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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-192042(P2018-192042A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20181109BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20181109BHJP
   A61B 1/005 20060101ALI20181109BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
   A61B1/00 711
   G02B23/24 A
   A61B1/005 512
   A61B1/06 612
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-98827(P2017-98827)
(22)【出願日】2017年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】黛 忠隆
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040BA23
2H040CA04
2H040CA11
2H040DA03
2H040DA11
2H040DA12
2H040DA14
2H040DA15
2H040DA21
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF29
4C161HH34
4C161JJ11
4C161JJ17
4C161RR24
(57)【要約】
【課題】操作部を落下させてしまったとしても安全に体腔内から挿入部を抜去できる構成を有する内視鏡システムを提供する。
【解決手段】内視鏡1と、内視鏡1が接続され、内視鏡1を動作制御する制御装置50と、内視鏡1の操作部12内に設けられ、該操作部12に加わる加速度を検出する加速度センサ20と、制御装置50に設けられ、加速度センサ20が所定方向における一定以上の加速度を検出した場合、制御信号を出力する制御回路61と、内視鏡1または制御装置50に設けられ、制御信号を受信することにより内視鏡1の挿入部2の状態を切り換える切り換え部25と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と、
前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、
前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる加速度を検出する加速度センサと、
前記制御装置に設けられ、前記加速度センサが所定方向における一定以上の加速度を検出した場合、制御信号を出力する制御回路と、
前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記制御信号を受信することにより前記内視鏡の挿入部の状態を切り換える切り換え部と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記切り換え部は、前記挿入部における先端に設けられた湾曲部の湾曲状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記挿入部は硬度が可変自在に構成されており、
前記切り換え部は、前記挿入部における前記硬度を最も低い状態に変更することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
内視鏡と、
前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、
前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる圧力を検出する圧力センサと、
前記制御装置に設けられ、前記圧力センサにより術者が前記内視鏡の前記操作部を把持しているか否かを判別する判別回路と、
前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記判別回路が前記術者による前記操作部の把持が解除されたことを判別した際に、前記内視鏡の動作制御状態を切り換える切り換え部と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項5】
前記切り換え部は、前記内視鏡の挿入部における先端に設けられた湾曲部の湾曲状態を解除することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記内視鏡の挿入部は硬度が可変自在に構成されており、
前記切り換え部は、前記挿入部における前記硬度を最も柔らかい状態に変更することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記切り換え部は、前記内視鏡の先端側に供給する光源の光量を減少させることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
内視鏡と、
前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、
前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる加速度を検出する加速度センサと、
前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる圧力を検出する圧力センサと、
前記制御装置に設けられ、前記加速度センサが所定方向における一定以上の加速度を検出した場合、制御信号を出力する制御回路と、
