特開2018-193680(P2018-193680A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-193680(P2018-193680A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】引き戸システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/641 20150101AFI20181109BHJP
   H02P 3/14 20060101ALI20181109BHJP
   H02P 3/12 20060101ALI20181109BHJP
   H02P 7/06 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
   E05F15/641
   H02P3/14 C
   H02P3/12
   H02P7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-95590(P2017-95590)
(22)【出願日】2017年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】391000553
【氏名又は名称】株式会社ヨコヅナ
(74)【代理人】
【識別番号】100087756
【弁理士】
【氏名又は名称】船越 猛
(72)【発明者】
【氏名】酒井 清一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 大介
【テーマコード(参考)】
2E052
5H530
5H571
【Fターム(参考)】
2E052CA06
2E052DA09
2E052DB09
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA02
2E052GB12
2E052GC10
2E052GD08
2E052JA03
5H530AA12
5H530BB16
5H530CC18
5H530CD03
5H530CE15
5H530CE16
5H530CE21
5H530CF01
5H530CF03
5H530EE05
5H530EE07
5H571AA20
5H571CC04
5H571FF02
5H571FF04
5H571LL33
(57)【要約】
【課題】移動に伴い充電するとともに引き戸の自動駆動およびブレーキ制御をする引き戸システムを提供する。
【解決手段】引き戸制御装置が、案内部材を構成する上部案内部材面に接触して回転する回転体と、回転体の回転軸に連結するモータと、充電可能な電池と、上部案内部材面の所定位置を検出する位置センサと、位置センサの検出状態によりモータと電池との接続状態を制御する制御回路網とを備え、上部案内部材面の所定位置に位置センサにより識別される位置識別手段を設け、位置センサにより検出された引き戸の所定の位置に応じた制御回路網とモータおよび電池の接続状態により、モータによる電池への充電または電池によるモータの駆動または回転体に連結するモータにより回転体を介して引き戸にブレーキをかける。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の案内部材に案内されて移動する引き戸において、引き戸に取り付ける引き戸制御装置を備える引き戸システムであって、
引き戸制御装置が、
前記案内部材を構成する上部案内部材面に接触して回転する回転体と、
前記回転体の回転軸に連結するモータと、
充電可能な電池と、
上部案内部材面の所定位置を検出する位置センサと、
前記位置センサの検出状態によりモータと前記電池との接続状態を制御する制御回路網とを備え、
前記上部案内部材面の所定位置に前記位置センサにより識別される位置識別手段を設け、位置センサにより検出された引き戸の所定の位置に応じた前記制御回路網とモータおよび電池の接続状態により、
モータによる電池への充電および電池によるモータの駆動および回転体に連結するモータにより回転体を介して引き戸にブレーキをかけることを特徴とする引き戸システム。
【請求項2】
請求項1の引き戸システムにおける引き戸の閉動作において、
位置センサが第1の所定位置まで回転体に連結するモータの回転による起電力により電池を充電し、
位置センサが第2の所定位置までモータ接続を短絡させてブレーキをかけ、
位置センサが第3の所定位置まで電池によるモータの駆動により引き戸に閉動作をすることを特徴とする引き戸システム。
【請求項3】
請求項1の引き戸システムにおける引き戸の開動作において、
位置センサが引き戸の閉状態から第1の所定位置まで回転体に連結するモータの接続を解放して無制御とし、
