特開2018-193265(P2018-193265A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝三菱電機産業システム株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000003
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000004
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000005
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000006
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000007
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000008
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000009
  • 特開2018193265-オゾンガス発生装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-193265(P2018-193265A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】オゾンガス発生装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20181109BHJP
   H01T 19/00 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
   C01B13/11 K
   H01T19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-97015(P2017-97015)
(22)【出願日】2017年5月16日
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴翔
【テーマコード(参考)】
4G042
【Fターム(参考)】
4G042CA01
4G042CB05
4G042CB26
4G042CC04
4G042CC10
4G042CC11
4G042CC16
(57)【要約】
【課題】供給する原料ガスの流量に対し、高濃度のオゾンを安定的に発生できるオゾンガス発生装置を得る。
【解決手段】MFC3はオゾン発生器1の上流に設けられ、原料ガス995の流量を検出ガス流量F3として検出する。圧力制御部5はMFC3より検出ガス流量F3を受け、検出ガス流量F3に基づき決定圧力値P5を決定し、オゾン発生器1内の発生器内圧力が決定圧力値P5に設定されるように制御圧力値P4を指示する圧力制御信号S5をAPC4に出力する。APC4はオゾン発生器1の下流に設けられ、オゾンガス996の圧力を制御圧力値P4±0.01MPaとなるように制御して、発生器内圧力が決定圧力値P5になるように調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して設けられる第1及び第2の電極構成部を有し、酸素ガスを含む原料ガスを入力し、オゾンガスを出力するオゾン発生器を備え、前記第1の電極構成部は第1の電極を有し、前記第2の電極構成部は第2の電極を有し、前記第1及び第2の電極のうち少なくとも一つの電極上に誘電体層が設けられ、
前記第1及び第2の電極構成部に交流電圧を印加する交流電源部をさらに備え、前記交流電源部による前記交流電圧の印加により、前記第1及び第2の電極構成部間に放電空間が形成され、前記放電空間に供給された前記原料ガスが活性化することにより前記オゾンガスが得られ、
前記原料ガスの流量を検出ガス流量として検出する流量検出手段と、
圧力制御信号に基づき、前記オゾン発生器内の圧力である発生器内圧力を制御する圧力調整手段と、
前記検出ガス流量に基づき決定圧力値を決定し、前記発生器内圧力を前記決定圧力値とすることを指示する前記圧力制御信号を前記圧力調整手段に出力する圧力制御部とをさらに備える、
オゾンガス発生装置。
【請求項2】
請求項1記載のオゾンガス発生装置であって、
前記圧力制御部は、
前記検出ガス流量に基づき、下限圧力値及び上限圧力値を規定した許容圧力範囲内において、前記決定圧力値を決定する、
オゾンガス発生装置。
【請求項3】
請求項2記載のオゾンガス発生装置であって、
前記下限圧力値は0.20MPaであり、前記上限圧力値は0.30MPaである、
