を口に含んだ際に爽快感を感じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、一つの態様において、分岐デキストリンを300〜10000mg/100g、アルコールを0.001〜1重量%含有する飲料である。以下、この実施形態について詳述する。
【0015】
分岐デキストリン
デキストリンは、グルコースを構成単位として、α−1,4グルコシド結合の直鎖構造を形成する成分と、α−1,6グルコシド結合を含む分岐構造を形成する成分からなっている。α−1,6グルコシド結合を含む分岐構造はアミラーゼなどの消化酵素により消化(分解)を受けにくい構造であることが報告されており(J. Agric. Food Chem. 2007, 55, 4540-4547)、分岐構造の割合が高いことがイソマルトデキストリンの生理作用(例えば、腸内フローラ改善作用、免疫調節作用、血糖上昇抑制作用、脂質代謝改善作用、満腹感持続作用)を期待する飲料として重要である。
【0016】
本発明でいう「分岐デキストリン」とは、通常の澱粉を公知の方法で加水分解して得られる、いわゆる通常のデキストリンと比べて、α−1,6グルコシド結合の分岐構造の割合が高いデキストリンで、βグルコシド結合のグルコースを含まないデキストリンを指す。この特定の分岐デキストリンを用いることによって、焙煎植物抽出物を含有する飲料の焙煎香の香り立ちが低下するという課題が顕著に知覚される。
【0017】
分岐デキストリンとしては、具体的には、α−1,4グルコシド結合によって連結した直鎖構造を形成する成分の少なくとも非還元末端に、グルコース又はイソマルトオリゴ糖がα−1,6グルコシド結合した構造を有し、そのα−1,6グルコシド結合で結合したグルコース「→6)−Glcp−(1→」の割合が5%以上、好ましくは22%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは49%以上であるデキストリンが挙げられる。ここでグルコースの割合は質量%を意味する。本明細書中、この「→6)−Glcp−(1→」の割合が40%以上であるデキストリンを、特に「イソマルトデキストリン」ともいう。
【0018】
また、本発明で使用する分岐デキストリンとしては、α−1,4グルコシド結合で結合したグルコース「→4)−Glcp−(1→」とα−1,6グルコシド結合で結合したグルコース「→6)−Glcp−(1→」の合計に占める、α−1,6グルコシド結合で結合したグルコースの割合が30%以上であることが好ましく、37%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが特に好ましい。さらに、α−1,4グルコシド結合で結合したグルコース「→4)−Glcp−(1→」とα−1,6グルコシド結合で結合したグルコース「→6)−Glcp−(1→」の合計が、全てのグルコースに占める割合は、45%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、68%以上であることがさらに好ましい。
【0019】
α−1,6グルコシド結合を一定割合で有するものであれば、α−1,2グルコシド結合及び/又はα−1,3グルコシド結合を有していてもよいが、香味の観点から、好ましくはα−1,2グルコシド結合を有しないデキストリンが好適に用いられる。効果が顕著に発現する分岐構造の割合が高いデキストリンという観点からは、分子内部の分岐構造を有するグルコース、すなわちα−1,3,6グルコシド結合「→3,6)−Glcp−(1→」及びα−1,4,6グルコシド結合を有するグルコース「→4,6)−Glcp−(1→」を0.5%以上有することが好ましく、6%以上含有することがより好ましく、10%以上有することがさらに好ましく、12%以上有することが最も好ましい。これらの結合の割合は、Hakomoriのメチル化法を改変したCiucanuらの方法(Carbohydrate Research, 1984, 131, 209-217)により、確認できる。
【0020】
なお、水溶性食物繊維として広く知られている難消化性デキストリンはβ結合のグルコースを含んでなる点で、α結合のグルコースのみで構成される本発明の分岐デキストリンには含まれない。
【0021】
効果の顕著さから、本発明の分岐デキストリンのDEは15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、9以下であることがさらに好ましく、8以下であることが特に好ましい。ここで、DEとは、デキストロース当量を意味し、デキストロース(ブドウ糖)の還元力を100とした場合の相対的な尺度を表す値である。また、効果の顕著さから、分岐デキストリンの分子量(重量平均分子量)は、500〜10000が好ましく、3000〜7000程度であることがより好ましい。
【0022】