位置センサが第1の所定位置から引き戸の完全開状態までモータによる電池への充電接続とすることを特徴とする引き戸システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉のために移動し、移動に伴い電池の充電、モータの駆動による自動移動および引き戸のブレーキ制御をする引き戸システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアの中に、ドアを上下の案内部材に案内されて移動する引き戸がある。引き戸の開閉に際して、力のいれ加減により引き戸の移動に勢いがつきすぎ、柱等の停止部材に強く当たり、そのため騒音が発生したり、引き戸と停止部材の間に指が挟まれたりすることがある。また、ドアブレーキを構成する場合、案内部材のレールにギヤを設け、そのギヤとかみ合うドアに歯車を設けることが考えられるが、ギヤを割れやすくし、構造が複雑なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、すでに取り付けた引き戸に対して駆動力およびブレーキの制御をし、駆動に必要な電力を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため請求項1にかかる引き戸システムは、上下の案内部材に案内されて移動する引き戸において、引き戸に取り付ける引き戸制御装置を備える引き戸システムであって、引き戸制御装置が、前記案内部材を構成する上部案内部材面に接触して回転する回転体と、前記回転体の回転軸に連結するモータと、充電可能な電池と、上部案内部材面の所定位置を検出する位置センサと、前記位置センサの検出状態によりモータと前記電池との接続状態を制御する制御回路網とを備え、前記上部案内部材面の所定位置に前記位置センサにより識別される位置識別手段を設け、位置センサにより検出された引き戸の所定の位置に応じた前記制御回路網とモータおよび電池の接続状態により、モータによる電池への充電および電池によるモータの駆動および回転体に連結するモータにより回転体を介して引き戸にブレーキをかけることを特徴とするものである。
【0005】
前記課題を解決するため請求項2にかかる引き戸システムは、請求項1の引き戸システムにおける引き戸の閉動作において、位置センサが第1の所定位置まで回転体に連結するモータの回転による起電力により電池を充電し、位置センサが第2の所定位置までモータ接続を短絡させてブレーキをかけ、位置センサが第3の所定位置まで電池によるモータの駆動により引き戸に閉動作をすることを特徴とするものである。
【0006】
前記課題を解決するため請求項3にかかる引き戸システムは、請求項1の引き戸システムにおける引き戸の開動作において、位置センサが引き戸の閉状態から第1の所定位置まで回転体に連結するモータの接続を解放して無制御とし、位置センサが第1の所定位置から引き戸の完全開状態までモータによる電池への充電接続とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1にかかる引き戸システムによると、引き戸が移動して引き戸とともに移動する引き戸制御装置の位置センサが案内部材の所定位置を検出し、その検出された引き戸の所定の位置に応じて、モータによる電池への充電および電池によるモータの駆動および回転体に連結するモータにより回転体を介して引き戸にブレーキをかけることができ、引き戸が案内部材を走行する部分に負荷をかけることがなくそのために発生する故障がなく、引き戸に引き戸制御装置を取り付ける簡単な構造で実現することができる。
【0008】
請求項2にかかる引き戸システムによると、引き戸を閉める際に、位置センサが第1の所定位置まで回転体に連結するモータの回転による起電力により電池を充電し、位置センサが第2の所定位置までモータの回線電力によるブレーキをかけ、位置センサが第3の所定位置まで電池によるモータの駆動により引き戸に閉動作をすることを制御回路網の接続により実現することができる。
【0009】
請求項3にかかる引き戸システムによると、引き戸を開ける際に、位置センサが引き戸の閉状態から第1の所定位置まで回転体に連結するモータの接続を解放して無制御とし、位置センサが第1の所定位置から引き戸の完全開状態までモータによる電池への充電接続とすることを制御回路網の接続により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】引き戸システムを示した説明図である。
図2】位置識別手段を説明する図である。
図3】引き戸の閉動作とマイクロスイッチのON,OFFを説明する図である。
図4】引き戸の開動作とマイクロスイッチのON,OFFを説明する図である。
図5】引き戸システムを説明する回路図と、動作を説明する図である。
【実施例1】
【0011】
図1図2は引き戸システムを示した説明図であり、図2は走行部、段差部の位置識別手段を説明する図であり、図3は引き戸システムの閉動作とマイクロスイッチのON,OFFを説明するタイムチャート、図4は引き戸システムの開動作とマイクロスイッチのON,OFFを説明するタイムチャート、図5は引き戸システムを説明する回路図と、動作を説明する図である。図1図2図3図4図5において、101は引き戸、102は上部案内部材、103は引き戸制御装置のケース、104は回転体、105はモータ、106は位置センサを構成する第1のマイクロスイッチ、107は位置センサを構成する第2のマイクロスイッチ、108は充電可能な電池、109は前記第1および第2のマイクロスイッチ106,107の位置検出の状態によりモータ105と前記電池108との接続状態を制御する制御回路網、110は上部案内部材102の所定位置に形成された第1の走行部、110aは前記第1の走行部110を構成し所定の走行位置を段差で表す第1の走行段形成部、111は上部案内部材102の面であって前記第1の走行部110の下方に形成された第2の走行部、111aは前記第2の走行部111を構成し所定の走行位置を段差で表す第2の走行段形成部、112a,112bは前記第1の走行段形成部110aの両端が形成し前記第1の走行部110の所定位置に形成され位置識別手段を構成する第1段差部、第2段差部、113a,113bは前記第2の走行段形成部111aの両端が形成し前記第2の走行部111の所定位置に形成され位置識別手段を構成する第3段差部、第4段差部である。
