【解決手段】測距装置は、対象物との相対距離を測定するためのメインチャネルの信号に、複製や模倣が困難な乱数を生成するハードウェアロジック回路を用いたサイドチャネルの信号を重畳する。比較検証部は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を検証することで、受信信号の正当性を確認する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一の実施形態:測距装置]
図1は、本発明の第一の実施形態に係る、測距装置101の全体構成を示すブロック図である。
LED102は、電流制限抵抗R103を通じて第一直流電源104から流れ込む電流によって発光する。
一方、低周波パルス生成部105は第二直流電源106によって駆動され、測距装置101の主目的となる、およそ数Hz〜数10Hz程度の低周波パルスを生成する。低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスの波形は
図3にて後述する。この低周波パルス生成部105が生成する信号は、主たる情報を搬送するメインチャネルの信号になる。
LED102の発光は、Nチャネル型MOSFET(以下「MOSFET」)107のゲートに印加される、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン・オフ制御される。
LED102を流れる電流は乱数生成演算部106に流れ込む。
【0012】
乱数生成演算部108は、MOSFET107によって電源電流が投入されると、乱数を生成する演算処理を行う。この乱数生成演算部108は、例えばAES(Advanced Encryption Standard: 秘密鍵暗号)を生成するAES回路や、PUF(Physically Unclonable Function: 物理的な複製防止機能)を用いた乱数を生成するPUF回路等の、複製や模倣が困難な乱数を生成するデジタル回路である。サイドチャネル信号を生成する乱数生成演算部108は、例えば周知のFPGA(field-programmable gate array)やワンチップマイコン等で構成される。
つまり、FPGAやマイコン等で構成されるデジタル回路である乱数生成演算部108は、論理ゲートの集合体である。このため、乱数生成演算部108が所定の乱数を生成する演算処理を実行すると、演算処理の過程において、乱数生成演算部108に流れる負荷電流に、演算処理によって生成する乱数に起因する変動が生じる。
【0013】
図1に示すブロック図では、LED102の駆動電流が乱数生成演算部108にも流れるので、LED102が発光する光には乱数生成演算部108の処理によって生じる電流の変動がAM変調の信号成分となって光に重畳される。この乱数生成演算部108が生成する信号は、主たる情報を搬送するメインチャネルに対し、本来の情報を搬送する目的とは外れる、副次的な情報を搬送するサイドチャネルの信号である。LED102が発生する光は、任意の対象物に照射される媒体の一種であり、その意味でLED102は媒体発生源としての役割を持っている。
MOSFET107は、媒体であるLED102が発光する光に、主たる情報を搬送するために低周波パルス生成部105によって生成された、メインチャネルの信号(低周波パルス)を重畳する変調部としての役割を持っている。
メインチャネルの信号を生成する低周波パルス生成部105とサイドチャネルの信号を生成する乱数生成演算部108は、併せて送信信号源を構成する。
【0014】
LED102が発光する光は、所定の対象物109で反射して、受光素子であるフォトダイオード110に入射される。フォトダイオード110のカソードには、抵抗R111を通じて第三直流電源112の電源電圧が印加される。フォトダイオード110は、受光した光の強度に応じて端子間容量が変動する。この端子間容量の変動をコンデンサC113及び抵抗R114で検出して、アンプ115で増幅すると、受光した光から、低周波パルスの信号であるメインチャネルの信号と、サイドチャネルの信号を受信することができる。このフォトダイオード110が、対象物から反射された媒体である光を受信する媒体受信部となる。
【0015】
測距処理部116は、LED102に印加された信号(送信信号)と、フォトダイオード110から受信した信号(受信信号)がそれぞれ入力されると、各々の信号からメインチャネルの信号成分を抽出する。そして、信号成分のアップエッジまたはダウンエッジに基づいて位相を比較することで、対象物109との相対距離を測定する演算処理を実行する。送信信号と受信信号との位相差は概ねピコ秒(psec)からナノ秒(nsec)単位の、極めて短時間の時間差である。測距処理部116は、演算処理の実行結果である測距情報を、図示しない自動運転システム等の上位装置へ出力する。
【0016】
なお、メインチャネルの信号とサイドチャネルの信号の分離を容易にするため、メインチャネルの周波数帯とサイドチャネルの周波数帯は3桁以上の差があることが望ましい。測距装置101の場合、メインチャネルは数10Hz程度の低周波信号である一方、サイドチャネル信号は数10MHzから数100MHz程度の周波数の信号であることが望ましい。サイドチャネル信号の周波数は、乱数生成演算部108を構成する論理ゲートのスイッチングの速さに依存する。
【0017】
照合処理部117には、測距処理部116が出力する測距情報と、LED102に印加された信号と、フォトダイオード110から受信した信号がそれぞれ入力される。そして、照合処理部117は、各々の信号からサイドチャネルの信号成分を抽出して、デジタルデータであるサイドチャネルデータに変換する。そして、各々のサイドチャネルデータを比較して、メインチャネル信号に由来する測距情報の正当性を判定する判定結果を出力する。