前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記制御信号を受信することにより前記内視鏡の挿入部の状態を切り換える切り換え部と、
前記制御装置に設けられ、前記圧力センサにより術者が前記内視鏡の前記操作部を把持しているか否かを判別する判別回路と、
前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記判別回路が術者による前記操作部の把持が維持されていることを判別した際には、前記制御信号を受信していても前記切り換え部の動作を制限する制限回路と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項9】
前記切り換え部は、前記内視鏡の挿入部における先端に設けられた湾曲部の湾曲状態を解除することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記挿入部は硬度が可変自在に構成されており、
前記切り換え部は、前記挿入部における前記硬度を最も柔らかい状態に変更することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡と、該内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置とを具備する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡システムに用いられる内視鏡は、医療分野において広く利用されている。医療分野において用いられる内視鏡は、該内視鏡が接続された制御装置によって動作制御された状態において、細長い挿入部を被検体となる体腔内に挿入することにより、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて内視鏡が具備する処置具の挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をしたりすることができる。
【0003】
また、内視鏡の挿入部に、複数方向に能動的に湾曲自在な湾曲部が設けられた構成が周知である。湾曲部は、管路内の屈曲部における挿入部の進行性を向上させる他、挿入部において、湾曲部よりも先端側に位置する先端部に設けられた観察光学系の観察方向を可変させる。
【0004】
通常、内視鏡の挿入部に設けられた湾曲部は、複数の湾曲駒が挿入部の挿入方向に沿って連結されることにより、例えば上下左右の4方向に湾曲自在となるよう構成されており、湾曲駒の内、最も先端側に位置する湾曲駒に先端が固定された挿入部内に挿通された4本のワイヤのいずれかが操作部に設けられた湾曲操作ノブの回動操作によって牽引操作されることにより、上下左右のいずれかの方向に湾曲自在となっている。
【0005】
また、操作部に設けられた固定ノブまたは固定レバーにより、湾曲操作ノブの回動角度を固定する、即ち、湾曲部の湾曲状態を術者の所望の湾曲角度にて固定する構成も周知である。
【0006】
さらに、操作部に、挿入部において湾曲部よりも基端側に設けられた可撓管部の硬度を可変させる硬度可変ノブが設けられた構成も周知である。
【0007】
このように構成された操作部は、特許文献1に示すように、例えば術者の左手によって把持される。
【0008】
具体的には、操作部の把持部が左手の腹に接触され、把持部が左手の薬指と小指にて把持され、左手の親指と人指し指にて操作部から延出するとともに制御装置にコネクタを介して接続されるユニバーサルコードの折れ止めを挟んだ状態において、操作部は、術者の左手によって把持される。
【0009】
この状態にて、術者は、左手の親指、人指し指または中指にて、操作部に設けられた各種スイッチ、ノブ、レバー操作を行なうよう操作部が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第5642904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、術者は、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入している際、地震等の災害による揺れや術者の不注意により、上述したようにユニバーサルコードの折れ止めを左手の親指と人指し指とにより挟んで把持していたとしても、操作部から不意に左手を離してしまい操作部を落下させてしまう可能性がある。
【0012】
よって、例えば湾曲部が体腔内において湾曲している状態や、可撓管部の硬度が高い状態においては、操作部の落下後、挿入部が体腔内に引っ掛かってしまう可能性がある。尚、湾曲部が体腔内において非湾曲状態においても、落下後、湾曲操作ノブが床等に接触してしまうことにより回動してしまった場合においても同様の可能性が生じる。このことから、術者は体腔内に挿入部を挿入している際における操作部の取り扱いに十分な注意が必要であった。
【0013】
このような事情に鑑み、特許文献1に開示されているように、操作部の外表面に小指や薬指が引っ掛かりやすくなるよう凹みが形成され、凹みに対する指の引っ掛かりにより操作部を落とし難くした構成も周知ではある。
【0014】
しかしながら、この構成では、完全に操作部の落下を防ぐことは出来ないといった問題があった。
【0015】