本発明の分岐デキストリンは、酵素の転移反応によりα−1,6グルコシド結合を合成して製造される。製造方法は特に限定されず、特許第4071909号、特開2010−95701号公報に記載の方法、WO2009/113652号公報に記載の方法等を挙げることができる。また、『ファイバリクサ』(商標、株式会社林原)などの市販品を用いることもできる。
【0023】
本発明の飲料は、100gあたり300〜10000mgの分岐デキストリンを含有する。300mg/100g以上の分岐デキストリンを飲料に配合すると、独特のぬめりが発現するところ、本発明によれば、そのぬめりを改善することができる。
【0024】
本発明の飲料における分岐デキストリン含量は、好ましくは500mg/100g以上であり、より好ましくは600mg/100g、さらに好ましくは700mg/100g、特に好ましくは800mg/100g以上である。分岐デキストリンの濃度が高くなり過ぎると、アルコールを配合しても分岐デキストリン由来のぬめりが解消されず飲料として適さないため、分岐デキストリンの上限は、10000mg/100g以下である。好ましくは5000mg/100g以下、さらに好ましくは3000mg/100g以下である。
【0025】
飲料中の分岐デキストリンの含有量は、AOAC公定法であるAOAC2001.03を用いて食物繊維量として測定できる。
アルコール
本発明の飲料は、炭素数が2または3のアルコールを含有する。本発明の飲料は、特定のアルコールを用いることによって、分岐デキストリンに起因するぬめりを効果的に抑制するものである。
【0026】
本発明の飲料は、低濃度の特定のアルコールを用いることで、飲料自体の風味に影響を与えずに分岐デキストリンに由来するぬめりを効果的に低減する。「低濃度のアルコール」とは、具体的には飲料中の特定のアルコール含有量が、0.001〜1重量%をいう。ここで、本発明のアルコール濃度に関して、「重量%」とは、特に断りがない限り重量/容量(w/v)の重量%を意味する。アルコール含量の下限は、好ましくは0.003重量%以上であり、より好ましくは0.005重量%以上、さらに好ましくは0.007重量%以上、最も好ましくは0.01重量%以上である。また、アルコール含有量の上限は、好ましくは0.4重量%以下であり、より好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下である。
【0027】
「特定のアルコールとは」、炭素数が2又は3のアルコールをいう。この炭素数が2又は3のアルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらアルコールは一種のみを単独で用いてもよく、或いは2以上を組み合わせて用いてもよい。二以上のアルコールが用いられた場合、上記のアルコールの含有量は、その合計含有量として規定される。本発明の飲料に用いられる炭素数が2または3のアルコールは、効果の顕著さから好ましくはエタノールである。
【0028】
本発明の飲料におけるアルコールの含有量は、ガスクロマトグラフ法を用いて定量することができる。その場合、充填カラム(パックドカラム)またはキャピラリーカラムを用い、水素炎イオン化型検出器(FID)を用いて、定法に従って測定することができる。
【0029】
その他の成分
飲料形態で生じる分岐デキストリン特有のぬめりは、分岐デキストリン以外の成分が少ない場合に顕著に知覚される。これは、ぬめりをマスキングする成分が少ないためと推測される。したがって、分岐デキストリン以外の成分が少ない飲料は、本発明の好適な態様の一例である。分岐デキストリン以外の成分が少ない飲料としては、可溶性固形分が低い飲料を例示できる。具体的には、分岐デキストリン以外の可溶性固形分が5以下であり、好ましくは0.2〜5であり、より好ましくは0.3〜2である。可溶性固形分は、糖度計や屈折計などを用いて得られるブリックス値によって評価することができる。ここで、ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である。単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
【0030】
本発明の飲料のpH(20℃)は2.0〜7.0である。効果の顕著さからpH4.0以下の酸性飲料とすることが好ましい。pH2.5〜3.5がより好ましい。pH調整は適宜行うことができ、例えば、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、等のpH調整剤を用いて飲料のpH調整を行うことができる。
【0031】
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤などを配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、増粘剤、品質安定剤などを挙げることができる。好ましい態様において、本発明に係る飲料は高甘味度甘味料や香料を含んでいてよい。
【0032】
製造方法