オゾンガス発生装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のオゾンガス発生装置であって、
前記圧力制御部は、
前記検出ガス流量と比較基準ガス流量とを比較し、
前記検出ガス流量が前記比較基準ガス流量を下回る場合、前記許容圧力範囲内において、前記下限圧力値側の比較的低い圧力値を前記決定圧力値として決定し、
前記検出ガス流量が前記比較基準ガス流量を上回る場合、前記許容圧力範囲内において、前記上限圧力値側の比較的高い圧力値を前記決定圧力値として決定する、
オゾンガス発生装置。
【請求項5】
請求項4記載のオゾンガス発生装置であって、
前記第1及び第2の電極構成部間の放電ギャップ長は、50μm〜150μmである、
オゾンガス発生装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうち、いずれか1項に記載のオゾンガス発生装置であって、
前記流量検出手段は、前記オゾン発生器の入力側に設けられるMFCであり、
前記圧力調整手段は、前記オゾン発生器の出力側に設けられるAPCである、
オゾンガス発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに対向して設けられる第1及び第2の電極構成部を有しオゾンガスを発生するオゾン発生器を備えたオゾンガス発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオゾンガス発生装置において、互いに対向する一対の電極間に交流電圧を印加し、電極間の放電空間に誘電体バリア放電を発生させ、放電空間に酸素ガスを含む原料ガスを供給し、オゾンガスを発生させる構成のオゾン発生器を用いるのが一般的であった。
【0003】
上記構成のオゾン発生器を有するオゾン発生装置として例えば特許文献1で開示されたオゾン発生装置があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−63512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成のオゾン発生器を有する従来のオゾン発生装置では、供給する原料ガスの流量の増減によって、オゾン発生器内の圧力である発生器内圧力が変動する。
【0006】
従来、オゾンガスを発生させる要素の1つである発生器内圧力の影響を軽視していた。すなわち、オゾン発生器から発生されるオゾンガスのオゾン濃度に関し、オゾン発生器に供給される原料ガスの流量とオゾン発生器内の発生器内圧力との関連性に関する考察がなされていなかった。
【0007】
従来、高濃度かつ大流量のオゾンガスを生成可能な様々な取り組みが行われてきたが、大流量のオゾンガスを生成すべく、供給する酸素ガスを含む原料ガスの流量を大流量に設定すると、オゾン発生器自身の圧力損失が高まり、オゾン発生器から発生するオゾンを高濃度に維持するためのオゾン濃度条件を最適化ができないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、供給する原料ガスの流量に対し、高濃度のオゾンを安定的に発生できるオゾンガス発生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る請求項1記載のオゾンガス発生装置は、互いに対向して設けられる第1及び第2の電極構成部を有し、酸素ガスを含む原料ガスを入力し、オゾンガスを出力するオゾン発生器を備え、前記第1の電極構成部は第1の電極を有し、前記第2の電極構成部は第2の電極を有し、前記第1及び第2の電極のうち少なくとも一つの電極上に誘電体層が設けられ、前記第1及び第2の電極構成部に交流電圧を印加する交流電源部をさらに備え、前記交流電源部による前記交流電圧の印加により、前記第1及び第2の電極構成部間に放電空間が形成され、前記放電空間に供給された前記原料ガスが活性化することにより前記オゾンガスが得られ、前記原料ガスの流量を検出ガス流量として検出する流量検出手段と、圧力制御信号に基づき、前記オゾン発生器内の圧力である発生器内圧力を制御する圧力調整手段と、前記検出ガス流量に基づき決定圧力値を決定し、前記発生器内圧力を前記決定圧力値とすることを指示する前記圧力制御信号を前記圧力調整手段に出力する圧力制御部とをさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本願発明のオゾンガス発生装置において、圧力制御部が検出ガス流量に基づき決定圧力値を決定し、発生器内圧力として上記決定圧力値を指示する圧力制御信号を圧力調整手段に出力しているため、原料ガス流量が変化しても、オゾン発生器は常に比較的高濃度なオゾンを発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1であるオゾンガス発生装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(20L/min)に示すグラフである。