よって、操作部の落下を完全に防ぐことができないまでも、操作部を落下させてしまったとしても安全に体腔内から挿入部を抜去できる構成が望まれていた。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、操作部を落下させてしまったとしても安全に体腔内から挿入部を抜去できる構成を有する内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため本発明の一態様における内視鏡システムは、内視鏡と、前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる加速度を検出する加速度センサと、前記制御装置に設けられ、前記加速度センサが所定方向における一定以上の加速度を検出した場合、制御信号を出力する制御回路と、前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記制御信号を受信することにより前記内視鏡の挿入部の状態を切り換える切り換え部と、を具備する。
【0018】
また、本発明の他態様における内視鏡システムは、内視鏡と、前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる圧力を検出する圧力センサと、前記制御装置に設けられ、前記圧力センサにより術者が前記内視鏡の前記操作部を把持しているか否かを判別する判別回路と、前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記判別回路が前記術者による前記操作部の把持が解除されたことを判別した際に、前記内視鏡の動作制御状態を切り換える切り換え部と、を具備する。
【0019】
さらに、本発明の他態様における内視鏡システムは、内視鏡と、前記内視鏡が接続され、前記内視鏡を動作制御する制御装置と、前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる加速度を検出する加速度センサと、前記内視鏡の操作部内に設けられ、該操作部に加わる圧力を検出する圧力センサと、前記制御装置に設けられ、前記加速度センサが所定方向における一定以上の加速度を検出した場合、制御信号を出力する制御回路と、前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記制御信号を受信することにより前記内視鏡の挿入部の状態を切り換える切り換え部と、前記制御装置に設けられ、前記圧力センサにより術者が前記内視鏡の前記操作部を把持しているか否かを判別する判別回路と、前記内視鏡または前記制御装置に設けられ、前記判別回路が術者による前記操作部の把持が維持されていることを判別した際には、前記制御信号を受信していても前記切り換え部の動作を制限する制限回路と、を具備する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、操作部を落下させてしまったとしても安全に体腔内から挿入部を抜去できる構成を有する内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図
図2図1の内視鏡システムにおける内視鏡の構成の概略を示す図
図3図2の把持部内に設けられた加速度センサ及び切り換え部を、他の部材とともに拡大して示す部分斜視図
図4図1の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャート
図5】第2実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図
図6図5の内視鏡システムにおける内視鏡の操作部に設けられた圧力センサを拡大して示す斜視図
図7図5の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャート
図8図5の制御部による圧力センサを用いた光源制御を示すフローチャート
図9】第3実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図
図10図9の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(第1実施の形態)
【0024】
図1は、本実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図、図2は、図1の内視鏡システムにおける内視鏡の構成の概略を示す図、図3は、図2の把持部内に設けられた加速度センサ及び切り換え部を、他の部材とともに拡大して示す部分斜視図である。
【0025】
図1に示すように、内視鏡システム100は、内視鏡1と、該内視鏡1が接続され、内視鏡1を動作制御する制御装置50とを具備して主要部が構成されている。
【0026】
図2に示すように、内視鏡1は、体腔内に挿入される細長な挿入部2と、該挿入部2の基端側に連設された操作部12と、該操作部12から延出されたユニバーサルコード10と、該ユニバーサルコード10の延出端に設けられたコネクタ11とを具備して主要部が構成されている。
【0027】
尚、コネクタ11を介して、内視鏡1は、制御装置50と電気的に接続される。
【0028】
挿入部2は、先端側に設けられた先端部3と、該先端部3の基端側に設けられた湾曲部4と、湾曲部4の基端側から操作部12まで延びるよう設けられた可撓管部7とにより構成されており、細長に形成されている。
【0029】
図2に示すように、操作部12に、挿入部2に設けられ所定の軸周りに回動されることで湾曲部4を観察画面の上下方向に沿って湾曲操作する上下用湾曲操作ノブ8と、この上下用湾曲操作ノブ8と同軸周りに回動されることで湾曲部を観察画面の左右方向に沿って湾曲させる左右用湾曲操作ノブ9と、上下用湾曲操作ノブ8の回動位置を固定する固定レバー8´と、左右用湾曲操作ノブ9の回動位置を固定する固定ノブ9´と、各種スイッチ等が設けられている。
【0030】
また、操作部12の上下用湾曲操作ノブ8、固定レバー8´、左右用湾曲操作ノブ9、固定ノブ9´が設けられた位置よりも先端側に、術者によって把持される把持部12hが設けられている。
【0031】