【0018】
図2は、照合処理部117の機能ブロック図である。
送信信号源から得られる送信信号は、送信側サイドチャネル処理部201に入力される。
バンドパスフィルタ(以下「BPF」)202aは送信信号からサイドチャネル信号を含む周波数成分のみを選択的に出力する。
A/D変換器203aはサイドチャネルの信号をデジタルデータであるサイドチャネルデータに変換する。
バッファ204aは所定の記憶容量を有するメモリであり、A/D変換器203aから出力されるデジタルデータを格納する。
【0019】
フォトダイオード110から出力される受信信号は、受信側サイドチャネル処理部205に入力される。受信側サイドチャネル処理部205にも、送信側サイドチャネル処理部201と同様の、BPF202b、A/D変換器203b、バッファ204bが存在する。受信側サイドチャネル処理部205に含まれるこれらの機能ブロックは、送信側サイドチャネル処理部201と機能が同一であるので、各部の詳細な説明は省略する。
【0020】
送信側サイドチャネル処理部201のバッファ204aに記憶されているデジタルデータ(以下「送信側サイドチャネルデータ」)と、受信側サイドチャネル処理部205のバッファ204aに記憶されているデジタルデータ(以下「受信側サイドチャネルデータ」)は、それぞれ比較検証処理部206に入力される。
比較検証処理部206は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を算出する。受信側サイドチャネルデータはノイズ等の影響を受ける。しかし、サイドチャネルデータは正確に復調される必要はなく、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータとがある程度以上、似ていればよい。このため、データ同士の完全な一致を求めるのではなく、統計の観点から一致の度合い、すなわち類似度を算出する。この際に測距情報を、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差の補正に利用することができれば、一致の度合いの計算を容易にすることができる。そこで比較検証処理部206は、測距処理部116が出力する測距情報を、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差、すなわちサイドチャネルデータのサンプル数に変換する。そして、送信側サイドチャネル処理部201のバッファ204aから送信側サイドチャネルデータを読み出すアドレス情報と、受信側サイドチャネル処理部205のバッファ204aから受信側サイドチャネルデータを読み出すアドレス情報をずらすことで、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差を補正する。
サイドチャネルのデータは、1次元のデータ列である。同じ要素数を有する1次元の数列同士の類似度を算出するには、例えば残差平方和の算出等が挙げられる。
【0021】
比較検証処理部206は、所定のデータ量毎に類似度を繰り返し算出する。次にこの類似度データを、移動平均等を経て所定の閾値と比較する。比較検証処理部206はこのような演算処理を行うことで、受信した信号が自機から送信された正当な信号であるのか、あるいは悪意の第三者から送信された不当な信号であるのかを推定することが可能になる。比較検証処理部206はこの判定結果を、図示しない自動運転システム等の上位装置へ出力する。
【0022】
なお、
図1に示した実施形態では媒体に光を用いているが、極超短波の電波を用いても同様の処理が可能である。すなわち、本発明は媒体の種類に依存しない。
【0023】
図3は、フォトダイオード110から受信した受信信号を模式的に示す波形図である。横軸は時間であり、縦軸は電圧である。
受信信号は、マクロ的に見ると低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスと同じ波形である。しかし、受信信号が高電位を示している期間(時点T301からT302の間及び時点T303からT304の間)の波形を拡大すると、乱数生成演算部108の乱数生成演算処理によってサイドチャネル信号が重畳されている。
図1で説明したように、測距装置101におけるサイドチャネル信号は、受信信号が高電位を示している期間にのみ発生する。このため、送信信号と受信信号との間の時間軸上の確からしさを確認することができる。
更に、このサイドチャネル信号は、その電圧振幅が小さいため、例えばメインチャネル信号を波形整形するためのコンパレータを通過させると、容易に失われてしまう。
すなわち、サイドチャネル信号は、メインチャネル信号を搬送する媒体に、複製困難性と時間軸上の確からしさを与えることで、信号伝送系のセキュリティを向上させる効果がある。
【0024】
もし、悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110に偽の低周波パルス光を照射して、測距処理部116を誤動作させるとする。照合処理部117がなければ、測距処理部116は容易に偽の低周波パルス光によって騙されてしまい、誤った測距情報を自動運転システム等の上位装置に出力してしまう。結果として、自動運転システムが誤動作し、重大な事故を引き起こす可能性が考えられる。
本発明の第一の実施形態に係る測距装置101は、低周波パルス光にサイドチャネル信号が重畳され、これを照合処理部117で確認する。したがって、仮に悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110に偽の低周波パルス光を照射して、測距処理部116を誤動作させようとしても、照合処理部117の比較検証処理部206が偽の低周波パルス光であることを推定し、測距処理部116が出力する測距情報が怪しい旨の判定結果を、自動運転システム等の上位装置に出力する。自動運転システムは、悪意ある第三者による妨害工作が行われている可能性を認識し、自動運転動作を中止する等の安全確保処理に移行することができる。