図3】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(30L/min)に示すグラフである。
図4】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(40L/min)に示すグラフである。
図5】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(50L/min)に示すグラフである。
図6】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(80L/min)に示すグラフである。
図7】本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度と発生器内圧力との関係を原料ガス流量別(100L/min)に示すグラフである。
図8】実施の形態1のオゾンガス発生装置における圧力制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(装置構成)
図1はこの発明の実施の形態1であるオゾンガス発生装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、純度99.99(%)以上の酸素ガスを含む原料ガスを供給する原料供給系99は、高純度酸素ボンベ991、減圧弁992、及び開閉弁993で構成され、酸素ガス994を原料供給系99の外部に供給する。そして、酸素ガス994は、MFC(Mass Flow Controller)3を介して原料ガス995としてオゾン発生器1に供給される。
【0014】
オゾン発生器1は、内部に互いに対向する第1及び第2の電極構成部である電極構成部11及び12を有し、高純度の酸素ガス994を含む原料ガス995を入力し、オゾンガス996を発生し、オゾン発生器1の外部に出力する。
【0015】
電極構成部12の上方に設けられる電極構成部11は、第1の電極である電極11aを有し、電極11aの下面上に誘電体層11bが形成されている。電極構成部12は第2の電極である電極12aを有し、電極12aの上面上に誘電体層12bが形成されている。
【0016】
なお、図1で示した構成では、電極構成部11及び12は共に誘電体層11b及び12bを有しているが、電極11a及び12aのうち少なくとも一つの電極に誘電体層が設けられれば十分である。すなわち、電極構成部11及び12の対向面(電極11aの下面及び電極12aの上面)の少なくとも一つの面上に誘電体層が形成されれば良い。
【0017】
このような構成のオゾン発生器1において、電極構成部11及び12の誘電体層11b及び12b間に形成される空間が放電空間となり、互いに対向する誘電体層11b及び12b間の距離が放電ギャップ長DGとなる。この放電空間に誘電体バリア放電を誘起することにより、放電空間を通過する原料ガス995の一部をオゾンガスに変換して、外部にオゾンガス996として取り出せる構成になっている。
【0018】
図1は、オゾン発生器1の構成を示した模式的に示しており、実際のオゾン発生器では、オゾン発生器に供給するガスの流れは、オゾン発生器1の容器空間とは密閉された構成を呈している。そして、原料ガス995は、図上の左から誘電体層11b及び12b間の放電空間を通過して流れ込み、右側の出口からオゾンガス996として出力され、APC(Automatic Pressure Controller;自動圧力調整器)4を介して取り出せ、最終的にオゾンガス996は開閉弁997を介してオゾン処理装置20へ供給される構成になっている。
【0019】
また、交流電源部であるオゾン電源2から、オゾン発生器1の電極11a及び12a間に交流高電圧が印加される。この際、電極11aは高圧電極、電極12aが接地電極として用いられる。
【0020】
電極11a及び12aとの間に交流高電圧を印加すると、誘電体層11b及び12bの全面に電荷がチャージされ、一定以上の電荷がチャージされると、放電空間において部分絶縁破壊してチャージした電荷を放出する誘電体バリア放電が発生する。
【0021】
MFC3はオゾン発生器1の入力側である上流に設けられ、原料ガス995の流量を検出ガス流量F3として検出する流量検出手段として機能する。なお、MFC3は原料ガス995の流量を制御する流量制御手段としても機能する。
【0022】
