【解決手段】本体部110の前面に配置された表示画面111と、表示装置が設置されている場所を特定するための位置信号を受信する位置信号受信部132、139と、本体部の内部に配置され、部屋ごとの清掃時間、及び部屋の位置情報を記憶する記憶部131とを備える。また、表示装置は、位置信号に基づいて記憶部に記憶された位置情報に対応する部屋を特定し、記憶部に記憶された特定された部屋の清掃時間に基づいて清掃開始時間から起算した残り時間もしくは清掃完了時刻を表示画面に表示させる制御部137を備える。
前記位置信号受信部は、前記表示装置が設置されている場所を特定するGPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS受信部、もしくは前記本体部の内部と外部との間で無線通信を行う通信部を使った測位部を含む、請求項1に記載の表示装置。
前記制御部は、前記通信部を介して携帯端末に、前記残り時間もしくは清掃完了時刻を送信するとともに、前記通信部を介して前記携帯端末から変更された前記残り時間もしくは清掃完了時刻を受信し、
前記制御部は、変更された前記残り時間もしくは清掃完了時刻を前記表示画面に表示させる請求項2に記載の表示装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、部屋の一例としてトイレの清掃中であることを表示する表示装置について説明する。しかし、本発明は、トイレの清掃に限られるのではなく、複数の会議室を清掃する場合などにも適用できる。特に本発明を限定する旨の記載がない限り、以下の実施形態に限られるものではない。
【0015】
<ショッピングモール20>
図1はショッピングセンターのレイアウトを示す断面図である。
図1において、略中央にセンターコート21が配置されており、4つの角領域に、4つの核となるメイン店舗(スポーツ量販店,玩具量販店,家具量販店,家電量販店)22が配置され、センターコート21とメイン店舗22との間に複数の専門店23が配置され、またセンターコート21の周囲及びメイン入場口25の反対側に複数の飲食店24が配置されている。なお、
図1では特に図示しないが、各メイン店舗22、各専門店23及び各飲食店24には、その店舗名以外にブロック毎に“A01”、“B12”などの番号を付して、各メイン店舗、専門店又は飲食店の場所が容易に理解できるようにすることが好ましい。
【0016】
ショッピングモール20は、4つの核店舗を連結するように通路が形成されており、センターコート21を中心として略対称形状となっている。またメイン通路27は、センターコート21側(内側)に湾曲した曲線状を呈している。
【0017】
またショッピングモール20には、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)などの無線発信部PSが配置されている。
図1では10個の無線発信部PSがバランスよく配置されることで、ショッピングモールを訪れる顧客がショッピングモール20内のどこにいても、スマートフォンもしくはタブレット端末等の携帯端末を使って、インターネットにアクセスできる。なお、無線発信部PSは、SSID(ネットワーク名)又はMACアドレスなどを含むビーコン信号を発信している。
【0018】
このショッピングモール20には、例えば6つのトイレWC(WC1〜WC6)が配置されており、それぞれが利用頻度などを考慮して配置されている。それぞれのトイレは、例えば
図1に示された位置に配置されており、そのトイレWCの出入口の近傍には給電用のコンセント(不図示)が設けられている。本実施形態では、トイレWC1〜WC6に男女別々のトイレが配置されているが、WC1が障がい者用トイレで、トイレWC3及びWC5が男性用トイレ、トイレWC2,WC4及びWC6が女性用トイレであってもよい。トイレの清掃員は、例えば、トイレWC1、WC2……WC6の順番に清掃したり、任意の順番で清掃したりする。そして、トイレの清掃員は、トイレWCの清掃中に、トイレWCの出入口に表示装置100を配置する。表示装置100は、後述するように、トイレWCが清掃中であることを表示する。
【0019】
<表示装置100の外観図>
図2(a)は、表示装置100の斜視図である。表示装置100は、前面に液晶表示画面111が配置される本体部110と、本体部110を載置する台座部120と、により構成されている。以下の説明では、本体部110の前面が向く方向をX軸方向、本体部110の高さ方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向として説明する。
【0020】
本体部110は、外形が直方体に形成され、前面に液晶表示画面111が配置されている。本体部110の両側面(本体部110の±Y軸側の面)には本体部110を補強するためのサイドビーム113が配置されており、各サイドビーム113の中間には、清掃員が本体部110を移動させる取手114が取り付けられている。また、本体部110の−Y軸側面の下方にはスイッチ部117が配置されている。