【0025】
[第二の実施形態:侵入検出装置401]
本発明は、測距装置にのみ適用されるものではない。メインチャネルが無変調であり、媒体の有無のみを検出する侵入検出装置401にも適用可能である。
図4は、本発明の第二の実施形態に係る、侵入検出装置401の全体構成を示すブロック図である。
図4に示す侵入検出装置401の、
図1に示す第一の実施形態に係る測距装置101との違いは、
・MOSFET107がないので、LED102は常時発光し続けること、
・乱数生成演算部402は、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン・オフ動作すること、
・LED102の光は対象物109で反射せず、直接フォトダイオード110に入射され、侵入者403によって遮られること、
・アンプ115の出力信号が侵入者403の侵入を検出する侵入検出信号として出力されること、
・低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスは照合処理部404に入力されること、
・測距処理部116がないこと
である。
【0026】
LED102は、電流制限抵抗R103を通じて第一直流電源104から流れ込む電流によって発光する。第一の実施形態に係る測距装置101とは違い、MOSFET107がないので、LED102は発光し続ける。
一方、低周波パルス生成部105は第二直流電源106によって駆動され、およそ数Hz〜数10Hz程度の低周波パルスを生成する。低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスの波形は
図6にて後述する。この低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスは、乱数生成演算部402をオン・オフ制御する制御信号となる。第一の実施形態に係る侵入検出装置401とは違い、この低周波パルスはメインチャネルではない。
侵入検出装置401におけるメインチャネルは、無変調である。すなわち、侵入者403によってLED102の光が遮られることで、フォトダイオード110の出力信号が途絶える。したがって、侵入者403の存在を検出できる。
【0027】
LED102を流れる電流は乱数生成演算部402に流れ込む。
乱数生成演算部402は、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン制御されると、乱数を生成する演算処理を行う。この乱数生成演算部402は、低周波パルスでオン・オフ制御される以外は、特に乱数を生成する演算処理において、前述の乱数生成演算部108と同じ機能を有する。
乱数生成演算部402が所定の乱数を生成する演算処理を実行すると、演算処理の過程において、乱数生成演算部402に流れる負荷電流に、演算処理によって生成する乱数に起因する変動が生じる。
【0028】
図4に示すブロック図では、LED102の駆動電流が乱数生成演算部402にも流れるので、LED102が発光する光には乱数生成演算部402の処理によって生じる電流の変動がAM変調の信号成分となって光に重畳される。この乱数生成演算部402が生成する信号は、主たる情報を搬送するメインチャネルに対し、本来の情報を搬送する目的とは外れる、副次的な情報を搬送するサイドチャネルの信号である。LED102が発生する光は、フォトダイオード110に照射される媒体の一種であり、その意味でLED102は媒体発生源としての役割を持っている。但し、侵入検出装置401におけるメインチャネルは無変調である。
サイドチャネルの信号を生成する乱数生成演算部402は、送信信号源を構成する。
【0029】
LED102が発光する光は、そのまま受光素子であるフォトダイオード110に入射される。フォトダイオード110のカソードには、抵抗R111を通じて第三直流電源112の電源電圧が印加される。フォトダイオード110は、受光した光の強度に応じて端子間容量が変動する。この端子間容量の変動をコンデンサC113及び抵抗R114で検出することで、受光した光から、サイドチャネルの信号を受信することができる。このフォトダイオード110が、侵入者403の存在を検出するための媒体受信部となる。
【0030】
照合処理部404には、低周波パルス生成部105が出力する低周波パルスと、LED102に印加された信号と、フォトダイオード110から受信した信号がそれぞれ入力される。そして、照合処理部404は、各々の信号からサイドチャネルの信号成分を抽出する。そして、低周波パルスが論理の真を示している期間に、各々のサイドチャネルの情報を比較して、フォトダイオード110に入射された光の正当性を判定する判定結果を出力する。
【0031】
図5は、照合処理部404の機能ブロック図である。
図5に示す照合処理部404の、
図2に示す第一の実施形態に係る照合処理部117との違いは、比較検証処理部501に低周波パルスが入力されていることである。これ以外の、送信側サイドチャネル処理部201及び受信側サイドチャネル処理部205と、これらを構成するBPF202a、BPF202b、A/D変換器203a、A/D変換器203b、バッファ204a及びバッファ204bは全て機能的に同一であるので、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0032】