APC4はオゾン発生器1の出力側である下流に設けられ、APC4を通過するオゾンガス996の圧力を、後述する制御圧力値P4±0.01MPaとなるように制御して、間接的にオゾン発生器1内の圧力である発生器内圧力が後述する決定圧力値P5になるように調整する圧力調整手段である。なお、APC4は、APC4を通過するオゾンガス996の圧力を測定する機能を備えているのは当然である。
【0023】
圧力制御部5はMFC3より検出ガス流量F3を受け、検出ガス流量F3に基づき決定圧力値P5を決定し、発生器内圧力が決定圧力値P5に設定されるように制御圧力値P4を指示する圧力制御信号S5をAPC4に出力する。
【0024】
なお、APC4はオゾン発生器1内ではなく、オゾン発生器1の下流に設けられているため、制御圧力値P4は圧力制御部5と強い相関を有しているが、決定圧力値P5に必ずしも一致しない。すなわち、発生器内圧力とAPC4で検出される圧力との相関関係に基づき、発生器内圧力が決定圧力値P5となるように、APC4を通過するオゾンガス996の圧力を制御圧力値P4に設定している。
【0025】
このように、本実施の形態のオゾンガス発生装置は、検出ガス流量F3に基づく圧力制御部5の制御下によって、APC4を通過するオゾンガス996の圧力値を制御圧力値P4±0.01MPaとなるように制御して、オゾン発生器1の発生器内圧力が決定圧力値P5になるように制御している。
【0026】
(原料ガス995の流量との相関)
一般にオゾン生成量OZ[g/h]はオゾン(ガス)濃度をOC[g/m]、原料ガス995の原料ガス流量をGF[L/min]とすると、以下の式(1)で表される。
【0027】
OZ=OC ・60・GF /1000…(1)
式(1)からオゾン濃度が一定の場合、原料ガス流量GFを高めることにより、オゾン生成量OZを高めることができる。
【0028】
この際、オゾン発生器1から十分高いオゾン濃度OCのオゾンガス996を発生させるためには、オゾン発生器1の発生器内圧力の最適圧力値に設定する必要がある。一方、上記最適圧力値は原料ガス流量GFの影響を受けて変化するため、原料ガス流量GFを考慮する必要があった。
【0029】
したがって、オゾン発生器1から比較的高いオゾン濃度OCのオゾンガス996を常時発生させるためには、原料ガス流量GFに基づきオゾン発生器1の発生器内圧力を変化させることが必須であることを発明者らは見出した。
【0030】
そこで、発明者らは、オゾン濃度OCに関する発生器内圧力の最適圧力値と原料ガス流量GFとの相関を考察した。
【0031】
図2図7は本実施の形態のオゾン発生装置におけるオゾン濃度(Ozone Concentration)と発生器内圧力(Generator Pressure)との関係を原料ガス流量別に示すグラフである。
【0032】
図2は原料ガス流量GFが10L(リットル)/min(分)の場合、図3は原料ガス流量GFが30L/minの場合、図4は原料ガス流量GFが40L/minの場合、図5は原料ガス流量GFが50L/minの場合、図6は原料ガス流量GFが80L/minの場合、図7は原料ガス流量GFが100L/minの場合を示している。
【0033】
図2図7それぞれにおいて、X軸に発生器内圧力値(Generator Press.[MPa])、Y軸にオゾン濃度(Ozone Concentration[g/m])を示している。なお、図2図7では、電極構成部11及び12の大きさ、オゾン電源2の交流電圧の大きさ、原料ガス995やオゾンガス996用の配管径や配管長等により、オゾン濃度の数値は影響を受けることを考慮して、Y軸のオゾン濃度には具体的な数値を示していない。
【0034】
また、図2図7において、電極構成部11及び12間の放電ギャップ長DGは50μm〜150μmの範囲に設定している。
【0035】
図2に示すように、小流量域と考えられる原料ガス流量GFが10L/minの場合、オゾンガス生成特性L10から、発生器内圧力は低い方が、オゾン濃度OCを高く設定できることが認識される。
【0036】
図3に示すように、小流量域と考えられる原料ガス流量GFが30L/minの場合、オゾンガス生成特性L30から、発生器内圧力は低い方が、オゾン濃度OCを高く設定できることが認識される。
【0037】
図4に示すように、小流量域と大流量域との間の閾値量域と考えられる原料ガス流量GFが40L/minの場合、オゾンガス生成特性L40から、発生器内圧力にほとんど関係なく、オゾン濃度OCが一定値をとることが認識される。
【0038】
図5に示すように、大流量域と考えられる原料ガス流量GFが50L/minの場合、オゾンガス生成特性L50から、発生器内圧力は高い方が、オゾン濃度OCを高く設定できることが認識される。
【0039】
図6に示すように、大流量域と考えられる原料ガス流量GFが80L/minの場合、オゾンガス生成特性L80から、発生器内圧力は高い方が、オゾン濃度OCを高く設定できることが認識される。