【0021】
台座部120は、+Z軸側に本体部110を載置するための天板121が配置され、−Z軸側に表示装置100を移動させるための車輪122が配置されている。本体部110は天板121にボルト等の締結具で固定されている。なお、本実施形態では、清掃員が手動で表示装置100を引っ張って移動させる構造であるが、動力を付けて自動走行できるようにしても良いことは言うまでもない。
【0022】
図2(b)は、取手114の拡大図である。本体部110のサイドビーム113に固定される取手114は、ハンドル115を含んでいる。ハンドル115は、表示装置100を移動させる場合には本体部110の側面に対して立てて用いられる。また、ハンドル115を使用しない場合には
図2(b)に示されるように本体部110の側面に沿うように寝かせられる。表示装置100は取手114及び車輪122を備えるため容易に移動させることができ、表示装置100の設置場所を容易に変更することができる。
【0023】
図2(c)は、蓋を開けた状態のスイッチ部117の拡大図である。スイッチ部117は、本体部110に形成された窪み117aに配置されるスイッチ117bと、本体部110の窪み117aを覆う蓋117cと、を有している。蓋117cは例えば
図2(c)に示されるように、矩形形状の板に指を引っ掛けるための窪みが形成された簡易な構造であり、作業用手袋をはめた状態でも容易に開け閉めすることができる構造となっている。また、スイッチ117bは、作業用手袋をはめた状態でも容易に押すことができる大きさ、形状に形成されている。窪み117a内及びスイッチ117bは、漏電等が起こらないように、防水加工がなされている。
【0024】
表示装置100では、清掃員はスイッチ117bを所定時間(例えば2秒)より長い長押しするだけで表示装置100を起動することができる。そのため、清掃員は表示装置100を取り扱うための特別な知識を習得する必要が無い。また、表示装置100を取り扱うための特別な知識を持つ者が表示装置100を設定する必要もない。これにより、清掃員の負担が減ることになり又は表示装置100の運用費用の低減が図られている。表示装置100を停止させる際にも清掃員はスイッチ117bを所定時間(例えば2秒)より長い長押しするのみである。表示装置100を安全に停止させることができる。
【0025】
<表示装置100のブロック図>
図3は、表示装置100の構成を示すブロック図である。本体部110に配置されるバッテリー電源135は、電源ケーブル134に接続されている。電源ケーブル134は、不図示の100Vコンセントに接続される。ショッピングモール20のトイレWC(WC1〜WC6)の出入口には、100Vコンセントが用意されており、電源ケーブル134を介して給電されて、バッテリー電源135に電力が蓄えられるとともに、制御部137を介して表示画面111等に電力が給電される。電源ケーブル134がコンセントから外れている場合でも、バッテリー電源135は表示画面111等に電力を給電し、30分から2時間ほど、表示装置100を使用することができる。
【0026】
制御部137は、バッテリー電源135に接続されており、バッテリー電源135から給電されている。制御部137はスイッチ117bに接続されており、スイッチ117bが押されることにより制御部137が起動及び停止する、つまり、表示装置100が起動及び停止する。また、制御部137は、記憶部131、GPS(Global Positioning System)受信部132、液晶表示画面制御部136及び通信部138に接続されて、これらの動作を制御している。また測位部139は制御部137内の一部として、制御部137に接続されている。
【0027】
記憶部131は、液晶表示画面111に表示する動画・静止画等の情報を記憶している。この動画・静止画は、例えば、ショッピングモール20のメイン店舗22、専門店23及び飲食店24の広告宣伝用の動画・静止画である。また動画・静止画は、メイン店舗ごと、専門店ごと、飲食店ごとに記憶されている。さらに各メイン店舗22、専門店23及び飲食店24の動画・静止画は、ショッピングモール20内の位置情報と紐づけされている。
【0028】
記憶部131は、液晶表示画面111に表示するトイレWCに関する動画・静止画等の情報を記憶している。この動画・静止画等の情報は、例えば、ショッピングモール20内のトイレWC1〜WC6の位置情報、各トイレWCの清掃に必要な清掃時間、ショッピングモール20の地図を含む。このショッピングモール20の地図は、ショッピングモール内の店舗位置情報、モール20の出入口や案内所の位置情報、トイレWC1〜WC6の配置情報などを有している。ショッピングモール20内のトイレWC1〜WC6の配置情報は、各トイレWCからの他のトイレWCへの最短経路及び移動時間を含めてもよい。また記憶部131は、後述するGPS受信部132又は測位部139が測位した表示装置100の現在位置も記憶する