さらに、把持部12hよりも先端側における挿入部2との連結部に、挿入部2の軸周りに回動操作されることで可撓管部7の硬度を変更可能に構成された硬度可変ノブ13が設けられている。この硬度可変ノブ13は、初期の回動位置にある場合は可撓管部7の硬度が最も低くなるよう設定され、初期の回動位置から他方向に回動操作されることで可撓管部7の硬度を高くするように構成される。
【0032】
図1図3に示すように、把持部12h内の図2中点線Hで囲った領域に、図1に示した加速度センサ20と切り換え部25が設けられている。
【0033】
加速度センサ20は、図3に示すように、把持部12h内に設けられた電気基板21に搭載されており、操作部12に加わるYaw/Pitch/Roll方向の加速度を検出するものである。
【0034】
具体的には、加速度センサ20は、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が加わったと検出した場合に、制御装置50の制御部60が具備する制御回路61に、制御トリガ信号を出力する機能を有している。
【0035】
制御回路61は、加速度センサ20が3軸の内、所定方向における一定量以上の加速度を検出した場合、即ち、制御トリガ信号を加速度センサ20から受信した場合に、切り換え部25に制御信号を出力する機能を有している。
【0036】
切り換え部25は、電気配線26を介して電気基板21と電気的に接続されており、制御回路61から出力された制御信号を受信することにより、挿入部2の状態を切り換えるよう機能する。
【0037】
具体的には、切り換え部25は、湾曲部4の湾曲状態を解除する。より具体的には、湾曲部4が、上下用湾曲操作ノブ8、左右用湾曲操作ノブ9の回動操作により、ワイヤ23,24(尚、図3には、ワイヤは2本のみ図示されているが、実際は、ワイヤは湾曲部4が4方向に湾曲する場合には、4本設けられている)が湾曲する構成においては、ワイヤ23,24を切断することにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。
【0038】
尚、湾曲部4が電動で湾曲する構成においては、電動湾曲機能を停止させることにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。この場合、切り替え部25は、制御装置50内に設けられていても構わない。
【0039】
または、切り換え部25は、可撓管部7の硬度を最も低い状態に変更する。具体的には、硬度可変ノブ13を初期の回動位置に戻すことで、可撓管部7の硬度を最も低い状態に変更する。硬度可変ノブ13を初期の回動位置に戻す構成としては、例えば操作部12内に収納したモータ等の駆動源により硬度可変ノブ13を初期の回動位置まで戻す機構や、硬度可変ノブ13の回動位置を保持するクリック機構の機能を解除して、バネ力により硬度可変ノブ13を初期の回動位置まで戻す機構などが考えられる。
【0040】
また、図1に示すように、制御装置50に、警告部80が設けられている。警告部80は、切り換え部25により挿入部2の状態が切り換えられた際、警告を発するものであり、警告方法としては、例えば音や、制御装置50の図示しないモニタへの表示等が挙げられる。
【0041】
次に、本実施の形態の作用について、図4を用いて説明する。具体的には、図4を用いて、制御部60による操作部12の落下を検出した際の挿入部2の状態の切り換え制御について説明する。
【0042】
図4は、図1の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャートである。
【0043】
先ず、ステップS1においては、加速度センサ20が、変化を検出したか否かを判定する。具体的には、加速度センサ20が、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が操作部12に加わったことを検出したか否かを判定する。
【0044】
検出の無い場合は、加速度センサ20は、そのまま検出判定を繰り返し、検出の有った場合は、即ち、操作部12の落下を検出した場合は、加速度センサ20は、制御回路61に制御トリガ信号を出力してステップS2に移行する。
【0045】
ステップS2では、制御回路61を用いて切り換え部25に制御信号を出力する。その後、ステップS3では、切り換え部25は、上述したように、挿入部2の状態を切り換える。
【0046】
最後に、ステップS4では、警告部80を介して警告を発することにより、術者に挿入部2の状態が切り替わった旨を告知する。
【0047】
このように、本実施の形態においては、内視鏡1が制御装置50に接続され、電源がオンされている状態において、内視鏡1の操作部12内に設けられた加速度センサ20が、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が加わったことを検出した場合には、制御部60は、操作部12が落下されたと検出し、制御回路61、切り換え部25を用いて挿入部2の状態を切り換えると示した。
【0048】
具体的には、湾曲部4の湾曲状態を解除するか、可撓管部7の硬度を最も低い状態に変更すると示した。
【0049】
このことによれば、操作部12を落下させてしまったとしても湾曲部4は湾曲状態が解除されるため、または可撓管部7の硬度が最も低い状態となるため、体腔内に引っ掛かることなく、挿入部2を体腔内から抜去しやすくなる。
【0050】
以上から、操作部12を落下させてしまったとしても安全に体腔内から挿入部2を抜去できる構成を有する内視鏡システム100を提供することができる。
【0051】
(第2実施の形態)
【0052】
図5は、本実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図、図6は、図5の内視鏡システムにおける内視鏡の操作部に設けられた圧力センサを拡大して示す斜視図である。
【0053】
