(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-192090(P2018-192090A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】食洗器
(51)【国際特許分類】
A47L 17/00 20060101AFI20181109BHJP
【FI】
A47L17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-99667(P2017-99667)
(22)【出願日】2017年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】717000377
【氏名又は名称】大橋 善和
(72)【発明者】
【氏名】大橋 善和
(57)【要約】
【課題】水流による洗浄だけではとれない汚れも落とせて、かつ小型で水の使用量も抑えられ、小数の食器の洗浄に使える簡易型の食洗器を提供することにある。
【解決手段】 水流から回転力を得ることのできる本体装置と、その先端に付けられた回転ブラシと、吊り下げアングルと吊り下げワイヤーおよび通水パイプとスイッチレバーとを設け、かつ本体内には水流から回転力を得るための羽根車を複数個設け、かつ羽根車の間には羽根の角度が逆向きかつ固定の水流調整用羽根車を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に回転ブラシのついたハンディ型食洗器であって、先端にほぼ球形または円盤状の洗浄ブラシを設け、水流によって先端のブラシを回転させつつ食器に当てることで食器を洗浄することを特徴とした食洗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は食器を洗う食洗器に関し、より詳しくは少量の食器を洗う小型の簡易食洗器に関する。
【背景技術】
【0002】
食器を洗う食洗器は複数枚の皿や茶わんなどを一つの容器に入れて水流を掛けて纏めて洗うタイプのものが多い。
【0003】
食洗器の多くはシステムキッチンなどに組み込まれており、一度の食事で用いた食器をすべて入れて一気に洗うものである。しかしながら洗浄のための水流が食器間に十分行き渡らず洗い残しが出て結局手洗いすることになる場合が多い。
【0004】
また、システムキッチンとして住宅購入時に既に組み込まれたものが多く、少人数の家族構成では大きすぎて少数の食器の洗浄用としては電気代がもったいなく思え、結局食器を手洗いした後に食洗器に入れて乾燥させるといったように食器乾燥機としての機能しか使われていない場合が多い。
【0005】
特にシステムキッチンに組み込まれたタイプでは修理費が高価なため、10年程度で保証期間が切れた後は故障してもメンテナンスもされずに、しかしキッチンそのものは使われていて、食洗器が単なる食器収納ボックスとなっている場合が多い。
【0006】
特許文献1においては食器の出し入れのしやすさを向上させるための工夫がなされているが、形状の違うものを一括に扱って水流で洗浄するのはかなり無理があり、水流の当たらない箇所では洗い残しが出たり、また、垂直に立てたつもりの椀が水平方向にずれ動いて椀の底に水が残ったままになっていたりする場合がある。
【0007】
システムキッチンに組み込まれている点も使いにくさの一因となっている。住宅の付帯設備になっているため入居者は食洗器の価格を知らない場合が多いが、保証期間後に内部でバルブ関係が故障して水漏れを起こし、ユニット全体の交換が必要と言われ、その時点で価格を知らされて高価なのに驚き修理しないままになっているケースが多々ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許6111410号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の様な問題点を踏まえ、本願の課題は水流による洗浄だけでは取れない汚れも落とせて、小型かつ安全で、小数の食器の洗浄にも無駄なく使える簡易型の食洗器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の発明は先端に回転ブラシのついたハンディ型食洗器であって、先端にほぼ球形または円盤状の洗浄ブラシのついた小型のエアードリルのような形状で、先端のブラシを回転させつつ食器に当てるとほとんど手を動かさずに食器を洗うことができるものである。
【0011】
ここで重要なことは、より少ない水量で、回転ブラシの十分な回転力を得ることにある。
【0012】
一般に水車で回転力を得る方式では、水量を大きくしなければ所要の回転力は得られない。本願の形態では本体を縦に長く設計することが可能であるので、水車を多段に使用して回転力を増すことが考えられる。しかるに、いろいろ実験して得られた結果から、単に水車を多段にしただけでは水流そのものが水車羽根の部分に当たって羽根とは反対方向の回転力を得てしてしまうので、羽根車を二枚にしても二倍の回転力(トルク)は得られないことが判った。
【0013】
そのため本願の発明者は羽根車の間に逆向きの羽根車を挿入し、これをシリンダーに固定して(回転させないようにして)実験を行ったところ3枚目までは羽根車の枚数に応じた回転力の増加がみられた。
【発明の効果】
【0014】
本願の装置を使用すると水流と水流によって回転する回転ブラシとで食器を洗うことができるので、単に水流のみで洗った場合と比較して食器の表面をくまなくブラッシングでき、洗い残しなく奇麗に洗うことができる。
【0015】
本装置では水流でブラシを回転させるため手を軽く添えるだけでブラッシングが可能であり、また水流による回転方式のためモーター方式より安全であり、漏電や感電の危険性がない。
【0016】
水流のみで洗う食洗器はいろいろ改良や工夫が加えられているものの、汚れのひどい食器はやはり予洗いが必要であり、ブラッシングが欠かせないが、本装置は上記の予洗い用としても使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本願装置の全体図である。本願装置は装置本体5、の他に本体を吊り下げる可動式吊り下げアーム1、吊り下げワイヤーおよび洗浄用の水を通す通水パイプ3、および通水と回転ブラシを制御するスイッチレバー4、回転ブラシ6、から成る。
【0019】
ユーザーは本体部分5を握ってスイッチレバー4を抑えると回転ブラシ6が回転しながら先端から洗浄水8が噴出する。
【0020】
この状態でユーザーが回転ブラシ6を食器7に押し当てれば食器が洗浄できる。この時可動式アームは本体や吊り下げワイヤーと共に下がるが、本体他の重量を支えており、ユーザーになるべく負担を掛けない構造になっている。
【0021】
図2は本装置本体部分の内部構造を示す。通水パイプ9を通ってきた水はコネクター10を経て放水ノズル11からシリンダー12の内部に放水される。
【0022】
この放水の水流をブラシの回転力に変換する羽根車は軸と共に回転するものおよび、本体シリンダーに固定されたものの2種類が交互に軸にはめ込まれている。
【0023】
軸と共に回転する回転羽根車13,15,17は軸に固定されており、本体シリンダーに固定された固定羽根車14,16は軸に回動自在に通されており、シリンダー12内部の固定羽根固定用フック20によって回転が止められている。
【0024】
回転羽根車13,15,17を回転させた水流は排水口18から回転ブラシ19の方に排出され、食器の洗浄水となる。
【符号の説明】
【0025】
1 可動式吊り下げアーム
2 壁面取り付け具
3 吊り下げワイヤーおよび通水パイプ
4 スイッチレバー
5 本体
6 回転ブラシ
7 食器
8 洗浄水
9 通水パイプ
10 コネクター
11 放水ノズル
12 シリンダー
13 回転羽根車
14 固定羽根車
15 回転羽根車
16 固定羽根車
17 回転羽根車
18 排水口
19 回転ブラシ
20 固定羽根固定用フック