【0029】
さらに記憶部131は、無線発信部PSのSSID又はMACアドレス等の無線発信部の情報を記憶し、さらにショッピングモール20内の無線発信部PSの位置情報を記憶している。
【0030】
GPS受信部132は、GPS(Global Positioning System)信号を受信し、GPS信号に基づいて表示装置100の現在位置を特定する。ショッピングモール20が鉄筋コンクリート等で建築されていると、GPS受信部132は基本的にGPS信号を受信できないが、ガラス窓際であったりセンターコート21の天井がガラス張りであったりすると、GPS受信部132は基本的にGPS信号を受信できる。GPS受信部132はGPS信号を制御部137に送り、定期的(例えば3秒毎)に制御部137が表示装置100の現在位置を特定する。
【0031】
液晶表示画面制御部136は、記憶部131に保存されている動画・静止画などを液晶表示画面111に表示させ、液晶表示画面111に表示される動画・静止画の色彩、明度輝度などを制御する。表示させる動画・静止画などの選択及び動画・静止画などの表示時間などの制御は、制御部137で行われる。
【0032】
通信部138は、本体部110の内部と外部との間で主に無線通信により情報の送受信を行うための通信部として本体部110の内部に配置されている。通信部138は、例えば携帯電話回線(3G)、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)で通信し、無線発信部PSから発信されたSSID(ネットワーク名)、MACアドレス、または電波の強さなどを含むビーコン信号を受信する。また通信部138は、インターネットを介してニュースサイトやショッピングモール20のホームページ等を受信することができる。
【0033】
測位部139は、通信部138が受信したビーコン信号及び記憶部131に記憶されている無線発信部PSの情報に基づいて、受信したビーコン信号がどの無線発信部PSからのものか判断し、定期的(例えば3秒毎)に表示装置100の現在位置を測位する。例えば、測位部139は、1つの無線発信部PSから強い電波を受信しているならば、その無線発信機PSの位置に極めて近い位置に表示装置100が設置されていると測位する。また測位部139は、2つの無線発信部PSから均等な電波を受信しているならば、その2つの無線発信機PSの位置の中間に表示装置100が設置されていると測位する。
【0034】
<清掃作業における表示装置の使用方法>
図4は、表示装置の使用方法を示したフローチャートである。そしてこのフローチャートは、清掃員が
図1に示したトイレWC1に表示装置100を移動させ、清掃を開始し始めてから清掃を完了し、次に清掃するトイレWC2まで表示装置100を移動するまでを示したものである。なお、バッテリー電源135はすでにある程度充電されているとする。
【0035】
まず、清掃員が倉庫等に保管してあった表示装置100のスイッチ107bを長押する。すると、表示装置100がバッテリー電源135からの給電を受けて起動する(ステップS101)。起動とともに、GPS受信部132がGPS信号を受信して表示装置100の現在位置を測位する。または、通信部138が無線発信部PSから発信されたSSID、MACアドレスなどのビーコン信号を受信し、測位部139が、受信したビーコン信号及び記憶部131に記憶されている無線発信部PSの情報に基づいて、表示装置100の現在位置を測位する(ステップS102)。GPS受信部132がGPS信号を受信できない場合には、測位部139の測位で現在位置を計算してもよいし、GPS信号を受信できる場合には、両方の現在位置の信号からより精度を高めた現在位置を算出してもよい。なお、GPS受信部132又は測位部139は、表示装置100が起動している最中、表示装置100の現在位置を数秒ごとに測位している。
【0036】
清掃員は、表示装置100のスイッチ107bを押した後、表示装置100をトイレWC1の出入口に移動させる(ステップS103)。移動中、制御部137は記憶部131に記憶された各メイン店舗22、専門店23及び飲食店24の動画・静止画の中から、現在位置に近い位置情報を有している動画・静止画を検索する。そして、制御部137は現在位置に近い専門店などの広告宣伝の動画・静止画を表示装置100の表示画面111に表示させる(ステップS104)。
【0037】
図5は、表示画面111に表示される画像の一例である。