この第2実施の形態の内視鏡システムの構成は、上述した図1図4に示した第1実施の形態の内視鏡システムと比して、操作部12の落下を検出するのに、加速度センサの代わりに圧力センサを用いる点が異なる。
【0054】
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
図5に示すように、操作部12に、圧力センサ30と、切り換え部25とが設けられている。
【0056】
図5図6に示すように、圧力センサ30は、操作部12に加わる圧力を検出するものである。具体的には、操作部12の把持部12hの外表面に貼着、巻回されており、把持部12hを術者が握っているか否かを圧力により検出するものである。
【0057】
制御装置50の制御部60が具備する判別回路62は、圧力センサ30を介して術者が把持部12hを把持しているか否かを判別するものである。
【0058】
切り換え部25は、判別回路62が術者による把持部12hの把持が解除されたことを判別した際に、内視鏡1の動作状態を切り換える。
【0059】
具体的には、切り換え部25は、湾曲部4の湾曲状態を解除する。より具体的には、湾曲部4が、上下用湾曲操作ノブ8、左右用湾曲操作ノブ9の回動操作により、ワイヤ23,24(尚、図3には、ワイヤは2本のみ図示されているが、実際は、ワイヤは湾曲部4が4方向に湾曲する場合には、4本設けられている)が湾曲する構成においては、ワイヤ23,24を切断することにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。
【0060】
尚、湾曲部4が、電動で湾曲する構成においては、電動湾曲機能を停止させることにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。この場合、切り替え部25は、制御装置50内に設けられていても構わない。
【0061】
または、切り換え部25は、可撓管部7の硬度を最も低い状態に変更する。
【0062】
尚、切り換え部25は、判別回路62が術者による把持部12hの把持が解除されたことを判別した際に、挿入部2の先端側に供給する光源70からの光の光量を減少させても構わない。
【0063】
具体的には、光源70からライトガイド89を介して先端部3に設けられた照明用レンズ81に送る光の量を減少させるまたは光をストップさせても構わない。逆に言えば、切り換え部25は、判別回路62により把持部12hが術者によって把持されていると判別した場合には機能せず、光源70から光を送り続ける制御を制御部60は行なっても構わない。
【0064】
尚、その他の構成は、上述した第1実施の形態と同じである。
【0065】
次に、本実施の形態の作用について、図7を用いて説明する。具体的には、図7を用いて、制御部60による操作部12の落下を検出した際の挿入部2の状態の切り換え制御について説明する。
【0066】
図7は、図5の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャートである。
【0067】
先ず、ステップS10において、制御部60は、現在、内視鏡1が挿入部状態切換モードであることを検出した後、ステップS11において、圧力センサ30が圧力を検出したか否かを検出する。
【0068】
判別回路62は、圧力検出が有った場合は、把持部12hは、術者によって把持されたままの状態であるとして、そのまま検出判定を繰り返し、圧力検出の無い場合は、把持部12hから術者の手が離されたとして、操作部12が落下したと判別してステップS12に移行する。
【0069】
ステップS12では、切り換え部25は、上述したように、挿入部2の状態を切り換える。
【0070】
最後に、ステップS13では、警告部80を介して警告を発することにより、術者に挿入部2の状態が切り替わった旨を告知する。
【0071】
次に、図8を用いて制御部60による圧力センサを用いた光源の制御について説明する。図8は、図5の制御部による圧力センサを用いた光源制御を示すフローチャートである。
【0072】
先ず、ステップS21において、現在、内視鏡1が電源自動制御を行なうモードであることを検出した後、ステップS22において、圧力センサ30が圧力を検出したか否かを検出する。
【0073】
判別回路62は、圧力検出が有った場合は、把持部12hは、術者によって把持されたとして、ステップS23にて、光源70を自動的にオンする。その後、ステップS24にて、再度、圧力センサ30が圧力検出したか否かを検出する。
【0074】
圧力検出が有った場合は、そのまま検出判定を繰り返し、検出の無い場合は、把持部12hから術者の手が離されたとして、ステップS25に移行し、光源70を自動的にオフする。この際、光源70からの光量を自動的に低減させても良い。
【0075】
このように、本実施の形態においては、内視鏡1が挿入部状態切換モードである際、圧力センサ30を用いて把持部12hが把持されているか否かを検出し、把持されていない場合は、操作部12が落下されたと判定して、挿入部2の状態を切り換えると示した。
【0076】
このような構成によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、圧力センサ30を用いて、把持部12hの術者による把持が検出されない場合は、光源70を自動的にオフにするまたは光量を低減させると示した。
【0078】
このことによれば、把持部12hを術者が把持していない場合、即ち、内視鏡の不使用時における光源70のオン状態の継続を防ぐことができることから、照明用レンズ81を有する先端部3の発熱や、内視鏡の不使用時における光源の劣化や無駄な電力消費を防ぐことができる。
【0079】
(第3実施の形態)
【0080】
図9は、本実施の形態の内視鏡システムを概略的に示すブロック図である。
【0081】