【0040】
図7に示すように、大流量域と考えられる原料ガス流量GFが100L/minの場合、オゾンガス生成特性L100から、発生器内圧力は高い方が、オゾン濃度OCを高く設定できることが認識される。
【0041】
図2図7によるグラフから、オゾン濃度OCを高くするための、発生器内圧力の原料ガス流量GFに対する相関に関し、以下の検証結果(a) 〜(c) を発明者らは見出した。
【0042】
(a) 発生器内圧力にほとんど関係なく、オゾン濃度OCが一定値をとる、閾値流域の40L/minが比較基準ガス流量SFとすることができる。
【0043】
(b) 原料ガス流量GFが比較基準ガス流量SFを下回る小流量域の場合、発生器内圧力を可能な範囲で低く設定することが望ましいという第1の圧力傾向がある。
【0044】
(c) 原料ガス流量GFが比較基準ガス流量SFを上回る大流量域の場合、発生器内圧力を可能な範囲で高く設定することが望ましいという第2の圧力傾向がある。
【0045】
さらに、オゾン発生器1自身の性質から以下の圧力設定条件(d) ,(e) を考慮する必要がある。
【0046】
(d) オゾン発生器1の誘電体バリア放電の発生条件の制約等を考慮すると、発生器内圧力の下限圧力値は「0.20MPa」とすることが望ましい。
【0047】
(e) オゾン発生器1の耐圧を考慮すると、発生器内圧力の上限圧力値は「0.30MPa」とすることが望ましい。
【0048】
上記圧力設定条件(d) ,(e) から、発生器内圧力の許容圧力範囲として「0.20MPa〜0.30MPa」(0.20MPa以上0.30MPa以下)に設定することが望ましい。
【0049】
図8は実施の形態1のオゾンガス発生装置におけるオゾン発生器1の発生器内圧力の圧力制御処理を示すフローチャートである。なお、図8で示す圧力制御処理は圧力制御部5の制御下において実行される。以下、同図を参照して実施の形態1の圧力制御処理の処理内容を説明する。
【0050】
なお、ステップST0で示す「通常フロー」は、既に圧力制御部5からAPC4への圧力制御信号S5による指示がなされた後の状態を意味する。すなわち、最適な発生器内圧力を満足するための、圧力制御信号S5がAPC4に対して既に出力されている。
【0051】
まず、ステップST1において、圧力制御部5は、原料ガス995の流量である原料ガス流量GFの変更の有無がチェックする。原料ガス流量GFの変更がない(NO)場合、ステップST1を繰り返し、原料ガス流量GFの変更が確認される(YES)までステップST1が繰り返される。なお、圧力制御部5は、所定時間毎にMFC3から検出ガス流量F3を受けており、検出ガス流量F3に基づき原料ガス流量GFの変更の有無を認識することができる。
【0052】
ステップST1で流量変化が確認されると(YES)、ステップST2の流量エリア判別処理に移行する。流量エリア判別処理は、検出ガス流量F3(=原料ガス流量GF)に基づき、検出ガス流量F3が小流量エリアにあるか、大流量エリアにあるかを判別する処理であり、上述した検証結果(a) に基づき、40L/minを比較基準ガス流量SFとし、圧力制御部5は比較基準ガス流量SFを予め取り込んでいる。
【0053】
ステップST2において、圧力制御部5は流量エリア判別処理を実行する。すなわち、圧力制御部5は、検出ガス流量F3と比較基準ガス流量SFとを比較し、検出ガス流量F3が比較基準ガス流量SFを下回る場合、判別流量エリアとして小流量と判別し、検出ガス流量F3が比較基準ガス流量SFを上回る場合、判別流量エリアとして大流量を判別する。
【0054】
ステップST2の実行後において、ステップST3にて、ステップST2で得られた判別流量エリアに対応する決定圧力値P5を決定する。
【0055】
具体的には、判別流量エリアが小流量の場合、下限圧力値である0.20MPaに近い圧力値(例えば、「0.22MPa」)を決定圧力値P5として決定し、判別流量エリアが大流量の場合、上限圧力値である0.30MPaに近い圧力値(例えば、「0.28MPa」)を決定圧力値P5として決定する。
【0056】
その後、ステップST4において、ステップST3で決定した決定圧力値P5に対応する、APC4用の制御圧力値P4を設定し、制御圧力値P4を指示する圧力制御信号S5をAPC4に出力する。
【0057】
ここで、制御圧力値P4は、オゾン発生器1内の発生器内圧力を決定圧力値P5に設定するための、APC4に対する制御圧力値である。したがって、圧力制御信号S5は、オゾン発生器1の発生器内圧力として決定圧力値P5を指示する信号となる。
【0058】
ステップST4の終了後、ステップST0の通常フローに戻り、移行、ステップST0〜ST4の処理が繰り返される。
【0059】