図5(a)は、清掃員が表示装置100の移動中に“○○雑貨”という専門店23に近づいた際に、表示画面111に表示されている例である。表示画面111の一番上には、専門店23の店舗名称とショッピングモール20内の番号が記載されている(図中151)。またその広告内容152は、店舗名称151の下に表示されている。清掃員が表示装置100をさらに移動させていくと、例えば、
図5(a)の動画・静止画から、
図5(b)に示される動画・静止画に切り替わる。
図5(b)表示画面111の一番上には、飲食店24の店舗名称とショッピングモール20内の番号が記載されている(図中151)。またその広告内容152は、店舗名称151の下に表示されている。
【0038】
再び
図4に戻ってフローチャートを説明する。清掃員が表示装置100を移動させてトイレWC1に到着する。そして、清掃員は表示装置100をトイレWC1の出入口に配置するとともに、表示装置100の電源ケーブル134を出入口の周辺のコンセントに差し込む(ステップS105)。すると、表示装置100の表示画面111には、広告等の動画・静止画から切り替わり、清掃中である画像が表示される(ステップS106)。そして清掃員はトイレWC1の清掃を開始する。
【0039】
図6(a)及び(b)は、清掃員がトイレWC1を清掃中に、表示画面111に表示される動画・静止画の例である。本実施形態では、表示画面111に表示される動画・静止画は、例えば20秒ごとに(a)に示される静止画と(b)に示される静止画とに切り替わる。
図6(a)では、表示画面111の上段に大きく“清掃中”の表示154が表示され、中段に“このトイレは、19分後 12時23分 に清掃が完了します”と表示155がされる。記憶部131には、各トイレWC(WC1〜WC6)の平均の清掃時間が記憶されている。例えばトイレWC1は20分の清掃時間、トイレWC2は30分の清掃時間等である。電源ケーブル134がコンセントに差し込まれたことを、バッテリー135を介して制御部137が認識し、制御部137は、記憶部に記憶された20分の清掃時間をカウントし始める。制御部137は、例えば残り時間である“17分”を表示するとともにその清掃完了時刻12時23分を表示する。また通信部がインターネットを介して、現在時刻、気温、天気などを受信し、制御部137は、それらの情報の表示156を行う。
【0040】
また、
図6(b)では、表示画面111の上段に大きく“清掃中”の表示154が表示され、その下に、“最寄りのトイレ”の表示157が表示されている。そして中段に、記憶部131に記憶されている、現在地から最寄りのトイレまでの地
図158が表示される。
図6(b)に示された地図では、1つのトイレWCしか表示されていないが、すべてのトイレWCが表示される地図であってもよい。さらに、制御部137は、下段に“現在地から歩いて3分のところに上図のトイレがあります。”との表示159を行う。(a)と(b)との静止画が交互に表示されるため、清掃中にトイレWC1に来た顧客は、トイレWC1の前で待っていたら良いか、別のトイレWCに行くか等を判断できる。
【0041】
再び
図4に戻ってフローチャートを説明する。清掃員がトイレWC1の清掃を完了した後、表示装置100の電源ケーブル134をコンセントから抜く(ステップS107)。すると、電源ケーブル134がコンセントから抜かれたことを、バッテリー135を介して制御部137が認識する。すると表示画面111が清掃中の画面から広告宣伝等の動画・静止画に切り替わる。つまり、
図6(a)で示されたように、表示画面111に“このトイレは、5分後 12時23分 に清掃が完了します”と、清掃完了の予定時間前であっても、
図5(a)又は
図5(b)に示されたような、専門店23等の広告内容の動画・静止画に切り替わる。
【0042】
清掃員は、次のトイレの清掃場所であるトイレWC2の出入口に表示装置100を移動させる(ステップS108)。移動中、制御部137は記憶部131に記憶された各メイン店舗22、専門店23及び飲食店24の動画・静止画の中から、現在位置に近い位置情報を有している動画・静止画を検索する。そして、
図5で示したように、制御部137は現在位置に近い専門店などの広告宣伝の動画・静止画を表示装置100の表示画面111に表示させる(ステップS109)。清掃員が表示装置100を移動させてトイレWC2に到着して、表示装置100の電源ケーブル134を出入口の周辺のコンセントに差し込む(ステップS110)。すると、
図6で示したように、表示装置100の表示画面111には清掃中であることが表示される(ステップS111)。清掃員がトイレWC2の清掃を完了してすべての作業を終える場合には、表示装置100のスイッチ107bを長押しする。すると表示装置100の表示や制御がすべて終了する(ステップS112)。
【0043】