送信側サイドチャネル処理部201のバッファ204に記憶されている送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネル処理部205のバッファ204に記憶されている受信側サイドチャネルデータは、それぞれ比較検証処理部501に入力される。
比較検証処理部501は、低周波パルス生成部105から入力される低周波パルスが論理の真を示している期間内に、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を算出する。受信側サイドチャネルデータはノイズ等の影響でビット抜け等のエラーが多々含まれている可能性があるため、データ同士の完全な一致を求めるのではなく、確率の観点から一致の度合い、すなわち類似度を算出する。
サイドチャネルのデータは、1次元のデータ列である。同じ要素数を有する1次元の数列同士の類似度を算出するには、例えば残差平方和の算出等が挙げられる。
【0033】
比較検証処理部501は、所定のデータ量毎に類似度を繰り返し算出する。次にこの類似度データを、移動平均等を経て所定の閾値と比較する。比較検証処理部501はこのような演算処理を行うことで、フォトダイオード110から受光した光がLED102から発光された正当な光であるのか、あるいは悪意の第三者がLED懐中電灯等を用いた不当な光であるのかを推定することが可能になる。
比較検証処理部501はこの判定結果を、図示しない侵入者監視システム等の上位装置へ出力する。
【0034】
図6は、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスと、フォトダイオード110から受信した受信信号を模式的に示す波形図である。横軸は時間であり、縦軸は電圧である。
図6の(a)が低周波パルスの波形であり、(b)がフォトダイオード110から受信した受信信号の波形である。
受信信号は、マクロ的に見ると無変調の直流信号に見える。しかし、低周波パルスが高電位(論理の真)を示している期間の波形を拡大すると、乱数生成演算部402の乱数生成演算処理によってサイドチャネル信号が重畳されている。
図4で説明したように、サイドチャネル信号は、低周波パルスが論理の真を示している期間にのみ発生する。このため、送信信号と受信信号との間の時間軸上の確からしさを確認することができる。また、低周波パルスが論理の偽を示している期間の波形を拡大すると、サイドチャネル信号が重畳されていないことがわかる。
更に、このサイドチャネル信号は、その電圧振幅が小さいため、例えばメインチャネル信号を波形整形するためのコンパレータを通過させると、容易に失われてしまう。
すなわち、サイドチャネル信号は、メインチャネル信号を搬送する媒体に、複製困難性と時間軸上の確からしさを与えることで、信号伝送系のセキュリティを向上させる効果がある。
【0035】
もし、悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110にLED懐中電灯等の光を照射して、図示しない侵入者監視システムを誤動作させるとする。照合処理部404がなければ、フォトダイオード110から出力される信号がLED懐中電灯等の光を照射されることで、誤った信号を出力してしまう。結果として、侵入者監視システムは侵入者403の検出に失敗してしまう。
本発明の第二の実施形態に係る侵入検出装置401は、無変調光にサイドチャネル信号が重畳され、これを低周波パルスと共に照合処理部404で確認する。したがって、仮に悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110にLED懐中電灯等の光を照射して、侵入者監視システムを誤動作させようとしても、照合処理部404の比較検証処理部501が偽の無変調光であることを推定し、フォトダイオード110から出力される信号が極めて疑わしい旨の判定結果を、侵入者監視システム等の上位装置に出力する。侵入者監視システムは、悪意ある第三者、すなわち侵入者403による妨害工作が行われている可能性を認識し、警報を発する等の処理を実行することができる。
【0036】
本実施形態では、測距装置101及び侵入検出装置401を開示した。
測距装置101は、対象物109との相対距離を測定するためのメインチャネルの信号に、複製や模倣が困難な乱数を生成するハードウェアロジック回路を用いたサイドチャネルの信号を重畳する。メインチャネルの信号の周波数と、サイドチャネルの信号の周波数は、信号の分離を容易にするため、3桁以上の差を設けることが好ましい。
比較検証処理部206は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を検証することで、受信信号の正当性を確認する。
本発明の第一の実施形態では、従来の測距装置に乱数生成演算部108と照合処理部117を追加することで、容易にサイドチャネルに複製や模倣が困難な乱数を重畳することができ、悪意の第三者による測距装置101のクラッキングを防止することが可能になる。
【0037】
侵入検出装置401は、侵入者403の有無を検出するための無変調の媒体に、複製や模倣が困難な乱数を生成するハードウェアロジック回路を用いたサイドチャネルの信号を重畳する。
比較検証処理部501は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を検証することで、受信媒体の正当性を確認する。
本発明の第二の実施形態では、従来の侵入検出装置401に乱数生成演算部402と照合処理部404を追加することで、容易にサイドチャネルに複製や模倣が困難な乱数を重畳することができ、悪意の第三者による侵入検出装置401のクラッキングを防止することが可能になる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。