一つの態様において、本発明は飲料の製造方法と理解することもできる。本発明の飲料は分岐デキストリンおよびアルコールを含有するが、本発明に係る飲料を製造する場合、分岐デキストリン濃度が300〜10000mg/100g、炭素数2又は3のアルコール濃度が0.001〜1重量%となるように飲料を調整する工程を含むものである。容器詰飲料を製造する場合は、調製した飲料を容器に充填する工程を少なくとも備える。その場合に、充填する容器としては、一般の飲料と同様に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合化した紙容器、瓶等の通常の包装容器が挙げられる。また、例えば金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造することが可能であり、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用することができる。
【実施例】
【0033】
以下、具体的な実験によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0034】
実験1:分岐デキストリン含有飲料
分岐デキストリンに由来するぬめりの違いを調べるために、以下の試料を調製した。ここで、分岐デキストリンにはイソマルトデキストリン(株式会社林原社製のファイバリクサ(商標)、グルコースの平均重合度:30、DE:約7)、難消化性デキストリンには松谷化学工業株式会社製のファイバーゾル2(商品名)、イソマルトオリゴ糖にはアースシップス株式会社製のものを使用した。
・試料1:水(pH7のイオン交換水)
・試料2:水に分岐デキストリンを10mg/100gの濃度で溶かした溶液
・試料3:水に分岐デキストリンを300mg/100gの濃度で溶かした溶液
・試料4:水に分岐デキストリンを1000mg/100gの濃度で溶かした溶液
・試料5:水に難消化性デキストリンを300mg/100gの濃度で溶かした溶液
・試料6:水に難消化性デキストリンを1000mg/100gの濃度で溶かした溶液
・試料7:水にイソマルトオリゴ糖を3000mg/100gの濃度で溶かした溶液
上記試料1〜7について、口に含んだ際に知覚されるぬめりの有無を評価した。表1に結果を示す。分岐デキストリンであるイソマルトデキストリンを300mg/100g以上の濃度で含有する飲料が、特異的にぬめりを有することが明らかになった。
【0035】
【表1】
【0036】
実験2:エタノールによる分岐デキストリンのぬめり低減
(2−1)
水に分岐デキストリン(実験1と同じイソマルトデキストリン)を800mg/100gの濃度で溶かした溶液(試料2−1)を対照とし、これにエタノール濃度が表2の値となるようにエタノールを適宜添加して混合エタノール濃度の異なる溶液を調製した(試料2−2〜2−8)。エタノールは純度99.5%のものを用い、エタノール濃度が表に記載の濃度となるように調製した。
【0037】
得られたエタノール濃度が異なる溶液について、5名のパネラーにより分岐デキストリンに由来するぬめりの強さと飲用適性について評価した。評価は、以下の基準に基づいて各自が実施し、その後協議して評価点を決定した。
・5点:ぬめりはなく、違和感なく飲むことができる
・4点:ぬめりはほとんどなく、飲用に適する
・3点:ぬめりはやや残るが、飲むことができる
・2点:ぬめり等があり、飲用時に違和感がある
・1点:ぬめり等が強く、飲用に適さない
結果を表2に示す。0.001〜1重量%の濃度のエタノールを配合することによって、イソマルトデキストリンに由来するぬめりを効果的に抑制することができた。1重量%以上のエタノールを配合すると、エタノールに起因する嫌な刺激が生じ飲用に適さなかった。
【0038】
【表2】
【0039】
(2−2)
分岐デキストリンとして、実験1で用いたイソマルトデキストリンを使用した。イソマルトデキストリン濃度及びエタノール濃度が表3の値となるように、イソマルトデキストリン及びエタノールを適宜添加して混合してイソマルトデキストリン及びエタノール濃度の異なる溶液を調製した。得られた溶液について、実験2−1の試料2−1を対照とし、5名のパネラーにより実験2−1と同様に評価した。
【0040】
結果を表3に示す。イソマルトデキストリンが300〜10000mg/100gの濃度範囲では、0.001〜1.0重量%の濃度のエタノールを配合することによって、イソマルトデキストリンに由来するぬめりを効果的に抑制することができた。
【0041】
【表3】
【0042】
実験3:ブタノールによる分岐デキストリンのぬめり低減
試料2−5のエタノールをブタノールに代えた以外は、実験2−1と同様にして分岐デキストリンを含有する溶液を調製して評価した。
【0043】
結果を表4に示す。アルコールとして炭素数4のブタノールを使用した際には刺激的な香りが強く、イソマルトデキストリン由来のぬめり抑制効果が感じられなかった。分岐デキストリン特有のぬめり低減には、炭素数2又は3のアルコール、特にエタノールが効果的であることが示唆された。
【0044】
【表4】