このように、本実施の形態のオゾンガス発生装置は、圧力制御部5の制御下で、検出ガス流量F3に基づき決定圧力値P5を決定し(ST2,ST3)、オゾン発生器1の発生器内圧力として決定圧力値P5を間接的に指示する圧力制御信号S5を圧力調整手段であるAPC4に出力する(ST4)という、圧力制御処理を実行することを特徴としている。
【0060】
本実施の形態のオゾンガス発生装置は、上記圧力制御処理を実行することにより、原料ガス995の流量である原料ガス流量GFが変化しても、オゾン発生器1は発生するオゾンガス996のオゾン濃度を常に比較的高い濃度で安定させることができる。
【0061】
圧力制御部5は、オゾン発生器1の入力側に設けられるMFC3より検出される検出ガス流量F3に基づき決定圧力値P5を決定しているため、APC4がオゾン発生器1の出力側に設けられていても、本実施の形態のオゾンガス発生装置は、比較的高いオゾン濃度のオゾンガス996が安定して発生できるように、オゾン発生器1の発生器内圧力を制御することができる。
【0062】
さらに、決定圧力値P5の下限圧力値として「0.20MPa」を設定することにより、電極構成部11及び12間の放電空間における誘電体バリア放電の発生条件の制約を考慮して、誘電体バリア放電に支障無い範囲で決定圧力値P5を決定することができる。
【0063】
加えて、決定圧力値P5の上限圧力値として「0.30MPa」を設定することにより、オゾン発生器1の耐圧を考慮して、オゾン発生器1に故障が生じない範囲で決定圧力値P5を決定することができる。
【0064】
本実施の形態のオゾンガス発生装置において、圧力制御部5の制御下で実行される圧力制御処理は、検出ガス流量F3と比較基準ガス流量SFとを比較し、検出ガス流量F3が比較基準ガス流量SFを下回る小流量エリアの場合、許容圧力範囲(0.20MPa〜0.30MPa)内において、下限圧力値(0.20MPa)側の比較的低い圧力値を決定圧力値P5として決定している。
【0065】
すなわち、実施の形態1のオゾンガス発生装置は、検出ガス流量F3が小流量エリアの場合、オゾン発生器1の発生器内圧力が低い程、オゾン濃度OCが高くなるという第1の圧力傾向に従い、決定圧力値P5を決定している。
【0066】
このため、実施の形態1のオゾンガス発生装置は、小流量エリアと判別される検出ガス流量F3で原料ガス995が入力される際に、比較的高いオゾン濃度を満足するオゾンガス996を生成することができる。
【0067】
さらに、上記圧力制御処理は、検出ガス流量F3が比較基準ガス流量SFを上回る大流量エリアの場合、上記許容圧力範囲内において、上限圧力値(0.30MPa)側の比較的高い圧力値を決定圧力値P5として決定している。
【0068】
すなわち、実施の形態1のオゾンガス発生装置は、検出ガス流量F3が大流量エリアの場合、オゾン発生器1の発生器内圧力が高い程、オゾン濃度OCが高くなるという第2の圧力傾向に従い、決定圧力値P5を決定している。
【0069】
このため、実施の形態1のオゾンガス発生装置は、大流量エリアと判別される検出ガス流量F3で原料ガス995が入力される際に、比較的高いオゾン濃度を満足するオゾンガス996を生成することができる。
【0070】
なお、電極構成部11及び12間の放電ギャップ長DGが50μm〜150μmの範囲に設定することが望ましい。なぜなら、上述した検証結果(a) 〜(c) が顕著に現れるのは、放電ギャップ長DGが50μm〜150μmの範囲であることが発明者らによって確認されているからである。
【0071】
<その他>
本実施の形態では、原料ガス995を高純度酸素ガス、生成ガスをオゾンガス996(オゾン化酸素ガス)としているが、オゾン発生器1の発生器内圧力と原料ガス流量GFと生成される特定ガス生成濃度の関係は、原料ガスをその他の酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスとし、発生器で生成する特定ガスをオゾンガス996以外の酸素ラジカル化ガス、水素ラジカル化ガス、窒素ラジカル化ガス、フッ素ラジカル化ガスとしたシステムに対しても、上述した関係性(検証結果(a) 〜(c) ,第1及び第2の圧力傾向に類似した傾向)を検知することができれば、図8で示したフローチャートに沿って、濃度等の特性を所望の範囲で満足する、オゾンガス以外の生成ガス発生装置に適用可能である。
【0072】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 オゾン発生器
2 オゾン電源
3 MFC
4 APC
5 圧力制御部
11,12 電極構成部
11a,12a 電極
11b,12b 誘電体層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8