なお、上記実施形態では、電源ケーブル134がコンセントに差し込まれたことを制御部137が認識することによって、表示画面111に “清掃中”の表示をしたり、清掃時間の残り時間をカウントしたりした。しかし、電源ケーブル134がコンセントに差し込みこまれたことではなく、清掃員がスイッチ107bを短時間、例えば0.3秒、を押すことで、表示画面111に “清掃中”の表示をしたり、清掃時間の残り時間をカウントしたりしてもよい。また
図5及び
図6では、表示画面111に表示される文字が日本語表記であったが、日本語以外の外国語も併記して表示するようにしても良い。
【0044】
<残り時間もしくは清掃完了時刻の変形例>
上記実施形態では、制御部137が、電源ケーブル134がコンセントに差し込まれたこと又はスイッチ117bが短時間押されたことを起点として、記憶された各トイレWC(WC1〜WC6)の清掃時間に基づいて、表示画面111に残りの清掃時間又は清掃完了時刻を表示させた。しかし、トイレの汚れ具合で、各トイレの清掃時間は長くなったり短くなったりする。このため、表示画面111に表示された清掃完了時刻が来ても、未だ清掃中だったりすると、トイレを待っている顧客に迷惑がかかる。したがって、顧客に正確な残りの清掃時間もしくは清掃完了時刻を知らせることが好ましい。
【0045】
変形例では、表示画面111に表示される残りの清掃時間又は清掃完了時刻を変更する例を説明する。この変形例では、清掃員がスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末50を所持しており、この携帯端末50には、予め表示装置100と連動するアプリがインストールされている。
【0046】
制御部137は、電源ケーブル134がコンセントに差し込まれたこと又はスイッチ117bが短時間押されたことを認識した際に、通信部138(例えばBluetooth(登録商標))を介してアプリの起動信号が送信され、清掃員が所持している携帯端末50のアプリを起動させる。そして携帯端末50には現在位置のトイレWCとそのトイレWCの清掃時間もしくは清掃完了時刻が表示される。現在位置のトイレWC及びそのトイレWCの清掃時間は、アプリに予めダウンロードされていてもよいし、表示装置100から通信部100を介して受信してもよい。また携帯端末50のアプリは、起動とともに清掃時間をカウントし始める。
【0047】
清掃員が例えばトイレWC3を清掃し始めると、その時点で通常よりも汚れている又は汚れていない等を判断し、トイレWC3の清掃時間を長くしたり短くしたりする。
図7は、携帯端末50のアプリが起動した表示画面59の一例である。
【0048】
表示画面59の上段には、どのトイレであるかを示すトイレ表示51があり、
図7では“トイレWC3”と表示されている。その下には、清掃開始時刻52及び清掃完了予定時刻53が表示される。記憶されているトイレWC3の清掃時間が30分であるため、清掃開始時刻52が10時13分、清掃完了予定時刻53が10時43分と表示されている。またその下には、経過時間及び残り時間54が併記されており、経過時間が3分21秒と残り時間が26分39秒と表示されている。その下に時間変更の欄56がある。清掃員はトイレWC3が通常よりも汚れていないと判断し、通常より3分短くて清掃できると判断すれば、時間を短縮する下げボタン55bを3回押す。すると、時間変更の欄56には“−3”と表示される。逆に清掃員はトイレWC3が通常よりも汚れていると判断した場合には、時間を延長する上げボタン55aを数回押す。そして、清掃員が送信ボタン57をクリックすれば、その清掃時間の変更が通信部138で受信される。制御部137は、表示画面111に表示される残り時間及び清掃完了時刻(
図6(a)の155)を変更する。また表示画面59の清掃完了予定時刻53、残り時間54が変更される。
【0049】
特に図示しないが、携帯端末50は、残り時間が例えば5分又は3分を切った時点で、携帯端末50からアラーム音を出したり、バイブレータで携帯端末50を振動させたりして、清掃員に清掃時間の変更が必要であるか否かを促してもよい。
【0050】
<災害情報の表示方法>
図8は、災害情報160を表示画面111に表示する場合のフローチャートである。表示装置100は、通常表示画面111に、店舗など広告等の動画・静止画(
図5を参照。)又は清掃中の動画・静止画(
図6を参照。)が表示される。一方、災害等が発生又は発生する見込みがある場合などに、ショッピングモールを訪れる顧客に災害情報160を提供することで、二次災害を防ぐことができる。以下に、
図8を参照して、表示装置100が災害情報160を表示するまでの過程について説明する。ここで、災害情報160には、所定規模以上の地震、噴火等の自然災害の情報のみならず、火災、危険物質の流出等の自然災害以外の災害の情報も含むものとする。
【0051】