モータ105、電池108はケース103内に納められる。回転体104はケース103の上方から外部に出る。第1、第2のマイクロスイッチ106,107はケース103の上方から外部に配置される。
ケース103を引き戸101の上方に図示しないネジにより取り付ける。このとき、回転体104の面と、第1、第2のマイクロスイッチ106,107とは第1の走行段形成部110a、第2の走行段形成部111aの面に接触する。
第1の走行段形成部110a、第2の走行段形成部111aは、上部案内部材102の引き戸101が移動する方向と平行に設けられた長手の台状構造とする。第1の走行段形成部110a、第2の走行段形成部111aとは、それぞれの長さ方向にずらして配置し、第1の走行段形成部110aが形成する第1段差部112aは第2の走行段形成部111aの中間部に位置し、第2段差部112bの下部は第2の走行段形成部111aが配置しない。第2の走行段形成部111aが形成する第3の段差部113aの上方に第1の走行段形成部110aが位置せず、第4の段差部113bの上方は第1の走行段形成部110aの中間部が位置する。
【0012】
引き戸101の閉め動作について図1図2図3図5により説明する。このときの各マイクロスイッチ106,107のON,OFFとモータ105の状態を図3に示し、制御回路網109の制御によるモータ105と電池108との接続を図5(b),(c),(d),(e)に示す。スイッチによる状態は図3の矢印に示す進行方向に従って左から右へ推移する。制御回路網109の接続状態はマイクロスイッチ106,107の前の状態と現在の状態とで、接続状態が定まる。
引き戸101を例えば、図1において左から右に移動させて閉める。このとき、初めに第1のマイクロスイッチ106はOFF、第2のマイクロスイッチ107はONとなり、制御回路網109は図5の(e)の充電状態に接続する。引き戸101の移動に伴い回転体104が第2の走行段形成部111a上を回転しながら移動する。回転体104の回転がモータ105を回転させ、モータ105が発電機として機能し起電力を発生し、この電力が制御回路網109を介して電池108に与えられ充電する。
引き戸101がさらに閉める方向に移動されると第1のマイクロスイッチ106は第1の走行部110上の所定位置すなわち第1の走行段形成部110aの一端部である上昇部を形成する第1段差部112aを検出してOFFからONに変化し、制御回路網109は所定の時間だけ図5の(d)のブレーキ状態に接続する。この状態でモータ105の両端は短絡され、モータ105に回生ブレーキがかかる。制御回路網109は所定の時間経過後、図5の(c)の駆動状態に接続し、モータ105を電池108に接続して、電池108により駆動する。モータ105が電池108により駆動されて、回転体104を回転させ、その回転を第1の走行段形成部110a,第2の走行段形成部111aを介して上部案内部材102に伝え、その反力により引き戸101を左から右に自動的に移動させている。
引き戸101が移動して、第2のマイクロスイッチ107は第2の走行部111上の所定位置すなわち第2の走行段形成部111aの末端部である下降端部を形成する第4の段差部113bを検出してONからOFFに変化し、制御回路網109は図5の(b)の開放状態となり、モータ105の駆動を止める。
【0013】
引き戸101の開け動作について図1図2図4図5により説明する。このときの各マイクロスイッチ106,107のON,OFFとモータ105の状態を図4に示し、制御回路網109の制御によるモータ105と電池108との接続を図5(b),(c),(d),(e)に示す。スイッチによる状態は図4の矢印に示す進行方向に従って右から左へ推移する。制御回路網109の接続状態はマイクロスイッチ106,107の前の状態と現在の状態とで、接続状態が定まる。
引き戸101を開くときは、図1において右から左に押す。このとき、前述の閉動作の最終時と同様に、第1のマイクロスイッチ106はON、第2のマイクロスイッチ107はOFFとなり、制御回路網109は図5の(b)の開放状態に接続され、モータ105は無制御状態になっている。
引き戸101の移動とともに第1のマイクロスイッチ106、第2のマイクロスイッチ107が移動し、第2のマイクロスイッチ107が第4の段差部113bを検出してOFFからONに変化する。制御回路網109は接続を開放状態のままにする。
さらに引き戸101を開けるように移動させると、第1のマイクロスイッチ106が第1段差部112aを検出してONからOFFに変化し、制御回路網109は図5の(e)の充電状態に接続して、電池108を充電開始しこの電力を将来のモータ駆動に備えて、充電する。
【符号の説明】
【0014】
101 引き戸
102 上部案内部材
103 引き戸制御装置のケース
104 回転体
105 モータ
106 第1のマイクロスイッチ
107 第2のマイクロスイッチ
108 電池
109 制御回路網
110 第1の走行部
110a 第1の走行段形成部
111 第2の走行部
111a 第2の走行段形成部
112a 第1段差部
112b 第2段差部
113a 第3段差部
113b 第4段差部
図1
図2
図3
図4
図5