この第3実施の形態の内視鏡システムの構成は、上述した図1図4に示した第1実施の形態の内視鏡システム、図5図6に示した第2実施の形態の内視鏡システムと比して、操作部12の落下を検出するのに、加速度センサ及び圧力センサの両方を用いる点が異なる。
【0082】
よって、この相違点のみを説明し、第1、第2実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0083】
図9に示すように、操作部12に、加速度センサ20と、圧力センサ30と、切り換え部25とが設けられている。
【0084】
また、制御装置50の制御部60内に、制御回路61と、判別回路62と、制限回路63とが設けられている。
【0085】
制限回路63は、判別回路62が術者による把持部12hの把持が維持されていることを判別した際には、切り換え部25が制御回路61から制御信号を受信していたとしても、切り換え部25の動作を制限するよう機能する。
【0086】
切り換え部25は、制限回路63による制限が無く、加速度センサ20が、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が加わったことを検出した場合とともに、圧力センサ30による圧力検出が無くなった場合に、挿入部2の状態を切り換える。
【0087】
具体的には、切り換え部25は、湾曲部4の湾曲状態を解除する。より具体的には、湾曲部4が、上下用湾曲操作ノブ8、左右用湾曲操作ノブ9の回動操作により、ワイヤ23,24(尚、図3には、ワイヤは2本のみ図示されているが、実際は、ワイヤは湾曲部4が4方向に湾曲する場合には、4本設けられている)が湾曲する構成においては、ワイヤ23,24を切断することにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。
【0088】
尚、湾曲部4が、電動で湾曲する構成においては、電動湾曲機能を停止させることにより、湾曲部4の湾曲状態を解除する。この場合、切り替え部25は、制御装置50内に設けられていても構わない。
【0089】
または、切り換え部25は、可撓管部7の硬度を最も低い状態に変更する。
【0090】
尚、その他の構成は、上述した第1、第2実施の形態と同じである。
【0091】
次に、本実施の形態の作用について、図10を用いて説明する。具体的には、図10を用いて、制御部60による操作部12の落下を検出した際の挿入部2の状態の切り換え制御について説明する。
【0092】
図10は、図9の制御部による操作部の落下を検出した際の、挿入部の状態を切り換える制御を示すフローチャートである。
【0093】
先ず、ステップS31においては、加速度センサ20が、変化を検出したか否かを判定する。具体的には、加速度センサ20が、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が加わったか否かを判定する。
【0094】
検出の無い場合は、そのまま検出判定を繰り返し、検出の有った場合は、加速度センサ20は、制御回路61に制御トリガ信号を出力してステップS32に移行する。
【0095】
ステップS32では、制御回路61を用いて切り換え部25に制御信号を出力する。その後、ステップS33において、圧力センサ30が圧力検出したか否かを検出する。
【0096】
判別回路62は、一方、圧力検出の有った場合は、把持部12hは、術者によって把持されたままの状態であるとして、ステップS36に分岐し、制限回路63を用いて、挿入部切り換え制限制御を行なう。
【0097】
具体的には、制限回路63は、判別回路62が術者による把持部12hの把持が維持されていることを判別した際には、切り換え部25が制御回路61から制御信号を受信していたとしても、切り換え部25の動作を制限する。その後、ステップS31戻る。
【0098】
判別回路62は、他方、圧力検出の無かった場合は、把持部12hから術者の手が離されたとして、操作部12が落下したと判別してステップS34に移行する。
【0099】
ステップS34では、切り換え部25は、上述したように、挿入部2の状態を切り換える。
【0100】
最後に、ステップS35では、警告部80を介して警告を発することにより、術者に挿入部2の状態が切り替わった旨を告知する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、操作部12内に設けられた加速度センサ20が、Yaw/Pitch/Roll方向のいずれかに、一定量以上の加速度、例えば重力加速度以上の加速度が加わったことを検出した場合に加え、圧力センサ30を用いて把持部12hが把持されているか否かを検出し、把持されていない場合は、操作部12が落下されたと検出し、切り換え部25を用いて挿入部2の状態を切り換えると示した。
【0102】
このことによっても、上述した第1、第2実施の形態と同様の効果を得ることができる他、第1実施の形態の構成においては、単に術者が把持部12hを把持したまま操作部を高速で移動させた場合、第2実施の形態においては、挿入部状態切換モードであっても把持部12hから術者が手を離してしまうと、切り換え部25は、操作部12が落下していないにも関わらず、挿入部2の状態を切り換えてしまい、ワイヤ23,24を切断する構成においては修理の必要が生じてしまう。
【0103】
しかしながら、本実施の形態においては、加速度センサ20及び圧力センサ30を用いて操作部12の落下判定を行なうことから、上述した第1、第2実施の形態よりもより正確に操作部12が落下したことを検出することができる。
【符号の説明】
【0104】
1…内視鏡
2…挿入部
4…湾曲部
12…操作部
20…加速度センサ
25…切り換え部
30…圧力センサ
50…制御装置
61…制御回路
62…判別回路
63…制限回路
70…光源
100…内視鏡システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10