ステップS151において、通信部138がショッピングモールの管理室等から災害情報160、又は国、地方自治体が発する災害情報160を受信する。例えば、「Lアラート」と呼ばれる国が配信する災害情報配信システムがある。又はショッピングモールの管理人等が火災などを発見して災害情報160とともに緊急信号を発信する。それら緊急信号及び災害情報160を通信部138が受信する。このような災害情報160は、例えば携帯電話回線(3G)、Wi−Fi(登録商標)等を介して受け取ることができる。
【0052】
ステップS152では、GPS受信部132がGPS信号を受信して表示装置100の現在位置を測位できるか、又は通信部138が無線発信部PSからのビーコン信号を受信して、測位部139が表示装置100の現在位置を測位できるかを制御部137が判断する。例えば、表示装置100がGPS信号の届かない位置に配置されていたり、ショッピングモールの停電で無線発信部PSからのビーコン信号が発信されていなかったりする場合がある。現在位置が測位できる場合にはステップS154に進み、現在位置が測位できない場合にはステップS155に進む。
【0053】
ステップS153では、例えば表示装置100の現在位置がわかるため、制御部137は、現在位置、災害情報及び地図情報に基づいて、表示画面111に表示すべき避難画面を作成する。例えば、制御部137は、現在地から出入口までの複数の通路を仮想的に作製し、その距離を最小二乗法、巡回セールスマン法、遺伝的アルゴリズム法などで最短ルートを計算し、その最短ルートを求める。そしてそのルートを地図情報に重ねて表示させてもよい。
【0054】
ステップS154では、表示装置100の現在位置がわからないため、記憶部131に記憶されている現在位置を使用する。具体的には、記憶されている現在位置は、定期的に測位した数秒前の比較的新しい現在位置である。この現在位置、災害情報及び地図情報に基づいて、表示画面111に表示すべき避難画面を作成する。例えば、制御部137は、現在地から出入口までの複数の通路を仮想的に作製し、その距離を遺伝的アルゴリズム法などで最短ルートを計算し、その最短ルートを求める。そしてそのルートを地図情報に重ねて表示させてもよい。
【0055】
ステップS155では、制御部137は、ステップS153又はS154で作成した避難画面を表示画面に表示させる。
【0056】
図9(a)は、ショッピングモール20内で火災が発生した場合に、表示画面111に表示される避難画面である。停電が発生していないため、測位部139が測位した現在位置に基づいて避難画面を作成している。記憶部131に保存されている地図情報及びどこで火災が発生したかの災害情報に基づいて、現在位置から火災発生場所を避けて出口までのルートを含んだ地
図163を作成する。
図9(a)に示された災害情報160は、画面の上部に発生した災害情報(例えば、火災)161を示し、その下に災害情報の発生場所などの詳細内容162を示し、その下に避難ルートを示した地
図163が示されている。なお、地
図163の避難ルートはセンターコートが開始位置となっている。これは表示装置100を移動中の清掃員が、センターコートを移動中に火災が発生したことを意味している。バッテリー電源135を使って表示画面111に避難画面を表示している。
【0057】
図9(b)は、大規模地震が発生し停電が発生していている場合に、表示画面111に表示される避難画面である。停電が発生しているため、無線発信部PSからビーコン信号を送信していない。このため制御部137は、記憶部131に記憶されている比較的新しい現在位置に基づいて避難画面を作成する。記憶部131に保存されている地図情報及びショッピングモールの出口情報に基づいて、現在位置から出口までのルートを含んだ地
図167を作成する。
図9(b)に示された災害情報160は、画面の上部に発生した災害情報(例えば、地震)165を示し、その下に災害情報の詳細内容166を示し、その下に避難ルートを示した地
図167が示されている。なお、地
図167の避難ルートはトイレWC3から出口までの避難ルートになっている。これは清掃員がトイレWC3を清掃中に地震が発生したことを意味している。電源コード134をコンセントに差し込んで清掃していたが、ショッピングモール内が停電になったため、バッテリー電源135を使って表示画面111に避難画面を表示している。
【0058】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、その技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0059】
例えば、上記の実施形態では、表示画面が液晶表示画面111であるとして説明されたが、表示画面には液晶以外のLED又は有機ELパネル等の様々な表示画面を用いることができる。また表示装置100は本体部110を載置する台座部120を備えていたが、台座部120は必ずしも必要ではなく、市販されている移動可能な台車に本体部110を載せてもよい。